JP4570938B2 - 電波時計 - Google Patents
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Description
電波時計は、前記時刻コード信号を含む電波信号を受信するために、アンテナコイル及びコンデンサによって構成され同調周波数が前記電波信号の周波数に等しい同調回路(LC同調回路)を有している。
尚、複数の同調回路を有する電波時計は、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されているが、これはそれぞれ異なる周波数(例えば40kHzと60kHz)に同調させるものであり、同一の周波数に同調させるものではない。
ここで、前記制御手段は、前記同調回路から出力される出力信号中の時刻コード信号のエラーチェックを行うことにより、エラーが生じない方の同調回路を選択して、該選択した同調回路の出力信号から前記時刻コード信号を抽出し、該時刻コード信号に含まれる現在時刻の情報で前記計時手段の現在時刻を修正するように構成してもよい。
加算手段は、複数の同調回路からの出力信号を加算して出力する。制御手段は、前記加算手段の出力信号から前記時刻コード信号を抽出し、該時刻コード信号に含まれる現在時刻の情報で前記計時手段の現在時刻を修正する。
また、前記多層に重ね巻きされた複数のアンテナコイルは、下層に巻回された第1のアンテナコイルと前記第1のアンテナコイルの上層に巻回された第2のアンテナコイルによって構成されて成り、前記第1のアンテナコイルのインダクタンス値は、前記第2のアンテナコイルのインダクタンス値よりも小さいように構成してもよい。
また、前記制御手段は、前記第1、第2のアンテナコイルをプラスチック筐体に収納して使用する場合には前記第1のアンテナコイルを含む同調回路で受信した電波信号に基づいて、前記計時手段の現在時刻を修正し、前記第1、第2のアンテナコイルを金属筐体に収納して使用する場合には前記第2のアンテナコイルを含む同調回路で受信した電波信号に基づいて、前記計時手段の現在時刻を修正するように構成してもよい。
したがって、筐体の種類に関わらず汎用性の高い電波時計を構築することが可能になる。また、一般に電波時計は金属等の上に置かれると受信特性が変わってしまうが、そのような環境下でも良好な受信状態を実現することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電波時計のブロック図である。
図1において、電波時計は、同調周波数が同一の複数(本実施の形態では2つ)の同調回路を有すると共に現在時刻の情報を含む時刻コード信号を電波信号(標準時刻電波信号)で受信して出力するアンテナ回路1、アンテナ回路1の出力信号から現在時刻を表す情報である時刻コード信号を抽出して出力する受信回路10、受信回路10からの時刻コード信号に基づいて、アンテナ回路1に含まれる同調回路の選択制御やその内部の計時回路(計時手段)で計時している時刻の修正制御等を行う制御手段としての制御回路20と、前記計時手段の計時時刻等を表示する表示手段30とを有している。
同調回路として好適なアンテナコイルのインダクタンス値(L)は、プラスチック筐体(外装)と金属筐体(外装)とでは異なった値をとる。すなわち、プラスチック筐体で使用するアンテナコイルのインダクタンス値は、金属筐体で使用するアンテナコイルのインダクタンス値よりも小さい方が感度の変化を抑制できて好適である。実験によれば、プラスチック筐体ではL=10〜20mHが好適であるのに対し、金属筐体ではL=100mH程度が好適となる。
異なるインダクタンス値のコイルを同一の周波数に同調させるために、ペアとなるコンデンサの容量値(C)はそれぞれ異なる値となる。また、インダクタンス値そのものもプラスチック筐体に収納した場合と金属筐体に収納した場合で変化するため、その変化量を見込んだ最適のLC値に設定する。
AGC増幅器12の出力信号は復調器13によって標準時刻コード信号に変換され、制御回路20へ入力される。
制御回路20は、所定条件を満足する同調回路を選択するようにセレクタ11を制御して、該選択した同調回路の出力信号から前記時刻コード信号を抽出し、前記計時手段の現在時刻を修正する。前記所定条件としては、例えば、受信回路10から出力される時刻コード信号にエラーが生じないことを条件とすることができる。
また、制御回路20は、エラーチェックした結果、エラーが連続して所定回数よりも多く発生した場合には、他方の同調回路を選択して、該選択した同調回路の出力信号から前記時刻コード信号を抽出し、前記計時手段の現在時刻を修正するように構成することができる。
この関係を図2に示す。図2は、アンテナ回路1が有する同調回路のインダクタンスLと感度の関係を示す特性図で、同調回路をプラスチック外装(筐体)に収納した場合と金属外装(筐体)に収納した場合のそれぞれについてグラフにしたものである。横軸はアンテナコイルのインダクタンスL(mH)、縦軸は受信回路10との組合せによる感度(dBμV/m)である。
このように、電波時計モジュールを収容する筐体がプラスチックの場合と金属の場合では最適なインダクタンスが異なることから、本実施の形態のように、プラスチック筐体用と金属筐体用にそれぞれ最適化された複数の同調回路を備えるようにして、所定条件下で同調回路を選択的に切り換えることにより、筐体の種類に関わらず受信感度が良好な汎用性の高い電波時計モジュールを実現することができる。
前記第1の実施の形態では、受信回路10内のセレクタ11を用いて、複数の同調回路のうちの所定条件を満足する同調回路を選択し、該選択した同調回路の出力信号に含まれる時刻コード信号に基づいて時刻修正動作を行うようにしたが、本第2の実施の形態では、セレクタ11の代わりに加算手段としての加算器15を用いている。加算機15で複数の同調回路の出力信号を加算することにより、筐体の種類による影響を受けずに、良好な受信感度を得るように構成している。
図3において、標準時刻電波信号はアンテナ回路1の複数(本実施の形態では2つ)の同調回路で受信される。各同調回路は、受信回路10の加算器15に出力信号として出力する。
制御回路20は、内蔵した計時回路(計時手段)の計時時刻を、入力された標準時刻コード信号に含まれる現在時刻情報で修正し、該時刻を現在時刻として表示手段30によって表示する。
図4において、複数のアンテナコイル(第1のアンテナコイル3及び第2のアンテナコイル4)は、共通のコア2に多層に重ね巻きされている。
下層に巻回された第1のアンテナコイル3のインダクタンス値は、第1のアンテナコイル3の上層に巻回された第2のアンテナコイル4のインダクタンス値よりも小さく構成されている。
前述した実施の形態では、前記制御手段は、第1、第2のアンテナコイル3、4をプラスチック筐体に収納して使用する場合には第1のアンテナコイル3を含む同調回路で受信した電波信号に基づいて、前記計時手段の現在時刻を修正し、第1、第2のアンテナコイル3、4を金属筐体に収納して使用する場合には第2のアンテナコイル4を含む同調回路で受信した電波信号に基づいて、前記計時手段の現在時刻を修正する。
尚、前記実施の形態ではアンテナコイルは2層に巻回する例で説明したが、3層以上に巻回した構成とすることも可能である。
2・・・コア
3、4・・・アンテナコイル
5、6・・・同調コンデンサ
10・・・受信手段としての受信回路
11・・・選択手段としてのセレクタ
12・・・AGC増幅器
13・・・復調器
14・・・水晶振動子
15・・・加算手段としての加算器
20・・・制御手段としての制御回路
30・・・表示手段
Claims (5)
- 現在時刻の情報を含む時刻コード信号を電波信号で受信し、計時手段で計時している時刻を、前記時刻コード信号に含まれる現在時刻の情報で修正する電波時計において、
アンテナコイル及びコンデンサによって構成され同調周波数が同一で前記電波信号に同調する複数の同調回路と、所定条件を満たす信号を出力する同調回路を選択して、該選択した同調回路の出力信号から前記時刻コード信号を抽出し、該時刻コード信号に含まれる現在時刻の情報で前記計時手段の現在時刻を修正する制御手段とを備えて成り、
前記複数の同調回路のアンテナコイルは、インダクタンス値がそれぞれ異なることを特徴とする電波時計。 - 前記制御手段は、前記同調回路から出力される出力信号中の時刻コード信号のエラーチェックを行うことにより、エラーが生じない方の同調回路を選択して、該選択した同調回路の出力信号から前記時刻コード信号を抽出し、該時刻コード信号に含まれる現在時刻の情報で前記計時手段の現在時刻を修正することを特徴とする請求項1記載の電波時計。
- 前記複数の同調回路のアンテナコイルは多層に重ね巻きされて成ることを特徴とする請求項1または2に記載の電波時計。
- 前記多層に重ね巻きされた複数のアンテナコイルは、下層に巻回された第1のアンテナコイルと前記第1のアンテナコイルの上層に巻回された第2のアンテナコイルによって構成されて成り、
前記第1のアンテナコイルのインダクタンス値は、前記第2のアンテナコイルのインダクタンス値よりも小さいことを特徴とする請求項3記載の電波時計。 - 前記制御手段は、前記第1、第2のアンテナコイルをプラスチック筐体に収納して使用する場合には前記第1のアンテナコイルを含む同調回路で受信した電波信号に基づいて、前記計時手段の現在時刻を修正し、
前記第1、第2のアンテナコイルを金属筐体に収納して使用する場合には前記第2のアンテナコイルを含む同調回路で受信した電波信号に基づいて、前記計時手段の現在時刻を修正することを特徴とする請求項4記載の電波時計。
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