JP5402551B2 - 電波修正時計およびその制御方法 - Google Patents

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本発明は、時刻情報を有する標準電波を受信し、受信した標準電波に基づいて時刻を修正する電波修正時計およびその制御方法に関する。
標準電波を受信して、時刻を修正する電波修正時計が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
前記標準電波は振幅変調であり、前記電波修正時計は、受信回路において、フィルターなどで受信信号の包絡線を抜き出した後、比較器(コンパレーター)などで包絡線信号と基準電圧とを比較して二値化する二値化回路を備えている。そして、電波修正時計は、この二値化回路で得られたタイムコード信号に基づいて時刻情報を入手し、時刻表示を行っている。
また、これらの電波修正時計では、受信信号の増幅率を自動制御するAGC回路(Automatic Gain Control)も備えている。
前記特許文献1では、AGC電圧を2種類以上の参照電圧と比較する振幅レベル検出器と、この結果に基づきAGC電圧を昇降させるレベル調整アンプとを備え、レベル調整回路の出力とフィルター回路との出力を合成して情報信号として出力している。
これにより、復調された情報信号の信号レベルの変動を小さく抑えることができ、タイムコードの受信を安定的にかつ短時間で行えるようにしていた。
また、特許文献2では、受信信号を二値化した二値化信号の受信パルスデューティーを基準範囲値と比較し、前記受信パルスデューティーが基準範囲値内でない場合に、受信信号の増幅率を変更したり、二値化処理する際の閾値を変更して、受信信号に対する閾値の相対的なレベルを調整している。
これにより、閾値の前記相対レベルを受信信号に適したものにでき、受信環境の影響を軽減して正しいタイムコードを取得できるようになり、受信時間も短縮できて省電力化を実現できる。
特開2009−118397号公報 特開2009−19921号公報
近年、電波修正時計では、複数の国の標準電波を受信可能なタイプも開発されている。例えば、日本の標準電波「JJY」、アメリカ合衆国の標準電波「WWVB」、ドイツの標準電波「DCF77」の3種類の標準電波を切り替えて受信可能な電波修正時計が発売されている。
ここで、標準電波の信号(1,0,M又はP)のパルス幅等は各種の標準電波で異なる。従って、このような複数種類の標準電波を受信可能な電波修正時計において、各種の標準電波を受信する際の受信性能のさらなる向上が求められている。
本発明の目的は、標準電波を受信する際の受信性能を向上できる電波修正時計およびその制御方法を提供することにある。
本発明の電波修正時計は、標準電波を受信する受信部と、前記受信部で受信した信号を増幅する増幅回路と、前記増幅回路の利得を制御する自動利得制御回路と、前記増幅回路で増幅した受信信号を二値化して時刻情報を得る二値化回路とを備え、前記自動利得制御回路は、前記受信部で受信する信号に応じて、前記自動利得制御回路の応答速度を変更する応答速度変更手段を備え、前記受信部は、複数種類の標準電波を受信可能に構成され、前記応答速度変更手段は、前記受信部で受信する標準電波に含まれる各信号のパルスデューティーの差に応じて、前記自動利得制御回路の応答速度を変更することを特徴とする。
ここで、自動利得制御回路の応答速度とは、増幅回路の利得を制御する制御信号の変化速度を意味する。例えば、制御信号の電圧値を変化させて増幅回路の利得を制御する場合は、前記制御信号の電圧値の変化速度である。例えば、自動利得制御回路にコンデンサーを設け、このコンデンサーの電圧値で制御信号の電圧値を設定する場合には、前記コンデンサーの充放電の電流値を、第1の電流値およびこの第1の電流値よりも低い第2の電流値に切り替えることで、前記応答速度を変更できる。すなわち、電流値が大きな第1の電流値にすれば、第2の電流値に設定した場合に比べて、コンデンサーの電圧値つまり制御信号の電圧値の変化速度も速くなる。このため、増幅回路の利得(ゲイン)の変化速度も第2の電流値の場合に比べて高速にできる。このようにすれば、自動利得制御回路の応答速度を複数段階(少なくとも二段階)に切り替えて変更することができる。
本発明によれば、応答速度変更手段は、自動利得制御回路の応答速度(AGC応答速度)を、受信部で受信する信号、例えば受信する標準電波の種類等に応じて変更する。
このため、受信する信号に応じて適切な応答速度に設定でき、AGC応答速度を切り替えることができない場合に比べて、各種の受信信号を精度良く検出でき、ノイズの影響を軽減できて受信性能を向上できる。
すなわち、AGC応答速度を高速および低速の二段階に切り替えることができる場合、例えば、JJYやWWVBを受信する場合は、AGC応答速度を低速にし、DCF77を受信する場合は低速に設定すれば、各標準電波に適した増幅処理を行うことができ、AGC応答速度が一定の場合に比べて、様々な標準電波を切り替えて用いた場合の受信性能を向上できる。なお、AGC応答速度が高速、低速とは、お互いの速度を相対的に比較したものである。すなわち、AGC応答速度が高速とは、低速の場合の速度よりも速い速度であることを意味し、低速とは高速の場合の速度よりも遅い速度であることを意味する。
例えば、JJYやWWVBのように、「1,0,M又はP」の各信号でパルスデューティーが大きく異なる場合は、AGC応答速度が低速であり、各信号のパルスへの追従が多少遅れても、各信号を判別できる。一方で、AGC応答速度が低速であれば、外部ノイズの影響でゲインを変動してしまうことも防止できる。このため、JJYやWWVBでは、AGC応答速度を低速に設定することで、受信性能を向上できる。
一方、DCF77のように、「1」、「0」の各信号でパルスデューティーの相違が小さい場合は、AGC応答速度が低速であり、各信号のパルスへの追従が遅れると、一方の信号を他方の信号と誤認識してしまう可能性が高い。そこで、AGC応答速度を高速にし、検波波形の変化に敏感に反応して検出できるようにすれば、パルスデューティーの相違が小さい各信号を区別して判定することができる。このため、DCF77では、AGC応答速度を高速に設定することで、受信性能を向上できる。
標準電波の種類に応じて、各信号のパルスデューティー等も異なる。従って、外来ノイズの影響を受けるおそれがあっても、受信信号に敏感に反応して細いパルスでも正確に判別したほうがよい標準電波(例えばDCF77)は、その電波に合わせたAGC応答速度(高速および低速の二段階に切り替える場合は高速)に設定すればよい。
一方、受信信号に対する反応は多少緩やかでも各信号を判別できるため、外来ノイズの影響を軽減したほうがよい標準電波(例えばJJY)は、その電波に合わせたAGC応答速度(高速および低速の二段階に切り替える場合は低速)に設定すればよい。
このように標準電波の種類に応じて、自動利得制御回路の応答速度を変更すれば、各標準電波における受信性能をそれぞれ向上することができる。
本発明の電波修正時計において、前記応答速度変更手段は、前記受信部で受信する標準電波の時刻コードにおいて予め設定されたタイミングで、受信中に前記自動利得制御回路の応答速度を変更することが好ましい。
標準電波には、通常、パルスデューティーが異なる1信号、0信号、M(マーカー)信号、P(ポジションマーカー)信号が含まれるが、1信号と、0信号と、MおよびP信号とでパルス幅が異なる。ここで、M信号が送信されるタイミングは、標準電波のタイムコードフォーマットにおいて0秒のタイミングに固定されているので、M信号を受信するタイミングと、その他の信号を受信するタイミングとで、AGC応答速度を変更すれば、各信号をより精度良く検出できて受信性能を向上できる。
例えば、JJYにおいてM信号は「1」や「0」の信号に比べてパルス幅が狭い。従って、M信号を受信するタイミングは、他の1信号や0信号を受信する場合に比べて、AGC応答速度を速くしたほうが、M信号を精度良く検出でき、受信性能を向上できる。
本発明の電波修正時計において、前記自動利得制御回路は、自動利得制御回路の出力信号の電圧を制御するコンデンサーを備え、前記応答速度変更手段は、前記受信部で受信する信号に応じて、前記コンデンサーの充放電の電流値を変化させることで、前記自動利得制御回路の応答速度を変更することが好ましい。
コンデンサーの充放電の電流値を変化させれば、コンデンサーの電圧変化の速度が変化し、自動利得制御回路の出力信号の電圧変化速度つまりAGC応答速度を変更できる。
例えば、AGC応答速度を2段階に切り替える場合、コンデンサーを充放電する系統を2つ設け、AGC応答速度を低速にする場合には、1系統のみで充放電し、高速にする場合は、2系統で充放電し、コンデンサーの充放電の電流値を2段階に切り替えて変更すればよい。応答速度変更手段が、このような充放電の系統数を切り替える構成であれば、例えば、IC内に組み込むこともでき、部品を小型化できる。
本発明の電波修正時計において、前記自動利得制御回路は、自動利得制御回路の出力信号の電圧を制御するコンデンサーを備え、前記応答速度変更手段は、前記受信部で受信する信号に応じて、前記コンデンサーの容量を変化させることで、前記自動利得制御回路の応答速度を変更することが好ましい。
コンデンサーの容量を変化させれば、コンデンサーの電圧変化の速度が変化し、自動利得制御回路の出力信号の電圧変化速度つまりAGC応答速度を変更できる。
例えば、AGC応答速度を2段階に切り替える場合、2つのコンデンサーを用意し、AGC応答速度を低速にする場合には、2つのコンデンサーを並列に接続して容量を大きくし、高速にする場合は、一方のコンデンサーのみを利用して容量を小さくし、コンデンサーの容量を2段階に切り替えて変更すればよい。応答速度変更手段が、このようなコンデンサーの接続を切り替える構成であれば、例えば、様々な容量のコンデンサーを組み込んでみることで、その製品のアンテナ特性などに応じて受信性能が最適となるように調整することができる。
本発明の電波修正時計において、前記応答速度変更手段は、前記自動利得制御回路の応答速度を、第1応答速度と、この第1応答速度よりも遅い第2応答速度に切り替え可能に構成され、前記受信部による受信動作の開始時は、前記自動利得制御回路の応答速度を前記第1応答速度に設定し、受信動作の開始から所定時間経過後に、前記受信部で受信する信号に応じて前記第1応答速度または前記第2応答速度に設定することが好ましい。
受信動作の開始時は、受信する信号の種類に関係なく、第2応答速度よりも高速な第1応答速度に設定しているので、前記増幅回路の利得を最適な値に変更するまでの時間も短くなり、標準電波の受信を開始してから、所定のタイムコードが出力されるまでの起動時間を短縮することができる。
本発明の電波修正時計の制御方法は、標準電波を受信する受信部と、前記受信部で受信した信号を増幅する増幅回路と、前記増幅回路の利得を制御する自動利得制御回路と、前記増幅回路で増幅した受信信号を二値化して時刻情報を得る二値化回路とを備えた電波修正時計の制御方法であって、前記受信部は、複数種類の標準電波を受信可能に構成され、前記受信部で受信する標準電波に含まれる各信号のパルスデューティーの差に応じて、前記自動利得制御回路の応答速度を変更することを特徴とする。
本発明によれば、自動利得制御回路の応答速度(AGC応答速度)を、受信部で受信する標準電波に含まれる各信号のパルスデューティーの差に応じて変更する。
このため、受信する信号に応じて適切な応答速度に設定でき、AGC応答速度を切り替えることができない場合に比べて、各種の受信信号を精度良く検出でき、ノイズの影響を軽減できて受信性能を向上できる。
本発明の第1実施形態に係る電波修正時計の構成を示すブロック図である。 第1実施形態のAGC回路の構成を示す回路図である。 AGC電圧と増幅回路のゲインの関係を示すグラフである。 日本における標準電波「JJY」の各信号に対する受信パルスデューティーおよび振幅変化を示す図である。 アメリカ合衆国における標準電波「WWVB」の各信号に対する受信パルスデューティーおよび振幅変化を示す図である。 ドイツにおける標準電波「DCF77」の各信号に対する受信パルスデューティーおよび振幅変化を示す図である。 日本における標準電波「JJY」のタイムコードフォーマットを示す図である。 AGC応答速度の設定データを示す図である。 第1実施形態の受信処理を示すフローチャートである。 起動初期のAGC電圧とTCOを示す波形図である。 電波波形、タイムコード、AGC電圧、検波波形、TCOを示す波形図である。 第2実施形態のAGC回路の構成を示す回路図である。 AGCコンデンサーの容量と受信感度との関係を示すグラフである。 第3実施形態の受信処理を示すフローチャートである。 AGC応答速度が速い場合と遅い場合のTCOを示す波形図である。
以下、本発明の第1実施形態に係る電波修正時計1を図面に基づいて説明する。
〔電波修正時計の構成〕
電波修正時計1は、図1に示すように、アンテナ2と、受信回路部3と、制御回路部4と、表示部5と、外部操作部材6と、水晶振動子48とを備えている。
アンテナ2は、長波標準電波(以下、「標準電波」と称す)を受信し、受信した標準電波の信号を受信回路部3に出力する。
受信回路部3は、アンテナ2にて受信した標準電波の受信信号を復調して、TCO(Time Code Out:タイムコード出力)として制御回路部4に出力する。なお、受信回路部3の詳細な説明は、後述する。
制御回路部4は、入力されたTCOをデコードしてTC(タイムコード、時刻データ)を生成し、生成したTCに基づいて時刻カウンター43の時刻を設定する。また、制御回路部4は、時刻カウンター43の時刻を表示部5に表示させる制御をする。さらに、制御回路部4は、受信回路部3に制御信号を出力する。なお、制御回路部4の詳細な説明は、後述する。
表示部5は、制御回路部4の駆動回路部46により駆動制御され、時刻カウンター43でカウントされる時刻を表示させる。この表示部5としては、例えば液晶パネルを備え、液晶パネルに時刻を表示させる構成であってもよく、文字板および指針を備え、制御回路部4により指針を運針させて時刻を表示させる構成であってもよい。
外部操作部材6は、例えばリューズや設定ボタンなどにより構成され、利用者により操作されることで制御回路部4に所定の操作信号を出力する。この操作信号としては、例えば、アンテナ2で受信される標準電波の種類(例えば、日本におけるJJY、アメリカ合衆国におけるWWVB、ドイツにおけるDCF77など)を設定する旨の電波種類設定データ、標準電波を受信して時刻を修正させる旨の修正要求情報などが挙げられる。
基準クロック用の水晶振動子48は、所定の基準信号(基準クロック、例えば32.768kHzの信号)を出力するものであり、この水晶振動子48から出力された基準信号が制御回路部4に入力されている。
〔受信回路部の構成〕
受信回路部3は、図1に示すように、同調回路31と、増幅回路としての第1増幅回路32と、バンドパスフィルター(Band-pass filter,以下、「BPF」と略す場合がある)33と、第2増幅回路34と、包絡線検波回路35と、自動利得制御回路としてのAGC(Auto Gain Control)回路36と、二値化回路37と、デコード回路39とを備えて構成されている。
同調回路31は、コンデンサーを備えて構成され、当該同調回路31とアンテナ2とにより並列共振回路が構成される。この同調回路31は、制御部47からの制御信号SLで同調周波数が切り替えられ、特定の周波数の電波をアンテナ2で受信させる。この同調回路31により、アンテナ2で受信された標準電波が電圧信号に変換され、第1増幅回路32に出力される。なお、本実施形態の受信回路部3では、日本の標準電波「JJY」の他、アメリカ合衆国の標準電波「WWVB」、ドイツの標準電波「DCF77」、イギリスの標準電波「MSF」などの各地域における標準電波を受信可能に構成されている。
従って、アンテナ2および同調回路31により、複数種類の標準電波を受信可能な受信部が構成されている。
第1増幅回路32はAGCアンプであり、後述するAGC回路36から入力する信号(AGC電圧)に応じてゲインを調整し、同調回路31から入力する受信信号を一定の振幅としてBPF33に入力するように増幅する。すなわち、第1増幅回路32は、AGC回路36から入力する信号に応じて、振幅が大きい場合にはゲインを低くし、振幅が小さい場合にはゲインを高くして、受信信号を一定の振幅となるように増幅する。
BPF33は、所望の周波数帯の信号を抽出するフィルターである。すなわち、BPF33を介することにより、第1増幅回路32から入力した受信信号から搬送波成分以外が除去される。
第2増幅回路34は、BPF33から入力する受信信号を、固定のゲインでさらに増幅する。
包絡線検波回路35は、図示しない整流器と、図示しないローパスフィルター(Low-Pass Filter,LPF)とを備えて構成され、第2増幅回路34から入力した受信信号を整流およびろ波し、ろ波して得られた包絡線信号を、AGC回路36および二値化回路37に出力する。
AGC回路36は、包絡線検波回路35から入力した受信信号に基づいて、第1増幅回路32にて受信信号を増幅する際のゲインを決定する信号を出力する。このAGC回路36は、本発明の特徴でもあるため、その詳細な説明は後述する。
二値化回路37は、包絡線検波回路35から入力する包絡線信号を、所定の基準電圧(閾値)と比較して二値化した二値化信号すなわちTCO信号を出力する。
具体的に、二値化回路37は、包絡線信号の電圧が基準電圧を上回っている場合にはHiレベルの電圧を有する信号を、また、包絡線信号の電圧が基準電圧を下回っている場合には、Hiレベルの信号より電圧値の低いLowレベルの信号を、TCO信号として、制御回路部4のTCOデコード部41に出力する。
なお、包絡線信号の電圧が基準電圧を上回っている場合にはLowレベルを、包絡線信号の電圧が基準電圧を下回っている場合にはHiレベルの信号を、TCO信号として、制御回路部4のTCOデコード部41に出力するように構成することも可能である。
また、二値化回路37で包絡線信号と比較する基準電圧は、予め設定した固定値でもよいし、受信信号の種類やSN比などに応じて調整してもよい。
デコード回路39は、後述する制御回路部4と、シリアル通信線SLを介して接続されている。そして、このデコード回路39は、制御回路部4から入力する制御信号をデコードし、当該制御信号に含まれるコードに基づいて、受信回路部3を制御する信号を出力する。
〔AGC回路の構成〕
AGC回路36は、例えば、図2に示すような回路で構成できる。すなわち、AGC回路36は、コンパレーター361と、AGCコンデンサー362と、第1〜4の定電流源363〜366と、スイッチとして機能するFET(電界効果トランジスター)367〜369と、インバーター370,371と、プルダウン抵抗372と、第1基準電圧を出力する定電圧源373と、第2基準電圧を出力する定電圧源374と、起動回路375を備えている。
コンパレーター361は、2つの入力端子を備える。一方の入力端子(プラス入力)は、低電位の電源VSSに接続されて第1基準電圧を出力する定電圧源373に接続され、他方の入力端子(マイナス入力)は、包絡線検波回路35に接続されている。
このため、コンパレーター361は、包絡線検波回路35から入力される包絡線信号の電圧が、第1基準電圧未満であればHiレベルの信号を出力し、第1基準電圧以上であればLowレベルの信号を出力する。
第1の定電流源363は、電源VSSよりも高電位の電源VDDとAGCコンデンサー362間に接続されている。第1の定電流源363は、コンパレーター361からHiレベル信号が出力されるとオン状態となり、Lowレベル信号が出力されるとオフ状態となる。
第2の定電流源364は、AGCコンデンサー362と電源VSS間に接続されている。コンパレーター361および第2の定電流源364間にはインバーター370が配置されているので、第2の定電流源364は、コンパレーター361からLowレベル信号が出力されるとオン状態となり、Hiレベル信号が出力されるとオフ状態となる。
従って、コンパレーター361からHiレベル信号が出力されると、第1の定電流源363がオン、第2の定電流源364がオフとなり、定電流源363は一定値の電流を流してAGCコンデンサー362を充電する。
AGCコンデンサー362が充電されると、第1増幅回路32に入力されるAGC電圧(AGC制御電圧)が上昇する。ここで、本実施形態の第1増幅回路32は、図3に示すように、AGC電圧が高くなると、第1増幅回路32のゲイン(利得)が大きくなるように構成されている。従って、AGCコンデンサー362が充電されてAGC電圧が上昇すると、第1増幅回路32のゲイン(利得)は大きくなる。
一方、コンパレーター361からLowレベル信号が出力されると、第1の定電流源363がオフ、第2の定電流源364がオンとなり、定電流源364は一定値の電流を流してAGCコンデンサー362を放電する。
AGCコンデンサー362が放電されると、第1増幅回路32に入力されるAGC電圧が下降し、第1増幅回路32のゲイン(利得)が小さくなる。
〔応答速度変更手段の構成〕
上記の第1の定電流源363、第2の定電流源364によるAGCコンデンサー362の充放電によって、AGC電圧が変化する速度を第2応答速度とした場合、AGC電圧を第2応答速度よりも高速な第1応答速度で変更する構成(応答速度変更手段)を以下に説明する。
この応答速度変更手段は、第3の定電流源365、第4の定電流源366、FET367,368、インバーター371で構成され、後述する制御回路部4の制御部47から出力されるAGC制御信号によって制御される。
第3の定電流源365は、電源VDDに接続されたFET367と、AGCコンデンサー362間に接続されている。第3の定電流源365は、第1の定電流源363と同じく、コンパレーター361からHiレベル信号が出力されるとオン状態となり、Lowレベル信号が出力されるとオフ状態となる。
第4の定電流源366は、AGCコンデンサー362と、電源VSSに接続されたFET368間に接続されている。第4の定電流源366は、第2の定電流源364と同じく、コンパレーター361からLowレベル信号が出力されるとオン状態となり、Hiレベル信号が出力されるとオフ状態となる。
FET367,368は、後述する制御回路部4の制御部47から出力されるAGC制御信号によって、オン・オフが制御される。すなわち、FET367,368は、pチャネル、nチャネルのFETであり、一方のFET367は、制御部47に対してインバーター371を介して接続されている。
このため、制御部47から出力されるAGC制御信号がHiレベルになると、FET367,368は共にオン状態となる。このFET367,368がオン状態で、コンパレーター361からHiレベル信号が出力されると、第1の定電流源363だけでなく、第3の定電流源365からも電流が流れる。すなわち、AGCコンデンサー362を充電する電流が二系統となり、第1の定電流源363からの電流のみで充電する場合に比べて充電電流が増え、AGCコンデンサー362の電圧変化速度も高くなる。
また、コンパレーター361からLowレベル信号が出力されると、第2の定電流源364だけでなく、第4の定電流源366にも電流が流れる。すなわち、AGCコンデンサー362を放電する電流が二系統となり、第2の定電流源364のみで放電する場合に比べて放電電流が増え、AGCコンデンサー362の電圧変化速度も高くなる。
従って、AGC回路36から第1増幅回路32に出力されるAGC電圧が増減して第1増幅回路32のゲインを変化させる際の変化速度、つまりAGC回路36の応答速度(応答速度)が速くなる(時定数が小さくなる)。
一方、制御部47から出力されるAGC制御信号がLowレベルになると、FET367,368は共にオフ状態となる。このFET367,368がオフ状態で、コンパレーター361からHiレベル信号が出力されると、第1の定電流源363のみから電流が流れる。すなわち、AGCコンデンサー362を充電する電流が1系統となり、2系統で充電する場合に比べて充電電流が減少し、AGCコンデンサー362の電圧変化速度も遅くなる。
また、コンパレーター361からLowレベル信号が出力されると、第2の定電流源364のみに電流が流れる。すなわち、AGCコンデンサー362を放電する電流が1系統となり、2系統で放電する場合に比べて放電電流が減少し、AGCコンデンサー362の電圧変化速度も遅くなる。
従って、AGC回路36から第1増幅回路32に出力されるAGC電圧が増減して第1増幅回路32のゲインを変化させる際の変化速度、つまりAGC回路36の応答速度(応答速度)が遅くなる(時定数が大きくなる)。
このように、本実施形態の応答速度変更手段によれば、AGC回路36の応答速度を、高速および低速の二段階に変更することができる。
AGCコンデンサー362は、1秒程度の時定数を実現するために、数μF程度の容量に設定されている。このAGCコンデンサー362は、受信回路部3や制御回路部4を構成するICの外に設けられたセラミックコンデンサーやタンタルコンデンサーで構成されている。
起動回路375は、制御部47から受信回路部3を起動するためのPWRON信号が入力された際に、FET369に1パルスの起動信号を出力するように構成されている。
FET369は、電源VDDに接続されて第2基準電圧を出力する定電圧源374と、AGCコンデンサー362間に接続されている。そして、起動回路375からの起動信号が入力されることで、FET369は受信回路部3の起動直後の所定期間のみオン状態とされる。従って、AGCコンデンサー362は、受信回路部3の起動直後の所定期間は、定電圧源374に接続されて充電される。
ここで、前記第2基準電圧は、第1増幅回路32をフルゲインとするAGC電圧と、ミニマムゲインとするAGC電圧との中間値程度に設定されている。このように、第2基準電圧を中間値程度に設定することで、受信回路部3を起動してからTCOが出力し始めるまでの起動時間を最も短縮できる可能性が高くなる。
また、受信回路部3の起動直後は、前記AGC制御信号をHiレベル信号としてFET367,368をオン状態としてAGC回路36の応答速度を速い設定にしている。これにより、所望のAGC電圧に到達する速度、つまり第1増幅回路32のゲインを適切な値にできる速度が速くなり、TCOが出力されるまでの起動時間も短縮できる。
〔制御回路部の構成〕
制御回路部4は、前述のように、受信回路部3の動作を制御するものであり、受信回路部3のデコード回路39に対して制御信号を出力する。具体的には、制御回路部4の制御部47は、受信する標準電波に応じた同調コンデンサーの切り替えやバンドパスフィルターの切り替えを指示する制御信号を、デコード回路39を通してシリアル通信で行い、受信回路部3を起動するPWRON信号の受信開始時に送信する。
また、制御部47は、AGC回路36にAGC制御信号を出力し、AGC応答速度の切り替え制御を行う。このAGC制御は、例えば、タイムコードフォーマットにおける所定のタイミングで応答速度を切り替えるなど、タイミングの管理が求められるため、リアルタイムで行う必要がある。このため、AGC制御信号は、前記デコード回路39に対するシリアル通信とは別系統で独立して送信されている。
また制御回路部4は、二値化回路37から入力するTCO信号をデコードして、デコードされて生成したタイムコードに基づいて、時刻カウンター43の時刻を設定する。さらには、制御回路部4は、時刻カウンター43の時刻を表示部5に表示させる制御をする。
この制御回路部4は、図1に示すように、TCOデコード部41と、記憶部42と、時刻カウンター43と、駆動回路部46と、制御部47とを備えて構成されている。なお、制御部47には、前記水晶振動子48から出力された基準信号が入力されている。
TCOデコード部41は、受信回路部3の二値化回路37から入力するTCO信号をデコードして、当該TCO信号に含まれる日付情報および時刻情報等を有するタイムコード(TC、時刻データ)を抽出する。そして、TCOデコード部41は、抽出したTCを制御部47に出力する。
具体的には、TCOデコード部41は、TCO信号の波形を認識し、所定のパルス幅(例えば1Hz)に対する受信パルスデューティーを計測する。そして、この受信パルスデューティーの違いによりTCO信号からTCを認識する。
例えば、日本国内において用いられる標準電波(JJY)では、ハイレベル信号とローレベル信号の振幅変化は10%である。また、パルスデューティーは、図4に示すように、1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.5秒である場合(つまり、デューティーが50%である場合)、「1」の信号(1信号)を認識する。また、1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.8秒である場合(つまり、デューティーが80%である場合)、「0」の信号(0信号)を認識する。1秒のパルス幅に対して、ハイレベル信号のパルス幅が0.2秒である場合(つまり、デューティーが20%である場合)、「M」信号(マーカー信号)および「P」信号(ポジションマーカー信号)を認識する。そして、TCOデコード部41は、これら認識した1信号、0信号、およびM、P信号の並びにより所定のTCを認識する。
なお、上記において、JJYにおけるTCの認識を例示したが、受信された標準電波が他の種類である場合、それぞれの電波に対応するデューティーにより、TCを認識する。
例えば、図5、6に示すように、アメリカ合衆国における標準電波(WWVB)では、振幅変化は33%であり、ハイレベル信号のパルス幅が0.5秒(ローレベル信号のパルス幅が0.5秒)つまりデューティーが50%である場合に1信号、ハイレベル信号のパルス幅が0.8秒(ローレベル信号のパルス幅が0.2秒)つまりデューティーが80%である場合に0信号、ハイレベル信号のパルス幅が0.2秒(ローレベル信号のパルス幅が0.8秒)つまりデューティーが20%である場合にM信号およびP信号を認識する。
また、ドイツにおける標準電波(DCF77)では、振幅変化は25%であり、ローレベル信号のパルス幅が0.2秒つまりローレベル信号のデューティーが20%である場合に1信号、ローレベル信号のパルス幅が0.1秒つまりローレベル信号のデューティーが10%である場合に0信号を認識する。
また、図示を略すが、イギリスにおける標準電波(MSF)では、ローレベル信号のパルス幅が0.2秒つまりローレベル信号のデューティーが20%である場合に1信号、ローレベル信号のパルス幅が0.1秒つまりローレベル信号のデューティーが10%である場合に0信号、ローレベル信号のパルス幅が0.5秒つまりローレベル信号のデューティーが50%である場合にM信号およびP信号を認識する。
そして、標準電波毎のタイムコードフォーマットにおいて、上記1,0,M,Pの各信号を用いることで時刻情報を送信している。
例えば、JJYのタイムコードフォーマットでは、図7に示すように、1秒ごとに一つの信号が送信され、60秒で1レコードとして構成されている。つまり、1フレームが60ビットのデータである。また、データ項目として分、時の現時刻情報と、現在年の1月1日からの通算日、年(西暦下2桁)、曜日等のカレンダー情報とが含まれている。各項目の値は、各秒毎に割り当てられた数値の組み合わせによって構成され、この組み合わせのON、OFFが信号の種類から判断される。さらに、P信号およびM信号が連続して入力された場合、つまりハイレベル信号のパルス幅が0.2秒の信号が連続して入力された場合の、2番目の信号のタイミングが0秒位置となる。従って、0.2秒の信号を2つ連続で検出すると分同期を認識することができる。
他の標準電波も、図示を略すが、タイムコードフォーマットがそれぞれ規定されている。
記憶部42は、制御回路部4による受信回路部3の制御等に必要な各種データやプログラム等を記憶するメモリーである。このような記憶部42は、電波修正時計1の製造時に設定され、AGCの応答速度などを設定するAGC設定情報が記憶されるAGC設定記憶部421を備えている。
このAGC設定記憶部421に記憶されるAGC設定情報は、図8に示すように、電波種類データと、AGC設定データとが関連付けられて記憶されている。
ここで、電波種類データは、受信回路部3にて受信される標準電波の種類に関する情報であり、例えば、JJY、WWVB、DCF77などが記録されている。
AGC設定データには、電波種類データにて特定される標準電波毎に、AGCの応答速度を高速または低速のどちらに設定するのかを示すAGC応答速度基本設定と、所定のタイミングで応答速度を切り替える場合の切替タイミングとが記録されている。
例えば、ドイツDCF77は、図6に示すように、信号が「1」、「0」のみであり、それぞれ100msec、200msecとパルス幅も近い。このため、JJYやWWVBに比べて、ドイツDCF77の信号識別は困難であり、「1」を「0」と誤判定したり、「0」を「1」と誤判定したり、幅が細いパルスノイズを信号と判断してしまうエラーを生じやすい。従って、TCの正確なデコードを行うには、パルス幅を正確に判断することが重要である。
このため、DCF77のAGC応答速度の基本設定は、「高速(第1応答速度)」に設定されている。
これに対し、JJYやWWVBは、図4,5に示すように、各信号のパルスデューティーの差が大きいため、AGC応答速度の基本設定は、「低速(第2応答速度)」に設定されている。
また、AGC応答速度の基本設定が「低速」であるJJY、WWVBでは、AGCの応答速度を高速および低速に切り替える切替タイミングも記録されている。すなわち、図7に示すようなタイムコードフォーマットにおいて、毎正分のマーカーを受信するタイミングではAGC応答速度を高速に設定できるように、毎正分の5秒前である55秒のタイミングで「低速から高速」に切り替え、毎正分の1秒後である1秒のタイミングで「高速から低速」に切り替えるように設定されている。
なお、第1実施形態の受信処理では、後述するように、切替タイミングの情報は利用しておらず、後述する第3実施形態で利用している。
時刻カウンター43は、水晶振動子48から出力される基準信号に基づいて、時間(内部時刻)をカウントする。具体的には、時刻カウンター43は、秒をカウントする秒カウンター、分をカウントする分カウンター、時をカウントする時カウンターを備えている。
秒カウンターは、例えば水晶振動子48が接続されている制御部47内の発振回路(図示せず)から1Hzの基準信号が出力されている場合、その信号を60カウントつまり60秒でループするカウンターである。分カウンターは、1Hzの基準信号を60回係数したところで1カウントし、60カウント、すなわち60分でループするカウントである。時カウンターは、1Hzの基準信号を3600回係数したところで1カウントし、24カウント、すなわち24時間でループするカウントである。
なお、分カウンターは、秒カウンターが60カウントするごとに秒カウンターから分カウンターに信号を出力して分カウンターをカウントアップさせる構成としてもよい。同様に、時カウンターは、分カウンターが60カウントするごとに分カウンターから時カウンターに信号を出力され、時カウンターをカウントアップさせる構成としてもよい。
駆動回路部46は、制御部47から出力される時刻表示制御信号に基づいて、表示部5の表示状態を制御し、表示部5に時刻を表示させる制御をする。例えば、表示部5が液晶パネルを有し、液晶パネルに時刻を表示させる構成である場合、駆動回路部46は、時刻表示制御信号に基づいて、液晶パネルを制御し、液晶パネルに時刻を表示させる制御をする。また、表示部5が文字板および指針を有する構成である場合、駆動回路部46は、指針を駆動させるステッピングモーターに、パルス信号を出力し、ステッピングモーターの駆動力により指針を運針させる制御をする。
制御部47は、水晶振動子48から入力される駆動周波数に基づいて駆動し各種制御処理を実施する。すなわち、制御部47は、TCOデコード部41から入力されるTCを、時刻カウンター43に出力し、時刻カウンター43のカウントを修正する制御をする。また、制御部47は、時刻カウンター43にてカウントされる時刻を表示部5に表示させる旨の時刻表示制御信号を駆動回路部46に出力する。
なお、制御部47と、デコード回路39とは、前述のように、シリアル通信線SLにより接続され、制御信号は、シリアル通信線SLを介してデコード回路39に入力される。
ここで、制御部47と受信回路部3とのシリアル通信においては、制御部47と受信回路部3との間で双方向通信が可能な2線の同期式インターフェースを用いて、それぞれによる双方向のシリアル通信を行うようにしてもよい。このような場合、制御部47から受信回路部3に制御信号を出力した後、当該受信回路部3が、受信および認識した制御信号を制御部47に再度転送し、制御部47にて出力した制御信号と入力した制御信号とのデータの差異を確認することで、より信頼性の高いシリアル通信を行うことができる。
さらに、制御部47は、AGC設定記憶部421に記憶された情報に基づいて、AGC制御信号をAGC回路36に出力する。
〔電波修正時計の動作〕
次に、上記のような電波修正時計1における、標準電波による時刻修正動作について説明する。
図9は、電波修正時計1の時刻修正動作を示すフローチャートである。
図10は、受信回路部3の起動時のAGC電圧やTCO信号の波形を示す図である。
図11は、標準電波の波形と、TCと、AGC電圧と、標準電波を受信した際の包絡線信号の検波波形と、包絡線信号を基準電圧と比較する二値化回路37の出力であるTCO信号の波形とを示す図である。
電波修正時計1の製造時には、図8に示すAGC設定情報が記憶部42のAGC設定記憶部421に書き込まれて記憶される。
電波修正時計1の制御部47は、外部操作部材6から時刻修正を実施する旨の操作信号が入力されたり、予め設定された時刻となったりしたことを認識すると、受信回路部3にPWRON信号を入力して受信回路部3を起動し、アンテナ2による標準電波の受信を開始する(ステップ1、以下ステップを「S」と略す)。
この際、制御部47は、アンテナ2での受信に影響しないように、駆動回路部46を介して秒針の運針を停止している。
また、制御部47からPWRON信号が出力されると、図2に示すように、AGC回路36の起動回路375からワンパルス信号が出力され、FET369を短時間オンする。このため、AGCコンデンサー362は、FET369がオンされた時間だけ定電圧源374の第2基準電圧で充電される。従って、図10に示すように、AGCコンデンサー362の電圧は上昇する。ここで、第2基準電圧は、前述の通り、第1増幅回路32を中間ゲインに設定する電圧であるため、AGC回路36から出力されるAGC電圧の初期値V1も中間ゲインの電圧に設定される。
さらに、制御部47は、AGC回路36にHiレベルのAGC制御信号を出力してFET367,368をオンし、受信する標準電波の種類に関係なく、起動時のAGC回路36の応答速度を高速に設定する。
このように、受信回路部3の起動直後(PWRON→Hi)は、第1増幅回路32が中間ゲインに設定され、受信信号の振幅が大きいため、その包絡線信号のレベルは二値化回路37における閾値よりも高くなり、図10に示すように、二値化回路37から出力されるTCOはHiレベルの信号が連続して出力する。
このHiレベル信号は、AGC回路36のコンパレーター361で比較する第1基準電圧よりも高くなるように設定されているので、コンパレーター361の出力はLowレベルとなる。従って、AGCコンデンサー362を放電する第2、4の定電流源364、366がオン状態となる。
このため、図10に示すように、前記定電圧源374の第2基準電圧で電圧値V1まで上昇したAGC電圧は、放電に伴って低下し、第1増幅回路32のゲインも低下する。よって、受信信号の振幅も小さくなり、受信信号のLowレベル部分の包絡線信号が二値化回路37の閾値を下回るようになるため、受信信号のHiレベル状態およびLowレベル状態とで二値化回路37の出力(TCO)もHiレベルおよびLowレベルに変化し、受信信号に含まれるタイムコードに応じたTCOが出力されるようになる。この間、AGC電圧はAGCコンデンサー362の充放電を繰り返して、実際には図11に示すように細かく変動している。受信回路部3の起動時から、タイムコードに応じたTCOが出力されるまでの期間が起動時間となり、この起動時間は通常2〜3秒程度である。
一方、受信回路部3の動作停止後(PWRON→Low)は、プルダウン抵抗372によりAGCコンデンサー362の電荷が放電され、AGC電圧はVSS電位となっていく。
また、本実施形態の電波修正時計1は、受信対象として設定可能な標準電波の種類が、JJY、WWVB、DCF77の3種類とされている。そして、今回の受信処理で受信する標準電波として、DCF77が設定されているか否かを判断する(S2)。
ここで、受信する標準電波の種類は、初期設定(デフォルト設定)は「JJY」とされ、外部操作部材6を操作することで、上記3種類の標準電波から選択できるように設定されている。
そして、JJYまたはWWVBを受信するように設定されている場合、制御部47はS2で「No」と判断し、DCF77を受信するように設定されている場合、制御部47はS2で「Yes」と判断する。
制御部47は、S2で「Yes」、「No」のいずれの場合も、設定された標準電波の種類に合わせて同調周波数を設定する(S3、S12)。
例えば、長波標準電波(JJY)が選択されている場合は、40kHz(東日本)と60kHz(西日本)のいずれかに設定される。具体的には、JJY(東日本)とJJY(西日本)とを利用者が選択している場合には、制御部47は、選択された周波数に設定し、選択されていない場合は、前回の受信周波数に設定する。また、制御部47は、DCF77では77.5kHz、WWVBでは60kHzに設定する。
S3の処理後、制御部47は所定時間経過したか否かを判定する(S4)。S4の所定時間は、前記受信回路部3の起動時間に応じて設定されており、例えば、2〜3秒程度に設定される。
そして、S4で「Yes」と判定されると、制御部47は、AGC制御信号をLowにしてAGC応答速度を低速に設定する(S5)。
なお、S4で所定時間経過するまでS5の処理を行わないのは、AGC応答速度を速い設定(AGC制御信号がHi)にしておくことで、適切なAGC電圧に到達してTCOが出力されるようになるまでの起動時間を短縮することができるためである。
従って、S2で「Yes」の場合は、AGC応答速度は高速の設定のままで処理を継続し、AGC応答速度を低速に切り替える必要がないため、S4の所定時間経過を判定する処理も行わない。
適切なAGC電圧に到達すると、受信信号の振幅に応じてAGC電圧が変化し、第1増幅回路32のゲインが適切に調整されるため、受信信号のタイムコードに応じたTCOが出力する。
図11は、JJYを受信している場合の各波形を示す図である。図11における元の波形とは、受信した標準電波の波形であり、タイムコードの「1,0,M,P」の各信号に応じて振幅が大きいハイレベル信号部分と振幅が小さいローレベル信号部分の比率(パルスデューティー)が設定されている。
図11の検波波形は、包絡線検波回路35の出力波形であり、この検波波形を二値化回路37で閾値と比較して二値化することでTCOが出力される。
また、検波波形はAGC回路36のコンパレーター361に入力され、検波波形の変化によってAGC電圧が変化する。
すなわち、検波波形の電圧レベルが低い場合は、コンパレーター361の出力がHiレベルとなり、第1の定電流源363がオン状態となる。なお、JJYを受信中は、AGC制御信号はLowレベルであり、FET367,368がオフ状態であるため、第3の定電流源365、第4の定電流源366は作動しない。
第1の定電流源363がオン状態であるため、AGCコンデンサー362が充電され、AGC電圧は徐々に上昇する。このため、第1増幅回路32のゲインも徐々に上昇する。
一方、検波波形の電圧レベルが高い状態に切り替わると、コンパレーター361の出力がLowとなり、第2の定電流源364がオン状態となる。このため、AGCコンデンサー362が放電され、AGC電圧は徐々に下降する。そして、AGC電圧がミニマムゲインとなる電圧値まで低下すると、AGC電圧はその値で維持される。
そして、再度、検波波形の電圧レベルが低い状態に切り替わると、前述したAGCコンデンサー362の充電動作が行われ、AGC電圧も上昇する。従って、M信号やP信号のように、検波信号の電圧レベルが低い状態が長い場合は、他の信号に比べてAGC電圧も高くなり、第1増幅回路32のゲインも大きくなる。
なお、標準電波がDCF77の場合には、AGC制御信号がHiレベルとなり、FET367,368がオン状態とされるため、充電量や放電量が大きくなるため、AGC電圧の変化速度も速くなる。すなわち、図11におけるAGC電圧波形の傾きが急になる。このため、第1増幅回路32のゲイン変化速度つまりAGC応答速度も速くなる。
また、図11のAGC電圧波形では、充電時の波形の傾きに比べて放電時の波形の傾きが急であるが、これは、充電用の定電流源363の電流値と、放電用の定電流源364の電流値とを異ならせているためである。なお、各定電流源363、364の電流値を同じにすることなどで、充電時と放電時とのAGC電圧波形の傾きを同じものとしてもよい。
制御部47は、S5でAGC応答速度を低速に設定後、二値化回路37からTCOデコード部41に出力されるTCOに基づいて秒同期を確立できたかを判断する(S6)。例えば、日本の標準電波(JJY)では、1秒間隔でパルスが立ち上がるため、1秒間隔のパルス立ち上がりを検出することができれば秒同期を確立することができる。
S6で秒同期を確率して「Yes」と判定された場合、制御部47は、マーカーの取得により分同期を確立できたかを判断する(S7)。例えば、日本の標準電波では、図7に示すように、ポジションマーカー(P)とマーカー(M)が連続する部分がタイムコードの開始時点(0秒位置)となり、この連続するポジションマーカーPおよびマーカーMを検出することができれば分同期を確立することができる。
S7で分同期を確立して「Yes」と判定された場合、制御部47は、TCOデコード部41から時刻情報を取得し、その整合性を確認する(S8)。
整合性の確認方法としては、例えば、標準電波は1分間隔で時刻情報を送信しているため、1分毎に取得した時刻情報が1分間隔の時刻であるかで整合性を確認したり、時刻カウンター43で計時している内部時刻と受信時刻とを比較して整合性を確認する方法が利用できる。
S8で時刻情報を取得でき、かつ、整合性も確認できて、「Yes」と判定された場合、制御部47は受信処理を終了し(S9)、時刻修正処理を行う(S10)。
S10の時刻修正処理では、取得した時刻データで時刻カウンター43を更新し、駆動回路部46を介して表示部5における時刻表示を修正する。
その後、制御部47は、通常の運針処理に復帰する(S11)。
一方、受信対象の標準電波がDCF77に設定されており、S2で「Yes」と判断され、S12でDCF77用の周波数に設定された場合、制御部47は、AGC制御信号をHiレベルに維持してAGC応答速度を高速に設定したまま、受信処理を行う。
そして、制御部47は、S6〜8と同様に、秒同期の判定(S13)、マーカー取得および分同期の判定(S14)、時刻情報取得および整合性の判定(S15)を行う。S13〜S15のすべてで「Yes」と判定された場合、制御部47は、受信終了(S9)、時刻修正(S10)を行って、通常運針に戻る(S11)。
また、以上の各処理S6〜S8、S13〜S15のいずれかで「No」と判断された場合、つまり、秒同期や分同期を確立できなかったり、時刻情報を取得できなかった場合や、取得した時刻情報に整合性が無かった場合は、制御部47は受信処理を終了し(S16)、通常運針に戻る(S11)。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)本実施形態では、標準電波の種類に応じて、AGC応答速度を高速または低速に切り替えているので、各標準電波の受信性能を向上することができる。
例えば、AGCの応答速度を低速に設定した場合は、AGC電圧変化が緩やかである。このため、DCF77では、「1」、「0」のいずれの信号も振幅が小さい期間が短く、AGC電圧が十分に上昇しないため、標準電波の振幅が大きくなっても(DCF77の0信号では0.1秒経過時点であり、1信号では0.2秒経過時点)、検波波形の信号レベルが高くならず、二値化回路37から出力されるTCOがHiレベルとなるタイミングが遅れてしまう場合がある。このため、DCF77の0信号を1信号と誤って判別してしまい、エラーが生じるおそれがある。従って、DCF77のように、各信号のパルスデューティーの差が小さい場合には、AGCの応答速度を高速に設定し、標準電波の振幅変化に迅速に追従してAGC電圧を変化させたほうが、エラーの発生を抑えて受信性能を向上することができる。
一方、AGCの応答速度を高速に設定した場合、AGC電圧変化が急峻であるため、標準電波の1パルス(1秒間の信号)の期間でもAGC電圧が大きく変化し、最適レベルから大きくずれてしまう可能性がある。この場合、外来ノイズにも反応してしまって誤ったTCOパルスを発生してしまう可能性がある。特に、JJYやWWVBのように、「1,0,M又はP」の各信号でパルスデューティーが大きく異なる場合には、各信号の種類によってAGC電圧の変化が大きく相違し、第1増幅回路32のゲインの変動幅も大きくなり、適切なゲインからずれてノイズの影響を受けやすくなる。従って、JJYやWWVBのように、各信号のパルスデューティーの差が大きい場合には、AGCの応答速度を低速に設定し、ゲインの変動幅を小さくしたほうが、ノイズの影響を軽減できてエラーの発生を抑えて受信性能を向上することができる。
(2)また、本実施形態では、受信回路部3の起動時に、起動回路375からワンパルスを出力してAGCコンデンサー362を第2基準電圧で充電し、初期電圧をフルゲインおよびミニマムゲインの各電圧値の中間値程度の電圧V1に設定しているので、起動時間を短縮できる確率を高くできる。
さらに、本実施形態では、受信回路部3の起動時には、受信する標準電波の種類に関係なく、AGCの応答速度を高速に設定しているので、適切なAGC電圧に到達する速度が速くなり、この点でも起動時間を短縮することができる。
(3)また、本実施形態では、AGCの応答速度を切り替える構成として、AGCコンデンサー362の充放電の系統を2系統設け、低速の場合には1系統で充放電を行い、高速の場合には2系統で充放電を行うように設定している。AGCの応答速度を切り替えるには、複数のコンデンサーを設けて容量を切り替えることで実現する方法もあるが、本実施形態によれば、複数のコンデンサーを設ける場合に比べて、回路構成を小型化できてIC内に組み込むことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の電波修正時計について、図面に基づいて説明する。
図12は、第2実施形態に係るAGC回路36Aの構成を示す回路図である。
図13は、第2実施形態におけるAGCコンデンサーの容量と受信感度の関係を示すグラフである。
なお、前記第1実施形態と同一または類似の構成に関しては、同一の符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態は、AGC応答速度をAGCコンデンサーの容量を切り替えることで実現している点のみが、充放電の系統数を切り替えることで実現していた第1実施形態と相違する。従って、AGC回路36以外の構成や、受信時の制御方法は、第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
第2実施形態のAGC回路36Aは、図12に示すように、第1実施形態のAGC回路36における充放電の2系統目を構成する第3の定電流源365、第4の定電流源366、FET367,368、インバーター371は設けられていない。
一方で、第2のAGCコンデンサー362Aと、この第2のAGCコンデンサー362Aを作動するスイッチとして機能するFET376と、AGC制御信号を反転するインバーター377とを備えている。この第2のAGCコンデンサー362Aも、AGCコンデンサー362と同様に、数μF程度の容量であり、ICの外に配置されたセラミックコンデンサーやタンタルコンデンサーで構成される。
そして、AGC制御信号がLowの場合、つまりAGC応答速度が低速に設定されている場合は、AGC制御信号はインバーター377で反転されてHiレベルとなり、FET376はオン状態に制御される。このため、AGCコンデンサー362および第2のAGCコンデンサー362Aが並列に接続され、AGCコンデンサーの容量は増加する。ACGコンデンサーの容量が増加すれば、コンパレーター361の出力で充放電が行われた際のAGC電圧の変化速度も低くなり、AGC応答速度は低速に設定される。
一方、AGC制御信号がHiの場合、つまりAGC応答速度が高速に設定されている場合は、AGC制御信号はインバーター377で反転されてLowとなり、FET376はオフ状態に制御される。このため、第2のAGCコンデンサー362Aは作動せず、各AGCコンデンサー362,362Aが並列に接続された場合に比べて、AGCコンデンサーの容量は低下する。ACGコンデンサーの容量が低下すれば、コンパレーター361の出力で充放電が行われた際のAGC電圧の変化速度は速くなり、AGC応答速度は高速に設定される。
従って、第2実施形態では、第2のAGCコンデンサー362Aと、FET376と、インバーター377とで、AGC応答速度を高速および低速の二段階に変更する応答速度変更手段が構成されている。
図13は、AGCコンデンサーの容量に対する受信感度の変化を、所定の条件下で標準電波毎にシミュレーションした結果を示すグラフである。縦軸の受信感度は具体的な数値は様々な条件で変動するために記入していないが、1目盛が1dBの相対値であり、縦軸の下方向に向かうほど値が小さくなり、受信感度も高性能となる。
この図13からも明らかなように、DCF77は、AGCコンデンサー容量が6μF程度の場合が最も受信性能が高い。一方、JJYやWWVBは、AGCコンデンサー容量が10μF程度の場合が最も受信性能が高い。また、DCF77と、JJYやWWVBとを最も受信感度が高い部分で比較すると、DCF77の受信感度のほうが約2dB低いことになる。
従って、例えば、AGCコンデンサー362の容量を6μFとし、第2のAGCコンデンサー362Aの容量を4μFとし、DCF77を受信する場合に、AGC制御信号をHiレベルとすればよい。この場合、AGCコンデンサー362のみでAGC電圧が制御されるので、AGC応答速度は高速となり、DCF77を受信する上では最も受信性能を向上できる。
一方、JJYやWWVBを受信する場合には、AGC制御信号をLowとすればよい。この場合、AGCコンデンサー362、362Aは並列に接続されて容量が10μFとなり、AGCコンデンサー362のみでAGC電圧を制御する場合に比べてAGC応答速度は低速となり、JJYやWWVBを受信する上では最も受信性能を向上できる。
このような第2実施形態においても、前記第1実施形態の(1)、(2)と同じ効果を奏することができる。
さらに、AGC応答速度を切り替える手段として、2つのAGCコンデンサー362,362Aを設け、コンデンサーの容量を切り替えているので、後から最適な調整を行うことができる効果もある。
すなわち、第1実施形態の場合、2系統の充放電回路は、IC内に予め組み込むために小型化できる利点がある反面で、充放電の特性を変更する場合にはIC自体の回路設計を見直さなければならず、実現が難しい。
これに対し、第2実施形態では、各コンデンサー362,362Aは、ICの外に設けられるために部品が大きくなってしまうが、アンテナ特性などに応じて容量の異なるコンデンサーを組み込むことなどで、後からでも最適な調整を行うことができる利点がある。すなわち、図13にも示すように、AGCコンデンサーの容量が1〜2μF程度異なっても受信感度が変化するため、回路に組み込むコンデンサーを変更できるようにしておけば、受信特性上、最適な調整を行うことができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図14,15に基づいて説明する。
図14は、第3実施形態に係る受信処理を示すフローチャートである。
図15は、JJYの受信において、AGC応答速度を高速にした場合と低速にした場合とのTCOの出力波形を示す図である。
第3実施形態は、第1,2実施形態と受信処理のフローが相違するだけであり、回路構成等は前記第1,2実施形態のいずれの場合でも適用できる。従って、本実施形態では、前記各実施形態と異なる受信処理のみ説明する。
第3実施形態においても、電波修正時計1の制御部47は、外部操作部材6から時刻修正を実施する旨の操作信号が入力されたり、予め設定された時刻となったりしたことを認識すると、受信回路部3にPWRON信号を入力して受信回路部3を起動し、アンテナ2による標準電波の受信を開始する(S31)。この際、制御部47は、前記実施形態と同じく、アンテナ2での受信に影響するために、駆動回路部46を介して秒針の運針を停止するとともに、受信対象の標準電波の種類(例えばJJY)に応じて同調周波数を設定する。
また、制御部47は、前記実施形態と同様に、起動時間を短縮するために、AGC応答速度を高速の設定に切り替える(S32)。
次に、制御部47は、二値化回路37からTCOデコード部41に出力されるTCOに基づいて秒同期を確立できたかを判断する(S33)。
S33で秒同期を確率して「Yes」と判定された場合、制御部47は、P信号およびM信号を連続して取得することによるマーカーの取得により分同期を確立できたかを判断する(S34)。
S34で分同期を確立して「Yes」と判定された場合、制御部47は、AGC制御信号をLowにしてAGC応答速度を低速に設定する(S35)。図14のフローは、JJYを受信する場合のフローであるため、前記実施形態と同様に、AGC応答速度の基本設定は、低速に設定している。
次に、制御部47は、TCOデコード部41から時刻情報を取得する(S36)。
そして、制御部47は、受信している標準電波が55秒のタイミングになったかを判定する(S37)。具体的には、S34で分同期が確立しているので、毎正分から55秒経過したことを、水晶振動子48の基準クロックや時刻カウンター43を用いて計測し、55秒のタイミングになるまでS37の判定を継続する。
55秒のタイミングになってS37で「Yes」と判定されると、制御部47は、AGC制御信号をHiレベルとし、AGC応答速度を速い設定に切り替える(S38)。
次に、制御部47は、毎正分を過ぎて1秒のタイミングになったかを判定する(S39)。そして、1秒のタイミングになってS39で「Yes」と判定されると、制御部47は、AGC制御信号をLowレベルとし、AGC応答速度を遅い設定に切り替える(S40)。
なお、このAGC応答速度の切替タイミングは、図8に示すように、AGC設定記憶部421のAGC設定データに記憶されている。
そして、制御部47は、前記実施形態と同様に、受信した時刻データの整合性を判定する(S41)。そして、整合性がOKであれば、受信を終了し(S42)、時刻修正を行い(S43)、通常運針に戻る(S44)。
一方、S41で整合性がOKと判定されなかった場合は、制御部47は、受信時間が予め設定した設定時間をオーバーしたかを判定する(S45)。ここで、設定時間は、例えば、5〜10分程度とされ、電波修正時計1が標準電波を受信できない環境で長時間の受信処理を継続して電力を無駄に消費することを防止できるように設定している。
S45で「No」と判定した場合は、制御部47はS36に戻り処理を継続する。S45で「Yes」と判定した場合は、制御部47は受信を終了し(S46)、通常運針に戻る(S44)。
このような第3実施形態においても前記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
その上、基本的にはAGC応答速度が低速に設定されているJJYを受信する場合でも、55秒から1秒間はAGC応答速度を高速に設定しているので、パルス幅が細いP信号やM信号を精度良く検出することができる。このため、時刻データの取得中も、毎正分のマーカーを確実に検出することができ、誤受信することなく受信性能を向上させることができる。
すなわち、図15に示すように、JJYを受信する場合、AGC応答速度が速い場合には、二値化回路37から出力されるTCOは、検波波形に敏感となり、細かいパルス状のノイズの影響を受けやすくなる。一方、AGC応答速度が遅い場合には、図に示すように、細かいパルス状のノイズの影響を軽減できる。細かいパルスノイズは、制御部47のソフト処理である程度除去することは可能であるが、AGC応答速度を遅くしておけばTCOに対するノイズの影響を軽減できるので、JJYの受信においては、AGC応答速度の基本設定は低速にすることが望ましい。特に、長波の標準電波は、インバーター機器などの電気機器のノイズが多い周波数帯であり、外来ノイズの対策は重要である。
一方、AGC応答速度を遅くしておくと、P信号やM信号のような細いパルスを精度良く検出することが難しくなる。
また、AGC応答速度が遅い(時定数が大きい)と、収束に時間がかかるため、同じ信号が続いた後のビットにエラーが生じやすい。さらに、一旦、突発的な外来ノイズを受けるとAGC電圧を適切なレベルに復帰させるまでの時間が掛かり、数ビットのエラーが生じてしまうおそれもある。
これらに対し、本実施形態では、毎正分のマーカーを受信するタイミングでは、AGC応答速度を速くして、細いパルスのP信号およびM信号を精度良く検出できるようにし、それ以外のタイミングはAGC応答速度を遅くして、外来ノイズの影響を軽減できるようにしたので、全体として受信性能を向上することができる。
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第3実施形態では、JJYを受信する場合に処理フローについて説明したが、WWVBを受信する場合に適用してもよい。
さらに、前記各実施形態では、JJY,WWVB,DCF77の3種類の標準電波を受信する場合について説明したが、MSF等の他の標準電波を受信する場合に、本発明を適用してもよい。すなわち、各標準電波の各信号のパルスデューティーなどに基づいて、基本的なAGC応答速度や、時刻データ受信中のAGC応答速度の切替タイミングを設定すればよい。
さらに、前記各実施形態では、AGC応答速度を2段階に切り替えていたが、3段階以上に切り替えてもよい。3段階以上に切り替えるには、例えば、充放電系統を3系統以上用意して充放電の電流を3段階以上に切り替えることができるようにしたり、AGCコンデンサーを3個以上設けて、コンデンサーの容量を3段階以上に切り替えることができるようにすればよい。
このようにAGC応答速度を3段階以上に切り替えることができれば、例えば、JJY、WWVB、DCF77等の標準電波毎に最適なAGC応答速度を設定でき、標準電波の受信性能をより向上できる。また、JJYやWWVBにおいて、分同期のマーカー受信時のAGC応答速度を、AGC応答速度基本設定とは異なる速度に設定でき、標準電波の受信性能をより向上できる。
また、前記実施形態では、受信開始時には、AGC応答速度を高速(第1応答速度)に設定していたが、受信開始時点から標準電波の種類に応じてAGC応答速度を設定してもよい。例えば、JJYやWWVBが選択されている場合は、受信開始時からAGC応答速度を低速(第2応答速度)に設定してもよい。
さらに、前記実施形態では、AGC回路36,36Aに、定電圧源374や起動回路375を設けて、起動直後にAGC電圧が所定の電圧V1となるように設定していたが、定電圧源374や起動回路375を設けずに制御してもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
1…電波修正時計、2…アンテナ、3…受信回路部、4…制御回路部、5…表示部、6…外部操作部材、31…同調回路、32…第1増幅回路、35…包絡線検波回路、36,36A…AGC回路、37…二値化回路、42…記憶部、47…制御部、362,362A…AGCコンデンサー、363〜366…定電流源、367〜369…FET、421…AGC設定記憶部。

Claims (6)

  1. 標準電波を受信する受信部と、
    前記受信部で受信した信号を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の利得を制御する自動利得制御回路と、
    前記増幅回路で増幅した受信信号を二値化して時刻情報を得る二値化回路とを備え、
    前記自動利得制御回路は、前記受信部で受信する信号に応じて、前記自動利得制御回路の応答速度を変更する応答速度変更手段を備え
    前記受信部は、複数種類の標準電波を受信可能に構成され、
    前記応答速度変更手段は、前記受信部で受信する標準電波に含まれる各信号のパルスデューティーの差に応じて、前記自動利得制御回路の応答速度を変更する
    ことを特徴とする電波修正時計。
  2. 請求項1に記載の電波修正時計において、
    前記応答速度変更手段は、前記受信部で受信する標準電波の時刻コードにおいて予め設定されたタイミングで、受信中に前記自動利得制御回路の応答速度を変更する
    ことを特徴とする電波修正時計。
  3. 請求項1または請求項に記載の電波修正時計において、
    前記自動利得制御回路は、自動利得制御回路の出力信号の電圧を制御するコンデンサーを備え、
    前記応答速度変更手段は、前記受信部で受信する信号に応じて、前記コンデンサーの充放電の電流値を変化させることで、前記自動利得制御回路の応答速度を変更する
    ことを特徴とする電波修正時計。
  4. 請求項1または請求項に記載の電波修正時計において、
    前記自動利得制御回路は、自動利得制御回路の出力信号の電圧を制御するコンデンサーを備え、
    前記応答速度変更手段は、前記受信部で受信する信号に応じて、前記コンデンサーの容量を変化させることで、前記自動利得制御回路の応答速度を変更する
    ことを特徴とする電波修正時計。
  5. 請求項1から請求項のいずれかに記載の電波修正時計において、
    前記応答速度変更手段は、前記自動利得制御回路の応答速度を、第1応答速度と、この第1応答速度よりも遅い第2応答速度に切り替え可能に構成され、
    前記受信部による受信動作の開始時は、前記自動利得制御回路の応答速度を前記第1応答速度に設定し、受信動作の開始から所定時間経過後に、前記受信部で受信する信号に応じて前記第1応答速度または前記第2応答速度に設定する
    ことを特徴とする電波修正時計。
  6. 標準電波を受信する受信部と、
    前記受信部で受信した信号を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の利得を制御する自動利得制御回路と、
    前記増幅回路で増幅した受信信号を二値化して時刻情報を得る二値化回路とを備えた電波修正時計の制御方法であって、
    前記受信部は、複数種類の標準電波を受信可能に構成され、
    前記受信部で受信する標準電波に含まれる各信号のパルスデューティーの差に応じて、前記自動利得制御回路の応答速度を変更する
    ことを特徴とする電波修正時計の制御方法。
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