JP5165521B2 - 金型充填性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

金型充填性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、良好な金型充填性を有する、型内発泡成形体に好適に使用しうるポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。
ポリオレフィン系樹脂発泡体は緩衝性、断熱性等の物性に優れることから、包装材、緩衝材、断熱材、建築部材など様々な用途に使用されている。特にポリオレフィン系樹脂発泡粒子を金型に充填し、水蒸気などで加熱して発泡粒子同士を融着せしめて所定形状の発泡体を得る型内発泡成形法は、複雑な形状の製品を比較的容易に得ることができるため、多くの用途に用いられている。
型内発泡成形に使用するポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、例えば、耐圧容器内にポリオレフィン系樹脂粒子を水系分散媒に分散剤を用いて分散させ、ポリオレフィン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度まで加熱、加圧した後、耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に放出することにより製造することができる。
ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体のなかでも、包装材や緩衝材に使用される型内発泡成形体は緩衝性能を付与するため通常、30倍以上の高発泡倍率である。このため、型内発泡成形に使用するポリオレフィン系樹脂発泡粒子も20倍以上の高発泡倍率であることが求められる。
特許文献1や特許文献2には硼酸塩化合物が添加されたポリオレフィン系樹脂を用いることにより発泡しにくい無機ガスを発泡剤として使用しても高発泡倍率のポリオレフィン系樹脂発泡粒子が得られることが記載されている。
しかしながら、高発泡倍率の発泡粒子は通常粒子径が大きい。このため型内発泡成形において金型が薄肉部分や複雑な形状を有していると、大きい粒子径の発泡粒子を金型に十分充填することが困難になる場合がある。
特許文献3にはポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造する際の分散剤量や加熱温度を調整することにより、金型への充填性に優れた発泡粒子を得ることができることが開示されている。また、特許文献4には円柱状あるいは楕円柱状であり、特定の特性を有する発泡粒子が金型への充填性に優れることが開示されている。
特許文献5には高級脂肪酸グリセリンエステルと極性基を有する芳香族化合物が添加されたポリスチレン等の発泡性熱可塑性樹脂粒子は発泡に際し粒子同士がブロッキングしにくく、その結果金型充填性に優れることが開示されている。
特開平5−9329号公報 国際公開1998−25996号公報 特開昭59−59730号公報 特開昭60−13825号公報 特開平6−32934号公報
本発明の目的は、高発泡倍率であり且つ金型充填性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法を提供することである。
本発明者は親水性物質と共に炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルを添加したポリオレフィン系樹脂粒子を使用することにより、高発泡倍率であって金型充填性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を製造できることを見いだした。
すなわち、本発明は、耐圧容器内にポリオレフィン系樹脂粒子を水系分散媒に分散させ、無機ガスを添加し、ポリオレフィン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度まで加熱、加圧してポリオレフィン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、発泡剤が含浸されたポリオレフィン系樹脂粒子を耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に放出する工程を含む、発泡倍率20倍以上のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法であって、ポリオレフィン系樹脂粒子が次の(A)成分及び(B)成分を含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。
(A)炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステル
(B)無機ガスとして窒素ガスを使用して発泡粒子を製造した場合、発泡粒子の含水率を0.7重量%以上にする、分子量が600以下の親水性物質
好ましい態様としては、
(1)炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルが、炭素数10以上24以下の脂肪酸のグリセリンエステルである、
(2)炭素数10以上24以下の脂肪酸のグリセリンエステルが、炭素数10以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルを主成分とする、
(3)炭素数10以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルが、ステアリン酸グリセリンモノエステルである、
(4)(B)成分が、分子量600以下の親水性物質が、水酸基含有有機化合物及び/又は硼酸塩化合物である、
(5)(B)成分が、分子量600以下の水酸基含有有機化合物である、
(6)分子量600以下の水酸基含有有機化合物が、分子量600以下のポリエチレングリコールである、
(7)分子量600以下の水酸基含有有機化合物が、グリセリンである、
(8)ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂である、
前記記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。
本発明の製造方法によれば、高発泡倍率であり且つ金型充填性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を簡便な方法により製造することができる。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂粒子は、ポリオレフィン系樹脂から製造される。ポリオレフィン系樹脂の例としては、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマー、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体などが挙げられる。ここでいうα−オレフィンとしては、炭素数2あるいは4〜15のα−オレフィンなどが挙げられ、これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのポリプロピレン系樹脂中でも、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体であって、プロピレン以外のコモノマー含量が1〜5重量%であるポリプロピレン系樹脂が良好な発泡性を示し、好適に使用し得る。また共重合体ポリマーでは、ホモポリマーに比較して、水や二酸化炭素等の発泡剤が含浸し易い特性も有しており、好適である。
ポリプロピレン系樹脂を用いる場合、融点は130℃以上165℃以下であることが好ましく、更には135℃以上155℃以下であることが好ましい。融点が130℃以上165℃以下であると、発泡性、成形性に優れ、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体としたときの機械的強度、耐熱性に優れた発泡粒子を得ることが出来る傾向がある。ここで、融点とは、示差走査熱量計によって試料1〜10mgを40℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後40℃まで10℃/分の速度で冷却し結晶化させた後、再度220℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られるDSC曲線における吸熱ピークのピーク温度をいう。
更に、ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス(MI)は、2g/10分以上11g/10分以下が好ましく、より好ましくは3g/10分以上10g/10分以下であり、最も好ましくは4g/10分以上8g/10分以下である。メルトインデックスが2g/10分未満では、高発泡倍率の発泡粒子が得られにくくなるとともに、気泡も不均一になる傾向がある。また、メルトインデックスが11g/10分を超えた場合、高発泡倍率の発泡粒子は得やすくなるが、発泡粒子内の気泡が破泡し易く、発泡粒子の連泡率が高くなる傾向にあるとともに、気泡も不均一になる傾向がある。なお、ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックスは、JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定した値である。
ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(以下、Mwと表記する場合がある)と数平均分子量(以下、Mnと表記する場合がある)の比(Mw/Mn)は6.0以下が好ましい。Mw/Mnは5以下がより好ましい。Mw/Mnが6.0を越える場合、本発明の製造方法によって得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形して得られる、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の表面性や収縮性が悪化する傾向にある。大きい発泡倍率を有するポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体は単位体積当たりの樹脂量が少ないため、剛性がなく、金型寸法に対する収縮率が大きい傾向がある。従って、本発明においてはMw/Mnができるだけ小さい樹脂を使用することが好ましい。
Mn及びMwは以下の条件において測定される。
測定機器 :Waters社製Alliance GPC 2000型 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
カラム :TSKgel GMH6−HT 2本、
TSKgel GMH6−HTL 2本(それぞれ、内径7.5mm×長さ300mm、東ソー社製)
移動相 :o−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
カラム温度:140℃
流速 :1.0mL/min
試料濃度 :0.15%(W/V)−o−ジクロロベンゼン
注入量 :500μL
分子量較正:ポリスチレン換算(標準ポリスチレンによる較正)
ポリエチレン系樹脂としては、エチレンホモポリマー、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。ここで言う、α−オレフィンとしては、炭素数3〜15のα−オレフィンなどが挙げられ、これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのポリエチレン系樹脂の中でも、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体であってエチレン以外のコモノマー含量が1〜10重量%である場合、あるいは直鎖状低密度ポリエチレンである場合に良好な発泡性を示し、好適に使用し得る。
ポリエチレン系樹脂を用いる場合、融点は、110℃以上140℃以下であることが好ましく、更には120℃以上130℃以下であることが、発泡性、成形性に優れ、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体としたときの機械的強度、耐熱性に優れた発泡粒子を得ることが出来る傾向があるため、好ましい。更に、ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスは、0.5g/10分以上30g/10分以下であることが好ましく、より好ましくは1g/10分以上5g/10分以下であり、最も好ましくは1.5g/10分以上2.5g/10分以下である。メルトインデックスが0.5g/10分未満では、高発泡倍率の発泡粒子が得られにくくなるとともに、気泡も不均一になる傾向がある。また、メルトインデックスが30g/10分を超えた場合、発泡しやすいものの、気泡が破泡し易く、発泡粒子の連泡率が高くなる傾向にあるとともに、気泡も不均一になる傾向がある。なお、ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスは、JIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgで測定した値である。
本発明において使用するポリオレフィン系樹脂を製造する際に用いられる触媒としては特に制限はなく、例えば、Ziegler−Natta触媒、メタロセン触媒などが挙げられる。以上、ポリオレフィン系樹脂について説明したが、これらポリオレフィン系樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合するなどして用いても構わない。本発明の効果がより顕著に発揮されるため、ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン系樹脂を使用することが好ましい。
本発明の製造方法においては、ポリオレフィン系樹脂粒子が、(A)炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルを含む。本発明において、炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルは、得られるポリオレフィン系樹脂発泡粒子の金型充填性を向上される作用を有している。ポリオレフィン系樹脂粒子が炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルの例としては、化1で表されるグリセリンのモノエステルやジエステルが挙げられる。
Figure 0005165521
(式中R1は少なくとも1つのメチル基と5〜29個のメチレン基及び/またはメチン基からなるアルキル基であり、1分子中にR1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
本発明で使用する炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルの炭素数が少ない場合は分子量が低いため融点が低くなり加工時の取り扱いに注意を要する傾向がある。一般には炭素数18前後のものが自然界に多数存在するため安価であり、よく用いられる。
炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルの中でも、炭素数が10以上24以下の脂肪酸のグリセリンエステルであることが好ましく、更には、炭素数10以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルを主成分とすることが好ましく、特には、ステアリン酸グリセリンモノエステルであることが好ましい。なお、「主成分とする」とは、50重量%を超えて含むことを意味する。本発明において1種の炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルを用いてもよいし、2種以上の炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルの混合物を使用してもよい。
炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1重量部以上5重量部以下含まれ、より好ましくは0.1重量部以上3重量部以下含まれる。前記炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルの添加量が0.1重量部未満の場合、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の金型充填性が不十分な場合がある。一方、5重量部をこえると型内発泡成形に用いる際、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間の融着性が悪化する場合がある。
特開平6−32934号公報には、高級脂肪酸グリセリンエステルと極性基を有する芳香族化合物が添加されたポリスチレン等の発泡性熱可塑性樹脂粒子は予備発泡に際し、予備発泡粒子同士がブロッキングしにくく、ブロッキングした予備発泡粒子がないために、金型充填性に優れることが開示されている。しかし、本発明の発泡粒子は発泡時ブロッキングすることがない場合においても、炭素数6以上30以下の脂肪酸グリセリンエステルの添加により金型充填性が改善される。従って、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子と特開平6−32934号公報記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子とは、炭素数6以上30以下の脂肪酸グリセリンエステルの添加により異なる理由によって金型充填性が改善されていると考えられる。詳細な理由は明らかではないが、本発明においては炭素数6以上30以下の脂肪酸グリセリンエステルの帯電防止機能によって金型充填性が改善されていることが推察される。
本発明の製造方法においては、ポリオレフィン系樹脂粒子が、(B)無機ガスとして窒素ガスを使用して発泡粒子を製造した場合、発泡粒子の含水率を0.7重量%以上にする、分子量600以下の親水性物質を含むポリオレフィン系樹脂粒子を使用する。なお、親水性物質が無機塩などの場合は分子量に代えて式量を使用する。親水性物質の分子量が600を越えると、分子量が600以下の親水性物質を使用する場合に比較し、同じ発泡倍率の発泡粒子を得るためには多量の親水性物質が必要になり、さらに、得られる発泡成形体の表面性、融着性あるいは低収縮性が低下する。親水性物質が重合体の場合、その平均分子量は、たとえば、サーモフィッシャーサイエンティフィック製LCQアドバンテージなどの液体クロマトグラフ質量分析装置を使用し測定できる。
本発明にいう親水性物質とは、無機ガスとして窒素ガスを使用して発泡粒子を製造した場合、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の含水率を0.7重量%以上にする親水性物質である。含水率は、ポリオレフィン系樹脂粒子として親水性物質とタルクをポリオレフィン樹脂100重量部に対し0.1重量部のみを添加した樹脂粒子を使用し、無機ガスとして窒素ガスを使用した以外は、製造するポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造条件と同じにして発泡粒子を製造する。但し、安定剤等が添加されているポリオレフィン樹脂を使用する場合、これら安定剤等を除去せずに測定する。これら安定剤等は含水率に対しほとんど影響しない。得られた発泡粒子の表面に付着した水を、室温において空気気流で脱水させたのち、その重量(W1)を測定する。さらにその発泡粒子を80℃のオーブン中で12時間乾燥させた時の重量(W2)を測定し、次式により算出する。
含水率(%)=(W1−W2)/W2×100
水が含浸されるとポリオレフィン系樹脂粒子に無機ガスが含浸しやすくなると考えられ発泡倍率が向上すると考えられる。また、水は発泡剤となりうるので、多くの水を含浸することにより、発泡倍率が向上すると考えられる。特に無機ガスが、炭酸ガスである場合、水と共存しやすく、発泡倍率が大きく向上すると考えられる。
発泡粒子の含水率は0.7重量%以上であり、1重量%以上が好ましく、1.5重量%以上がより好ましい。また、10重量%以下が好ましく、8重量%以下がより好ましく、5重量%以下がさらに好ましい。含水率が0.7重量%未満の場合、発泡倍率が低いものしか得られない。10重量%を越える場合においては発泡後の発泡粒子内が低内圧となるために発泡粒子が収縮し易く、発泡後にオーブン養生等の処理をしても収縮が残ってしまうことがある。
本発明に使用できる無機ガスとして窒素ガスを使用して発泡粒子を製造した場合、発泡粒子の含水率を0.7重量%以上にする、分子量が600以下の親水性物質の具体例としては、硼酸塩化合物である硼砂、硼酸亜鉛等が挙げられ、水酸基含有有機化合物であるグリセリン、ポリエチレングリコール等も挙げられる。さらに無機物に類されるものとして、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、また有機物に類されるものとしてメラミン、イソシアヌル酸、メラミン・イソシアヌル酸縮合物、さらには重合体に類されるものとしてポリエチレンオキシド等のポリエーテル、ポリエーテルのポリプロピレン等への付加物やこれらのアロイ、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、ブタジエン(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、カルボキシル化ニトリルゴムのアルカリ金属塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩及びポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。これら親水性物質は2種以上併用してもよい。
これらの親水性物質のなかでは、硼砂、硼酸亜鉛等の硼酸塩化合物及び/又はグリセリン、ポリエチレングリコール等の水酸基含有有機化合物が好ましい。
これらの親水性物質を使用すると発泡粒子におけるセル径が適度の大きさで均一であるため、型内発泡成形体の収縮率が小さくなり、また、型内発泡成形体の表面が美麗にすることができる。
親水性物質の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.005重量部以上2重量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.005重量部以上1重量部以下、更に好ましくは0.01重量部以上0.5重量部以下である。ここで親水性物質の添加量とは、吸水していない状態での親水性物質の重量を指す。また結晶水を有する場合、結晶水を除いて親水性物質の添加量が計算される。
親水性物質の添加量が0.005重量部より少ないと、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の発泡倍率を向上させることができなかったり、気泡の均一化効果が低減する傾向がある。添加量が2重量部を超えると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の収縮が生じ易くなったり、ポリオレフィン系樹脂中への親水性物質の分散が不十分となる傾向がある。
本発明のポリオレフィン系樹脂粒子は他の添加剤が含有されていてもよい。好ましい添加剤は高級脂肪族アルコール、特には、炭素数が6〜24の脂肪族アルコールである。高級脂肪族アルコールは炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルが有する帯電防止性能を向上させる。帯電防止性能向上のメカニズムは詳細には不明であるが、前記炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルのポリオレフィン系樹脂中からのブリード性を調整していると考えられる。
高級脂肪族アルコールは、炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルとの相溶性を合わせるほうが樹脂中への分散や、樹脂表層への溶出促進などの効率が良いと推測される。従って、グリセリンエステルを構成している脂肪酸と炭素数を合わせて使用することが好ましい。高級脂肪族アルコールは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1重量部以上5重量部以下、より好ましくは0.1重量部以上3重量部以下含まれる。
本発明のポリオレフィン系樹脂粒子には、必要に応じて有機顔料を加えてもよい。有機顔料としては、たとえばペリレン系、ポリアゾ系、キナクリドン系の有機顔料が例示されるが、これらに限定されるものではない。有機顔料の含有量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.001重量部以上0.1重量部以下の範囲が分散性の点から好ましい。前記含有量が0.1重量部をこえるとポリオレフィン系樹脂発泡粒子の気泡径が微細となり、該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子から得られるポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の表面性が劣り、見栄えが悪くなる傾向にある。
また、ポリオレフィン系樹脂粒子の製造の際にセル造核剤を添加することが、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子とした時のセル径を所望の値に調整することが出来るため好ましい。セル造核剤としては、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、酸化チタン、ベントナイト、硫酸バリウム等の無機系造核剤が一般に使用される。セル造核剤の添加量は、使用するポリオレフィン系樹脂の種類、セル造核剤の種類により異なり一概には規定できないが、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、概ね0.001重量部以上2重量部以下であることが好ましい。
更に、ポリオレフィン系樹脂粒子の製造の際、必要により酸化防止剤、リン系加工安定剤、ラクトン系加工安定剤、金属不活性剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、難燃剤、難燃助剤、酸中和剤、結晶核剤等の添加剤を、ポリオレフィン系樹脂の特性を損なわない範囲内で添加することができる。
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、ポリオレフィン樹脂から例えば以下のように製造される。
ポリオレフィン系樹脂は、所望の形状と大きさの発泡粒子を製造するために、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて溶融し、円柱、楕円、球、立方体、直方体等の形状と一定重量を有するポリオレフィン系樹脂粒子の形状に加工される。(A)炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルや、(B)無機ガスとして窒素ガスを使用して発泡粒子を製造した場合、発泡粒子の含水率を0.7重量%以上にする、分子量が600以下の親水性物質や、他の樹脂、必要に応じて添加するその他の添加剤はプリブレンドした上で、押出ししてポリオレフィン系樹脂粒子としてもよいし、ポリオレフィン系樹脂と共に押出機等に供給してもよい。
ポリオレフィン系樹脂粒子の平均重量は、0.1〜30mgであることが好ましく、0.3〜10mgがより好ましい。樹脂粒子の平均重量は、ランダムに選んだ100粒のポリオレフィン系樹脂粒子から得られる平均であり、以下、mg/粒で表示する。
得られたポリオレフィン系樹脂粒子は、耐圧容器内の水系分散媒に分散させ、無機ガスを添加し、ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上の温度まで加熱、加圧して発泡剤を樹脂粒子内に含浸させる。耐圧容器には特に制限はなく、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子製造に必要な容器内圧力、容器内温度に耐えられるものであればよい。例えばオートクレーブ型の耐圧容器があげられる。水系分散媒としては水が好ましい。メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等を水に添加した分散媒も水系分散媒として使用できる。
本発明においては、水及び無機ガスが発泡剤となりうる。水系分散媒中の水がポリオレフィン系樹脂粒子に含浸し発泡剤として作用する。他の含水率測定方法として、発泡直後のポリオレフィン系樹脂発泡粒子をポリマー用水分計、あるいはカールフィッシャー水分計などで測定することも可能である。無機ガスとしては、空気、窒素、炭酸ガス等が挙げられる。中でも発泡力が比較的大きく、環境負荷が小さく、燃焼危険性も無いことから、炭酸ガスが望ましい。発泡剤として、水と炭酸ガスを併用することで、発泡力が大きくなり、発泡核剤の添加量を少なくすることができる傾向がある。この結果、高発泡倍率であって平均気泡径が大きい発泡粒子を得ることができ、2次発泡性も良好なものとなる傾向がある。
水及び無機ガスを発泡剤として使用していれば、他の物理発泡剤を併用してもよい。他の物理発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、iso−ブタン、ペンタン等の飽和炭化水素類、ジメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類が挙げられる。
水系分散媒中、ポリオレフィン系樹脂粒子同士の合着を防止するために、分散剤を使用することが好ましい。分散剤として、第三リン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、酸化チタン、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、タルク、クレー等の無機系分散剤が例示できる。これらの中、第三リン酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウムが少ない使用量でも水系分散物を安定的に放出させることができるため好ましい。
また、分散剤と共に分散助剤を使用することが好ましい。分散助剤の例としては、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩型、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩等のスルホン酸塩型、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル型、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンリン酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸塩等のリン酸エステル型等の陰イオン界面活性剤をあげることができる。また、マレイン酸共重合体塩、ポリアクリル酸塩等のポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタルスルホン酸ホルマリン縮合物塩などの多価陰イオン高分子界面活性剤も使用することができる。
分散助剤として、スルホン酸塩型の陰イオン界面活性剤を使用することが好ましく、さらには、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩から選ばれた1種もしくは2種以上の混合物を用いるのが好ましい。アルキルスルホン酸塩を使用することがより好ましく、疎水基として炭素数10〜18の直鎖状の炭素鎖を持つアルキルスルホン酸塩を使用することが、発泡粒子に付着する分散剤を低減できるため特に好ましい。
これらの中でも、分散剤として第三リン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、硫酸バリウムまたはカオリンから選ばれる一種以上と、分散助剤としてn−パラフィンスルホン酸ソーダを併用することが好ましい。
分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリオレフィン系樹脂の種類と使用量によって異なる。通常、水系分散媒100重量部に対して、分散剤0.1重量部以上5重量部以下を添加することが好ましく、さらには0.2重量部以上3重量部以下を配合することが好ましく、分散助剤0.001重量部以上0.3重量部以下を添加することが好ましく、さらには0.001重量部以上0.1重量部以下を配合することが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂粒子は、水系分散媒中での分散性を良好なものにするために、通常、水系分散媒100重量部に対して、20重量部以上100重量部以下使用するのが好ましい。
水系分散媒に分散し、無機ガスが添加された後、分散系全体を加熱、加圧する。これにより発泡剤がポリオレフィン系樹脂粒子に含浸される。加熱温度は原料樹脂種、添加剤、発泡倍率、使用する発泡剤種により、適宜決められる。加熱温度はポリオレフィン系樹脂粒子の軟化温度以上、好ましくはポリオレフィン系樹脂粒子の融点−25℃以上でポリオレフィン系樹脂粒子の融点+25℃以下の範囲、更に好ましくはポリオレフィン系樹脂粒子の融点−15℃以上でポリオレフィン系樹脂粒子の融点+15℃以下の範囲から選択される。無機ガスでは加熱温度は高い傾向がある。また高温であるほど得られる発泡粒子の発泡倍率が高くなる傾向がある。
発泡剤が含浸された耐圧容器内のポリオレフィン系樹脂粒子を耐圧容器の内圧よりも低圧の雰囲気に放出することにより、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得ることが出来る。耐圧容器の内圧よりも低圧の雰囲気とは、耐圧容器中のポリオレフィン系樹脂粒子を含んでなる水系分散物を放出する低圧の雰囲気であるかぎりとくに制限はない。たとえば大気中に放出する際には大気圧雰囲気、揮発性発泡剤を回収するために密閉系内に放出する場合には密閉系内の雰囲気などのことである。低圧の雰囲気に放出して発泡したポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、水分を除去され、さらに乾燥される。
以下に樹脂粒子への発泡剤の含浸工程と樹脂粒子の発泡工程の具体例を挙げる。ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルを好ましくは0.1重量部以上5重量部以下、分子量600以下の親水性物質を好ましくは0.05重量部以上2重量部以下、および発泡核剤を含有させたポリオレフィン系樹脂粒子を、耐圧容器内の水系分散媒に分散させ、無機ガスを添加し、ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上の温度まで加熱、加圧して発泡剤をポリオレフィン系樹脂粒子内に含浸させる。さらに窒素もしくは空気を圧入することで耐圧容器内の内圧を高めた後、耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に放出してポリオレフィン系樹脂発泡粒子を製造する。低圧域に放出する前に窒素もしくは空気を圧入して、耐圧容器内の内圧を高めることにより、発泡時の圧力開放速度を調節し、発泡倍率や平均気泡径の調整を行うことができる。
また、無機ガスとして、常温で気体の炭酸ガスを用いる場合は、ポリオレフィン系樹脂粒子と水系分散媒を耐圧容器に投入したのち、炭酸ガスを耐圧容器内に導入すれば良い。例えば、耐圧容器にポリオレフィン系樹脂粒子、水系分散媒、分散剤等を仕込んだ後、耐圧容器内を真空引きした後、1〜2MPa程度の炭酸ガスを導入し、ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上の温度まで加熱する。加熱することによって耐圧容器内の圧力が約1.5〜3MPa程度まで上がる。発泡させる温度付近にてさらに炭酸ガスを追加して所望の発泡させる圧力に調整、さらに温度調整を行った後、耐圧容器の内圧よりも低い圧力雰囲気下に放出してポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る。或いは、耐圧容器にポリオレフィン系樹脂粒子、水系分散媒、必要に応じて分散剤等を仕込んだ後、必要に応じて耐圧容器内を真空引きした後、ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上の温度まで加熱しながら炭酸ガスを導入してもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、上述のような、耐圧容器内にポリオレフィン系樹脂粒子を水系分散媒に分散させ、無機ガスを添加し、ポリオレフィン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度まで加熱、加圧してポリオレフィン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、発泡剤が含浸されたポリオレフィン系樹脂粒子を耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に放出する工程を経て得られる。
しかし、高発泡倍率の発泡粒子が必要な場合、この発泡粒子をさらに発泡させてもよい。耐圧容器内にポリオレフィン系樹脂粒子を水系分散媒に分散させ、無機ガスを添加し、ポリオレフィン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度まで加熱、加圧してポリオレフィン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、発泡剤が含浸されたポリオレフィン系樹脂粒子を耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に放出させて発泡させることを一段発泡と称し、一段発泡により得られる発泡粒子を一段発泡粒子と呼ぶ場合がある。一段発泡粒子さらに発泡させることを二段発泡と称し、二段発泡によって得られた発泡粒子を二段発泡粒子と呼ぶ場合がある。通常、二段発泡は、一段発泡粒子を耐圧容器内にて空気等の無機ガスにて加圧し、内圧を付与させたのち、加熱することによりなされる。本発明のように発泡倍率が20倍以上の発泡粒子を製造する場合、二段発泡を採用することが好ましい。
本発明においては、最終的に得られる発泡粒子の発泡倍率は20倍以上である。最終的に得られる発泡粒子の発泡倍率は60倍以下が好ましい。発泡倍率が20倍未満の場合は、軽量化のメリットが得られず、また得られるポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の柔軟性、緩衝特性などが不充分となる傾向がある。発泡倍率が60倍を越える場合は、得られるポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の寸法精度、機械的強度、耐熱性などが不充分となる傾向がある。ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の発泡倍率の測定法は後記する。
本発明によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡粒子の平均気泡径は50μm以上800μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以上600μm以下、さらに好ましくは200μm以上500μm以下である。平均気泡径が50μm未満の場合、得られるポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の形状が歪む、表面にしわが発生するなどの問題が生じる場合があり、800μmを越える場合、得られるポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の緩衝特性が低下する場合がある。平均気泡径は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の切断面について、表層部を除く部分についてASTM D3576に従い測定する。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の連泡率は0〜12%であることが好ましく、より好ましくは0〜8%、さらに好ましくは0〜5%である。連泡率が12%を超えると、型内成形時に蒸気加熱による発泡性に劣り、得られたポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体が収縮してしまう傾向にある。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線において、2つ以上の融点を示す結晶構造を有することが好ましい。2つ以上の融点を示す結晶構造を有するポリオレフィン系樹脂発泡粒子の場合、型内発泡成形性が良く、機械的強度や耐熱性の良好なポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体が得られる傾向にある。ここで、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線とは、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子1〜10mgを示差走査熱量計によって10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線のことである。このDSC曲線において、現れる融解ピークの示す温度が融点である。
前記のごとく2つ以上の融点を示す結晶構造を有するポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、発泡時の耐圧容器内温度を適切な値に設定することにより容易に得られる。適切な温度は用いる発泡剤や基材となるポリオレフィン系樹脂の種類によって異なるが、例えば発泡剤に炭酸ガスを用い、ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂を用いる場合、ポリプロピレン系樹脂の融点以上であって融解終了温度未満、好ましくは融解終了温度−2℃以下の温度から選定される。ここで、前記融解終了温度とは、示差走査熱量計によってポリオレフィン系樹脂1〜10mgを40℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後40℃まで10℃/分の速度で冷却し、再度220℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られる融解ピーク曲線が高温側でベースラインの位置に戻ったときの温度である。
本発明で得られるポリオレフィン系樹脂発泡粒子は金型に充填し加熱することにより、発泡粒子間の隙間がなくなるように発泡させ、且つ、発泡粒子間を融着させ任意の形状に成形すること、いわゆる型内成形をすることができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、金型充填性に優れている。本発明に言う金型充填性とは、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形に用いる場合に、金型内容積に対しどれだけ多くの体積のポリオレフィン系樹脂発泡粒子が金型細部まで効率的に充填されるかを示している。
簡易的には、金型の薄肉部すなわちポリオレフィン系樹脂発泡粒子径の2倍〜4倍の厚みの部位に発泡粒子が欠けることなく充填されるか否かで、金型充填性を評価しうる。
型内発泡成形に使用する金型としては、蒸気等加熱媒体は流通することができるが、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は外部に流出しない金型が通常用いられる。通常、加熱媒体として0.05〜0.5MPa(G)程度の水蒸気が用いられ、3〜30秒程度の加熱時間で成形される。
型内発泡成形において用いる発泡粒子に対しては次のような従来既知の処理を行うことができる。イ)そのまま用いる方法、ロ)あらかじめポリオレフィン系樹脂発泡粒子中に空気等の無機ガスを圧入し、発泡能を付与する方法、ハ)ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を圧縮状態で金型内に充填し成形する方法。これらの中でも、あらかじめポリオレフィン系樹脂発泡粒子中に空気等の無機ガスを圧入し、発泡能を付与するロ)の方法が好適である。
具体的には次の型内発泡成形法によって型内発泡成形体を得ることが出来る。
1)ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を耐圧容器内で空気加圧し、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子中に空気を圧入することにより発泡能を付与する。
2)得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を2つの金型からなる、閉鎖しうるが密閉し得ない成形空間内に充填する。
3)水蒸気などを加熱媒体として0.2〜0.4MPa(G)程度のスチーム圧で3〜30秒程度の加熱時間で成形し、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子同士を融着させる。
4)金型を水冷する。
5)金型を開いて、型内発泡成形体を取り出す。
得られるポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の発泡倍率は、特に限定されないが、30〜60倍が好ましく、さらには35〜55倍が好ましく、35〜50倍がより好ましく、有用である。
本発明で得られるポリオレフィン系樹脂発泡粒子を用いたポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体は、断熱材、緩衝包装材、自動車内装部材、自動車バンパー用芯材などの用途に用いることができる。高発泡倍率の型内発泡成形体が使用されることが多い緩衝包装材に、本発明で得られるポリオレフィン系樹脂発泡粒子を用いたポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体を使用することは、特に望ましい使用法である。
以下、実施例および比較例をあげて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価は、つぎの方法によった。
(含水率)
ポリオレフィン系樹脂粒子として親水性物質とタルクをポリオレフィン樹脂100重量部に対し0.1重量部のみを添加した樹脂粒子を使用し、無機ガスとして窒素ガスを使用した以外は、製造するポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造条件と同じにして発泡粒子を製造する。但し、安定剤等が添加されているポリオレフィン樹脂を使用する場合、これら安定剤等を除去せずに測定する。これら安定剤等は含水率に対しほとんど影響しない。得られた発泡粒子の表面に付着した水を、室温において空気気流で脱水させたのち、その重量(W1)を測定する。発泡粒子表面に水が付着していると粒子同士が水の作用でくっついているが、脱水すると粒子がバラバラになるので脱水時点は容易に判断できる。さらにその発泡粒子を80℃のオーブン中で12時間乾燥させた時の重量(W2)を測定する。含水率を次式により算出する。
含水率(%)=(W1−W2)/W2×100
(発泡倍率)
3〜10gの発泡粒子を60℃で6時間乾燥したのち重量w(g)を測定後、水没法にて体積v(cm3)を測定し、発泡粒子の真比重ρb=w/vを求め、発泡前のポリプロピレン系樹脂粒子の密度ρrとの比から発泡倍率K=ρr/ρbを求めた。
(金型充填性)
金型充填性評価用金型として、図1に示す複数の仕切板を有する物品収納用緩衝箱を用いて、得られた発泡粒子を型内成形した。仕切板部分における発泡粒子の充填を目視により観察し、金型充填性を評価した。緩衝箱は、長さ350mm×幅320mm深さ180mmの大きさで、内部に幅さ方向に平行な6組の仕切板を有している。各仕切板は形状及び寸法が異なるが最も薄い仕切板は仕切板2で底部の厚さが8mmで上部の厚さが5mmであった。仕切板2の上部は最も発泡粒子が充填しにくい部分と考えられ、この部分の粒子の充填性を以下の評価により金型充填性とした。なお、以上の寸法は金型における寸法である。また、発泡粒子の充填口は金型において緩衝箱の底部相当部分に6カ所設けた。
○:金型通りに発泡粒子が充填している
×:金型通りに発泡粒子が充填しておらず、発泡粒子が欠けたように見える部分がある。
(寸法収縮率)
寸法収縮率評価用金型として、金型寸法が400mm×300mm×20mmの直方体(プランク)作製用金型を用いて得られた発泡粒子を型内成形した。成形後、23℃で2時間静置し、つぎに65℃で6時間養生したのち、23℃の室内に4時間放置して得られた型内発泡成形体の長手寸法を測定し、対応する金型寸法に対する、金型寸法と型内発泡成形体の寸法との差の割合を対金型寸法収縮率とし、以下の基準で評価した。
◎:対金型寸法収縮率が4%以下
〇:対金型寸法収縮率が4%を超えて7%以下
×:対金型寸法収縮率が7%より大きい
(実施例1〜7、比較例1)
エチレン含有率3.6重量%、MI6.0g/10分、Mw/Mnが4.7のエチレン−プロピレンランダム共重合体100重量部と、表1に示す種類・量の親水性物質、炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリン部分エステル、脂肪族アルコール、有機顔料(ペリレン系有機顔料(商品名:ピグメントレッド)、又はキナクリドン系有機顔料(キナクリドンレッド))と、タルク0.1重量部を混合し、50mmφの押出機で混練(220℃)したのち、造粒し、ポリオレフィン系樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られたポリオレフィン系樹脂粒子100重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム0.7重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.04重量部とを仕込み、さらに、無機ガスとして炭酸ガスを10重量部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持したのち、耐圧容器内を炭酸ガスで前記内圧に保持しながら耐圧容器の下部に設けた3mmφオリフィスを通して水系分散物を大気圧下に放出し、一段発泡粒子をえた。そののち水で洗浄し、乾燥させた。得られた発泡粒子の発泡倍率は表1に示す通りであった。
なお、親水性物質である分子量300のポリエチレングリコールをポリオレフィン樹脂100重量部に対し0.5重量部及びセル造核剤であるタルクをポリオレフィン樹脂100重量部に対し0.1重量部のみを添加した樹脂粒子を使用し、無機ガスとして窒素ガスを使用した以外は実施例1と同一条件で発泡粒子を製造し、含水率を測定したところ2.1%であった。
一段発泡粒子を耐圧容器内にて、加圧空気を含浸させて、内圧を約0.4MPa(G)にしたのち、約0.08MPa(G)の蒸気と接触させることで二段発泡させ、表1に示す発泡倍率の二段発泡粒子を得た。
次に、得られた二段発泡粒子を1m3の耐圧容器に仕込み、0.5MPa(G)に加圧し、8時間保持して発泡粒子の内圧を0.1MPa(G)に高めたのち金型充填性評価用金型に充填し、0.3MPa(G)の水蒸気にて型内成形体を得、金型から取り出した。金型から取り出した成形体を70℃の乾燥器中で24時間乾燥、養生したのち、成形体の物性を測定した。結果を表1に示す。また、金型充填性評価用金型による成形と同様に、寸法収縮率評価用金型を用いて型内成形した。表1に示す金型充填性と寸法収縮率が得られた。
Figure 0005165521
表1から明らかなように、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子は優れた金型充填性を有することが明らかである。参考のため表1には金型充填性評価用緩衝箱を成形した際の二段発泡粒子倍率/成形体倍率の値を示した。この値は金型充填性と相関が認められ金型充填性を示す指標と考えられる。
金型充填性を評価するための物品収納用緩衝箱の斜視図である。
符号の説明
1 物品収納用緩衝箱
2 仕切板

Claims (9)

  1. 耐圧容器内にポリオレフィン系樹脂粒子を水系分散媒に分散させ、無機ガスを添加し、ポリオレフィン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度まで加熱、加圧してポリオレフィン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、発泡剤が含浸されたポリオレフィン系樹脂粒子を耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に放出する工程を含む、発泡倍率20倍以上のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法であって、ポリオレフィン系樹脂粒子が次の(A)成分及び(B)成分を含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
    (A)炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステル
    (B)無機ガスとして窒素ガスを使用して発泡粒子を製造した場合、発泡粒子の含水率を0.7重量%以上にする、分子量が600以下の親水性物質
  2. 炭素数6以上30以下の脂肪酸のグリセリンエステルが、炭素数10以上24以下の脂肪酸のグリセリンエステルである請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  3. 炭素数10以上24以下の脂肪酸のグリセリンエステルが、炭素数10以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルを主成分とする請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  4. 炭素数10以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルが、ステアリン酸グリセリンモノエステルである請求項3に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  5. (B)成分が、分子量600以下の親水性物質が、水酸基含有有機化合物及び/又は硼酸塩化合物である請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  6. (B)成分が、分子量600以下の水酸基含有有機化合物である請求項5に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  7. 分子量600以下の水酸基含有有機化合物が、分子量600以下のポリエチレングリコールである請求項6に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  8. 分子量600以下の水酸基含有有機化合物が、グリセリンである請求項6に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  9. ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂である請求項1〜8何れか一項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
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