JP5163877B2 - 焼入れ部品の検査方法および検査装置 - Google Patents
焼入れ部品の検査方法および検査装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5163877B2 JP5163877B2 JP2008096409A JP2008096409A JP5163877B2 JP 5163877 B2 JP5163877 B2 JP 5163877B2 JP 2008096409 A JP2008096409 A JP 2008096409A JP 2008096409 A JP2008096409 A JP 2008096409A JP 5163877 B2 JP5163877 B2 JP 5163877B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cup
- quenching
- outer diameter
- shaft
- change
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
Description
また、本発明は、信頼性を確保しつつ、より簡単に焼割れの有無を検査することが可能な焼入れ部品の検査装置を提供することを課題としてなされたものである。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌し
て解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(6)項の各々が、請求項1〜6の各々に相当する。
ここで、等速ジョイントのアウタレース(焼入れ部品)のカップ部に焼割れが発生するメカニズムを説明する。シャフト部の焼入れ処理が実施される第2焼入れ工程において、シャフト部を加熱(高周波誘導加熱)すると、まず、シャフト部が膨張する。これにより、元来、薄肉であるのに加え、第1焼入れ工程にて焼入れ処理が完了して硬化(マルテンサイト化)しているカップ部においては、引張り応力が増大し、カップ部における引張り応力が材料の降伏応力を超えた時点で、カップ部の内面に焼割れが発生する。
そして、本願出願人は、シャフト部の加熱中に、カップ部における引張り応力が材料の降伏応力を超えてカップ部に焼割れが発生した場合、カップ部における引張り応力が解放されてカップ部の外径が拡径される、すなわち、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径の変化量と焼割れとの相関関係に着目した。言い換えると、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径の変化に基づき、カップ部の焼割れを知ることが可能である。
本項に記載の焼入れ部品の検査方法によれば、前述したように、シャフト部の加熱中のカップ部の外径の変化に基づき、アウタレースのカップ部の焼割れの有無を判定することができる。これにより、従来技術と比較して、信頼性を確保しつつ、より簡単に、アウタレースの焼割れの有無を検査することができる。
本項に記載の焼入れ部品の検査方法によれば、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径を常時監視(測定)し、シャフト部の加熱直前におけるカップ部の外径と、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径の最大値と、からカップ部の外径の変化量を算出する。そして、その算出結果、すなわち、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径の変化量が、閾値を越えた場合に、焼割れ有りと判定し、閾値以下の場合に焼割れ無しと判定する。なお、閾値は、焼入れ部品に応じて設定される。
本項に記載の焼入れ部品の検査方法によれば、シャフト部の焼入れ前後におけるカップ部の外径の変化量を測定し、シャフト部の焼入れ前後におけるカップ部の外径の測定結果の差を算出する。そして、算出結果、すなわち、シャフト部の焼入れ前後におけるカップ部の外径の差が、閾値を越えた場合に、焼割れ有りと判定し、閾値以下の場合に焼割れ無しと判定する。なお、閾値は、焼入れ部品に応じて設定される。
装置。
等速ジョイントのアウタレースにおいては、シャフト部を加熱している時に、カップ部における引張り応力が材料の降伏応力を超えてカップ部に焼割れが発生した場合、カップ部における引張り応力が解放されてカップ部の外径が拡径される。本項の態様は、この現象、すなわち、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径の変化量と焼割れとの相関関係に着目し、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径の変化に基づき、カップ部の焼割れを検査(判定)するものである。
本項に記載の焼入れ部品の検査装置によれば、測定手段は、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径の変化を測定する。また、判定手段は、測定手段の測定結果に基づきカップ部の焼割れの有無を判定する。
本項に記載の焼入れ部品の検査装置によれば、測定手段は、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径を常時監視(測定)する。そして、判定手段は、測定手段の測定結果に基づき、カップ部の外径の変化量、すなわち、シャフト部の加熱直前におけるカップ部の外径と、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径の最大値と、からカップ部の外径の変化量を算出する。そして、判定手段は、その算出結果、すなわち、シャフト部の加熱中におけるカップ部の外径の変化量が、閾値を越えた場合に、焼割れ有りと判定し、閾値以下の場合に焼割れ無しと判定する。なお、閾値は、焼入れ部品に応じて設定される。
本項の態様において、測定手段は、例えば、変位センサを使用する。この場合、測定手段は、シャフト部の加熱中における、シャフト部が軸支された状態のアウタレースのカップ部の半径方向への変位、すなわち、カップ部の半径の変化量を、変位センサによって測定する。
なお、測定手段の変位センサは、例えば、レーザあるいは赤外線を対象物に照射することにより変位を測定する形式のものが使用される。この場合、カップ部の開口側端部の変位を測定することができる構造であれば、レーザあるいは赤外線を、アウタレースの軸心に対して垂直に照射してもよいし、あるいは、アウタレースの軸心に対して平行に照射してもよい。
本項に記載の焼入れ部品の検査装置によれば、測定手段は、シャフト部の焼入れ前後におけるカップ部の外径の変化量を測定する。そして、判定手段は、測定手段の測定結果に基づき、シャフト部の焼入れ前後におけるカップ部の外径の測定結果の差を算出し、その算出結果、すなわち、シャフト部の焼入れ前後におけるカップ部の外径の差が、閾値を越えた場合に、焼割れ有りと判定し、閾値以下の場合に焼割れ無しと判定する。なお、閾値は、焼入れ部品に応じて設定される。
る。
図1に示されるように、アウタレース1(焼入れ部品)は、カップ部2とシャフト部4とからなる。図2に示されるように、アウタレース1は、鍛造工程、機械加工工程を経て、焼入れ工程にて高周波焼入れされる。焼入れ工程は、第1焼入れ工程と第2焼入れ工程とに分割される。第1焼入れ工程では、カップ部2の内面3が加熱(高周波誘導加熱)され、所定時間の加熱後、冷却(急冷)される。また、第2焼入れ工程では、第1焼入れ工程によってカップ部2が焼入れ処理されたアウタレース1のシャフト部4が加熱(高周波誘導加熱)され、所定時間の加熱後、冷却(急冷)される。そして、焼入れ工程、すなわち、カップ部2およびシャフト部4の焼入れ処理が完了したアウタレース1は、焼戻し工程にて焼戻し処理される。
まず、第2焼入れ工程において、シャフト部4を加熱する直前のカップ部2の開口端部5の位置、すなわち、カップ部2の外径を変位センサ6(測定手段)によって測定する(図5のステップ1)。変位センサ6の出力信号は、制御ユニット(判定手段)に伝送され、制御ユニットにおいて、カップ部2の開口端部5の変位データ(以下、カップ部2の外径データという)に変換される。そして、制御ユニットは、シャフト部4の加熱中におけるカップ部2の外径データの最大値を抽出する(図5のステップ2)。
図5のステップ4のN)、カップ部2の内面3に焼割れ有りと判定する(図5のステップ6)。
アウタレース1(焼入れ部品)は、カップ部2の内面3を焼入れ処理した後に実施される第2焼入れ工程、すなわち、シャフト部4を焼入れ処理する工程において、シャフト部4を加熱(高周波誘導加熱)すると、まず、シャフト部4が膨張し、これにより、元来、薄肉であるのに加え、第1焼入れ工程によって硬化(マルテンサイト化)したカップ部2における引張り応力が増大する。そして、カップ部2における引張り応力が材料の降伏応力を超えると、カップ部2の内面3に焼割れが発生する。
カップ部2に焼割れが発生することで、カップ部2における引張り応力が解放され、カップ部2の外径が拡径する。そして、本実施形態は、この現象、すなわち、シャフト部4の加熱中におけるカップ部2の外径の変化量と焼割れとの相関関係に着目し、シャフト部4の加熱中におけるカップ部2の外径の変化に基づき、カップ部2の焼割れの有無を検査(判定)するものである。
したがって、本実施形態では、例えば、検査対象物(アウタレース1)に打撃を付与する手段、打撃を付与した検査対象物が発する超音波を検出する手段、検出した超音波を解析する手段(FFT)、ならびに、FFTの解析結果に基づき検査対象物における焼割れの有無を判定する手段(判定プログラム)を含む従来技術と比較して、信頼性を確保しつつ、より簡単に、アウタレース1の焼割れの有無を検査することが可能になり、検査を簡素化することができる。さらに、本実施形態では、装置ならびに判定に必要なプログラムが極めてシンプルであることから、安価に構成することができる。
本実施形態の変位センサ6(測定手段)は、図4にも示されるように、測定光(例えば、レーザあるいは赤外線)を、カップ部2の開口側端部5へ向けてアウタレース1の軸心Lに対して垂直に照射する非接触型の変位センサ6を使用したが、カップ部2の開口側端部5の変位を高い精度で測定することができれば、接触型の変位センサを使用してもよいし、また、測定光をアウタレース1の軸心に対して平行に照射することもできる。
Claims (6)
- 焼入れ部品がカップ部とシャフト部とからなり、前記カップ部を焼入れ処理する第1焼入れ工程と、前記シャフト部を焼入れ処理する第2焼入れ工程と、を含む焼入れ部品の検査方法であって、
前記第2焼入れ工程における前記カップ部の外径の変化を測定し、その測定結果に基づき前記カップ部の焼割れの有無を判定することを特徴とする焼入れ部品の検査方法。 - 前記シャフト部の加熱中における前記カップ部の外径の変化を監視し、前記シャフト部の加熱直前における前記カップ部の外径と、前記シャフト部の加熱中における前記カップ部の外径の最大値と、から算出した前記カップ部の外径の変化量に基づき、前記カップ部の焼割れの有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の焼入れ部品の検査方法。
- 前記シャフト部を焼入れ処理する前後における前記カップ部の外径を測定し、前記シャフト部を焼入れ処理する前後における前記カップ部の外径の変化量に基づき前記カップ部の焼割れの有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の焼入れ部品の検査方法。
- 焼入れ部品がカップ部とシャフト部とからなり、前記カップ部を焼入れ処理した後、前記シャフト部の焼入れ処理が実施される焼入れ部品の検査装置であって、
前記シャフト部を焼入れ処理する工程における前記カップ部の外径の変化を測定する測定手段と、
該測定手段の測定結果に基づき前記カップ部の焼割れの有無を判定する判定手段と、
を有することを特徴とする焼入れ部品の検査装置。 - 前記測定手段は、前記シャフト部の加熱中における前記カップ部の外径の変化を監視し、前記判定手段は、前記測定手段によって測定された前記シャフト部の加熱直前における前記カップ部の外径と、前記シャフト部の加熱中における前記カップ部の外径の最大値と、から算出した前記カップ部の外径の変化量に基づき、前記カップ部の焼割れの有無を判定することを特徴とする請求項4に記載の焼入れ部品の検査装置。
- 前記測定手段は、前記シャフト部の焼入れ処理の前後における前記カップ部の外径を測定し、
前記判定手段は、前記測定手段によって測定された前記シャフト部の焼入れ処理の前後における前記カップ部の外径の変化量に基づき前記カップ部の焼割れの有無を判定することを特徴とする請求項4に記載の焼入れ部品の検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008096409A JP5163877B2 (ja) | 2008-04-02 | 2008-04-02 | 焼入れ部品の検査方法および検査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008096409A JP5163877B2 (ja) | 2008-04-02 | 2008-04-02 | 焼入れ部品の検査方法および検査装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009250683A JP2009250683A (ja) | 2009-10-29 |
JP5163877B2 true JP5163877B2 (ja) | 2013-03-13 |
Family
ID=41311567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008096409A Expired - Fee Related JP5163877B2 (ja) | 2008-04-02 | 2008-04-02 | 焼入れ部品の検査方法および検査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5163877B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5740946B2 (ja) * | 2010-12-07 | 2015-07-01 | 日本精工株式会社 | プレスクエンチ装置 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5326833B2 (ja) * | 1973-04-17 | 1978-08-04 | ||
JPS60152944A (ja) * | 1984-01-22 | 1985-08-12 | Fuji Denshi Kogyo Kk | 高周波焼入れ検査方法 |
JP2591342B2 (ja) * | 1990-12-29 | 1997-03-19 | 株式会社島津製作所 | 膨張特性計測方法 |
JPH05223761A (ja) * | 1992-02-07 | 1993-08-31 | Nippon Seiko Kk | 焼入検査方法 |
JP4076818B2 (ja) * | 2002-08-12 | 2008-04-16 | Ntn株式会社 | 等速自在継手 |
-
2008
- 2008-04-02 JP JP2008096409A patent/JP5163877B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009250683A (ja) | 2009-10-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6628404B1 (en) | Acoustic sensor for real-time control for the inductive heating process | |
JP2009282027A6 (ja) | 導電性材料からなる試験対象物における特に亀裂の渦電流表示を判定して評価する方法 | |
US20130111999A1 (en) | Method and device for non-destructive material testing by means of ultrasound | |
JP5276497B2 (ja) | 配管溶接部の寿命評価方法 | |
JP5050873B2 (ja) | 機械部品の余寿命評価方法 | |
JP3639958B2 (ja) | 亀裂の定量的非破壊評価方法 | |
KR102277276B1 (ko) | 금속 물성 측정 시스템 및 그 측정 방법 | |
KR20040045936A (ko) | 원자력발전소 증기발생기 전열관 균열의 관통 여부 판정및 관통길이 측정방법 | |
TWI692640B (zh) | 廠房的檢查方法 | |
JP5163877B2 (ja) | 焼入れ部品の検査方法および検査装置 | |
JP3670869B2 (ja) | コーティング層熱抵抗測定法 | |
JP2009036682A (ja) | 渦電流センサ、硬化層深さ検査装置及び硬化層深さ検査方法 | |
JP2011052984A (ja) | 硬さ分布測定方法及び転がり軸受 | |
RU2534448C1 (ru) | Способ контроля зоны термического влияния сварных соединений | |
JP2009031180A (ja) | 内部温度の測定方法および測定装置 | |
KR101452441B1 (ko) | 레이저 초음파를 이용한 재료의 기계적 거동 측정방법 및 측정장치 | |
JP2019163941A (ja) | 超音波探傷試験用標準試験片、超音波探傷試験方法及び軸受部品の製造方法 | |
KR20080053620A (ko) | 변속기 샤프트 균열 측정 장치 | |
US5666287A (en) | Quench-hardening testing method and apparatus | |
Shannon et al. | Optimizing reformer tube life through advanced inspection and remaining life assessment | |
Ahmad et al. | Magnetic flux gradient observation during fatigue crack propagation: a case study of SAE 1045 carbon steel used for automotive transmission parts | |
CN114250343B (zh) | 一种降低芯轴强度差异的生产、计算、加热及校验方法 | |
JPWO2019117297A1 (ja) | 転動部品の検査方法及び転動部品の検査装置 | |
RU2641616C1 (ru) | Устройство для контроля сварных соединений | |
JP5668834B2 (ja) | 熱処理異常検出方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100920 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121121 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121204 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151228 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5163877 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151228 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |