JP2009031180A - 内部温度の測定方法および測定装置 - Google Patents

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哲生 福地
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Abstract

【課題】非接触で内部温度を測定する。
【解決手段】材料が既知である測定対象物1の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させると共に、測定対象物1の内部を伝播して表面に達した超音波を二光波混合型レーザ干渉計3によって検出し、検出した超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から求め、測定対象物1の材料における伝播速度と温度との関係5に基づいて測定対象物1の内部温度Tを求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、材料が既知である測定対象物の内部温度を非接触で測定する内部温度の測定方法および測定装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、固体金属の内部温度を測定するのに適した内部温度の測定方法および測定装置に関するものである。
金属部品等の温度測定には、一般的に熱電対が用いられている。また、近年、赤外線の輻射を利用して温度を計測する赤外線温度計測装置も普及している。なお、熱電対を用いて温度を計測する技術として、例えば特開2004−37139号公報に開示された温度計測装置がある。また、赤外線温度計測装置としては、例えば特開平9−21703号公報に開示されたものがある。
特開2004−37139号 特開平9−21703号
しかしながら、温度測定に熱電対を使用する場合には、熱電対から配線を延ばす必要がある。このため、回転体等の動的状態にある測定対象物に熱電対を取り付けて温度測定することは困難である。また、測定対象物の内部温度を測定する場合には熱電対を予め測定対象物の内部に埋め込む必要があり、埋め込み加工が困難な測定対象物については内部温度の測定を行うことができない。
また、温度測定に赤外線温度計測装置を使用する場合には、遠隔からの温度測定や動的状態にある測定対象物の温度測定が可能であるが、表面からの赤外線輻射を利用しているため測定対象物の内部温度を測定することはできない。
本発明は、非接触で内部温度の測定が可能な内部温度の測定方法および測定装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、レーザ光の照射によって励起された超音波の伝播速度は主に測定対象物内部の平均温度に依存することから、超音波の伝播速度の温度依存性を予め求めておき、未知の温度環境において伝播速度を測定して測定対象物の内部温度を逆算するものである。
即ち、請求項1記載の内部温度の測定方法は、材料が既知である測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させると共に、測定対象物の内部を伝播して表面に達した超音波を二光波混合型レーザ干渉計によって検出し、検出した超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から求め、測定対象物の材料における伝播速度と温度との関係に基づいて測定対象物の内部温度Tを求めるものである。
測定対象物の表面にレーザ光を照射すると、超音波が励起され、その超音波は測定対象物の内部を伝播して表面に達する。表面に達した超音波を二光波混合型レーザ干渉計によって検出し、伝播した距離(伝播距離)と伝播に要した時間(伝播時間)に基づいて伝播速度v’を求める。ここで、伝播距離は、測定対象物の大きさ・形状、レーザ光の照射位置、二光波混合型レーザ干渉計による超音波の検出位置等に基づいて求められる。また、伝播時間は、レーザ光の照射と二光波混合型レーザ干渉計による超音波の検出との時間差から求められる。
超音波の伝播速度は測定対象物の内部温度に依存して変化する。測定対象物の材料は既知であり、超音波の伝播速度と温度の関係も分かるので、その関係と求めた伝播速度v’とによって超音波の伝播経路の平均温度、即ち測定対象物の内部の平均温度Tを求めることができる。測定対象物の内部温度は、伝播経路の温度の平均値として求められる。
測定対象物へのレーザ光の照射位置(超音波の励起位置)と二光波混合型レーザ干渉計による超音波の検出位置とは、レーザ光の照射又は超音波の検出が可能であり、照射位置で励起された超音波が測定対象物の内部を伝播して検出位置に到達するのであればいずれの位置に設けても良い。照射位置と検出位置を測定対象物の同一面に設けても良く、あるいは異なる面に設けても良い。また、照射位置と検出位置を別々の位置にしても良く、同じ位置にしても良い。さらに、二光波混合型レーザ干渉計によって検出する超音波は測定対象物の内部を伝播したものであれば良く、途中で反射して検出位置に到達した波でも、途中で反射せずに検出位置にそのまま到達した波でも良い。また、測定対象物の表面に照射するレーザ光の出力は測定対象物を損傷させず且つ超音波を励起させることができる大きさであり、測定に要するコストや測定対象物等に応じて適宜決定される。
測定対象物の表面に到達した超音波の検出に二光波混合型レーザ干渉計を使用することで、測定対象物の表面が粗面であっても超音波の検出が可能である。
また、請求項2記載の内部温度の測定方法は、材料が未知である測定対象物について、その内部を伝播する超音波の伝播速度と温度との関係を予め求めておき、測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させると共に、測定対象物の内部を伝播して表面に達した超音波を二光波混合型レーザ干渉計によって検出し、検出した超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から求め、関係に基づいて測定対象物の内部温度Tを求めるものである。即ち、測定対象物の内部を伝播する超音波の伝播速度と温度との関係を予め求めておくことで、たとえ測定対象物の材料が未知であっても、材料が既知の場合と同様に内部温度Tを測定することができる。
また、請求項3記載の内部温度の測定方法は、レーザ光の照射によって励起される超音波は縦波と横波であり、これら縦波と横波のうち、少なくともいずれか一方の波の伝播速度を求めて当該波における前記関係に基づいて測定対象物の内部温度Tを求めるものである。
測定対象物の表面にレーザ光を照射すると、超音波として縦波と横波が励起される。縦波と横波の伝播速度は異なり、縦波の方が速く、横波の方が遅い。二光波混合型レーザ干渉計によって縦波と横波の両方を検出することで、検出した波が縦波であるか横波であるかを識別することができる。そして、縦波と横波の両方に基づいて測定対象物の内部温度Tを求めても良いが、いずれか一方の波のみに基づいても内部温度Tを求めることができる。
また、請求項4記載の内部温度の測定方法は、測定対象物の内部を既知の温度T0にした状態でレーザ光の照射と二光波混合型レーザ干渉計による超音波の検出を行なって超音波の伝播速度v’(T0)を求め、伝播速度v’と伝播速度v’(T0)との比率a’を求め、前記関係と比率a’とにより内部温度Tを校正するものである。
例えば超音波の伝播距離に許容範囲を超えた誤差が生じると、求めた伝播速度v’も誤差を含むものとなり、内部温度Tの測定値も誤差を含むことになる。実際にその測定対象物を使用し、その内部温度を既知の温度T0にした状態の超音波の伝播速度v’(T0)を求め、この伝播速度v’(T0)と伝播速度v’との比率a’(=v’/v’(T0))を求め、この比率a’を前記関係に当てはめることで内部温度の測定値Tを校正することができる。即ち、比率a’を前記関係と比較し、その関係においてa’=v(T)/v(T0)となるTの値を求め、測定対象物の内部温度Tとする。ここで、v(T0)はその関係における温度T0の伝播速度、v(T)はその関係における温度Tの伝播速度である。
また、請求項5記載の発明は、材料が既知である測定対象物の内部温度を非接触で測定する内部温度の測定装置において、測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させる励起用レーザ光源と、測定対象物の内部を伝播して表面に達した超音波を検出する二光波混合型レーザ干渉計と、二光波混合型レーザ干渉計によって検出された超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から算出する速度算出手段と、測定対象物の材料における伝播速度と温度との関係を記憶した記憶装置と、速度算出手段が求めた伝播速度v’と記憶装置に記憶されている前記関係とに基づいて測定対象物の内部温度Tを求める内部温度算出手段を備えるものである。
励起用レーザ光源が測定対象物の表面にレーザ光を照射すると、超音波が励起され、その超音波は測定対象物の内部を伝播して表面に達する。表面に達した超音波を二光波混合型レーザ干渉計によって検出し、速度算出手段が伝播した距離(伝播距離)と伝播に要した時間(伝播時間)に基づいて伝播速度v’を求める。ここで、伝播距離は、測定対象物の大きさ・形状、レーザ光の照射位置、二光波混合型レーザ干渉計による超音波の検出位置等に基づいて求められる。また、伝播時間は、レーザ光の照射と二光波混合型レーザ干渉計による超音波の検出との時間差から求められる。
超音波の伝播速度は測定対象物の内部温度Tに依存して変化する。内部温度算出手段は、記憶装置に記憶されている測定対象物の材料における伝播速度と温度との関係と、速度算出手段が求めた伝播速度v’とによって超音波の伝播経路の平均温度、即ち測定対象物の内部の平均温度を算出する。測定対象物の内部温度Tは、伝播経路の温度の平均値として求められる。
測定対象物へのレーザ光の照射位置と二光波混合型レーザ干渉計による超音波の検出位置とは、レーザ光の照射又は超音波の検出が可能であり、照射位置で励起された超音波が測定対象物の内部を伝播して検出位置に到達するのであればいずれの位置に設けても良い。照射位置と検出位置を測定対象物の同一面に設けても良く、あるいは異なる面に設けても良い。また、照射位置と検出位置を別々の位置にしても良く、同じ位置にしても良い。さらに、二光波混合型レーザ干渉計によって検出する超音波は測定対象物の内部を伝播したものであれば良く、途中で反射して検出位置に到達した波でも、途中で反射せずに検出位置にそのまま到達した波でも良い。また、測定対象物の表面に照射するレーザ光の出力は測定対象物を損傷させず且つ超音波を励起させることができる大きさであり、測定に要するコストや測定対象物等に応じて適宜決定される。
測定対象物の表面に到達した超音波の検出に二光波混合型レーザ干渉計を使用することで、測定対象物の表面が粗面であっても超音波の検出が可能である。
また、請求項6記載の発明は、材料が未知である測定対象物の内部温度を非接触で測定する内部温度の測定装置において、測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させる励起用レーザ光源と、測定対象物の内部を伝播して表面に達した超音波を検出する二光波混合型レーザ干渉計と、二光波混合型レーザ干渉計によって検出された超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から算出する速度算出手段と、測定対象物について予め求めておいた伝播速度と温度との関係を記憶した記憶装置と、速度算出手段が求めた伝播速度v’と記憶装置に記憶されている前記関係とに基づいて測定対象物の内部温度Tを求める内部温度算出手段を備えるものである。即ち、測定対象物の内部を伝播する超音波の伝播速度と温度との関係を予め求めて記憶装置に記憶しておくことで、たとえ測定対象物の材料が未知であっても、材料が既知の場合と同様に内部温度Tを測定することができる。
さらに、請求項7記載の内部温度の測定装置は、レーザ光の照射によって励起される超音波は縦波と横波であり、速度算出手段は、縦波と横波のうち、少なくともいずれか一方の波の伝播速度を求めるものであり、当該波における前記関係に基づいて内部温度算出手段は測定対象物の内部温度Tを求めるものである。
励起用レーザ光源が測定対象物の表面にレーザ光を照射すると、超音波として縦波と横波が励起される。縦波と横波の伝播速度は異なり、縦波の方が速く、横波の方が遅い。二光波混合型レーザ干渉計によって縦波と横波の両方を検出することで、検出した波が縦波であるか横波であるかを識別することができる。内部温度算出手段は縦波と横波の両方に基づいて測定対象物の内部温度Tを求めても良いが、いずれか一方の波のみに基づいても内部温度Tを求めることができる。
請求項1記載の内部温度の測定方法では、材料が既知である測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させると共に、測定対象物の内部を伝播して表面に達した超音波を二光波混合型レーザ干渉計によって検出し、検出した超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から求め、測定対象物の材料における伝播速度と温度との関係に基づいて測定対象物の内部温度Tを求めるので、内部温度Tを非接触で迅速に測定することができる。このため、例えば高温環境、放射性環境など測定対象物からの離隔距離を必要とする場合などにおける測定対象物の内部温度測定が可能になる。また、測定対象物が動いていても内部温度Tを測定することができる。
また、請求項2記載の内部温度の測定方法では、材料が未知である測定対象物について、その内部を伝播する超音波の伝播速度と温度との関係を予め求めておき、測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させると共に、測定対象物の内部を伝播して表面に達した超音波を二光波混合型レーザ干渉計によって検出し、検出した超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から求め、関係に基づいて前記測定対象物の内部温度Tを求めるようにするので、たとえ測定対象物の材料が未知であっても、材料が既知の場合と同様に内部温度Tを測定することができる。
また、請求項3記載の内部温度の測定方法では、レーザ光の照射によって励起される超音波は縦波と横波であり、これら縦波と横波のうち、少なくともいずれか一方の波の伝播速度を求めて当該波における前記関係に基づいて測定対象物の内部温度Tを求めるようにしている。即ち、縦波と横波の両方に基づいて内部温度Tを求めても良いし、縦波と横波のうちいずれか一方のみに基づいて内部温度Tを求めても良い。
また、請求項4記載の内部温度の測定方法では、測定対象物の内部を既知の温度T0にした状態でレーザ光の照射と二光波混合型レーザ干渉計による超音波の検出を行なって超音波の伝播速度v’(T0)を求め、伝播速度v’と伝播速度v’(T0)との比率a’を求め、前記関係と比率a’とにより内部温度Tを校正するので、超音波の伝播距離の誤差に影響されていない内部温度Tを求めることができる。このため、内部温度Tをより一層高精度に求めることができる。
また、請求項5記載の内部温度の測定装置では、測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させる励起用レーザ光源と、測定対象物の内部を伝播して表面に達した超音波を検出する二光波混合型レーザ干渉計と、二光波混合型レーザ干渉計によって検出された超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から算出する速度算出手段と、測定対象物の材料における伝播速度と温度との関係を記憶した記憶装置と、速度算出手段が求めた伝播速度v’と記憶装置に記憶されている前記関係とに基づいて測定対象物の内部温度Tを求める内部温度算出手段を備えているので、測定対象物の内部温度Tを非接触で迅速に測定することができる。このため、例えば高温環境、放射性環境など測定対象物からの離隔距離を必要とする場合などにおける測定対象物の内部温度測定が可能になる。また、測定対象物が動いていても内部温度Tを測定することができる。
また、請求項6記載の内部温度の測定装置では、測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させる励起用レーザ光源と、測定対象物の内部を伝播して表面に達した超音波を検出する二光波混合型レーザ干渉計と、二光波混合型レーザ干渉計によって検出された超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から算出する速度算出手段と、測定対象物について予め求めておいた伝播速度と温度との関係を記憶した記憶装置と、速度算出手段が求めた伝播速度v’と記憶装置に記憶されている前記関係とに基づいて測定対象物の内部温度Tを求める内部温度算出手段を備えているので、たとえ測定対象物の材料が未知であっても、材料が既知の場合と同様に内部温度Tを測定することができる。
さらに、請求項7記載の内部温度の測定装置では、レーザ光の照射によって励起される超音波は縦波と横波であり、速度算出手段は、縦波と横波のうち、少なくともいずれか一方の波の伝播速度を求めるものであり、当該波における前記関係に基づいて内部温度算出手段は測定対象物の内部温度Tを求めるようにしている。即ち、縦波と横波の両方に基づいて内部温度Tを求めても良いし、縦波と横波のうちいずれか一方のみに基づいて内部温度Tを求めても良い。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明の内部温度の測定装置の実施形態の一例を示す。内部温度の測定装置は、材料が既知である測定対象物1の内部温度を非接触で測定するものであって、測定対象物1の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させる励起用レーザ光源2と、測定対象物1の内部を伝播して表面に達した超音波を検出する二光波混合型レーザ干渉計3と、二光波混合型レーザ干渉計3によって検出された超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から算出する速度算出手段4と、測定対象物1の材料における伝播速度と温度との関係を示すデータを格納したファイル5(以下、このファイルに格納されている上記関係について関係5という)を記憶した記憶装置6と、速度算出手段4が求めた伝播速度v’と記憶装置6に記憶されている関係5とに基づいて測定対象物1の内部温度Tを求める内部温度算出手段7を備えている。また、本発明の内部温度の測定方法は、材料が既知である測定対象物1の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させると共に、測定対象物1の内部を伝播して表面に達した超音波を二光波混合型レーザ干渉計3によって検出し、検出した超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から求め、測定対象物1の材料における伝播速度と温度との関係5に基づいて測定対象物1の内部温度Tを求めるものである。二光波混合型レーザ干渉計3には、測定用レーザ光の光源10が接続されている。
測定対象物1へのレーザ光の照射によって励起される超音波は縦波と横波であり、縦波と横波の伝播速度v’を求めてこれらの関係5に基づいて測定対象物1の内部温度Tを求めても良く、縦波と横波のうちいずれか一方の波の伝播速度v’を求めて当該波における関係5に基づいて測定対象物1の内部温度Tを求めても良い。
本発明では、固体金属の部材を測定対象物1としている。これにより、例えば火力発電の発電用タービンなど高温になる測定対象物1の内部温度測定に適している。
励起用レーザ光源2からはパルスレーザ光を照射する。パルスレーザ光とすることで、超音波を励起した時間を正確に把握することが可能になると共に、短時間にエネルギーを集中することで検出できる程度の超音波の励起が容易になる。
測定対象物1へのレーザ光の照射位置(超音波の励起位置)8と二光波混合型レーザ干渉計3による超音波の検出位置9は、レーザ光の照射又は超音波の検出が可能であり、測定対象物1の内部が伝播経路となるのであればいずれの位置に設けても良い。照射位置8と検出位置9を測定対象物1の同一面に設けても良く、あるいは異なる面に設けても良い。また、照射位置8と検出位置9を測定対象物1の同一面に設けた場合には、これらを別々の位置にしても良く、同じ位置にしても良い。さらに、二光波混合型レーザ干渉計3によって検出する超音波は測定対象物1の内部を伝播したものであれば良く、途中で反射して検出位置9に到達した波でも、途中で反射せずに検出位置9にそのまま到達した波でも良い。本実施形態では、例えば測定対象物1の一側面1aに照射位置8と検出位置9とを距離dだけ離して設けている。即ち、照射位置8と検出位置9とは測定対象物1の同一面に設けられている。また、照射位置8と検出位置9とは別々の位置である。さらに、レーザ光の照射により励起された超音波は測定対象物1の内部を伝播し、反対面1bで反射して検出位置9へと伝播する。
励起用レーザ光源2から測定対象物1の一側面1aに対してレーザ光を垂直に照射しても良いが、斜めに照射しても良い。また、二光波混合型レーザ干渉計3から照射するレーザ光も測定対象物1の一側面1aに対して垂直に照射しても良いが、斜めに照射しても良い。
本実施形態では、少なくとも1つのCPUやMPUなどの演算処理装置と、データの入出力を行うインターフェースと、プログラムやデータを記憶するメモリとを備えるコンピュータ11と所定の制御ないし演算プログラムによって、速度算出手段4及び内部温度算出手段7を実現している。即ち、演算処理装置は、メモリに記憶されたOS等の制御プログラム、測定対象物1の内部温度Tを求める手順等を規定したプログラム及び所要データ等により、速度算出手段4及び内部温度算出手段7を実現している。また、コンピュータ11には、例えばディスプレイやプリンター等の出力装置と、記憶装置6が接続されている。記憶装置6には、測定対象物1の材料における伝播速度と温度との関係5や伝播距離Dに関するデータが記憶されている。記憶装置6は、例えばハードディスク装置である。
次に、本発明による測定の原理を図2に基づいて説明する。
励起用レーザ光源2からレーザ光を測定対象物1の表面に照射し(A)、測定対象物1の内部を伝播する超音波(バルク波)を励起する(B)。レーザ光の照射によって超音波として縦波と横波が励起される。そして、測定対象物1の内部を伝播した縦波と横波を、レーザ光の照射位置(励起位置)8から距離dをおいた検出位置(測定位置)9において二光波混合型レーザ干渉計(フォトリトラクティブ型レーザ干渉計)3を用いて測定し(C)、照射位置8から検出位置9までの伝播時間と伝播距離から伝播速度v’を算出する(D)。予め求めておいた速度―温度特性の校正曲線(関係5)から、求めた伝播速度v’に対応する温度を求める(E)。
実際の測定では、レーザ光の照射によって縦波と横波の他に表面波も生じる。また、縦波又は横波が反対面1bで反射する際に横波又は縦波に変換されて検出位置9に到達するモード変換波も生じる。したがって、二光波混合型レーザ干渉計3による波の検出の際、各波の識別が必要である。測定対象物1の内部を伝播する波は伝播経路は同じであるが、伝播速度の違いから縦波、モード変換波、横波の順で検出位置9に到達するのでこれらの識別が可能である。また、表面波と測定対象物1の内部を伝播する波とは伝播経路が異なることから識別可能である。即ち、表面波の伝達経路が測定対象物1の内部を伝播する波の伝達経路よりも十分短くなり、検出位置9に到達した表面波が収束した後に縦波が到達するように照射位置8と検出位置9との間の距離dを決定する。一般的には距離dを短くすることで、表面波の伝播時間が縦波の伝播時間に比べて著しく小さくなるので、表面波と縦波との識別が付きやすくなる。
本発明によって測定される内部温度Tは超音波の伝播経路における平均値である。測定対象物1の内部に温度勾配がある場合、縦波又は横波を用いて得られる内部温度Tは内部の平均温度となる。
次に、測定対象物1の内部温度Tの測定について説明する。
先ず最初に、測定対象物1の材料における伝播速度と温度との関係5、即ち図2(b)に示す速度―温度特性の校正曲線(以下、校正曲線5という)を作成する。なお、この校正曲線5が既に明らかになっている場合にはここでの校正曲線5の作成を省略することができる。
測定対象物1と同じ材料の試料を使用して校正曲線5を作成する。試料として測定対象物1を使用しても良いし、測定対象物1とは別に試料を準備しても良い。温度を例えば室温から高温まで変化させることが可能な環境(電気炉内など)に試料を設置し、励起用レーザ光源2からパルスレーザ光を照射して試料の表面に線状または点状に集光し、試料の内部を伝播する縦波と横波を励起する。パルスレーザ光の照射位置8から距離d(例えば5〜15mm程度)をおいた検出位置9において二光波混合型レーザ干渉計3を用いて縦波と横波を検出し、伝播時間と伝播距離の関係5から縦波の伝播速度v(T)、横波の伝播速度v(T)を算出する。伝播時間はパルスレーザ光を照射した時間と二光波混合型レーザ干渉計3によって縦波・横波を検出した時間との差から求められる。また、試料が例えば板状部材の場合、照射位置8から検出位置9までの距離がd、試料の厚みがtのとき、横波と縦波の伝播距離は、D=2[(d/2)+t1/2となる。同時に、試料の温度を熱電対などの手段によって測定する。試料の温度を変えて測定を繰り返し行なうことで、例えば図2(b)に示す校正曲線5を作成する。校正曲線5は縦波と横波のそれぞれについて作成され、記憶装置6に記憶される。
次に、測定対象物1の内部温度Tの測定を行なう。内部温度が未知である測定対象物1の表面に励起用レーザ光源2から例えばパルスレーザ光を照射して線状または点状に集光し、測定対象物1の内部を伝播する縦波と横波を励起する。パルスレーザ光の照射位置8から距離d(例えば5〜15mm程度)をおいた検出位置9において二光波混合型レーザ干渉計3を用いて縦波と横波を検出し、伝播時間と伝播距離Dから縦波の伝播速度v’、横波の伝播速度v’を算出する。この算出は速度算出手段4によって行なわれる。なお、伝播時間は励起用レーザ光源2がパルスレーザ光を照射した時間と二光波混合型レーザ干渉計3によって縦波・横波を検出した時間との差から求められる。速度算出手段4は、例えば励起用レーザ光源2がパルスレーザ光の照射と同時に出力する電気信号を受けて、あるいはパルスレーザ光を捉えた光検出器の出力信号を受けてパルスレーザ光が照射された時間を検出すると共に、二光波混合型レーザ干渉計3から出力された各波の検出信号に基づいて縦波が検出された時間と横波が検出された時間を検出する。また、伝播距離Dは照射位置8と検出位置9との距離dと厚さtとにより予め算出されており、記憶装置6に記憶されている。速度算出手段4は記憶装置6に記憶されている伝播距離Dを参照する。速度算出手段4が求めた縦波の伝播速度v’と横波の伝播速度v’は内部温度算出手段7に供給される。
内部温度算出手段7は、速度算出手段4が求めた伝播速度v’,v’と記憶装置6に記憶されている校正曲線5とに基づいて測定対象物1の内部温度Tを求める。即ち、縦波の伝播速度v’と縦波の校正曲線5、横波の伝播速度v’と横波の校正曲線5をそれぞれ比較し、v’=v(T)、v’=v(T)となるTの値を求め、測定対象物1の内部温度とする。ここで、v(T)は縦波の校正曲線5の温度Tにおける伝播速度、v(T)は横波の校正曲線5の温度Tにおける伝播速度である。このようにして、測定対象物1の内部温度Tが測定される。
なお、添字は縦波であることを意味し、添字は横波であることを意味する。例えば伝播速度v’は縦波の伝播速度v’を、伝播速度v’は横波の伝播速度v’をそれぞれ意味する(以下、同様)。また、符号’が有るものは測定に基づく値を、無いものは校正曲線5に基づく値を意味する(以下、同様)。
励起用レーザ光源2のレーザ光と二光波混合型レーザ干渉計3から測定のために照射されるレーザ光を集光するレンズの焦点距離は通常数十cmであるため、本発明は測定対象物1の表面から数十cmの離隔距離をもって測定を行なうことができる。よって、たとえ測定対象物1が高温下にある場合でも、遮熱壁を隔てた室温環境からの測定が可能である。なお、この場合には、遮熱壁にレーザ光の入出力のための窓を設けることが好ましい。また、測定対象物1が高速で移動している場合でも、接触の危険性がない安全な離隔距離を置いた場所からの遠隔測定が可能である。このため、例えば高温で運転される火力発電の発電用タービン等の電力設備の温度測定に適している。
なお、熱膨張によって測定対象物1のサイズが変化し、縦波と横波の伝播距離が若干変化するが、この変化量は僅かであり無視することができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、上述のようにして測定した内部温度Tを既知温度における測定結果で校正しても良い。即ち、測定対象物1の内部を既知の温度T0にした状態でレーザ光の照射と二光波混合型レーザ干渉計3による超音波の検出を行なって超音波の伝播速度v’(T0)を求め、伝播速度v’と伝播速度v’(T0)との比率a’を求め、関係5と比率a’とにより内部温度Tを校正しても良い。
つまり、既知温度T0の雰囲気中に長時間放置するなどして測定対象物1の内部を既知温度T0にする。この状態で上述した内部温度Tの測定と同様にして縦波の伝播速度v’(T0)と横波の伝播速度v’(T0)を求める。即ち、測定対象物1の内部温度が既知である点を除いて内部温度Tを測定した場合と同じ条件で伝播速度v’(T0),v’(T0)を求める。そして、内部温度Tの測定時に求めた伝播速度v’,v’との比率a’=v’/v’(T0)、a’=v’/v’(T0)を求める。そして、校正曲線5に基づいてa’=v(T)/v(T0)、a’=v(T)/v(T0)となるTの値を求め、このTを測定対象物1の内部温度とすることで校正を行なっても良い。ここで、v(T)は縦波の校正曲線5における温度Tの伝播速度、v(T0)は縦波の校正曲線5における温度T0の伝播速度、v(T)は横波の校正曲線5における温度Tの伝播速度、v(T0)横波の校正曲線5における温度T0の伝播速度である。
このように比率a’,a’を使用して校正を行なうことで、仮に内部温度Tの測定時の縦波と横波の伝播距離に誤差があったとしても、その誤差の影響を排除した内部温度Tを求めることができる。
また、上述の説明では、測定対象物1の同じ面に照射位置8と検出位置9とを距離dだけ離して設けていたが、照射位置8と検出位置9とを同じ位置(d=0)に設けても良い。この場合の例を図3に示す。この場合には、検出位置9では超音波の励起と同時に表面波が検出されることになり、縦波が検出されるまでの時間を十分確保することができるので、表面波と縦波との識別が容易になる。
また、上述の説明では、測定対象物1の同じ面に照射位置8と検出位置9とを設けていたが、必ずしも照射位置8と検出位置9とを同じ面に設ける必要はなく、これらを異なる面に設けても良い。例えば図4に示すように、照射位置8を設けた面に対して裏面に検出位置9を設けても良い。この場合には、検出位置9において表面波が検出されることがないので縦波の識別が容易になる。
また、上述の説明では、縦波と横波の両方を使用して内部温度Tを測定していたが、縦波と横波のうちいずれか一方に基づいて内部温度Tを測定しても良い。さらに、モード変換波に基づいて内部温度Tを測定しても良い。この場合、縦波と横波の両方、又は縦波と横波のいずれか一方とモード変換波とに基づいて内部温度Tを測定しても良いし、モード変換波のみによって内部温度Tを測定しても良い。
なお、モード変換波の校正曲線5は実際の測定によって求めることも可能であるし、縦波の校正曲線5と横波の校正曲線5に基づいて算出することも可能である。即ち、モード変換波の伝播時間(到達時間)は縦波の伝播時間と横波の伝播時間との平均値であり、伝播距離Dは縦波・横波の伝播距離と同一であることから、縦波の校正曲線5と横波の校正曲線5が分かれば、モード変換波の校正曲線5を算出することができる。したがって、縦波と横波の場合と同様にモード変換波に基づいて内部温度Tを測定することができる。
また、上述の説明では、材料が既知である測定対象物1の内部温度Tを測定していたが、本発明は材料が未知である測定対象物1の内部温度Tを測定することもできる。即ち、たとえ測定対象物1の材料が未知であっても、その測定対象物1について予め校正曲線5を求めておき、記憶装置6に記憶しておくことで、測定対象物1の材料が既知の場合と同様に、内部温度Tを測定することができる。
本発明によって測定対象物1の内部温度Tを測定できることを確認するための実験を行なった。実験に使用した装置の概略構成を図5に示す。励起用レーザ光源2としてQスイッチNd:YAGレーザ(Big Sky Laser製CFR200、波長532nm、最大パルスエネルギー120mJ、パルス幅約10ns、繰り返し20Hz)を用いた。励起用レーザ光源2からのレーザ光を試料に伝送し照射する光学系、二光波混合型レーザ干渉計3から測定用のレーザ光を試料に伝送し照射する光学系、試料からの反射光を二光波混合型レーザ干渉計3に入射する光学系として光ファイバを用いた。ただし、レーザ光の空中伝播を用いても良い。表面波を測定する場合には、レーザ光を焦点距離400mmの円柱レンズでビームを線状に集光した。この場合の試料(測定対象物1)表面上におけるスポットの大きさは長さ約1cm、幅約0.5mmであった。横波と縦波を測定する場合には、焦点距離300mmの球面レンズでビームを点状に集光した。試料への照射エネルギーは約30mJ/パルス、スポット径は約1mmであった。
試料表面を伝播した表面波、あるいは試料内部を伝播し、裏面で反射した横波と縦波は照射位置8から約5cm離れた検出位置9において二光波混合型レーザ干渉計3(TECNAR製TWM)を用いて検出した。本干渉計は測定用レーザ光源10を用いて試料へ照射するレーザ光と、試料からの反射光を結晶内で混合し、この際に発生する回折光と反射光の干渉信号を得る。マイケルソン型等のレーザ干渉計は反射光と照射光をそのまま干渉させるため、試料表面の粗さによって反射光の位相分布に大きな変化が生じると干渉信号が得られない短所があるが、二光波混合型レーザ干渉計3は反射光の位相分布に大きな変化が生じても干渉信号が得られる利点がある。また、本装置では感度向上のために二光波混合型レーザ干渉計3の光源に、パルス動作が可能なロングパルスレーザ(TECNAR製PDL、波長1064nm、ピーク出力500W、繰り返し20Hz)を用いている。二光波混合型レーザ干渉計3の出力信号はノイズを除去するためのバンドパスフィルタ(NF Electronic Instruments製FV-628S、透過帯域0.5〜10MHzに設定)を介し、デジタルオシロスコープ(テクトロニクス製TDS5054、帯域500MHz、サンプリング速度5GS/s)によって測定した。
試料は電気炉内に設置し、試料温度はK熱電対によってモニタした。ここで用いた電気炉は赤外線ゴールドイメージ炉(アルバック理工製RHL-P86C)である。炉の長さは30cm(加熱長20cm)、炉口径は10cmであり、試料は加熱部中心付近に設置した。炉内温度は温度コントローラ(アルバック理工製TPC-1000)によって制御した。レーザ照射の繰り返し周波数が20Hz、オシロスコープで100ショット分を積算すること(つまり、波形を得るための積算時間5秒)を考慮し、炉内温度の変化は4℃/min以下とした。
次に、測定精度の検討を行なった。
レーザ超音波を用いた温度測定精度は超音波の伝播速度の測定精度に大きく依存する。よって、伝播速度の測定精度を把握するために、同一条件にて波形を複数回測定した。試料には9Cr鋼を用い、照射位置8から検出位置9までの距離は10mmとした。測定波形の一例を図6に示す。表面波は3.8μs付近、縦波は5.5μs付近に現れている。
図6に示した波形について、破線で示した極小値に相当する時間から表面波と縦波の到達時間(5つの波形の平均値および標準偏差)はt=3.723±0.007μs、t=5.526±0.007μsであった。波形のサンプリング間隔は0.004μsであるため、ばらつきは±2点の範囲内に収まる。上記の結果から、ショット毎のばらつきに起因する到達時間(伝播時間)の相対誤差はδt/t<0.2%と見積もられた。
対象とする超音波の照射位置8から検出位置9までの伝播距離をDとした場合、伝播速度はv=D/tで与えられる。照射位置8と検出位置9を固定すればDは変化しないため、ショット毎のばらつきに起因する伝播速度の相対誤差もδv/v<0.2%となる。
次に、測定可能な温度変化の下限値を見積もる。任意の基準温度T0における伝播速度がv0であると仮定し、未知の温度Tにおける伝播速度がvであるとする。温度変化および伝播速度変化が十分小さい場合(T−T0<<T0)、1次項までを考慮したテイラー展開から数式1が得られる。ここでdv/dTは図2(b)に示した校正曲線5の傾きに相当する。よって、温度変化をΔT=T−T0、伝播速度変化をΔv=v−v0、温度T0における校正曲線5の勾配をα(T0)とすると、数式2が成り立つ。
数式2は伝播速度の測定値に全くばらつきが存在しなかった場合、伝播速度がΔv変化したことは温度がΔv/αだけ変化したことを意味している。しかし、実際は前述の通りショット毎のばらつきや試料表面の変化などに起因する測定誤差δvが存在するため、伝播速度変化がδv以下であった場合はこれが温度変化に起因するものなのか、ばらつきによる誤差なのかの見分けがつかない。よって、本発明で求められる温度変化の下限値はδvに相当する温度変化量(数式3)となる。δTの実際の数値は校正曲線5を求めてから算出することとする。
次に、高温測定実験結果について説明する。
鋼材料中の超音波の伝播速度の温度依存性を調べるために、試料(SUS316および9Cr鋼)を電気炉内に設置し、測定実験を行った。ここでは電気炉内に励起用レーザ光(励起用レーザ光源2からの照射)と測定用レーザ光(二光波混合型レーザ干渉計3からの照射)を照射するための光学系の配置の制約から、照射位置8から検出位置9までの距離は10mmとした。SUS316試料の厚みは14mm、9Cr鋼試料の厚みは20mmであった。電気炉内の温度は熱電対によって制御し、室温から700℃まで4℃/minで昇温した。二光波混合型レーザ干渉計3で得られた超音波波形は100ショット分を平均し、60秒間隔で測定した(よって、4℃おきに波形を取得した)。
本装置で測定可能な超音波の伝播モードは、(1)照射位置8で発生し、試料表面上を検出位置9まで伝播する表面波(SW: surface wave)、(2)照射位置8で発生し、試料内部を伝播し、裏面で反射して検出位置9に到達する縦波(LW: longitudinal wave)、(3)照射位置8で縦波(又は横波)として発生し、裏面で反射する際に横波(又は縦波)に変換されて検出位置9に到達するモード変換波(CW: Conversion Wave)、および(4)照射位置8で発生し、裏面で反射して検出位置9に到達する横波である(TW: Transverse Wave)。これらを図7に模式的に示す。図7(a)は表面波、(b)は縦波、(c)はモード変換波、(d)は横波である。
(SUS316)
SUS316試料について、室温〜700℃において得られた波形のうち、50℃間隔における波形を図8に示す。また、同温度領域において得られた全ての波形の振幅を遅延時間および温度の関数として図9に示す。図9では信号の0レベルを灰色とし、(+)の部分を明色、(−)の部分を暗色で表示してある。よって、波の到達によって信号が±に振れた時間においては明暗色が交互に現れている。図9では昇温とともに表面波波形に揺らぎが生じていることが分かる。温度100〜150℃にかけて顕著となっている揺らぎはレーザ照射による表面の変化に起因し、温度600℃以上における揺らぎは昇温による表面酸化に起因すると考えられる。このように、表面波波形は測定状況によって大きく変化することから、伝播速度の正確な算出が困難で、温度測定には不向きである。
図8および図9から、モード変換波の到達時間(伝播時間)tは縦波の到達時間tと横波の到達時間tの平均値であることがわかる。これはモード変換波は裏面に到達するまで縦波(横波)、裏面で反射して表面に到達するまで横波(縦波)として伝播するため、所要時間はt=t/2+t/2となるためである。一例として、温度100℃における到達時間はt=5.7μs、t=8.0μs、t=10.3μsであり、t=(t+t)/2であることが確認できる。
縦波と横波の到達時間から得られたSUS316中の縦波と横波の伝播速度を個々の温度において算出した結果を図10および図11に示す(算出方法については後述する)。SUS316に関しては、室温〜700℃の温度範囲において伝播速度は概ね線形に変化した。最小二乗法を用いた線形近似から得られた縦波の伝播速度vと横波の伝播速度vはそれぞれ数式4、数式5であった。
[数4]
[m/s]=5940−0.74T[℃]
[数5]
[m/s]=2920−0.38T[℃]
図10および図11から、各温度における伝播速度の実測値の線形近似からのばらつきはδv〜10m/s、δv〜3m/sであった。線形近似の場合、傾きαは一定であるため、温度変化の測定下限値は縦波の場合はδT=14℃、横波の場合はδT=8℃と見積もられる。横波の方が誤差が少ない要因として、伝播時間がより長いことから時間的なばらつきの影響が相対的に小さいことが考えられる。温度測定精度としては、例えば温度500℃において横波を用いた場合は2%以下の精度が期待できる。
(9Cr鋼)
SUS316の場合と同様に、9Cr鋼試料について、室温〜700℃において得られた波形のうち、50℃間隔における波形を図12に示す。温度500℃以上においては表面の酸化のため反射率が変化し、受光信号が減少した。また、9Cr鋼においては、SUS316に比べモード変換波の振幅が小さいことが分かる。
得られた波形の振幅を遅延時間および温度の関数として図13に示す。図9と同様に波の到達によって信号が±に振れた時間においては明暗色が交互に現れている。また、温度500℃以上においては受光信号強度が減少したため、図13では各波の到達時間を示す明暗の曲線に連続性を持たせるために温度500℃以上の波形については色づけを10倍の感度として表示した。
SUS316の場合と同様に、昇温とともに表面波波形には揺らぎが生じていることから、表面波波形は温度測定に不向きであることが分かる。図13から得られた9Cr鋼中の縦波と横波の伝播速度を個々の温度において算出した結果を図14および図15に示す(算出方法については後述する)。信号強度不足のため、検出位置9に到達した時間が確定できず、速度値が大きくばらついた点は除外した。9Cr鋼に関しては、室温〜400℃の温度範囲において伝播速度は概ね線形に変化したが、400℃以上においては直線近似から離脱し、昇温とともに伝播速度の変化がより大きくなる曲線となった。
図14、図15に示した縦波と横波の伝播速度の温度依存性を二次の多項式である数式6で近似し、最小二乗法によって係数a、b、cを求めた。得られた縦波の伝播速度vおよび横波の伝播速度vはそれぞれ数式7、数式8であった。ここでT[℃]は温度である。縦波および横波の伝播速度が温度の二次の多項式となる物理的理由はないので、これはあくまでも近似式である。
[数6]
v(T)=aT+bT+c
[数7]
[m/s]=(−1.0×10−3)T−0.18T+5900
[数8]
[m/s]=(−7.8×10−4)T−0.22T+3340
図14から、各温度における縦波の伝播速度の実測値の近似曲線からのばらつきはδv〜10m/sであった。近似曲線の傾きαは温度とともに変化するので温度変化の測定下限値δTは温度によって異なる。一例として、500℃においてはα=−1.18となり、温度変化の測定下限値はδT=8℃と見積もられるため、2%以下の精度が期待できる。
以上の結果から、SUS316および9Cr鋼について、縦波と横波の伝播速度の温度依存性を求めることができた。これらを校正曲線5として用いることにより、測定した伝播速度から温度を逆算することが可能となる。即ち、一つの速度値は一つの固有温度値に相当することから、伝播速度を求めることにより温度値を逆算できることがわかった。なお、表面波については、昇温に伴う表面状態の変化により、温度依存性を求めることができなかった。つまり、表面波については、試料の表面変化によるばらつきが大きいことから伝播速度の正確な算出が困難であり、温度測定に不適である。一方、縦波、横波、モード変換波については、試料の表面変化によるばらつきが小さいことから伝播速度の正確な算出が可能であり、温度測定に適用可能であることがわかった。
SUS316の場合、縦波と横波の伝播速度は温度に対して線形に変化したが、9Cr鋼の場合は400℃以上において直線近似から離脱する曲線を示した。ただし、いずれの材料においても一つの速度値は一つの固有温度値に相当する。他の材料についても同様である。したがって、本発明によって測定対象物1の内部温度Tを測定できることがわかった。
なお、到達時間(伝播時間)の算出方法は以下の通りである。
試料温度を徐々に変化させて超音波波形を連続的に測定すると、到達時間が微小に変化した波形の系列が得られる。図8、図12では50℃毎の波形を示したが、実際は約4℃刻みで波形が得られる。試料温度に対する伝播速度依存性を得るには各温度値における到達時間を波形から見出す必要があるが、本発明では波形相関に基づく以下の手法を用いた。
まず、既知温度(通常、昇温開始前の室温)において得られた波形のうち、縦波、横波に相当する部分を切り出して参照波形r(t)、r(t)として記録する。
次に、未知温度において得られた波形のうち、縦波、横波に相当する部分を切り出して測定波形m(t)、m(t)とする。この一例を図16に示す。
各波の到達時間の変化が伝播速度の変化にのみ起因していると仮定すると、測定波形は参照波形に対してΔtだけ遅延した形となる。しかし、実際はショットノイズδ(t)も重畳されているため、測定波形と参照波形の関係は数式9、数式10となる。ここで、多数の波形についてΔtをいかに決定するかが課題となる。
[数9]
(t)=r(t−Δt)+δ(t)
[数10]
(t)=r(t−Δt)+δ(t)
以下、縦波についての処理について述べる(横波についても同様の処理である)。まず、参照波形をt'だけずらした場合の測定波形との差異を表す関数e(t')を数式11のように定義する。
ここで、t'の値を走査すると、t'=Δtとなる時にe(t')は最少値をとる(数式12)。
よって、各温度値に対応する全ての測定波形を参照波形と比べることにより、各温度値における時間遅延Δtが求まる。
本発明の内部温度の測定装置の実施形態の一例を示す概略構成図である。 レーザ超音波を用いた温度測定の概念を示し、(a)はレーザ光の照射によって励起した超音波を検出する様子を示す図、(b)校正曲線を示す図である。 レーザ光の照射と超音波の検出の他の実施形態を示す概念図である。 レーザ光の照射と超音波の検出の更に他の実施形態を示す概念図である。 実験装置の配置を示す概略構成図である。 表面波と縦波の測定波形の一例を示す図である。 測定可能な超音波のモードの概念を説明するための図であり、(a)は表面波を示す図、(b)は縦波を示す図、(c)はモード変換波を示す図、(d)は横波を示す図である。 試料:SUS316ついて異なる温度において得られた波形を示す図である。なお、SW:表面波、LW:縦波、CW:モード変換波、TW:横波であり、50℃間隔で表示している。 試料:SUS316ついて室温〜700℃において得られた超音波の振幅を示す図である。なお、SW:表面波、LW:縦波、CW:モード変換波、TW:横波であり、約4℃間隔にて表示している。 SUS316中の縦波の伝播速度の温度依存性を示す図である。 SUS316中の横波の伝播速度の温度依存性を示す図である。 試料:9Cr鋼について異なる温度において得られた波形を示す図である。なお、SW:表面波、LW:縦波、CW:モード変換波、TW:横波であり、50℃間隔で表示している。 試料:9Cr鋼について室温〜700℃において得られた超音波の振幅を示す図である。なお、SW:表面波、LW:縦波、CW:モード変換波、TW:横波であり、約4℃間隔にて表示している。 9Cr鋼中の縦波の伝播速度の温度依存性を示す図である。なお、信号強度不足のため速度値が大きくばらついた点は除外している。 9Cr鋼中の横波の伝播速度の温度依存性を示す図である。 参照波形と測定波形の一例を示す図である。
符号の説明
1 測定対象物
2 励起用レーザ光源
3 二光波混合型レーザ干渉計
4 速度算出手段
5 測定対象物1の材料における伝播速度と温度との関係
6 記憶装置
7 内部温度算出手段

Claims (7)

  1. 材料が既知である測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させると共に、前記測定対象物の内部を伝播して表面に達した前記超音波を二光波混合型レーザ干渉計によって検出し、検出した超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から求め、前記測定対象物の材料における伝播速度と温度との関係に基づいて前記測定対象物の内部温度Tを求めることを特徴とする内部温度の測定方法。
  2. 材料が未知である測定対象物について、その内部を伝播する超音波の伝播速度と温度との関係を予め求めておき、前記測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させると共に、前記測定対象物の内部を伝播して表面に達した前記超音波を二光波混合型レーザ干渉計によって検出し、検出した超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から求め、前記関係に基づいて前記測定対象物の内部温度Tを求めることを特徴とする内部温度の測定方法。
  3. 前記レーザ光の照射によって励起される超音波は縦波と横波であり、これら縦波と横波のうち、少なくともいずれか一方の波の伝播速度を求めて当該波における前記関係に基づいて前記測定対象物の内部温度Tを求めることを特徴とする請求項1又は2記載の内部温度の測定方法。
  4. 前記測定対象物の内部を既知の温度T0にした状態で前記レーザ光の照射と前記二光波混合型レーザ干渉計による前記超音波の検出を行なって前記超音波の伝播速度v’(T0)を求め、前記伝播速度v’と前記伝播速度v’(T0)との比率a’を求め、前記関係と前記比率a’とにより前記内部温度Tを校正することを特徴とする請求項1又は2記載の内部温度の測定方法。
  5. 材料が既知である測定対象物の内部温度を非接触で測定する内部温度の測定装置において、前記測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させる励起用レーザ光源と、前記測定対象物の内部を伝播して表面に達した前記超音波を検出する二光波混合型レーザ干渉計と、前記二光波混合型レーザ干渉計によって検出された超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から算出する速度算出手段と、前記測定対象物の材料における伝播速度と温度との関係を記憶した記憶装置と、前記速度算出手段が求めた伝播速度v’と前記記憶装置に記憶されている前記関係とに基づいて前記測定対象物の内部温度Tを求める内部温度算出手段を備えることを特徴とする内部温度の測定装置。
  6. 材料が未知である測定対象物の内部温度を非接触で測定する内部温度の測定装置において、前記測定対象物の表面にレーザ光を照射してその内部を伝播する超音波を励起させる励起用レーザ光源と、前記測定対象物の内部を伝播して表面に達した前記超音波を検出する二光波混合型レーザ干渉計と、前記二光波混合型レーザ干渉計によって検出された超音波の伝播速度v’をその伝播距離と伝播時間から算出する速度算出手段と、前記測定対象物について予め求めておいた伝播速度と温度との関係を記憶した記憶装置と、前記速度算出手段が求めた伝播速度v’と前記記憶装置に記憶されている前記関係とに基づいて前記測定対象物の内部温度Tを求める内部温度算出手段を備えることを特徴とする内部温度の測定装置。
  7. 前記レーザ光の照射によって励起される超音波は縦波と横波であり、前記速度算出手段は、前記縦波と前記横波のうち、少なくともいずれか一方の波の伝播速度を求めるものであり、当該波における前記関係に基づいて前記内部温度算出手段は前記測定対象物の内部温度Tを求めることを特徴とする請求項5又は6記載の内部温度の測定装置。
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