JP5162349B2 - 抵抗溶接ガン - Google Patents
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Description
現状においては、用途に適応する多種多様の車体デザイン、車種の出現によって、電極チップである主電極棒と副電極棒との対峙間隔が拘束される溶接ガンでは、奥まった障害部材がある修理溶接位置(打点位置)や、主電極棒と副電極棒の対峙間隔の間を通過出来ない幅の縁や形状の打点部形状(溶接部の形状)があるワーク等に対して、主電極棒と副電極棒との間にワークが位置するようにセットする作業ができないか、著しく困難とする状態を招いていることに着眼し、副電極棒を保持固定するガンアーム部を構成するハンドアームを、U字形に形成した各種サイズのものを準備しておき、これを適宜交換するようにしたり、その上で主電極棒に対し副電極棒が固定したガンアーム部を水平方向に回動できるようにして、主電極棒と副電極棒との間にワークを位置させやすくしたスポット溶接ガンが開発され実用化されている。
この種のスポット溶接ガンにおいて、アームの交換を容易にすることを目的とした発明として、特許文献1(特開2004−314131号公報)に記載された抵抗溶接ガンがある。
互いに対向する第1の電極チップおよび第2の電極チップと、
前記第1の電極チップを前記第2の電極チップに対して当接離間可能に保持する駆動手段を備えたガン本体と、
前記ガン本体に設けられたアームホルダに回動可能かつ着脱可能に固定されるアームと、
を備える抵抗溶接ガンであって、
前記アームホルダは、
前記アームの端部を回動可能に軸支する軸孔と、
前記軸孔の内周面に、前記アーム側の開口面から所要間隔離間して、回動軸方向と直交する方向に形成された始端と終端を有する第1の溝と、
同じく前記軸孔の内周面に形成され、前記アーム側の開口面と前記第1の溝とを連通する第2の溝と、を有して構成され、
前記アームは、
一端側に前記第2の電極チップを保持するアーム部と、
前記アーム部の他端側に設けられた回動軸部と、
この回動軸部の外周面に設けられ、前記第1の溝の始端または終端と当接させたときに、前記第1及び第2の電極チップが互いに対向するようにアームを位置決めする突起体と、から構成されている。
また、アームの回動軸部を軸孔に挿入する際、突起体の回動位置を第2の溝に合わせ乍ら慎重に挿入しなければならない、という操作上の不都合がある。
また、アームホルダとアームの回転軸部は、共に、導電体である金属よりなるものであるため、両者間での絶縁が厄介である、という難点がある。
前記ガン本体に設けられたアームホルダに、着脱可能に固定される複数種のアームと、を備える抵抗溶接ガンにおいて
前記アームの基端部を回動可能に且つ前記アームとの間を電気的に絶縁した状態で軸支する軸孔と、前記軸孔の一部を軸方向に分断するように形成されたスリットと、前記スリットにより分断された一方および他方に前記スリットに直交して形成された貫通孔および雌ねじ部と、前記貫通孔を挿通し前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を有するクランプレバーと、を有するアームホルダと、
先端側に前記第2の電極チップを保持するアーム部と、前記アーム部の基端側に設けられた回動軸部と、前記アーム部の基端側外周部に設けられた突起部材とを有するアームと、
前記アームホルダに固定され、前記軸孔に嵌装された状態の前記アームを一方向に回動させ前記アーム部に設けられた前記突起部材に当接させたとき、
前記第1および第2の電極チップが互いに対向するようにアームの位置決めをする絶縁材料からなる位置規制部材と、
から構成したことを特徴としている。
請求項3に記載した発明に係る抵抗溶接ガンは、前記アームホルダの軸支方向は、前記第1の電極チップの進退方向と平行に設定されていることを特徴としている。
請求項4に記載した発明に係る抵抗溶接ガンは、前記位置規制部材が、前記位置規制部材は、前記アームの種類に応じて、前記アームホルダの前端面から異なった軸方向位置に複数の半円弧状またはV字状の凹部が設けられ、当該凹部の底面部に第1の角度位置調整ねじが螺合されていることを特徴としている。
請求項5に記載した発明に係る抵抗溶接ガンは、前記回動軸部と共に前記突起部材が回動して、前記位置規制部材に当接する際に、前記第1の角度位置調整ねじと当接するように、前記突起部材に第2の角度位置調整ねじを設けたことを特徴としている。
請求項6に記載した発明に係る抵抗溶接ガンは、前記位置規制部材が、前記位置規制部材は、ベークライトで形成されており、前記アームホルダと前記アームとの間が絶縁されていることを特徴としている。
前記ガン本体に設けられたアームホルダに、着脱可能に固定される複数種のアームと、を備える抵抗溶接ガンにおいて
前記アームの基端部を回動可能に且つ前記アームとの間を電気的に絶縁した状態で軸支する軸孔と、前記軸孔の一部を軸方向に分断するように形成されたスリットと、前記スリットにより分断された一方および他方に前記スリットに直交して形成された貫通孔および雌ねじ部と、前記貫通孔を挿通し前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を有するクランプレバーと、を有するアームホルダと、
先端側に前記第2の電極チップを保持するアーム部と、前記アーム部の基端側に設けられた回動軸部と、前記アーム部の基端側外周部に設けられた突起部材とを有するアームと、
前記アームホルダに固定され、前記軸孔に嵌装された状態の前記アームを一方向に回動させ前記アーム部に設けられた前記突起部材に当接させたとき、
前記第1および第2の電極チップが互いに対向するようにアームの位置決めをする絶縁材料からなる位置規制部材と、
から構成されることにより、構成が簡素で、機械加工成型加工が容易でありながら、アームの交換操作が頗る容易であって、軸孔に嵌装された状態のアームを一方向に回動させ前記アーム部の基端部側にもうけられた突起部材を当接しクランプ部材で締付けるだけの簡単な操作で第1および第2の電極チップが互いに対向するようにアーム位置決めを行うことができる。
また、簡単な構成でありながら、アームホルダとアームとを確実に電気的に絶縁することができる。
また、請求項3に記載の抵抗溶接ガンによれば、前記アームホルダの軸支方向が、前記第1の電極チップの進退方向と平行に設定されていることにより、アームホルダの軸支方向が、第1の電極チップの進退方向と直交する方向に設定されているもの(特許文献1のもの)に比べて、溶接時におけるアームの基端部には大きな曲げモーメントが作用するため、その分、基端部の強度を大きく(即ち、直径を太く)必要があるが、本請求項3の如き構成とすれば、アームの基端部には、主として、引張り力が作用することになるので、その分、基端部の強度を低く設定することができる。
また、請求項5に記載の抵抗溶接ガンによれば、前記回動軸部と共に前記突起部材が回動して、前記位置規制部材に当接する際に、前記第1の角度位置調整ねじと当接するように、前記突起部材に第2の角度位置調整ねじを設けたことにより、より広い角度範囲の位置調整を可能とする。
また、請求項6に記載の抵抗溶接ガンによれば、前記位置規制部材は、ベークライトで形成されており、前記アームホルダと前記アームとの間が絶縁されていることにより、アームホルダとアームとの絶縁が容易化され、構成も簡略化することができる。
先ず、具体的な実施の形態を説明する前に、先ず、本発明にかかる抵抗溶接ガンの基本的な構成について説明する。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る抵抗溶接ガンの一つの実施形態を表す側面図、図2は、本発明に係る抵抗溶接ガンの一部の構成を示す平面図、図3は、本発明に係る一つの実施形態に係る抵抗溶接ガンの一部の構成を示す斜視図、図4は、本発明の一つの実施形態に係る抵抗溶接ガンの一部を示す平面図、図5は、本発明に係る抵抗溶接ガンにおけるアームホルダとアーム部との結合部分を示し、特に、アーム部上の突起部材と位置規制部材との関係を説明するための説明図、図6は、図5に示されている突起部材の外観構成を示す斜視図、図7は、図5に示される突起部材およびその突起部材に設けられた第2の角度位置調整ねじと当接する位置規制部材の凹部に設けられた第1の角度位置調整ねじとの関係を説明する図で、このうち、(a)は、パターンAの接触関係を示す図、(b)は、パターンBの接触関係を示す図、(c)は、パターンCの接触関係を示す図、(d)は、パターンDの接触関係を示す図である。
はじめに、図1、図2において、抵抗溶接ガンの構成について説明する。
図1、図2に示すように、本実施形態の抵抗溶接ガン1は、内部にエアシリンダを備えたガン本体2と、このガン本体2に回動可能、着脱可能であって且つアーム4との間をベークライトからなる絶縁リング5を中間に介した状態で軸支されたアーム4と、このガン本体2およびアーム4に保持された第1の電極チップ6および第2の電極チップ7とから構成されている。
ガン本体2は、第1の電極チップを押し動かして、被溶接体(一般に「ワーク」と称している)を加圧するエアシリンダ11およびピストンロッド9と、アーム4をガン本体2に回動可能且つ着脱可能に固定するアームホルダ10と、このアームホルダ10と、エアシリンダ11とを連結するブラケット3とから構成されている。
エアシリンダ11には、バルブ(図示せず)を介してエアホース(図示せず)が、接続させる。
ピストンロッド9は、その先端に第1の電極チップ6を保持している。ピストンロッド9がエアの圧力で図中、左方に押し出されると、第1の電極チップ6が第2の電極7との間に被溶接物(例えば、2枚の鋼板)8を押圧するようになっている。また、ピストンロッド9には、ケーブルジョイント(図示せず)を介して電源ケーブル(図示せず)が接続され、第1の電極チップ6に電気を供給できるようになっている。ここで、エアシリンダ11およびピストンロッド9の機能部分を駆動装置と称することとする。
ブラケット3は、エアシリンダ11とアームホルダ10とを連結する。本実施形態では、ブラケット3は、アームホルダ10に結合されたケーブルジョイント12とも連結している。
アームホルダ10は、アーム4をガン本体2に回動可能かつ着脱可能に固定する部材である。アームホルダ10は、上面が凸状円弧部とされ全体として略直方体形状の部材であり、ブラケット3の上端にはケーブルジョイント12が結合されている。このケーブルジョイント12には、電源ケーブル13が接続されている。
なお、アームホルダ10については、図3を参照して、後に詳しく説明する。
アーム4は、第2の電極チップ7を第1の電極チップ6に対向する位置に保持するための部材である。アーム4は、側面から見て略L字型の部材であり、アームホルダ10を介してガン本体2に回動可能かつ着脱可能に固定されているが、中間に絶縁リング5を介しているため、アーム4とアームホルダ10とは電気的に絶縁されている。また、アーム4は、一端側に第2の電極チップ7を保持するアーム部4aと、このアーム部4aの他端側に設けられた回動軸部4bと、この回動軸部4bの外周面に設けられた突起部材15とから構成される。
アーム部4aは、一端側に第2の電極チップ7を取り付けることができるように構成されている。本実施形態では、アーム部4aは、側面より見た形状が逆L字形に形成されているので、被溶接物8の端部から離れていない位置にある打点を溶接することができるようになっている。
回動軸部4bは、アーム4を回動可能に軸支する円柱形状の部材である(図3参照)。回動軸部4bは、アームホルダ10の軸孔10aに挿入される。これにより、アーム4はガン本体2に対して回動可能に軸支される。
突起部材15は、アーム4の位置(回動角度位置)を決めるための部材であり、アーム部4aの外周面の所定位置に突設されている(図3参照)。この「所定位置」、すなわち「アーム部4aに対する突起部材15の取付け位置」については、図3を用いて後に詳しく説明する。
アーム4は、アームホルダ10のクランプレバー16を緩めると、回動軸部4bを中心として回動可能となる。
また、アーム4は、導電性の材料で形成されており、アームホルダ10内の導電リング14およびケーブルジョイント12を介して電源ケーブル13から供給される電流を第2の電極チップ7に通電することができるようになっている。
第1の電極チップ6は、ガン本体2のピストンロッド9の先端に取り付けられている。エアシリンダ11にエアが供給され、ピストンロッド9が押し出されると、第1の電極チップ6は、第2の電極チップ7に対して近接する方向に移動し、エアの供給が終了すると第2の電極チップ7に対して離間する方向に移動するようになっている。
第2の電極チップ7は、溶接時に第1の電極チップ6と対になって被溶接物8を挟み、これを加圧してスポット溶接するものである。第2の電極チップ7は、アーム4のアーム部4aの先端側に取り付けられており、アーム4と共に回動するようになっている。
なお、第2の電極チップ7は、アーム4、アームホルダ10およびケーブルジョイント12を経由して電源ケーブル13と通電可能となっている。
次に、アームホルダ10の構造について、図3その他の図面を参照してさらに詳しく説明する。図3は、アームホルダ10と回動軸部4bの取付け途中の状況を示した拡大斜視図である。
軸孔10aは、アーム4の回動軸部4bと略同径に形成された孔である。この軸孔10aにアーム4の回動軸部4bを挿入することにより、アーム4がガン本体2に取り付けられるとともに、回動可能に支持される。
また、アームホルダ10は、軸孔10aの周面の一部を軸方向に分断するスリット19と、このスリット19に直交して形成された前方側には貫通孔10bおよび雌ねじ部10cと、この貫通孔10bを挿通し、雌ねじ部10cにねじ込まれて取り付けられるクランプレバー16とを有しており、これらによってクランプ機構を構成している。したがって、クランプレバー16を操作してスリット19を締めたり緩めたりすることにより、アーム4をガン本体2に固定したり回動可能にしたりすることができる。
突起部材15は、アーム4をアームホルダ10に挿入して、第1の電極チップ6と第2の電極チップ7とが互いに対向するようにアーム4の向きを調節したときに、突起部材15と第1の凹部17bの底部に埋め込んだ第1の角度調整ねじ18a1とが当接する位置に取り付ける。こうすることにより、突起部材15を第1の角度調整ねじ18a1に当接させるだけで、第1の電極チップ6と第2の電極チップ7とが互いに対向するようにアーム4を位置決めすることができる。
なお、突起部材15の取付け方法は、所要の強度を得ることができる方法であれば、溶接、ロウ付け、ロックねじ止め等、如何なる方法でもよい。
次に、抵抗溶接ガン1の動作について説明する。
被溶接物8(図1参照)にスポット溶接を行う場合には、第1の電極チップ6と第2の電極チップ7との間に被溶接物8を挟み込む必要がある。被溶接物8の端部が折れ曲がっている場合など、第1の電極チップ6と第2の電極チップ7とが対向した状態では当該被溶接物8を挟み込むことができないときは、クランプレバー16を例えば、反時計方向に回動操作してスリット19を緩め(広げ)、アーム4を回動させる。
このようにして、第2の電極チップ7を第1の電極チップ6に対して被溶接物8の反対側に配置した後で、ガン本体2をアーム4に対して相対的に回動させることにより、第1の電極チップ6と第2の電極チップ7とが互いに対向するように、アーム4の位置を調節する。
被溶接物8にスポット溶接を行う場合には、第1の電極チップ6と第2の電極チップ7とが互いに対向する位置になるように、アーム4の向きを調節する。
ここで、図5に示すように、アーム4を回動させて突起部材15を第1の凹部17bの底部の第1の角度調整ねじ18a1に当接させると、第1の電極チップ6と第2の電極チップ7とが互いに対向する位置に配置される。アーム4の位置が決まったら、クランプレバー16を、例えば、時計方向に回動操作して、アーム4を固定する。
被溶接物8の端部から離れた(深い)位置にある打点を溶接する場合であって、装着しているアーム4の懐深さではその打点にとどかないときは、アーム4を取り外して懐深さの深い他のアームに交換する。
アーム4を取り外すときは、クランプレバー16を例えば、反時計方向に回動操作してスリット19を緩めて(広げて)から、図5に示すように、突起部材15の第1の凹部17bから外れるように、アーム4を若干回動し、アーム4を回動軸部4bの軸方向に引き抜くことにより、突起部材15を回動軸部4bに取り付けたままの状態で、アーム4をアームホルダ10から取り外すことができる。また、取外し手順を逆に行うことにより、例えば、図10に示すような他のアーム4′をアームホルダ10に取り付けることができる。
次に、本発明に係る抵抗溶接ガンにおけるアーム4上に植設された突起部材と、突起部材15のストッパー機能を果たす位置規制部材17との関係を図7を参照して説明する。
この位置規制部材17は、取付ねじ(図示せず)をもって、アームホルダ10に固定されており、上述したよう、絶縁体であるベークライトにより形成されており、その上面には、アームホルダ10の前端面から、それぞれ異なる距離に2つの第1の凹部17bと第2の凹部17cが形成されており、これは、アーム4をアームホルダ10に嵌合挿入した状態で、アーム4の軸方向位置を案内する役割を果たす。実際のアーム4や位置規制部材17の製作上の加工誤差や長期間使用による伸びや変形が生じるため、第1の凹部17b、第2の凹部17cのいずれかを選択して合わせればよく、実際のアーム4の取付角度は、各凹部17b、17cの各底部に植設された第1の角度調整ねじ18a1または18a2の深さ調整に依存する。
また、アーム4の種類によっては、調整量が大きく必要がある場合があるため、図6に示すように、突起部材15の頭部に、第2の角度調整ねじ18bを埋め込むことにより、図5に示すように、それが実現される。
このように、製作上の誤差や長期使用による変形(磨耗)などが生じても、広範囲な角度位置調整に対応することができる。
次に、位置規制部材17の配設条件について説明する。
本発明者は、図9に示す参考図のように、スリット19が形成されていない側で、角度位置規制すべく、第1の角度調整ねじ20および第1の凹部21を形成して、実験したところ、中々、第1の電極リング6と第2の電極リング7との一致を図ることができなかった。
そこで、位置規制部材17の配設条件として、アームホルダ10の前方近傍であって、クランプレバー16を、スリット19の間隙を狭くする方向に回動したとき、回動軸部4bが随動するのを阻止する側に配置すること、即ち、図8に示すように配置することが、極めて重要な条件となる。
以上、要するに、上述のように構成された本発明に係る抵抗溶接ガンは、下記のような効果をもたらす。
即ち、構成が簡素で、機械加工や成型加工が容易でありながら、アームの交換操作が頗る容易であって、軸孔に嵌装された状態のアームを一方向に回動させ前記アーム部の基端部側に設けられた突起部材を位置規制部材に当接しクランプ部材で締付けるだけの簡単な操作で第1および第2の電極チップが互いに対向するようにアーム位置決めを行うことができる。
請求項2に記載の抵抗溶接ガンのように、前記位置規制部材が、前記アームホルダの前方近傍であって、前記クランプレバーを前記スリットの間隙を狭くする方向に回動したとき、前記回動軸部が随動して回動するのを阻止する側に配設したことにより、クランプレバーの締付けに伴って、アーム上の突起部材が、位置規制部材の方向により接近するように作用するので、常に突起部材の位置規制部材による位置規制が安定化されるという効果が生じる。
また、請求項3に記載の抵抗溶接ガンのように、前記アームホルダの軸支方向が、前記第1の電極チップの進退方向と平行に設定されていることにより、アームホルダの軸支方向が、第1の電極チップの進退方向と直交する方向に設定されているもの(特許文献1のもの)の場合、溶接時におけるアームの基端部に大きな曲げモーメントが作用するため、その分、基端部の強度を大きく(即ち、直径を太くまたは厚肉にする)必要があるが、本請求項3の如き構成とすれば、アームの基端部には、主として、引張り力が作用することになるので、その分、基端部の強度を低く設定することができ、経済的であると共に、軽量化を実現することができる。
また、請求項5に記載の抵抗溶接ガンのように、前記回動軸部と共に前記突起部材が回動して、前記位置規制部材に当接する際に、前記第1の角度位置調整ねじと当接するように、前記突起部材に第2の角度位置調整ねじを設けたことにより、より広い角度範囲の位置調整を可能とすることができる。
また、請求項6に記載の抵抗溶接ガンのように、前記位置規制部材は、ベークライトで形成されており、前記アームホルダと前記アームとの間が絶縁されていることにより、アームホルダとアームとの絶縁が容易化され、構成も簡略化することができる。
2 ガン本体
3 ブラケット
4 アーム
4a アーム部
4b 回動軸部
5 絶縁リング
6 第1の電極チップ
7 第2の電極チップ
8 被溶接物(ワーク)
9 ピストンロッド
10 アームホルダ
10a 軸孔
10b 貫通孔
10c 雌ねじ部
11 エアシリンダ
12 ケーブルジョイント
13 電源ケーブル
14 導電リング
15 突起部材
16 クランプレバー
16a 雄ねじ部
17 位置規制部材
17a 凹面
17b、21 第1の凹部
17c 第2の凹部
18a1、18a2、20 第1の角度調整ねじ
18b 第2の角度調整ねじ
19 スリット
Claims (6)
- 互いに対向する第1の電極チップおよび第2の電極チップと、前記第1の電極チップを前記第2の電極チップに対して当接離間可能に保持する駆動手段を備えたガン本体と、
前記ガン本体に設けられたアームホルダに、着脱可能に固定される複数種のアームと、を備える抵抗溶接ガンにおいて
前記アームの基端部を回動可能に且つ前記アームとの間を電気的に絶縁した状態で軸支する軸孔と、前記軸孔の一部を軸方向に分断するように形成されたスリットと、前記スリットにより分断された一方および他方に前記スリットに直交して形成された貫通孔および雌ねじ部と、前記貫通孔を挿通し前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を有するクランプレバーと、を有するアームホルダと、
先端側に前記第2の電極チップを保持するアーム部と、前記アーム部の基端側に設けられた回動軸部と、前記アーム部の基端側外周部に設けられた突起部材とを有するアームと、
前記アームホルダに固定され、前記軸孔に嵌装された状態の前記アームを一方向に回動させ前記アーム部に設けられた前記突起部材に当接させたとき、
前記第1および第2の電極チップが互いに対向するようにアームの位置決めをする絶縁材料からなる位置規制部材と、
から構成されることを特徴とする抵抗溶接ガン。 - 前記位置規制部材は、前記アームホルダの前方近傍であって、前記クランプレバーを前記スリットの間隙を狭くする方向に回動したとき、前記回動軸部が随動して回動するのを阻止する側に配設したことを特徴とする請求項1に記載の抵抗溶接ガン。
- 前記アームホルダの軸支方向は、前記第1の電極チップの進退方向と平行に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗溶接ガン。
- 前記位置規制部材は、前記アームの種類に応じて、前記アームホルダの前端面から異なった軸方向位置に複数の半円弧状またはV字状の凹部が設けられ、当該凹部の底面部に第1の角度位置調整ねじが螺合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の抵抗溶接ガン。
- 前記回動軸部と共に前記突起部材が回動して、前記位置規制部材に当接する際に、前記第1の角度位置調整ねじと当接するように、前記突起部材に第2の角度位置調整ねじを設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の抵抗溶接ガン。
- 前記位置規制部材は、ベークライトで形成されており、前記アームホルダと前記アームとの間が絶縁されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の抵抗溶接ガン。
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