JP5166782B2 - 建物躯体の補強構造 - Google Patents
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この制振補強体2は、前記フレーム1内の上部に設けられる上部補強部2aと、この上部補強部2aに対向して前記フレーム1内の下部に設けられる下部補強部2bと、これら上部補強部2aおよび下部補強部2bの互いに対向する上下端面間に設けられる制振部材2cとを備えており、
前記上部補強部2aおよび下部補強部2bは、前記フレーム1内に、このフレーム1と平行に設けられ、多角形状に形成された板材3と、この板材3の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、複数の枠材4a,4b,4c,4dを多角形状に枠組みしてなる枠体4とをそれぞれ有し、
前記上部補強部2aは、前記上側の構造材1aと、前記左右の構造材1bのうち、いずれか一方に固定されており、前記下部補強部2bは、前記下側の構造材1aと、前記左右の構造材1bのうち、前記上部補強部2aが固定された側とは逆側の構造材1bに固定され
前記上部補強部2a及び前記下部補強部2bのそれぞれには、互いに上下方向に対向する固定板部5,5が固定されていて、
前記制振部材2cは、制振用ゴム又は粘弾性材料であり、前記互いに対向する前記固定板部5,5の間に配置されていることを特徴とする。
しかも、前記上部補強部2aおよび下部補強部2bは、前記フレーム1内に、このフレーム1と平行に設けられ、多角形状に形成された板材3と、この板材3の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、複数の枠材4a,4b,4c,4dを多角形状に枠組みしてなる枠体4とをそれぞれ有しているので、前記板材3が、前記枠体4によって両面側から挟み込まれるため、地震等による変形を抑制されることとなる。すなわち、前記板材3に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材3は様々な方向に向かって変形しようとする。例えば板材3が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材3両面に取り付けられた枠体4を構成する縦方向の枠材4c,4dによって変形を抑制し、板材3が、平面視くの字に変形しようとすれば、板材3両面に取り付けられた枠体4を構成する横方向の枠材4a,4bによって変形を抑制することができる。また、例えば板材3が、捻れるように変形しようとすれば、板材3両面に取り付けられた枠体4全体で変形を抑制することができる。これにより、前記板材3が、いずれの方向に変形しても前記枠体4によって変形を抑制することができるので、前記板材3や、この板材3と両枠体4との取付部分に影響が出にくく、前記上部補強部2aおよび下部補強部2b自体の強度を向上させることが可能となる。
そして、このように前記上部補強部2aおよび下部補強部2bの変形を抑制し、これら上部補強部2aおよび下部補強部2b自体の強度を向上できるとともに、前記制振部材2cによって制振機能を十分かつ確実に発揮することができるので、従来に比して、より効果的に建物躯体の補強を行うことが可能となる。
しかも、前記上部補強部2aと下部補強部2bとは、少なくとも対角線方向に前記フレーム1に固定されていることとなるので、例えば前記フレーム1の下部に対してフレーム1の上部が剪断方向や捻れ方向などに変位したとしても、前記上部補強部2aおよび下部補強部2bは、前記フレーム1から外れたりすることなくフレーム1の変位に確実に対応することができ、制振機能をより十分かつ確実に発揮することができる。
前記制振補強体2が組み込まれたフレーム1に隣り合って形成されたフレーム1内に、このフレーム1の内周面に固定される補強体20が組み込まれており、
この補強体20は、前記フレーム1内に、このフレーム1と平行に設けられ、四角形状に形成された板材21と、この板材21の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材22a,22bを四角枠状に組み立てた枠体22とを有していることを特徴とする。
乗的に補強することができる。
すなわち、前記補強体20を構成する板材21は、前記枠体22によって両面側から挟み込まれるため、地震等による変形を抑制されることとなる。つまり、前記板材21に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材21は様々な方向に向かって変形しようとする。例えば板材21が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材21両面に取り付けられた枠体22の双方の縦框材22aによって変形を抑制し、板材21が、平面視くの字に変形しようとすれば、板材21両面に取り付けられた枠体22の双方の横框材22bによって変形を抑制することができる。また、例えば板材21が、捻れるように変形しようとすれば、板材21両面に取り付けられた枠体22全体で変形を抑制することができる。これにより、前記板材21が、いずれの方向に変形しても前記枠体22によって変形を抑制することができるので、前記板材21や、この板材21と両枠体22との取付部分に影響が出にくく、前記補強体20自体の強度を向上させることが可能となる。そして、このような補強体20が組み込まれるフレーム1と、前記制振補強体2が組み込まれたフレーム1とが隣り合っているので、これら制振補強体2および補強体20によって前記フレーム1,1を相乗的に補強することができ、従来に比して、より効果的に建物躯体の補強を行うことが可能となる。
前記板材21の両面側21a,21bに取り付けられた枠体22のうち、少なくとも一方の枠体22内に斜材23が架設されていることを特徴とする。
前記斜材23は、前記枠体22内に複数架設されており、これら複数の斜材23は、前記枠体22の対角線に沿って、かつ中央で交差していることを特徴とする。
そして、この制振補強体2は、前記フレーム1内の上部に設けられる上部補強部2aと、この上部補強部2aに対向して前記フレーム1内の下部に設けられる下部補強部2bと、これら上部補強部2aおよび下部補強部2bの互いに対向する上下端面間に設けられる制振部材2cとを備えており、前記上部補強部2aおよび下部補強部2bは、前記フレーム1内に、このフレーム1と平行に設けられ、多角形状に形成された板材3と、この板材3の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、複数の枠材4a,4b,4c,4dを多角形状に枠組みしてなる枠体4とをそれぞれ有している。
また、本実施の形態の左右の構造材1bは、前記上下の構造材1a間に架け渡されて立設される柱1bであり、これら上下の構造材1aと左右の構造材1bとを矩形枠状に組み立てることによって、前記フレーム1を形成することができる。
また、本実施の形態の上部補強部2aおよび下部補強部2bは、前記上下の構造材1aに接する第1枠材4aと、この第1枠材4aに平行し、前記上部補強部2aの下端および下部補強部2bの上端に位置する第2枠材4bと、これら第1および第2枠材4a,4bと直角に交わって架設され、前記左右の構造材1bに接する第3枠材4cと、第1および第2枠材4a,4bと斜めに交わって架設される第4枠材4dとを有してそれぞれ形成され、略台形状となっている。
そして、前記板材3の両面側3a,3bに取り付けられた枠体3のうち、少なくとも一方の枠体4の内部に断熱材(図示せず)を設けるようにしてもよい。
また、この制振部材2cは、前記上部補強部2aの下端面に固定される固定板部5と、前記下部補強部2bの上端面に固定される固定板部5との間に設けられている。より詳細には、これら固定板部5は、図1(b)に示すように、前記上部補強部2aの下端面よりもフレーム1の中心側に延出するとともに、前記下部補強部2bの下端面よりもフレーム1の中心側に延出して形成され、これら固定板部5の延出部分の間に前記制振部材2cが設けられている。
例えば地震等によって建物に振動が生じると、建物の上部ほど大きく振動するため、前記フレーム1が剪断方向に変形し、このフレーム1の下部に対してフレーム1の上部が振動に合わせて大きく変位しようとする。
この時、これら上部補強部2aの下端面と下部補強部2bの上端面との間に設けられた前記制振部材2cには、前記上部補強部2aの変位とは逆方向の復帰力が作用するので、前記上部補強部2aの変位力が抑制されることとなる。
これによって、この上部補強部2aが固定された前記フレーム1の上部の変位も同時に抑制することができるので、前記フレーム1の剪断方向への変位を確実に抑えることができるようになっている。
また、前記板材3が、平面視くの字に変形しようとすれば、板材3両面に取り付けられた枠体4を構成する横方向の枠材4a,4bによって変形を抑制することができる。
さらに、例えば板材3が、捻れるように変形しようとすれば、板材3両面に取り付けられた枠体4全体で変形を抑制することができる。
また、前記枠体22は、図1(b)に示すように、離間して対向配置された縦框材22aの上下端部間に、それぞれ横框材22bが架設されることで、四角枠状に形成されている。また、図1(a),(b)に示すように、前記板材21の両面側21a,21bに取り付けられた枠体22は、略同様の構成となっている。
また、前記補強体20およびフレーム1の表面に外装材や石膏ボードを取り付ける際は、前記枠体22内に、前記上下の構造材1a,1b間に架設される補助棧材24を配置して、この補助棧材24を、外装材や石膏ボードを止め着けるための下地材とする。
そして、前記板材21に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材21は様々な方向に向かって変形しようとする。
すなわち、例えば前記板材21の一面側21aが外側に向くように位置し、他面側21bが内側に向くように位置するようにして、前記板材21が側面視くの字に変形する場合、前記板材21の一面側21aに取り付けられた双方の縦框材22aも、前記板材21の一面側21aと同様の方向に変形しようとし、前記板材21の他面側21bに取り付けられた双方の縦框材22aも、前記板材21の他面側21bと同様の方向に変形しようとする力が働く。
また、例えば板材21が、捻れるように変形しようとしても、前記板材21の両面に取り付けられた枠体22全体で変形を抑制することができるようになっている。
ここで、本実施の形態の斜材23として、図2(a)に示すように、前記枠体22を構成する縦框材22aと横框材22bとの接合部間に、枠体22の対角線に沿って斜めに架け渡される筋交い状のものが挙げられる。その他にも、図示はしないが、縦框材22aと横框材22bとで形成される枠体22の内角部近傍に斜めに架け渡される方杖状のものを用いるようにしても良い。
なお、方杖状に形成された斜材の場合でも、この斜材の裏面を前記板材21の表面に貼付固定するようにして、補強体20自体の強度をより向上させるようにする。
なお、これら複数の斜材23をたすき掛けの状態にする際は、これら複数の斜材23どうしの交点を係合可能に切り欠いておくようにする。
これによって、地震等によって建物躯体に対して左右交互に水平力がかかった場合であっても、前記複数の補強体20の枠体22内に架設された複数の斜材23の架設状態のバランスが良く、建物躯体の左右の揺れに効果的に対応することができるので、これら複数の補強体20によって、前記フレーム1の変形を効果的に抑制することができる。
2 制振補強体
2a 上部補強部
2b 下部補強部
2c 制振部材
3 板材
4 枠体
Claims (4)
- 上下に離間して配置された上下の構造材と、左右に離間して配置された左右の構造材とで形成されたフレーム内に、このフレームの内周面に固定される制振補強体が組み込まれてなり、
この制振補強体は、前記フレーム内の上部に設けられる上部補強部と、この上部補強部に対向して前記フレーム内の下部に設けられる下部補強部と、これら上部補強部および下部補強部の互いに対向する上下端面間に設けられる制振部材とを備えており、
前記上部補強部および下部補強部は、前記フレーム内に、このフレームと平行に設けられ、多角形状に形成された板材と、この板材の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、複数の枠材を多角形状に枠組みしてなる枠体とをそれぞれ有し、
前記上部補強部は、前記上側の構造材と、前記左右の構造材のうち、いずれか一方に固定されており、前記下部補強部は、前記下側の構造材と、前記左右の構造材のうち、前記上部補強部が固定された側とは逆側の構造材に固定され、
前記上部補強部及び前記下部補強部のそれぞれには、互いに上下方向に対向する固定板部が固定されていて、
前記制振部材は、制振用ゴム又は粘弾性材料であり、前記互いに対向する前記固定板部の間に配置されていることを特徴とする建物躯体の補強構造。 - 請求項1記載の建物躯体の補強構造において、
前記制振補強体が組み込まれたフレームに隣り合って形成されたフレーム内に、このフレームの内周面に固定される補強体が組み込まれており、
この補強体は、前記フレーム内に、このフレームと平行に設けられ、四角形状に形成された板材と、この板材の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材を四角枠状に組み立てた枠体とを有していることを特徴とする建物躯体の補強構造。 - 請求項2に記載の建物躯体の補強構造において、
前記板材の両面側に取り付けられた枠体のうち、少なくとも一方の枠体内に斜材が架設されていることを特徴とする建物躯体の補強構造。 - 請求項3に記載の建物躯体の補強構造において、
前記斜材は、前記枠体内に複数架設されており、これら複数の斜材は、前記枠体の対角線に沿って、かつ中央で交差していることを特徴とする建物躯体の補強構造。
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