JP5166132B2 - 地下空洞部充填方法 - Google Patents
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Description
隔壁形成用に掘削された注入孔に向かって圧送される流動化処理土にその注入孔手前で急硬剤を加えて流動化処理土と急硬剤を混合し、この急硬剤を含む流動化処理土を隔壁形成用に掘削された注入孔から地下空洞部内に充填して地下空洞部内に隔壁を形成する工程と、
隔壁と隔壁との間または隔壁と地下空洞閉塞部との間に形成される地下空洞部の特定路線の限定充填を行うため地下空洞部に至る別の注入孔を介して、流動化処理土を用いて特定路線を充填する工程と
を含むとともに、
流動化処理土として、セメントと、水と、現地発生土とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置で発生する気泡を注入してスクリューミキサーにて流動化してなるものを用いており、
前記特定路線を充填する工程において、前記別の注入孔として地下空洞部に至るよう掘削される複数の注入孔が用いられ、これら複数の隣接する注入孔のうちいずれかの注入孔からまず最初に地下空洞部内に流動化処理土を充填し、この流動化処理土が隣接する一方の注入孔位置の地下空洞部の天端まで充填されたことを水位計で確認するまで充填し続け、その後、前記隣接する他方の注入孔から地下空洞部内に流動化処理土を充填する作業が順次施されることを特徴としている(請求項1)。
すなわち、前記改良土に、気泡発生装置で発生する気泡が例えばノズルを介して注入される。そして、気泡と改良土とがスクリューミキサーの攪拌作用により混合されて流動化されて流動化処理土が得られる。
また、この発明において、スクリューミキサーは公知のものを用いることができる。
また、この発明において、流動化処理土を得るため改良土に注入される気泡の起泡剤として界面発生剤を挙げることができる。
前記特定路線を充填する工程においては、前記混合管およびミキサーを取り外して、配管および注入パイプが接続された状態で用いられる(請求項3)のが好ましい。
前記圧送ポンプとしては、公知のスクィーズ式ポンプを挙げることができる。
隔壁形成用に掘削された注入孔に向かって圧送される流動化処理土にその注入孔手前で急硬剤を加えて流動化処理土と急硬剤を混合し、この急硬剤を含む流動化処理土を隔壁形成用に掘削された注入孔から地下空洞部内に充填して地下空洞部内に隔壁を形成する工程と、隔壁と隔壁との間または隔壁と地下空洞閉塞部との間に形成される地下空洞部の特定路線の限定充填を行うため地下空洞部に至る別の注入孔を介して、流動化処理土を用いて特定路線を充填する工程とを含むとともに、
流動化処理土として、セメントと、水と、現地発生土とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置で発生する気泡を注入してスクリューミキサーにて流動化してなるものを用いており、
前記隔壁を形成する工程において、地下空洞部に至る監視孔より監視カメラで急硬剤を含む流動化処理土が地下空洞部の天端まで充填されたことを確認する充填完了確認作業が施され、
さらに、前記監視カメラは、地下空洞部の一方側および他方側を含む方向を監視できるよう監視孔の掘削方向のまわりに回動自在に設置されており、地下空洞部における流動化処理土の付着を防止するためカメラ表面を水で洗浄する洗浄ノズルを有することを特徴とする地下空洞部充填方法を提供する(請求項4)。
すなわち、本願の請求項1に係る発明では、スクリューミキサーにおいて、改良土に気泡を注入して流動化し、これを、地下空洞部に至るよう隔壁形成用に掘削された注入孔に向かって圧送したり、地下空洞部の特定路線の限定充填を行うため地下空洞部に至る別の注入孔に向かって圧送したりする。
そのため、本願の請求項1に係る発明では、各種現場での改良土の充填条件(隔壁形成のための充填条件、特定路線の充填のための条件)に応じて、改良土に対する気泡の注入率を変えるような場合、スクリューミキサーとして長さの異なる任意のものを適宜選択採用し、改良土と気泡との両者の混合を均一にすることができる。例えば多量の気泡を改良土に注入するような場合、スクリューミキサーとして長さの長いものを用いることにより、両者の混合を均一化できる。
また、本願の請求項1に係る発明では、スクリューミキサーに任意の傾斜角度を付して圧送側(例えば圧送ポンプ側)に設けることができ、スクリューミキサーを搬送方向始端側が低く、搬送方向終端側が高くなるように傾斜状に設けることにより、スクリューミキサーによる改良土と気泡との搬送時における接触効率を向上させて、両者を均一に混合することができる。
このように、本願の請求項1に係る発明では、気泡を改良土に注入することと、前記スクリューミキサーの搬送経路にわたって改良土と気泡の混合攪拌作用が施されることの2点の有機的な組み合わせにより、充填条件に適応したブリーディング率の低い流動化処理土を得ることができ、気泡を注入していない従来技術のものに比べて有利な地下空洞部充填方法を提供することができる。
図1において、現地の地下空洞部近辺の地盤の掘削に伴って生じた現地発生土1を、ショベル式積込機2等によって振動ふるい機3にかける。そして、現地発生土1を振動ふるい機3にかけることにより、粒径が所定値以下の現地発生処理土が得られる。ここで、現地発生土1には、例えば、コンクリート屑等が含まれている。また、現地発生処理土は、後述するスクリューミキサー4やスクィーズ式ポンプ装置6に不具合を生じさせない程度の大きさ(粒径)になっている。
続いて、現地発生処理土と、セメントと、水とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置で発生する気泡を注入してスクリューミキサーにて流動化し、これにより、流動化処理土Sが生成される。詳しく説明すると、図1において、4はスクリューミキサーであり、搬送方向終点側Eが搬送方向始点側Pよりも高くなるように傾斜した状態で設けられている。そして、このスクリューミキサー4の搬送方向始点側Pに設けられた導入口Mの上方に、現地発生処理土を導入口Mに投入するための投入用コンベア5の下流端側Qが位置している。また、前記導入口Mには、前記投入用コンベア5による現地発生処理土の投入と同時に、ホッパー10に収容されたセメントと、開閉弁11a付きの水タンク11に収容された水とが供給される。
すなわち、スクリューミキサー4による改良土と気泡の圧送側への搬送の際に、気泡発生装置13で発生する気泡が気泡発生装置13のノズルNからスクリューミキサー4の搬送方向始端側Pの導入口Mを介して注入され、気泡と改良土とがスクリューミキサー4の搬送時における攪拌作用により混合されて流動化され、流動化処理土Sを得ることができる。
詳述すると、図1において、6は車載式のスクィーズ式ポンプ装置(流動化処理土圧送用の圧送ポンプ装置)であり、トラック7に搭載されている。そして、スクリューミキサー4の搬送方向終点側Eはスクィーズ式ポンプ装置6の受けホッパ6aの投入口8の上方に位置しており、スクリューミキサー4によって生成された流動化処理土Sは、投入口8から受けホッパ6aに投入される。その後、スクィーズ式ポンプ装置6に設けた流量計(図示せず)を介して圧送パイプ9により、受けホッパ6aに投入されている流動化処理土Sが注入孔20〜24を介して地下空洞部内に充填される。
図1〜6において、30は地盤、31は地盤30中に存在している地下空洞部である。 地下空洞部充填方法は、隔壁形成用に掘削された例えば図2(A)、図2(B)、図2(C)に示す一対の注入孔20,22に向かって圧送される流動化処理土Sにその注入孔20,22手前で、図4に示すように、急硬剤Rを加えて流動化処理土Sと急硬剤Rを混合し、この急硬剤Rを含む流動化処理土Sを、注入孔20,22から地下空洞部31内に充填して地下空洞部31内に例えば図2(C)に示すように、一対の隔壁33,34を形成する工程と、
隔壁33と隔壁34との間に形成される地下空洞部31の例えば図2(C)に示す特定路線35(特定路線領域35a)の限定充填を図3(C)のように行うため地下空洞部31に至る例えば図2(A)、図2(B)、図2(C)に示す複数個の隣接する別の注入孔23,21,24を介して、隔壁33,34を形成する前記工程で用いた急硬剤Rを含む流動化処理土Sから急硬剤Rを除いた図5に示す流動化処理土Sを用いて図3(A)、図3(B)、図3(C)に示すように、特定路線35を充填する工程と
を含むとともに、
流動化処理土Sとして、セメントと、水と、現地発生土とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置13で発生する気泡を注入してスクリューミキサー4にて流動化してなるものを用いている。
なお、注入孔20〜24は、地盤30のボーリングを行うことによって穿設され、例えば図2(B)に示すように、注入孔20,21に例えば塩ビ製の注入パイプPが挿入される。また、注入孔20〜24掘削時の貫通距離は記録されている。
そして、前記隔壁33,34を形成する工程において、図4、図1に示すように、スクィーズ式ポンプ装置6に接続される圧送パイプ(配管)9および注入パイプP間に上流側から順に、急硬剤Rと流動化処理土Sとを混合する混合管44および静止ミキサー45が用いられる。図1において、急硬剤Rの供給流路iには、上流側から順に、急硬剤Rを収容するタンク46、急硬剤Rを圧送する圧送ポンプ47、流量計48が設けられている。
すなわち、流動化処理土Sを注入するために隣接するよう掘削された注入孔23,21,24のうち例えば図3(A)に示すように、例えば注入孔23から地下空洞部31の特定路線35内に流動化処理土Sを充填し、この流動化処理土Sが例えば図3(B)に示す注入孔21位置の地下空洞部31における特定路線35の天端Uまで充填されたことを、注入孔23から充填される流動化処理土Sの表面に接触するよう例えば注入孔21に予め挿入されている水位計41と、例えば注入孔24に予め挿入されている監視カメラ40とで確認するまで充填し続け、その後、圧送パイプ(配管)9を移動させて図3(B)に示すように、注入孔21から特定路線35内に流動化処理土Sを充填する作業と、続いて、圧送パイプ(配管)9を移動させて図3(C)に示すように、注入孔24から特定路線35内に流動化処理土Sを充填する作業とが施される。
この場合、注入孔21からの充填完了確認は、図3(B)に示す注入孔21の天端Tより検測し、特定路線35の天端U以上に流動化処理土Sが充填されていることを確認する作業が施される。
そして、この監視カメラ40を、地下空洞部31の一方側および他方側を含む方向を監視できるよう監視孔21a,24aの掘削方向のまわりに回動自在に設置されることにより、監視カメラ40で急硬剤Rを含む流動化処理土Sが地下空洞部31の天端Uまで充填される状態をパソコン38の表示部38aで常時モニターすることができる。また、前記特定路線35を充填する工程においても、例えば注入孔23から地下空洞部31の特定路線35内に流動化処理土Sを充填し、この流動化処理土Sが例えば図3(B)に示す注入孔21位置の地下空洞部31における特定路線35の天端Uまで充填されたことを監視カメラ40で常時モニターすることができる。
13 気泡発生装置
20〜24 注入孔
31 地下空洞部
33,34 隔壁
35 特定路線
S 流動化処理土
R 急硬剤
Claims (5)
- 地下空洞部に至る注入孔を掘削し、この注入孔を介して地下空洞部内を充填材としての流動化処理土で充填するにあたり、
隔壁形成用に掘削された注入孔に向かって圧送される流動化処理土にその注入孔手前で急硬剤を加えて流動化処理土と急硬剤を混合し、この急硬剤を含む流動化処理土を隔壁形成用に掘削された注入孔から地下空洞部内に充填して地下空洞部内に隔壁を形成する工程と、
隔壁と隔壁との間または隔壁と地下空洞閉塞部との間に形成される地下空洞部の特定路線の限定充填を行うため地下空洞部に至る別の注入孔を介して、流動化処理土を用いて特定路線を充填する工程と
を含むとともに、
流動化処理土として、セメントと、水と、現地発生土とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置で発生する気泡を注入してスクリューミキサーにて流動化してなるものを用いており、
前記特定路線を充填する工程において、前記別の注入孔として地下空洞部に至るよう掘削される複数の注入孔が用いられ、これら複数の隣接する注入孔のうちいずれかの注入孔からまず最初に地下空洞部内に流動化処理土を充填し、この流動化処理土が隣接する一方の注入孔位置の地下空洞部の天端まで充填されたことを水位計で確認するまで充填し続け、その後、前記隣接する他方の注入孔から地下空洞部内に流動化処理土を充填する作業が順次施されることを特徴とする地下空洞部充填方法。 - 前記隔壁を形成する工程において、地下空洞部に至る監視孔より監視カメラで急硬剤を含む流動化処理土が地下空洞部の天端まで充填されたことを確認する充填完了確認作業が施される請求項1に記載の地下空洞部充填方法。
- 前記隔壁を形成する工程において、流動化処理土圧送用の圧送ポンプに接続される配管および注入パイプ間に上流側から順に混合管およびミキサーが用いられる一方、
前記特定路線を充填する工程においては、前記混合管およびミキサーを取り外して、配管および注入パイプが接続された状態で用いられる請求項1または2に記載の地下空洞部充填方法。 - 地下空洞部に至る注入孔を掘削し、この注入孔を介して地下空洞部内を充填材としての流動化処理土で充填するにあたり、
隔壁形成用に掘削された注入孔に向かって圧送される流動化処理土にその注入孔手前で急硬剤を加えて流動化処理土と急硬剤を混合し、この急硬剤を含む流動化処理土を隔壁形成用に掘削された注入孔から地下空洞部内に充填して地下空洞部内に隔壁を形成する工程と、隔壁と隔壁との間または隔壁と地下空洞閉塞部との間に形成される地下空洞部の特定路線の限定充填を行うため地下空洞部に至る別の注入孔を介して、流動化処理土を用いて特定路線を充填する工程とを含むとともに、
流動化処理土として、セメントと、水と、現地発生土とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置で発生する気泡を注入してスクリューミキサーにて流動化してなるものを用いており、
前記隔壁を形成する工程において、地下空洞部に至る監視孔より監視カメラで急硬剤を含む流動化処理土が地下空洞部の天端まで充填されたことを確認する充填完了確認作業が施され、
さらに、前記監視カメラは、地下空洞部の一方側および他方側を含む方向を監視できるよう監視孔の掘削方向のまわりに回動自在に設置されており、地下空洞部における流動化処理土の付着を防止するためカメラ表面を水で洗浄する洗浄ノズルを有することを特徴とする地下空洞部充填方法。 - 前記スクリューミキサーによる前記改良土と気泡の圧送側への搬送の際に、前記気泡発生装置で発生する気泡が気泡発生装置のノズルから前記スクリューミキサーの搬送方向始端側の導入口を介して注入され、前記気泡と改良土とがスクリューミキサーの搬送時における攪拌作用により混合されて流動化処理土が得られ、この流動化処理土が圧送される請求項1〜4のいずれか1項に記載の地下空洞部充填方法。
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