JP5164007B2 - 近接露光装置 - Google Patents

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本発明は、液晶パネル等のカラーフィルタの製造に用いるフォトマスク及びそれを用いた露光装置に関するものであり、詳しくは、複数の小型のフォトマスクから構成されるフォトマスクユニットを被露光対象に近接対向させた露光装置に関するものである。
液晶表示装置の基板(例えば、カラーフィルタ基板など)は、図11に示すように1枚の多面取り露光用基板上に、露光形成された有色画素(赤、青、緑)が存在する複数のアクティブ領域(以下、単に「クティブ領域」という。)と、この複数のクティブ領域の間の前記有色画素が存在しない領域(以下、単に「非アクティブ領域」という。)から、アクティブ領域を分離することによって得ている。
そして、上記露光に用いられる露光装置には、(1)露光用基板と同等な大きさのフォトマスクを用いて一括露光を行う方式のもの(特許文献1)、(2)前記クティブ領域の1つの領域を同等なフォトマスクを多面取り露光用基板に対し、相対的にステップ移動をさせて逐次露光する方式のもの(特許文献2)がある。
また、近年の多面取り露光用基板の大型化に対応するため、(3)露光用基板の露光領域より小さなフォトマスクを、多面取り露光用基板に対し相対的に連続移動させながら露光する方式のもの(特許文献3)が用いられている。
特開平07−201711号 特開2003−270795号 特開2007−310007号
ところが、前記(1)、(2)の方式では、上記多面取り露光用基板の非アクティブ領域と非アクティブ領域に合わせたフォトマスクを用いる必要があり、非アクティブ領域と非アクティブ領域の夫々の位置、割合が異なる多面取り露光用基板ごとにフォトマスク全体を交換しなければならないという問題があった。
一方、前記(3)の方式では、フォトマスクを、多面取り露光用基板に対し相対的に連続移動させながら、露光を行うものであるが、赤、青、緑の有色画素が千鳥に配列されたものの他、前記有色画素がストライプ状に配列されたものであっても、露光形成されるカラーフィルタの平坦度をよくするために、前記フォトマスクの露光パターンは、図3に示すような形状のものが用いられ、露光光(露光用レーザ光)には、多面取り露光用基板の移動に合せて、間欠照射を行うフラッシュランプが用いられている。
しかし、前記フォトマスクの下方を前記アクティブ領域と非アクティブ領域とが連続して通過するため、前記フォトマスクが前記アクティブ領域と非アクティブ領域を跨る際に、前記フォトマスクの前記非アクティブ領域に相当する部分を遮光し、それ以外の部分は遮光をしないように、前記フォトマスクに設けたシャッターを作動させるが、図4(h)に示すよう、シャッターが元の位置に戻る際に、露光用レーザ光を横切るため、露光用レーザ光の一部が遮光されることにより、露光光量が低下する場合がある。
そこで本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、露光用基板の露光領域より小さな、シャッターを有するフォトマスクを、多面取り露光用基板に対し相対的に連続移動させながら非露光領域(非アクティブ領域)を適切に遮光するとともに、シャッター戻り時のアクティブ領域の露光光量の低下を防止できる露光装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の露光装置は、被露光体を上面に載置して、所定の方向に前記被露光体を搬送する搬送ステージと、前記ステージの上方に配設され、所定の露光パターンを有するフォトマスクを前記被露光体に近接対向させて保持するマスクステージと、前記マスクステージに保持されたフォトマスクに露光用レーザ光を照射するレーザ光源と、前記マスクステージとレーザ光源との間に配設され、露光用レーザ光を拡大して前記フォトマスクに直角に照射する光学系と、前記レーザ光源と前記光学系との間に配設され、露光用レーザ光の偏光方向を切替え可能にする偏光切替え手段と、前記マスクステージと前記光学系との間に配設された複数の偏光板と、前記複数の偏光板のそれぞれを、前記所定の方向に平行に移動させる駆動手段と、を有する近接露光装置であって、前記偏光板の偏光方向が、露光用レーザ光の偏光前又は偏光後の偏光方向と直交することを、特徴としている。
本発明の露光装置によれば、前記フォトマスクの上方に配設された偏光板の偏光方向が、前記レーザ光の偏光前または偏光後の偏光方向と直交するため、前記レーザ光源から放射される露光用レーザ光の偏光方向を切替えることによって、前記偏光板での露光用レーザ光の遮光または透過が選択できる。
これによって、図4に示すように、非アクティブ領域を遮光する際には、前記偏光板による露光用レーザ光の遮光(図5(b))を行い、偏光板を元の位置に戻す際には、前記偏光切替え手段(図2)によって露光用レーザ光の偏光方向を切替えて、露光用レーザ光が前記偏光板を透過できる状態にしてから、前記偏光板を元の位置に戻すことができるため、前記偏光板が元の位置に戻る際に、前記露光用レーザ光の一部が遮光されることなく、露光光量が維持される。
以下、本発明の一実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る近接露光装置1を示す概念図である。
近接露光装置1は、露光用光源ユニット2と、フォトマスクユニット3と、シャッター部4、露光対象基板を搬送するワーク搬送装置5と、撮像手段6と、これらを制御する制御装置7と、を備えている。
以下の説明では、前記露光対象基板が、感光性樹脂としてのカラーレジストを塗布したカラーフィルタ基板(以下、単に「ワークW」という。)の場合について述べる。
ワークWは、図11に示すように、透明なガラス基板W1の一面にクロム等からなる不透明膜で構成されたブラックマトリックスW2と、このブラックマトリックスW2に略碁盤目状に設けられた多数の有色画素予定部(以下、単に「ピクセル」という)WPとから構成される複数のアクティブ領域W3と、各アクティブ領域W3とアクティブ領域W3の間の非アクティブ領域W4x、W4y(ブラックマトリックス部分でもある)とを有しており、上面に赤、青、緑等の感光性樹脂(以下、単に「レジスト」という。)が塗布されているものである。
そして、非アクティブ領域W4xの幅WLxはアクティブ領域W3のピクセルWPのX軸方向のピッチWPxの整数倍の長さに等しくなっており、非アクティブ領域W4yの幅WLyはアクティブ領域W3のピクセルWPのY軸方向のピッチWPyの整数倍の長さに等しくなっている。
また、ワークWには、アクティブ領域W3の外側であって、ワークWの搬送方向(図1の矢印イの方向)の手前側にマークWm1、Wm2が付されている。このマークWm1、Wm2は後述のフォトマスク31との姿勢ずれ(図10の角度α)検知に用いられるものである。
露光用光源ユニット2は、フォトマスクユニット3の上方に配設されており、紫外領域の露光用レーザ光(以下、単に「レーザ光」という。)L1を放射するレーザ発振器2aと、レーザ発振器2aから放射されるレーザ光L1のビーム径を拡張した後に平行光の束にし、フォトマスク31に垂直に照射するための光学系2bと、レーザ発振器2aと光学系2bとの間に配設されて、レーザ発振器2aから放射されるレーザ光L1の偏光方向を切替える偏光切替え手段2cと、を備えている。
レーザ発振器2aは、レーザ光L1を間欠的に放射(以下、単に「間欠放射」という。)するためものであり、具体的には一定の偏光特性を有するYAGレーザの発振器であり、制御装置7に接続されている。
そして、レーザ発振器2aから放射されるレーザ光L1の偏光方向は後述の偏光板P1、P2、P3の偏光方向と90°の角度を成すものである。
また、上記間欠放射のタイミングは、後述のようにワークWがフォトマスクユニット2の下側を通過する際に、ピクセルWPの1ピッチ(図1のWPx、ただし有色画素が千鳥配列になっている場合は、WPxの3倍のピッチ)ごとに照射されるように制御装置7によって制御される。
偏光方向切替え手段2cは、レーザ発振器2aから放射されるレーザ光L1を90°偏光するものであり、その構成は、図2のように、0〜90度(遥動角)の間で遥動可能な扇状の偏光ブレード2c1(レーザ光L1の波長λの1/2)と、偏光ブレード2c1の遥動中心軸に取り付けられた遥動手段(図示せず)と、を有するものとなっており、制御装置7からの信号で90°(OFF状態)又は0°(ON状態)の回転位置が選択されるようになっている。
偏光ブレード2c1を通過したレーザ光L1は、偏光方向が90°回転して、レーザ光L2となり、後述のシャッター部4の各偏光板P1、P2、P3の偏光方向と0°の角度をなすようになる。
そして、この偏光方向切替え手段2cは、露光開始時にはOFF状態(図2、図5(b))になっており、フォトマスク31に照射されるレーザ光L1のままであり、偏光板P1、P2、P3部で遮光される状態になっている。
フォトマスクユニット3は、図3のように、マスクホルダ30と、マスクホルダ30に取付けられたフォトマスク31と、マスクホルダ30のY軸、Z軸方向への移動及びθ軸での遥動を行なうための、マスクホルダ駆動手段32(図1)とを有している。
マスクホルダ駆動手段32は、マスクホルダ30上のフォトマスク31を、所定のギャップ(例えば100〜300μm)を隔てて、ワークWに近接対向させた状態で、保持するためのものであって、マスクホルダ30のY軸、Z軸方向への移動及びθ軸での遥動を行うための、各軸駆動手段(図示せず)を有している。
そして、ワークWの搬送方向イに直角な方向(Y軸方向)の幅に合わせて、Y軸方向に一列に複数のフォトマスクユニット3が配列されている。
フォトマスク31は、紫外光及び可視光を高効率で透過する透明基材31a(例えば石英ガラス)と、透明基材31aに塗布されてレーザ光を遮光する遮光膜31bと、遮光膜31bにマトリックス状に配設されて、レーザ光を透過させる複数のマスクパターン31c(31c1、31c2、31c3)とを有している。
これによって、フォトマスク31に照射されたレーザ光は、遮光膜31bで反射されて、マスクパターン31c以外の面を通ってワークWを照射することがないようになっている。
マスクパターン31cは、ワークWのピクセルWPの形状と略一致した形状を有している。そして、Y軸方向に並列に、ピクセルWPのピッチ(WPy)の3ピッチ間隔と一致した間隔で形成されており、またX軸方向にピクセルWPのピッチWPxと同じピッチで形成されている。
なお、マスクパターン31cのX軸方向(ワークWの搬送方向に平行な方向)の配列数(31c1、31c2、31c3)は、前記レジスト膜の露光特性、一露光パターンあたりのレーザ発振器2aのレーザ光照射回数及びレーザ光の強度等によって最適列数が異なる。
また、マスク駆動手段32は制御装置7に接続されており、後述のように、制御部70からの信号を受けて、マスクホルダ30のY、Z、θ軸(図3c)に沿って、フォトマスク31を移動(Y、Z軸)、回転(θ軸)するようになっている。
シャッター部4は、図6に示すように偏光板P1、P2、P3から構成されており、フォトマスク31の上方に近接して、ワークWの搬送方向(矢印イの方向)上流側(図6に向かって右側)の位置であって、撮像手段6のラインセンサ6Aと距離LD1隔てた、ワークWの搬送方向の下流側(図6に向かって左側)に設けられており、偏光板P1、P2、P3を図4の矢印ロ(図1の矢印イと同じ方向)、ハの方向(矢印ロと逆の方向)にシャッター駆動手段40によって移動されるようになっている。なお、矢印ハの方向には、シャッター駆動手段40によって前記早戻りできるようになっている。
遮光幅(X軸方向)の調整は、これら偏光板P1、P2、P3を、シャッター駆動手段40によって、図4の矢印ロの方向に順に移動させることにより、マスクパターン31cの31c1、31c2、31c3が順に遮光されるようになっている。
また、偏光板P1、P2、P3の枚数は、これに限られず、フォトマスク31の露光パターン31cのX軸方向の個数と非アクティブ領域W4xの幅WLxによって枚数を変えるものである。
そして、偏光板P1、P2、P3のY軸方向の長さは、フォトマスク31のY軸方向の長さと略同じになっている。
シャッター駆動手段40は、制御装置7に接続されており、後述のように、制御部70からの信号を受けて、ワークWの搬送速度Vに合わせて、偏光板P1、P2、P3を順に図4の(a)〜(h)のように移動させるようになっており、(h)以降は偏光板P1、P2、P3が再び(a)の位置(原点位置)に早戻りして(a)〜(h)を繰り返すものである。
なお、偏光板P1、P2、P3の夫々の幅は、図4(d)に示すようにフォトマスク31の露光パターン31cの各列を覆うことができるものであり、偏光板P1、P2、P3が全て広がった状態で、フォトマスク31の露光パターン31cが全て遮光されるようになっている。
また、前記駆動手段には偏光板P1、P2、P3が共に前記原点位置及び(h)の位置(ストローク位置)にあることを検出する原点復帰センサ(図示せず)及びストロークセンサ(図示せず)を備えている。
ワーク搬送装置5は、露光ユニット2の下方に配置されて、ステージ50と搬送手段51とを有している。
ステージ50は上面に気体を噴出する多数の噴出孔(図示せず)と気体を吸引する多数の吸引口(図示せず)を有し、図示しない圧縮気体供給装置及び気体吸引装置に接続されて、気体の噴出、吸引のバランスによりワークWをステージ50の上に浮上させるようになっており、フォトマスク31に対向する部分は、開口しており、この開口部分52には、フォトマスク31による露光位置の手前側の位置(図1に向かって右側)で、ワークWを下側から撮像するための撮像手段6が、ワークWに対向して設けられている。
搬送手段51は、ワークWの一部(ワークWの搬送方向に平行な縁の一方)を図示しない把持手段で把持した状態で、ワークWを矢印イの方向にステージ50上を搬送できるようになっており、更に、ワークWのステージ50上のX軸方向の位置を検出する基板位置センサ(図示せず)を備えている。
また、撮像手段6は、図7に示すように、前記ワークWの搬送方向イに直角な方向に多数の受光素子60aを一列に配列したラインセンサ60と、このラインセンサ60に平行な一直線上に設けられた、2個のフォトセンサ60b1、60b2を備えており、ワークWを下側から撮像して、フォトセンサ60b1、60b2でマークWm1、Wm2を撮像し、更に、前記ラインセンサ60で図9に示すようにピクセルWPの前記エッジPA1、PA2及びエッジPBを撮像するものである。
そして、ラインセンサ60は、前記一列に配列された多数の受光素子60aのうちの所定の受光素子60a1が、フォトマスク31のマスクパターン31cのY軸方向のエッジ31c1Bに対応するように配置されている。(図8)
更に、ラインセンサ60は、初期設定時(露光作業開始前)において、フォトマスク31とX軸方向の距離LDを隔てて、Y軸方向に平行に、ワークWの前記搬送方向上流側に配設されている。この距離LDはラインセンサ60のY軸方向の中心と、フォトマスク31の最初(ワークWの搬送方向の上流側)の露光パターン31c1のX軸方向のエッジ31c1Cとの距離である。(図6)
なお、前記LD1とLDはLD>LD1の関係にある。
制御装置7は、レーザ発振器2aを駆動するレーザコントローラ71と、偏光方向切替え手段2cを駆動する偏光コントローラ72、シャッター駆動手段40を駆動するシャッタコントローラ73、マスクホルダ駆動手段32をコントロールするマスクコントローラ74と、搬送手段51をコンロールする搬送コントローラ75と、撮像手段6からの画像データを処理する画像処理部76と、これらを制御する制御部70とを有している。そして、制御部70には、前記各コントローラ71〜75、画像処理部76の他、前記基板位置センサ、原点復帰センサ、ストロークセンサと外部入力手段77が接続されている。
画像処理部76では、撮像手段6のフォトセンサ60b1、60b2で撮像されたマークWm1、Wm2の画像データと、ラインセンサ60によって撮像されたワークWのピクセルWPの画像データを受け取ってから、夫々の画像データが処理されて、マークWm1、Wm2の夫々のエッジWm1A、Wm2A及びエッジPA1、PA2、PBが検出されるようになっている。
制御部70では、画像処理部74で検出された夫々のエッジWm1A、Wm2Aのデータに基づいてエッジWm1A、Wm2Aの検出時間の差異が算出されるとともに、予め制御部70に入力されているワークWの搬送速度Vとから、図10に示すように、ラインセンサ60に対するエッジWm1A、Wm2Aを結ぶライン(Y軸に平行)の成す角度(以下、単に「ワーク角度」という。)αが算出される。
そして、ワーク角度αは、前記初期設定時において、ワークWとフォトマスク31との成す角度でもあることから、ワーク角度αが予め決められた範囲α1内になるように、制御部70からマスクコントロール部74に制御信号が送られ、マスク駆動手段32が駆動されるようになっている。
また、制御部70では、画像処理部76でエッジPA1が検出されてから、後述のように、外部入力手段77から予め制御部70に入力されているワークWの搬送速度Vから、ワークWが、前記距離LDを搬送されるに要する時間が算出されて、その得られた時間(T1)後に、制御部70からレーザコントローラ71にレーザ光L1の放射のための信号が送られるようになっている。
更に、制御部70では、画像処理部76で検出されたエッジPA2が非アクティブ領域W4xのとの境界(以下、「特定エッジPA2a」という)であるか否かの判断がされる。
なお、前記判断は、エッジPA2を検出後、所定の時間(各ピクセルPの間のワークWの搬送方向のW2a(図9)の幅分をワークWが通過する時間)経過後においても、ラインセンサ40が新たなエッジPA1を検出するか否かによって判断される。すなわち、前記所定の時間経過後に、新たなエッジPA1が検出されない場合に、前記検出されたエッジPA2は特定エッジPA2aであると判断される。
そして、更に、制御部70では、ワークWの搬送速度Vと露光パターン31c3のX軸方向のエッジ31c3Cとの距離LD2(図6)から、ワークWが距離LD2を移動するに必要な時間(T2)が算出され、ラインセンサ70がエッジPA1を検出してからT2時間後(図4の(a)の状態になったとき)に、前記シャッター部4の各偏光板P1、P2、P3を図4の(a)〜(h)まで矢印ロの方向に順次移動させるための信号が、制御部70からシャッタコントローラ73に送られて、シャッター駆動手段40が駆動され、各偏光板P1、P2、P3が順次移動されるようになっている。
また、ラインセンサ60によって前記特定エッジPA2aが検出されてから、新たなエッジPA1が検知された後、前記時間T2時(図4の(h)の状態になったとき)にシャッター部4の各偏光板P1、P2、P3を一体的に図4の(a)の状態の位置(図5のLD1の位置と同じ)まで矢印ハの方向に早戻りさせるための信号がシャッタコントローラ73に送られて、シャッター駆動手段40が駆動され、各偏光板P1、P2、P3が、一体的に、一括して早戻しされるようになっている。
前記早戻り時には、制御部70からの信号によって偏光方向切替え手段2cがON状態にされる。このため、レーザ光発振器2aからのレーザ光L1は偏光され,レーザ光L2になり、偏光板P1、P2、P3を透過でき、各偏光板P1、P2、P3が一体的に図4の(a)の状態まで矢印ハの方向に早戻りされても、レーザ光L2の光量の低下による露光不良を生じない。
前記早戻りの速度は、各偏光板P1、P2、P3の重量、ワークWの搬送速度V、露光光の強度、マスクパターン(31c)当たりのレーザ光の照射回数、ワークWの前記レジストの感光特性等によって、最適速度が異なるものである。
次に、上記のように構成された近接露光装置1の露光動作について、図1から図12に基づいて説明する。
まず、近接露光装置1の各構成機器が準備完了状態にされた後、ステップ1(ST1)において、外部入力手段77から露光条件(露光光の強度、マスクパターン31cに対するレーザ光の照射回数、ワークWの搬送速度V等)、非アクティブ領域W4の幅W4x、W4y及び前記LD、LD1、LD2の値等が制御部70に入力された後、ワークWが搬送方向(矢印イの方向)に沿って、ワーク搬送装置5の所定の位置にセットされる。
なお、偏光方向切替え手段2cはOFFの状態にされている。
次に、ステップ2(ST2)において、ワークWが所定の速度Vで矢印イの方向に連続的に搬送され、ステージ50の開口部52の通過時において、撮像手段6によってワークWのマークWm1、Wm2及びピクセルWPの各エッジWm1A、Wm2A、PA1、PB、PA2が撮像されて、これらの撮像データが画像処理部76に送信される。
次に、ステップ3(ST3)において、前記撮像データが画像処理部76で2値化処理されて、それぞれのエッジWm1A、Wm2A、PA1、PB、PA2が検出されて、それらのデータが制御部70に送信されて、前記露光基板位置センサからのワークWの位置データとエッジWm1A、Wm2Aの検出位置からワーク角度αが演算され、その結果が予め設定されている許容角度α1との比較がなされると共に、エッジPBを検出した受光素子60aが予定の受光素子60a1であるか否かの判断がなされる。
そして、ワーク角度αが許容範囲でない場合は、制御部70からマスクコントローラ74に信号が送られて、マスク駆動手段32が駆動されて、ワーク角度αが許容角度α1になるように制御される。また、予め決めてある所定のピクセルWPのエッジPBを検知した受光素子60aが予定の受光素子60a1でない場合は、エッジPBを検知した受光素子60aと受光素子60a1との距離を両者の間に存在する受光素子60aの数から算出して、その結果に基づいた信号がマスクコントローラ74に送られて、マスク駆動手段32が駆動され、マスクホルダ30とフォトマスク31が一体的にY軸方向に移動される。
次に、ステップ4(ST4)において、最初のエッジPA1の検出後の時間T1に、レーザコントローラ71に制御部70から信号が送信されて、レーザ光発振器2aからのレーザ光L1が放射(以下、「フラッシュ」という。)されて、ワークWのピクセルWPの1ピッチごとに、フラッシュが繰り返される。
次に、ステップ5(ST5)において、ラインセンサ60によってエッジPA1が検出されてから、前記時間T2後に、制御部70からシャッタコントローラ73に信号が送られ、シャッター駆動手段40が駆動されて、シャッター部4の各偏光板P1、P2、P3が図4の(a)〜(g)に示すように順次移動される。
なお、レーザ光発振器2aからのレーザ光L1は、ワークWのピクセルWPの1ピッチ移動ごとに、照射が繰り返される。
次に、ステップ6(ST6)において、ラインセンサ60によって,前記特定エッジPA2aが検出された後、新たなエッジPA1が検出されてから、時間T2後に、制御部70からシャッタコントローラ73及び偏光コントローラ72に信号が送信されて、偏光方向切替え手段2cがON状態にされて、レーザ光L1がレーザ光L2に偏光されてから、シャッター駆動手段40が駆動されて、シャッター部4の各偏光板P1、P2、P3が一括的(図4(h))に原点位置(図4(a))に早戻りされる。
そして、各偏光板P1、P2、P3が原点復帰したことが、原点復帰センサ(図示せず)によって検知され、その検知信号が制御部70に送信されて、制御部70から偏光方向切替え手段2cの偏光コントローラ72に信号が送られ偏光方向切替え手段2cがOFF状態に戻される。
その後は、ステップ2(ST2)からステップ6(ST6)が繰り返されて、ワークWの露光対象領域が全て露光された後、露光作業が終了する。
以上の実施の形態では、本発明に係る多面取り露光用基板を近接露光装置について述べたが、投影露光装置に対しても、本発明に係る多面取り露光用基板を用いることができる。
また、以上の実施の形態では、レーザ発振器から放射されるレーザ光L1の偏光方向と偏光板の偏光方向の成す角度を90°にしているが、レーザ発振器から放射されるレーザ光L1の偏光方向と偏光板P1、P2、P3の偏光方向の成す角度を0°にしてもよい。但し、この場合、偏光方向切替え手段の動作2cの動作は、アクティブ領域の露光時に、ON状態にし、各偏光板P1、P2、P3が一括的に原点位置に早戻りされる時に、OFF状態にされる。
更に、多面取り露光用基板にはマークWm1、Wm2が付されているが、このマークWm1、Wm2は付さなくてもよく、その場合は、フォトセンサ60b1、60b2またはラインセンサ60でエッジPAを撮像した画像データに基づいて、ワークWのワーク角度を算出して、前述のようにワークWのワーク姿勢制御を行ってもよい。
本発明の一実施の形態の近接露光装置の構成を示す概念図である。 偏光切替え手段の動作を説明するための説明図である。 図1の近接露光装置のフォトマスクユニットを示す概略図であって、夫々(a)はフォトマスクの平面図、(b)はフォトマスクの側面図、(c)はフォトマスクユニットの姿勢の説明のための鳥瞰図である。 レーザ光の偏光方向と偏光板の偏光方向との関係を示す説明図である。 シャッター部の動きとフォトマスク及びワークの位置関係を説明するための概 念図である。 撮像手段とシャッター部及びフォトマスクとのX軸方向の位置関係を説明する ための概略図である。 撮像手段を示す概略図である。 ラインセンサとフォトマスクの関係を説明するための概念図である。 ラインセンサとワークのY軸方向の位置関係を説明するための概念図である。 ラインセンサとワークの成す角度を説明するための概念図である。 本発明の一実施の形態の多面取り露光用基板(ワーク)を示す平面図である。 本発明の一実施の形態のワークを図1の近接露光装置で露光する露光方法を説明するためのフローである。
符号の説明
1 近接露光装置
2 露光ユニット
3 フォトマスクユニット
4 シャッター
5 搬送装置
6 撮像手段
7 制御装置
2a レーザ光発振器
2b 光学系
2c 偏光方向切替え手段
31 フォトマスク
31c マスクパターン
40 ラインセンサ
40a 受光素子
70 制御部
76 画像処理部
W 多面取り露光用基板(ワーク)
W2 ブラックマトリックス
W3 アクティブ領域
W4 非アクティブ領域
Wm1、Wm2 マーク
WP ピクセル
P1〜P3 偏光板

Claims (1)

  1. 被露光体を上面に載置して、所定の方向に前記被露光体を搬送する搬送ステージと、前記ステージの上方に配設され、所定の露光パターンを有するフォトマスクを前記被露光体に近接対向させて保持するマスクステージと、前記マスクステージに保持されたフォトマスクに露光用レーザ光を照射するレーザ光源と、前記マスクステージとレーザ光源との間に配設され、露光用レーザ光を拡大してフォトマスクに直角に照射する光学系と、前記レーザ光源と前記光学系との間に配設され、露光用レーザ光の偏光方向を切替え可能にする偏光切替え手段と、前記マスクステージと前記光学系との間に配設された複数の偏光板と、前記複数の偏光板のそれぞれを、前記所定の方向に平行に移動させる駆動手段と、を有する近接露光装置であって、前記偏光板の偏光方向が、露光用レーザ光の偏光前又は偏光後の偏光方向と直交することを、特徴とする近接露光装置。
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