JP3004700U - 筆記板 - Google Patents

筆記板

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JP3004700U
JP3004700U JP1994006009U JP600994U JP3004700U JP 3004700 U JP3004700 U JP 3004700U JP 1994006009 U JP1994006009 U JP 1994006009U JP 600994 U JP600994 U JP 600994U JP 3004700 U JP3004700 U JP 3004700U
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祐成 康本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価、軽量で、且つ、傷がつきにくく、しか
も筆記性、ペンタッチにに優れた筆記板を提供する。 【構成】 硬質ポリ塩化ビニル製の第1基板1aの一面
に軟質ポリ塩化ビニル製の第2基板1bが積層され、第
2基板1bにおける第1基板1aと積層されていない側
の面に紫外線硬化塗膜で構成される第1筆記面2が形成
されている。第1筆記面2のロックウェル硬度(H
R R)70〜110、好ましくは80〜100である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ミーティングボードやスケジュールボードとして用いられる筆記板 に関する。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】
ミーティングボードやスケジュールボードとして用いられ、マーキングペンで 自由に筆記することができ且つ容易に筆記跡を消すことができる筆記板として、 従来は鉄板やアルミ板の表面にホーローをコーティングしたものがある。 しかし、鉄板やアルミ板等の金属板表面にホーローをコーティングした筆記板 は重いため、持ち運び、移動させるのに不便であり、価格的にも高価であるため 、安価で軽量な筆記板が求められていた。
【0003】 一方、ベニヤ板等の表面に、筆記面としてポリエステルフィルムを貼着した筆 記板もある。この筆記板は、金属板にホーローをコーティングしたものと比べて 、安価で軽量である。しかし、筆記の際のペンの滑りやすさ(以下、「筆記性」 という)がホーローの筆記面に比べて劣る上に、傷つきやすいという欠点がある 。一般に、壁掛けタイプを除いて、ミーティングボード等の筆記板は、移動させ る機会も多いため、ぶつけたりして傷つく機会が多い。筆記面に傷跡が残ると、 そこにインクが入り込んで消えにくくなるという問題を生じる。
【0004】 また、筆記の際の書きやすさの指標として、上記「筆記性」の他に「ペンタッ チ」という概念がある。ここで、「ペンタッチ」とは、ペンで筆記面を押圧した ときの筆記面の弾力性、硬さをいい、筆記面への押し込み硬さが高すぎることな く、適度な弾力性を有することがペンタッチがソフトで好ましい。例えば、同じ ノートの紙面に筆記する場合において、硬い下敷きを敷いて筆記するよりも軟ら かい下敷きを敷いて筆記する方が書き心地が良好と感じる如くである。
【0005】 本考案はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ は、安価、軽量で、且つ、傷がつきにくく、しかも筆記性、ペンタッチにに優れ た筆記板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の筆記板は、硬質ポリ塩化ビニル製の第1基板の一面に軟質ポ リ塩化ビニル製の第2基板が積層され、第2基板における第1基板と積層されて いない側の面に紫外線硬化塗膜で構成される第1筆記面が形成されていることを 特徴とする。
【0007】 請求項2に記載の筆記板は、第2基板が、可塑剤20重量%以上含有する軟質 ポリ塩化ビニルで、厚みが0.2mm以上であることを特徴とする。 請求項3に記載の筆記板は、第2基板が、可塑剤35重量%以上含有する軟質 ポリ塩化ビニルで、厚みが0.4〜1.0mmであることを特徴とする。 請求項4に記載の筆記板は、第1筆記面のロックウェル硬度(HR R)70〜 110であることを特徴とする。
【0008】 請求項5に記載の筆記板は、第1筆記面のロックウェル硬度(HR R)80〜 100であることを特徴とする。 請求項6に記載の筆記板は、第1基板と第2基板との接合面に第1印刷部が設 けられ、且つ第2基板が透明性のポリ塩化ビニルシートで構成されていることを 特徴とする。
【0009】 請求項7に記載の筆記板は、第2基板は、透明性のポリ塩化ビニルシートで構 成され、前記第1基板と第2基板との間には、印刷物を挿脱自在に挿入可能な間 隙が形成されていることを特徴とする。 請求項8に記載の筆記板は、前記第1基板における第2基板と積層されていな い側の面に紫外線硬化塗膜で構成される第2筆記面が形成されていることを特徴 とする。
【0010】 請求項9に記載の筆記板は、前記第1基板における第2基板と積層されていな い側の面に軟質ポリ塩化ビニル製の第3基板が積層されていて、第3基板におけ る第1基板と積層されていない側の面に、紫外線硬化塗膜で構成される第2筆記 面が形成されていることを特徴とする。 請求項10に記載の筆記板は、第1基板と第3基板との接合面に第2印刷部が 設けられ、且つ第3基板が透明性のポリ塩化ビニルシートで構成されていること を特徴とする。
【0011】 請求項11に記載の筆記板は、前記第1基板と第3基板との間には、印刷物を 挿脱自在に挿入可能な第2間隙が形成されていることを特徴とする。 請求項12に記載の筆記板は、第2筆記面のロックウェル硬度(HR R)70 〜110であることを特徴とする。 請求項13に記載の筆記板は、第2筆記面(2' )のロックウェル硬度(HR R)80〜100であることを特徴とする。
【0012】 尚、本考案において、シートとは、フィルムも含む概念である。
【0013】
【作用】
本考案の筆記板は、ポリ塩化ビニル製の基板を用いているため、安価且つ軽量 である。しかも、筆記面は紫外線硬化型塗膜で形成されているため、傷つきにく く、軟質の汎用性樹脂特有の粘着性がなく、ホーローコーティングと同程度の筆 記性を有する。一方、ペンタッチは、筆記面における押し込み硬さ(例えば、ロ ックウェル硬度)に依存し、この押し込み硬さは筆記面が構成されている基板の 押し込み硬さに起因するところが大きいが、本考案の筆記板は、軟質ポリ塩化ビ ニル製の第2基板上に筆記面が形成されていることから、ペンタッチがソフトで ある。
【0014】 また、スケジュールボード等では筆記面に日付け等の定形の印刷がされている が、第1基板と第2基板との接合面に印刷部を設けることは、紫外線硬化塗膜表 面又は紫外線硬化塗膜と第2基板との間に印刷部を設ける場合に比して、価格面 、生産性、品質等が優れる。 さらに、本考案の筆記板において、第1基板と第2基板との間に、印刷物を挿 脱自在に挿入可能な間隙が形成されることにより、印刷物を容易に適宜取り替え ることができ、すでに印刷部が設けられた定形パターンの筆記板と比べて、利用 範囲が広がる。
【0015】 さらにまた、第2筆記面が形成されることにより、筆記板としての利用範囲が さらに広がる。
【0016】
【実施例】
以下に、本考案の一実施例を図1に基づいて説明する。 図1に示す筆記板10は、硬質ポリ塩化ビニル製の第1基板1aの一面に軟質 ポリ塩化ビニル製の第2基板1bが積層され、さらに第2基板1b上に紫外線硬 化塗膜が積層され、紫外線硬化塗膜が第1筆記面2を形成している。
【0017】 第1基板1aを構成している硬質ポリ塩化ビニルは、可塑剤が10重量%未満 のポリ塩化ビニルをいう。第1基板1aの厚みt1 はポリ塩化ビニルに含有され る可塑剤の量、筆記板の用途等により適宜選択されるが、一般に、第1基板1a の厚みt1 は、筆記板としての平板性を保持する必要性及び軽量化の観点から0 .2mm以上が好ましい。
【0018】 第2基板1bを構成している軟質ポリ塩化ビニルは、可塑剤を20重量%以上 添加したポリ塩化ビニルをいう。第2基板1bの厚みt2 は、筆記面に適度な弾 力性を付与する観点から0.2mm以上であることが好ましい。特に、筆記面に おける硬さと軟らかさを適度にバランスさせて、ペンタッチを良好にする観点か ら、可塑剤を35重量%以上の軟質ポリ塩化ビニルを用いて、第2基板1bの厚 みt2 を0.4〜1.0mmとすることが好ましい。一般に、この範囲で第2基 板1bを構成すると、官能的にペンタッチが優れていると感じることができるロ ックウェル硬度(HR R)70〜110、好ましくは80〜100の範囲の筆記 面を得ることができる。ここで、ロックウェル硬度とは、押し込み硬さの1種で 、剛球を筆記面に押圧してできた凹部の深さから求められる(JIS K720 2参照)。
【0019】 第1基板1aと第2基板1bとは、熱融着、接着剤による貼着など従来公知の 適宜方法で接合されている。このように硬さのみが異なる2種類のポリ塩化ビニ ルを重ね合わせた基板を用いることにより、ソフトなペンタッチを保持しつつ、 筆記板としての定形性、剛直性も保持できる。すなわち、第1基板としてベニヤ 板や鋼板に軟質ポリ塩化ビニル製第2基板を貼着した場合に比して、熱融着プレ スでの接合が容易に行えるので生産性に優れる上、一体化し易く、接合強度に優 れる。従って、本考案の筆記板は、硬度が異なるポリ塩化ビニルの積層基板を用 いているので、ソフトなペンタッチ感を付与するだけでなく、軽量で且つ生産性 が高く、安価である。
【0020】 第1筆記面2たる紫外線硬化塗膜を構成する紫外線硬化型塗料の種類は、特に 限定されず、紫外線硬化することができる種々の不飽和樹脂塗料を使用すること ができる。具体的には、不飽和結合を主鎖中に含むものとして不飽和ポリエステ ル樹脂が挙げられ、末端又は側鎖に不飽和結合を含むものとしてアクリル酸やメ タクリル酸等の不飽和化合物をアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂等 の基体樹脂に反応させたものが挙げられる。
【0021】 紫外線硬化により形成された塗膜は、塗料中の不飽和ポリマー及びモノマーが 紫外線により3次元架橋されるため、均質且つ緻密で美麗である。従って、紫外 線硬化塗膜で形成された第1筆記面2は傷つきにくく、耐摩耗性、耐薬品性に優 れている。紫外線硬化塗膜の耐傷性、すなわち引っ掻き抵抗性は、塗料中の可塑 剤の量、塗膜の架橋密度等により異なるが、一般に紫外線硬化塗膜の引っ掻き抵 抗性は鉛筆硬度2H以上であって、ホーロー(鉛筆硬度6H〜8H程度)より多 少劣るものの、実用的には全く問題がない程度の耐傷性を有する。また、紫外線 硬化塗膜の鏡面性から、筆記性もホーローとほとんど同程度となる。
【0022】 さらに、紫外線硬化型塗料は、常温で硬化させることができるので、軟化点が 低く、耐溶剤性がそれ程優れていないポリ塩化ビニルに対して好適に適用できる 。また、筆記板のように被塗物がシート状の平面板であることから、容易に全面 を紫外線照射することができるので、硬化ムラがなく、短時間で硬化膜を形成す ることができるという効果があることはいうまでもない。
【0023】 第1筆記面2の厚み、すなわち紫外線硬化塗膜の膜厚t3 は、一般に10〜2 0μm程度である。10μmよりも薄いと、紫外線硬化塗膜の優れた耐傷性は発 揮されにくく、20μmよりも厚くなると、第1筆記面2における押し込み硬さ が高くなり、第2基板1bとして軟質ポリ塩化ビニルを用いた効果が現れにくく なる。すなわち、ソフトなペンタッチ感が損なわれる。
【0024】 以上のように、本考案の筆記板は、軟質ポリ塩化ビニル製の第2基板上に耐傷 性に優れた紫外線硬化塗膜が形成されているので、筆記板としての優れた耐傷性 、筆記性を損なうことなく、ソフトなペンタッチを有している。 次に、本考案の他の実施例について説明する。 図2は、請求項4に係る筆記板20を示している。筆記板20は、第1基板1 aと第2基板1bとの接合面に印刷部3が設けられている。そして、第2基板1 bとしては、透明性のポリ塩化ビニルシートが用いられ、第1基板1aには白色 のポリ塩化ビニルが用いられる。
【0025】 一般に、印刷部3を設けたい場合、筆記板20のように、第1基板1aと第2 基板1bとの接合面に設ける場合の他、第2基板1bと第1筆記面2との間(図 3(a)参照)、第1筆記面2の表面(図3(b)参照)に設けることが考えら れる。しかし、図3(a)の構成では、軟質ポリ塩化ビニル製の第2基板1b表 面に印刷部3を設けた後、紫外線硬化塗料を塗布して、紫外線を照射することに なるが、軟質ポリ塩化ビニルは紫外線照射により伸びるため、印刷部3が直線の 場合には直進性が保持されにくい。また、図3(b)の構成では、紫外線硬化塗 膜の表面に直接印刷することは、紫外線硬化塗膜の化学的安定性から使用できる インクの種類が限定され、高価になり、しかも筆記消去の繰り返しにより印刷部 3が薄くなり、ついには消えてしまう。一方、筆記板20の構成では、第2基板 1b表面に紫外線硬化塗膜を形成した後、第2基板1bの裏面(第1基板1aと の接合面)に印刷、あるいは第1基板1aの接合面に印刷して、第1基板1aと 第2基板1bとを接合すればよいので、軟質ポリ塩化ビニルの変形等を考慮する 必要がなく、印刷部3の摩耗を考慮する必要もない。従って、筆記板20の構成 によれば、耐久性があり且つゆがみ等がない印刷部3を容易に得ることができる 。
【0026】 図4は、請求項5に係る筆記板30を示している。筆記板30は、方形状で、 第1基板1aと第2基板1bとは三辺の縁部が接合され、第1基板1aと第2基 板1bとの間に印刷物を挿脱自在に挿入可能な間隔6を形成している。残りの一 辺は接合されず、開口部7となっていて、この開口部7より、間隙6に挿入され る印刷部3の代用となる印刷物を自在に取り替えることができ、従来の定形パタ ーンが印刷された筆記板と比べて、適用範囲が広がる。図4中、5は第1基板1 aと第2基板1bとの接合部分である。第2基板1bには、透明性のポリ塩化ビ ニルが用いられる。
【0027】 図5は、請求項6に係る筆記板40を示しており、第1基板1aにおける第2 基板1bが積層されていない側において第2筆記面2’を構成する紫外線硬化塗 膜が形成されている。基板の両面に筆記面が形成されることにより、筆記面積が 2倍となり、経済的且つ小型軽量化を図ることができる。この場合、硬度が異な る2種類の筆記面が形成されるので、使用者は好みのペンタッチに応じて第1筆 記面2又は第2筆記面2’を選択することができる。一方、図6に示す請求項7 に係る筆記板50では、第1基板1aにおける第2基板1bが積層されていない 側において軟質ポリ塩化ビニル製の第3基板1cが積層され、この第3基板1c 上に第2筆記面2’が形成されていて、両面にペンタッチがソフトな筆記面を有 している。筆記板50において、第2基板1b及び第3基板1cを構成する軟質 ポリ塩化ビニルに含有される可塑剤の量は同じであってもよいし、異なっていて もよい。可塑剤の含有量を変えることにより、すなわち軟質ポリ塩化ビニルの硬 度を変えることにより、第1筆記面2と第2筆記面2’とのロックウェル硬度が 異なり、ペンタッチのソフト感が異なる2種類の筆記面を有する筆記板となる。
【0028】 筆記板50において、第3基板1cの厚みt4 は、第2基板1bの厚みt2 と 同様に0.2mm以上で、t2 と同じであっても異なっていてもよい。また、第 2筆記面2’の厚みt5 は、第1筆記面2と同様の理由から、10〜20μmの 範囲で適宜選択される。 図7に示す請求項8に係る筆記板60では、白色の硬質ポリ塩化ビニル製の第 1基板1aの両面、すなわち第2基板1bとの接合面及び第3基板1cとの接合 面に、それぞれ印刷部3、3’が設けられている。この場合、印刷部3と印刷部 3’のパターンは同じであってもよいし、異なっていてもよい。印刷部3と印刷 部3’との印刷パターンを変えることにより、2種類のパターンを有する筆記板 となり、その適用範囲はさらに広がる。尚、印刷部3だけ設けて、第1筆記面2 側はスケジュールボード等として、第2筆記面2’側はホワイトボードとして使 用することもできる。
【0029】 さらに、図8に示す請求項9に係る筆記板70では、第1基板1aと第2基板 1b、第1基板1aと第3基板1cとの間に、印刷物を挿脱自在に挿入可能な間 隙6’が設けられている。これにより、異なる2種類の印刷物を適宜選択するこ とができ、筆記板としての利用範囲はさらに広がる。図8中、7は開口部で、こ こより、間隙6,6’に挿入する印刷物を取り替えることができる。
【0030】 次に、具体的な実施例に基づいて本考案の筆記板の特性を説明する。 実施例; 基板として、可塑剤を含まない硬質ポリ塩化ビニルからなる第1基板と可塑剤 45重量%含有する軟質ポリ塩化ビニルからなる第2基板との積層体を用い、第 2基板の表面にウレタンアクリレート系塗料を塗布した後、30秒以上紫外線照 射して、紫外線硬化塗膜を形成した。なお、第1基板の厚みt1 は1.0mmで あり、第2基板の厚みt2 は0.5mmであり、紫外線硬化塗膜の厚みt3 は約 10μmである。
【0031】 従来例1; アルミニウム板にホーローをコーティングした筆記板を用いた。ホーローの厚 みは約40μmである。 従来例2; ベニヤ板にポリエステルフィルム(厚み約0.2mm)を貼着してなる筆記板 を用いた。
【0032】 従来例3; スチール板にフェノール系熱硬化型塗料を塗布(厚み約20μm)した後、加 熱により硬化させて、筆記面を形成した筆記板を用いた。 比較例1; 表面に紫外線硬化塗膜が形成されていない軟質ポリ塩化ビニルシートである。
【0033】 比較例2; 表面に紫外線硬化塗膜が形成されていない硬質ポリ塩化ビニルシートである。 比較例3; 基板として、可塑剤30重量%含有する硬質ポリ塩化ビニルシートを用い、こ の一側の面に実施例と同様にして紫外線硬化塗膜を形成した。 〔評価〕 実施例、従来例、及び比較例の各筆記板について、筆記面のロックウェル硬度 (HR R)、耐傷性、耐摩耗性、鏡面光沢度、筆記性、ペンタッチ、及び価格を 比較評価した。
【0034】 筆記面のロックウェル硬度(HR R)は、JIS K7202に準じて測定し た(試験室温21℃、湿度65%)。 耐傷性は、JIS K5400に準じて鉛筆硬度引っ掻き抵抗性試験を行い、 傷がつくときの鉛筆硬度により、◎(硬度4Hでも傷つかない)、○(硬度2H でも傷つかない)、△(硬度Fでは傷つかない)、×(硬度Bでも傷がつく)の 4段階で評価した。
【0035】 耐摩耗性は、ASTM−D−1044に準じて測定した。砥石CS−10Fを 500gの荷重で押しつけ、摩擦速度16cm/secで試験片を100回転さ せて、傷のつき方を曇価の変化として目視にて観察し、○(ほとんど摩耗しない )〜×(ひどく摩耗する)の3段階で評価した。 鏡面光沢度は、JIS K5400に準じて測定した。尚、比較例1、2につ いては、裏面に白色の実施例1の第1基板に相当する硬質ポリ塩化ビニルシート を重ね合わせた状態で測定した。
【0036】 筆記性は、マーキングペンで筆記した場合のペンの滑り易さを○(ペンの滑り がよい)〜×(ペンの滑りが悪い)の3段階で官能評価した。 ペンタッチは、マーキングペンで筆記した場合のソフト感を○(ペンのあたり がソフトである)〜×(ペンのあたりがハードである)の3段階で官能評価した 。
【0037】 評価結果を表1に示す。尚、比較例1については、筆記面が軟らかすぎて、ロ ックウエル硬度を測定することができなかった。また、従来例2のペンタッチに ついては、ペンの滑りの悪さと相まって、ペンのあたりが実際のロックウェル硬 度よりもハードに感じられた。
【0038】
【表1】
【0039】 表1からわかるように、筆記面がホーローで構成される従来例1、基板がスチ ール板で構成されている従来例3は、耐傷性、筆記性、耐摩耗性の点で優れてい るが、ロックウェル硬度が高いため、ペンタッチのソフト感に劣る。また、価格 面においても実施例、他の従来例と比べて高価になる。 一方、プラスチック製の筆記板はいずれも価格の点で満足することができるが 、筆記面を紫外線硬化塗膜で形成していない従来例2及び比較例1、2は、耐傷 性、耐摩耗性、筆記性が劣っていた。また、比較例3は、筆記面が紫外線硬化塗 膜で形成していることから耐傷性、筆記性、耐摩耗性で満足するが、基板が硬質 ポリ塩化ビニルであることから、ロックウェル硬度が高くなり、ペンタッチのソ フト感が劣っていた。
【0040】 これに対し、実施例に係る筆記板は、価格面、耐傷性、耐摩耗性、筆記性、ペ ンタッチの全てを満足することができる。また、鏡面光沢においても、ホーロー やポリ塩化ビニル自体と比べて低く、目に優しいものだった。
【0041】
【考案の効果】 本考案の筆記板は、基板をポリ塩化ビニルで構成したため、安価且つ軽量で、 持ち運びが容易である。しかも、表面を紫外線硬化型塗膜で形成しているため、 傷つきにくく、耐摩耗性に優れる。しかもホーローコーティングと同程度の筆記 性を有する上に、押し込み硬さがホーロー等と比べて低く、ペンタッチがソフト で総合的な書き易さはホーローコーティングやスチール板に塗装してなる筆記板 よりも優れている。さらに、シート状の基板に対して紫外線硬化は短時間で連続 的に行うことができるため、生産性の向上にも繋がる。
【0042】 また、定形の印刷部を有する筆記板においても、ゆがみがなく且つ耐久性のあ る印刷面を安価に提供できる。 さらに、第1基板と第2基板との間に、印刷物を挿脱自在に挿入可能な間隙が 形成された筆記板では、印刷物を容易に適宜取り替えることができるので、すで に印刷部が設けられた定形パターンの筆記板と比べて、利用範囲が広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る筆記板の構成を示す断面模式図
である。
【図2】請求項4に係る筆記板の構成を示す断面模式図
である。
【図3】請求項4に係る筆記板の効果を説明するための
図である。
【図4】請求項5に係る筆記板を示す斜視図である。
【図5】請求項6に係る筆記板の構成を示す断面模式図
である。
【図6】請求項7に係る筆記板の構成を示す断面模式図
である。
【図7】請求項8に係る筆記板の構成を示す断面模式図
である。
【図8】請求項9に係る筆記板の構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1a 第1基板 1b 第2基板 1c 第3基板 2 第1筆記面 2’ 第2筆記面 3 印刷部 6 間隙

Claims (13)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質ポリ塩化ビニル製の第1基板(1
    a)の一面に軟質ポリ塩化ビニル製の第2基板(1b)
    が積層され、第2基板(1b)における第1基板(1
    a)と積層されていない側の面に紫外線硬化塗膜で構成
    される第1筆記面(2)が形成されていることを特徴と
    する筆記板。
  2. 【請求項2】 第2基板(1b)は、可塑剤20重量%
    以上含有する軟質ポリ塩化ビニルで、厚みが0.2mm
    以上であることを特徴とする請求項1に記載の筆記板。
  3. 【請求項3】 第2基板(1b)は、可塑剤35重量%
    以上含有する軟質ポリ塩化ビニルで、厚みが0.4〜
    1.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の筆
    記板。
  4. 【請求項4】 第1筆記面(2)のロックウェル硬度
    (HR R)70〜110であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の筆記板。
  5. 【請求項5】 第1筆記面(2)のロックウェル硬度
    (HR R)80〜100であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の筆記板。
  6. 【請求項6】 第1基板(1a)と第2基板(1b)と
    の接合面に第1印刷部(3)が設けられ、且つ第2基板
    (1b)が透明性のポリ塩化ビニルシートで構成されて
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    筆記板。
  7. 【請求項7】 第2基板(1b)は、透明性のポリ塩化
    ビニルシートで構成され、 前記第1基板(1a)と第2基板(1b)との間には、
    印刷物を挿脱自在に挿入可能な間隙(6)が形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    筆記板。
  8. 【請求項8】 前記第1基板(1a)における第2基板
    (1b)と積層されていない側の面に紫外線硬化塗膜で
    構成される第2筆記面(2' ) が形成されていることを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の筆記板。
  9. 【請求項9】 前記第1基板(1a)における第2基板
    (1b)と積層されていない側の面に軟質ポリ塩化ビニ
    ル製の第3基板(1c)が積層されていて、第3基板
    (1c)における第1基板(1a)と積層されていない
    側の面に、紫外線硬化塗膜で構成される第2筆記面(2
    ' )が形成されていることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載の筆記板。
  10. 【請求項10】 第1基板(1a)と第3基板(1c)
    との接合面に第2印刷部(3' )が設けられ、且つ第3
    基板(1c)が透明性のポリ塩化ビニルシートで構成さ
    れていることを特徴とする請求項9に記載の筆記板。
  11. 【請求項11】 前記第1基板(1a)と第3基板(1
    c)との間には、印刷物を挿脱自在に挿入可能な第2間
    隙(6' )が形成されていることを特徴とする請求項9
    に記載の筆記板。
  12. 【請求項12】 第2筆記面(2' )のロックウェル硬
    度(HR R)70〜110であることを特徴とする請求
    項9〜11のいずれかに記載の筆記板。
  13. 【請求項13】 第2筆記面(2' )のロックウェル硬
    度(HR R)80〜100であることを特徴とする請求
    項9〜11のいずれかに記載の筆記板。
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