JP2020163698A - 筆記ボード - Google Patents

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和広 村上
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Abstract

【課題】本発明の課題は、消去体の動作が安定し画像の消去がスムーズな筆記ボードを提供することである。【解決手段】基材110の透明カバーシート120に相対する第一密着面と、該透明カバーシート120のマット面121である第二密着面とを隙間を開けて対向させ、該第一密着面と該第二密着面との間に消去体の消去部210を移動可能に配置し、揺動軸と操作部と消去部210とを有する消去体を揺動軸を中心に揺動可能に取り付ける。【選択図】図1

Description

本発明は、加圧された部分の色濃度が変化して画像が記録でき、さらにその画像を容易に消去して復元できる、繰り返し筆記および消去が可能な筆記シートを用いた筆記ボードに関するものである。
従来から、粘着性表面を有する基材と、その上に設けられた透明なカバーシートとから構成され、カバーシートの上から加圧することで、加圧された部分の基材とカバーシートとが密着し、密着部分に画像が記録できる筆記シートが知られている。また、非粘着性の基材と、その上に設けられた粘着性表面を有する透明なカバーシートとから構成される筆記シートも知られている。このような筆記シートは、基材とカバーシートとを引き剥がすことによって画像を消去し、初期状態に復元することができる。したがって、画像の記録と消去とを繰り返し行うことができる。
このような筆記シートは、記録シート、店舗などのディスプレイ、知育玩具、教育材料などに応用が可能であり、種々の製品が研究および開発されている。たとえば、特許文献1には、筆記シートに記録した画像の消去操作を短時間に行えるものとして、基材とカバーシートとの間に摺動部材を摺動自在に介在させたメモ器が開示されている。
実開昭49−85228号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、これらの筆記シートおよびそれを用いた筆記ボードは、摺動部材の動作が安定せず、記録した画像の消去がスムーズではない等の問題が起こることがあり、さらなる改良が必要であった。
本発明は、
「1.基材と、透明カバーシートとを有してなり、且つ前記基材に設けられた第一密着面と前記透明カバーシートに設けられた第二密着面とが対向するように配置され、前記透明カバーシートの表面に圧力を加えることにより前記第一密着面と前記第二密着面とが密着し、前記密着した部分を画像として外部から視認可能となる筆記面を具備した筆記シートと、
前記第一密着面と前記第二密着面との間に、密着した第一密着面と第二密着面とを引き剥がすように移動可能に配された消去部を有する消去体とを備える筆記ボードであって、
前記消去体が、揺動軸と、操作部と、消去部とを有し、該揺動軸を中心に揺動可能に取り付けられてなることを特徴とする、筆記ボード。
2.前記消去部が、前記揺動軸と前記操作部との間に位置することを特徴とする、前記1項に記載の筆記ボード。
3.前記第一密着面および/または前記第二密着面が粘着性を有することを特徴とする、前記1または2項に記載の筆記ボード。
4.前記第一密着面および/または前記第二密着面をマット状に形成してなることを特徴とする、前記1項または2項に記載の筆記ボード。
5.前記マット状に形成された前記第一密着面および/または前記第二密着面の算術平均高さSaが0.10〜0.50μmであることを特徴とする、前記1項ないし4項のいずれか1項に記載の筆記ボード。」である。
本発明によれば、消去体の動作が安定し画像の消去がスムーズな筆記ボードを得ることができる。
本発明による筆記ボードで、画像を記録する前の初期状態を示す断面図である。 図1の筆記ボードに画像を記録した状態を示す断面図である。 図2の状態から、消去体の消去部を移動して画像を消去した状態を示す断面図である。 本発明による筆記ボードの正面図である。 図4の筆記ボードのA−A縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[筆記シート]
本発明による、ひとつの実施態様による筆記シートの概念断面図は図1に示すとおりである。この筆記シート100は、基材110とカバーシート120とを具備してなり、基材110に設けられた第一密着面(図1における粘着層113の表面)とカバーシート120に設けられた第二密着面(図1におけるマット面121)は、面が対向するように配置される。
また、基材110に設けられた第一密着面とカバーシート120に設けられた第二密着面との間に、消去体の消去部210が移動可能に配置される。
ここで、基材とカバーシートとは、相互に分離しないように、末端が接着または固定されていてもよく、また相互に結合されずに独立のものであってもよい。基材とカバーシートとが相互に結合していない場合には、これらの組み合わせを筆記シートという。
この筆記シート100は、画像を記録する前の初期状態では、基材110とカバーシート120とが密着しておらず、それらの界面に空気層が存在する。
画像を記録する場合には、図2に示すように、筆記先端300などを用いてカバーシート120の上部から所望の部分に加圧する。加圧された部分の直下で基材110とカバーシート120とが密着した結果、基材110とカバーシート120との界面に存在していた空気層が実質的になくなり、界面の屈折率が変化する。
この結果、未加圧部分の界面と、加圧部分の界面とで屈折率が変わり、コントラストが生じて、画像が記録される。一般的には、加圧された部分では基材110の色彩がカバーシート上部から認識できるようになる。加圧する方法は任意であり、樹脂材料などからなるペンで文字状に加圧する方法や、スタンプのようなレリーフを押しつけて模様を転写する方法などがある。
そして、図3に示すように、消去体の消去部210を移動させて、基材110からカバーシート120を引き剥がすことによって、基材110とカバーシート120との界面に再び空気層が生じて、画像が消去される。
このように、本発明による筆記シートは、画像の記録と消去とを繰り返し行うことができるものである。
[消去体]
本発明の消去体は、揺動軸と、操作部と、消去部とを有し、該消去部が、前記第一密着面と前記第二密着面との間に、密着した第一密着面と第二密着面とを引き剥がすように移動可能に配され、該揺動軸を中心に揺動可能に取り付けられる。
揺動軸ならびに操作部ならびに消去部は、単一の部品で構成してもよいし、複数の部品で構成してもよい。
筆記シートの画像を消去する場合には、操作部を操作して消去部を移動させることにより、基材からカバーシートが引き剥がされ、基材とカバーシートとの界面に空気層が生じて画像が消去される。
このとき、たとえば前記特許文献1に開示されているような摺動部材(摺動式の消去体)は、消去体を支える支点そのものが移動するのに対して、本願発明の消去体は揺動軸を中心に揺動するため、ガタつきなどが生じにくくなり、消去体の動作が安定して画像の消去がスムーズな筆記ボードとなる。
また、筆記シートに多くの画像を記録することによって、第一密着面と第二密着面とが密着している面積が大きくなり、基材からのカバーシートの引き剥がし粘着力が大きくなる場合において、本発明の効果は顕著である。
本発明の消去体の消去部は、揺動軸と操作部との間に位置することが好ましい。
操作部を操作して消去体を揺動し、基材からカバーシートを引き剥がして筆記シートの画像を消去する際に、筆記シートに多くの画像が記録されていると、第一密着面と第二密着面とが密着している面積が大きくなり、基材からのカバーシートの引き剥がし粘着力が大きくなって、消去体の動作に大きな力が必要となるおそれがある。
しかしながら、消去部が、揺動軸と操作部との間に位置していることにより、筆記シートに多くの画像が記録されている場合であっても、揺動軸が「てこの原理」における支点として働き、操作部が「てこの原理」における力点として働き、消去部が「てこの原理」における作用点として働くので、軽い力で消去体を動作させることができ、好ましい。
また、消去部が、揺動軸と操作部との間に位置していることにより、基材からカバーシートを引き剥がして筆記シートの画像を消去する際に、消去体が揺動軸と操作部を把持した手とで支えられて揺動するため、消去体や消去部の歪みや撓みが生じにくく、消去体の動作がより安定するので、好ましい。
本発明の消去体の消去部は、伸縮してもよい。
ゴムやエラストマーなどの伸縮性を有する材料で消去部を形成したり、スプリングなどの伸縮可能な部材で消去部を形成したり、複数の部品を組み合わせて伸縮可能に消去部を形成したりすることにより、操作部を操作して消去体を揺動し、基材からカバーシートを引き剥がして筆記シートの画像を消去する際に、消去部を伸縮させながら消去体を揺動させることができるので、揺動軸を中心とした扇形状や円形状に加えて、楕円形状や矩形状などに基材からカバーシートを引き剥がして画像を消去することができ、筆記シートが楕円形状や矩形状であっても、単数の消去体で筆記シートに記録された画像を一度に消去することができる。
本発明の消去体の数は、単数であってもよく、複数であってもよい。消去体が複数の場合には、別々に操作してもよく、一つの消去体を操作することにより、他の消去体が連動して動いてもよい。
また、消去体の揺動の角度は特に限定されない。図4ないし図5に示す消去体の揺動角は90度だが、180度でもよく、360度でもよい。
本発明の消去体の材質は、特に限定されるものではなく、樹脂、金属、ゴム、エラストマー、ガラス、セラミックなど、様々な材質を選択することができる。具体的には、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂や、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、ステンレスなどの金属や、ゴム、エラストマー、ガラス、セラミックなどを挙げることができる。また、前記の材質を複数組み合わせて形成してもよい。
中でも、シリコーン樹脂やフッ素樹脂は、潤滑性に優れるため、シリコーン樹脂やフッ素樹脂で消去体の消去部を形成することや、鉄などの表面をシリコーン樹脂やフッ素樹脂で被覆して消去体の消去部を形成することにより、第一密着面と第二密着面との間における消去部の移動が滑らかになり、消去体の動作が軽く画像の消去がスムーズな筆記ボードとなるので、好ましい。
本発明の消去体の消去部の形状は、基材に設けられた第一密着面とカバーシートに設けられた第二密着面との間に、密着した第一密着面と第二密着面とを引き剥がすように移動可能であれば、特に限定されるものではなく、たとえば、平板状、棒状、柱状などを、適宜選択することができる。また、前記の形状を複数組み合わせてもよい。
本発明の消去体の消去部は、筆記シートに記録された画像を消去する際に、密着した第一密着面と第二密着面とを引き剥がす際の、第一密着面と第二密着面の界面との接触面積が小さくなる形状としてもよい。
たとえば、消去部の先端(密着した第一密着面と第二密着面の界面に進入していく部分)を、弧状や、鋸歯状などに形成することにより、第一密着面と第二密着面の界面との接触面積が小さくなるので、消去部の先端が一直線状である場合と比較して、消去部の移動が滑らかになり、消去体の動作が軽く画像の消去がスムーズな筆記シートとなる。
また、筆記シートに多くの画像を記録することによって、第一密着面と第二密着面とが密着している面積が大きくなり、基材からのカバーシートの引き剥がし粘着力が大きくなる場合において、消去部の形状を、密着した第一密着面と第二密着面とを引き剥がす際の、第一密着面と第二密着面の界面との接触面積が小さくなる形状にすることによる効果は顕著である。
本発明の消去体の消去部は、基材に設けられた第一密着面とカバーシートに設けられた第二密着面との間に、密着した第一密着面と第二密着面とを引き剥がすように移動可能に配置された際に、第一密着面および/または第二密着面との接触面積が小さくなる形状としてもよい。
たとえば、消去部の表面および/または裏面を横断面視略半円状に膨出させたり、消去部の表面および/または裏面に複数の突起および/または突条を設けることなどにより、消去部と第一密着面および/または第二密着面との摩擦抵抗が小さくなるので、消去部の表面および/または裏面が平面である場合と比較して、消去部の移動が滑らかになり、消去体の動作が軽く画像の消去がスムーズな筆記ボードとなる。
また、筆記シートに多くの画像を記録することによって、第一密着面と第二密着面とが密着している面積が大きくなり、基材からのカバーシートの引き剥がし粘着力が大きくなる場合において、消去部の形状を、第一密着面および/または第二密着面との接触面積が小さくなる形状にすることによる効果は顕著である。
本発明の消去体の消去部は、密着した第一密着面と第二密着面とを引き剥がす際に、移動しながら回転してもよい。消去部の一部が回転してもよく、消去部の全部が回転してもよい。
たとえば、消去体に横断面視略円形の消去部を設け、その消去部の少なくとも一部を基材に設けられた第一密着面および/またはカバーシートに設けられた第二密着面に当接させることにより、筆記シートに記録された画像を消去するために消去体を揺動させる際に、第一密着面および/または第二密着面との摩擦により消去部が抵抗を受けて、消去部が消去体の揺動方向に回転するため、消去部の移動が滑らかになり、消去体の動作が軽く画像の消去がスムーズな筆記ボードとなる。
また、筆記シートに多くの画像を記録することによって、基材とカバーシートとが密着している面積が大きくなり、基材からのカバーシートの引き剥がし粘着力が大きくなる場合において、消去部が回転することによる効果は顕著である。
また、筆記ボードを繰り返し使用することによって第一密着面および/または第二密着面の粘着力が低下すると、画像の記録安定性が低下するおそれがあるが、消去部が回転すると、筆記シートに記録された画像を消去する際に消去部が第一密着面および/または第二密着面の表面を摺動することがないので、擦過による第一密着面および/または第二密着面の粘着力低下とそれに伴う画像の記録安定性低下を防止でき、耐久性にすぐれた筆記ボードとなる。
また、消去体の消去部は、少なくとも一部を第一密着面および/または第二密着面に当接した状態で消去体の揺動方向に回転可能であれば、その横断面は円形以外の形状でもよく、たとえば楕円形状や、多角形状や、歯車形状など、様々な形状を適宜選択することができる。
消去部の横断面を円形に形成した場合には、消去体を揺動して筆記シートに記録された画像を消去する際に、消去部が第一密着面および/または第二密着面に常に線接触することにより、消去部の回転の抵抗が一定となり、消去体の揺動がスムーズとなるので、より好ましい。
[基材]
本発明に用いられる基材には、第一密着面が設けられる。基材は、画像記録時にカバーシートと密着する必要があるので、カバーシートに設けられた第二密着面が非粘着性の場合には、基材の第一密着面は粘着性であることが好ましい。第一密着面を粘着性とするためには、基材そのものを軟質塩化ビニルなどの表面が粘着性を有する軟質樹脂で形成し、その表面を第一密着面としてもよく、樹脂などで支持体を形成し、支持体のカバーシートに対向する面に粘着層を設けて基材とし、粘着層の表面を第一密着面としてもよい。
支持体に粘着層を設ける場合には、粘着層は支持体の少なくとも一方の面に形成される。支持体の両側面にそれぞれ粘着層を設けて、それぞれの面に対向する2枚のカバーシートを組み合わせれば、両側に記録可能な筆記シートとすることもできる。
ここで支持体は特に限定されないが、画像記録時に筆記シートの表面から観察される画像のコントラストを高く保つために、着色されていることが好ましい。また、筆記シートに物理的に十分な強度を付与するために、支持体には強度も要求される。
このような観点から、図1に示すように、ひとつの実施形態において、コアプレートと着色層とを具備する着色支持体を用いることができる。物理的に十分な強度を有するコアプレートを用いることで、コストや色彩に応じて種々の着色層を選択することが可能となる。このとき、コアプレートは十分な物理的強度を有するものが好ましく、従来知られている任意の材料から選択することができる。たとえば、ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂から選択することができ、より具体的には、(i)ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などから、(ii)ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂などから選択することができる。これらのうち、ポリエステル系樹脂が好ましく、強度や加工性の点からPET樹脂が特に好ましい。
これらコアプレートの表面には、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理、下塗り剤の塗布(下塗り層の形成)などの、従来公知の表面処理が施されていてもよい。
コアプレートの厚さは、特に限定されないが、物理的に十分な強度を達成するために、厚さが50〜250μmであることが好ましい。
これらのコアプレートは、無色透明であっても、有色透明であっても、また不透明であってもよい。コアプレートが無色透明である場合には、着色層と積層されていることが好ましい。いずれの場合においても、着色支持体は、全体として不透明であることが好ましい。なお、本発明において不透明であるとは、400〜760nmの波長領域全体にわたって、透過率が80%未満、好ましくは60%未満であることをいう。一方で無色透明であるとは、その波長領域の全領域に渡って、透過率が80%以上、好ましくは90%以上であることをいう。さらに有色透明とは、その波長領域の一部に透過率が80%未満の領域があることをいう。
着色されたシート状材料としては、たとえば着色された紙、染色された樹脂フィルム、着色粒子が分散された樹脂材料からなるフィルム、着色された繊維集合体などが挙げられる。着色層を塗布により形成させる場合には、着色された粒子が分散されたバインダーを含む組成物を塗布し、さらに乾燥または硬化させて、着色層を形成させることができる。着色された粒子とは、無機顔料粒子、金属粉、金属酸化物粉などが挙げられる。
なお、着色支持体として、金属板または着色層として金属層を具備する着色支持体を用いることもできる。このような金属様表面を着色支持体に用いた場合には、特殊な効果を得ることができる。この場合には、筆記により得られる画像のコントラストは比較的低い。ところが、その記録画像を複写機により複写すると、コントラストの高い画像が複写される。このような効果を利用することで、すかし絵の効果を得ることができる。
着色支持体のカバーシート側表面は平滑性が高いことが好ましい。その面の上には、後述するように粘着層が設けられるが、最終的にこの粘着層の表面の平滑性が高いことが好ましいので、その下地となる着色支持体のカバーシート側表面も平滑性が高いことが好ましい。
このような観点から、着色支持体のカバーシート側表面は、樹脂製のコアプレートであることが好ましい。したがって、着色支持体がコアプレートと着色層とが積層された構造を有する場合には、図1に示すように、着色層はカバーシートが対向する面とは反対側の面に形成されることが好ましい。
基材の表面に粘着層を形成するのに先だって、基材と粘着層との接着性を改善するために、中間層を設けることができる。筆記シートは、使用に際して、粘着層とカバーシートとの密着と剥離を繰り返すため、粘着層が基材表面から剥離することがあるが、中間層を設けることでこのような問題を改善することができ、また筆記シートの保存安定性を改良することもできる。
中間層に用いる材料としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルグラフトポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などの各種樹脂が挙げられる。この中間層は、たとえばポリエステル樹脂によって形成することができる。中間層の厚さは、厚くすることによって基板と粘着層との接着性を改良でき、薄くすることで画像記録時に着色支持体の色彩が再現されやすくなる。このような観点から、中間層の厚さは0.05〜1.0μmであることが好ましい。
本発明に用いられる基材において、着色支持体の表面に直接、または表面の上に中間層を介して、粘着層を形成することができる。
粘着層は、画像記録時にカバーシートと密着することによって、画像が記録される。したがって、画像の記録安定性の観点からは、粘着力が高いことが好ましいが、過度に高いと、消去時にカバーシートの剥離が困難になったり、剥離の際に不快な音を発生したり、粘着層またはカバーシートを損傷する可能性がある。さらには、筆記シートを放置している状態にもかかわらず、カバーシートと粘着層とが密着してしまい、意図しない画像が記録されることもある。このため、粘着層の粘着力は、1.0〜5.0N/mであることが好ましく、1.5〜4.0N/mであることがより好ましい。ここで粘着力は、JIS−Z0237方法1に示された、試験板に対する180°引き剥がし粘着力測定に従って測定することができる。
このような粘着層は、一般的には、粘着剤組成物に、必要に応じて触媒などを混合してから、着色支持体またはコアプレートに、必要に応じて中間層を介して塗布し、加熱などを行って反応させることによって形成させる。
粘着層の材料として、従来知られている粘着剤から任意のものを選択することができる。
このような粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤などの各種粘着剤が挙げられる。
これらのうち、シリコーン系粘着剤は、主骨格がシロキサン結合を主体したポリマーを主成分とするものである。シリコーン系粘着剤は、適当な粘着性を示すものが多く、また耐薬品性、耐水性、耐熱性に優れているので好ましい。さらに、シリコーン系粘着剤は、圧力による粘着力変化が小さいことも好ましい理由である。また、ウレタン系粘着剤は、イソシアネート化合物とヒドロキシ化合物を縮合させたポリマーを主成分とするものである。剥離性にすぐれているので好ましい粘着剤であるが、粘着力がシリコーン系粘着剤よりも高いことが多く、粘着性の調整が必要な場合がある。また、ウレタン系粘着剤を用いると、画像記録時に加える圧力に依存して、カバーシートと粘着層との粘着力が変わる傾向にある。このため、カバーシートの剥離に要する力の均一性や、記録される画像のコントラストの均一性が重視される場合には、シリコーン系粘着剤を用いることが好ましい。
このような方法に用いられる粘着剤は、種々のものが市販されており、それらから好適なものを選択して使用することができる。具体的には、シリコーン系粘着剤としては、LTC755、SD4580PSAなど(いずれも商品名、東レ・ダウコーニング株式会社より販売)、KR3700、KR3701、KR3704(いずれも商品名、信越化学工業株式会社より販売)が挙げられ、これに組み合わせる触媒としては、NC−25 Catalyst(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社より販売)、CAT−PL−50T(商品名、信越化学工業株式会社より販売)が挙げられる。また、ウレタン系粘着剤としては、サイアバインシリーズSH−101M、SH−101、SP−205(いずれも商品名、トーヨーケム株式会社より販売)が挙げられ、それに組み合わせる触媒としてはサイアバイン T501B(多官能イソシアネート系架橋剤)(商品名、トーヨーケム株式会社より販売)が挙げられる。
シリコーン系粘着剤に組み合わせる触媒は、架橋密度を調整することができるので白金を含む貴金属触媒が好ましく、特に白金−ルテニウム合金、白金−パラジウム合金、白金−チタニウム合金などが好適に用いられる。
粘着剤組成物を塗布する方法は特に限定されず、たとえば、グラビアロールコーター、ダイコーター、バーコーターなどの、従来公知のコーターを用いて行うことができる。あるいは、含浸やカーテンコート法などにより粘着剤組成物を塗布してもよい。
塗布後、架橋反応を促進させ、製造効率を向上させるために、加熱を行うことが好ましい。加熱温度は、一般的には40〜150℃、好ましくは60〜130℃の範囲から選択される。
粘着層の厚さは、厚いほうがカバーシートと密着しやすく、薄いほうが画像記録時に着色支持体の色彩が再現されやすく、また生産コストが低くなる。このため、粘着層の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。
以上、基材が着色支持体を具備する場合について説明したが、基材は、それを構成するいずれの層が着色されていてもよい。たとえば、コアプレートが着色されていても、粘着層が着色されていてもよい。
粘着層が着色された構成を採用することによって、別途着色層を設ける必要がなく、構成を簡単にし、製造コストを低減することができる。
粘着層に着色をするためには、粘着層を塗設する前に、粘着剤組成物に顔料や染料を混合しておく方法、粘着層を形成後に粘着層表面に顔料または染料を接触させて染色する方法が挙げられる。染料または顔料がしみ出しにくく、筆記シートの利用にあたってカバーシートへの色移りが少ないので、前者が好ましい。
粘着層に着色するのに用いられる染料または顔料は特に限定されず、従来知られている任意のものから選択することができる。具体的には、染料としては、フタロシアニン系染料、ピラゾロン系染料、ニグロシン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料、顔料としては、無機顔料としてカーボンブラック、黒色酸化鉄、ウルトラマリン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、複合酸化物系顔料などが、また有機顔料としてはアゾ系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料、スレン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料などが挙げられる。
[カバーシート]
本発明に用いられるカバーシートには、第二密着面が設けられる。カバーシートは、画像記録時に基材と密着する必要があるので、基材に設けられた第一密着面が非粘着性の場合には、カバーシートの第二密着面は粘着性であることが好ましい。第二密着面を粘着性とするためには、カバーシートそのものを軟質塩化ビニルなどの表面が粘着性を有する軟質樹脂で形成し、その表面を第二密着面としてもよく、カバーシートの基材に対向する面に粘着層を設けて、粘着層の表面を第二密着面としてもよい。
本発明に用いられるカバーシートは、基材と密着した際に、基材の色彩が筆記シートの表面から観察できる必要がある。このため、カバーシートは透明である必要がある。一般的にはカバーシートは無色透明であることが好ましい。カバーシートが400〜760nmの波長範囲全体にわたって高い透過率を有することにより、基材に施された着色に忠実な画像記録が可能となる。ただし、カバーシートに着色することも可能である。400〜760nmの波長範囲の一部に透過性があるカバーフィルムを用いれば、基材に施された色彩と異なった色彩で画像を記録することが可能となる。
このようなカバーシートは、一般的には透明なフィルムを具備してなる。カバーシートには透明性だけでなく、物理的強度も要求されるため、前記した着色支持体において例示した材料からなるフィルムが好ましく用いられる。
本発明において、基材に設けられた第一密着面が粘着性の場合には、カバーシートに設けられた第二密着面をマット面とすることが好ましい。このマット面の表面形状によって、筆記シートの特性が大きく変動する。
本発明による筆記シートにおいて、マット面の算術平均高さSaが大きいとマット調表現が容易となり、また筆記シートを放置しても、カバーシートと粘着層とが密着してしまうことが少なく、算術平均高さSaが小さいとコントラストの高い画像が形成できる傾向にある。このような観点から、本発明において、マット面の算術平均高さSaは0.10〜0.50μmであり、0.15〜0.30μmであることが好ましい。
なお、算術平均高さSaは三次元粗さ計によって測定することができる。具体的には、これらの測定にはレーザー顕微鏡 LEXT−OLS4100(商品名、オリンパス株式会社製を用いることができる。
さらにマット面に存在する凹凸は、画像記録をする前の状態で、粘着層とカバーシートが密着することを防ぎ、また画像記録の際には粘着層とカバーシートとの間の密着性を適切に維持し、さらに画像消去の際には容易に剥離が可能となる。このようなマット面とするためには、ヘーズ値が70〜95%であることが好ましい。ヘーズ値はヘーズメーター TC−HIII(商品名 有限会社東京電色社製)により測定することができる。
カバーシートの表面にマット面を形成する方法は特に限定されないが、カバーシートの主たる構造物であるフィルムの表面を直接的に食刻する方法、凹凸を有するフィルムと積層する方法、微粒子が分散された樹脂組成物をフィルム表面に塗布し、乾燥または硬化させて凹凸のある面を形成させる方法、加熱などにより気泡を生じる化合物を含む組成物をフィルム表面に塗布し、加熱などによって組成物層の中に気泡を生じさせて表面に凹凸を形成させる方法などが挙げられる。また、カバーフィルムとして、微粒子が分散された樹脂組成物をフィルム状に成形することによっても、表面にマット面が形成されたカバーシートを得ることができる。
これらのうち、マット面の粗さの制御が容易であることから、微粒子を分散させた樹脂組成物を用いることが好ましい。特に、シリカなどの透明性の高い微粒子が分散された樹脂組成物をフィルムの表面に塗布し、加熱して樹脂を硬化させる方法が、品質の安定性やカバーフィルムの特性の面から好ましく採用される。微粒子は、有機材料であっても無機材料であってもよい。微粒子に用いる有機材料としては、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂などが挙げられる。また、微粒子に用いる無機材料としては、たとえば、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、金属フレーク、金属酸化物フレークなどが挙げられる。これらのうち、特にマイカ、金属フレークまたは金属酸化物フレークを用いると、画像記録時に生じる色がメタリック色となり、美麗な画像が記録されるという特徴がある。なお、この場合には、着色層を濃度の高い色、典型的には黒色とすることで、コントラストが大きくなり、メタリック色がより美麗に観察されるので好ましい。
これらの微粒子の平均粒子径は0.05〜5.0μmであることが好ましい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折法(原理)により、体積基準で測定したものであり、たとえばMICROTRAC9320−X100(Honeywell社製)により測定することができる。
また、組成物のバインダーとして用いられる樹脂としては、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、アクリルメラミン樹脂、ポリエステルメラミン樹脂、アクリルウレタン樹脂などは物理的強度および光学特性の面で優れていると考えられ、好ましく用いられる。
さらにこれらを溶解または分散させる溶媒としては、トルエンやメチルエチルケトンなどが挙げられる。
図1には、いずれかの方法によってフィルムの表面に、マット面を有するマットコート層が積層された構造が図示されている。
また、フィルム表面を直接的に食刻する方法には、物理的方法と化学的方法とがある。このうち物理的方法は、比較的工程が単純であり、より細かい凹凸を形成させることができるので好ましい。物理的にフィルム表面を食刻する方法としては、サンドブラスト法や、スクラッチ法が挙げられる。
本発明において、カバーシートのマット面の硬度は、高いことが好ましい。具体的には、鉛筆硬度(JIS K 5600−5−4)がF以上であることが好ましく、H以上であることがより好ましい。本発明者らの検討によれば、筆記シートにおいて、画像を記録した後に消去した場合、カバーシートに画像の痕跡が残ることがあった。この結果、その後に形成される記録画像のコントラスト低下が起きてしまう。ところが、本願発明において、マット面の硬度を適当に設定することによって、そのような問題が改善され、このようなコントラスト低下が抑制される。さらには、カバーシートと粘着層との粘着性が適切となって、画像記録および消去を容易にすることもできる。
カバーシートのマット面を形成した面と反対側の面は、画像記録の際に圧力および応力を受ける。スタンプなどにより加圧する場合には、筆記シートの表面に対して垂直方向の力が印加される。一方、たとえばペンなどによって画像を記録する場合、カバーシートと粘着面とを密着させるために、垂直方向の力が印加されるが、それと同時に、カバーシートの表面とペン先との間に摩擦力が発生する。この結果、カバーシート表面が損傷し、記録される画像のコントラストが低下するおそれがある。このような問題を防止するために、本発明に用いられるカバーシートは、マット面を形成した面と反対側の面に、表面保護層を具備することが好ましい。
このような表面保護層は、カバーシートを構成するフィルムの表面に、表面保護フィルムを積層したり、樹脂材料を含む組成物を塗布して硬化させることなどにより形成させることができる。特に、表面保護フィルムは種々のものが市販されているので、その中から目的に応じたものを用いることが便利である。このような保護フィルムとしては、高い硬度によって表面を保護するもの、表面の摩擦力を低くしてひっかき傷の発生を防止するもの、適当な弾性を有し、物理的衝撃を緩和したり、物理的に一度は損傷を受けながら、自己修復するものなどが挙げられる。高い硬度を有する表面保護フィルムは、たとえば硬質プラスチックからなるフィルムであり、具体的な硬度が、鉛筆硬度でHB以上であることが好ましい。また、摩擦力の低いフィルムとしては、たとえば表面が平滑な高分子量ポリエチレンからなるフィルムが挙げられ、具体的には、その表面の摩擦係数が0.15以下であることが好ましい。また、物理的衝撃を緩和する、または自己修復するフィルムは、柔軟な構造を有する、シリコーン樹脂などの高分子材料からなるフィルムである。本発明において保護フィルムはこれらのいくつかの特性を兼ね備えた表面保護フィルムを用いることが好ましい。このようなフィルムは、たとえばタフトップ自己修復コートフィルムSR−TEBF(商品名、東レフィルム加工株式会社製)、トークロHCフィルムハードコート品 HC1000(東洋クロス株式会社製)など、各種のものが市販されている。
カバーシートの厚さは、高い透明性を達成し、かつ画像記録の際の圧力をカバーシートと粘着層との界面に伝達するためには薄いことが好ましく、物理的強度を高くするためには厚いことが好ましい。このような観点から、カバーシートを構成する主たるフィルムの厚さは38〜100μmであることが好ましく、50〜75μmであることがより好ましい。また、マットコート層を設ける場合、目的とする表面粗さを得るにはマットコート層を厚くすることが好ましく、カバーシートの透明性を維持するためにはマットコート層が薄いことが好ましい。このような観点から、マットコート層の厚さは2〜20μmであることが好ましく、5〜10μmであることがより好ましい。また、表面保護層を設ける場合、表面保護層の厚さは0〜100μmであることが好ましく、25〜50μmであることがより好ましい。
本発明を諸例を用いて説明すると以下のとおりである。
なお、図面の説明においては、図面における上方、すなわちカバーシートにおけるマット面と反対側を上と表現し、図面における下方、すなわち基材における粘着層と反対側を下と表現する。
[実施例1]
略扇形状で厚さが50μmのポリエステル製フィルム(コアプレート)に、シリコーン系粘着剤(LTC 755 Coating(商品名)、東レ・ダウコーニング株式会社)90部、シリコーン系粘着剤(SD 4580 PSA(商品名)、東レ・ダウコーニング株式会社)10部、白金触媒(NC−25(商品名)、東レ・ダウコーニング株式会社)0.7部をトルエンに溶解させ、その溶液を十分に攪拌後、アプリケーターにて塗工し、120℃で2分間硬化して、厚みが15μmの透明な粘着層113をフィルム表面に形成させた。さらに、前記粘着層113の反対側面に黒色紙を積層して、基材110を得た。
また、略扇形状で厚さが50μmのポリエステル製フィルムの裏面に、ポリエステルメラミン樹脂とシリカ微粒子を含むコーティング液をコーティングし、表面にマット面を形成したカバーシート120を得た。このシートのマット面121の算術平均高さSaは0.15μm、ヘーズ値は72.8、鉛筆硬度はHであった。
この基材110とカバーシート120とを組み合わせて、略扇形状の筆記シート100を作成した。
次に、この筆記シート100を用いて、図4ならびに図5に示すように筆記ボード1を作成した。
略扇形状の底板320をABS樹脂で形成し、その上面に筆記シート100の基材110側を貼着した。
次いで、略長板状の消去部210を有する消去体200をABS樹脂で形成し、該消去部210が筆記シート100の基材110とカバーシート120との間に位置するように配置した。
次いで、上面と前面と側面とを有し、該上面に略扇形状の開口部311と上面の扇沿縁に沿った弧状溝312とが設けられた略扇形状のケース310をABS樹脂で形成し、カバーシート120の上面外周部と開口部311の周縁の下面とを貼着すると共に開口部311からカバーシート120の表面を露出させて筆記面124とし、ケース310を底板320に連結した。
次いで、ABS樹脂で形成した略円柱形状の揺動軸220を、ケース310の略扇形状の要部分ならびに消去部210の一方の端部を貫通させ且つ底板320の略扇形状の要部分に連結して、消去体200をケース310ならびに底板320に対して揺動軸220を中心に揺動自在に係合した。
次いで、ABS樹脂で形成した略円柱形状の操作部230を、ケース310の上面に設けられた弧状溝312を貫通させ且つ消去部210の前記端部とは異なるもう一方の端部に連結した。
この筆記ボード1の筆記面124に、砲弾型の繊維加工ペン体で形成した筆記先端(図示せず)によって筆記を行ったところ、筆記シート100の基材110とカバーシート120とが密着して、画像400が記録された。
次いで、消去体200の操作部230を操作したところ、消去体200はケース310ならびに底板320に対して揺動軸220を中心に揺動可能に取り付けられているために、ガタつきなどがなく安定して揺動し、消去部210によって、画像400の部分で密着した基材110とカバーシート120とが引き剥がされ、画像400がスムーズに消去された。
また、消去部210が、揺動軸220と操作部230との間に位置していることにより、筆記シート100に多くの画像が記録されている場合であっても、揺動軸220が「てこの原理」における支点として働き、操作部230が「てこの原理」における力点として働き、消去部210が「てこの原理」における作用点として働いて、軽い力で消去体200を動作させて画像を消去することができた。
また、消去部210が、揺動軸220と操作部230との間に位置していることにより、消去体200の操作部230を操作する際に、消去体200が揺動軸220と操作部230を把持した手とで支えられて揺動して、消去体200および消去部210の歪みや撓みが生じず、消去体200の動作がより安定した。
[評価]
経時保存性
筆記シートを組み立てた後、静置して、状態変化を目視により評価した。
A: 粘着層とマット層の貼り付きがなく良好。
B: 粘着層とマット層が時間とともに貼り付く。
C: 粘着層とマット層が貼り付いてしまう。
筆記性能
砲弾型の繊維加工ペン体で形成した筆記先端によって筆記した時の記録画像を目視で評価した。
A: 良好な記録画像が得られる。
B: 記録画像が得られるがコントラストが低い。
C: 筆記しても記録画像が残らないか、筆記直後に自然に消滅した。
消去性能
画像の記録後に、消去体の操作部を操作して消去体を揺動させ、筆記シートの基材とカバーシートとの間で消去体の消去部を移動させて、マット層と粘着層とを剥離して、記録画像を消去した時の引き剥がし性を評価した。
A: 軽度な力で容易に、かつきれいに記録画像が消去できる。
B: 大きな引き剥がし力がないと画像が消去できない。または、大きな剥離音がする。
C: 消去時にカバーシートまたは粘着層が損傷する。
記録性能
画像を記録後、1日経過後の記録画像を目視評価した。
A: 記録画像の変化が認められない。
B: 記録直後に比較して画像が不鮮明になった。
C: 記録画像が視認できない(画像が消失していた)。
Figure 2020163698
1 筆記ボード
100 筆記シート
110 基材
111 着色支持体
111a 着色層
111b コアプレート
112 中間層
113 粘着層
120 カバーシート
121 マット面
121a マットコート層
122 フィルム基材
123 表面保護層
124 筆記面
200 消去体
210 消去部
220 揺動軸
230 操作部
300 筆記先端
310 ケース
311 開口部
312 弧状溝
320 底板
400 画像

Claims (5)

  1. 基材と、透明カバーシートとを有してなり、且つ前記基材に設けられた第一密着面と前記透明カバーシートに設けられた第二密着面とが対向するように配置され、前記透明カバーシートの表面に圧力を加えることにより前記第一密着面と前記第二密着面とが密着し、前記密着した部分を画像として外部から視認可能となる筆記面を具備した筆記シートと、
    前記第一密着面と前記第二密着面との間に、密着した第一密着面と第二密着面とを引き剥がすように移動可能に配された消去部を有する消去体とを備える筆記ボードであって、
    前記消去体が、揺動軸と、操作部と、消去部とを有し、該揺動軸を中心に揺動可能に取り付けられてなることを特徴とする、筆記ボード。
  2. 前記消去部が、前記揺動軸と前記操作部との間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の筆記ボード。
  3. 前記第一密着面および/または前記第二密着面が粘着性を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の筆記ボード。
  4. 前記第一密着面および/または前記第二密着面をマット状に形成してなることを特徴とする、請求項1または2に記載の筆記ボード。
  5. 前記マット状に形成された前記第一密着面および/または前記第二密着面の算術平均高さSaが0.10〜0.50μmであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の筆記ボード。
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