以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像複写システムの概略構成を示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態の画像複写システムは、原稿から読み取った原稿画像を記録紙に複写印刷するインクジェット記録装置1と、原稿画像が複写印刷された記録紙の仕分け、及び、ステープラやパンチ等の記録紙に対する後処理加工を施すフィニッシャー2とを備えている。
前記インクジェット記録装置1は、原稿M上の原稿画像I(図3参照)を読み取って画像信号を出力するスキャナー部101と、スキャナー部101から出力された画像信号に基づいて所定の記録媒体に原稿画像Iを印刷(記録)するプリンター部102(請求項中の記録部に相当)と、各種の入力設定及び情報表示を行うディスプレイ110とを備えている。
スキャナー部101は、図2に示すように、原稿Mの画像を光電的に読み取り、画像を構成する各画素のR成分、G成分およびB成分の8ビットのデジタル信号を出力するものである。このスキャナー部101は、原稿読取部101a(請求項中の読取部に相当)と、自動原稿供給装置(以下ADFまたはADFユニットとする)101bとを有している。
原稿読取部101aでは、原稿載置ガラス台429に載せたブック等厚物の原稿Mの原稿画像I(図3参照)を、図2中の引用符号A,Bで示す2つのポジション間で矢印a方向に移動させたラインイメージセンサ427により読み取る。なお、厚物の原稿Mを原稿載置ガラス台429に載せる場合は、圧板431を使って、原稿載置ガラス台429に原稿Mを圧接させ、かつ、原稿Mの周囲からの読取光の漏光を防止する。
ちなみに、図2中では簡略化して示しているが、原稿載置ガラス台429の下方に適切な間隔をおいて複数配置されている複数の圧板側原稿セットセンサ434によって、原稿載置ガラス台429上に原稿Mがセットされたことの他、セットされた原稿Mのサイズ及び向きが検出される。
また、原稿読取部101aでは、光学式のADF原稿セットセンサ436により原稿セットトレー435へのセットが検出された1又は複数枚の原稿Mを、送りローラ群437により原稿排出トレー439へ送り出す。その途中でターゲットガラス板433上を原稿Mに通過させ、ターゲットガラス板433の下方の図2中の引用符号Cで示すホームポジションに移動させたラインイメージセンサ427により、原稿Mの原稿画像I(図3参照)を読み取る。
この場合の原稿Mのサイズ及び向きは、ラインイメージセンサ427による原稿検出幅と、送りローラ群437により原稿Mがラインイメージセンサ427を通過する所要時間とによって検出される。
なお、原稿載置ガラス台429に原稿Mを載置する場合は、図3に示すように、原稿画像Iが原稿載置ガラス台429側となるよう原稿Mを裏向きに載置する。また、ADFユニット101bの原稿セットトレー435に原稿Mを載置する場合にも、図3に示すように、原稿画像Iが原稿セットトレー435側となるよう原稿Mを裏向きに載置する。
図4に示すように、プリンター部102では、スキャナー部101おいて原稿Mから読み取った原稿画像Iを基に制御基板103で生成したデジタル画像信号を用いて、給紙部105からベルト搬送部106により矢印b方向に搬送された、原稿画像Iが印刷される前の記録紙P´(請求項中の記録媒体に相当)に対して、インクジェットヘッドユニット104によって原稿画像Iが印刷される。
片面印刷の場合は、印刷済みの記録紙P(請求項中の記録媒体に相当)がベルト搬送部106により排紙部109に搬送されて排紙される。両面印刷の場合は、ベルト搬送部106と搬送路112と両面用ベルト搬送部107との連係によって、片面印刷済みの記録紙P´が反転状態で矢印b方向から矢印c方向に連続して搬送され、両面用スタックトレー108に一旦排紙される。そして、再びベルト搬送部106によりインクジェットヘッドユニット104に記録紙P´が搬送されて、残る片面にも原稿画像Iが印刷される。印刷済みの記録紙Pは、片面印刷の場合と同様に、ベルト搬送部106により排紙部109に搬送されて排紙される。
インクジェットヘッドユニット104は、図5に示すように、Y成分、M成分、C成分およびK成分のデジタル画像信号の各成分に対応した記録ヘッド40〜43と、記録ヘッド40〜43を駆動するヘッドドライバー44とを備えている。
また、図4に示す給紙部105には、記録紙P′のサイズ及び向きを検出する用紙センサ546が設けられている。
図4に示す制御基板103においては、スキャナー部101から出力された原稿Mの1枚分の原稿画像Iがデジタル画像信号の形で記憶され、そのデジタル画像信号に所定の画像処理が施される。処理済デジタル画像信号は、インクジェットヘッドユニット104に対して出力される。そのために、制御基板103は、図6に示すように、記憶手段113、カラー画像処理部133、信号変換部123、および設定するインク量設定手段143を備えている。
記憶手段113は、スキャナー部101から出力された画像1枚分のR成分、G成分およびB成分のデジタル画像信号および所定の信号処理の施されたデジタル画像信号を記憶する。
カラー画像処理部133は、記憶手段113に記憶されたR成分、G成分およびB成分のデジタル画像信号をY成分、M成分、C成分およびK成分のデジタル画像信号に変換する。
信号変換部123は、カラー画像処理部133によりY(イエロー)成分、M(マゼンダ)成分、C(シアン)成分およびK(ブラック)成分のデジタル画像信号における各画素データを3ビットのデータに変換する。
インク量設定手段143は、信号変換部123において変換された3ビットの画素データに基づいてインクを吐出する際のインク量を設定する。インク量設定手段143が設定するインク量は、操作者がディスプレイ110により指定する濃度によっても変わる。
記憶手段113は、スキャナー部101から出力された画像1枚分のR成分、G成分およびB成分のデジタル画像信号を各成分毎に記憶するフレームメモリ30と、カラー画像処理部133により変換されたY成分、M成分、C成分およびK成分のデジタル画像信号などを記憶するワーキングメモリ31と、インク量設定手段143によりインク量の設定されたY成分、M成分、C成分およびK成分のデジタル画像信号を記憶する駆動メモリ32とを備えている。
具体的には、スキャナー部101により光電的に読み取られた原稿画像Iに関する、R成分、G成分およびB成分に変換されたデジタル画像信号は、原稿Mの1枚分ずつ、各成分毎にフレームメモリ30に記憶される。
そして、この印刷指示に応じてフレームメモリ30に記憶された原稿Mの1枚分に当たる原稿画像Iのデジタル画像信号の画素データが、カラー画像処理部133に出力において、R成分、G成分およびB成分からY成分、M成分、C成分およびK成分に変換され、二値化処理された後、ワーキングメモリ31に記憶される。
上記のように二値化されたY成分、M成分、C成分およびK成分の画素データは、それぞれの成分について信号変換部123により3ビットのデータに変換され、再びワーキングメモリ31に各成分毎に記憶される。
上記の処理によって、原稿Mの1枚分に当たる原稿画像Iのデジタル画像信号の処理済デジタル画像データが生成されて、各成分毎にワーキングメモリ31に記憶される。そして、ワーキングメモリ31に記憶された各成分毎の処理済デジタル画像信号は駆動メモリ32に記憶される。駆動メモリ32に記憶された処理済デジタル画像信号は、所定のタイミングでインクジェットヘッドユニット104に出力される。
そして、各成分毎の処理済デジタル画像信号が、図5に示すヘッドドライバー44に入力され、ヘッドドライバー44は、処理済デジタル画像信号を各成分に対応した記録ヘッド40〜43に出力し、各記録ヘッド40〜43に、処理済デジタル画像データに基づいて記録紙の搬送速度に同期させた所定のタイミングでインクを吐出させる。
一方、上記のような処理が、先に説明した、図4の給紙部105からインクジェットヘッドユニット104への記録紙P´の搬送に同期して行われ、記録ヘッド40〜43から吐出されたインクが記録紙P´に転写されて原稿画像Iが記録紙P´に印刷される。
なお、原稿Mからスキャナー部101おいて読み取られた原稿画像Iは、90゜又は180°回転させた向きで記録紙P´に印刷される場合もある。
例えば、記録紙P´に両面印刷が行われる場合は、裏面印刷時に、表面に印刷された画像と画像の向きを同じにする必要がある。
また、給紙部105の用紙センサ546により検出される記録紙P´のサイズが、スキャナー部101の複数の圧板側原稿セットセンサ434(図2参照)により検出される原稿載置ガラス台429上の原稿Mのサイズや、ラインイメージセンサ427等により検出されるADFユニット101bの原稿セットトレー435から原稿載置ガラス台429に搬送される原稿Mのサイズと一致するものの、ベルト搬送部106によりインクジェットヘッドユニット104に搬送された記録紙P´に原稿Mとは異なる向きで画像情報Iが印刷されてしまうような向きで、原稿載置ガラス台429上や原稿セットトレー435上に原稿Mが載置されている場合は、記録紙P´にも原稿M上の向きと同じ向きで原稿画像Iが印刷されるようにする必要がある。
両面印刷に際して原稿画像Iの向きを変える必要がある場合には、制御基板103におけるデジタル画像信号の処理において、原稿画像Iの向きを180°回転させる処理が施されることになる。また、原稿Mと記録紙P´との向きに起因して原稿画像Iの向きを変える必要がある場合には、制御基板103におけるデジタル画像信号の処理において、原稿画像Iの向きを90゜回転させる処理が施されることになる。
この回転処理は、ワーキングメモリ31に記憶されたY成分、M成分、C成分およびK成分の各成分毎の処理済デジタル画像信号を駆動メモリ32に記憶させる際に実行される。
次に、ディスプレイ110は、スキャナー部101と共にプリンター部102の上部に配置されている。ディスプレイ110の画面にはタッチセンサ(図示せず)が貼着されている。このタッチセンサにより、ディスプレイ110に表示される後述の各ボタンの押圧操作を検出することができる。
図7はインクジェット記録装置1に設けられたディスプレイ110の表示により構成される操作画面を示す説明図である。ディスプレイ110には、デフォルト画面として図7に示す基本メニュー画面が表示されている。この基本メニュー画面は、左側に現在の設定状態やセンサによる検出状態を表示するエリアを有しており、右側に印刷枚数を表示するカウンタ、印刷枚数等を入力設定するためのテンキー、印刷濃度を自動設定するための自動濃度ボタン、印刷濃度を手動で入力設定するための濃度入力ゲージ、及び、印刷のスタート、ストップの各キーを表示するエリアを有している。
基本メニュー画面の左側のエリアに表示されるのは、具体的には、原稿Mのセット向き(縦向き(原稿台・AF)、横向き(原稿台・AF))、原稿Mのサイズと向き(例えば、A4縦、A4横、B5縦等)、原稿画像Iを印刷する記録紙P´のサイズと向き(例えば、A4縦、A4横、B5縦等)、印刷倍率(等倍、拡大、縮小、倍率%表示)、印刷済みの記録紙Pのソートメニューの設定状態、ステープルメニューの設定状態(手前、中央、奥側、無)、原稿画像Iの記録紙P´に対する印刷の向きを原稿Mと異なる向きに変える回転処理を自動で判断し実行する「自動回転」モード(ON(スピード優先)、ON(手間優先)、OFF)である。
このうち、原稿Mのセット向きのエリアには、原稿セット向きに関する入力設定内容が表示される。表示される内容は、右端の設定ボタンを押圧操作することでディスプレイ110に階層的に切替表示される原稿セット向きに関する各設定画面において入力設定される。
具体的には、原稿セット向きの設定ボタンの押圧操作により、まず、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面から図8の原稿セット先設定画面に切り替わる。この原稿セット先設定画面では、原稿Mをセットするのが原稿載置ガラス台429であるか、それとも、ADFユニット101bの原稿セットトレー435であるかを入力設定するようになっている。
なお、原稿セット先設定画面で戻るボタンを押圧操作すると、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面から切り替わった以降に図8の原稿セット先設定画面で行われた、原稿Mのセット向きに関する入力設定内容が全てキャンセルされて、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に切り替わる。
一方、原稿セット先設定画面において、原稿Mのセット対象を押圧操作しさらに選択ボタンの押圧操作により入力設定する(入力内容を確定させる)と、ディスプレイ110の表示が図8の原稿セット先設定画面から原稿セット向き設定画面に切り替わる。ここで、図8の原稿セット先設定画面において原稿Mのセット先として原稿載置ガラス台429を入力設定した場合は、図9又は図10の原稿セット向き設定画面がディスプレイ110に表示される。原稿Mのセット先としてADFユニット101bの原稿セットトレー435を入力設定した場合は、図11又は図12の原稿セット向き設定画面がディスプレイ110に表示される。
図9及び図10の原稿セット向き設定画面では、原稿載置ガラス台429に対する原稿Mの載置方向が縦向きか横向きかを入力設定する。現在の設定が縦向きである場合や、横向きに設定されていたのを図10の原稿セット向き設定画面において縦向きに変更する操作を行った場合には、図9の原稿セット向き設定画面が表示される。この原稿セット向き設定画面では、縦向き(読める向き)のエリアが白抜き表示となり、右横のガイダンス画面が原稿台セット縦向きのイラスト表示となる。反対に、現在の設定が横向きである場合や、縦向きに設定されていたのを図9の原稿セット向き設定画面において横向きに変更する操作を行った場合には、図10の原稿セット向き設定画面が表示される。この原稿セット向き設定画面では、横向き(左向き)のエリアが白抜き表示となり、右横のガイダンス画面が原稿台セット横向きのイラスト表示となる。
同様に、図11及び図12の原稿セット向き設定画面では、ADFユニット101bの原稿セットトレー435に対する原稿Mのセット方向が縦向きか横向きかを入力設定する。現在の設定が縦向きである場合や、横向きに設定されていたのを図12の原稿セット向き設定画面において縦向きに変更する操作を行った場合には、図11の原稿セット向き設定画面が表示される。この原稿セット向き設定画面では、縦向き(読める向き)のエリアが白抜き表示となり、右横のガイダンス画面がAF(オートフィーダー)セット縦向きのイラスト表示となる。反対に、現在の設定が横向きである場合や、縦向きに設定されていたのを図11の原稿セット向き設定画面において横向きに変更する操作を行った場合には、図12の原稿セット向き設定画面が表示される。この原稿セット向き設定画面では、横向き(左向き)のエリアが白抜き表示となり、右横のガイダンス画面がAFセット横向きのイラスト表示となる。
図9乃至図12の原稿セット向き設定画面において入力設定した内容は、それぞれの画面の右下の確定ボタンを押圧操作することで確定し、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に戻る。そして、基本メニュー画面の原稿Mのセット向きとして、図9乃至図12の原稿セット向き設定画面において入力設定した内容(縦向き(原稿台・AF)、横向き(原稿台・AF))が表示される。
なお、原稿Mの縦向きとは、ラインイメージセンサ427が原稿載置ガラス台429の原稿Mに対して原稿画像Iの左右方向に相対移動する向きのことを言い、原稿Mの横向きとは、ラインイメージセンサ427が原稿載置ガラス台429の原稿Mに対して原稿画像Iの上下方向に相対移動する向きのことを言う。
次に、図7の基本メニュー画面における原稿Mのサイズと向きのエリアには、センサにより検出されたそれらの内容が表示される。例えば、原稿Mを原稿載置ガラス台429にセットした場合は、図2に示す複数の圧板側原稿セットセンサ434により検出された原稿Mのサイズと向きが表示される。原稿セットトレー435に原稿Mをセットした場合は、図2に示すラインイメージセンサ427による原稿Mの検出幅と、送りローラ群437により原稿Mがラインイメージセンサ427を通過する所要時間とによって検出された原稿Mのサイズと向きが表示される。
続いて、図7の基本メニュー画面における原稿画像Iを印刷する記録紙P´のサイズと向きのエリアには、図4に示す給紙部105の用紙センサ546により検出されたそれらの内容(例えば、A4縦、A4横、B5縦等)が表示される。
次に、図7の基本メニュー画面における印刷倍率のエリアには、原稿Mの原稿画像Iを記録紙P´においてどのような倍率で印刷するかに関する入力設定内容が表示される。表示される内容は、右端の設定ボタンを押圧操作することでディスプレイ110に切替表示される印刷倍率に関する設定画面において入力設定される。
具体的には、印刷倍率の設定ボタンの押圧操作により、まず、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面から図13の倍率設定画面に切り替わる。この倍率設定画面では、印刷倍率を自動で設定するのか、それとも、この倍率設定画面内で手動で設定するのかを入力設定するようになっている。
なお、倍率設定画面でキャンセルボタンを押圧操作すると、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面から切り替わった以降に図13の倍率設定画面で行われた、印刷倍率に関する入力設定内容が全てキャンセルされて、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に切り替わる。
一方、図13の倍率設定画面において、左上の自動選択ボタンを押圧操作すると、自動的に印刷倍率を決定する自動選択モードが選択される。この自動選択モードにおいては、図2に示す複数の圧板側原稿セットセンサ434やラインイメージセンサ427等により検出された原稿Mのサイズと向きと、図4に示す給紙部105の用紙センサ546により検出された記録紙P´のサイズと向きとから、自動的に印刷倍率が決定される。
また、図13の倍率設定画面において、自動選択ボタンの下の手動選択ボタンを押圧操作すると、手動によってプリンタ倍率を決定する手動選択モードが選択される。この手動選択モードにおいては、手動選択ボタンの右側の等倍ボタンの押圧操作により、印刷倍率が等倍(=100%)に設定される。また、手動選択ボタンの下の拡大及び縮小の各固定倍率ボタンを押圧操作すると、印刷倍率が、それぞれに割り付けられた固定倍率(141%、122%、116%、87%、82%、71%)に設定される。倍率設定画面の右下のズーム倍率の増減ボタンを押圧操作すると、その操作内容に応じて、50%〜200%の設定可能範囲内の任意の印刷倍率に設定される。手動設定モードにおいて設定された印刷倍率は、増減ボタンの上側に表示される。
図13の倍率設定画面において入力設定した内容は、画面右上のキャンセルボタンを押圧操作することでキャンセルされ、また、確定ボタンを押圧操作することで確定する。そして、いずれの場合にも、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に戻る。図13の倍率設定画面における確定ボタンの押圧操作によりディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に戻った場合は、印刷倍率として、図13の倍率設定画面において入力設定した内容(等倍(100%)、拡大(倍率%表記)、縮小(倍率%表記))が表示される。
続いて、図7の基本メニュー画面におけるソートメニューの設定状態のエリアには、原稿画像Iを印刷した後の記録紙Pのソートに関する入力設定内容が表示される。表示される内容は、右端の設定ボタンを押圧操作することでディスプレイ110に切替表示されるソートに関する設定画面において入力設定される。
具体的には、ソートの設定ボタンの押圧操作により、まず、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面から図14のソート設定画面に切り替わる。このソート設定画面では、部単位のソートを行うのか、ページ単位のソートを行うのか、それとも、ソートを行わないのかを入力設定するようになっている。
なお、ソート設定画面でキャンセルボタンを押圧操作すると、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面から切り替わった以降に図14のソート設定画面で行われた、ソートに関する入力設定内容が全てキャンセルされて、ディスプレイ110の表示が、図7の基本メニュー画面に切り替わる。
一方、図14のソート設定画面において、左上の部単位ボタンを押圧操作すると、部単位に記録紙Pをソートする部単位ソートモードが選択される。また、ソート設定画面において、左下のページ単位ボタンを押圧操作すると、ページ単位に記録紙Pをソートするページ単位ソートモードが選択される。
ソート設定画面右上のソート無ボタンを押圧操作すると、記録紙Pのソートを行わないノンソートモードが選択される。
図14のソート設定画面において入力設定した内容は、画面右下のキャンセルボタンを押圧操作することでキャンセルされ、また、確定ボタンを押圧操作することで確定する。そして、いずれの場合にも、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に戻る。図14のソート設定画面における確定ボタンの押圧操作によりディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に戻った場合は、ソートメニューの設定状態として、図14のソート設定画面において入力設定した内容(有(部)、有(ページ)、無)が表示される。
次に、図7の基本メニュー画面におけるステープルメニューの設定状態のエリアには、原稿画像Iを印刷した後の記録紙Pのステープル止めに関する入力設定内容が表示される。表示される内容は、右端の設定ボタンを押圧操作することでディスプレイ110に切替表示されるステープル止めに関する設定画面において入力設定される。
具体的には、ステープルの設定ボタンの押圧操作により、まず、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面から図15のステープル設定画面に切り替わる。このステープル設定画面では、フィニッシャー2のステープラ234によってステープル止めを行える記録紙Pの向かって左側の縁寄りの部分のうち、ステープル止めするのが手前(1箇所)であるか、中央(2箇所)であるか、奥側(1箇所)であるか、それとも、ステープル止めを行わないのかを入力設定するようになっている。
なお、ステープル設定画面でキャンセルボタンを押圧操作すると、図7の基本メニュー画面からディスプレイ110の表示が切り替わった以降に図15のステープル設定画面で行われた、ステープル止めに関する入力設定内容が全てキャンセルされて、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に切り替わる。
一方、図15のステープル設定画面において、左上の手前ボタンを押圧操作すると、記録紙Pの左側の手前に1箇所ステープル止めする手前モードが選択される。また、ステープル設定画面において、手前ボタンの下の中央ボタンを押圧操作すると、記録紙Pの左側の中央に2箇所ステープル止めする中央モードが選択される。さらに、中央ボタンの下の奥側ボタンを押圧操作すると、記録紙Pの左側の下側に1箇所ステープル止めする下側モードが選択される。
ステープル設定画面右上のステープル無ボタンを押圧操作すると、記録紙Pのステープル止めを行わないノンステープルモードが選択される。
図15のステープル設定画面において入力設定した内容は、画面右上のキャンセルボタンを押圧操作することでキャンセルされ、また、確定ボタンを押圧操作することで確定する。そして、いずれの場合にも、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に戻る。図15のステープル設定画面における確定ボタンの押圧操作によりディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に戻った場合は、ステープルメニューの設定状態として、図15のステープル設定画面において入力設定した内容(手前、中央、奥側、無)が表示される。
続いて、図7の基本メニュー画面における自動回転メニューの設定状態のエリアには、原稿画像Iの記録紙P´に対する印刷の向きを原稿Mと異なる向きに変える回転処理を自動で判断し実行する、「自動回転」モードに関する入力設定内容が表示される。表示される内容は、右端の設定ボタンを押圧操作することでディスプレイ110に切替表示される自動回転に関する設定画面において入力設定される。
具体的には、自動回転の設定ボタンの押圧操作により、まず、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面から図16の自動回転設定画面に切り替わる。この自動回転設定画面では、印刷スピードを優先した自動回転モードON、ユーザの手間の省略を優先した自動回転モードON、あるいは、自動回転モードOFFのいずれかを入力設定するようになっている。
なお、自動回転設定画面でキャンセルボタンを押圧操作すると、図7の基本メニュー画面からディスプレイ110の表示が切り替わった以降に図16の自動回転設定画面で行われた、原稿画像Iの記録紙P´に対するステープル止めに関する入力設定内容が全てキャンセルされて、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に切り替わる。
一方、図16の自動回転設定画面において、ONボタンを押圧操作すると、原稿Mからスキャナー部101おいて読み取られた原稿画像Iを、90゜又は180°回転させた向きで記録紙P´に印刷しなければならない場合に、原稿画像Iを必要な度数回転させた向きで記録紙P´に印刷する自動回転モードのONが選択される。また、自動回転設定画面において、OFFボタンを押圧操作すると、原稿Mからスキャナー部101おいて読み取られた原稿画像Iをその向きのままで記録紙P´に印刷する自動回転モードのOFFが選択される。
図16の自動回転設定画面において入力設定した内容は、画面右下のキャンセルボタンを押圧操作することでキャンセルされ、また、確定ボタンを押圧操作することで確定する。そして、いずれの場合にも、ディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に戻る。図16の自動回転設定画面における確定ボタンの押圧操作によりディスプレイ110の表示が図7の基本メニュー画面に戻った場合は、原稿画像Iの向きの自動回転に関する設定状態として、図16の自動回転設定画面において入力設定した内容(ON、OFF)が表示される。
以上に説明したインクジェット記録装置1の動作は、後述するインクジェット記録装置1の制御ユニット10に設けられたCPU90(図20参照)によって制御される。
次に、図1に示すフィニッシャー2の構成について図18を参照して説明する。図18はフィニッシャーの概略構成を示す説明図である。図18に示すように、フィニッシャー2は、印刷済みの記録紙Pを収納するビン列221と、ビン列221に記録紙Pを挿入するインデクサ222と、印刷済みの記録紙Pが確実にビン列221に挿入されたか否かを検出するインデクサセンサ223と、インクジェット記録装置1から排出された印刷済みの記録紙Pをビン列221まで搬送する搬送ベルト224,225とを備えている。
搬送ベルト224は、不図示の駆動機構によって、図18に破線で示す位置と実線で示す位置とのいずれかの位置に選択的に駆動可能となっている。搬送ベルト224を上げたとき(図18の破線参照)、インクジェット記録装置1から排出された記録紙Pは、搬送ベルト224の下方を通って、インクジェット記録装置1の排紙部109へ送られる。また、搬送ベルト224を下げたとき(図18の実線参照)、インクジェット記録装置1から排出された記録紙Pは、搬送ベルト224に吸引されつつ搬送されてフィニッシャー2側へ送られる。
ビン列221は、不図示のパルスモータにより図18の上下方向に駆動されるステープラ234を備える。このステープラ234は、ビン列221に挿入された記録紙Pに対して最上部のビンから各ビンごとにステープル止めを行う。図19は、フィニッシャー2のビン列221とステープラ234の詳細な構成を示す図18のI−I線断面図である。
ステープラ234は、後述するように記録紙Pをビン内へ押し戻すための押し戻し部236とともにステープルユニット235内において矢印e方向に移動可能に配設されている。ステープルユニット235には、各ビン列221の記録紙Pを整合させる(揃える)ための立ち面221aを倒すソレノイド237が設けられている。
ステープラ234を使用する場合は、すべてのビン列221の記録紙Pの整合後にステープル止めが開始される。整合が終了すると、インデクサ222が、搬送部最上部へ待避し、ステープルユニット235が最上部のビンのさらに1ビンほど上の位置(以下これを0ビン目の位置とする)へ移動する。そして、ソレノイド237をオンしてステープルユニット235を1ビン目に下げ、これにより1ビン目の立ち面221aを解放する。そして、記録紙Pを矢印d方向においてステープルユニット235の方向に押し出して、ステープラ234によりステープル止めする。ステープル止めが終了すると、ステープル止めされた記録紙Pは矢印d方向においてビンに押し戻され、ソレノイド237のオフによち立ち面221aが閉じられる。以後、記録紙Pのあるすべてのビンについて、この過程を繰り返してステープルを行う。
以上に説明したフィニッシャー2の動作は、後述するフィニッシャー2の制御ユニット20に設けられたCPU94(図20参照)によって制御される。
次に、本実施形態の画像複写システムの制御系の構成について説明する。
図20は図1のインクジェット記録装置とフィニッシャーとにそれぞれ設けられる制御ユニットの概略構成を示すブロック図である。図20に示すように、本実施形態の画像複写システムの制御系は、インクジェット記録装置1の制御ユニットとフィニッシャー2とにそれぞれ設けられる制御ユニット10,20によって構成される。
インクジェット記録装置1の制御ユニット10は、ROM91に格納されているプログラムおよび設定情報に基づいて、ディスプレイ110から入力設定される内容に応じたスキャナー部101とプリンター部102との動作を制御するCPU90を備える。CPU90にはRAM92が設けられており、RAM92にはディスプレイ110から入力された印刷枚数や各種の設定内容が随時記憶される。
インクジェット記録装置1においては、ディスプレイ110の各キーの操作で入力設定された内容にしたがって、制御ユニット10のCPU90の制御により、原稿Mの原稿画像Iが記録紙P´に印刷される。そして、原稿画像Iを複写した記録紙Pが出力される。
また、フィニッシャー2の制御ユニット20は、ROM95に格納されているプログラムおよび設定情報に基づき、ディスプレイ110から入力設定される内容に応じてインクジェット記録装置1の制御ユニット10のCPU90が出力するコマンドを受け取り、そのコマンドの内容に応じてフィニッシャー2の動作を制御するCPU94を備える。CPU94にはRAM96が設けられており、RAM96にはディスプレイ110から入力設定されてコマンドにより制御ユニット10のCPU90から通知された、フィニッシャー2の動作に関連する各種の設定内容が随時記憶される。
制御ユニット20のCPU94は、RAM96にコマンドとして記憶される、インクジェット記録装置1のディスプレイ110によって入力設定されたモード等の内容にしたがって制御内容を決定する。これにより、フィニッシャー2はインクジェット記録装置1側の動作に連動して動作することができる。
以上に説明したように、本実施形態のフィニッシャー2において、ステープラ234が記録紙Pにステープル止めすることができる範囲は、各ビン列221の記録紙Pの立ち面221a側の縁から、記録紙Pをステープルユニット235の方向に押し出した状態でステープラ234が届く位置までの部分に限られる。
したがって、インクジェット記録装置1のディスプレイ110から入力設定されたステープルモードの設定内容が、手前1箇所止めや中央2箇所止めの場合は、記録紙Pの立ち面221a側の縁を手前としてステープラ234によるステープル止めが行われる。しかし、奥側1箇所止めの場合は、記録紙Pの立ち面221a側とは反対側の縁を記録紙Pの手前として、記録紙Pの奥側である立ち面221a側の縁に、ステープラ234によるステープル止めを行わざるを得ない。
このため、奥側1箇所止めのステープルモードが設定されて、記録紙Pの立ち面221a側の縁にステープラ234によるステープル止めが行われる場合には、その記録紙Pの立ち面221a側とは反対側が最終的に手前側となるように、スキャナー部101において原稿Mから読み取った向きから180゜回転させた向きで、プリンター部102において原稿画像Iを印刷した記録紙Pを、フィニッシャー2のビン221に搬送する必要が生じる。
そのためには、原稿Mと記録紙P´とのサイズが相違するわけではなく、また、両面印刷でないのにも拘わらず、それらの場合と同様に、原稿画像Iの向きを回転して記録紙P´に印刷する必要がある。
原稿画像Iの向きを回転させるには、先に説明したように、プリンター部102の図6に示す記憶手段113のワーキングメモリ31に記憶された原稿画像Iのデジタル画像信号を、駆動メモリ32に移して記憶させる際に、デジタル画像信号の回転処理を行う必要がある。この処理には相応の時間がかかり、原稿Mの枚数が多いとその枚数に応じて余計にかかる処理時間が長くなる。よって、原稿画像Iの複写と記録紙Pのステープル止めとを全て終えるまでにかなりの時間を要することになる。
そこで、本実施形態の画像複写システムでは、インクジェット記録装置1のディスプレイ110から自動回転モードについてONが選択、設定されているときには、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がある場合に、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させずに記録紙P´に印刷するのに適した、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435への原稿Mのセット向き(縦向き・横向き)を、ディスプレイ110での表示によって案内するようにしている。
以下、そのような案内を行うためにインクジェット記録装置1の制御ユニット10のCPU90が行う処理の手順について、図21及び図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、図21のメインルーチンのフローチャートに示すように、図7の基本メニュー画面のスタートボタンの押圧操作が検出されるまでの間(ステップS5でNO)、ディスプレイ110において入力設定された各種の設定の確認と(ステップS1)、圧板側原稿セットセンサ434(図2参照)により検出される、原稿載置ガラス台429にセットされた原稿Mのサイズ及び向きや、ラインイメージセンサ427等により検出される、原稿セットトレー435から原稿載置ガラス台429に搬送される原稿Mのサイズ及び向きの確認(ステップS3)とを繰り返す。
なお、ステップS1で確認する各種の設定には、図7乃至図16の各画面においてディスプレイ110から入力設定された全ての入力設定が含まれる。
そして、図7の基本メニュー画面のスタートボタンの押圧操作が検出されたならば(ステップS5でYES)、CPU90は、最新のステップS1において確認した自動回転モードの設定がONであるか否かを確認する(ステップS7)。自動回転モードの設定がONでない場合は(ステップS7でNO)、後述するステップS19に進み、ONである場合は(ステップS7でYES)、自動回転判定処理を行う(ステップS9)。
ステップS9の自動回転判定処理においては、図22にサブルーチンのフローチャートで示すように、最新のステップS1において確認したステープルメニューの設定状態がON、つまり、手前、中央、奥側のいずれかであるか否かを確認する(ステップS91)。
ステープルメニューの設定状態がONでない場合は(ステップS91でNO)、後述するステップS95に進み、ONである場合は(ステップS91でYES)、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435にセットされた原稿Mのセット向きが、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がある向きであるか否かを確認する(ステップS92)。
ステップS92の確認は、ONに設定されているステープルメニューの具体的なモード(手前、中央、奥側)と、図21の最新のステップS1において確認した、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435にセットされた原稿Mのセット向き(縦向き(原稿台・AF)、横向き(原稿台・AF))との関係によって、行うことができる。
原稿画像Iの向きを回転させる必要がある向きでない場合は(ステップS92でNO)、RAM92に確保されたエリアのアナウンスフラグをOFFした後(ステップS93)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。一方、原稿画像Iの向きを回転させる必要がある向きである場合は(ステップS92でYES)、RAM92のアナウンスフラグをONした後(ステップS94)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。
ステップS91において、ステープルメニューの設定状態がONでない場合(NO)に進むステップS95では、図21の最新のステップS3において確認した原稿載置ガラス台429上の原稿Mの向き、又は、原稿セットトレー435から原稿載置ガラス台429に搬送される原稿Mの向きと、給紙部105の用紙センサ546により検出された記録紙P´の向きとが一致するか否かを確認する。
原稿Mの向きと記録紙P´の向きとが一致しない場合は(ステップS95でNO)、RAM92のアナウンスフラグをONした後(ステップS96)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。一方、原稿Mの向きと記録紙P´の向きとが一致する場合は(ステップS95でYES)、RAM92のアナウンスフラグをOFFした後(ステップS97)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。
図22の自動回転判定処理が終了したならば、図21に示すように、RAM92のアナウンスフラグがONであるか否かを確認し(ステップS11)、ONでない場合は(ステップS11でNO)、ステップS19に進む。一方、アナウンスフラグがONである場合は(ステップS11でYES)、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させずに記録紙P´に印刷するのに適した、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435への原稿Mのセット向き(縦向き・横向き)を、例えば図17に示す操作画面のような、ディスプレイ110での表示により案内する(ステップS13)。
そして、例えば図17の操作画面に示す向きに原稿Mがセットし直され(ステップS15)、さらに、図17の操作画面中の確認ボタンの操作が検出されたならば(ステップS17でYES)、ステップS19に進む。
ステップS19では、最新のステップS1において確認した各種の設定にしたがって、インクジェット記録装置1における原稿Mの複写に関する印刷動作をプリンター部102において実行させると共に、フィニッシャー2において実行させるソートやステープル止めを指示するコマンドを、フィニッシャー2の制御ユニット20のCPU95に出力する。このステップS95の処理が済んだならば、一連の処理を終了する。そして、これ以後、図21及び図22のフローチャートに示す処理を繰り返し実行する。
以上の説明からも明らかなように、第1実施形態の画像複写システムでは、図21及び図22のフローチャートに示す手順の処理を行うCPU90と、ディスプレイ110とで、請求項中の警報出力手段が構成されている。
以上に説明したように、第1実施形態の画像複写システムによれば、ONに設定されているモード(手前、中央、奥側のいずれか)でステープル止めをフィニッシャー2において実行する上で、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435にセットされた原稿Mのセット向き(縦向き(原稿台・AF)、横向き(原稿台・AF))が、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がある向きである場合に、その必要がない原稿Mのセット向きを、例えば図17に示す操作画面をディスプレイ110で表示することで、案内する構成とした。
このため、フィニッシャー2で記録紙Pのステープル止めを行う場合に、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がない向きに、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435に原稿Mがセットされるように促すことができる。
これにより、ディスプレイ110に表示される図17の操作画面の案内にしたがって、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がない向きに原稿Mが正しくセットし直されれば、原稿画像Iの回転処理をプリンター部102において実行しなくて済むようになる。よって、ステープル止めを伴う原稿Mの原稿画像Iに関するプリンター部102での印刷動作が、迅速に行えるようにすることができる。
もちろん、正しい向きに原稿Mがセットし直されても、その他に原稿画像Iの回転を必要とするような設定や状況があることが制御ユニット10のCPU90により検出された場合に、必要な回転処理をデジタル画像信号に対して行うことは、何らやぶさかでない。
なお、第1実施形態の画像複写システムでは、図16の自動回転設定画面において入力設定される「自動回転」モードに関する選択肢が、ONとOFFだけである場合について説明した。しかし、自動回転モードのONをさらに細分化して設定できる構成とすることもできる。
そこで、そのように構成した本発明の第2実施形態に係る画像複写システムについて、以下に説明する。
第2実施形態に係る画像複写システムは、インクジェット記録装置1のディスプレイ110に表示される、自動回転モードの入力設定のための自動回転設定画面が、図16に示す第1実施形態の画像複写システムにおける自動回転設定画面とは異なっている。
詳しくは、第2実施形態に係る画像複写システムの自動回転設定画面では、図23に示すように、印刷スピードを優先した自動回転モードON、ユーザの手間の省略を優先した自動回転モードON、あるいは、自動回転モードOFFのいずれかを入力設定するようになっている。
そして、図23の自動回転設定画面において、一番上のON(スピード優先モード)ボタンを押圧操作すると、原稿Mからスキャナー部101おいて読み取られた原稿画像Iを、90゜又は180°回転させた向きで記録紙P´に印刷しなければならない場合に、そのように原稿画像Iを回転させた向きで記録紙P´に印刷する必要が無くなるような、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435への原稿Mのセット向き(縦向き・横向き)を案内するスピード優先モードが選択される。
また、自動回転設定画面において、ON(スピード優先モード)ボタンの下のON(手間省略優先モード)ボタンを押圧操作すると、原稿Mからスキャナー部101おいて読み取られた原稿画像Iを、90゜又は180°回転させた向きで記録紙P´に印刷しなければならない場合に、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435への原稿Mのセット向き(縦向き・横向き)を変えずに、原稿画像Iを必要な度数回転させた向きで記録紙P´に印刷する手間省略優先モードが選択される。
図23の自動回転設定画面において入力設定した内容は、画面右下のキャンセルボタンを押圧操作することでキャンセルされ、また、確定ボタンを押圧操作することで確定する。そして、いずれの場合にも、ディスプレイ110の表示が図24の基本メニュー画面に戻る。図23の自動回転設定画面における確定ボタンの押圧操作によりディスプレイ110の表示が図24の基本メニュー画面に戻った場合は、原稿画像Iの向きの自動回転に関する設定状態として、図23の自動回転設定画面において入力設定した内容(ON(スピード優先モード)、ON(手間省略優先モード)、OFF)が表示される。
また、第2実施形態に係る画像複写システムは、インクジェット記録装置1の制御ユニット10のCPU90が行う処理のうち、図21のステップS9で行う自動回転判定処理の内容が、図22に示す第1実施形態の画像複写システムにおける自動回転判定処理とは一部異なっている。
詳しくは、第2実施形態に係る画像複写システムの自動回転判定処理では、図22のステップS92において、原稿画像Iの向きを回転させる必要がある向きである場合に(ステップS92でYES)、図25のフローチャートに示すように、図21の最新のステップS1において確認した、ステープルメニューの設定状態が、ON(スピード優先モード)であるか否かを確認する(ステップS92a)。
そして、ON(スピード優先モード)でない場合は(ステップS92aでNO)、RAM92のアナウンスフラグをOFFした後(ステップS93)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。一方、ON(スピード優先モード)である場合は(ステップS92aでYES)、RAM92のアナウンスフラグをONした後(ステップS94)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。
また、第2実施形態に係る画像複写システムの自動回転判定処理では、図22のステップS95において、原稿Mの向きと記録紙P´の向きとが一致しない場合に(ステップS95でNO)、図25のフローチャートに示すように、図21の最新のステップS1において確認した、ステープルメニューの設定状態が、ON(スピード優先モード)であるか否かを確認する(ステップS95a)。
そして、ON(スピード優先モード)である場合は(ステップS95aでYES)、RAM92のアナウンスフラグをONした後(ステップS96)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。一方、ON(スピード優先モード)でない場合は(ステップS95aでNO)、RAM92のアナウンスフラグをOFFした後(ステップS97)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。
以上に説明した部分を除く、自動回転判定処理の他の部分の内容は、図22に示す第1実施形態の画像複写システムにおける自動回転判定処理と同様である。
以上の説明からも明らかなように、第2実施形態の画像複写システムでは、図21及び図25のフローチャートに示す手順の処理を行うCPU90と、ディスプレイ110とで、請求項中の警報出力手段と設定手段とが構成されている。
以上に説明したように、第2実施形態の画像複写システムによれば、ONに設定されているモード(手前、中央、奥側のいずれか)でステープル止めをフィニッシャー2において実行する上で、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435にセットされた原稿Mのセット向き(縦向き(原稿台・AF)、横向き(原稿台・AF))が、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がある向きである場合に、その必要がない原稿Mのセット向きを、自動回転モードがスピード優先モードでONされている場合に限って案内する構成とした。
このため、フィニッシャー2で記録紙Pのステープル止めを行う場合、印刷動作のスピードを優先するスピード優先モードで自動回転モードがONされているときに限って、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がない向きに、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435に原稿Mがセットされるように促すことができる。
これにより、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435に原稿Mをセットし直す手間を面倒に感じる場合には、自動回転モードを手間省略優先モードでONさせることで、印刷動作に時間がかかっても原稿Mの向きをセットし直さずに印刷動作が実行されるようにすることができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態の画像複写システムでは、ONに設定されているモード(手前、中央、奥側のいずれか)でステープル止めをフィニッシャー2において実行する上で、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435にセットされた原稿Mのセット向き(縦向き(原稿台・AF)、横向き(原稿台・AF))が、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がある向きである場合に、その必要がない原稿Mのセット向きを必ず案内する構成について説明した。
しかし、ステープルメニューの設定以外にもデジタル画像信号の加工を必要とするような印刷設定である場合には、ステープルメニューの実行に適したセット向きに原稿Mの向きを変更しても、デジタル画像信号の加工処理によってプリンター部102における印刷動作の長時間化が避けられないので、原稿Mの向きの変更を促す案内を無用に行わない構成とすることもできる。
そこで、そのように構成した本発明の第3実施形態に係る画像複写システムについて、以下に説明する。
第3実施形態に係る画像複写システムは、インクジェット記録装置1の制御ユニット10のCPU90が行う処理のうち、図21のステップS9で行う自動回転判定処理の内容が、図22に示す第1実施形態の画像複写システムにおける自動回転判定処理とは一部異なっている。
詳しくは、第3実施形態に係る画像複写システムの自動回転判定処理では、図22のステップS92において、原稿画像Iの向きを回転させる必要がある向きである場合に(ステップS92でYES)、図26のフローチャートに示すように、後述するステップS92bに進む。
また、第3実施形態に係る画像複写システムの自動回転判定処理では、図22のステップS95において、原稿Mの向きと記録紙P´の向きとが一致しない場合にも(ステップS95でNO)、図26のフローチャートに示すように、ステップS92bに進む。
そして、ステップS92bにおいて、図21の最新のステップS1やステップS3において確認した各種の設定内容が、ステープルメニューの設定以外に、ワーキングメモリ31に記憶された各成分毎の処理済デジタル画像信号を駆動メモリ32に記憶させる際に加工が必要な設定を含んでいるか否かを確認する。
このステップS92bにおいて行う、加工が必要な設定を含んでいることの確認は、例えば、図21の最新のステップS3において確認した原稿載置ガラス台429上の原稿Mの向き、又は、原稿セットトレー435から原稿載置ガラス台429に搬送される原稿Mの向きと、給紙部105の用紙センサ546により検出された記録紙P´の向きとが一致しないことを確認することによって行うことができる。
また、ステップS92bにおいて行う、加工が必要な設定を含んでいることの確認は、図21の最新のステップS1において確認した倍率の設定内容が、等倍(100%)以外の倍率に設定されていることを確認することによっても、行うことができる。あるいは、詳細な説明は省略するが、例えば、複数枚の原稿Mの原稿画像Iを1枚の記録紙P´の等分割したエリアの1つ1つに割り付けて合成印刷する面付け印刷の設定があることや、原稿画像Iを反転(表裏、白黒)して印刷する設定があること、両面印刷の設定があること、両面原稿を片面ずつ別々の記録紙P´に印刷する両面→片面印刷の設定があること等によっても、行うことができる。
処理済デジタル画像信号を駆動メモリ32に記憶させる際に加工が必要な設定を含んでいない場合は(ステップS92bでNO)、RAM92のアナウンスフラグをONした後(ステップS94)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。一方、処理済デジタル画像信号を駆動メモリ32に記憶させる際に加工が必要な設定を含んでいる場合は(ステップS92bでYES)、RAM92のアナウンスフラグをOFFした後(ステップS97)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。
以上に説明した部分を除く、自動回転判定処理の他の部分の内容は、図22に示す第1実施形態の画像複写システムにおける自動回転判定処理と同様である。
以上の説明からも明らかなように、第3実施形態の画像複写システムでは、図21及び図26のフローチャートに示す手順の処理を行うCPU90と、ディスプレイ110とで、請求項中の警報出力手段と設定手段とが構成されている。
以上に説明したように、第3実施形態の画像複写システムによれば、ONに設定されているモード(手前、中央、奥側のいずれか)でステープル止めをフィニッシャー2において実行する上で、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435にセットされた原稿Mのセット向き(縦向き(原稿台・AF)、横向き(原稿台・AF))が、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がある向きである場合に、その必要がない原稿Mのセット向きを、ステープルメニューの設定以外に処理済デジタル画像信号の加工が必要な設定を含んでいる場合には案内しない構成とした。
このため、フィニッシャー2で記録紙Pのステープル止めを行う場合、ステープルメニューの設定以外に、処理済デジタル画像信号の加工が必要な設定を含んでいないときに限って、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がない向きに、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435に原稿Mがセットされるように促すことができる。
これにより、原稿Mの向きと記録紙P´の向きとの不一致だけでなく、原稿画像Iの拡大、縮小、面付け印刷や反転印刷、両面印刷、両面→片面印刷といった、ステープルメニューの設定以外に処理済デジタル画像信号の加工が必要な設定を含んでいる場合には、原稿Mのセット向きの変更を促す案内が、印刷動作の短縮化につながらず無用であるにも拘わらず実行されてしまうのを防ぐことができる。
なお、第3実施形態の画像複写システムでは、ステープルメニューの設定以外にもデジタル画像信号の加工を必要とするような印刷設定であるときには必ず、ステープルメニューの実行に適したセット向きに原稿Mの向きを変更することを促す案内を行わない構成について説明した。
しかし、ステープルメニューの設定以外にもデジタル画像信号の加工を必要とするような印刷設定であるときに、その印刷設定が原稿Mのサイズと記録紙P´のサイズとの不一致がある場合に限って、ステープルメニューの実行に適したセット向きに原稿Mの向きを変更することを促す案内を行わない構成とすることもできる。
そこで、そのように構成した本発明の第4実施形態に係る画像複写システムについて、以下に説明する。
第4実施形態に係る画像複写システムは、インクジェット記録装置1の制御ユニット10のCPU90が行う処理のうち、図21のステップS9で行う自動回転判定処理の内容が、図26に示す第3実施形態の画像複写システムにおける自動回転判定処理とは一部異なっている。
詳しくは、第4実施形態に係る画像複写システムの自動回転判定処理では、図26のフローチャートにおけるステップS92bを、図27のフローチャートに示すように、ステップS92cに変更している。
そして、ステップS92cにおいて、図21の最新のステップS3において確認した原稿載置ガラス台429上の原稿Mのサイズ、又は、原稿セットトレー435から原稿載置ガラス台429に搬送される原稿Mのサイズと、給紙部105の用紙センサ546により検出された記録紙P´のサイズとが一致するか否かを確認する。
原稿Mのサイズと記録紙P´のサイズとが一致する場合は(ステップS92cでYES)、RAM92のアナウンスフラグをONした後(ステップS94)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。一方、原稿Mのサイズと記録紙P´のサイズとが一致しない場合は(ステップS92cでNO)、RAM92のアナウンスフラグをOFFした後(ステップS97)、自動回転判定処理を終了して、図21のメインルーチンにリターンする。
以上に説明した部分を除く、自動回転判定処理の他の部分の内容は、図22に示す第1実施形態の画像複写システムにおける自動回転判定処理と同様である。
以上の説明からも明らかなように、第4実施形態の画像複写システムでは、図21及び図27のフローチャートに示す手順の処理を行うCPU90と、ディスプレイ110とで、請求項中の警報出力手段と設定手段とが構成されている。
以上に説明したように、第4実施形態の画像複写システムによれば、ONに設定されているモード(手前、中央、奥側のいずれか)でステープル止めをフィニッシャー2において実行する上で、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435にセットされた原稿Mのセット向き(縦向き(原稿台・AF)、横向き(原稿台・AF))が、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がある向きである場合に、その必要がない原稿Mのセット向きを、原稿Mのサイズと記録紙P´のサイズとが一致しない場合には案内しない構成とした。
このため、フィニッシャー2で記録紙Pのステープル止めを行う場合、ステープルメニューの設定以外に、処理済デジタル画像信号の拡大、縮小の加工が必要となる原稿Mのサイズと記録紙P´のサイズとの不一致がないときに限って、プリンター部102において原稿画像Iの向きを回転させて記録紙P´に印刷する必要がない向きに、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435に原稿Mがセットされるように促すことができる。
これにより、原稿Mの向きと記録紙P´の向きとの不一致だけでなく、原稿Mのサイズと記録紙P´のサイズとの不一致に伴う原稿画像Iの拡大、縮小という、処理済デジタル画像信号の加工が必要な設定を含んでいる場合には、原稿Mのセット向きの変更を促す案内が、印刷動作の短縮化につながらず無用であるにも拘わらず実行されてしまうのを防ぐことができる。
なお、上述した第1乃至第4実施形態では、フィニッシャー2で記録紙Pのステープル止めを行う都合で、原稿載置ガラス台429や原稿セットトレー435に対する原稿Mのセット方向を変える必要が無くても、原稿Mの向きと印刷前の記録紙P´の向きとが一致しない場合には、原稿Mのセット向きを変えるように促す図17の操作画面をディスプレイ110に表示させる場合がある構成とした。しかし、原稿Mの向きと印刷前の記録紙P´の向きとが一致しない場合には図17の操作画面をディスプレイ110に一切表示させないように構成してもよい。
また、上述した第1乃至第4実施形態では、後処理部がステープラ234を有するフィニッシャー2である場合について説明したが、ステープラ234に変えて、あるいは、加えて、パンチャー(穿孔器)等の、設定次第で原稿画像Iの向きを変えて記録紙P´に印刷する必要を発生させるものであれば、後処理部はステープラ234に限らず任意である。
さらに、上述した第1乃至第4実施形態では、記録部がインクジェット式のプリンター部102である画像複写システムを例に取って説明したが、本発明の記録部は、後処理部で行う後処理の設定次第で原稿画像の記録(印刷)の際に記録部において原稿画像の向きを変えて記録紙に記録することのできるものであれば、電子写真方式等、インクジェット方式以外の方式による記録部であってもよいことは、勿論のことである。
なお、上述した第1乃至第4実施形態では、後処理部であるフィニッシャー2が読取部や記録部であるインクジェット記録装置1と別体に構成された画像複写システムについて説明した。