JP2004020479A - 電波時計 - Google Patents

電波時計 Download PDF

Info

Publication number
JP2004020479A
JP2004020479A JP2002178462A JP2002178462A JP2004020479A JP 2004020479 A JP2004020479 A JP 2004020479A JP 2002178462 A JP2002178462 A JP 2002178462A JP 2002178462 A JP2002178462 A JP 2002178462A JP 2004020479 A JP2004020479 A JP 2004020479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
circuit
radio
signal
receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002178462A
Other languages
English (en)
Inventor
Soichi Ubukata
生形 宗一
Kamu Waa Wan
ワン カム ワア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINKOO Ltd
TORIGAA KK
Original Assignee
SHINKOO Ltd
TORIGAA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHINKOO Ltd, TORIGAA KK filed Critical SHINKOO Ltd
Priority to JP2002178462A priority Critical patent/JP2004020479A/ja
Publication of JP2004020479A publication Critical patent/JP2004020479A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】受信地域や受信環境の如何に拘わらず、時刻修正動作に際して、受信電波の切り替えが一切不要で、短時間で時刻修正を完了できる電波時計を提供すること。
【解決手段】時刻コードで振幅変調された第1周波数の電波と時刻コードで振幅変調された第2周波数の電波との双方を受信可能な連続周波数帯域を有する受信アンテナと、前記受信アンテナの出力信号を処理して時刻コードを抽出する受信信号処理手段とを有し、前記受信信号処理手段により抽出された時刻コードに基づいて時刻修正動作を行う。前記受信信号処理手段には、前記受信アンテナの出力信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段の出力信号から時刻コードを振幅復調する復調手段と、が含まれており、さらに前記増幅手段には、第1周波数を中心とした狭帯域の信号と第2周波数を中心とした狭帯域の信号との加算結果を出力する機能が付与されている。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、時刻コードで振幅変調された特定周波数の電波(以下、『標準電波』と言う)を受信して時刻修正を行う電波時計に係り、特に、送信周波数の異なる2以上の送信所の存在する環境下での使用に好適な電波時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、電波時計の基本動作は、自立計時動作と時刻修正動作とから構成される。自立計時動作は、クロック発信源である水晶発振回路から得られる基準パルスを分周・計数して時刻情報(例えば、年月日、曜日、時、分、秒等)を生成する。時刻修正動作は、時刻コードで振幅変調された特定周波数の電波を適当なタイミング(例えば、1回/時、1回/日等)で受信・復調・復号して時刻情報を再生し、この再生された時刻情報にて自立計時動作にて生成された時刻情報を修正する。これら2つの動作が協働することで、原理的には、時刻誤差ゼロが達成される。
【0003】
斯かる電波時計は、日本国のみならず、欧米においても存在するが、その使用可能領域は標準電波の到達範囲に限定される。日本国を例にとれば、図14に示されるように、1999年6月より福島県都路村に設置された『おおたかどや送信所』から40kHzによる標準電波の送信が開始され、続いて2001年10月より佐賀県富士町に設置された『はがね山送信所』から60kHzによる標準電波の送信が開始された。なお、言うまでもないが、これらの標準電波は、送信周波数は異なるものの、変調方式、符号化方式は同一である。
【0004】
電波時計には、掛け時計型、置き時計型、腕時計型と言った様々な形式のもが存在するが、贈答品としての購入や仕事や行楽のための移動携帯等を考慮すると、今後の製品にあっては、周波数の異なる2種類の標準電波(40kHz、60kHz)への対応が不可欠とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、周波数の異なる2種類の標準電波(40kHz、60kHz)への対応を可能とした電波時計にあっては、図11に示されるように、スイッチの切り替えにより、それら2種類の標準電波のいずれかを択一的に受信可能な同調回路10が採用されている。
【0006】
なお、図11(a)において、101は高透磁率コア(例えば、フェライトコア)、102はコイル、103は第1のコンデンサ、104は第2のコンデンサ、105はスイッチであり、スイッチ105のオンオフにより、第1のコンデンサ103と並列に第2のコンデンサ104を入り切りすることで、LC並列共振回路の静電容量を二段に切り替え、2種類の標準電波(40kHz、60kHz)への対応を可能としている。
【0007】
また、図11(b)において、106は高透磁率コア(例えば、フェライトコア)、107はコイル、108は第1のコンデンサ、109は第2のコンデンサ、110はスイッチであり、スイッチ110のオンオフにより、第1のコンデンサ108と直列に第2のコンデンサ109を入り切りすることで、LC並列共振回路の静電容量を二段に切り替え、2種類の標準電波(40kHz、60kHz)への対応を可能としている。
【0008】
また、図11(c)において、124は高透磁率コア(例えば、フェライトコア)、111はタップ付きコイル、112はコンデンサ、113はスイッチであり、スイッチ113を切り替えることで、コイル111のタップを切り替えることで、LC並列共振回路の誘導容量を二段に切り替え、2種類の標準電波(40kHz、60kHz)への対応を可能としている。
【0009】
また、図11(d)において、114は高透磁率コア(例えば、フェライトコア)、115は第1のコイル、116は第2のコイル、117はコンデンサ、118はスイッチであり、スイッチ118を切り替えることにより、第2のコイル116と直列に第1のコイル115を入り切りすることで、LC並列共振回路の誘導容量を二段に切り替え、2種類の標準電波(40kHz、60kHz)への対応を可能としている。
【0010】
さらに、図11(e)において、119は高透磁率コア(例えば、フェライトコア)、120は第1のコイル、121は第2のコイル、122はコンデンサ、123はスイッチであり、スイッチ123を切り替えることで、コンデンサ122と並列接続されるべきコイルを第1のコイル120と第2のコイル121とに切り替えることにより、LC並列共振回路の誘導容量を二段に切り替え、2種類の標準電波(40kHz、60kHz)への対応を可能としている。
【0011】
しかしながら、このような2周波数択一受信型の同調回路を採用した電波時計にあっては、次のような問題点が指摘されている。
(1)使用地域や受信環境に応じて、受信すべき標準電波を2種類の電波(40kHz、60kHz)の中から選択せねばならない。
(2)受信すべき標準電波の選択を手動にて行うためには、専用の切り替え操作スイッチ等が必要となって操作部の構造が複雑となる。殊に、電波腕時計の場合には、切り替えスイッチとなる操作ボタン等の配置スペースに苦慮する。加えて、受信すべき標準電波の選択に先立ち、同調回路を切り替えて、双方の標準電波の受信を試みることが必要であるため、ユーザにとって操作が煩雑であり、選択完了までに時間も掛かる。
(3)受信すべき標準電波の選択を自動にて行うためには、図12に示されるように、受信回路電源オン処理(ステップ1201)、時刻コードの読み込み処理(ステップ1203)、時刻修正処理(ステップ1204)、及び受信回路電源オフ処理(ステップ1205)と言った従前の処理に加えて、新たに周波数選択処理ルーチン(ステップ1202)が組み込まれた新規なソフトウェアが必要となり、新たに電波時計用CPUの開発が必要となってコストアップに繋がる。すなわち、標準電波が1種類であった頃の電波時計用CPUを最早そのまま流用することはできなくなる。加えて、図13に示されるように、周波数選択処理ルーチン(ステップ1202)においては、同調回路を切り替えて(ステップ1301、1303)、双方の標準電波の受信を試み、それらの評価結果を踏まえて、受信電波を選択すると言った一連の操作(ステップ1301〜1307)を実行するために、受信電波の選択完了までに相当の時間が必要となる。因みに、標準電波において、1時刻情報の受信には最低1分程度の時間がかかり、受信エラーの確認のために少なくとも2回の受信を各標準電波のそれぞれについて行うとの前提に立てば、周波数選択ルーチンの開始から終了までには数分程度の時間が必要となる。
【0012】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、受信地域や受信環境の如何に拘わらず、時刻修正動作に際して、受信電波の切り替えが一切不要で、短時間で時刻修正を完了できる電波時計を提供することにある。
【0013】
この発明の他の目的とするところは、電波時計用CPUや受信用IC等については従前の製品をそのまま流用し、主としてIC外部回路において、僅かな変更を施すだけで、2種類の標準電波への対応を可能とした電波時計を提供することにある。
【0014】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、後述する明細書の記載に基づいて当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明の電波時計は、時刻コードで振幅変調された第1周波数の電波と時刻コードで振幅変調された第2周波数の電波との双方を受信可能な連続周波数帯域を有する受信アンテナと、前記受信アンテナの出力信号を処理して時刻コードを抽出する受信信号処理手段とを有し、前記受信信号処理手段により抽出された時刻コードに基づいて時刻修正動作を行うように構成されている。
【0016】
前記受信信号処理手段には、前記受信アンテナの出力信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段の出力信号から時刻コードを振幅復調する復調手段と、が含まれており、さらに前記増幅手段には、第1周波数を中心とした狭帯域の信号と第2周波数を中心とした狭帯域の信号との加算結果を出力する機能が付与されている。
【0017】
このような構成によれば、増幅手段の出力側には、両電波の受信出力の和に相当する電気信号が出力される。しかも、先に説明したように、両電波に含まれる時刻情報の符号化方式、変調方式は同一であるから、受信可能強度を有する電波が第1と第2のどちらの周波数の電波であろうとも、時刻コード取得に十分な強度を有する受信出力を得ることができ、両電波の加算された出力からでも、時刻情報を正しく復元することができる。その結果、受信地域や受信環境の如何に拘わらず、時刻修正動作に際して、受信電波の切り替えが一切不要で、短時間で時刻修正を完了できる電波時計を提供することができる。
【0018】
また、本発明の電波時計にあっては、増幅手段の出力側には、両電波の受信出力の和に相当する電気信号が出力されるため、受信地域が第1、第2の周波数電波をそれぞれ発する送信所のいずれからも遠い地域(例えば、小笠原諸島や沖縄奄美諸島)か、或いは両電波の受信強度がいずれも低い場所(例えば、電波遮蔽効果の高い室内等)にある場合にも、時刻情報を高感度に検出することが可能となる。
【0019】
さらに、本発明の電波時計にあっては、第1周波数の電波と第2周波数の電波とを選択するについて、アンテナ自体の共振特性を工夫して受信周波数を狭帯域化するのではなく、広帯域受信可能なアンテナの出力側において、第1並びに第2周波数に対応する狭帯域な周波数選択特性を実現するため、アンテナ自体の共振特性を工夫する場合のように磁気回路的な設計事項が不要となり、特性の安定化とコストダウンが可能となる。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態では、前記増幅手段が、前記受信アンテナの出力インピーダンスを変換するバッファ回路と、前記バッファ回路の出力信号の中で、第1周波数を中心とした狭帯域の信号と第2周波数を中心とした狭帯域の信号とを通過させる濾波回路と、前記濾波回路の各狭帯域出力の加算結果に相当する信号を出力する高周波増幅回路とを含む、ものであってもよい。
【0021】
このような構成によれば、高周波増幅回路の前段に介在された濾波回路にて周波数選択を行うため、高周波増幅回路はノイズ成分の含まない第1並びに第2周波数の信号を増幅することとなり、高周波増幅回路の出力側にはSNの良好な受信出力が得られる。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態では、前記増幅手段が、前記受信アンテナの出力インピーダンスを変換するバッファ回路と、前記バッファ回路の出力信号の中で、第1周波数を中心とした狭帯域の信号と第2周波数を中心とした狭帯域の信号とを通過させる濾波回路と、前記濾波回路の後段に配置され、第1周波数を中心とした狭帯域の信号と第2周波数を中心とした狭帯域の信号とを通過させる周波数選択機能を有する高周波増幅回路とを含む、ものであってもよい。
【0023】
このような構成によれば、高周波増幅回路の前段のみならず、高周波増幅回路自体においても周波数選択を行うため、高周波増幅回路の出力側にはより一層にSNの良好な受信出力が得られる。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態では、前記濾波回路が共振要素として水晶振動子を使用するものであってもよい。このような構成によれば、濾波回路の周波数特性が安定なものとなり、かつ製作に当たって調整が不要でコストダウンを図ることができる。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態にあっては、前記高周波増幅回路が共振要素として水晶振動子を使用するものであってもよい。このような構成によれば、高周波増幅回路の周波数特性が安定なものとなり、かつ製作に当たって調整が不要でコストダウンを図ることができる。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態にあっては、前記高周波増幅回路が電波時計用受信回路ICの初段に内蔵された高周波増幅回路であってもよい。このような構成によれば、既存の電波時計用ICをそのまま流用して、低コストで高精度かつ高感度の電波時計を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る電波時計の好適な実施の一形態を図1〜図10を参照しつつ詳細に説明する。
[第1実施形態]
【0028】
本発明電波時計全体の概略ブロック図が図1に示されている。同図に示されるように、この電波時計回路は、受信アンテナ1と、バッファ回路2と、濾波回路3と、受信回路IC4と、CPU5と、を含んでいる。ここで、バッファ回路2と濾波回路3と受信回路IC4とで、本発明の受信信号処理手段が構成されることとなる。
【0029】
受信アンテナ1は、時刻コードで振幅変調された40KHz(第1周波数)の電波と時刻コードで振幅変調された60KHz(第2周波数)の電波との双方を受信可能な連続周波数帯域を有する。このような受信アンテナ1の周波数特性曲線の一例が図5(a)に示されている。同図に示されるように、この受信アンテナ1の周波数特性は比較的にフラットな特性となっており、特定周波数への同調特性は有していない。
【0030】
バッファ回路2は、受信アンテナ1の出力側にあって、当該受信アンテナ1の出力インピーダンスを変換する機能を有する。すなわち、本発明の受信アンテナ1は従前のそれのように同調回路を具備していないので、それ自体の出力では後段の高周波増幅回路(RF増幅回路)を駆動することができない。そのため、このように、受信アンテナ1の出力側にバッファ回路2を介在させることにより、その出力インピーダンスを低下させて、同調回路が存在せずとも、その後段の高周波増幅回路の駆動を可能としている。バッファ回路2の内部回路の一例が図2の詳細回路図に示されている。同図に示されるように、この例にあっては、バッファ回路2は、2個のトランジスタ201,202を使用した低出力インピーダンス型の高周波増幅回路(RF増幅回路)にて構成されている。
【0031】
濾波回路3は、40KHz(第1の周波数)を中心とする狭帯域の信号と60KHz(第2周波数)を中心とする狭帯域の信号とを通過させる周波数特性を有する。このような濾波回路3の周波数特性は、図示されるように、40KHz(第1の周波数)を中心とする狭帯域の信号を通過させる第1のバンドパスフィルタ(BPF)31と、60KHz(第1の周波数)を中心とする狭帯域の信号を通過させる第2のバンドパスフィルタ(BPF)32との並列回路により実現されている。濾波回路3の内部回路の一例が図2の詳細回路図に示されている。同図に示されるように、この濾波回路3は、限流抵抗311と水晶振動子312とブリーダ抵抗313とからなる第1のバンドパスフィルタと、限流抵抗321と水晶振動子322とブリーダ抵抗323とからなる第2のバンドパスフィルタとからなる第2のバンドパスフィルタとを互いに並列接続して構成されれている。
濾波回路3の周波数特性曲線の一例が図5(b)に示されている。同図に示されるように、この濾波回路3の周波数特性は、40KHzおよび60KHzを中心とした狭帯域において、局部的に低インピーダンスとされており、それら狭帯域の信号のみを選択的に通過させるように仕組まれている。
【0032】
受信回路IC4は、電波時計用に製作された既存のものである。受信回路IC3の内部回路の一例が図2の詳細回路図に示されている。同図に示されるように、この受信回路IC4は、初段の高周波(RF)増幅回路401と、次段の高周波(RF)増幅回路404と、検波回路405と、比較回路(コンパレータ)406と、ピークディテクタ回路407と、自動利得制御(AGC)回路408と、電源コントロール回路400とを含んでいる。ここで、バッファ回路2と濾波回路3と初段の高周波(RF)増幅回路401と次段の高周波(RF)増幅回路404とで、本発明の増幅手段が構成されている。また、検波回路405と比較回路406とで、本発明の復調手段が構成されている。
【0033】
初段の高周波増幅回路401は、差動アンプで構成されかつ周波数選択特性を有する。すなわち、この初段の高周波増幅回路401は、40KHz(第1の周波数)を中心とする狭帯域の信号と60KHz(第2周波数)を中心とする狭帯域の信号とを選択的に増幅する機能を有する。なお、図において、402は40KHzの周波数選択特性を実現するための水晶振動子、403は60KHzの周波数選択特性を実現するための水晶振動子である。初段の高周波増幅回路401の周波数特性の一例が図6(c)に示されている。同図に示されるように、この高周波増幅回路401の周波数特性は、40KHzおよび60KHzを中心とした狭帯域において、局部的に高ゲインとされており、それら狭帯域の信号のみを選択的に増幅するように仕組まれている。なお、図5(b)と図5(c)とを比較して明らかなように、40KHz並びに60KHzにおける先鋭度は、濾波回路3よりも高周波増幅回路401の方が高いもの(図5(b)<図5(c))とされている。
【0034】
初段の高周波増幅回路401にて周波数選択されて増幅された信号は、さらに次段の高周波増幅回路404並びに検波回路405を経由して比較回路406の比較入力非反転入力へと供給される。一方、この比較回路406の基準入力反転入力にはピークディテクタ回路407の出力信号が供給されている。このピークディテクタ回路407は、検波回路405の出力を検出するものである。これにより、初段の高周波増幅回路401の出力は、増幅回路404並びに検波回路405にて増幅・検波されたのち、比較回路406にて二値化され、2個のトランジスタ409,410で構成されるフォロア出力段を経て、時刻コード信号TCO信号として信号処理用のCPU5へと供給される。なお、このピークディテクタ回路407の出力は、自動利得増制御(AGC)回路408を経由して、初段の高周波増幅回路401へとフィードバックされている。
【0035】
符号400が付されているのは、受信回路IC4の内部回路の全体に対する電源電圧の供給をコントロールする電源コントロール回路である。この電源コントロール回路400は、CPU5から出力されるPON信号の電位がGNDレベルのときには、IC4の内部回路に対する電源供給をオンする一方、PON信号が電源レベルのときには、IC4の内部回路に対する電源供給をオフするように構成されている。なお、PON信号は受信アンテナ1の後段に介在されたバッファ回路2に対しても供給されている。これにより、バッファ回路2並びに受信回路IC4は、時刻コード信号TCOを受信していないときに、無駄に電力を消費することがないように電源供給を制御される。TCO信号はその後段のCPU5に取り込まれ、時刻情報の再生処理が行われる。
【0036】
図2に示される各部の信号状態を示す波形図が図9に示されている。いま仮に、同図(a)及び(b)に示されるように、時刻コードで振幅変調された40KHzの電波信号と60KHzの電波信号が到来したものと想定する。すると、同図(c)に示されるように、高周波増幅回路401からは、それらの受信出力の和に相当する電気信号が生成出力される。
【0037】
同図(d)には、標準電波が1種類しか存在しなかった従来方式の同調回路の出力信号が参考のために示されている。同図から明らかなように、従来の1周波数しか使用しなかった場合、同調回路出力は、同図(c)に示される本発明の場合に比較してかなり小さな値となる。このことは、本発明の方式の場合、2つの周波数を同時に受信し、それらの受信出力の和を生成するため、その分だけ受信感度が向上することを意味している。
【0038】
同図(e)には、検波回路405出力が示されており、図から明らかなように、検波回路405を通過させることによって、変調信号のエンベロープが取り出される。同図(f)には、検波出力をコンパレータ406に通した結果が示されており、コンパレータ406を通過させることによって、二値信号であるTCO信号(時刻コード)が再生される。よく知られているように、このTCO信号は、一種のRZ信号であり、データ幅の時間長によって、例えば0.2秒、0.5秒、0.8秒などが表され、これらをCPU5では解読並びに加算することによって、時刻情報が再生される。尚、CPU5における時刻情報の再生処理については、様々な文献で周知であるから説明は省略する。
【0039】
こうして再生された時刻情報によって、別途自立生成されたその時点の時刻情報が修正される。すなわち、よく知られているように、電波時計の基本動作は、自立計時動作と時刻修正動作とから構成される。自立計時動作は、クロック発信源である水晶発振回路(水晶振動子8を含む)から得られる基準パルスを分周・計数して時刻情報(例えば、年月日、曜日、時、分、秒等)を生成する。時刻修正動作は、時刻コードで振幅変調された特定周波数の電波を適当なタイミング(例えば、1回/時、1回/日等)で受信・復調・復号して時刻情報を再生し、この再生された時刻情報にて自立計時動作にて生成された時刻情報を修正する。これら2つの動作が協働することで、原理的には、時刻誤差ゼロが達成される。
【0040】
こうして自立生成並びに修正された時刻情報は、液晶表示器等で構成される時刻表示部7に表示される。具体的な電波時計の形態としては、掛け時計式、置き時計式、腕時計式のいずれにも適用が可能である。殊に腕時計式の場合、本発明によれば、受信周波数切り替えのためのスイッチやボタンが不要であるから、腕時計ケースの構造を複雑化することがない。尚、操作ボタン群6は、例えば置き時計式の場合において、目覚まし機能などのためのものである。
【0041】
ところで、本発明の受信出力加算方式が正常に動作するのは、本発明が電波時計の電波送信方式を巧みに利用しているからに他ならない。これを図10を参照して説明する。いま仮に、同図(a),(b)に示されるように、40KHzの電波信号と60KHzの電波信号とが変調が同期していない場合を想定する。このとき、同図(c)に示されるように、これら2つの電波信号が合成された高周波増幅回路出力は、レベルの不安定なものとなり、同図(d)に示されるように、検波回路出力の波形に大きな乱れを生じる。従って、このような検波回路出力をコンパレータ406に通すと、同図(e)に示されるように、得られたTCO信号は40kHzおよび60kHzのどちらとも一致しないものとなって、正確に時刻情報を再生することができない。
【0042】
つまり、本発明の受信出力加算方式が正常に動作するのは、40KHzの電波信号と60KHzの電波信号とが同じ変調方式で時刻コードを送信するという電波時計特有の環境を巧みに利用した結果であることが理解されるであろう。
【0043】
次に、本発明者等が行った受信感度測定結果について説明する。受信感度測定装置の模式図が図7に示されている。同図(a)の平面図並びに(b)の立面図において、71,72はアンテナ取付用支柱スタンド、73は60kHz(第2周波数)の電波を送信するためのループアンテナ、74は40kHz(第1周波数)の電波を送信するためのループアンテナであり、75は受信感度測定のための試料として用いられた置き時計型の電波時計である。
【0044】
尚、電波時計75において、751は高透磁率コア(例えば、フェライトコア)、752は高透磁率コア751に巻回されたコイル、753は時刻表示用のディスプレイ、754a〜754eは操作ボタンである。
【0045】
本発明者等は、ループアンテナ73及び74から等距離Lをおいた位置に、置き時計型電波時計の高透磁率コア(例えば、フェライトコア)アンテナ751を置き、各ループアンテナ73,74からの送信出力を種々に変えて標準電波を送信しつつ、電波時計75の作動状態を観測した。
【0046】
これによる受信感度測定結果を示すグラフが図8に示されている。図から明らかなように、仮に、40kHz電波信号と60kHz電波信号とを択一的に受信する同調回路(図11参照)を採用したとすれば、右下がりのハッチング領域(b)に示されるように、電波時計が正常に動作するためには、図中P1並びにP2で示されるある基準強度以上の電波の受信が必要である。これに対して、本発明の受信出力加算方式によれば、右上がりのハッチング領域(a)に示されるように、受信強度P1並びにP2よりも低い領域においても、正常な受信動作が確認された。
【0047】
このことは、本発明の受信出力加算方式によれば、40kHz電波信号並びに60kHz電波信号が比較的弱い領域においても正常に動作する電波時計が提供できることを意味している。例えば、図14に示されるように、沖縄奄美領域や小笠原諸島などのように、2つの標準電波送信所よりかけ離れた地域においても本発明の電波時計は正常に動作する。また、電波遮蔽効果の高いビル内などにおいても、同様な受信電波の弱い状態が生じたとしても、本発明の電波時計によれば正常な動作が保証される。
【0048】
以上の実施の形態でも明らかなように、本発明の電波時計によれば、従前の電波択一受信方式のように同調回路の切り替えが不要となって、従前の受信回路ICや電波時計用CPUをそのまま流用して、低コストに2周波対応電波時計を製作することが可能となる。
【0049】
また、本発明の電波時計によれば、第1周波数電波信号と第2周波数電波信号がいずれも比較的弱い地域においても、それらの受信出力が加算されて十分な出力を得られるため、従前の1周波対応方式に比べ受信感度の向上を達成することができる。
【0050】
さらに、従前の1周波対応の電波時計のように、CPUにおいて各周波数の受信を試み、それらの受信結果の評価を得て最終的に受信すべき周波数を決定するという作業も不要となるため、時刻修正動作の際における所要時間も大幅に短縮することができる。
【0051】
このことが図6のフローチャートに示されている。同図から明らかなように、本発明のCPUにおいては、受信回路電源ON処理、時刻コード読み込み処理、時刻修正処理、受信回路電源OFF処理を行うだけで済み(ステップ601〜604)、図12に示した従来例のように、周波数選択ルーチン(ステップ1202)を行う必要がない。
【0052】
なお、以上の実施形態では、2周波数(40KHz,60KHz)のそれぞれに対応する狭帯域通過特性を有する濾波回路3と、同様に2周波数(40KHz,60KHz)のそれぞれに対する選択的な増幅機能を有する高周波増幅回路4にて、2周波数加算動作を実現したが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
[第2実施形態]
【0053】
例えば、図3に示されるように、濾波回路3それ自体は、2周波数(40KHz,60KHz)のそれぞれに対応する狭帯域通過特性を有するものを採用する一方、高周波増幅回路4については、従前と同様に、周波数特性の比較的にフラット(周波数選択特性を有しない)なものを採用しても良い。尚、412は外付けコンデンサである。
[第3実施形態]
【0054】
また、図4に示されるように、高周波増幅回路4それ自体は、2周波数(40KHz,60KHz)のそれぞれに対する選択的な増幅機能を有するものを採用する一方、バッファ回路2と受信回路IC4との間に介在された濾波回路3を省いても、同様な2周波数加算動作を実現することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の電波時計によれば、受信地域や受信環境の如何に拘わらず、時刻修正動作に際して、受信電波の切り替えが一切不要で、短時間で時刻修正を完了できる利点がある。
【0056】
また、この発明の電波時計によれば、電波時計用CPUや受信用IC等については従前の製品をそのまま流用し、主として周波数選択回路の新規構成採用その他僅かな変更を施すだけで、2種類の標準電波への対応を可能とすることができる。
【0057】
さらに、本発明の電波時計によれば、製作にあたって磁気回路並びに電気回路の調整が難しい同調回路を使用しないため、製作が容易でコストダウンが可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電波時計全体の概略ブロック図である。
【図2】本発明電波時計全体の詳細回路図(第1実施形態)である。
【図3】本発明電波時計全体の概略ブロック図(第2実施形態)である。
【図4】本発明電波時計全体の概略ブロック図(第3実施形態)である。
【図5】アンテナ、バンドパスフィルタ、RFアンプの周波数特性を示すグラフである。
【図6】本発明の受信動作の概略を示すフローチャートである。
【図7】受信感度測定装置を示す模式図である。
【図8】受信感度測定結果を示すグラフである。
【図9】実際のJJY時刻信号電波の場合の回路動作(2周波数が完全に同期している)である。
【図10】40KHzと60KHzが変調が同期していない信号のときの動作を示すタイムチャートである。
【図11】従来のアンテナを含む同調回路の構成図である。
【図12】従来の受信動作の概略を示すフローチャートである。
【図13】周波数選択ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図14】日本国における標準電波送信所の配置を示す図である。
【符号の説明】
1 受信アンテナ
2 バッファ回路
3 濾波回路
4 受信回路IC
5 CPU
6 操作部
7 時刻表示部
8 水晶振動子
9 バッテリ
31 第1のバンドパスフィルタ
32 第2のバンドパスフィルタ
71,72 アンテナ取付用支柱
73,74 ループアンテナ
75 電波時計
751 フェライトコア
752 コイル
753 ディスプレイ
754a〜754e 操作ボタン
201,202 バッファ回路のトランジスタ
311,321 限流抵抗
312,322 水晶振動子(濾波回路用)
313,323 ブリーダ抵抗
400 電源コントロール回路
401 初段の高周波(RF)増幅回路
402,403 水晶振動子(高周波増幅回路用)
404 次段の高周波増幅回路
405 検波回路
406 比較(コンパレータ)回路
407 ピークディテクタ回路
408 自動利得制御(AGC)回路
409,410 比較回路の出力段トランジスタ
411 出力抵抗(フォロア出力用)
412 外付けコンデンサ

Claims (6)

  1. 時刻コードで振幅変調された第1周波数の電波と時刻コードで振幅変調された第2周波数の電波との双方を受信可能な連続周波数帯域を有する受信アンテナと、前記受信アンテナの出力信号を処理して時刻コードを抽出する受信信号処理手段とを有し、前記受信信号処理手段により抽出された時刻コードに基づいて時刻修正動作を行う電波時計であって、
    前記受信信号処理手段には、
    前記受信アンテナの出力信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段の出力信号から時刻コードを振幅復調する復調手段と、が含まれており、さらに
    前記増幅手段には、第1周波数を中心とした狭帯域の信号と第2周波数を中心とした狭帯域の信号との加算結果を出力する機能が付与されている、ことを特徴とする電波時計。
  2. 前記増幅手段が、
    前記受信アンテナの出力インピーダンスを変換するバッファ回路と、
    前記バッファ回路の出力信号の中で、第1周波数を中心とした狭帯域の信号と第2周波数を中心とした狭帯域の信号とを通過させる濾波回路と、
    前記濾波回路の各狭帯域出力の加算結果に相当する信号を出力する高周波増幅回路とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電波時計。
  3. 前記増幅手段が、
    前記受信アンテナの出力インピーダンスを変換するバッファ回路と、
    前記バッファ回路の出力信号の中で、第1周波数を中心とした狭帯域の信号と第2周波数を中心とした狭帯域の信号とを通過させる濾波回路と、
    前記濾波回路の後段に配置され、第1周波数を中心とした狭帯域の信号と第2周波数を中心とした狭帯域の信号とを通過させる周波数選択機能を有する高周波増幅回路とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電波時計。
  4. 前記濾波回路が共振要素として水晶振動子を使用するものである、ことを特徴とする請求項2に記載の電波時計。
  5. 前記高周波増幅回路が共振要素として水晶振動子を使用するものである、ことを特徴とする請求項3に記載の電波時計。
  6. 前記高周波増幅回路が電波時計用受信回路ICの初段に内蔵された高周波増幅回路である、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電波時計。
JP2002178462A 2002-06-19 2002-06-19 電波時計 Pending JP2004020479A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002178462A JP2004020479A (ja) 2002-06-19 2002-06-19 電波時計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002178462A JP2004020479A (ja) 2002-06-19 2002-06-19 電波時計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004020479A true JP2004020479A (ja) 2004-01-22

Family

ID=31176176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002178462A Pending JP2004020479A (ja) 2002-06-19 2002-06-19 電波時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004020479A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006138684A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Seiko Instruments Inc 電波時計
JP2007189290A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Oki Electric Ind Co Ltd 標準電波受信回路

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006138684A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Seiko Instruments Inc 電波時計
JP4570938B2 (ja) * 2004-11-11 2010-10-27 セイコーインスツル株式会社 電波時計
JP2007189290A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Oki Electric Ind Co Ltd 標準電波受信回路

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5168164B2 (ja) 電波修正時計およびその制御方法
JP4882561B2 (ja) 受信回路および電波修正時計
US20030174584A1 (en) Electronic device, reception control method for an electronic device, and reception control program for an electronic device
US20070286028A1 (en) Radio Watch
US7027363B2 (en) Time measurement system and method of controlling the same
KR20060109498A (ko) 시보 리시버 및 디코더
JP2009036750A (ja) 電波修正時計、およびその制御方法
US9483030B2 (en) Radio timepiece and receipt control method
US20050141648A1 (en) Time signal peripheral
JP2012189558A (ja) 電波修正時計、およびその制御方法
JP4785259B2 (ja) 時刻情報受信装置および電波修正時計
JP2010175328A (ja) 電波修正時計およびその制御方法
US7848180B2 (en) Antenna apparatus, receiving apparatus and watch using magnetic sensor
EP0814390A2 (en) Electronic equipment
JP2004020479A (ja) 電波時計
JP2011112428A (ja) 電波修正時計およびその制御方法
JP5083384B2 (ja) 時刻データ受信装置、及び、電波時計
JP2003167080A (ja) 電波時計
JP4522525B2 (ja) 電波修正時計
JPH05142363A (ja) 電波修正時計
JP2012189556A (ja) 電波修正時計、およびその制御方法
US20090003140A1 (en) Method for wireless programming of a time signal receiver, wirelessly programmable time signal receiver, and programming device for wireless programming of a time signal receiver
JP3022106B2 (ja) 無線周波符号識別方法
CN1684010B (zh) 无线电钟表的接收电路及接收电路的操作方法
JP3461903B2 (ja) 電波修正機能付き時計

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060726

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061220