JP5162039B2 - アイアン型ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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本発明は、打球感を向上しつつ飛距離の増大を図り得るアイアン型ゴルフクラブヘッドに関する。
本件出願人は、図8(a)及びそのA−A断面である図8(b)に示されるように、フェースbの背面cかつソール面d側に、上解放のアンダーカットキャビティeを形成しうる背壁部fを具えたアイアン型ゴルフクラブヘッドを提案した(例えば下記特許文献1参照)。このようなゴルフクラブヘッドaは、ボール打撃時の衝撃エネルギーを背壁部fによって吸収し、ひいてはゴルファーの手に伝わる振動を低減して打球感を向上させることができる。
特開2004−305335号公報
発明者らは、打球感を向上しつつさらなる飛距離の増大を図るべく鋭意研究を重ねた。その結果、背壁部の平均高さをトウ側及びヒール側で高くかつ中間部で低く形成することが有効であるとの知見を得て本発明を完成させるに至った。
以上のように、本発明は、背壁部の高さを規制することを基本として、打球感を向上しつつ飛距離を増大することが可能なアイアン型ゴルフクラブヘッドを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トップ面と、ソール面と、これらの間を継ぐトウ面と、ボールを打撃するフェースとを有するアイアン型ゴルフクラブヘッドであって、前記フェースの背面の周縁部には、ヘッド後方に隆起して環状にのびる後方隆起部が設けられることにより、該フェースの背面に後方隆起部で囲まれるキャビティが形成され、しかもソール面に沿ってトウ・ヒール方向にのびるソール部側の後方隆起部には、その後端部から上方に立ち上がりかつトップ部側の後方隆起部に達することなく終端する背壁部が設けられることにより、前記キャビティは、ヘッド背面で開口するオープンキャビティ部と、その下方に形成されかつ背壁部とフェースの背面とで挟まれるアンダーカットキャビティ部とからなり、規定のライ角及びロフト角で水平面に接地させた基準状態からロフト角が零となるように前傾させたフェース垂直状態におけるヘッド背面視において、前記オープンキャビティ部の最もトウ側の位置と最もヒール側の位置との間の水平長さをトウ側領域、中間領域及びヒール側領域の三等分に仮想区分したときに、前記トウ側領域の背壁部の平均高さHt、中間領域の背壁部の平均高さHc及びヒール側領域の背壁部の平均高さHhが下式を満たし、前記ソール部側の後方隆起部の前記キャビティを向く内面には、トウ・ヒール方向の略中間部分で上に盛り上がる膨出部が形成され、前記ヘッド背面視において、前記背壁部の上縁は、実質的に凹むことなくトウ・ヒール方向に真っ直ぐにのびていることを特徴とする。
Ht>Hc、かつ、Hh>Hc
また請求項2記載の発明は、前記トウ側領域の背壁部の平均高さHtは、前記ヒール側領域の背壁部の平均高さHhよりも大きい請求項1記載のアイアン型ゴルフクラブヘッドである。
また請求項3記載の発明は、前記各平均高さの比(Hc/Ht)及び(Hc/Hh)は、0.30〜0.95である請求項1又は2記載のアイアン型ゴルフクラブヘッドである。
本発明のアイアン型ゴルフクラブヘッドでは、フェースの背面にアンダーカットキャビティ部を形成する背壁部を設けたことにより、ボール打撃時の振動が、後方隆起部を経て背壁部に伝えられて吸収される。これにより打球感が向上する。
また、トウ側領域及びヒール側領域をそれぞれのびる背壁部の平均高さが、中間領域をのびる背壁部の平均高さよりも大きく形成される。従って、ボールをフェースのトウ側及びヒール側で打撃したミスショット時でも、打撃位置の近くに設けられた平均高さが大きいトウ側領域及びヒール側領域の背壁部によって効果的に振動が吸収される。
また、背壁部の中間領域の平均高さを小さくすることにより、フェースのスイートスポットを含む中央領域で打撃した場合の飛距離が向上する。即ち、背壁部で消費される振動のエネルギー損失が小さくなり飛距離が向上する。なお、背壁部の高さと振動吸収性能とは正の相関がある。従って、中間領域の背壁部の平均高さを相対的に小さくすると、この部分での振動吸収性能が低下する。しかし、フェースの中央領域でボールを打撃した場合、ゴルファーの手に伝わる振動は本来非常に小さいので、打球感の悪化といった不具合が生じるおそれはない。
また、本発明のアイアン型ゴルフクラブヘッドでは、振動吸収性能を高めつつ、例えばヘッドを低重心化することができる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1はアイアン型ゴルフクラブヘッド1を規定のライ角及びロフト角(ともに図示せず)で水平面HPに接地させた基準状態から前記ロフト角が零となるようにヘッドをトウ・ヒール方向の水平軸回りに前傾させたフェース垂直状態の正面図、図2はその背面図、図3はその斜視図、図4(a)ないし(c)は図2のX−X、Y−Y及びZ−Z部拡大端面図、図5は図2のB−B断面図をそれぞれ示している。
図において、本実施形態のアイアン型ゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」又は「クラブヘッド」ということがある。)1は、ボールを打撃するフェース2と、このフェース2の上縁に連なりかつヘッド上面を形成するトップ面3と、フェース2の下縁に連なりヘッド底面を形成するソール面4と、前記トップ面3と前記ソール面4との間を滑らかに湾曲して継ぐトウ面5と、前記フェース2と反対側の面をなす背面6と、図示しないシャフトが装着されるシャフト差込孔9aを有するホーゼル部9とを有する。
なお、クラブシャフトが装着されていない場合、ヘッド1のライ角は、前記シャフト差込孔9aの中心線CLを基準とすることができる。
また、本実施形態のヘッド1は、金属材料からなるフェース板1Aと、このフェース板1Aとは異なる金属材料からなりかつ前記フェース板1Aを前面に配するヘッド本体1Bとから構成される。ただし、ヘッド1は、1種の金属材料を鍛造又は鋳造して形成されたものでも良い。
前記フェース板1Aは、図1、図4に示されるように、フェース2の主要部を構成する板状で構成され、その輪郭形状はフェース2の輪郭とほぼ相似形状で構成される。
フェース板1Aの厚さtは、特に限定はされないが、大きすぎるとヘッドの反発性が低下し、小さすぎると強度が不足して耐久性を悪化させる傾向があるので、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは1.8mm以上、さらに好ましくは2.0mm以上が望ましく、また、好ましくは4.5mm以下、より好ましくは4.0mm以下、さらに好ましくは3.0mm以下が望ましい。前記厚さtは一定である必要はなく、各部において異ならせることができる。なお、フェース2には、必要に応じて、ボールとの摩擦力を高める凹溝などのフェースラインSCが複数本隔設される。
ヘッド本体1Bは、図4(a)に示されるように、ヘッド前後方向に貫通した開口部Oと、その周囲に設けられたフェース支持枠部8と、このフェース支持枠部8にネック部7を介して連設される前記ホーゼル部9とを具える。
フェース支持枠部8には、フェース板1Aの外周面1A1と背面の周縁部分1A2とを支持する略ステップ状の受面8A及び8Bが形成される。従って、ボール打撃時、フェース板1Aの開口部Oに面した部分は自由にかつ大きく撓むことができる。これは、クラブヘッド1の反発性能を高め、打球の飛距離を増大させるのに役立つ。
本実施形態では、フェース板1Aにチタン合金が用いられ、かつ、ヘッド本体1Bにはステンレス鋼が用いられる。フェース板1Aとヘッド本体1Bとにおいて、金属材料の組み合わせは、種々変更しうるのは言うまでもない。また、フェース板1Aとヘッド本体1Bとは、例えば、カシメ、接着剤及び/又はねじなどの接合手段により一体化される。
前記フェース2の背面6の周縁部には、ヘッド後方に隆起して環状にのびる後方隆起部10が形成される。即ち、後方隆起部10は、トップ面3に沿ってのびるトップ部側隆起部10aと、ソール面4に沿ってのびるソール部側隆起部10bと、前記トウ面5に沿ってのびるトウ部側隆起部10cと、前記トップ部側隆起部10aとソール部側隆起部10bとの間をヒール側で繋ぐヒール部側隆起部10dとからなる。これにより、フェース2の背面には、後方隆起部10で囲まれかつフェース2側に凹むキャビティCが形成される。このようなキャビティバック構造は、ヘッドの慣性モーメントを大きくして打球の方向性を安定させるのに役立つ。
本実施形態の後方隆起部10は、ヘッド背面視において、ほぼ一定の幅で環状にのびている。また、図4に仮想線で示されるように、フェース2を基準とした後方隆起部10の隆起高さhは、トップ面3からソール面4側に向かって滑らかに増大している。これは、ヘッド底部により多くの重量を配分するのに役立つ。
また、図2及び図3に良く表されているように、ソール部側隆起部10bには、その後端部からフェース2の背面と接することなく上方に立ち上がる背壁部11が設けられる。なお、図2に破線で示されるように、ソール部側隆起部10bのキャビティC側を向く内面は、ほぼトウ・ヒール方向に沿って実質的に平坦にのびている。
前記背壁部11は、その上縁13ないし17がトップ部側隆起部10aに達することなく終端している。他方、図5に示されるように、背壁部11のトウ側及びヒール側は、トウ部側隆起部10c及びヒール部側隆起部10dにそれぞれ接続される。
以上のような背壁部11により、前記キャビティCは、図4に示されるように、ヘッド1の背面6で開口するオープンキャビティ部C1と、その下方に形成されかつフェース2の背面と背壁部11とで挟まれる略ポケット状のアンダーカットキャビティ部C2とに区分される。なお、アンダーカットキャビティ部C2の奥行き長さなどは、ボール打撃時、フェース2の背面が背壁部11に接触しない程度の間隙であれば任意に定めることができる。
また、前記アンダーカットキャビティ部C2は、前記フェース垂直状態におけるフェース2と直角な垂直断面(これは図4(a)ないし(c)に示されている。)において、上に向かってフェース2と直角な奥行き長さが小さくなる断面蟻溝状に形成されている。換言すれば、本実施形態の背壁部11は、上に向かってフェース2側に傾くようにのびている。ただし、上述したように、アンダーカットキャビティ部C2は、必ずしも断面蟻溝状である必要はなく、例えばフェース2とほぼ平行に上に立ち上がるものでも良い。
以上のような背壁部11は、ゴルフボール打撃時、フェース2に発生した振動がソール部側隆起部10bを経由して背壁部11へと伝わるときに、該背壁部11で顕著な共振をおこすことなく効果的に減振され、結果としてヘッド全体としての減振性が高くなる。従って、ミスショット時のゴルファーの手指に作用する衝撃が効果的に緩和される。
また、背壁部11は、図2に示されるように、フェース垂直状態のヘッド背面視において、トウ側をのびるトウ側壁部11tと、ヒール側をのびるヒール側壁部11hと、これらの間に段差を介して連なるとともにトウ側壁部11t及びヒール側壁部11hよりも小高さの中間壁部11cとを有する。この実施形態では、トウ側壁部11tの上縁13と中間壁部11cの上縁14とは、実質的に垂直にのびる垂下縁16により接続される。同様に、ヒール側壁部11hの上縁15と中間壁部11cの上縁14とは、実質的に垂直にのびる垂下縁17により接続される。これにより、背壁部11の上縁は、略矩形状の段差で凹むものとして形成される。
また、本実施形態の背壁部11は、図2に示されるように、オープンキャビティ部C1の最もトウ側の位置P1と、最もヒール側の位置P2との間の水平長さWoを基準として、これをトウ側領域At、中間領域Ac及びヒール側領域Ahの三等分に仮想区分したときに、下式を満たすことを特徴としている。
Ht>Hc、かつ、Hh>Hc
上記式において、Htはトウ側領域Atをのびる背壁部11の平均高さ、Hcは中間領域Acをのびる背壁部11の平均高さHc、Hhはヒール側領域Ahをのびる背壁部11の平均高さである。なお、図2及び図4には、平均高さとは一致しないが、理解しやすいように、前記各高さHt、Hc及びHhが表示されている。
また、前記各平均高さは、図4(a)ないし(c)に示されるように、各領域At、Ac及びAhそれぞれにおいて、フェース垂直状態のフェース2と直角な断面でのアンダーカットキャビティ部C2の最低位置と、背壁部11の最高位置との間のフェース2と平行な高さを少なくともトウ・ヒール方向で複数箇所測定し、それらを平均した値とする。
以上のように構成された本実施形態のクラブヘッド1は、トウ側領域At及びヒール側領域Ahの背壁部11の平均高さHt及びHhが、中間領域Acの背壁部11の平均高さHcよりも大きく形成されるので、ボールをフェースのトウ側及びヒール側で打撃したミスショット時でも、それらの打撃位置の近くに設けられた高さの大きい背壁部11によって効果的に不快な振動が吸収される。
また、中間領域の背壁部11の平均高さHcを小さくすることにより、フェース2のスイートスポットSSを含む中央領域で打撃した場合の飛距離が向上する。即ち、中央打撃時には、背壁部で消費される打球時の振動エネルギー損失が小さくなり、その結果、飛距離が伸びる。このように、本実施形態のクラブヘッド1では、ボール打撃時の衝撃が大きいトウ又はヒール側の打撃時の振動吸収性能を高めるべく、その背後に位置するトウ側領域At及びヒール側領域Ahの背壁部11の平均高さを大きくする。また、本来衝撃が小さい中央打撃時には、振動吸収性能を高める必要性は小さいので、その背後に位置する中央領域Acの背壁部11の高さを小さくしてエネルギーロスを減じ飛距離を増大させている。
なお、中間領域Acの背壁部11の平均高さHcを相対的に小さくしているので、フェース2のスイートスポットSSを含む中央領域でボールを打撃したときに衝撃吸収性能は相対的に低下する。しかし、フェース2の中央領域でボールを打撃した場合、ゴルファーの手に伝わる振動は本来、非常に小さいので、振動吸収性能の低下が生じても打球感の悪化が生じることはない。なお、スイートスポットSSは、図4(b)に示されるように、ヘッド重心Gからフェース2に引いた垂線の足とする。
前記トウ側領域Atの背壁部11の平均高さHtは、好ましくは10mm以上、より好ましくは13mm以上、さらに好ましくは15mm以上が望ましく、また、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下、さらに好ましくは20mm以下が望ましい。前記平均高さHtが10mm未満の場合、振動吸収効果が低下する傾向があり、逆に30mmを超えると、ヘッド重心Gが高くなって飛距離が低下するおそれがある。
同様の観点より、前記ヒール側領域Ahの背壁部11の平均高さHhは、好ましくは7mm以上、より好ましくは8mm以上、さらに好ましくは9mm以上が望ましく、また、好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下、さらに好ましくは15mm以下が望ましい。
ここで、トウ側領域Atの背壁部11の平均高さHtと、ヒール側領域Ahの背壁部11の平均高さHhとは同一でも良い。しかし、発明者らの種々の実験の結果、スイートスポットSSよりもトウ側でボール打撃したときの方が、ヒール側で打撃したときよりも手に伝わる衝撃が大きいことが判明している。従って、トウ側領域Atの背壁部11の平均高さHtを、ヒール側領域Ahの背壁部11の平均高さHhよりも大きくし、トウ側での振動吸収性能を相対的に高めることが特に望ましい。
とりわけ、ヒール側領域Ahの背壁部11の平均高さHhと、トウ側領域Atの背壁部11の平均高さHtとの比(Hh/Ht)は、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.80以下が望ましい。他方、前記比(Hh/Ht)が過度に小さくなると、ヒール側でのボール打撃時に振動吸収効果が相対的に低下する傾向がある。また、クラブヘッド1のトウ側に過度に重量が配分されるため、重心距離が大きくなってボールの捕まりが悪化する傾向がある。このような観点より、前記比(Hh/Ht)は、好ましくは0.50以上、より好ましくは0.55以上、さらに好ましくは0.60以上が望ましい。
また、中間領域Acの背壁部11の平均高さHcは、好ましくは5mm以上、より好ましくは6mm以上、さらに好ましくは7mm以上が望ましく、また、好ましくは20mm以下、より好ましくは18mm以下、さらに好ましくは16mm以下が望ましい。前記平均高さHcが5mm未満の場合、重心深度が浅くなりかつヘッドの慣性モーメントが小さくなってミスショット時の打球の方向性が悪化するおそれがあり、逆に20mmを超える場合、飛距離の向上効果が低下する傾向がある。
また、中間領域Acの背壁部11の平均高さHcと、トウ側領域Atの背壁部11の平均高さHtとの比(Hc/Ht)は、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.40以上が望ましく、また、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.70以下、さらに好ましくは0.60以下が望ましい。前記比(Hc/Ht)が0.30未満の場合、重心深度やヘッドの慣性モーメントが小さくなり、ミスショット時の打球の方向性が悪化しやすくなる。逆に、前記比(Hc/Ht)が0.90を超えると、飛距離の向上が十分に期待できないおそれがある。
同様の観点より、中間領域Acの背壁部11の平均高さHcと、ヒール側領域Atの背壁部11の平均高さHhとの比(Hc/Hh)は、好ましくは0.40以上、より好ましくは0.45以上、さらに好ましくは0.50以上が望ましく、また、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.80以下、さらに好ましくは0.70以下が望ましい。
なお、背壁部11の各領域での平均高さHt、Hc及びHhは、上述の通りであるが、好ましくは各領域で測定される個々の高さが、それぞれ上述の数値範囲を満足することが望ましい。
図6(a)、(b)には、他の実施形態として、クラブヘッドのフェース垂直状態の背面図が示されている。
図6(a)の実施形態の背壁部11は、トウ側壁部11tの上縁13と中間壁部11cの上縁14とは、下に向かってヒール側に傾くトウ側斜縁18により接続されるとともに、ヒール側壁部11hの上縁15と中間壁部11cの上縁14とは、下に向かってトウ側に傾くヒール側斜縁19により接続されている。
従って、この実施形態のクラブヘッド1は、ヘッド背面視において、背壁部11の上縁には、そのトウ・ヒール方向の略中間部で下に向かってトウ・ヒール方向長さが漸減する上膨らみの略台形状の段差23が形成されている。このようなクラブヘッド1は、背壁部11の高さが滑らかに変化するため、背壁部11の急激な剛性変化を無くし耐久性を高めるとともに、振動吸収性能をより広範囲で確保できる。なお、前記段差23は、略台形状に代えて半円状などに形成しても良い。
図6(b)の実施形態のクラブヘッド1は、背壁部11は、トウ側壁部11tの上縁13と中間壁部11cの上縁14とは、下に向かってトウ側に傾くトウ側斜縁20により接続されるとともに、ヒール側壁部11hの上縁15と中間壁部11cの上縁14とは、下に向かってヒール側に傾くヒール側斜縁21により接続されている。
従って、この実施形態のクラブヘッド1は、ヘッド背面視において、背壁部11の上縁には、そのトウ・ヒール方向の略中間部で下に向かってトウ・ヒール方向長さが漸増する下膨らみの略台形状の段差23が形成されている。このような背壁部11は、トウ側壁部11t及びヒール側壁部11hの中央壁部11c側には、先鋭となる先細部25が形成される。ボール打撃時の衝撃エネルギーは、このような振動しやすい先細部25に集中し、これを自由振動させて早期に消費される。このため、ボール打撃時に生じる衝撃エネルギーの大部分が、この先細部25の自由振動によってより効果的に消費され、より一層、優れた振動吸収効果が発揮される。
なお、図6(b)の実施態様では、前記先細部25を通るフェース2と直角な垂直断面では、ソール部側隆起部10bと背壁部11とが離間した断面が得られる。この場合には、フェース2と平行に離間部分の最大長さを差し引いて背壁部11の高さが特定されるものとする。
図7には、本発明の実施形態が示される。
この実施形態では、ソール部側隆起部10bのキャビティCを向く内面には、トウ・ヒール方向の略中間部分で上に盛り上がる膨出部26が形成される。一方、本実施形態では、背壁部11の上縁13は、実質的に凹むことなくトウ・ヒール方向に真っ直ぐにのびている。このような実施形態においても、背壁部11の平均高さHc、Ht及びHhを中間領域Ac、トウ側領域At及びヒール側領域Ahで異ならせることができる。このような実施形態においても、振動吸収性能を高めつつ、例えばヘッドを低重心化でき、また打球の飛距離を増大させることができる。
以上本発明の実施形態に詳述したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の態様に変形して実施することができる。
表1の仕様に基づいてアイアン型ゴルフクラブヘッドが試作され、打球感及び打球の飛距離がテストされた。表1に記載の部分以外の共通仕様等は以下の通りである。
ロフト角:24度(5番)
ヘッド本体の材料:SUS630の鋳造品
フェース部材の材料:Ti−6Al−4Vのプレス成形品、厚さt=2.2mm
ヘッド総重量:249g
また、いずれの例においても、背壁部は、フェースと実質的に平行に立ち上げられている。テスト方法は、次の通りである。
<打球感>
各テストヘッドに同一のシャフトが装着され、アイアン型ゴルフクラブが試作されるとともに、ハンディキャップ15〜25のアベレージゴルファ10人により、SRIスポーツ製の「XXIO XD(3ピースゴルフボール)」を10球ずつ打撃するテストが行われた。そして、打撃時に手に伝わる衝撃(手に響くフィーリング)がテスターの官能により「良い」、「普通」及び「悪い」の三段階で評価された。
<打球の飛距離A>
上記各テストクラブを使用しハンディキャップ15〜25の10名のゴルファーが、SRIスポーツ製の「XXIO XD(3ピースゴルフボール)」を10球ずつ打撃し、キャリー及びランの総合飛距離が測定された。結果は、各例について全打数100球の平均値が計算され、参考例1の値を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど、飛距離が大きいことを示す。
<打球の飛距離B>
(株)ミヤマエ製のスイングロボットを用いて、ヘッドスピード42m/s、スイートスポット打撃で、SRIスポーツ製の「XXIO XD(3ピースゴルフボール)」を用いて10球ずつ打撃を行い、キャリー及びランの総合飛距離が測定された。結果は、各例について全打数10球の平均値が計算され、参考例1の値を100とする指数で表示された。数値が大きいほど、飛距離が大きいことを示す。
テストの結果などを表1に示す。
Figure 0005162039
テストの結果、実施例のものは、打球感及び飛距離をバランス良く向上していることが確認できた。
アイアン型ゴルフクラブヘッドの基準状態の正面図である。 その背面図である。 ヘッドを背面から見た斜視図である。 (a)〜(c)は、図1のX−X、Y−Y及びZ−Z端面図である。 図1のB−B断面図である。 (a)、(b)は他の実施形態を示すヘッドの背面図である。 本発明の実施形態を示すクラブヘッドの背面図である。 (a)は従来のクラブヘッドの背面図、(b)はそのA−A端面図である。
1 ゴルフクラブヘッド
1A フェース板
1B ヘッド本体
2 フェース
3 トップ面
4 ソール面
5 トウ面
6 背面
10 後方隆起部
10a トップ部側隆起部
10b ソール部側隆起部
11 背壁部
11t トウ側壁部
11c 中間壁部
11h ヒール側壁部
C キャビティ
C1 オープンキャビティ部
C2 アンダーカットキャビティ部

Claims (3)

  1. トップ面と、ソール面と、これらの間を継ぐトウ面と、ボールを打撃するフェースとを有するアイアン型ゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェースの背面の周縁部には、ヘッド後方に隆起して環状にのびる後方隆起部が設けられることにより、該フェースの背面に後方隆起部で囲まれるキャビティが形成され、しかも
    ソール面に沿ってトウ・ヒール方向にのびるソール部側の後方隆起部には、その後端部から上方に立ち上がりかつトップ部側の後方隆起部に達することなく終端する背壁部が設けられることにより、前記キャビティは、ヘッド背面で開口するオープンキャビティ部と、その下方に形成されかつ背壁部とフェースの背面とで挟まれるアンダーカットキャビティ部とからなり、
    規定のライ角及びロフト角で水平面に接地させた基準状態からロフト角が零となるように前傾させたフェース垂直状態におけるヘッド背面視において、
    前記オープンキャビティ部の最もトウ側の位置と最もヒール側の位置との間の水平長さをトウ側領域、中間領域及びヒール側領域の三等分に仮想区分したときに、前記トウ側領域の背壁部の平均高さHt、中間領域の背壁部の平均高さHc及びヒール側領域の背壁部の平均高さHhが下式を満たし、
    前記ソール部側の後方隆起部の前記キャビティを向く内面には、トウ・ヒール方向の略中間部分で上に盛り上がる膨出部が形成され、
    前記ヘッド背面視において、前記背壁部の上縁は、実質的に凹むことなくトウ・ヒール方向に真っ直ぐにのびていることを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘッド。
    Ht>Hc、かつ、Hh>Hc
  2. 前記トウ側領域の背壁部の平均高さHtは、前記ヒール側領域の背壁部の平均高さHhよりも大きい請求項1記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
  3. 前記各平均高さの比(Hc/Ht)及び(Hc/Hh)は、0.30〜0.95である請求項1又は2記載のアイアン型ゴルフクラブヘッド。
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