JP5164132B2 - 筆記シートおよびパス/クレヨンシート - Google Patents

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Description

本発明は、パス、クレヨンおよびホワイトボード用マーカーで良好に筆記可能な筆記シート、およびこれを用いたパス/クレヨンシートに関する。
インキ不浸透性の筆記面を有する筆記シート(以下、単に「筆記シート」と呼ぶ)は、ホワイトボードに代表される、繰り返し可能な筆記面を有する板又は巻き取り可能なシートとして提供される。筆記シートは、会社等の会議室において使用され、あるいは、会社または家庭等において、伝言板またはスケジュール管理表として広く使用されている。さらに、事務用品として主に用いられていた筆記シートを、保育園及び幼稚園等の教育現場において、画用紙の代わりに用いることが行なわれつつある。これは、繰り返し筆記可能な筆記シートを使用すれば、例えば、図画作成中に失敗しても、容易に線図を消して修正することが可能となる、ならびに図画の練習のために紙を無駄にしなくてもすむ等の理由による。
しかしながら、業務用または家庭用のホワイトボードまたは巻き取り可能なシートは必ずしも、図画作成には適していないことがわかった。具体的には、パスおよびクレヨンといった図画用の筆記具を使用してホワイトボードに線図を描く又は面塗りを行なうと、筆記面がこれらの筆記具に含まれる顔料およびワックス等をはじいて、筆記面に色がのりにくいため、描きにくく、また仕上がった図画も良好なものでなかった。筆記具をホワイトボード用マーカーに変更すれば、ある程度図画を描きやすくなるものの、マーカーは色の種類が少ないため、図画には必ずしも適していない。
さらに、一般に販売されているホワイトボードは一部製品を除いて、スチール鋼板および樹脂板等の剛性の大きい、嵩高な板として提供されるため、低年齢の子供にはそのようなホワイトボードの持ち運びが困難であることもある。巻き取り可能なシートの形態で販売されているホワイトボードは、持ち運びの点では有利であるものの、前述の通りパスおよびクレヨンによる筆記に適しておらず、また、台または画板の上に載せないと筆記面が安定せず、図画を描きにくいということもある。
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、パスおよびクレヨンで良好に筆記可能で、かつ繰り返し筆記可能で、好ましくは軽くて取り扱いやすい筆記シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、従来の筆記シートに、パスおよびクレヨンで良好に筆記できない理由を検討した。その結果、従来の筆記シートは、消去性を確保するために、シリコーン樹脂等を塗布して筆記面の平滑性を高くしているため、パスおよびクレヨンによる筆記に適していないことがわかった。そこで、筆記面を、パスおよびクレヨンによる筆記に適し、かつ繰り返し筆記可能な構成とするべく、検討し、本発明を完成するに至った。
本発明は、少なくとも1つの筆記面がプラスチックから成り、かつ凹凸を有する筆記シートを提供する。そのような筆記シートは、好ましくは、少なくとも1つの筆記面が、プラスチックフィルムで被覆されてなり、かつ凹凸を有する筆記シートである。この筆記シートは、筆記面が凹凸を有していて、パスおよびクレヨンで筆記しやすい。また、この筆記シートにおいては、顔料およびインキ等の浸透が、プラスチックフィルムによって防止されるとともに、パスおよびクレヨンで筆記した筆跡は、顔料等が主に凸部に付着して形成される。そのため、この筆記シートに筆記した筆跡は比較的消去しやすく、ならびに/あるいは消去した後の染着(色残り)が少ないから、この筆記シートは繰り返し筆記可能なものとなる。
ここで、「筆記」という用語は、文字や数字の筆記に加えて、線描および面塗りを含む意味で使用されることに留意されたい。したがって、「筆記シート」という用語は、文字等を筆記するだけでなく、図画を描くために用いられるシートを含む意味で使用される。また、「筆跡」とは、筆記シートに筆記された線図および塗りつぶしを指す。また、「シート」という用語は、厚さの寸法が他の寸法(縦寸法および横寸法)よりも小さいものを広く総称するために用いられ、ボード、フィルム、および布帛を含み、また、可撓性を有しないもの、および可撓性を有するものの両方を含む。
本発明の筆記シートの筆記面の凹凸は、凹部の深さによって特定してよく、その場合、凹部の深さは0.01mm〜0.5mmであることが好ましい。そのように特定される凹凸は、パスおよびクレヨンで筆記するのに適した筆記面を与える。
あるいは、本発明の筆記シートの筆記面の凹凸は、凸部の高さによって特定してよく、その場合、凸部の高さは0.01mm〜0.5mmであることが好ましい。そのように特定される凹凸は、パスおよびクレヨンで筆記するのに適した筆記面を与える。
本発明の筆記シートは、少なくとも1枚の紙を含み、当該紙が少なくとも一方の表面に凹凸を有し、前記プラスチックフィルムが当該凹凸を有する表面に被覆されてなるものであることが好ましい。ここで、「紙」という用語は、紙および板紙の両方を含む意味で使用されている。凹凸を有する紙を使用すれば、凹凸を有する筆記面を容易に得ることができる。また、紙を使用すると、筆記シート全体を軽くし、取り扱いやすいものにすることができる。表面が凹凸を有する紙は、例えば、エンボス紙およびファンシーペーパーである。紙の種類を適宜選択し、必要に応じて2種以上貼り合わせて用いて、樹脂板およびスチール鋼板を使用せずに、自立性を有する(即ち、筆記のための台を要しない)ボード状の筆記シートを構成することもできる。そのような筆記シートは軽く、また、ハサミまたはカッターにより任意の形状に容易に切断しうる。
上記紙を含む本発明の筆記シートの筆記面の凹凸は、具体的には、凸部が略一方向に延びている凹凸であって、隣接する凹部と凹部との間の距離が当該凸部が延びる方向と直交する方向において0.3mm〜2.0mmであり、凹部の底の寸法が当該凸部が延びる方向と直交する方向において0.05mm〜0.1mmであるようなものであることが好ましい。そのような凹凸を有する面は、パスおよびクレヨンで筆記するのに適した筆記面を与える。
あるいは、本発明の筆記シートは、不織布を少なくとも1枚含み、当該不織布が少なくとも一方の表面に凹凸を有し、当該凹凸を有する表面に前記プラスチックフィルムが被覆されてなるものであることが好ましい。凹凸を有する不織布を使用すれば、凹凸を有する筆記面を容易に得ることができる。また、不織布は一般に軽く、また柔軟で可撓性を有するので、これを使用すれば、筆記シートを筒状に巻いた形態又は折り畳んで形態で、保存および運搬することができる。よって、この筆記シートは、大型化したときに、低年齢の子供でも容易に取り扱うことができる。
あるいはまた、本発明の筆記シートは、前記不織布と前記プラスチックフィルムとの間に、別のプラスチックフィルムが位置し、当該別のプラスチックフィルムの表面に前記プラスチックフィルムが被覆されてなるものであることが好ましい。この筆記シートは、不織布がもたらす前記特徴を有するとともに、当該別のプラスチックフィルムによって不織布がより保護され、また、当該別のプラスチックフィルムを介してプラスチックフィルムと不織布とが良好に接合され得るという特徴を有する。
不織布を含む筆記シートにおいて、筆記面の凹凸は、0.50〜0.80mmである凹部が、1cmあたり20〜35個設けられたものであることが、好ましい。
本発明の筆記シートにおいて、プラスチックフィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートから成る、厚さ15〜30μmのフィルムであることが好ましい。これらの材料から成るフィルムは、パスおよびクレヨンの浸透を良好に防止することができるとともに、パスおよびクレヨンならびに汎用されている筆記具用マーカーをはじかないことから、好ましく用いられる。また、これらのフィルムは汎用品であるため、筆記シートを安価に提供することを可能にする。30μm以下の厚さを有するフィルムは、特に、凹凸を有する表面を備えた紙または不織布を被覆するときに、フィルムの被覆に起因する凹凸の平坦化を少なくして、紙または不織布の凹凸が略そのまま筆記面に現われること、またはある程度平坦化されても良好な筆記性を確保することを可能にする。フィルムの厚さが15μm未満であると、筆記(描画を含む)中にフィルムに破断が生じることがあり、消去性を確保できないことがある。
本発明の筆記シートは、好ましくは、パスおよび/またはクレヨンで筆記する、パス/クレヨンシートとして提供される。凹凸を有する筆記面は、特に、パスおよびクレヨンに対して良好な筆記性を示すことによる。即ち、本発明の筆記シートは、それらの筆記具を使用したときでも、過度な負荷を加えることなく筆記可能で、かすれ及びムラの少ない良好な筆跡が筆記面上に現れることを可能にする。
本発明の筆記シートは、筆記面がプラスチックから成り、好ましくは筆記面がプラスチックフィルムで被覆されてなり、かつ筆記面が凹凸を有することを特徴とする。この特徴により、本発明の筆記シートは、筆記シート用のマーカー(即ち、ホワイトボード用マーカー)だけでなく、パスおよびクレヨンに対しても、良好な筆記性を示し、また筆記した筆跡の消去を可能にする。また、本発明の筆記シートは、例えば、紙または不織布、および汎用プラスチックフィルムを用いて作製することが可能であり、したがって、軽くて持ち運びが容易であり、任意の形状に切断し又は打ち抜くことが比較的容易なものとして提供され得る。
図1に、本発明の筆記シートの一例を示す。図1に示す筆記シート10は、凹凸を有する表面を備えた紙12(以下、この紙を便宜的に、「凹凸面形成紙」と呼ぶ)および板紙14とを接着剤(図示せず)で貼り合わせて成る合紙15の両面に、プラスチックフィルム16aおよび16bが被覆された、四層構造のボード状の筆記シート(以下、この筆記シートを「筆記ボード」と呼ぶ)である。
図示した筆記ボードにおいて、合紙15は基材の役割をし、基材を構成する凹凸面形成紙12の凹凸が、本発明の特徴である前記特定の筆記面の凹凸を構成している。このように、基材の凹凸を筆記面の凹凸とする場合には、基材を適宜選択することにより、所望の凹凸を有する筆記面を得やすく、また、凹凸がプラスチックフィルムにより保護されるため変形しにくくなる。
この形態において、凹凸面形成紙12は、少なくとも一方の表面が凹凸を有する紙である。図1においては、凹凸面形成紙12は、一方の面のみが凹凸を有するものである。凹凸面形成紙12は、板紙14または他の紙もしくは紙以外のシートと貼り合わせうる限りにおいて、あるいは、凹凸面形成紙12のみを基材として、両方の面を前記特定の筆記面とする場合には、両面が凹凸を有するものであってよい。凹凸面形成紙12の坪量および厚さは特に限定されず、所望の凹凸を付与しうる限りにおいて、任意の坪量および厚さのものを使用できる。
凹凸面形成紙12は、例えば、エンボス紙又はファンシーペーパーとして提供される。エンボス紙またはファンシーペーパーは、細かな凹凸を有し、例えば、梨地面、皮革様の面、しぼを有する面、又は多数のシワが寄せられたような面を与える。凹凸面形成紙12として、例えば、「タント」の名称で特殊製紙(株)から提供される紙、「ボス」の名称で(株)竹尾から提供される紙、「エコジャパンR」の名称で王子特殊紙(株)から提供される紙、および「サイタン」の名称ではが紙販(株)から提供される紙等が好ましく用いられ、あるいはクレープ紙も好ましく用いられる。
筆記ボード10の凹凸を有する筆記面の粗さは、凹部の深さによって特定され得る。凹部の深さは、好ましくは0.01mm〜0.5mmであり、より好ましくは0.05〜0.1mmであり、さらにより好ましくは0.02mm〜0.08mmである。凹部は、周囲より低いレベル(厚さ方向の位置)にある部分をいい、凹部の深さは、凹部のレベルとこれに隣接する凸部のレベルとの差で表わされる。凹部の深さが小さいと、筆記面が平坦となって、特にパスおよびクレヨンで筆記しにくくなることがある。凹部の深さが大きいと、凹凸の形態によっては、筆跡のインキまたはパスもしくはクレヨンが凹部に入り込んで、筆跡の消去性が低下することがある。図1に示す形態において、凹凸の形態を、凸部に着目して把握すれば、凸部の好ましい高さは、0.01mm〜0.5mmとなる。
凹凸の凹部の深さは、例えば、光学顕微鏡を用いて測定することができる。具体的には、Z軸方向に移動可能な載物台に試料を載せて、凸部に焦点を合わせた後、これに隣接する凹部に焦点を合わせるために、載物台をZ軸方向に移動させたときの移動量から、凹部の深さを求めることができる。載物台がZ軸方向に移動しない場合には、レンズのZ軸方向の移動量から凹部の深さを測定可能な顕微鏡を使用する。光学顕微鏡として、例えば、株式会社ミツトヨ製の光学顕微鏡MFA−A1720Hを使用することができ、この顕微鏡を使用する場合、倍率は30倍〜50倍程度にすることが好ましい。凹部の深さの測定は、少なくとも3点、好ましくは10点以上で実施し、平均を求める。その場合、平均値は、この範囲内にあるとともに、各測定値が上記範囲内にあることが、より好ましい。
凹凸面形成紙12を用いて筆記面の凹凸を形成する場合には、紙12の凹凸の凹部の好ましい深さも略上記範囲内にある。但し、紙12の凹凸は、フィルム16aの被覆により平坦化される傾向にあるので、平坦化の度合いを考慮して、フィルム被覆後の凹凸の凹部の深さが上記範囲内にあるように、適切な深さの凹部を有する凹凸面形成紙12を選択する必要がある。
図2aおよび図2bに、本発明の筆記シートの好ましい筆記面の一例の顕微鏡写真を示す。図2aおよび図2bに示す写真は、凹凸面形成紙12として、タントN8(商品名:特殊製紙(株)製)を使用し、フィルム16aとして、厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを使用して成る筆記面を、株式会社ミツトヨ製の光学顕微鏡MFA−A1720Hで10倍に拡大した顕微鏡写真である。
図2aおよび図2bに示す筆記面においては、凸部が略一方向(写真において当該方向をY軸で示す)に延びている。写真に示されるように、凸部は、複雑な形状を有し、また、1つの凸部の中に細かな凹部が窪みとして存在することもあり(写真において、白っぽい点として現れている)、凸部の寸法および形状を特定することは一般に困難である。
この凹凸の1つの可能な特定方法としては、隣接する凹部と凹部との間の距離を、凸部が延びる方向と直交する方向(写真において当該方向をX軸で示す)において測定する方法が挙げられる。その場合、凹部間の距離は、0.3mm〜2.0mm程度であることが好ましく、0.6mm〜1.0mm程度であることがより好ましい。凹部の距離は、写真から、ある程度の距離にわたって延びていると観察される凹部(即ち、点状の凹部は除かれる)の最も低いレベルである底(例えば、図2aおよび図2bに示す写真においては細い白っぽい線として現れる)を特定し、X軸方向において1つの凸部を介して隣接する凹部の底との間の距離を、異なる10点について測定し、その平均を求める。
さらに、図2aおよび図2bに示す凹凸は、凸部が密集していて、凹部の底の幅が極めて狭い凹凸として特定される。具体的に、凹部の底の寸法(幅)は、X軸方向において、0.05mm〜0.1mm程度である。
他に図2aおよび図2bに示す凹凸を特定する方法として、凸部そのものの寸法を求める方法がある。凸部の幅は、先に説明したように凹部と凹部との間の距離として求めることができる。凸部の長さは、当該凸部の始点および終点を、大きな凹部によって凸部が途切れる箇所、他の凸部と合流している又は他の凸部に分岐している箇所(即ち、凸部の幅が大きく変更している箇所)、および凸部大きく湾曲している箇所等から選択し、始点と終点とを結ぶ線分の長さを凸部の寸法として特定する。即ち、1つの凸部として認識できる範囲を顕微鏡写真から選択し、当該範囲において、最も長い寸法を凸部の長さとして特定する。その場合、各凸部の長さは、2mm〜5mm程度であることが好ましい。
図1に示す形態において、板紙14は、薄い凹凸面形成紙12を支持および補強し、筆記ボードに程よい厚さと剛性を付与する役割をしている。したがって、板紙14を貼り合わせることにより、例えば、台や画板の上に載せて筆記する必要がないほど、しっかりとした筆記ボードを得ることができる。板紙14としては、例えば、坪量350g/m〜600g/m程度のカード紙およびボール紙等を使用できる。そのようなカード紙は、例えば、NEW−DVの名称で北越製紙(株)から提供されている。両方の表面を凹凸を有する筆記面としたい場合には、板紙の両面に凹凸面形成紙を貼り合わせて、三層構造の合紙を基材としてもよい。
凹凸面形成紙12を板紙に貼り合わせる接着剤は、特に限定されず、水性の接着剤等であってよい。例えば、水性の接着剤として、酢酸ビニル樹脂(酢酸ビニルの単独重合体または他のモノマーとの共重合体を含む)系エマルジョン形接着剤を使用することが好ましい。
図示した形態の変形例において、板紙14に代えて、画用紙等を使用してよい。あるいは、板紙14に代えて又は板紙14とともに、プラスチックシートまたは布等の紙以外のシート状物または板状体を使用してよい。
凹凸面形成紙12および/または板紙14は、着色されたものであってよい。例えば、凹凸面形成紙12を着色することにより、色画用紙のような筆記ボードまたは黒板様の筆記ボードを提供することができる。また、いずれか一方の紙を着色することにより、パスおよびクレヨンの筆記に適した筆記面の判別が容易となる。
このように基材を実質的に紙のみで構成することにより、軽くて、切断加工の容易な筆記ボードを得ることが可能となる。したがって、この形態によれば、四角形のみならず、楕円形、三角形および円形等の任意の形状の筆記ボードを得ることができ、あるいは多角形の角部を丸くカットすることが容易となる。ここで、「実質的に」という用語は、基材が合紙等の場合には、接着剤等を含み、厳密には紙のみで形成されない場合があることを考慮して使用している。
図1に示す形態において、プラスチックフィルム16aおよび16bは、凹凸面形成紙12の表面および板紙14の表面を被覆している。凹凸面形成紙12の表面を被覆するプラスチックフィルム16aは、筆跡(顔料またはインキ)の合紙15への浸透を防止して、消去性を確保する役割をする。板紙14の表面を被覆するプラスチックフィルム16bは、板紙14の表面を保護して、筆記ボード10の耐久性を高めている。また、板紙14の表面が平坦であり、平滑度が高い場合には、プラスチックフィルム16bで被覆された面もまた、平滑な面となるので、この面もまた筆記面として利用することができる。この場合、プラスチックフィルム16bが与える筆記面は、汎用の筆記シート用マーカーで筆記するのに適した面となる。
プラスチックフィルム16aは、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートから成る、厚さ15〜30μmのフィルムである。そのようなフィルムの使用が好ましい理由は先に説明したとおりである。より具体的には、厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを使用し得る。ポリプロピレンフィルムは、耐薬品性に優れることから、特に好ましく用いられる。ポリプロピレンフィルムとしては、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)を使用することが好ましい。OPPは、透明性、光沢性(即ち、平滑性)、および耐久性に優れているために、良好な美観、優れた消去性および良好な耐久性を有する筆記面を与えることによる。プラスチックフィルム16bの材料および厚さは特に限定されず、プラスチックフィルム16bはプラスチックフィルム16aと同じであってよく、異なっていてもよい。プラスチックフィルム16aおよび/または16bは一般に透明であるが、着色されていてもよい。着色されたフィルムを使用すると、前述のように、基材となる紙を着色したときと同様の効果が得られる。プラスチックフィルム16aおよび16bは、接着剤により、又はフィルム自体を溶融又は軟化させる熱接着により、基材と一体化させてよい。
図1に示す形態においては、基材の凹凸を筆記面の凹凸としている。別の形態において、凹凸は、プラスチックフィルムそれ自体に凹凸を形成することによって形成してよい。その場合、凹凸は、例えばエンボス加工または薬剤等を用いた粗面化加工を行なうことにより、プラスチックフィルムに付与してよい。また、フィルムに凹凸を付与する場合には、基材の凹凸の平坦化を考慮しなくてよいため、フィルムの好ましい厚さの上限は上記値に限定されず、より厚いフィルムを使用してよい。
基材は、紙に限定されず、別の形態においては、例えば、凹凸を有する表面を備えたプラスチックフィルム、プラスチックシート、布、樹脂板、又は金属板等を使用してよい。例えば、屋外に黒板のように立てかけて使用する場合には、安定性および耐久性を高めるために、金属板もしくは樹脂板のみ、またはこれらの板と紙とを組み合わせて使用してよい。
以下に、本発明の筆記シートの別の例として、基材が、不織布およびその両方の表面に積層されたプラスチックフィルムを含んで成る積層体である筆記シートを説明する。以下の説明においては、基材を構成するプラスチックフィルムを、基材の表面を被覆するプラスチックフィルムと区別するために、便宜的にラミネートフィルムと呼ぶ。
図3および図4に、本発明の筆記シートの別の一例を、断面図および模式図にて示す。筆記シート30は、凹凸を有する不織布32の両方の表面にラミネートフィルム34aおよび34bがそれぞれ積層されて成る積層体35の一方の表面に、プラスチックフィルム36が積層された、四層構造を有する。図示した筆記シートにおいては、積層体35が基材の役割をする。基材の両面は、不織布32に形成された凹凸に由来して凹凸を有する。図示した形態においては、凹凸を有する2つの表面のうち、一方の面のみがプラスチックフィルム36で被覆されて筆記面を形成している。筆記面は、比較的平坦な表面40(これは凸部となる)に凹部42を有する形態の凹凸を構成している。
この形態において、不織布32は、合成繊維、天然繊維、および再生繊維から選択される、1種または複数の種類の繊維から成る。不織布32は、筆記シート30を軽くし、また、筆記シート30の低コスト化を図るために、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびポリエチレンテレフタレート等から選択される1種または複数の合成樹脂から成る繊維で構成されることが好ましい。
不織布32の構成は特に限定されず、汎用されているスパンボンド不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布、および水流交絡不織布のいずれであってもよい。不織布32の坪量(または目付)は、例えば、30g/m〜100g/m程度とすることが好ましく、40g/m〜60g/m程度とすることが好ましい。不織布32の目付が小さすぎると、筆記シート全体の機械的特性が低下して、筆記中に破損が生じる、または繰り返しの筆記に適さないことがある。不織布32の目付が大きすぎると、筆記シートが重くなり、また嵩高となるために、取り扱いにくくなることがある。不織布として、具体的には、「エクーレ」の名称で、東洋紡績(株)製から提供される、エンボス加工されたポリエステルスパンボンド不織布を好ましく使用できる。
ラミネートフィルム34aおよび34bは、不織布の耐水性及び耐久性を向上させる、透明なプラスチックフィルム36で被覆するときに筆記面の白色度を高める、および/または筆記シートの表面を所望の色とする目的で、設けられる。特に、ラミネートフィルム34bは、不織布の保護および耐久性を高める目的で設けられる。ラミネートフィルム34aおよび34bは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートから成り、その厚さは10〜30μm程度であることが好ましい。特に、白色のポリエチレンフィルムは、筆記シートの白色度を高めることができ、また、積層体の耐水性を高くし得ることから、好ましく使用される。ラミネートフィルム34aおよび34bは、同じフィルムであってよく、または異なるフィルムであってよい。例えば、筆記シートの一方の表面のみを筆記面とする場合には、ラミネートフィルム34aおよび34bの色を変えて、筆記面とそうでない面の判別が容易になるようにしてよい。
前述のように、ラミネートフィルムは、プラスチックフィルム36と区別するために用いられる用語であり、プラスチックフィルムと呼べるものである。従って、この実施の形態の変形例として、ラミネートフィルム34aおよび/またはラミネートフィルム34bをプラスチックフィルムとみなして、積層体35それ自体を、筆記シートとして提供することも可能である。あるいは、図示した形態において、ラミネートフィルム34aとプラスチックフィルム36とを合わせて、二層のプラスチックフィルムとみなしてもよい。あるいはまた、図示した形態において、ラミネートフィルム34bが形成された側の表面も凹凸を有するから、これを筆記面として使用することも、場合により可能である。図示した形態においては、ラミネートフィルム34aは、その表面に形成されたプラスチックフィルム36と区別するために、「ラミネートフィルム」と呼ばれている。ラミネートフィルム34bは、ラミネートフィルム34aと同じ材料を用いて、同じ方法(後述の溶融押出する方法)で形成され得るために、便宜的に「ラミネートフィルム」と呼ばれている。これらのことは、後述する図5に示すラミネートフィルム54aおよび54bにもあてはまる。
ラミネートフィルム34a(または34b)の形成およびこれと不織布32との一体化は、溶融したプラスチックを、不織布32表面に薄膜状に押し出し、圧力を加えることにより、実施してよい。そのような方法は、押出コーティングまたは押出ラミネートと呼ばれる。この方法を採用するときには、ラミネートフィルム34aを形成するプラスチックの押出とともに、プラスチックフィルム36の貼り合わせを同時に実施することが好ましい。あるいは、ラミネートフィルム34aと不織布32との一体化は、接着剤により貼り合わせる方法によって実施してよい。あるいはまた、凹凸をエンボス加工により形成する場合、不織布32とラミネートフィルム34aおよび34bは、エンボス加工により部分的に熱圧着させることにより、一体化させて積層体35としてよい。
この形態においては、積層体35の両方の表面に凹凸が形成されている。凹凸は、例えば、突起が規則的に配置されたエンボスローラを用いるエンボス加工により形成される。図示した形態において、不織布32の凹凸は、楕円形状の突起が規則的に配置されたエンボスローラと平坦なローラとの間に、不織布を通過させ、必要に応じて熱および圧力を加えることにより、形成されている。このような凹凸は、例えば、エンボスローラの突起に接触した部分の一部が熱により接着し、当該部分の厚さが薄くなることにより形成されてよい。よって、筆記面は、図4に示すように、比較的平坦な面に、楕円形状の凹部42が形成されたものとして、把握することができ、その場合、平坦な面(部分)40が、凹部より高いレベルにある凸部となる。
筆記面における凹凸の凹部の深さは、好ましくは0.01mm〜0.5mmであり、より好ましくは0.05mm〜0.30mmであり、さらにより好ましくは0.08mm〜0.25mmである。例えば、深さが0.10mm〜0.20mmである凹部は、ラミネートフィルム34aの厚さ及びプラスチックフィルム36の厚さがいずれも20μm程度である場合、不織布32の表面に、0.30mm〜0.40mm程度の深さの凹部を、エンボス加工で形成することにより得られる。ここでは、筆記面の凹凸の形態を表わすために、形状を比較的容易に認識できる凹部に着目して、その好ましい高さを示している。凹部の深さは、図1を参照して説明したように、光学顕微鏡を用いて測定することができ、凹部と凸部の焦点位置の差から求める。図3および図4に示す形態において、凹凸の形態を、凸部に着目して把握すれば、凸部の好ましい高さは、0.01mm〜0.5mmとなる。
凹凸の凹部は、1つの面積が0.50〜0.80mmであり、1cmあたり20〜35個設けられることが好ましい。凹部の形状は、図示するような楕円形に限られず、他の形状、例えば、菱形、三角形または円形等であってよい。
凹凸が形成された不織布32の表面をラミネートフィルム34aおよびプラスチックフィルム36で被覆する場合には、ラミネートフィルムの積層およびプラスチックフィルムの被覆によって、表面が平坦化される傾向にある。よって、不織布32の凹凸は、その平坦化の程度を考慮して、適当な深さの凹部が形成されるように、エンボスの条件等を適宜選択して形成することが好ましく、必要に応じて、ラミネートフィルムおよびプラスチックフィルムの厚さを適切に選択することが好ましい。
プラスチックフィルム36は、特にOPPから成るフィルムが好ましく用いられること等、先に図1に関連して説明したプラスチックフィルム16と同じであるから、ここではその詳細な説明を省略する。プラスチックフィルム36は、ラミネートフィルム34aをプラスチックの溶融押出により形成するとともに、それが溶融している間に、ラミネートフィルム34aの表面に貼り合わせて圧力を加える方法(押出ラミネート法)により、不織布32と一体化させることができる。あるいは、プラスチックフィルム36は、図1に関連して説明したように、接着剤または熱接着により積層体35と一体化さてよい。あるいは、前述のように、先にプラスチックフィルム36まで積層して四層構造の積層体を作製し、これをエンボス加工に付して、凹凸の形成と、層同士の接合(即ち、一体化)を同時に実施してよい。
図5に、本発明の筆記シートのさらに別の一例を、断面図にて示す。筆記シート50もまた、凹凸を有する不織布52の両方の表面にラミネートフィルム54aおよび54bがそれぞれ積層されて成る積層体55の一方の表面に、プラスチックフィルム56が積層された、四層構造を有する。図示した筆記シートにおいては、積層体55が基材の役割をする。基材の両面は、不織布52に形成された凹凸に由来して凹凸を有する。図示した形態においては、凹凸を有する2つの表面のうち、一方の面のみがプラスチックフィルム56で被覆されて筆記面を形成している。筆記面は、比較的平坦な表面60(これは凹部となる)に凸部62を有する形態の凹凸を構成している。
この形態において、不織布52は、一方の面において、比較的表面な平坦に凸部が形成されていることを除いて、材料、構成、および目付は、図3を参照して説明した不織布32と同様のものである。したがって、ここでは、その詳細な説明を省略する。特に、この形態の不織布52は、スパンボンド不織布として一般的に得られる。あるいは、この形態の変形例において、不織布52に代えて、エンボス加工等により、一方の表面に形成された凹部に対応する凸部が他の表面に形成された他の基材(例えば、紙)を使用してよい。
ラミネートフィルム54aおよび54bを設ける目的、ならびにその材料および厚さ等は、図3を参照して説明したとおりであるから、ここではその詳細な説明を省略する。また、ラミネートフィルム54a(または54b)の形成およびこれと不織布52との一体化は、先に図3を参照して説明したとおりであるから、ここではその詳細を省略する。
この形態においては、積層体55の両方の表面に凹凸が形成されている。凹凸は、例えば、突起が規則的に配置されたエンボスローラを用いるエンボス加工により形成される。図示した形態において、不織布55の凹凸は、楕円形状の突起が規則的に配置されたエンボスローラを用いて、形成されている。図示した形態において、筆記面は、不織布52の2つの表面のうち、エンボスローラが接触して楕円形状の凹部が形成された面とは、反対側の面である。よって、筆記面は、図6に示すように、比較的平坦な面に、楕円形状の凸部62が形成されたものとして、把握することができ、その場合、平坦な面(部分)60が、凸部より低いレベルにある凹部となる。
筆記面における凹凸の凸部の高さは、好ましくは0.01mm〜0.5mmであり、より好ましくは0.05mm〜0.30mmであり、さらにより好ましくは0.08mm〜0.25mmである。例えば、高さが0.10mm〜0.20mmである凸部は、ラミネートフィルム54aの厚さ及びプラスチックフィルム56の厚さがいずれも20μm程度である場合、不織布52の筆記面となる面とは反対側の面に、0.30mm〜0.40mm程度の深さの凹部を、エンボス加工で形成することにより得られる。ここでは、筆記面の凹凸の形態を表わすために、形状を比較的容易に認識できる凸部に着目して、その好ましい高さを示している。凸部の高さは、図1を参照して説明したように、光学顕微鏡を用いて測定することができ、凹部と凸部の焦点位置の差から求める。よって、この形態においても、凹凸の形態を、図1および図3を参照して説明したように、凹部に着目して把握すれば、凹部の好ましい深さは、0.01mm〜0.5mmとなる。
凹凸の凸部は、1つの面積が0.50〜0.80mmであり、1cmあたり20〜35個設けられることが好ましい。凸部の形状は、図示するような楕円形に限られず、他の形状、例えば、菱形、三角形または円形等であってよい。この形態においても、凹凸が形成された不織布52の表面をラミネートフィルム54aおよびプラスチックフィルム56で被覆する場合には、ラミネートフィルムの積層およびプラスチックフィルムの被覆によって、表面が平坦化される傾向にある。よって、不織布52の凹凸は、その平坦化の程度を考慮して、適当な高さの凸部が形成されるように、エンボスの条件等を適宜選択して形成することが好ましく、必要に応じて、ラミネートフィルムおよびプラスチックフィルムの厚さを適切に選択することが好ましい。
プラスチックフィルム56は、特にOPPから成るフィルムが好ましく用いられること等、先に図1に関連して説明したプラスチックフィルム16と同じであるから、ここではその詳細な説明を省略する。プラスチックフィルム56を、不織布52と一体化させる方法は、図3を参照して説明したとおりであるから、ここではその詳細を省略する。
図3および図5に示す形態の筆記シート30および50は、不織布32および52それ自体が軽量であり、且つ柔軟で可撓性を有するために、低年齢の子供でも、容易に運搬することができ、また、筒状に巻いて狭いスペースで保管および運搬することが可能である。また、不織布は、一般にその強力が大きいために、これを有する筆記シートは破れにくく、丈夫である。したがって、これらの筆記シート30および50は、繰り返し筆記可能な、又は図画作成中の修正容易な大判のシートとして、例えば、模造紙のように使用することができる。具体的には、例えば、保育園、幼稚園もしくは学校等において、または各種イベントにおいて、複数人による共同作品を製作/発表するためのシートとして、または案内等のための掲示用シートとして使用できる。この筆記シートは、その材料を適切に選択することにより、容易に廃棄処分に付すことができるので、消耗品のごとく使用することも可能である。この筆記シートもまた、ハサミまたはカッターにより、容易に任意の寸法形状に切断し得る。
図3および図5に示す形態においては、ラミネートフィルムが不織布の両方の面に積層されている。用途等に応じて、いずれか一方または両方のラミネートフィルムを有しない形態としてよい。
図1〜図6を参照して、筆記面がプラスチックフィルムで被覆されてなる筆記シートを説明した。本発明の筆記シートは、筆記面が筆記に適した凹凸を有する限りにおいて、1枚のプラスチックフィルムまたはシート(即ち、単層構造のフィルムまたはシート)で形成されていてよい。
前述の形態を含む本発明の筆記シートはいずれも、パスおよびクレヨンで筆記するのに適したものである。パスは、例えば、株式会社サクラクレパスの「クレパス(登録商標)」および「彩色パス」である。クレヨンは、水性クレヨンおよび油性クレヨンのいずれであってもよい。また、本発明の筆記シートは汎用の筆記シート用マーカーについても良好な筆記性を示す。したがって、本発明の筆記シートは、幼稚園および学校にてパスおよび/またはクレヨンを筆記具として専ら用いるパス/クレヨンシートとして使用するのに適し、また、業務用および家庭用のいわゆる「ホワイトボード」として使用するのにも適している。特に、本発明の筆記シートは、パスに対して良好な筆記性および消去性を示すので、パスシートとして有用である。
本発明の筆記シートに筆記した筆跡は、例えば、パルプを素材とする不織布から成るイレーザーで良好に拭き取ることができる。このイレーザーは、特にパスおよびクレヨンの筆跡の消去に適している。イレーザーは、好ましくは乾燥状態で30g/m〜60g/m程度の目付を有し、乾燥状態で又はウェット状態で使用される。
(実施例1)
図1に示す形態の筆記ボードを作製した。本実施例では、凹凸面形成紙12として、タントN8(特殊製紙(株)製)を使用し、板紙14として、秤量450g/mの白色のカード紙(商品名;NEW−DV 北越製紙(株)製)を使用した。凹凸面形成紙12と板紙14とは、水性接着剤(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン型の接着剤(商品名ビニゾール430、大同化成工業(株)製)と、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン型の接着剤(商品名ボンドCN170、コニシ(株)製とを混合したもの)により貼り合わせて合紙15とした。この合紙15の両面に、厚さ15μmのポリプロピレン(OPP)フィルム16aおよび16bを水性接着剤(商品名SA−T644W、東京インキ(株)製)により貼り合わせて、両面がポリプロピレンフィルムで被覆された4層構造の筆記ボード10を得た。筆記ボードは、八つ切りサイズとし、四隅を丸くして仕上げた。
この筆記ボードの初期消去性、経時消去性およびサイクル保存後の消去性を、パス、クレヨンおよび筆記シート用マーカーそれぞれについて、下記の手順に従って評価した。評価結果を表1〜5に示す。
[初期消去性]
筆記ボードの凹凸を有する筆記面をアルコールで洗浄し、乾燥させた。それから、室温にて、筆記具で、直径15mmの螺旋を、約30cmにわたって連続的に筆記した。筆記後、30分経過してから、イレーザーに荷重を加えて、筆跡の上で筆跡を擦るようにイレーザーを往復させた。イレーザーとして、パルプを原料とする不織布(彩色ボード用イレーザーPDE−L 株式会社サクラクレパス製)を使用した。筆記具として、株式会社サクラクレパスが製造販売している、
1)彩色パスBP、
2)サクラニュークレパス、
3)サクラクレヨン、
4)サクラクレヨン水性、
5)サクラ白板マーカー中字用WBK−M(アルコール系インキ)、
6)サクラ白板マーカーWBK(ケトン系インキ)、
7)サクラ水性ホワイトボードマーカーZBK−M(水性インキ)
を使用した。
初期消去性は、消去時に加える荷重の大小により5段階で評価する消去性、および消去した後の筆跡の状態により5段階で評価する染着性によって評価した。消去性および染着性は、それぞれサンプル数nを3として、その平均値で示した。
<消去性>
5:荷重200gf、往復5回で完全に消える。
4:荷重400gf、往復5回で完全に消える。
3:荷重800gf、往復5回で完全に消える。
2:荷重1500gf、往復5回で完全に消える。
1:荷重1500gf、往復5回で消えない。
<染着性>
5:消した跡が残らない。
4:力を入れれば(荷重2000gf程度)、消した跡が残らない。
3:色は残るが、水で拭き取ることができる。
2:色は残るが、水と台所洗剤の混合液で拭き取ることができる。
1:色が残り、水と台所洗剤の混合液でも拭き取れない。
[経時消去性]
初期消去性の評価の際と同様に、螺旋を筆記した。その後、筆記した筆記ボードを室温にて1ヶ月放置した後、イレーザーで筆跡を消去し、消去性および染着性を、サンプル数nを3として評価した。筆記具およびイレーザーは初期消去性の評価に使用したものと同じであり、消去性および染着性の評価基準は上記のとおりである。
[サイクル保存後の消去性]
初期消去性の評価の際と同様に、螺旋を筆記した。筆記した筆記ボードを恒温槽に入れた。恒温槽は、50℃から−10℃までの温度範囲で、一定の昇温速度および一定の降温速度にて、2日間のサイクルで温度変化する(即ち、任意の温度を開始点としたときに、50度および−10℃に達した後、再び開始点に戻るまでの期間が2日間である)ものであった。この恒温槽に筆記したボードを1週間入れた後、筆記ボードを恒温槽から取り出してイレーザーで筆跡を消去し、消去性および染着性を、サンプル数nを1として評価した。筆記具およびイレーザーは初期消去性の評価に使用したものと同じであり、消去性および染着性の評価基準は上記のとおりである。
Figure 0005164132
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(実施例2)
図3に示す形態の筆記シートを作成した。本実施例では、不織布32として、目付50g/mのポリエステルスパンボンド不織布(商品名エクーレ、東洋紡績(株)製)を使用した。不織布32の両方の表面には、エンボス加工により、楕円形の凹部が形成されていた。この不織布32には、ポリエチレンから成るラミネートフィルム34aおよび34bを厚さ20となるように形成し、ラミネートフィルム34aの表面にプラスチックフィルム36を積層した。
プラスチックフィルム36として、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(商品名パイレンフィルム、東洋紡績(株)製)を使用した。ラミネートフィルム34aおよび34bは、ポリエチレン(日本ユニカー(株)製)を、フィルム状に溶融押出して、不織布32を被覆する方法により形成した。また、プラスチックフィルム36は、ラミネートフィルム34aでもって不織布32に貼り合わされるように、ラミネートフィルム34aの形成と同時に、不織布32に貼り合わせた。得られた筆記シートにおいて、プラスチックフィルム36が積層された表面(筆記面)には、約0.66cmの面積および約0.10〜0.20mmの深さを有する、楕円形の凹部が1cmあたり約26〜28個形成されており、ラミネートフィルム34bが積層された表面には、約0.47mmの面積および約0.30mm〜約0.32mmの深さを有する楕円形の凹部が、1cmあたり約26〜28個形成されていた。
この筆記シートの初期消去性、経時消去性およびサイクル保存後の消去性を、パス、クレヨンおよび筆記シート用マーカーそれぞれについて、上記の手順に従って評価した。評価結果を表6〜10に示す。
Figure 0005164132
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実施例1および実施例2の結果より、本発明の筆記シートにパスで筆記した筆跡は、殆どの色について、初期消去性、経時消去性およびサイクル保存後の消去性および染着性の評価が「3」以上であり、良好な消去性を示した。これに対し、クレヨンで筆記した筆跡は、消去性がパスほど良好でなかった。しかし、従来の表面平滑な筆記シートには、クレヨン(パスよりも硬質である)を用いて筆記することがそもそも困難であって、良好な線図または塗りつぶしを描くことができなかったことを考慮すれば、本発明の筆記シートはクレヨンによる筆記が可能であるという点で優れているといえる。また、染着性はいずれも良好である(即ち、色が残りにくい)から、例えば水または溶剤を使用して筆跡を消去することによって、この筆記シートへ繰り返しクレヨンで筆記することは可能である。
汎用の筆記シート用のマーカーで筆記した筆跡は、殆どのマーカーについて初期消去性は良好であり、経時消去性の消去性は低いものの、染着性は悪くなかった。したがって、筆記後時間が経過したときには、水または溶剤を用いて消去することによって、この筆記シートへ繰り返しマーカーで筆記することは可能である。
これらのことから、本発明によれば、従来のようにシリコーン樹脂等を用いて表面平滑性を確保しなくとも、凹凸を有する紙または不織布にプラスチックフィルムを貼り合わせた積層構造とすることにより、実用的な筆記シートが得られることがわかる。
本発明の筆記シートは、パスおよびクレヨンを含む筆記具の筆記性に優れた、繰り返し筆記可能な筆記面を有するので、業務用および家庭用の伝言板およびスケジュール管理表として、また、パスおよび/またはクレヨン専用のパス/クレヨンシートとして利用するのに適している。
図1は、本発明のボード状の筆記シートの一例を示す断面図である。 図2aは、本発明のボード状の筆記シートの筆記面の顕微鏡写真である。 図2bは、本発明のボード状の筆記シートの筆記面の顕微鏡写真である。 図3は、本発明の筆記シートの別の一例を示す断面図である。 図4は、図3に示す筆記シートの上面図である。 図5は、本発明の筆記シートの別の一例を示す断面図である。 図6は、図4に示す筆記シートの上面図である。
符号の説明
10 筆記シート
12 凹凸を有する面を備えた紙(凹凸面形成紙)
14 板紙
15 合紙
16a、16b プラスチックフィルム
30 筆記シート
32,52 不織布
34a,34b,54a,54b ラミネートフィルム(プラスチックフィルム)
35,55 積層体
36a,36b,56a、56b プラスチックフィルム
40,60 凹部
42,62 凸部

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの筆記面が、プラスチックフィルムで被覆されてなり、かつ凹凸を有する筆記シートであって、紙を少なくとも1枚含み、当該紙が少なくとも一方の表面に凹凸を有し、当該凹凸を有する表面に前記プラスチックフィルムが被覆されており、
    筆記面の凹凸が、凸部が略一方向に延びており、隣接する凹部と凹部との間の距離が当該凸部が延びる方向と直交する方向において0.3mm〜2.0mmであり、凹部の底の寸法が当該凸部が延びる方向と直交する方向において0.05mm〜0.1mmである、筆記シート。
  2. 筆記面の凹凸の凹部の深さが0.01mm〜0.5mmである、請求項1項に記載の筆記シート。
  3. 筆記面の凹凸の凸部の高さが0.01mm〜0.5mmである、請求項1又は2項に記載の筆記シート。
  4. プラスチックフィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートから成る、厚さ15〜30μmのフィルムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の筆記シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の筆記シートを含み、パスおよび/またはクレヨンで筆記する、パス/クレヨンシート。
  6. 少なくとも1つの筆記面が、プラスチックフィルムで被覆されてなり、かつ凹凸を有する筆記シートであって、不織布を少なくとも1枚含み、当該不織布が少なくとも一方の表面に凹凸を有し、当該凹凸を有する表面に前記プラスチックフィルムが被覆されており、当該筆記面の凹凸が、面積が0.50〜0.80mm2である凹部が、1cm2あたり20〜35個設けられたものであるとともに、凹部の深さが0.01mm〜0.5mmであり、且つ凸部の高さが0.01mm〜0.5mmである、パスおよび/またはクレヨンで筆記する、パス/クレヨンシート。
  7. 前記不織布と前記プラスチックフィルムとの間に、別のプラスチックフィルムが位置し、当該別のプラスチックフィルムの表面に前記プラスチックフィルムが被覆されている、請求項6に記載のパスおよび/またはクレヨンで筆記する、パス/クレヨンシート。
  8. プラスチックフィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートから成る、厚さ15〜30μmのフィルムである、請求項6又は7に記載のパスおよび/またはクレヨンで筆記する、パス/クレヨンシート。

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