JP5161156B2 - 可変焦点レンズ - Google Patents

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Description

本発明は、可変焦点レンズに関し、より詳細には、電気光学効果を有する光学材料を用いて、焦点距離を変更可能とした可変焦点レンズに関する。
従来、光学レンズ、プリズムなどの光学部品は、カメラ、顕微鏡、望遠鏡などの光学機器、プリンタ、コピー機など電子写真方式の記録装置、DVDなどの光記録装置、通信用、工業用の光デバイス等に用いられている。通常の光学レンズは、焦点距離が固定されているが、上述の機器、装置の中には、状況に応じて焦点距離を調整することのできるレンズ、いわゆる可変焦点レンズを用いる場合がある。従来の可変焦点レンズは、複数のレンズを組み合わせて、機械的に焦点距離を調整する。しかしながら、このような機械式の可変焦点レンズは、応答速度・製造コスト・小型化・消費電力などの点から、適用範囲を広げることには限界があった。
そこで、光学レンズを構成する透明媒質に、屈折率を可変できる物質を適用した可変焦点レンズ、光学レンズの位置を動かすのではなく、機械的に光学レンズの形状を変形させる可変焦点レンズなどが考え出された。前者の可変焦点レンズとして、光学レンズとして液晶を利用した可変焦点レンズが提案されている。この可変焦点レンズは、2枚のガラス板で液晶を挟み込むなどして、透明物質でできた容器に液晶を封じ込めている。この容器の内側を球面上に加工して、液晶をレンズ形状に成形すると、可変焦点レンズを構成することができる。この容器の内側には透明電極が設けられ、液晶に電界をかけることによって屈折率を制御し、焦点距離を可変制御する(例えば、特許文献1参照)。
後者の可変焦点レンズとして、変形するレンズの材料は、液体が用いられることが多い。例えば、非特許文献1に記載された可変焦点レンズは、ガラス板に挟まれた空間に、シリコンオイルなどの液体を封入した構造を有している。ガラス板は、薄く加工されており、外部からチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)ピエゾアクチュエータによって、ガラス板に圧力をかけることにより、オイルとガラス板全体で構成されるレンズを変形させ、焦点位置を制御する。この可変焦点レンズの動作原理は、眼球の水晶体と同じである。
特開平11−064817号公報 特開平10−033189号公報
金子卓他、「可変焦点レンズを用いた長焦点深度視覚機構」、デンソーテクニカルレビュー、Vol.3, No.1, p.52-58, 1998
しかしながら、従来の可変焦点レンズは、機械的に焦点距離を調整する可変焦点レンズ、液晶に電界をかけて屈折率を制御する可変焦点レンズ、およびPZTピエゾアクチュエータによりレンズを変形させる可変焦点レンズのいずれも、焦点距離を変更するのに要する応答速度に限界があり、1ms以下の高速応答に適用することができないという問題があった。
本発明の目的は、焦点距離の変更を高速に行うことができる可変焦点レンズを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の一実施態様は、反転対称性を有する単結晶からなる電気光学材料と、該電気光学材料の互いに対向する第1の面および第2の面上に形成された1対の電極を備え、前記第1の面と直交する第3の面から光を入射させたとき、前記1対の電極の間を透過して、前記第3の面に対向する第4の面から光が出射するように光軸が設定され、前記1対の電極は、前記第3の面に平行な1対の辺が他の1対の辺よりも長く、前記1対の電極の光軸方向の幅は、前記電気光学材料の光軸方向の長さLと厚さTとの差D=L−Tを超えない形状であり、前記1対の電極の間の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料の前記第4の面から出射された光の焦点を可変することを特徴とする。
前記電気光学材料は、ペロブスカイト型単結晶材料が好適であり、典型的にはタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN:KTa1-xNbx3、0<x<1)を用いることができる。また、前記電気光学材料は、結晶の主成分が、周期律表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含むことができ、さらに、添加不純物としてカリウムを除く周期律表Ia族、例えばリチウム、またはIIa族の1または複数種を含むこともできる。
前記1対の電極の光軸方向の幅は、前記電気光学材料の厚さTの10分の1を下回らないことが望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、反転対称性を有する単結晶からなる電気光学材料と、電気光学材料の表面に形成された1対の帯状の電極とを備え、電極対の間の印加電圧を変えることにより、出射された光の焦点を可変することが可能となる。
本発明の第1の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。 第1の実施形態にかかる可変焦点レンズの原理を説明するための図である。 第1の実施形態にかかる可変焦点レンズの光路長の例を示す図である。 第1の実施形態にかかる可変焦点レンズの焦点距離の電極幅依存性を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態の可変焦点レンズは、電気光学材料と、これに取付けた電極から構成される。電気光学効果を利用することにより、従来の可変焦点レンズと比較して、はるかに高速な応答速度を得ることができる。
図1に、本発明の第1の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す。電気光学材料を板状に加工した基板1の上面(第1の面)および下面(第2の面)に、帯状の電極2および電極3が形成されている。電極2および電極3は、基板1を挟んで対向して配置されている。光は、電極を配置した面と直交する面(第3の面)から入射され、基板1の内部をx軸方向に進行し、電極2と電極3の間を透過して、入射した面と対向する面(第4の面)から空気中へと出射される。電極2および電極3は、光の入射面(第3の面)と平行する辺(y軸方向)を長手方向とする帯状電極であり、光は、長手方向とは垂直な方向に透過する。
このような構成において、電極2と電極3との間に電圧を印加する。このとき、これら電極の間には電界の分布が発生し、基板1の有する電気光学効果によって屈折率が変調される。屈折率の変調された部分を光が透過する時、この屈折率分布によって光は屈曲させられ、その結果、光は集光あるいは発散させられる。集光される場合、図1の構造によれば、シリンドリカル凸レンズとして機能し、発散される場合は、シリンドリカル凹レンズとして機能する。また、印加する電圧によって光の屈曲の度合いが変化するので、焦点距離を電圧によって制御することができる。
電気光学効果は、電圧の印加から遅く見積もっても1μs以下の時間で応答するので、従来の可変焦点レンズよりも著しく高速に応答する可変焦点レンズを実現することができる。以上説明したように、図1に示した素子はシリンドリカル可変焦点レンズであり、様々なレンズを構成する基本単位となる。通常の球面レンズを実現するためには、この基本単位である素子を2つ組み合わせればよい。すなわち、2つの基本単位素子を、光軸を中心に互いに90度の角度をなすように配置することにより、球面レンズと等価な機能を実現することができる。なお、本実施形態では基板1の材料として、電気光学効果を有する材料の中でも、特に反転対称性を有する結晶からなる材料を用いることを特徴としており、その理由については後述する。
以下、図2を参照して、屈折率の変調の様子とレンズとしての機能を詳述する。図2は、図1に示した可変焦点レンズの側面をy軸方向から見た様子を示している。基板1は、電極2,3の間に電圧を印加しない時には、屈折率が均一であるため、光はそのまま変調を受けずに透過する。従って、レンズの機能はない。しかし、平面波を入射したときには、基板1から出射される光の波面は平面のままで、曲率半径は無限大であることを考慮すると、焦点距離無限大のレンズとみなすこともできる。
電極2,3の間に電圧を印加した時には、これらの電極の間に、図2に示したような電気力線4が発生する。この図では、下部電極3に対して、上部電極2に正の電圧を印加した状態が示されており、電気力線は上から下の方に向いている。電気力線4は、電極2,3の間のみならず、これらの電極の外側にも大きく広がって生成される。電気力線が生成されているということは、言い換えると電界が発生している。このとき、基板1が電気光学効果を有するため、基板1内部の電界が発生している箇所では屈折率が変調される。基板1の内部において、電極2,3の付近、すなわち基板1の表面付近では、電界が大きく、屈折率変化が大きい。これに対して基板1の 厚み(z軸)方向の中央部分では、電界が比較的小さく、屈折率変化が小さい。
図2の右側には、屈折率変化分の分布を表す屈折率変調曲線5を模式的に示している。屈折率変調曲線の縦軸は、z軸の座標、横軸は電圧をかけないときからの屈折率の変化分Δnである。図2においては、屈折率は、全体的にマイナス方向に変化している様子が示されているが、基板1の表面付近では変調が大きく、したがって屈折率変化分Δnとしては小さくなる。一方、中央部付近では変調が小さく、したがって屈折率変化分Δnとしては、表面付近ほどには小さくなっていない。このような屈折率分布の中を光が透過すると、基板1の中央部の光の速度に比べて表面付近の光の速度が速いため、凸レンズとして機能する。すなわち、電圧をかけていない場合の無限大の焦点距離から、有限の焦点距離へと、焦点が移動する。
(電気光学材料)
電気光学効果には、いくつかの次数の異なる電気光学効果が含まれるが、一般的には、1次の電気光学効果(以下、ポッケルス効果という)が利用されている。ポッケルス効果は、屈折率変化が電界に比例する。これに対して、2次の電気光学効果(以下、カー効果という)を利用すると、屈折率変化は電界の二乗に比例する。
多くの電気光学材料は、反転対称性を有しておらず、ポッケルス効果を発現する。これに対して、一部の電気光学材料は、反転対称性を有しており、ポッケルス効果を発現せず、カー効果が支配的となる。後ほど詳しく述べるように、本実施形態の基板1を構成する電気光学材料としては、反転対称性を有する材料を用いることが重要である。
一般に誘電体は、外部から電界を印加すると、それに比例した分極が発生するが、電界を取り去ると、分極はゼロに戻る。しかし、電界を取り去っても有限の分極が残る物質が存在する。外部電界がなくても存在する分極を自発分極という。この自発分極を、外部電界によって向きを反転させることができる物質が存在し、これを強誘電体という。
反転対称性を有する単結晶とは、原子の配列を、ある原点を中心としてx,y,z座標系で反転したとき、元の原子の配列と完全に同じ配列となる結晶をいう。自発分極を有する結晶を、座標軸上で反転すると、自発分極の向きが反転するので、このような結晶は反転対称性を有するとはいえない。従って、強誘電体は自発分極を有するので、反転対称性を有していない。
一方、自発分極を有していても、それを外部電界で反転することができない物質も存在する。このような物質は、反転対称性を有していないが、強誘電体でもないので、反転対称性を有していない物質が全て強誘電体であるわけではない。また、強誘電体であって、かつ反転対称性を有するということは、ありえない。
反転対称性を有する電気光学材料としては、ペロブスカイト型の結晶構造を有する単結晶材料がある。ペロブスカイト型単結晶材料は、使用温度を適切に選択すれば、使用状態において反転対称性を有する立方晶相となる。立方晶相においては、ポッケルス効果を発現せず、カー効果が支配的となる。例えば、最もよく知られたチタン酸バリウム(BaTiO3、以下BTという)でも、120℃付近において正方晶相から立方晶相へ相転移する温度(以下、相転移温度という)を超えた温度であれば、立方晶相となり、カー効果を発現する。
また、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN:KTa1-xNbx3、0<x<1)を主成分とする単結晶材料は、より好適な特徴を有する。BTは相転移温度が決まっているのに対し、KTNは、タンタルとニオブの組成比により、相転移温度を選択することができる。これにより、室温付近に相転移温度を設定することができる。KTNは、相転移温度よりも高い温度であれば立方晶相となり、反転対称性を有し、大きなカー効果を有する。同じ立方晶相にあっても、より相転移温度に近い方が、カー効果が圧倒的に大きくなる。このため、室温付近に相転移温度を設定することは、大きなカー効果を簡便に実現する上で、非常に重要である。
さらに、KTNに関連する単結晶材料として、結晶の主成分が、周期律表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含む材料を用いることができる。また、添加不純物としてカリウムを除く周期律表Ia族、例えばリチウム、またはIIa族の1または複数種を含むこともできる。例えば、立方晶相のKLTN(K1-yLiyTa1-xNbx3、0<x<1、0<y<1)結晶を用いることもできる。
例えば、特許文献2には、強誘電体材料を基板として用いた可変焦点レンズが記載されている。上述したように、強誘電体材料はポッケルス効果を有しているのに対して、反転対称性を有する結晶材料は、ポッケルス効果は有せず、カー効果を有している。構造的に類似していても、可変焦点レンズの基板として強誘電体材料を用いるか、反転対称性を有する結晶材料を用いるかにより、効果は大きく異なるので、以下にその詳細を説明する。
屈折率の変調によってレンズ効果を発現すると述べたが、もう少し詳しく述べると、レンズの特性は、光路長分布で評価できる。光路長sとは、光の進行経路の実際の長さに屈折率を乗算したものである。屈折率が進行経路に沿って連続的に変化している場合は、光の進行経路(長さL)にわたって屈折率を積分したものであり、以下の式で表される。
Figure 0005161156
さらに、電圧を印加しないときの光路長s0は、基板1の中で均一なので、ここからの変化分のみを取ると、以下のようになる。
Figure 0005161156
電気光学効果が1次のポッケルス効果である場合、以下の式に示すように、Δnは電界Eに比例する。
Figure 0005161156
ここで、n0は電界印加前の屈折率、rは電気光学係数である。
電界Eの大きさは電気力線の密度に比例するため、|Δn|も電気力線の密度に比例する。ここで|Δn|はΔnの絶対値、すなわち屈折率変調の大きさである。言い換えると、|Δn|は電気力線の広がる幅に反比例する。図2を参照すると、電極2の付近と電極3の付近で電気力線が集中しているため、|Δn|が大きい。これに対して、電極対の中間点付近では電気力線が左右に広がっているため、|Δn|が小さい。しかし、電極付近では、電気力線が集中しているだけに、実際に屈折率の変調されている領域は狭く、中間点付近では逆に左右に幅広い領域で屈折率が変調されている。このため、光路長を計算するとき、電気力線の広がり幅に反比例するΔnと、電気力線の広がり幅を掛け算するため、基板1の上下面付近でも中央部付近でも、z座標に関わりなく、ほぼ一定の光路長となる。
別の見方をすると、光路長は、入射面から出射面までの光路の途中で交差する電気力線の数に比例する。図2から明らかなように、z座標に関わりなく、交差する電気力線の数は等しく、したがって光路長もほとんど変わらない。つまり、レンズとしての機能は非常に小さい。この原因は、電気光学効果が1次のポッケルス効果であるためである。2次のカー効果であれば、以下に示すように、Δnは電界Eの自乗に比例する。
Figure 0005161156
Kは2次の電気光学係数である。この場合、z座標において、電気力線の広がり幅の変化よりも、電界Eの自乗に比例するΔnのほうが大きく変化するため、光路長分布も大きくなる。したがって、カー効果によるレンズ効果は、ポッケルス効果よりもはるかに効果的となる。
KTNの場合について、光路長変調を詳述する。図2の構成において、偏光は、光電界の向きがy軸方向の場合と、z軸方向の場合の2種類がある。それぞれの場合に、光が感じる屈折率変調ΔnyとΔnzとは、
Figure 0005161156
となって異なる。ここで、n0は変調前の屈折率であり、s11とs12は電気光学係数である。s11は正の値であるのに対して、s12は負の値を有し、絶対値はs11の方が大きい。
レンズの特性は、下記の式のように、この屈折率変化分を光の進行経路(長さL)にわたって積分した光路長変調Δsによって評価する。
Figure 0005161156
図3に、第1の実施形態にかかる可変焦点レンズの光路長変調の例を示す。光電界の向きがy軸方向の場合に、Δnyが積分された光路長変調Δsyの分布と、光電界の向きがz軸方向の場合に、Δnzが積分された光路長Δszの分布とを、数値計算で求めたものである。比誘電率は20,000、基板1の長さLを7mm、z軸方向の基板の厚さを4mm、電極2,3の幅を1.6mm、電圧を2000Vとして計算した。図3のx軸は、図2に示したz座標における基板1の中央からの変位を示す。Δsyの分布は、下に凸の曲線を成しており、この素子がシリンドリカル凹レンズとして機能することを表す。一方、Δszの分布は上に凸の曲線を成しており、この素子がシリンドリカル凸レンズとして機能することを表す。このKTNの例のように、偏光によって凸レンズになったり、凹レンズになることもある。
(電極の構成)
上述したように、KTNを用いると、偏光を変えて使い分ければ、凸レンズとして使用することもできるし、凹レンズとして使用することもできる。一方、電気光学結晶に電界を印加すると、圧電効果や電歪効果により、その物理的形状が変化することが知られている。圧電効果とは、歪が印加電界に比例する現象であり、電歪効果とは、歪が印加電界の二乗に比例する現象である。その物理的形状の変化は、圧電効果と電歪効果との和で表される。一般的に、反転対称性を有する電気光学材料においては、圧電効果が生じないため、電歪効果のみとなる。この電歪効果により、屈折率の分布が、上述したような電界分布の計算から求めた分布から、若干ずれが生じることがある。
この点では、Δnz(または光路長変調Δsz)の方が、Δny(または光路長変調Δsy)よりも計算値と実際の値とのずれが少ない。すなわち、第1の実施形態の電極構成によれば、全体的に電界のz成分が大きくなるが、光の振動電界を、そのz軸に平行に合わせた方が、計算通りの屈折率分布に合致しやすいので好適である。
次に、基板1の長さと電極2,3の幅との関係について述べる。図2に示した可変焦点レンズにおいて、基板1の長さL(光軸方向、x軸の結晶の長さ)は、電極2,3の幅w(x軸方向の辺)と比較して、十分に大きいことが望ましい。上述したように、z軸座標において、基板1の中央部付近で、電気力線が基板1内で大きく横に広がることが重要である。基板1の材料は、上述したように電気光学材料である。電気光学材料は、比誘電率が非常に高く、そのために電気力線は基板1の中に閉じ込められ、ほとんど基板1の外部に出ていかない。電極の幅wが基板1の長さLに近い場合には、電気力線が電極2,3の左右に広がる余裕がなくなり、このため、上下方向での電界の変動が小さくなり、屈折率あるいは光路長の分布も小さくなり、レンズ効果が弱くなる。
極端な場合には、L=wであれば、電気力線は左右に広がらず、互いに平行な上下に延びる直線状になる。z軸座標において、上下のどこでも電気力線の密度は一定になるため、電界・屈折率・光路長は均一になり、レンズ効果はゼロになる。レンズとして十分に機能させるためには、基板1の厚さをTとすると、L>w+Tであることが望ましい。他方、電極幅は狭すぎても効果的ではなく、T/10以上であることが望ましい。
図4に、第1の実施形態にかかる可変焦点レンズの焦点距離の電極幅依存性を示す。図3の場合と同様に数値計算により、焦点距離fの計算値を、電極幅wの関数としてプロットしたものである。基板1の長さL=14mm、電圧は1000Vである。電極幅を変化させたこと以外の計算条件は、図3の場合と同じである。図4の縦軸の焦点距離fは、電圧を印加しない時に無限大となるので、小さいほうが集光の効果が強く、良好であることを示す。図4からわかるように、電極幅wが、L−Tの10mmを超えたところで劣化が大きくなっており、T/10の0.4mmよりも小さくなった場合も性能が劣化する。
(電極材料)
電気光学材料に高い電圧を印加すると、電極から電荷が注入され、結晶内に空間電荷が発生しうる。この空間電荷により電圧の印加方向に電界の大きさの傾斜が生じるために、屈折率の変調にも傾斜が生じる。従って、電気光学材料をレンズとして機能させるための所望の屈折率分布を得るため、または、電気光学材料を透過する光が偏向しないようにするためには、基板1に電圧を印加した際に、基板1の内部に空間電荷が形成されない方がよい。
空間電荷の量は、キャリアの注入効率に依存する量であるため、電極から注入されるキャリアの注入効率は小さい方がよい。電気光学結晶において電気伝導に寄与するキャリアが電子の場合には、電極材料の仕事関数が大きくなるにつれて、電極と基板との間はショットキー接合に近づき、キャリアの注入効率は減少する。従って、電極は、電気光学材料とショットキー接合が形成される材料であることが好ましい。具体的には、電気光学結晶において電気伝導に寄与するキャリアが電子の場合には、電極材料の仕事関数は、5.0eV以上であることが好ましい。例えば、仕事関数が5.0eV以上の電極材料として、Co(5.0)、Ge(5.0)、Au(5.1)、Pd(5.12)、Ni(5.15)、Ir(5.27)、Pt(5.65)、Se(5.9)を用いることができる。()内は仕事関数を示し、単位はeVである。
一方、電気光学結晶において電気伝導に寄与するキャリアが正孔の場合には、正孔の注入を抑えるために、電極材料の仕事関数は、5.0eV未満であることが好ましい。例えば、仕事関数が5.0eV未満の電極材料として、Ti(3.84)等を用いることができる。なお、Tiの単層電極は酸化して高抵抗になるので、一般的には、Ti/Pt/Auを順に積層した電極を用いて、Tiの層と電気光学結晶とを接合させる。さらに、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnOなどの透明電極を用いることもできる。
(応用例1)
図5に、本発明の第2の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す。電気光学材料を板状に加工した基板21の上面および下面に、帯状の電極22および電極23が形成されている。図1,2に示した第1の実施形態の応用例であり、x軸方向の中央で、基板を半分に切った構造を有している。この場合、基板1の長さL、厚さT、電極幅wの間の関係は、第1の実施形態の場合の半分になるため、T/20<w<L−T/2であることが望ましい。
(応用例2)
第1の実施形態では、様々なレンズを構成する基本単位となるシリンドリカル可変焦点レンズについて述べた。図6に、本発明の第3の実施形態にかかる可変焦点レンズを示す。上述した基本単位を、光軸方向に沿って直列に配置した構成である。1つの基板6に複数の電極7a,7b,8a,8b,9a,9b・・・を配置し、互いに隣り合う電極対の間隔は、基板の厚さT以上を有するが望ましい。基板1の厚み(z座)方向の中央部付近において、電気力線の広がり幅が大きい方が好適だからである。このように素子を構成すれば、より低い電圧でも、大きなレンズ効果を得ることができる。
(応用例3)
上述したように、通常の球面レンズを実現するには、2つの基本単位素子を、光軸を中心に互いに90度の角度をなすように配置すればよい。しかし、KTNのような反転対称性を有する単結晶材料の場合、図3に示したように、偏光によって凸レンズから凹レンズへとレンズ効果が全く逆転する場合がある。球面レンズを実現するために、z軸方向に電界が振動する光を第1の基本単位素子に入射し、z軸方向に集光したのちに、この光をそのまま、90度回転した第2の基本単位素子に入射する。しかしながら、この構成によれば、y軸方向には発散されてしまい、球面レンズとして機能しない。
球面レンズとして正常に機能させるためには、第2の基本単位素子に入射する前に、この素子に合わせて偏光方向も90度回転さなければならない。そこで、第1の基本単位素子と第2の基本単位素子との間に、偏光回転素子を挿入した構造とする。偏光回転素子としては様々なものがあるが、半波長板がもっとも一般的に用いられる。
半波長板は、互いに直交する2つの偏波の間に、波長の半分に相当する位相ずれ、すなわちπラジアンだけの位相ずれを生じさせる光学素子である。典型的には、複屈折性の材料を板状に加工したものからなる。KTNのような反転対称性を有する単結晶材料は、通常、複屈折はないが、電界を一方向に印加することにより、電界に平行な方向と、これに直交する方向とで複屈折が生じる。この性質を利用して、KTNによって半波長板を構成することができる。
図7に、本発明の第4の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す。第1の基本素子11とKTN半波長板12と第2の基本単位素子13とが、光軸方向に沿って直列に配置されている。KTN半波長板12の形状は、直方体状であり、互いに対向する2面の面上に、ほぼ全面にわたって電極膜が形成されている。この電極対に電圧を印加することにより、これら2面に垂直な電界が均一に形成される。この電界の向きが、第1の基本素子11と第2の基本単位素子13の光軸に対して、45度の角度をなすように配置する。これにより、第1の基本素子11を透過した光の偏光が90度回転する。
半波長板も、上述した基本単位素子であるシリンドリカル可変焦点レンズと同じくKTNで構成する場合、2つの電気光学材料からなる基板を一体に成型し、第1の基本単位素子11用の電極と、KTN半波長板12用の電極と、第2の基本単位素子13用の電極と
を順に並べて取り付ける。このようにして、一体した球面可変焦点レンズを構成することもできる。
図1に示したように、電気光学材料を板状に加工した基板1の上面および下面に、陽極2,陰極3を,陰極4,陽極5を形成する。基板1は、KTN単結晶から、ブロックを切り出し、7mm×7mm×(厚さT=)2mmの形状に成形する。基板1の6面とも、結晶の(100)面に平行とし、光学研磨を行っている。このKTN単結晶は、相転移温度35℃であったので、これを少し上回る40℃で使用する。この温度での比誘電率は20,000である。電極2,3は、2mm×7mmの帯状で、基板1の7mm×7mmの面上に、白金(Pt)を蒸着して形成されている。電極2,3の各辺は、基板1の辺に平行である。
この可変焦点レンズを、40℃で温度制御した状態で、コリメートしたレーザ光を入射する。光の偏光は直線で、振動電界の方向はz軸方向である。上下電極間に1000Vの電圧を印加すると、基板1から出射する光は、z軸方向に集光され、シリンドリカル凸レンズとして機能する。焦点距離は11cmである。ここで、印加電圧を500Vにすると、集光効果は小さくなり、焦点距離は44cmになる。また、電圧を印加しない場合は、当然集光効果はなく、焦点距離は無限大である。従って、印加電圧を0Vから1000Vまで変化させることにより、焦点距離を無限大から11cmまで変化させることができる。焦点距離の変更は、印加電圧を変更するだけなので、応答時間は1μs以下であり、従来の可変焦点レンズの応答時間と比較して、3桁以上改善されている。
また、光の進行方向はそのままに、偏光を90度回転させて測定を行う。つまり、光の振動電界の方向をy軸方向とする。この場合は、凹レンズとして機能する。印加電圧が1000Vのとき、焦点距離は14cmである。従って、印加電圧を0Vから1000Vまで変化させることにより、焦点距離を無限大から14cmまで変化させることができる。
1,6,21 基板
2,7a,8a,9a,22 陽極
3,7b,8b,9b,23 陰極

Claims (10)

  1. 反転対称性を有する単結晶からなる電気光学材料と、
    該電気光学材料の互いに対向する第1の面および第2の面上に形成された1対の電極を備え、
    前記第1の面と直交する第3の面から光を入射させたとき、前記1対の電極の間を透過して、前記第3の面に対向する第4の面から光が出射するように光軸が設定され、
    前記1対の電極は、前記第3の面に平行な1対の辺が他の1対の辺よりも長く、前記1対の電極の光軸方向の幅は、前記電気光学材料の光軸方向の長さLと厚さTとの差D=L−Tを超えない形状であり、
    前記1対の電極の間の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料の前記第4の面から出射された光の焦点を可変することを特徴とする可変焦点レンズ。
  2. 前記1対の電極の光軸方向の幅は、前記電気光学材料の厚さTの10分の1を下回らないことを特徴とする請求項1に記載の可変焦点レンズ。
  3. 反転対称性を有する単結晶からなる電気光学材料と、
    該電気光学材料の互いに対向する第1の面および第2の面上に形成された1対の電極を備え、
    前記第1の面と直交する第3の面から光を入射させたとき、前記1対の電極の間を透過して、前記第3の面に対向する第4の面から光が出射するように光軸が設定され、
    前記1対の電極は、前記電気光学材料に光が入射する面または光が出射する面に近接して配置されており、前記第3の面に平行な1対の辺が他の1対の辺よりも長く、前記1対の電極の光軸方向の幅は、前記電気光学材料の光軸方向の長さLと厚さTとの差D=L−Tを超えない形状であり、
    前記1対の電極の間の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料の前記第4の面から出射された光の焦点を可変することを特徴とする可変焦点レンズ。
  4. 前記1対の電極の光軸方向の幅は、前記電気光学材料の厚さTの20分の1を下回らないことを特徴とする請求項3に記載の可変焦点レンズ。
  5. 反転対称性を有する単結晶からなる電気光学材料と、
    該電気光学材料の第1の面上に形成されたN個の陽極と、
    前記第1の面に対向する第2の面上に形成され、前記N個の陽極と向かい合う位置に形成されたN個の陰極とを備え、
    前記第1の面と直交する第3の面から光を入射させたとき、前記N個の陽極および前記N個の陰極からなる電極対の間を透過して、前記第3の面に対向する第4の面から光が出射するように光軸が設定され、
    前記N個の陽極および前記電極N個の陰極は、前記第3の面に平行な1対の辺が他の1対の辺よりも長い形状であり、前記電極対の互いに隣り合う陽極および陰極の間隔は、基板の厚さT以上であり、
    前記電極対の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料の前記第4の面から出射された光の焦点を可変することを特徴とする可変焦点レンズ。
  6. 前記電気光学材料は、ペロブスカイト型単結晶材料であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の可変焦点レンズ。
  7. 前記電気光学材料は、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN:KTa1−xNb、0<x<1)であることを特徴とする請求項6に記載の可変焦点レンズ。
  8. 前記電気光学材料は、結晶の主成分が、周期律表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6に記載の可変焦点レンズ。
  9. 前記電気光学材料は、さらに、添加不純物としてカリウムを除く周期律表Ia族またはIIa族の1または複数種を含むことを特徴とする請求項8に記載の可変焦点レンズ。
  10. 前記1対の電極は、前記電気光学材料とショットキー接合が形成される材料からなることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の可変焦点レンズ。
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