JP2019116045A - 筆記シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高いコントラストの画像を記録することができ、経時による画像のコントラストの変化が少なく、また記録および消去が容易な筆記シートの提供。【解決手段】本発明による筆記シートは、着色支持体と、その表面に形成された粘着層とを具備してなる基材と、片側表面にマット面が形成された透明カバーシートとを具備し、前記粘着層と、前記マット面とが接触するように配置されている。そのマット面の硬度が鉛筆硬度F以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、加圧された部分の色濃度が変化して画像が記録でき、さらにその画像を容易に消去して復元できる、繰り返し筆記および消去が可能な筆記シートに関するものである。
従来から、粘着性表面を有する基材と、その上に設けられた透明なカバーシートとから構成され、カバーシートの上から加圧することで、加圧された部分の基材とカバーシートとが密着し、密着部分に画像が記録できる筆記シートが知られている。また、非粘着性の基材と、その上に設けられた粘着性表面を有する透明なカバーシートとから構成される筆記シートも知られている。このような筆記シートは、基材とカバーシートとを引きはがすことによって画像が消去され、初期状態に復元することができる。したがって、記録と消去が繰り返し行うことができる。
このような筆記シートは、記録シート、店舗等のディスプレイ、知育玩具、教育材料などに応用が可能であり、種々の製品が研究および開発されている。例えば、特許文献1〜2には、繰り返し記載可能なシートや教習遊具が開示されている。
特開2010−042618号公報 特開2001−142387号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、これらの筆記シートは、記録される画像のコントラストが低かったり、記録された画像のコントラストが経時により低下したり、また密着性が過度に高く剥離が困難であったり、剥離の際に基材またはカバーシートが損傷を受けるなどの問題が起こることがあり、さらなる改良が必要であった。
本発明による筆記シートは、
着色支持体と、その表面に形成された粘着層とを具備してなる基材と、
フィルムを具備してなり、前記フィルムの片側表面にマット面が形成された透明カバーシートと
を具備してなり、前記粘着層と、前記マット面とが接触するように配置された筆記シートであって、
前記マット面の硬度が鉛筆硬度F以上であることを特徴とするものである。
本発明によれば、高いコントラストの画像を記録することができ、経時による画像のコントラストの変化が少なく、画像の記録および消去を繰り返したときに、記録画像のコントラストが一定であり、さらに記録および消去が容易な筆記シートが提供される。
本発明による筆記シートの概念断面図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[筆記シート]
本発明による、ひとつの実施態様による筆記シートの概念断面図は図1に示すとおりである。この筆記シート100は、基材110とカバーシート120とを具備しなる。基材110とカバーシート120は、面が対向するように配置される。ここで、基材とカバーシートとは、相互に分離しないように、末端が接着または固定されていてもよく、また相互に結合されずに独立のものであってもよい。基材とカバーシートとが相互に結合されていない場合には、これらの組み合わせを筆記シートという。
この筆記シートは、画像を記録する前の初期状態では、基材とカバーシートとが密着しておらず、それらの界面に空気層が存在する。
画像を記録する場合には、カバーシートの上部から所望の部分に加圧する。加圧された部分の直下で基材とカバーシートとが密着する。その結果、基材とカバーシートとの界面に存在していた空気層が実質的になくなり、界面の屈折率が変化する。
この結果、未加圧部分の界面と、加圧部分の界面とで屈折率が変わり、コントラストが生じて、画像が記録される。一般的には、加圧された部分では基材の色彩がカバーシート上部から認識できるようになる。加圧する方法は任意であり、樹脂材料などからなるペンで文字状に加圧したり、スタンプのようなレリーフを押しつけて模様を転写する方法などがある。
そして、基材からカバーシートを引きはがすことによって、界面に再び空気層が生じて、画像が消去される。カバーシートを引きはがず方法は任意であり、カバーシートを末端から引き上げたり、基材とカバーシートとの間にバーを挿入して移動したりすることができる。
このように、本発明による筆記シートは画像の記録と消去とを繰り返し行うことができるものである。
[基材]
本発明に用いられる基材は、着色支持体111と、カバーシートに対向する面に粘着層113を具備してなるものである。粘着層113は、画像記録時にカバーシートと密着する層であり、密着することによって、例えば着色支持体111の色彩が筆記シート表面から観察できるようになる。
粘着層113は着色支持体111の少なくとも一方の面に形成される。着色支持体の両側面にそれぞれ粘着層を設けて、それぞれの面に対向する2枚のカバーシートを組み合わせれば、両側に記録可能な筆記シートとすることもできる。
ここで着色支持体は特に限定されないが、画像記録時に筆記シートの表面から観察される画像のコントラストを高く保つために、着色されていることが必要である。また、筆記シートに物理的に十分な強度を付与するために、着色支持体には強度も要求される。
このような観点から、図1に示すように、ひとつの実施形態において、コアプレート111bと着色層111aとを具備する着色支持体を用いることができる。物理的に十分な強度を有するコアプレートを用いることで、コストや色彩に応じて種々の着色層を選択することが可能となる。このとき、コアプレートは十分な物理的強度を有するものが好ましく、従来知られている任意の材料から選択することができる。例えば、ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂から選択することができ、より具体的には、(i)ポリオレフィン樹脂フィルムとしては、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などから、(ii)ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂などから選択することができる。これらのうち、ポリエステル系樹脂が好ましく、強度や加工性の点からPET樹脂が特に好ましい。
これらフィルムの表面には、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理、下塗り剤の塗布(下塗り層の形成)等の、従来公知の表面処理が施されていてもよい。
コアプレートの厚さは、特に限定されないが、物理的に十分な強度を達成するために、厚さが50〜250μmであることが好ましい。
これらのコアプレートは、無色透明であっても、有色透明であっても、不透明であってもよい。コアプレートが無色透明である場合には、着色層と積層されていることが好ましい。いずれの場合においても、着色支持体は、全体として不透明であることが好ましい。なお、本発明において不透明であるとは、400〜760nmの波長領域全体にわたって、透過率が80%未満、好ましくは60%未満であることをいう。一方で無色透明であるとは、その波長領域の少なくとも一部、好ましくは全領域に渡って、透過率が80%以上、好ましくは90%以上であることをいう。さらに有色透明とは、その波長領域の一部に透過率が80%未満の領域があることをいう。
着色支持体を不透明とするために、着色層を用いる場合には、着色層は、着色されたシート状材料などを透明なコアプレートと貼り合わせてもよいし、透明なコアプレートの表面に着色層を塗布して形成させてもよい。
着色されたシート状材料としては、例えば着色された紙、染色された樹脂フィルム、着色粒子が分散された樹脂材料からなるフィルム、着色された繊維集合体などが挙げられる。着色層を塗布により形成させる場合には、着色された粒子が分散されたバインダーを含む組成物を塗布し、さらに乾燥または硬化させて、着色層を形成させることができる。着色された粒子とは、無機顔料粒子、金属粉、金属酸化物粉などが挙げられる。
なお、着色支持体として金属板または着色層として金属層を具備する着色支持体を用いることもできる。このような金属様表面を着色支持体に用いた場合には、特殊な効果を得ることができる。この場合には、筆記により得られる画像のコントラストは比較的低い。ところが、その記録画像を複写機により複写すると、コントラストの高い画像が複写される。このような効果を利用することで、すかし絵の効果を得ることができる。
着色支持体のカバーシート側表面は平滑性が高いことが好ましい。その面の上には、後述するように粘着層が設けられるが、最終的にこの粘着層の表面の平滑性が高いことが好ましいので、その下地となる着色支持体のカバーシート側表面も平滑性が高いことが好ましい。このような観点から、着色支持体のカバーシート側表面は、樹脂製のコアプレートであることが好ましい。したがって、着色支持体がコアプレートと着色層とが積層された構造を有する場合には、図1に示すように、着色層はカバーシートが対向する面とは反対側の面に形成されることが好ましい。
基材110は粘着層113を具備する。この粘着層113を基材110の表面に形成するのに先だって、基材と粘着層との接着性を改善するために、中間層112を設けることができる。筆記シートは、使用に際して、粘着層とカバーシートとの密着と剥離を繰り返すため、粘着層が基材表面から剥離することがあるが、中間層を設けることでこのような問題を改善することができ、また筆記シートの保存安定性を改良することもできる。
中間層に用いる材料としてはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルグラフトポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などの各種樹脂が挙げられる。この中間層は、たとえばポリエステル樹脂によって形成することができる。中間層の厚さは、厚くすることによって基板と粘着層との接着性を改良でき、薄くすることで画像記録時に着色支持体の色彩が再現されやすくなる。このような観点から、中間層の厚さは0.05〜1.0μmであることが好ましい。
本発明に用いられる基材において、着色支持体の表面に直接、または表面の上に中間層を介して、粘着層が形成されている。粘着層は、画像記録時にカバーシートと密着することによって、画像が記録される。したがって、画像の記録安定性の観点からは、粘着力が高いことが好ましいが、過度に高いと、消去時にカバーシートの剥離が困難になったり、剥離の際に不快な音を発生したり、粘着層またはカバーシートを損傷する可能性がある。さらには、筆記シートを放置している状態にもかかわらず、カバーシートと粘着層とが密着してしまい、意図しない画像が記録されることもある。このため、粘着層の粘着力は、1.0〜5.0N/mであることが好ましく、1.5〜4.0N/mであることがより好ましい。ここで粘着力は、JIS−Z0237 方法1に示された、試験板に対する180°引き剥がし粘着力測定に従って測定することができる。
このような粘着層は、一般的には、粘着剤組成物に、必要に応じて触媒などを混合してから着色支持体またはコアプレートに、必要に応じて中間層を介して塗布し、加熱などを行って反応させることによって形成させる。
粘着層の材料として、従来知られている粘着剤から任意のものを選択することができる。
このような粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤等の各種粘着剤が挙げられる。
これらのうち、シリコーン系粘着剤は、主骨格がシロキサン結合を主体したポリマーを主成分とするものである。シリコーン系粘着剤は、適当な粘着性を示すものが多く、また耐薬品性、耐水性、耐熱性に優れているので好ましい。さらに、シリコーン系粘着剤は、圧力による粘着力変化が小さいことも好ましい理由である。また、ウレタン系粘着剤は、イソシアネート化合物とヒドロキシ化合物を縮合させたポリマーを主成分とするものである。剥離性にすぐれているので好ましい粘着剤であるが、粘着力がシリコーン系粘着剤よりも高いことが多く、粘着性の調整が必要な場合がある。また、ウレタン系粘着剤を用いると、画像記録時に加える圧力に依存して、カバーシートと粘着層との粘着力が変わる傾向にある。このため、カバーシートの剥離に要する力の均一性や、記録される画像のコントラストの均一性が重視される場合には、シリコーン系粘着剤を用いることが好ましい。
このような方法に用いられる粘着剤は、種々のものが市販されており、それらから好適なものを選択して使用することができる。具体的には、シリコーン系粘着剤としては、LTC755、SD4580PSAなど(いずれも商品名、東レ・ダウコーニング株式会社より販売)、KR3700、KR3701、KR3704(いずれも商品名、信越化学工業株式会社より販売)が挙げられ、これに組み合わせる触媒としては、NC−25 Catalyst(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社より販売)、CAT−PL−50T(商品名、信越化学工業株式会社より販売)が挙げられる。また、ウレタン系粘着剤としては、サイアバインシリーズSH−101M、SH−101、SP−205(いずれも商品名、トーヨーケム株式会社より販売)が挙げられ、それに組み合わせる触媒としてはサイアバイン T501B(多官能イソシアネート系架橋剤)(商品名、トーヨーケム株式会社より販売)が挙げられる。
シリコーン系粘着剤に組み合わせる触媒は、架橋密度を調整することができるので白金を含む貴金属触媒が好ましく、特に白金−ルテニウム合金、白金−パラジウム合金、白金−チタニウム合金等が好適に用いられる。
粘着剤組成物を塗布する方法は特に限定されず、例えば、グラビアロールコーター、ダイコーター、バーコーター等の、従来公知のコーターを用いて行うことができる。あるいは、含浸やカーテンコート法等により粘着剤組成物を塗布してもよい。
塗布後、架橋反応を促進させ、製造効率を向上させるために、加熱を行うことが好ましい。加熱温度は、一般的には40〜150℃、好ましくは60〜130℃の範囲から選択される。
粘着層の厚さは、厚いほうがカバーシートと密着しやすく、薄いほうが画像記録時に着色支持体の色彩が再現されやすく、また生産コストが低くなる。このため、粘着層の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。また、粘着層の表面は、平滑であることが好ましい。
なお、粘着層が着色されていてもよい。着色支持体の色彩と粘着層の色彩とを異なったものとすることによって、粘着層の色彩と着色支持体の色彩とで合成された色彩で画像を記録することが可能になる。また、着色支持体の色彩と粘着層の色彩とを同じものとすることによって、粘着層の色濃度と着色支持体の色濃度との組み合わせでより濃度の高い色濃度で画像を記録することが可能になる。またさらには、粘着層に着色層の機能を持たせることもできる。すなわち粘着層に高濃度の色彩を付与することで、着色層を別途設けることを省略することも可能である。
[カバーシート]
本発明に用いられるカバーシート120は、粘着層113と密着した際に、基材の色彩が筆記シートの表面から観察できる必要がある。このため、カバーシートは透明である必要がある。一般的にはカバーシートは無色透明であることが好ましい。カバーシートが400〜760nmの波長範囲全体にわたって高い透過率を有することにより、基材に施された着色に忠実な画像記録が可能となる。ただし、カバーシートに着色することも可能である。400〜760nmの波長範囲の一部に透過性があるカバーフィルムを用いれば、基材に施された色彩と異なった色彩で画像を記録することが可能となる。
このようなカバーシートは、一般的には透明なフィルムを具備してなる。カバーシートには透明性だけでなく、物理的強度も要求されるため、前記した着色支持体において例示した材料からなるフィルムが好ましく用いられる。
本発明においてカバーシートの粘着層側表面にはマット面が形成されている。このマット面の表面形状によって、筆記シートの特性が大きく変動する。
本発明による筆記シートにおいて、マット面の算術平均高さSaが大きいとマット調表現が容易となり、また筆記シートを放置しても、カバーシートと粘着層とが密着してしまうことが少なく、Saが小さいとコントラストの高い画像が形成できる傾向にある。このような観点から、本発明において、マット面の算術平均高さSaは0.10〜0.50μmであることが好ましく、0.15〜0.30μmであることがより好ましい。
なお、算術平均粗さSaは三次元粗さ計によって測定することができる。具体的には、これらの測定にはレーザー顕微鏡 LEXT−OLS4100(商品名、オリンパス株式会社製)を用いることができる。
さらにマット面に存在する凹凸は、画像記録をする前の状態で、粘着層とカバーシートが密着することを防ぎ、また画像記録の際には粘着層とカバーシートとの間の密着性を適切に維持し、さらに画像消去の際には容易に剥離が可能となる。このようなマット面とするためには、ヘーズ値が70〜95%であることが好ましい。ヘーズ値はヘーズメーター TC−HIII(商品名 有限会社東京電色社製)により測定することができる。
カバーシート120の表面にマット面121を形成する方法は特に限定されないが、カバーシートの主たる構造物であるフィルムの表面を、直接的に食刻する方法、凹凸を有するフィルムと積層する方法、微粒子が分散された樹脂組成物をフィルム表面に塗布し、乾燥または硬化させて凹凸のある面を形成させる方法、加熱などにより気泡を生じる化合物を含む組成物をフィルム表面に塗布し、加熱などによって組成物層の中に気泡を生じさせて表面に凹凸を形成させる方法などが挙げられる。また、カバーフィルムとして、微粒子が分散された樹脂組成物をフィルム状に成形することによっても、表面にマット面が形成されたカバーシートを得ることができる。
これらのうち、マット面の粗さの制御が容易であることから、微粒子を分散させた樹脂組成物を用いることが好ましい。特に、シリカなどの透明性の高い微粒子が分散された樹脂組成物をフィルムの表面に塗布し、加熱して樹脂を硬化させる方法が、品質の安定性やカバーフィルムの特性の面から好ましく採用される。微粒子は、有機材料であっても無機材料であってもよい。微粒子に用いる有機材料としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂などが挙げられる。また、微粒子に用いる無機材料としては、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、金属フレーク、金属酸化物フレークなどが挙げられる。これらのうち、特にマイカ、金属フレークまたは金属酸化物フレークを用いると、画像記録時に生じる色がメタリック色となり、美麗な画像が記録されるという特徴がある。なお、この場合には、着色層を濃度の高い色、典型的には黒色とすることで、コントラストが大きくなり、メタリック色がより美麗に観察されるので好ましい。
これらの微粒子の平均粒子径は0.05〜5.0μmであることが好ましい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折法(原理)により、体積基準で測定したものであり、例えばMICROTRAC9320−X100(Honeywell社製)により測定することができる。
また、組成物のバインダーとして用いられる樹脂としては、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、アクリルメラミン樹脂、ポリエステルメラミン樹脂、アクリルウレタン樹脂などは物理的強度および光学特性の面で優れていると考えられ、好ましく用いられる。
さらにこれらを溶解または分散させる溶媒としては、トルエンやメチルエチルケトンなどが挙げられる。
図1には、いずれかの方法によってフィルム122の表面に、マット面121を有するマットコート層121aが積層された構造が図示されている。
また、フィルム表面を直接的に食刻する方法には、物理的方法と化学的方法とがある。このうち物理的方法は、比較的工程が単純であり、より細かい凹凸を形成させることができるので好ましい。物理的にフィルム表面を食刻する方法としては、サンドブラスト法や、スクラッチ法が挙げられる。
本発明において、カバーシートのマット面の硬度は、鉛筆硬度(JIS K 5600−5−4)がF以上であり、H以上であることが好ましい。本発明者らの検討によれば、筆記シートにおいて、画像を記録した後に消去した場合、カバーシートに画像の痕跡が残ることがあった。この結果、その後に形成される記録画像のコントラスト低下が起きてしまう。ところが、本願発明において、マット面の硬度を適当に設定することによって、そのような問題が改善され、このようなコントラスト低下が抑制される。さらには、カバーシートと粘着層との粘着性が適切となって、画像記録および消去を容易にすることもできる。
カバーシートのマット面を形成した面と反対側の面は、画像記録の際に圧力および応力を受ける。スタンプなどにより加圧する場合には、筆記シートの表面に対して垂直方向の力が印加される。一方、例えばペンなどによって画像を記録する場合、カバーシートと粘着面とを密着させるために、垂直方向の力が印加されるが、それと同時に、カバーシートの表面とペン先との間に摩擦力が発生する。この結果、カバーシート表面が損傷し、記録される画像のコントラストが低下するおそれがある。このような問題を防止するために、本発明に用いられるカバーシートは、マット面を形成した面と反対側の面に、表面保護層123を具備することが好ましい。
このような表面保護層は、カバーシートを構成するフィルムの表面に、表面保護フィルムを積層したり、樹脂材料を含む組成物を塗布して硬化させることなどにより形成させることができる。特に、表面保護フィルムは種々のものが市販されているので、その中から目的に応じたものを用いることが便利である。このような保護フィルムとしては、高い硬度によって表面を保護するもの、表面の摩擦力を低くしてひっかき傷の発生を防止するもの、適当な弾性を有し、物理的衝撃を緩和したり、物理的に一度は損傷を受けながら、自己修復するものなどが挙げられる。高い硬度を有する表面保護フィルムは、例えば硬質プラスチックからなるフィルムであり、具体的な硬度が、鉛筆硬度でHB以上であることが好ましい。また、摩擦力の低いフィルムとしては、例えば表面が平滑な高分子量ポリエチレンからなるフィルムが挙げられ、具体的には、その表面の摩擦係数が0.15以下であることが好ましい。また、物理的衝撃を緩和する、または自己修復するフィルムは、柔軟な構造を有する、シリコーン樹脂などの高分子材料からなるフィルムである。本発明において保護フィルムはこれらのいくつかの特性を兼ね備えた表面保護フィルムを用いることが好ましい。このようなフィルムは、例えばタフトップ自己修復コートフィルムSR−TEBF(商品名、東レフィルム加工株式会社製)、トークロHCフィルムハードコート品 HC1000(東洋クロス株式会社製)など、各種のものが市販されている。
カバーシートの厚さは、高い透明性を達成し、かつ画像記録の際の圧力をカバーシートと粘着層との界面に伝達するためには薄いことが好ましく、物理的強度を高くするためには厚いことが好ましい。このような観点から、カバーシートを構成する主たるフィルムの厚さは38〜100μmであることが好ましく、50〜75μmであることがより好ましい。また、マットコート層を設ける場合、目的とする表面粗さを得るにはマットコート層を厚くすることが好ましく、カバーシートの透明性を維持するためにはマットコート層が薄いことが好ましい。このような観点から、マットコート層の厚さは2〜20μmであることが好ましく、5〜10μmであることがより好ましい。また、表面保護層を設ける場合、表面保護層の厚さは0〜100μmであることが好ましく、25〜50μmであることがより好ましい。
本発明を諸例を用いて説明すると以下のとおりである。
[実施例1]
厚さ50μmのポリエステル製フィルム(コアプレート)に、シリコーン系粘着剤(KR3704(商品名)、信越化学工業株式会社)100部、白金触媒(CAT−CL−50T(商品名)、信越化学工業株式会社)1.5部をトルエンに溶解させ、その溶液を十分に攪拌後、アプリケーターにて塗工し、120℃2分硬化して、厚みが15μmの透明な粘着層をフィルム表面に形成させた。この粘着層の粘着力は1.37N/mであった。さらに粘着層の反対側面に黒色紙を積層して、基材を得た。
また、厚さ50μmのポリエステル製フィルムの裏面に、ポリエステルメラミン樹脂とシリカ微粒子を含むコーティング液をコーティングし、表面にマット面を形成したカバーシートを得た。
この基材とカバーシートとを組み合わせて、筆記シートを作製した。
[実施例2〜3および比較例1〜3]
実施例1に対して、マット面の形成に用いた樹脂の種類や硬化条件を変更して、マット面の硬度が異なる試料を作製した。
初期コントラスト
ゴム製ペン先にて、カバーフィルム上から筆記し、分光測色計CM3600d(商品名、コニカミノルタ株式会社製)により未記録部分および記録部分の明度Lを測定し、その差ΔL を初期コントラストとした。
50回試験後コントラスト
初期コントラストを測定後、消去および筆記を50回繰り返した。50回目の筆記後の未記録部分および記録部分の明度Lを測定し、その差ΔL 50を50回試験後コントラストとした。
コントラスト変化
初期コントラストΔL と繰り返し50回後のコントラストの差L 50との差L −L 50との差をコントラスト変化とした。
Figure 2019116045
100 筆記シート
110 基材
111 着色支持体
111a 着色層
111b コアプレート
112 中間層
113 粘着層
120 カバーシート
121 マット面
121a マットコート層
122 フィルム基材
123 表面保護層

Claims (8)

  1. 着色支持体と、その表面に形成された粘着層とを具備してなる基材と、
    フィルムを具備してなり、前記フィルムの片側表面にマット面が形成された透明カバーシートと
    を具備してなり、前記粘着層と、前記マット面とが接触するように配置された筆記シートであって、
    前記マット面の硬度が鉛筆硬度F以上であることを特徴とする、筆記シート。
  2. 前記マット面の算術平均高さSaが0.10〜0.50μmである、請求項1に記載の筆記シート。
  3. 前記マット面が、前記フィルムの表面に配置された微粒子含有層の表面である、請求項1または2に記載の筆記シート。
  4. 前記マット面が、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂からなる群から選択されるバインダーと微粒子とを含む、請求項3に記載の筆記シート。
  5. 前記粘着層が、シリコーン系粘着剤を含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の筆記シート。
  6. 前記粘着層の粘着力が1.0〜5.0N/mである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の筆記シート。
  7. 前記カバーシートが、前記フィルムとその表面に形成されたマットコート層とを具備してなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の筆記シート。
  8. 前記カバーシートの、マット面を形成した面と反対側の面に、表面保護層をさらに具備する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の筆記シート。
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