JP5167176B2 - 酸化亜鉛ナノロッドの製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛ナノロッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5167176B2
JP5167176B2 JP2009063789A JP2009063789A JP5167176B2 JP 5167176 B2 JP5167176 B2 JP 5167176B2 JP 2009063789 A JP2009063789 A JP 2009063789A JP 2009063789 A JP2009063789 A JP 2009063789A JP 5167176 B2 JP5167176 B2 JP 5167176B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
white powder
zinc oxide
liquid
zinc
axis length
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009063789A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010215449A (ja
Inventor
正彦 斎川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2009063789A priority Critical patent/JP5167176B2/ja
Publication of JP2010215449A publication Critical patent/JP2010215449A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5167176B2 publication Critical patent/JP5167176B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

本発明は酸化亜鉛ナノロッドの製造方法に関する。
ナノ粒子と呼ばれる粒径が1μm以下のナノサイズの金属酸化物微粒子は、バルク状態とは異なる特異な量子ナノサイズ効果を示すことから、種々の用途での産業的利用が期待されている。特に酸化亜鉛ナノ粒子は、紫外光や近赤外光に対する高い吸収性を有すると同時に可視光に対する高い透過性を有することから、紫外線や近赤外線の吸収材料、化粧品、光学フィルター等に利用が期待されている。また、酸化亜鉛の半導体的な性質を利用した触媒、センサー、導電材料等様々な用途への応用も期待されている。特に、円柱状の微粒子、所謂ナノロッドはその短軸に対する長軸の長さの比であるアスペクト比が大きくなることによって低アスペクト比の微粒子とは異なる量子ナノサイズ効果を発揮することが期待されている。
酸化亜鉛ナノロッドを製造する方法として特表2002−502347号公報(特許文献1)には気相法により酸化亜鉛ナノロッドを形成する方法が提案されている。国際公開第2004/057064号パンフレット(特許文献2)や非特許文献1には円柱状の穴を有するテンプレート上での化学反応や電析により酸化亜鉛ナノロッドを形成する方法が提案されている。しかし、これらの方法で形成される酸化亜鉛ナノロッドは気相や液界面形成されるため、生産性の低いものであった。特開2008−31518号公報(特許文献3)には、水溶性高分子と酸素を含む溶液中で金属イオンを還元することにより酸化物ナノロッドを液相中で得る方法が提案されているが、この方法で得られる酸化亜鉛ナノロッドは紫外線吸収性が低いものであった。
特表2002−502347号公報 国際公開第2004/057064号パンフレット 特開2008−31518号公報
Chemistry of Materials、第18巻、2233−2237頁(2006年)
本発明の課題は、紫外線吸収性が良好な酸化亜鉛ナノロッドを容易に製造する方法を提供することである。
重量平均分子量が10万以上の多糖類の存在下で亜鉛化合物とアミン化合物をダブルジェット法により反応させる、長軸長が1000nm未満、短軸長が300nm未満であって、短軸長に対する長軸長の比が3以上である酸化亜鉛ナノロッドの製造方法により達成された。
本発明により紫外線吸収性が良好な酸化亜鉛ナノロッドを容易に製造することが出来た。
ダブルジェット混合装置の概略図 本発明の実施例1の方法により得られた酸化亜鉛ナノロッドのX線回折パターン 本発明の実施例1の方法により得られた酸化亜鉛ナノロッドの走査電子顕微鏡写真 シングルジェット装置を示す概略図 比較例1の方法により得られた酸化亜鉛微粒子の走査電子顕微鏡写真
本発明は、重量平均分子量が10万以上の多糖類の存在下で亜鉛化合物とアミン化合物をダブルジェット法により反応させることにより酸化亜鉛ナノロッド製造する方法である。本発明において酸化亜鉛ナノロッドとは長軸長が1000nm未満、短軸長が300nm未満であって、アスペクト比、即ち、短軸長に対する長軸長の比が3以上のロッド状の酸化亜鉛微粒子を意味する。
本発明においてダブルジェット法とは、亜鉛化合物とアミン化合物を液供給装置等を用いて反応槽内の溶液の液面または液中に同時に滴下あるいは噴射して供給することにより、該反応槽の溶液中で反応させる方法である。図1はダブルジェット法に用いられるダブルジェット混合装置の概略図である。図1において、Aは反応槽を示し、B、Cはそれぞれ、亜鉛化合物あるいはアミン化合物を供給する液供給管を示し、Dは攪拌手段を示す。反応槽(A)に亜鉛化合物とアミン化合物を同時に供給することにより反応が行われる。亜鉛化合物及びアミン化合物は、それぞれ亜鉛化合物あるいはアミン化合物を含有する溶液を入れた図示しない容器から、図示しない定量ポンプ等の液供給装置を用いて液供給管(B、C)から反応槽(A)に供給される。反応槽内には予め重量平均分子量が10万以上の多糖類を含有する溶液が充填されており、溶液は図1では攪拌手段(D)として攪拌プロペラを記載したが、攪拌プロペラの他、マグネチックスターラー、超音波攪拌機等の反応槽(A)の内外に設けられた攪拌手段(D)を用いて攪拌される。また、図1では液供給管(B,C)の先端は液中にあるが、液面より上でも良い。好ましくは図1に示した様に液中で攪拌手段に向けて設けることが好ましい。この様な装置を利用して本発明の酸化亜鉛ナノロッドが得られる。
本発明のダブルジェット法において、亜鉛化合物、アミン化合物の重量平均分子量が10万以上の多糖類を含有する水溶液中への供給は、一定速度の流量で供給することも時間と共に流量を変化させながら供給することも出来る。
本発明のダブルジェット法において、亜鉛化合物の供給速度に対するアミン化合物の供給速度の比は亜鉛化合物1モルに対して0.001〜4モルの範囲に設定することが出来るが、反応終了時点での亜鉛化合物の総供給量に対するアミン化合物の総供給量は、亜鉛化合物1モルに対して、0.1〜2モルの範囲であることが好ましい。
本発明において反応槽中の多糖類を含有する水溶液の反応開始前のpHは4.0以上8.0未満、反応終了後のpHは8.0以上11.5未満であることが好ましい。
本発明のダブルジェット法において、反応終了時点での亜鉛化合物の総供給量に対する重量平均分子量が10万以上の多糖類の総量の比率は、亜鉛化合物1モルに対して10〜2500gの範囲、より好ましくは25〜1000gの範囲で用いることが好ましい。
本発明のダブルジェット法において、反応温度は40〜90℃の範囲で行うことが好ましいが、より好ましい温度範囲は50〜80℃の範囲である。また、反応中に温度を変化させることも出来る。反応温度の調整は、反応槽(A)を水浴あるいは湯浴等で加熱、冷却しても良いし、亜鉛化合物、アミン化合物を温度調整すること等により行うことも出来る。
本発明に用いられる亜鉛化合物としては、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、乳酸亜鉛、酒石酸亜鉛、塩化亜鉛等の種々の水溶性の亜鉛化合物を単独または組み合わせた水溶液を用いることが出来るが、特に好ましい亜鉛化合物は硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛である。反応槽(A)に供給される亜鉛化合物水溶液における亜鉛化合物の濃度は0.01〜5.0モル/L、好ましくは0.1〜1.0モル/Lの範囲が好ましい。
本発明に用いられるアミン化合物としては、メチルアミン、モノエチルアミン、プロピルアミン、トリエチレンテトラミン等のアルキルアミンやモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン等のアルカノールアミンを用いることが好ましい。反応槽(A)に供給されるアミン化合物水溶液におけるアミン化合物の濃度は0.01〜5.0モル/L、好ましくは0.1〜2.0モル/Lの範囲である。
本発明の重量平均分子量が10万以上の多糖類の重量平均分子量は、好ましくは15万以上300万未満である。重量平均分子量が10万未満では生成する酸化亜鉛ナノロッドの粒径が大きくなる。本発明の重量平均分子量が10万以上の多糖類として、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ジェランガム、カラヤガム等の天然ガム類、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、馬鈴薯デンプン等の天然の多糖類、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルエチルセルロース等のセルロース類等を用いることが出来るが、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム等の天然ガム類が特に好ましい。
本発明の重量平均分子量が10万以上の多糖類の反応槽中での好ましい濃度は0.05〜10質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲である。
本発明のダブルジェット法を用いる酸化亜鉛ナノロッドの形成時に重量平均分子量が10万以上の多糖類を含有する水溶液はこれ以外に界面活性剤を含有することが出来る。本発明に用いることの出来る界面活性剤としてはノニオンまたは両面界面活性剤が適している。好ましい活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタンラウレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のノニオン活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン等の両面界面活性剤が挙げられる。
本発明のダブルジェット法を用いて形成された酸化亜鉛ナノロッドは反応終了時、反応槽中で分散溶液(懸濁液あるいは沈殿液)として存在しているので、反応終了後、上記分散液を遠心分離して沈殿を取り出し、水洗により余分なイオンや塩類等を除去した後、脱水乾燥して酸化亜鉛の白色粉末として得ることが出来る。
ナノロッドが形成されていることは、得られた微粒子を電子顕微鏡を用いて観測することにより確認することが出来る。本発明の酸化亜鉛ナノロッドの平均短軸長、平均長軸長及びアスペクト比(短軸に対する長軸の長さの比)は、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の短軸及び長軸の長さ及びアスペクト比を測定し、その平均値として求めることが出来る。
また、形成されたナノロッドが酸化亜鉛のナノロッドであることは、X線結晶回折装置を用いて酸化亜鉛の回折パターンが得られることにより確認することが出来る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、無論この記述により本発明が制限されるものではない。
(実施例1)
図1のダブルジェット装置を用いて反応を行った。反応槽A中で70℃、1000rpmの回転速度の攪拌プロペラで攪拌された下記A1液1000mLに液供給源B及びCからそれぞれ下記B1液、C1液を2.3mL/分の流量で300分間、連続して送液して白色の分散液(1)を得た。分散液(1)のpHは10.65であった。分散液(1)を12,000rpmで30分間遠心分離して得られた沈殿を蒸留水で3回水洗した後、真空乾燥して白色粉末(1)を得た。白色粉末(1)の収量を表1に示す。水洗は、沈殿を1000mLの蒸留水で再分散した後、遠心分離することによって行った。
A1液 5質量%アラビアガム(重量平均分子量30万)水溶液
(アラビアガムはソマール(株)製アラビアガムを用い、pHは燐酸及びリン酸
二水素ナトリウムを用いて5.0に調整した。)
B1液 0.2モル/L硝酸亜鉛・6水和物水溶液
C1液 0.2モル/Lジメチルエタノールアミン水溶液
得られた白色粉末(1)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行った。この結果を図2に示す。図2のX線回折パターンから、得られた白色粉末(1)は全て酸化亜鉛であることが確認された。
白色粉末(1)の電子顕微鏡観察により図3の様なロッド状の微粒子が形成されていることが確認された。無作為に抽出した100個の粒子の短軸及び長軸の長さ及びアスペクト比を測定し、その平均値として平均短軸長、平均長軸長、平均アスペクト比を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005167176
(実施例2)
実施例1のA1液の代わりに下記A2液を用いる以外は実施例1と同様にして白色の分散液(2)を得た。分散液(2)のpHは10.40であった。分散液(2)を12,000rpmで30分間遠心分離して得られた沈殿を蒸留水で3回水洗した後、真空乾燥して白色粉末(2)を得た。白色粉末(2)の収量を表1に示す。得られた白色粉末(2)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行った。得られた白色粉末(2)は図2と同様のX線回折パターンを示し、白色粉末(2)は全て酸化亜鉛であることが確認された。
A2液 1質量%キサンタンガム(重量平均分子量200万)水溶液
(キサンタンガムは三栄源エフ・エフ・アイ(株)製サンエースを用い、
pHは燐酸及びリン酸二水素ナトリウムを用いて5.0に調整した。)
白色粉末(2)の電子顕微鏡観察により実施例1の図3と同様なロッド状の微粒子が形成されていることが確認された。電子顕微鏡画像から無作為に抽出した100個の粒子の短軸及び長軸の長さ及びアスペクト比を測定し、その平均値として平均短軸長、平均長軸長、平均アスペクト比を求めた。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1のA1液とC1液の代わりに下記A3液とC3液を用いる以外は実施例1と同様にして白色の分散液(3)を得た。分散液(3)のpHは10.25であった。分散液(3)を12,000rpmで30分間遠心分離して得られた沈殿を蒸留水で3回水洗した後、真空乾燥して白色粉末(3)を得た。白色粉末(3)の収量を表1に示す。得られた白色粉末(3)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行った。得られた白色粉末(3)は図2と同様のX線回折パターンを示し、白色粉末(3)は全て酸化亜鉛であることが確認された。
A3液 1質量%キサンタンガム(重量平均分子量200万)水溶液
(キサンタンガムは三栄源エフ・エフ・アイ(株)製サンエースを用い、
pHは燐酸及びリン酸二水素ナトリウムを用いて5.0に調整した。)
C3液 0.2モル/Lプロピルアミン水溶液
白色粉末(3)の電子顕微鏡観察により実施例1の図3と同様なロッド状の微粒子が形成されていることが確認された。電子顕微鏡画像から無作為に抽出した100個の粒子の短軸及び長軸の長さ及びアスペクト比を測定し、その平均値として平均短軸長、平均長軸長、平均アスペクト比を求めた。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1のA1液の代わりに下記A4液を用いる以外は実施例1と同様にして白色の分散液(4)を得た。分散液(4)のpHは8.95であった。分散液(4)を12,000rpmで30分間遠心分離して得られた沈殿を蒸留水で3回水洗した後、真空乾燥して白色粉末(4)を得た。白色粉末(4)の収量を表1に示す。白色粉末(4)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行った。得られた白色粉末(4)は図2と同様のX線回折パターンを示し、白色粉末(4)は全て酸化亜鉛であることが確認された。
A4液 3質量%ゼラチン(重量平均分子量20万)水溶液
(pHは燐酸及びリン酸二水素ナトリウムを用いて5.0に調整した。)
白色粉末(4)の電子顕微鏡観察により図5の様な球状の微粒子が形成されていることが確認された。電子顕微鏡画像から無作為に抽出した100個の粒子の短軸及び長軸の長さ及びアスペクト比を測定し、その平均値として平均短軸長、平均長軸長、平均アスペクト比を求めた。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1のA1液の代わりに下記A5液を用いる以外は実施例1と同様にして白色の分散液(5)を得た。分散液(5)のpHは8.70であった。分散液(5)を12,000rpmで30分間遠心分離して得られた沈殿を蒸留水で3回水洗した後、真空乾燥して白色粉末(5)を得た。白色粉末(5)の収量を表1に示す。得られた白色粉末(5)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行った。得られた白色粉末(5)は図2と同様のX線回折パターンを示し、白色粉末(5)は全て酸化亜鉛であることが確認された。
A5液 3質量%アルギン酸(重量平均分子量3万)水溶液
(アルギン酸は共成製薬(株)製低分子化アルギン酸を用い、
pHは燐酸及びリン酸二水素ナトリウムを用いて5.0に調整した。)
白色粉末(5)の電子顕微鏡観察により実施例1の図3と同様なロッド状の微粒子が形成されていることが確認された。電子顕微鏡画像から無作為に抽出した100個の粒子の短軸及び長軸の長さ及びアスペクト比を測定し、その平均値として平均短軸長、平均長軸長、平均アスペクト比を求めた。結果を表1に示す。
(比較例3)
図4のシングルジェット装置を用いて反応を行った。反応槽A中で70℃、1200rpmの回転速度の攪拌プロペラで攪拌された下記A6液1690mLに液供給源Bから下記B6液を11.5mL/分の流量で60分間、連続して送液して白色の分散液(6)を得た。分散液(6)のpHは10.65であった。分散液(6)を12,000rpmで30分間遠心分離して得られた沈殿を蒸留水で3回水洗した後、真空乾燥して白色粉末(6)を得た。白色粉末(6)の収量を表1に示す。水洗は、沈殿を1000mLの蒸留水で再分散した後、遠心分離することによって行った。
A6液 5質量%アラビアガム(重量平均分子量30万)水溶液1000mLに0.2
モル/L硝酸亜鉛・6水和物水溶液690mLを加えて1690mLとする
(アラビアガムはソマール(株)製アラビアガムを用い、pHは燐酸及びリン酸
二水素ナトリウムを用いて5.0に調整した。)
B6液 0.2モル/Lジメチルエタノールアミン水溶液
得られた白色粉末(6)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行った。得られた白色粉末(6)は図2と同様のX線回折パターンを示し、白色粉末(6)は全て酸化亜鉛であることが確認された。
白色粉末(6)の電子顕微鏡観察により比較例1の図5と同様な球状の微粒子が形成されていることが確認された。電子顕微鏡画像から無作為に抽出した100個の粒子の短軸及び長軸の長さ及びアスペクト比を測定し、その平均値として平均短軸長、平均長軸長、平均アスペクト比を求めた。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1のC1液の代わりに下記C7液を用いる以外は実施例1と同様にして白色の分散液(7)を得た。分散液(7)のpHは10.85であった。分散液(7)を12,000rpmで30分間遠心分離して得られた沈殿を蒸留水で3回水洗した後、真空乾燥して白色粉末(7)を得た。白色粉末(7)の収量を表1に示す。得られた白色粉末(7)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行った。得られた白色粉末(7)は図2と同様のX線回折パターンを示し、白色粉末(7)は全て酸化亜鉛であることが確認された。
C7液 0.2モル/L水酸化ナトリウム水溶液
白色粉末(7)の電子顕微鏡観察により実施例1の図3と同様なロッド状の微粒子が形成されていることが確認された。電子顕微鏡画像から無作為に抽出した100個の粒子の短軸及び長軸の長さ及びアスペクト比を測定し、その平均値として平均短軸長、平均長軸長、平均アスペクト比を求めた。結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1のA1液とC1液の代わりに下記A8液とC8液を用いる以外は実施例1と同様にして白色の分散液(8)を得た。分散液(8)のpHは10.30であった。分散液(8)を12,000rpmで30分間遠心分離して得られた沈殿を蒸留水で3回水洗した後、真空乾燥して白色粉末(8)を得た。白色粉末(8)の収量を表1に示す。得られた白色粉末(8)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行った。得られた白色粉末(7)は図2と同様のX線回折パターンを示し、白色粉末(8)は全て酸化亜鉛であることが確認された。
A8液 2.0質量%カルボキシメチルセルロース(重量平均分子量65万)
(カルボキシメチルセルロース純正化学(株)製を用い、pHは燐酸及びリン酸
二水素ナトリウムを用いて5.0に調整した。)
C8液 2.0モル/L水素化ホウ素ナトリウム水溶液
白色粉末(8)の電子顕微鏡観察により実施例1の図3と同様なロッド状の微粒子が形成されていることが確認された。電子顕微鏡画像から無作為に抽出した100個の粒子の短軸及び長軸の長さ及びアスペクト比を測定し、その平均値として平均短軸長、平均長軸長、平均アスペクト比を求めた。結果を表1に示す。
本発明の実施例1〜3の白色粉末(1)〜(3)、比較例1〜5の白色粉末(4)〜(8)の3質量部を濃度10質量%のポリビニルアルコール水溶液100質量部に分散し、塗布膜厚50μmでポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚100μm)上に塗布、乾燥し、紫外可視分光光度計を用いて紫外光線(350nm)及び可視光線(550nm)の透過率をそれぞれ測定し、紫外線吸収性と可視光線透過性の比較を行った。結果を表1に示す。
表1の結果から、本発明実施例1〜3の重量平均分子量が10万以上の多糖類の存在下で亜鉛化合物とアミン化合物をダブルジェット法により反応させることにより得られた酸化亜鉛ナノロッドは、いずれも長軸長が1000nm未満、短軸長が300nm未満であって、アスペクト比が3以上であり、可視光線に対する透過率が90%以上と良好な可視光線透過性を有すると共に紫外線に対する透過率が20%未満と良好な紫外線吸収性を有することが分かる。比較例1の様に多糖類の代わりにゼラチンを用いた場合や、比較例3の様にダブルジェット法の代わりにシングルジェット法を用いた場合には、いずれもナノロッドが形成されず、可視光線透過性、紫外光吸収性が劣るものであった。また、比較例4の様にアミン化合物の代わりに水酸化ナトリウムを用いた場合には、アスペクト比が3以上のナノロッドが形成されず、可視光線透過性が劣るものであった。また、比較例2の様に重量平均分子量が10万未満の多糖類を用いた場合には、ロッドサイズが大きくなり可視光線透過性が劣るものであった。また、比較例5の様にアミン化合物の代わりに還元剤を用いた場合には、紫外線吸収性が劣るものであった。
A 反応槽 (A)
B 液供給管(B)
C 液供給管(C)
D 攪拌手段(D)

Claims (1)

  1. 重量平均分子量が10万以上の多糖類の存在下で亜鉛化合物とアミン化合物をダブルジェット法により反応させる、長軸長が1000nm未満、短軸長が300nm未満であって、短軸長に対する長軸長の比が3以上である酸化亜鉛ナノロッドの製造方法。
JP2009063789A 2009-03-17 2009-03-17 酸化亜鉛ナノロッドの製造方法 Expired - Fee Related JP5167176B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009063789A JP5167176B2 (ja) 2009-03-17 2009-03-17 酸化亜鉛ナノロッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009063789A JP5167176B2 (ja) 2009-03-17 2009-03-17 酸化亜鉛ナノロッドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010215449A JP2010215449A (ja) 2010-09-30
JP5167176B2 true JP5167176B2 (ja) 2013-03-21

Family

ID=42974708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009063789A Expired - Fee Related JP5167176B2 (ja) 2009-03-17 2009-03-17 酸化亜鉛ナノロッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5167176B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2683389B2 (ja) * 1987-11-16 1997-11-26 花王株式会社 薄片状酸化亜鉛粉末及びその製造法
JP2896121B2 (ja) * 1987-11-16 1999-05-31 花王株式会社 紫外線吸収剤
JP3165923B2 (ja) * 1991-06-21 2001-05-14 コニカ株式会社 水難溶性塩結晶粒子の製造方法及びその製造装置
JP2008254991A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 酸化亜鉛及びその製造方法並びにそれを用いた化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010215449A (ja) 2010-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2735543A2 (en) Volume production method for uniformly sized silica nanoparticles
Muñoz-Espí et al. Colloidal systems for crystallization processes from liquid phase
JP5484442B2 (ja) 銀ナノ粒子の調製方法
JP6290786B2 (ja) メソポーラス二酸化チタンナノ粒子およびその製造方法
JP2010513718A (ja) 単分散性で安定したナノ金属銀を製造するための方法、及び当該方法により得られる生産物
JP2005263550A (ja) 高分散シリカナノ中空粒子及びそれを製造する方法
CN108817414B (zh) 一种离子液体水溶液中金纳米花的制备方法
Sharma et al. Polymer and surfactant-templated synthesis of hollow and porous ZnS nano-and microspheres in a spray pyrolysis reactor
Mourdikoudis et al. Colloidal chemical bottom-up synthesis routes of pnictogen (As, Sb, Bi) nanostructures with tailored properties and applications: a summary of the state of the art and main insights
CN102858684A (zh) 批量生产具有均匀尺寸的银纳米粒子的方法
JP5167176B2 (ja) 酸化亜鉛ナノロッドの製造方法
JP2008088480A (ja) 銀ナノ粒子の製造方法
Li et al. Controllable growth of superfine silver nanowires by self-seeding polyol process
Venkatathri Synthesis of silica nanosphere from homogeneous and heterogeneous systems
Bozkurt et al. Synthesis and characterization of CdS nanorods by combined sonochemical-solvothermal method
JP4967120B2 (ja) ZnO系ナノチューブの製造方法
JP5485122B2 (ja) 硫黄含有ニッケル粒子とその製造方法
JP6386949B2 (ja) 微小炭酸カルシウム中空粒子
JP2011225974A (ja) 銀ナノ粒子の製造方法
US20140234220A1 (en) Method and composition for dispersions of gold nanoparticles
Lv et al. Rapid fabrication of gold nanoflowers tuned by pH: insights into the growth mechanism
Mizrahi Facile one-step synthesis of silica micro-and nanotubes and their functionalization
CN105642303B (zh) 合成1,4‑丁炔二醇的铜铋催化剂及其制备方法
CN104014341A (zh) 一种界面还原法制备Cu2O/Ca(OH)2纳米复合光催化剂的方法
Kim et al. Nanosized vaterite production through organic-solvent-free indirect carbonation

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121221

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5167176

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees