JP5161809B2 - セル押圧アセンブリおよび燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池スタックのセル積層体を押圧するためのセル押圧アセンブリ、および前記セル押圧アセンブリを有する燃料電池スタックに関する。
燃料電池は、発電効率が高く、排熱も利用できるといった優れた特徴を有する。燃料電池には様々な種類があるが、固体高分子形燃料電池は、低コスト、省スペース化に優れており、家庭用コージェネレーションシステムや自動車の動力源などとして期待されている。
固体高分子形燃料電池(以下「燃料電池スタック」ともいう)は、複数の単セルを積層して直列に接続したセル積層体と、前記セル積層体の両側に配置された集電板およびエンドプレートとを有する。各単セルは、膜電極接合体(membrane electrode assembly;以下「MEA」ともいう)と、前記膜電極接合体の両側に配置された一対のセパレータとから構成される。また、MEAは、高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の両側に配置された一対の触媒電極(燃料極、空気極)とから構成される。
燃料電池スタックの各単セルの燃料極に水素を含む燃料ガスを供給し、空気極に酸素を含む酸化ガスを供給することで、電気エネルギーを継続的に取り出すことができる。燃料極に供給された水素分子は、燃料極の触媒によって水素イオンと電子に分けられる。水素イオンは高分子電解質膜を通過して空気極側に移動し、電子は外部回路を通って空気極に移動する。外部回路を通る電子は電気エネルギーとして利用される。空気極では、高分子電解質膜を通して移動してきた水素イオンと、外部回路を移動してきた電子と、空気極に供給された酸素とが反応して、水が生成される。
セル積層体は、セル間およびセル内の接触抵抗の低減、ならびに反応ガスおよび水のシール性を確保するために、所定の荷重を印加される。このとき、印加する荷重が小さすぎると、燃料電池スタックの性能を十分に発揮させることができない。一方、印加する荷重が大きすぎると、MEAがダメージを受けてしまい、発電効率が低下してしまう。したがって、セル積層体には、そのセル積層体にとって適切な荷重を印加することが好ましい。
セル積層体に荷重を印加する方法には様々なものがあるが、例えばセル押圧アセンブリを用いた方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。図1は、特許文献1のセル押圧アセンブリの構成を示す断面図である。図1に示されるように、セル押圧アセンブリ10は、エンド側部材11およびセル側部材12(いずれもアルミニウム合金の板)と、エンド側部材11とセル側部材12との間に配置された複数のコイルスプリング13とを有する。
図2は、セル押圧アセンブリ1を組み付けられた特許文献1の燃料電池スタックの構成を示す側面図である。図2に示されるように、燃料電池スタック(固体高分子形燃料電池)20は、セル押圧アセンブリ10と、セル積層体22と、一対のターミナルプレート24と、一対の絶縁プレート26と、一対のエンドプレート28と、複数のアジャストロッド30とを有する。特許文献1の燃料電池スタック20では、アジャストロッド30のねじ込み量Lを大きくすることで、セル押圧アセンブリ10のコイルスプリング13の弾性力を利用してセル積層体22に荷重を印加する。
このように、特許文献1のセル押圧アセンブリは、アジャストロッドのねじ込み量を調整することで、セル積層体に適切な荷重を印加することができる。
特開2008−60006号公報
しかしながら、上記従来のセル押圧アセンブリには、アジャストロッドを用いて荷重を印加するため、燃料電池スタックの部品点数が増加し、燃料電池スタックの構造が複雑になってしまうという問題があった。また、燃料電池スタックの製造工程が多くなり、製造コストが増加してしまうという問題もあった。
また、上記従来のセル押圧アセンブリには、複数のアジャストロッドを用いて荷重を印加するため、セル積層体に印加される荷重が不均一になる可能性があった。このように荷重の印加が不均一な場合、燃料ガスおよび酸化ガスの拡散が不均一になったり、MEAがダメージを受けたりするため、発電効率が低下してしまう。
上記問題点を解消する手段として、アジャストロッドを用いずに従来のセル押圧アセンブリのみで荷重を印加すること、すなわち、図2においてL=0とすることが考えられる。この場合、寸法が定まったフレーム(例えば、間隔が固定された一対のエンドプレート)内にセル積層体と共に収容されたセル押圧アセンブリが、コイルスプリングの弾性力を利用してフレーム(エンドプレート)およびセル積層体を押すことで、セル積層体に荷重を印加することになる。
しかしながら、この方法では、セル押圧アセンブリおよびセル積層体をフレーム内に収容する際に、フレームの周長よりも小さくなるようにセル押圧アセンブリおよびセル積層体を圧縮しなければならない。このとき、セル積層体に過度の荷重を印加しなければならないため、MEAがダメージを受けてしまう可能性が高い(図7参照)。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、セル積層体に過度の荷重を印加することなく、セル積層体と共に寸法が定まったフレームに収容することが可能であり、かつセル積層体に所望の荷重を印加することができるセル押圧アセンブリ、および前記セル押圧アセンブリを有する燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明者は、セル押圧アセンブリを予め圧縮した状態で固定しておくことで、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一は、以下のセル押圧アセンブリに関する。
[1]燃料電池スタックのセル積層体を押圧するためのセル押圧アセンブリであって、
エンド側部材と、前記エンド側部材に対向して配置され、前記エンド側部材よりも前記セル積層体に近接して配置されるセル側部材と、前記エンド側部材と前記セル側部材との間に配置され、前記セル積層体を押圧するための弾性エネルギーを蓄積可能な2以上の弾性部材と、前記弾性部材を圧縮変形させて前記エンド側部材と前記セル側部材との間隔を狭くした状態で、前記エンド側部材と前記セル側部材とを固定する1または2以上の固定部材と、を有し、
前記セル側部材は、それぞれ独立した2以上のセル側単位部材からなり、
前記2以上の弾性体は、それぞれ、前記エンド側部材と前記各セル側単位部材との間に配置され、
前記2以上の固定部材は、それぞれ、前記エンド側部材と前記各セル側単位部材との間隔を狭くした状態で、前記エンド側部材と前記各セル側単位部材とを固定する、セル押圧アセンブリ。
]前記エンド側部材または前記セル側部材は、樹脂製である、[1]に記載のセル押圧アセンブリ。
]前記弾性部材は、コイルばねである、[1]または[2]に記載のセル押圧アセンブリ。
]前記固定部材は、ボルトである、[1]〜[3]のいずれかに記載のセル押圧アセンブリ。
燃料電池スタックのセル積層体を押圧するためのセル押圧アセンブリであって、
エンド側部材と、
前記エンド側部材に対向して配置され、前記エンド側部材よりも前記セル積層体に近接して配置されるセル側部材と、
前記エンド側部材と前記セル側部材との間に配置され、前記セル積層体を押圧するための弾性エネルギーを蓄積可能な1または2以上の弾性部材と、
前記弾性部材を圧縮変形させて前記エンド側部材と前記セル側部材との間隔を狭くした状態で、前記エンド側部材と前記セル側部材とを固定する1または2以上の、クランプからなる固定部材と、を有する、セル押圧アセンブリ。
また、本発明の第二は、以下の燃料電池スタックに関する。
]膜電極接合体および前記膜電極接合体を挟むセパレータからなる単セルを2以上積層したセル積層体と、前記セル積層体を押圧するセル押圧アセンブリと、前記セル積層体および前記セル押圧アセンブリを収容するフレームと、を有する燃料電池スタックであって、
前記セル押圧アセンブリは、前記フレームに近接して配置されるエンド側部材と、
前記エンド側部材に対向して配置され、前記セル積層体に近接して配置されるセル側部材と、前記エンド側部材と前記セル側部材との間に配置され、前記セル積層体を押圧するための弾性エネルギーを蓄積可能な1または2以上の弾性部材と、前記弾性部材を圧縮変形させて前記エンド側部材と前記セル側部材との間隔を狭くした状態で、前記エンド側部材と前記セル側部材とを固定する場合に、固定部材が前記エンド側部材または前記セル側部材に係止するための係止部と、を有する、燃料電池スタック。
]前記固定部材は、ボルトであり、前記ボルトは、前記エンド側部材に設けられた穴を通り、前記セル側部材に設けられた係止部に係止する、[]に記載の燃料電池スタック。
]前記固定部材は、クランプであり、前記係止部は、前記エンド側部材および前記セル側部材に設けられた係止部に係止する、[6]または[7]に記載の燃料電池スタック。
本発明によれば、寸法が定まったフレームであっても、過度の荷重を印加することなくセル積層体をフレームに収容することができ、さらにセル積層体に所望の荷重を印加することができる。したがって、本発明によれば、MEAにダメージを与えることなく燃料電池スタックを製造することができる。
1.セル押圧アセンブリ
本発明のセル押圧アセンブリは、燃料電池スタックのセル積層体を押圧するためのセル押圧アセンブリであって、エンド側部材と、セル側部材と、1または2以上の弾性部材と、1または2以上の固定部材とを有する。
エンド側部材およびセル側部材は、互いに対向して配置される部材である。本発明のセル押圧アセンブリを燃料電池スタックに組み付けた場合、セル側部材は、エンド側部材よりもセル積層体に近接して配置される。エンド側部材およびセル側部材の形状は、特に限定されず、セル積層体やエンドプレート、フレームなどの形状や、固定部材の種類などに応じて適宜設定すればよい。例えば、エンド側部材およびセル側部材の形状は、矩形板状である。また、エンド側部材およびセル側部材には、弾性部材を保持するための凹部が形成されていてもよい。
エンド側部材およびセル側部材の材料は、所望の強度を確保しうるものであれば特に限定されず、必要とする性質(例えば、導電性の有無など)やコストなどを考慮して選択すればよい。エンド側部材およびセル側部材の材料の例には、ポリフェニレンサルファイドなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、およびアルミニウム合金などの金属が含まれる。例えば、本発明のセル押圧アセンブリとセル積層体との間に集電板を配置する場合は、エンド側部材およびセル側部材の材料を絶縁体としてもよい。一方、本発明のセル押圧アセンブリとセル積層体との間に集電板を配置しない場合は、エンド側部材の材料を絶縁体とし、セル側部材の材料を導電体としてもよい。このようにすることで、本発明のセル押圧アセンブリ(セル側部材)は、集電板としても機能しうる。なお、セル側部材の材料を導電体とする代わりに、セル側部材の表面に金メッキを施しても同様の効果を得ることができる。
エンド側部材およびセル側部材は、それぞれ1つの部材であってもよいが、複数の単位部材から構成されていてもよい。例えば、エンド側部材が1つの部材からなり、セル側部材が複数の部材からなっていてもよい(実施の形態3参照)。逆に、エンド側部材が複数の部材からなり、セル側部材が1つの部材からなっていてもよい。いずれの場合も、各単位部材は、他の単位部材とは独立に揺動することができる。
弾性部材は、セル積層体に荷重を印加するための弾性エネルギーを蓄積可能な部材であり、エンド側部材とセル側部材との間に配置される。弾性部材の例には、コイルばね、板ばね、皿ばねが含まれる。弾性部材の種類および性質(例えば、ばね定数など)ならびに弾性部材を配置する数は、セル積層体の大きさやセル積層体への最適荷重に応じて適宜選択すればよい。
固定部材は、弾性部材を圧縮変形させてエンド側部材とセル側部材との間隔を所定の間隔とした状態で、エンド側部材とセル側部材とを固定している。固定部材は、本発明のセル押圧アセンブリを燃料電池スタックに組み付けた後に取り外し可能なものが好ましい。取り外し可能な固定部材の例には、ボルト、クランプ、環状バンドが含まれる。なお、本明細書において、エンド側部材とセル側部材とを固定するために固定部材がエンド側部材またはセル側部材に係止する箇所を「係止部」ということがある。例えば、固定部材がボルトの場合は、エンド側部材またはセル側部材に設けられた雌ねじを有する穴(ボルト固定穴)が係止部である。固定部材がクランプの場合は、クランプが挟み込む部分(凸部)が係止部である。固定部材が環状バンドの場合は、環状バンドが引っかかる部分(凸部)が係止部である。このように、エンド側部材およびセル側部材の少なくとも一方は、係止部を有する。
本発明のセル押圧アセンブリは、固定部材によりエンド側部材とセル側部材とが固定されているため、セル積層体と共にフレーム内に容易に収容しうる厚さとなっている。本発明のセル押圧アセンブリの使用方法については、本発明の燃料電池スタックの製造方法を説明する際に説明する。
2.燃料電池スタック
本発明の燃料電池スタックは、セル積層体と、本発明のセル押圧アセンブリと、フレームとを有する。また、本発明の燃料電池スタックは、任意に、集電板や絶縁プレート、エンドプレートなどの他の構成要素をさらに有していてもよい。本発明のセル押圧アセンブリ以外の各構成要素については、従来の燃料電池スタックで用いられているものをそのまま使用してもよい。
セル積層体は、複数の単セルを積層して直列に接続したものである。発電単位である単セルは、膜電極接合体(MEA)と、前記膜電極接合体の両側に配置された一対のセパレータとから構成される。
MEAは、高分子電解質膜と、高分子電解質膜を挟む一対の触媒電極(燃料極および空気極)とを有する。燃料極および空気極は、それぞれ、高分子電解質膜に接する触媒層と、触媒層に積層されるガス拡散層とを有することが好ましい。
高分子電解質膜は、湿潤状態において、水素イオンを選択的に輸送する機能を有する高分子膜である。高分子電解質膜の材料は、水素イオンを選択的に移動させるものであれば特に限定されない。このような材料の例には、フッ素系の高分子電解質膜、炭化水素系の高分子電解質膜が含まれる。
触媒電極の触媒層は、水素または酸素の酸化還元反応を促進する触媒を含む層である。触媒層は、導電性を有し、かつ水素または酸素の酸化還元反応を促進する触媒能を有するものであれば特に限定されない。空気極の触媒層に含まれる触媒の例には、白金や白金とコバルトとの合金、白金とコバルトとニッケルとの合金が含まれる。また、燃料極の触媒層に含まれる触媒の例には、白金や白金とルテニウムとの合金が含まれる。触媒電極の触媒層は、これらの触媒を担持させたカーボン微粒子(アセチレンブラックやケッチェンブラック、バルカンなど)に、水素イオン導電性を有する電解質と撥水性を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂を混合し、高分子電解質膜上に塗布することで形成されうる。
ガス拡散層は、導電性を有する多孔質層である。ガス拡散層の材料は、導電性を有し、かつ反応ガスが拡散しうるものであれば特に限定されない。ガス拡散層は、セパレータ側から供給されるガスを触媒層に拡散させるガス拡散基材層と、ガス拡散基材層と触媒層との接触性を向上させるカーボンコート層とから構成されていてもよい。
セパレータは、燃料極と接する面に燃料ガス流路、空気極と接する面に酸化ガス流路を有する導電性の板である。セパレータの材料の例にはカーボン、金属が含まれる。セパレータは、冷媒を供給するための冷媒入口マニホールドおよび冷媒を排出するための冷媒出口マニホールドを有することが好ましい。また、セパレータは、燃料ガスを給排気するためのマニホールド、および酸化ガスを給排気するためのマニホールドを有することが好ましい。さらに、セパレータは、冷媒や酸化ガス、燃料ガスなどが漏れないようにするゴム状のシール部を有していてもよい。
本発明のセル押圧アセンブリは、前述の通り、エンド側部材と、セル側部材と、1または2以上の弾性部材とを有する。本発明のセル押圧アセンブリは、燃料電池スタックに組み込まれる前の状態では固定部材を有しているが、燃料電池スタックに組み込まれた後の状態では固定部材を有していないことがある。ただし、この場合も、本発明のセル押圧アセンブリは、固定部材がエンド側部材またはセル側部材に係止するための係止部を有している。固定部材を外されたセル押圧アセンブリは、弾性部材の弾性力を利用してフレームおよびセル積層体を押すことで、セル積層体に荷重を印加する。前述の通り、本発明のセル押圧アセンブリは、集電板としても機能することができる。
フレームは、セル積層体およびセル押圧アセンブリを収容する部材である。フレームは、任意に、集電板や絶縁プレート、エンドプレートなどの他の構成要素を収容してもよい。フレームの形状は、1)セル積層体およびセル押圧アセンブリを収容しうる入口を有し、2)フレーム内のセル押圧アセンブリから固定部材を取り外すことが可能であり、かつ3)セル押圧アセンブリの復元力を外部に逃がさない形状、であれば特に限定されない。また、フレームの材料は、セル押圧アセンブリの復元力(セル積層体への圧力)に耐えうる剛性を有するものであれば特に限定されない。例えば、フレームは、一対のエンドプレートを所定の間隔で固定したものであってもよいし、剛性を有する箱や、剛性を有する環状バンド(エンドレスバンド)であってもよい。
次に、上記構成を有する本発明の燃料電池スタックの製造方法について説明する。
本発明の燃料電池スタックの製造方法は、1)セル積層体、本発明のセル押圧アセンブリおよびフレームを準備する第1のステップと、2)セル積層体およびセル押圧アセンブリをフレーム内に収容する第2のステップと、3)セル押圧アセンブリの固定部材を外して、セル積層体に荷重を印加する第3のステップと、を有する。
第1のステップでは、セル積層体と、エンド側部材とセル側部材とが固定部材により固定された本発明のセル押圧アセンブリと、フレームとを準備する。セル積層体に含まれる単セルの枚数は、求める特性に応じて適宜選択すればよい。フレームは、フレーム内の収容部分の高さがセル積層体およびセル押圧アセンブリ(圧縮されているもの)の高さの合計よりも高いものを準備する。
第2のステップでは、セル積層体およびセル押圧アセンブリ(圧縮されているもの)をフレーム内に収容する。フレーム内の収容部分の高さがセル積層体およびセル押圧アセンブリ(圧縮されているもの)の高さの合計よりも高いため、セル積層体およびセル押圧アセンブリは、フレーム内に容易に収容されうる。このとき、任意に、集電板や絶縁プレート、エンドプレートなどの他の構成要素も収容してもよい。
第3のステップでは、セル押圧アセンブリの固定部材を外して、セル積層体に荷重を印加する。例えば、固定部材がボルトの場合は、フレームに設けられた貫通孔からボルトを抜く。また、固定部材がクランプまたは環状バンドの場合は、フレームの側面の開放部からクランプまたは環状バンドを外す。固定部材を外されたセル押圧アセンブリは、弾性部材に蓄積されていた弾性エネルギーにより、エンド側部材がフレームを押し、セル側部材がセル積層体を押して、セル積層体に荷重を印加する。
以上の手順により、寸法が定まったフレームであっても、過度の荷重を印加することなくセル積層体をフレームに収容することができ、さらにセル積層体に最適な荷重を印加することができる。
なお、本発明の燃料電池スタックでは、固定部材を抜いた後であっても、固定部材をエンド側部材またはセル側部材に再度係合させることで、セル積層体に過度の荷重を印加することなくセル押圧アセンブリを圧縮することもできる。このようにすることで、燃料電池スタックの特定の部材の交換や、リサイクルなどを容易に行うことができるようになる。
以上のように、本発明のセル押圧アセンブリを用いれは、MEAにダメージを与えることなく燃料電池スタックを製造することができる。このように製造された本発明の燃料電池スタックは、セル積層体に適切な荷重が印加されており、接触抵抗が小さく、かつ反応ガスおよび水のシール性が高いため、発電効率に優れている。
本発明のセル押圧アセンブリは、従来のセル押圧アセンブリとは異なりアジャストロッドが不要であるため、燃料電池スタックの構造をシンプルにすることが可能であり、製造コストを低減させうる。さらに本発明のセル押圧アセンブリは、アジャストロッドが不要であるため、セル積層体に荷重を均一に印加することができる。
以下、本発明の製造方法の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施の形態により限定されない。
(実施の形態1)
実施の形態1では、固定部材がボルトであり、弾性部材がコイルばねであるセル押圧アセンブリについて説明する。
図3は、本発明の実施の形態1のセル押圧アセンブリの構成を示す断面図である。図3(A)は、燃料電池スタックに組み付けられる前のセル押圧アセンブリ100aを示す断面図である。一方、図3(B)および(C)は、燃料電池スタックに組み付けられた後のセル押圧アセンブリを示す断面図であり、図3(B)は、ボルト(固定部材)を緩めた状態のセル押圧アセンブリ100bを示す断面図、図3(C)は、ボルト(固定部材)を抜いた状態のセル押圧アセンブリ100cを示す断面図である。
図3(A)に示されるように、燃料電池スタックに組みつけられる前のセル押圧アセンブリ100aは、エンド側部材110、セル側部材120、複数のコイルばね130、および複数のボルト140を有する。
エンド側部材110は、矩形状の樹脂板である。エンド側部材110の下面(セル側部材120と対向する面)には、コイルばね130の上端を収容するための凹部が形成されている(不図示)。また、エンド側部材110には、複数のボルト貫通孔112が形成されている(図3(C)参照)。ボルト貫通孔はそれぞれ段差を有し、ボルト貫通孔の段差より上側の部分の直径は下側の部分の直径よりも大きい。この段差は、ボルト140の頭部の抜け止めとして機能する(図3(A)参照)。
セル側部材120も、矩形状の樹脂板である。セル側部材120の上面(エンド側部材110と対向する面)には、コイルばね130の下端を収容するための凹部が形成されている(不図示)。また、セル側部材120には、複数のボルト固定穴122が形成されている(図3(C)参照)。ボルト固定穴122の内面には、ボルト140の雄ねじに対応する雌ねじが形成されている。ボルト固定穴122は、ボルト140(固定部材)がセル側部材120と係合するための係止部として機能する(図3(A)参照)。
コイルばね130は、セル積層体に適切な荷重を印加するのに適切なばね定数を有するばねである。コイルばね130は、エンド側部材110とセル側部材120との間に規則的に配置されている。
ボルト140は、頭部と、先端に雄ねじを有する軸部とからなる。ボルト140は、頭部がエンド側部材110の段差に係止し、軸部の雄ねじがセル側部材120のボルト固定穴122の雌ねじと螺合することで、エンド側部材110とセル側部材120とを固定している(図3(A)参照)。軸部の長さは、エンド側部材110とセル側部材120とを固定した際に、セル押圧アセンブリ100aの厚さを十分に薄くしうる長さとすることが好ましい。
図3(A)に示されるように、燃料電池スタックに組み付けられる前のセル押圧アセンブリ100aは、ボルト140によりエンド側部材110とセル側部材120とが固定されている。そのため、セル押圧アセンブリ100aはセル積層体と共にフレーム内に収容しうる厚さとなっており、かつセル積層体を押圧するための弾性エネルギーがコイルばね130に蓄積されている。
図4は、本発明の実施の形態1のセル押圧アセンブリを有する燃料電池スタックの構成を示す断面図である。図4に示されるように、燃料電池スタック400は、セル積層体410と、一対の集電板420と、ボルト固定穴122を有するセル押圧アセンブリ100cと、エンドプレート430と、フレーム440とを有する。
セル積層体410は、発電単位である単セルを所定の数積層したものである。各単セルは、直列に接続されている。
集電板420は、セル積層体410を積層方向の両端から挟む導電性の板である。燃料電池スタック400の電力は、集電板420に設けられた電力取出部(図示せず)から取り出される。
セル押圧アセンブリ100cは、セル積層体410および一対の集電板420の上に配置されている。セル押圧アセンブリ100cは、燃料電池スタック400を製造する際にボルト140を抜かれていることがあるが、少なくともボルト140があったことを示すボルト固定穴122を有している。セル押圧アセンブリ100cは、エンドプレートとしての機能も果たしている。すなわち、セル押圧アセンブリ100cは、次に説明する1枚のエンドプレート430と共に、一対のエンドプレートとしてセル積層体410および一対の集電板420を挟持している。
エンドプレート430は、セル積層体410および一対の集電板420の下に配置されている矩形状の樹脂板である。エンドプレート430には、燃料ガス供給口、燃料ガス排出口、酸化ガス供給口、酸化ガス排出口、冷媒供給口および冷媒排出口が形成されている。前述の通り、エンドプレート430は、セル押圧アセンブリ100cと共にセル積層体410および一対の集電板420を挟持している。
フレーム440は、側面が開放された直方体状の筐体であり、その内部にセル積層体410、一対の集電板420、セル押圧アセンブリ100cおよびエンドプレート430を収容している。図4では、図面奥方向と手前方向の側面が開放されている。フレーム440は、剛性を有する樹脂でできており、所定の寸法を有している。また、フレーム440には、セル押圧アセンブリ100cのボルト貫通孔112に対応する位置に、ボルト貫通孔442が形成されている。
次に、図5を参照して、実施の形態1のセル押圧アセンブリを用いて燃料電池スタックを製造する方法について説明する。
まず、図5(A)に示されるように、セル積層体410、ボルト140によりエンド側部材110とセル側部材120とが固定されているセル押圧アセンブリ100a、一対の集電板420、エンドプレート430およびフレーム440を準備する。図5(A)では、フレーム440のみを図示している。
次いで、図5(B)に示されるように、セル積層体410、セル押圧アセンブリ100a、一対の集電板420およびエンドプレート430を所定の順番で重ねて、フレーム440の側面の開放部からフレーム440内に収容する。このとき、セル押圧アセンブリ100aは、ボルト140によりエンド側部材110とセル側部材120とが固定されているため、他の部材と共にフレーム440内に収容しうる厚さとなっている。
次いで、図5(C)に示されるように、セル押圧アセンブリ100aのボルト140を抜いて、セル積層体410に荷重を印加する。ボルト140を抜かれたセル押圧アセンブリ100cは、エンド側部材110がフレーム440を押し、セル側部材120がセル積層体410などを押し、セル積層体410に荷重を印加する(図3(C)参照)。なお、セル積層体410に適切な荷重を印加できるのであれば、ボルト140を完全に抜かなくてもよい(図3(B)参照)。
以上の手順により、セル積層体に過度の荷重を印加することなく、燃料電池スタックを製造することができる。
ここで本発明のセル押圧アセンブリの効果を示すために、従来のセル押圧アセンブリを用いて燃料電池スタックを製造した場合のシミュレーション結果と、実施の形態1のセル押圧アセンブリを用いて燃料電池スタックを製造した場合のシミュレーション結果を示す。
本シミュレーションでは、20枚の単セルを積層したセル積層体への最適荷重を525kgfと設定した。MEAの接触抵抗を減少させるには、7kgf/cmの圧力が必要であると一般的にいわれている。セパレータとMEAとの接触面積がMEAの面積の半分(燃料ガス流路または酸化ガス流路の部分は接触しない)と仮定すると、面積120cmのMEAの接触抵抗を減少させるのに必要な荷重は420kgf(=7×120/2)となる。また、反応ガスおよび水のシール性の確保に105kgfの荷重が必要であると仮定すると、セル積層体への最適荷重は525kgf(420+105)となる。
セル積層体の両端には集電板を配置した(不図示)。セル積層体および一対の集電板(不図示)を積層したときの厚さ(無荷重状態)は60mmと設定した。エンドプレートの厚さは、20mmと設定した。
セル押圧アセンブリのエンド側部材の厚さは20mm、セル側部材の厚さは25mmと設定した。また、セル押圧アセンブリは、15個のコイルばね(SWL25−60、株式会社ミスミ;自由長60mm、k=3.5kgf/mm)を有するものと設定した。
上記セル積層体(集電板を含む)、エンドプレートおよびセル押圧アセンブリを、内部高さ(セル積層体の積層方向の高さ)165mmのフレームに収容して、燃料電池セルスタックを製造するものとして、シミュレーションを行った。
図6および図7は、従来のセル押圧アセンブリ10を用いて燃料電池スタックを製造する様子を示す模式図である。
図6(A)に示されるように、従来のセル押圧アセンブリ10の厚さは105mmであり、無荷重のセル積層体410の厚さは60mmであり、エンドプレート430の厚さは20mmである。図6(B)に示されるように、従来のセル押圧アセンブリ10、セル積層体410およびエンドプレート430を積層すると、合計の厚さが185mmとなってしまうため、このままではこれらの積層物を内部高さ165mmのフレーム440内に収容することはできない。したがって、従来のセル押圧アセンブリ10を用いて燃料電池スタックを製造するには、図7に示されるように、これらの積層物に荷重を印加して、フレーム440内に収容できる厚さにする必要がある。
従来のセル押圧アセンブリ10、セル積層体410およびエンドプレート430に、525kgfの荷重を印加した場合、図7(A)に示されるように、従来のセル押圧アセンブリ10の厚さは95mmとなり、セル積層体410の厚さは50mmとなる。その結果、図7(B)に示されるように、従来のセル押圧アセンブリ10、セル積層体410およびエンドプレート430の積層物の厚さは165mmとなるが、このままではこれらの積層物を内部高さ165mmのフレーム440内に収容することは困難である。したがって、従来のセル押圧アセンブリ10を用いて燃料電池スタックを製造する場合には、セル積層体410への最適荷重よりも大きな荷重を印加することが必要となり、MEAにダメージを与えてしまうことになる。
一方、図8および図9は、実施の形態1のセル押圧アセンブリ100aを用いて燃料電池スタックを製造する様子を示す模式図である。
図8(A)に示されるように、実施の形態1のセル押圧アセンブリ100aの厚さは80mmであり、無荷重のセル積層体410の厚さは60mmであり、エンドプレート430の厚さは20mmである。図8(B)に示されるように、実施の形態1のセル押圧アセンブリ100a、セル積層体410およびエンドプレート430を積層しても、合計の厚さが160mmであるため、このままこれらの積層物を内部高さ165mmのフレーム440内に収容することができる。したがって、図9(A)に示されるように、実施の形態1のセル押圧アセンブリ100aを用いて燃料電池スタックを製造する場合は、セル積層体410に荷重を印加することなく、セル積層体410をフレーム440内に収容することができる。そして、図9(B)に示されるように、フレーム440内に収容されたセル押圧アセンブリ100aからボルト140を抜くことで、セル積層体410に最適荷重を印加することができる。なお、一旦ボルト140を抜いた後であっても、再度ボルト140をねじ込むことで、セル押圧アセンブリ100aの厚さを縮めることもできる。
以上のように、実施の形態1のセル押圧アセンブリは、従来のセル押圧アセンブリと異なり、過度の荷重を印加することなくセル積層体をフレームに収容することができ、さらにセル積層体に所望の荷重を印加することができる。したがって、実施の形態1のセル押圧アセンブリを用いることで、MEAにダメージを与えずに、優れた発電効率の燃料電池スタックを製造することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、固定部材がクランプであり、弾性部材がコイルばねであるセル押圧アセンブリについて説明する。
図10は、本発明の実施の形態2のセル押圧アセンブリの構成を示す断面図である。図10(A)は、燃料電池スタックに組み付けられる前のセル押圧アセンブリ200aを示す断面図であり、図10(B)は、燃料電池スタックに組み付けられた後のセル押圧アセンブリ200bを示す断面図である。
図10(A)に示されるように、燃料電池スタックに組み付けられる前のセル押圧アセンブリ200aは、エンド側部材210、セル側部材220、複数のコイルばね230、および2つのクランプ240を有する。
エンド側部材210は、矩形状の樹脂板である。エンド側部材210の面方向の端部には、クランプ240が挟むための凸部212が形成されている。凸部212は、クランプ240(固定部材)がエンド側部材210と係合するための係止部として機能する(図10(B)参照)。
セル側部材220も、矩形状の樹脂板である。セル側部材220の面方向の端部には、クランプ240が挟むための凸部222が形成されている。凸部222は、クランプ240(固定部材)がセル側部材220と係合するための係止部として機能する(図10(B)参照)。
コイルばね230は、セル積層体に適切な荷重を印加するのに適切なばね定数を有するばねである。コイルばね230は、エンド側部材210とセル側部材220との間に規則的に配置されている。
クランプ240は、クランプ固定ボルト242によりエンド側部材210に固定されており、エンド側部材210の凸部212およびセル側部材220の凸部222を挟み込むことで、エンド側部材110とセル側部材120とを固定している(図10(A)参照)。
図10(A)に示されるように、燃料電池スタックに組み付けられる前のセル押圧アセンブリ200aは、クランプ240によりエンド側部材210とセル側部材220とが固定されている。そのため、セル押圧アセンブリ200aはセル積層体と共にフレーム内に収容しうる厚さとなっており、かつセル積層体を押圧するための弾性エネルギーがコイルばね230に蓄積されている。
次に、図11を参照して、実施の形態2のセル押圧アセンブリを用いて燃料電池スタックを製造する方法について説明する。
まず、図11(A)に示されるように、セル積層体410、クランプ240によりエンド側部材210とセル側部材220とが固定されているセル押圧アセンブリ200a、一対の集電板420、エンドプレート430およびフレーム440を準備する。図11(A)では、フレーム440のみを図示している。図11において、フレーム440は、図面奥方向と手前方向の側面で連続しており、図面左右方向の側面が開放されている。
次いで、図11(B)に示されるように、セル積層体410、セル押圧アセンブリ200a、一対の集電板420およびエンドプレート430を所定の順番に重ねて、フレーム440の側面の開放部からフレーム440の内部に収納する。このとき、セル押圧アセンブリ200aは、クランプ240によりエンド側部材210とセル側部材220とが固定されているため、他の部材と共にフレーム440内に収容しうる厚さとなっている。
次いで、図11(C)に示されるように、セル押圧アセンブリ200aのクランプ240を外して、セル積層体410に荷重を印加する。クランプ240を外されたセル押圧アセンブリ200bは、エンド側部材210がフレーム440を押し、セル側部材220がセル積層体410などを押し、セル積層体410に荷重を印加する(図11(C)参照)。
以上の手順により、セル積層体に過度の荷重を印加することなく燃料電池スタックを製造することができる。
以上のように、実施の形態2のセル押圧アセンブリは、実施の形態1のセル押圧アセンブリと同様に、過度の荷重を印加することなくセル積層体をフレームに収容することができ、さらにセル積層体に所望の荷重を印加することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、固定部材がボルトであり、弾性部材がコイルばねであり、セル側部材が複数の単位部材からなるセル押圧アセンブリについて説明する。
図12は、本発明の実施の形態3のセル押圧アセンブリの構成を示す断面図である。図12(A)は、燃料電池スタックに組み付けられる前のセル押圧アセンブリ300aを示す断面図であり、図12(B)は、燃料電池スタックに組み付けられた後のセル押圧アセンブリ300bを示す断面図である。
図12(A)に示されるように、燃料電池スタックに組み付けられる前のセル押圧アセンブリ300aは、エンド側部材310、複数のセル側単位部材320、複数のコイルばね330、および複数のボルト340を有する。
エンド側部材310は、矩形状の樹脂板である。エンド側部材310には、複数のボルト貫通孔が形成されている。ボルト貫通孔はそれぞれ段差を有し、ボルト貫通孔の段差より上側の部分の直径は下側の部分の直径よりも大きい。この段差は、ボルト340の頭部の抜け止めとして機能する。また、エンド側部材310の下面(セル側単位部材320と対向する面)の各ボルト貫通孔の周囲には、セル側単位部材320の一部を保持するための凹部が形成されている。
セル側単位部材320は、それぞれ金属板をプレス加工して形成された部材である。セル側単位部材320の下面(セル積層体や集電板などと接する面)には、それぞれボルト固定穴322が形成されている(図12(B)参照)。ボルト固定穴322の内面には、ボルト340の雄ねじに対応する雌ねじが形成されている。ボルト固定穴322は、ボルト340(固定部材)がセル側単位部材320と係合するための係止部として機能する(図12(A)参照)。
コイルばね330は、セル積層体に適切な荷重を印加するのに適切なばね定数を有するばねである。コイルばね330は、エンド側部材310とセル側単位部材320の平坦部(セル積層体や集電板などと接する部分)との間に1つ配置されている(図12(A)参照)。
ボルト340は、頭部と、先端に雄ねじを有する軸部とからなる。ボルト340は、頭部がエンド側部材310の段差に係止し、軸部の雄ねじがセル側単位部材320のボルト固定穴322の雌ねじと螺合することで、エンド側部材310とセル側単位部材320とを固定している。軸部の長さは、エンド側部材310とセル側単位部材320とを固定した際に、セル押圧アセンブリ300aの厚さを十分に薄くしうる長さとすることが好ましい。
図12(A)に示されるように、燃料電池スタックに組み付けられる前のセル押圧アセンブリ300aは、ボルト340によりエンド側部材310とセル側単位部材320とが固定されている。そのため、セル押圧アセンブリ300aはセル積層体と共にフレーム内に収容しうる厚さとなっており、かつセル積層体を押圧するための弾性エネルギーがコイルばね330に蓄積している。
実施の形態3のセル押圧アセンブリは、実施の形態1のセル押圧アセンブリと同様の手順で、燃料電池スタックの製造に使用することができる。
実施の形態3のセル押圧アセンブリは、実施の形態1のセル押圧アセンブリと同様に、過度の荷重を印加することなくセル積層体をフレームに収容することができ、さらにセル積層体に所望の荷重を印加することができる。また、実施の形態3のセル押圧アセンブリは、金属板をプレス加工することでセル側単位部材を安価に製造することができるため、燃料電池スタックの製造コストをより低減させることができる。
本発明のセル押圧アセンブリは、セル積層体に過度の荷重を印加することなく、所望の荷重のみを印加することができるため、燃料電池スタックの製造に有用である。
従来のセル押圧アセンブリの構成を示す断面図である。 従来のセル押圧アセンブリを組み付けられた燃料電池スタックの構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態1のセル押圧アセンブリの構成を示す断面図である。 実施の形態1のセル押圧アセンブリを有する燃料電池スタックの構成を示す断面図である。 実施の形態1のセル押圧アセンブリを用いて燃料電池スタックを製造する方法を説明するための模式図である。 従来のセル押圧アセンブリを用いて燃料電池スタックを製造する様子を示す模式図である。 従来のセル押圧アセンブリを用いて燃料電池スタックを製造する様子を示す模式図である。 実施の形態1のセル押圧アセンブリを用いて燃料電池スタックを製造する様子を示す模式図である。 実施の形態1のセル押圧アセンブリを用いて燃料電池スタックを製造する様子を示す模式図である。 本発明の実施の形態2のセル押圧アセンブリの構成を示す断面図である。 実施の形態2のセル押圧アセンブリを用いて燃料電池スタックを製造する方法を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態3のセル押圧アセンブリの構成を示す断面図である。
10 セル押圧アセンブリ
11 エンド側部材
12 セル側部材
13 スプリング群
20 燃料電池スタック
22 セル積層体
24 ターミナルプレート
26 絶縁プレート
28 エンドプレート
30 アジャストロッド
100,200,300 セル押圧アセンブリ
110,210,310 エンド側部材
112 ボルト貫通孔
120,220 セル側部材
122,322 ボルト固定穴
130,230,330 コイルばね
140,340 ボルト
212,222 凸部
240 クランプ
242 クランプ固定ボルト
320 セル側単位部材
400 燃料電池スタック
410 セル積層体
420 集電板
430 エンドプレート
440 フレーム
442 ボルト貫通孔

Claims (8)

  1. 燃料電池スタックのセル積層体を押圧するためのセル押圧アセンブリであって、
    エンド側部材と、前記エンド側部材に対向して配置され、前記エンド側部材よりも前記セル積層体に近接して配置されるセル側部材と、前記エンド側部材と前記セル側部材との間に配置され、前記セル積層体を押圧するための弾性エネルギーを蓄積可能な2以上の弾性部材と、前記弾性部材を圧縮変形させて前記エンド側部材と前記セル側部材との間隔を狭くした状態で、前記エンド側部材と前記セル側部材とを固定する1または2以上の固定部材と、を有し、
    前記セル側部材は、それぞれ独立した2以上のセル側単位部材からなり、
    前記2以上の弾性体は、それぞれ、前記エンド側部材と前記各セル側単位部材との間に配置され、
    前記2以上の固定部材は、それぞれ、前記エンド側部材と前記各セル側単位部材との間隔を狭くした状態で、前記エンド側部材と前記各セル側単位部材とを固定する、
    セル押圧アセンブリ。
  2. 前記エンド側部材または前記セル側部材は、樹脂製である、請求項1に記載のセル押圧アセンブリ。
  3. 前記弾性部材は、コイルばねである、請求項1または2に記載のセル押圧アセンブリ。
  4. 前記固定部材は、ボルトである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセル押圧アセンブリ。
  5. 燃料電池スタックのセル積層体を押圧するためのセル押圧アセンブリであって、
    エンド側部材と、
    前記エンド側部材に対向して配置され、前記エンド側部材よりも前記セル積層体に近接して配置されるセル側部材と、
    前記エンド側部材と前記セル側部材との間に配置され、前記セル積層体を押圧するための弾性エネルギーを蓄積可能な1または2以上の弾性部材と、
    前記弾性部材を圧縮変形させて前記エンド側部材と前記セル側部材との間隔を狭くした状態で、前記エンド側部材と前記セル側部材とを固定する1または2以上の、クランプからなる固定部材と、
    を有する、セル押圧アセンブリ。
  6. 膜電極接合体および前記膜電極接合体を挟むセパレータからなる単セルを2以上積層したセル積層体と、前記セル積層体を押圧するセル押圧アセンブリと、前記セル積層体および前記セル押圧アセンブリを収容するフレームと、を有する燃料電池スタックであって、
    前記セル押圧アセンブリは、
    前記フレームに近接して配置されるエンド側部材と、
    前記エンド側部材に対向して配置され、前記セル積層体に近接して配置されるセル側部材と、
    前記エンド側部材と前記セル側部材との間に配置され、前記セル積層体を押圧するための弾性エネルギーを蓄積可能な1または2以上の弾性部材と、
    前記弾性部材を圧縮変形させて前記エンド側部材と前記セル側部材との間隔を狭くした状態で、前記エンド側部材と前記セル側部材とを固定する場合に、固定部材が前記エンド側部材または前記セル側部材に係止するための係止部と、
    を有する、燃料電池スタック。
  7. 前記固定部材は、ボルトであり、
    前記ボルトは、前記エンド側部材に設けられた穴を通り、前記セル側部材に設けられた係止部に係止する、請求項に記載の燃料電池スタック。
  8. 前記固定部材は、クランプであり、
    前記係止部は、前記エンド側部材および前記セル側部材に設けられた係止部に係止する、請求項6または7に記載の燃料電池スタック。
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