JP6611052B2 - 可変焦点レンズ - Google Patents

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Description

本発明は、可変焦点レンズに関し、より詳細には、電気光学効果を有する光学材料を用いて、焦点距離を変更可能とした可変焦点レンズに関する。
従来、光学レンズ、プリズムなどの光学部品は、カメラ、顕微鏡、望遠鏡などの光学機器、プリンタ、コピー機など電子写真方式の記録装置、DVDなどの光記録装置、通信用、工業用の光デバイス等に用いられている。通常の光学レンズは、焦点距離が固定されているが、上述の機器、装置の中には、状況に応じて焦点距離を調整することのできるレンズ、いわゆる可変焦点レンズを用いる場合がある。従来の可変焦点レンズは、複数のレンズを組み合わせて、機械的に焦点距離を調整する。しかしながら、このような機械式の可変焦点レンズは、応答速度・製造コスト・小型化・消費電力などの点から、適用範囲を広げることには限界があった。
そこで、光学レンズを構成する透明媒質に、屈折率を可変できる物質を適用した可変焦点レンズ、光学レンズの位置を動かすのではなく、機械的に光学レンズの形状を変形させる可変焦点レンズなどが考え出された。前者の可変焦点レンズとして、光学レンズとして液晶を利用した可変焦点レンズが提案されている。この可変焦点レンズは、2枚のガラス板で液晶を挟み込むなどして、透明物質でできた容器に液晶を封じ込めている。この容器の内側を球面上に加工して、液晶をレンズ形状に成形すると、可変焦点レンズを構成することができる。この容器の内側には透明電極が設けられ、液晶に電界をかけることによって屈折率を制御し、焦点距離を可変制御する(例えば、非特許文献1参照)。
後者の可変焦点レンズとして、変形するレンズの材料は、液体が用いられることが多い。例えば、非特許文献1に記載された可変焦点レンズは、ガラス板に挟まれた空間に、シリコンオイルなどの液体を封入した構造を有している。ガラス板は、薄く加工されており、外部からチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)ピエゾアクチュエータによって、ガラス板に圧力をかけることにより、オイルとガラス板全体で構成されるレンズを変形させ、焦点位置を制御する。
Bin Wang, Mao Ye, and Susumu Sato, "Lens of electrically controllable focal length made by a glass lens and liquid-crystal layers", Applied Optics 43, 3420 (2004) 金子卓他、「可変焦点レンズを用いた長焦点深度視覚機構」、デンソーテクニカルレビュー、Vol.3, No.1, p.52-58, 1998
しかしながら、従来の可変焦点レンズは、機械的に焦点距離を調整する可変焦点レンズ、液晶に電界をかけて屈折率を制御する可変焦点レンズ、およびPZTピエゾアクチュエータによりレンズを変形させる可変焦点レンズのいずれも、焦点距離を変更するのに要する応答速度に限界があり、1ms以下の高速応答に適用することができないという問題があった。
本発明の目的は、入射光の偏光に依存せず、焦点距離の変更を高速に行うことができる可変焦点レンズを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、本発明の一実施態様は、偏光ビームスプリッタと、ファラデー回転素子と、反転対称性を有する単結晶からなる電気光学材料と、該電気光学材料の第1の面と、該第1の面に対向する第2の面とにそれぞれ向かい合う位置に形成された複数の電極対とを含む基本単位素子であって、該電極対の間の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料を透過する光の焦点を可変する基本単位素子と、反射鏡が、光軸を共有して順に配列され、前記偏光ビームスプリッタに入射された所与の偏光方向の光が、前記ファラデー回転素子を透過した後に前記基本単位素子を透過し、前記反射鏡で反射されて、再度、前記基本単位素子を透過し、前記ファラデー回転素子を透過して前記偏光ビームスプリッタから出射されることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、反転対称性を有する単結晶からなる電気光学材料と、電気光学材料の表面に形成された複数の電極対を備え、電極対の間の印加電圧を変えることにより、出射された光の焦点を制御するので、焦点距離の変更を高速に行うことが可能となる。
また、電気光学材料からなる基本単位素子を2度光が透過するため、レンズ効果は2倍となり、所与の偏光方向の光を、偏光ビームスプリッタに入射することにより、光パワーの減少を最小限に抑えることができる。
本発明の一実施形態にかかる可変焦点レンズの基本単位素子の構成を示す図である。 可変焦点レンズの基本単位素子の原理を説明するための図である。 2つの基本単位素子を用いた2軸集光可能な可変焦点レンズの構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態にかかる可変焦点レンズの基本単位素子の構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態の可変焦点レンズは、電気光学材料と、これに取付けた電極から構成される。電気光学効果を利用することにより、従来の可変焦点レンズと比較して、はるかに高速な応答速度を得ることができる。最初に、基本となる可変焦点レンズについて説明する。
(シリンドリカル可変焦点レンズの構成)
図1に、本発明の一実施形態にかかる可変焦点レンズの基本単位素子の構成を示す。電気光学材料を板状に加工した基板1の上面(第1の面)および下面(第2の面)に、それぞれ向かい合う位置に2つの電極対が形成されている。光の入射側の上部電極として陽極2(第1の陽極)、基板1を挟んで下部電極として陰極3(第1の陰極)が配置されている。さらに、これら電極対とは間隔を置き、光の出射側にもう一対の電極が配置されおり、上部電極が陰極4(第2の陰極)であり、下部電極が陽極5(第2の陽極)である。帯状の4つ電極は、長手方向の辺がすべて平行となる形状を有している。
入射光6は、電極を配置した面と直交する面(第3の面)から入射され、基板1の内部をx軸方向に進行し、陽極2と陰極3の間を、これらの帯状電極の長手方向とは垂直な方向に透過する。次いで、陰極4と陽極5との間を透過してから、入射した面と対向する面(第4の面)から空気中へ、出射光7が出射される。
このような構成において、陽極と陰極との間に電圧を印加する。光の入射側の電極対と光の出射側の電極対とは、電圧をかける向き(z軸方向)が互いに逆になっている。陽極2と陽極5との電位は異なっていてもよく、陰極3と陰極4の電位も同様である。なお、陽極2,5の低いほうの電位は、陰極3,4の高いほうの電位よりも高くなるように設定する。
このとき、これら電極の間には電界の分布が発生し、基板1の有する電気光学効果によって屈折率が変調される。屈折率の変調された部分を光が透過する時、この屈折率分布によって光は屈曲させられ、その結果、光は集光あるいは発散させられる。集光される場合、図1の構造によれば、シリンドリカル凸レンズとして機能し、発散される場合は、シリンドリカル凹レンズとして機能する。このようにして、光は、1軸方向に集光または発散されるので、1軸変調という。また、印加する電圧によって光の屈曲の度合いが変化するので、焦点距離を電圧によって制御することができる。
電気光学効果は、電圧の印加から遅く見積もっても1μs以下の時間で応答するので、従来の可変焦点レンズよりも著しく高速に応答する可変焦点レンズを実現することができる。以上説明したように、図1に示した素子はシリンドリカル可変焦点レンズであり、様々なレンズを構成する基本単位となる。通常の球面レンズを実現するためには、基本単位素子として、2つのシリンドリカル可変焦点レンズと、その間に挿入された半波長板とを組み合わせ、2つの基本単位素子を、光軸を中心に互いに90度の角度をなすように配置する。このようにして、光は、2軸方向に集光または発散されるので、2軸変調という。なお、本実施形態では基板1の材料として、電気光学効果を有する材料の中でも、特に反転対称性を有する結晶からなる材料を用いることを特徴としており、その理由については後述する。
以下、図2を参照して、屈折率の変調の様子とレンズとしての機能を詳述する。図2は、図1に示した可変焦点レンズの側面をy軸方向から見た様子を示している。基板1は、4つの電極に電圧を印加しない時には、屈折率が均一であるため、光はそのまま変調を受けずに透過する。従って、レンズの機能はない。しかし、平面波を入射したときには、基板1から出射される光の波面は平面のままで、曲率半径は無限大であることを考慮すると、焦点距離無限大のレンズとみなすこともできる。
4つの電極に電圧を印加した時には、これらの電極の間に、図2に示したような電気力線11が発生する。電気力線11は、陽極2と陰極3との間、陰極4と陽極5との間のみならず、これらの電極の外側にも大きく広がって生成される。電気力線が生成されているということは、言い換えると電界が発生している。このとき、基板1が電気光学効果を有するため、基板1内部の電界が発生している箇所では屈折率が変調される。基板1の内部において、4つの電極の付近、すなわち基板1の表面付近では、電界が大きく、屈折率変化が大きい。これに対して基板1の中央部分(すべての軸方向における中央付近)では、電界が比較的小さく、屈折率変化が小さい。
図2の右側には、屈折率変化分の分布を表す屈折率変調曲線12を模式的に示している。屈折率変調曲線12の縦軸は、z軸の座標、横軸は電圧をかけないときからの屈折率の変化分Δnである。図2においては、屈折率は、全体的にマイナス方向に変化している様子が示されているが、基板1の表面付近では変調が大きく、したがって屈折率変化分Δnとしては負の方向に大きくなる。一方、中央部付近では変調が小さく、したがって屈折率変化分Δnとしては、表面付近ほどには負の方向に大きくなっていない。このような屈折率分布の中を光が透過すると、基板1の中央部の光の速度に比べて表面付近の光の速度が速いため、凸レンズとして機能する。すなわち、電圧をかけていない場合の無限大の焦点距離から、有限の焦点距離へと、焦点が移動する。焦点距離は印加電圧に依存して変化する。後述する反転対称性を有する電気光学材料を基板として用いた場合は、焦点距離は、印加電圧の二乗に反比例する。
図2は、基板1の側面をy軸方向から見た様子を示しており、電気力線はx−z面に平行な面内に描かれている。このため、y軸方向の電界成分はこの図には表れていないが、実際には、無視できる程度に非常に小さい。これは、基板1を構成する電気光学効果を有する結晶材料の誘電率が非常に高いためであり、以下にその理由を詳述する。
誘電体と空気との界面では、電気力線が屈折することが電気磁気学で説明されている。後述する反転対称性を有する結晶は、一般的に、10,000を超える巨大な比誘電率を有している。このような誘電体と空気との界面においては、電気力線の屈折が非常に激しく、空気側における電気力線の向きに関わりなく、誘電体の内部の電気力線は、表面にほぼ平行となる。したがって、基板1の6つの面のうち、x−z面に平行な面、すなわち図1の基板1における手前側の側面8aおよび反対側の側面8bの付近においても、電気力線は表面にほぼ平行である。したがって、y軸方向の電界成分は、側面8aから側面8bにわたって非常に小さく、その大きさは、x軸方向、z軸方向の電界成分の大きさを比誘電率で割った程度に小さい。
ここで、図1の可変焦点レンズ(以下、レンズ1という)と全く同じ構造の可変焦点レンズをもう1つ、側面8aの手前側に、側面8aにぴったりと接して置いたとする。電極の設置された面、光の入射面および出射面を揃えて1つのレンズとみなす(以下、レンズ2という)と、光入射面からみて、可変焦点レンズの幅が2倍になったと見なせる。手前に置いたレンズは、元のレンズに対して、側面8aに関して鏡像になっている。
このレンズ2とレンズ1とについて、内部の電気力線を比較する。レンズ2の中央に、光軸に沿ってレンズ1の側面8aがあるとみなせるが、この側面8aに関してレンズ2は対称であるから、側面8aの付近においては、電界のy軸方向成分は存在しない。一方、レンズ1において、側面8aの付近で電界のy軸方向成分があるならば、レンズ1の電界分布は、レンズ2の電界分布とは等しくならない。しかし、上述したように、レンズ1でも電界のy軸方向成分は無視できる。このことから、レンズ1とレンズ2の電界分布は矛盾せず、言い換えると、同じであると言える。
この考え方を繰り返し、図1の可変焦点レンズを3個、4個と増やしていくと、無限に幅の広いレンズ(以下、レンズ3という)ができる。このレンズ3も、レンズ1およびレンズ2と同じ電界分布となるはずである。レンズ3は、y軸方向に一定距離移動しても、元のレンズ3に重なるという並進対称性がある。このため、y座標に関わらず電界分布は同じであるし、同時に、レンズ3の内部のどこでも、電界のy軸成分は存在しない。つまり、y軸上のどの位置から光が入射しても、レンズ効果は変わらず同じである。このことは、レンズ1でも同じであり、y座標に関わらずレンズ効果は同じである。これは、図1の可変焦点レンズが、y軸方向に関して均一な、理想的なシリンドリカルレンズを実現していることを意味している。
なお、図1の可変焦点レンズは、電気光学効果の異方性のため、偏光によってレンズ効果が異なる。y軸に平行な電界の直線偏光と、z軸に平行な電界の直線偏光とがあるが、z軸に平行な偏光に対しては良好な凸レンズとして働くが、y軸に平行な偏光に対しては、レンズ効果が小さいことが分かっている。
(2軸集光の可変焦点レンズの構成)
図3に、2つの基本単位素子を用いた2軸集光可能な可変焦点レンズの構成を示す。図1に示した基本単位素子は、シリンドリカルレンズとして理想的な屈折率分布を生成する可変焦点レンズである。シリンドリカルレンズであるので、より一般的な球面レンズとは異なり、集光は1軸の方向のみである。図1の可変焦点レンズ(レンズ1)を基本単位素子とし、基本単位素子21と、半波長板22と、もう1つの基本単位素子23とを、光軸(x軸)をそろえて直列に配置する。基本単位素子21と基本単位素子23とは、電極の設置された面が互いに90°を成すように配置する。
このような構成により、一般的な球面レンズと同様の2軸の集光が可能となる。このとき、基本単位素子は、上述したように異方性があり、基本単位素子に対する直線偏光の向きによってレンズ効果が変わる。基本単位素子21と基本単位素子23とは、90°向きが異なるため、同じレンズ効果を発現させるためには、2つの基本単位素子の間に波長板などを置き、偏光を90°回転させる。
(ファラデー回転素子と偏光ビームスプリッタの配置)
以上、可変焦点レンズの基本単位素子の原理を説明してきた。しかし、電気光学効果の屈折率変化の大きさには限界があり、このため、電圧で制御できるレンズ効果の大きさにも限界があった。そこで、レンズ効果を増大させるため、図1に示した基本単位素子に、ファラデー回転素子と偏光ビームスプリッタとを構成部品として追加した構成とする。
図4に、本発明の第1の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す。可変焦点レンズは、偏光ビームスプリッタ31、ファラデー回転素子32、基本単位素子33およびミラー(反射鏡)34が、光軸を共有して順に配列されている。
図4(a)に示すように、図の上下方向に電界が振動する偏光の入射光が、偏光ビームスプリッタ31に入射すると、偏光ビームスプリッタ31をそのまま透過する。透過した光は、ファラデー回転素子32に入射し、透過した光の偏光方向が45°回転する。偏光方向が45°の光は、基本単位素子33に入射し、所望のレンズ効果が与えられる。レンズ効果を受けた光は、ミラー34において反射する。
図4(b)に示すように、反射した光は、再び基本単位素子33を透過し、レンズ効果が再度与えられる。再度レンズ効果を受けた光は、ファラデー回転素子32に再度入射して、偏光方向が再度45°回転する。その結果、透過した光の振動電界は紙面に垂直の方向となる。偏光方向が90°の光は、偏光ビームスプリッタ31に入射すると、内部で反射され、入射光とは異なる方向から、出射光として出射される。
なお、図示を容易にするため、図4(a)、(b)においては座標軸の表示を省略し、各構成要素が、光軸回りに設置されている角度も図示していない。基本単位素子33には、入射光に対して偏光方向が45°回転した光が入射されるが、上述したように、基本単位素子33のレンズ効果は、図1に示したz軸に平行な偏光に対して最大となるので、偏光方向が45°回転した向きがz軸と平行となるように、基本単位素子33を配置する。言い換えると、入射光の偏光方向に対して基本単位素子33のz軸を45°傾けるか、基本単位素子33のz軸に対して、入射光の偏光方向を45°傾けることになる。
この構成の可変焦点レンズは、基本単位素子33を2度光が透過するため、レンズ効果は2倍となる。焦点距離の逆数を「レンズパワー」と称し、この値が大きいほどレンズの効果が強い。第1の実施形態の可変焦点レンズは、図1に示した可変焦点レンズの基本単位素子と比較して、2倍のレンズパワーを有する。また、ファラデー回転素子32による偏光操作により、基本単位素子33における偏光の方向は一定であり、同じレンズ効果を発現させることができ、光パワーの減少を最小限に抑えることができる。
以上説明した可変焦点レンズは、シリンドリカルレンズであった。しかし、図3に示したように、基本単位素子を2つ組み合わせることにより、球面レンズと同様の2軸集光が可能なレンズを作製することもできる。図4における基本単位素子33の代わりに、図3に示した可変焦点レンズを、ファラデー回転素子32とミラー34との間に挿入することにより、レンズパワーが2倍となる2軸集光のレンズを実現することができる。
(透過の繰り返し数の増大)
上述したように、ファラデー回転素子を活用することにより、可変焦点レンズの基本単位素子の中を往復して光を透過させても、光の復路と往路とを分けることができる。また、基本単位素子における偏光の方向は一定であり、光パワーの減少を最小限に抑えることができる。さらに、基本単位素子の透過回数を増やし、レンズパワーを飛躍的に増大させることも可能である。以下、その原理について説明する。
図5に、本発明の第2の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す。第1の実施形態の可変焦点レンズに、偏光ビームスプリッタ46とファラデー回転素子47と半波長板48をそれぞれ1個ずつ追加することにより、基本単位素子43の中を、光が4回透過する構造となっている。図5(a)に示すように、図の上下方向に電界が振動する偏光の入射光が、偏光ビームスプリッタ41に入射すると、偏光ビームスプリッタ41をそのまま透過する。透過した光は、ファラデー回転素子42に入射し、透過した光の偏光方向が45°回転する。偏光方向が45°の光は、ミラー45a,45bを介して、基本単位素子43に入射し、所望のレンズ効果が与えられる。レンズ効果を受けた光は、ミラー44bにおいて反射する。
図5(b)に示すように、反射した光は、再び基本単位素子43を透過し、2回目のレンズ効果が与えられる。レンズ効果を受けた光は、ミラー45b,45aを介して、ファラデー回転素子42に再度入射して、偏光方向が再度45°回転する。その結果、透過した光の振動電界は紙面に垂直の方向となる。偏光方向が90°の光は、偏光ビームスプリッタ41に入射すると、内部で反射され、偏光ビームスプリッタ46に出射される。
光の振動電界は紙面に垂直になっているため、偏光ビームスプリッタ46の内部で反射され、半波長板48を透過し、偏光が90度回転する。さらに、ファラデー回転素子47に入射し、透過した光の偏光方向が45°回転する。偏光方向が45°の光は、ミラー45d,45cを介して、基本単位素子43に入射し、3回目のレンズ効果が与えられる。レンズ効果を受けた光は、ミラー44aにおいて反射する。
図5(c)に示すように、反射した光は、再び基本単位素子43を透過し、4回目のレンズ効果が与えられる。レンズ効果を受けた光は、ミラー45b,45aを介して、ファラデー回転素子47に再度入射して、偏光方向が再度45°回転する。その結果、透過した光の振動電界は紙面に垂直の方向となる。再び半波長板48を透過し、偏光が90度回転して、偏光ビームスプリッタ46に入射すると、内部を透過して、出射光として出射される。
なお、ミラー45a−45bは、1度目の往復路と2度目の往復路を、互いにわずかな角度傾け、別の光路とするために用いられている。第2の実施形態では、基本単位素子を光が4度透過することになるので、図1に示した可変焦点レンズの基本単位素子と比較して、レンズパワーをほぼ4倍に増大させることができる。
図6および図7に、本発明の第3の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す。基本単位素子の透過する回数を、6回に増やした構成を示す。光が透過する順次をまとめておく。
−図6(a):偏光ビームスプリッタ51−ファラデー回転素子52−半波長板56−[基本単位素子53]−ミラー54a
−図6(b):ミラー54a−[基本単位素子53]−半波長板56−ファラデー回転素子52−偏光ビームスプリッタ51−偏光ビームスプリッタ57−ファラデー回転素子58−半波長板59−ミラー55d,55c−[基本単位素子53]−ミラー54b
−図7(a):ミラー54b−[基本単位素子53]−ミラー55c,55d−半波長板59−ファラデー回転素子58−偏光ビームスプリッタ57−ミラー60a,60b−偏光ビームスプリッタ61−ファラデー回転素子62−半波長板63−ミラー55a,55b−[基本単位素子53]−ミラー54c
−図7(b):ミラー54c−[基本単位素子53]−ミラー55b,55a−半波長板63−ファラデー回転素子62−偏光ビームスプリッタ61。
図8−図10に、本発明の第4の実施形態にかかる可変焦点レンズの構成を示す。基本単位素子の透過する回数を、10回に増やした構成を示す。光が透過する順次をまとめておく。
−図8(a):偏光ビームスプリッタ71−ファラデー回転素子72−半波長板76−[基本単位素子73]−ミラー74a
−図8(b):ミラー74a−[基本単位素子73]−半波長板76−ファラデー回転素子72−偏光ビームスプリッタ71−偏光ビームスプリッタ77−ファラデー回転素子78−半波長板79−ミラー75d,75c−[基本単位素子73]−ミラー74b
−図9(a):ミラー74b−[基本単位素子73]−ミラー75c,75d−半波長板79−ファラデー回転素子78−偏光ビームスプリッタ77−ミラー80a,80b−偏光ビームスプリッタ81−ファラデー回転素子82−半波長板83−ミラー75a,75b−[基本単位素子73]−ミラー74c
−図9(b):ミラー74c−[基本単位素子73]−ミラー75b,75a−半波長板83−ファラデー回転素子82−偏光ビームスプリッタ81−偏光ビームスプリッタ84−ファラデー回転素子85−半波長板86−ミラー87a,87b−[基本単位素子73]−ミラー74d
−図10(a):ミラー74d−[基本単位素子73]−ミラー87b,87a−半波長板86−ファラデー回転素子85−偏光ビームスプリッタ84−ミラー88a,88b−偏光ビームスプリッタ89−ファラデー回転素子90−半波長板91−ミラー87d,87c−[基本単位素子73]−ミラー74e
−図10(b):ミラー74e−[基本単位素子73]−ミラー87c,87d−半波長板91−ファラデー回転素子90−偏光ビームスプリッタ89。
第1−4の実施形態をまとめると、偏光ビームスプリッタ、ファラデー回転素子、必要に応じて半波長板を含む光学系を複数用意して、各々の光学系の光路が、基本単位素子を透過するように、反射鏡を配置する。複数の光学系の1の偏光ビームスプリッタから入射された所与の偏光方向の光が、基本単位素子を複数回透過し、複数の光学系の1の偏光ビームスプリッタから出射されるように構成する。
なお、第1−4の実施形態の説明では、可変焦点レンズの基本単位素子を用いたので、これらの実施形態は、シリンドリカルレンズである。基本単位素子33,43,53,73を、図3に示した2軸集光可変焦点レンズに入れ替えれば、2軸集光のレンズ機能において、レンズパワーを増大させることができる。
(電気光学材料)
電気光学効果には、いくつかの次数の異なる電気光学効果が含まれるが、一般的には、1次の電気光学効果(以下、ポッケルス効果という)が利用されている。ポッケルス効果は、屈折率変化が電界に比例する。図1、2に示した構成においては、陽極2と陰極3との間と、陰極4と陽極5との間では、電界の向きが逆になり、屈折率分布も逆になる。従って、ポッケルス効果を利用すると、光がこれら2つの電極対の間を透過すると、屈折率分布による光の偏向が正負で相殺されてしまい、レンズとしての機能を奏さない。
これに対して、2次の電気光学効果(以下、カー効果という)を利用すると、屈折率変化は電界の二乗に比例する。従って、陽極2と陰極3との間と、陰極4と陽極5との間とで、電界の向きが逆になっても、屈折率分布は同じになるので、光の偏向が相殺されることなく、強めあう。
多くの電気光学材料は、反転対称性を有しておらず、ポッケルス効果を発現する。これに対して、一部の電気光学材料は、反転対称性を有しており、ポッケルス効果を発現せず、カー効果が支配的となる。従って、本実施形態の基板1を構成する電気光学材料としては、反転対称性を有する材料を用いることが重要である。
一般に誘電体は、外部から電界を印加すると、それに比例した分極が発生するが、電界を取り去ると、分極はゼロに戻る。しかし、電界を取り去っても有限の分極が残る物質が存在する。外部電界がなくても存在する分極を自発分極という。この自発分極を、外部電界によって向きを反転させることができる物質が存在し、これを強誘電体という。
反転対称性を有する単結晶とは、原子の配列を、ある原点を中心としてx,y,z座標系で反転したとき、元の原子の配列と完全に同じ配列となる結晶をいう。自発分極を有する結晶を、座標軸上で反転すると、自発分極の向きが反転するので、このような結晶は反転対称性を有するとはいえない。従って、強誘電体は自発分極を有するので、反転対称性を有していない。
一方、自発分極を有していても、それを外部電界で反転することができない物質も存在する。このような物質は、反転対称性を有していないが、強誘電体でもないので、反転対称性を有していない物質が全て強誘電体であるわけではない。また、強誘電体であって、かつ反転対称性を有するということは、ありえない。
反転対称性を有する電気光学材料としては、ペロブスカイト型の結晶構造を有する単結晶材料がある。ペロブスカイト型単結晶材料は、使用温度を適切に選択すれば、使用状態において反転対称性を有する立方晶相となる。立方晶相においては、ポッケルス効果を発現せず、カー効果が支配的となる。例えば、最もよく知られたチタン酸バリウム(BaTiO3、以下BTという)でも、120℃付近において正方晶相から立方晶相へ相転移する温度(以下、相転移温度という)を超えた温度であれば、立方晶相となり、カー効果を発現する。
また、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN:KTa1-xNbx3、0≦x≦1)を主成分とする単結晶材料は、より好適な特徴を有する。BTは相転移温度が決まっているのに対し、KTNは、タンタルとニオブの組成比により、相転移温度を選択することができる。これにより、室温付近に相転移温度を設定することができる。KTNは、相転移温度よりも高い温度であれば立方晶相となり、反転対称性を有し、大きなカー効果を有する。同じ立方晶相にあっても、より相転移温度に近い方が、カー効果が圧倒的に大きくなる。このため、室温付近に相転移温度を設定することは、大きなカー効果を簡便に実現する上で、非常に重要である。
さらに、KTNに関連する単結晶材料として、結晶の主成分が、周期律表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含む材料を用いることができる。また、添加不純物としてカリウムを除く周期律表Ia族、例えばリチウム、またはIIa族の1または複数種を含むこともできる。例えば、立方晶相のKLTN(K1-yLiyTa1-xNbx3、0≦x≦1、0<y<1)結晶を用いることもできる。
(電極の配置)
図1に示した可変焦点レンズでは、基本単位素子として、基板1の上面に陽極2と陰極4を配置し、下面に陰極3と陽極5とを配置している。しかし、この基本単位素子において、上面の電極を双方ともに陽極とし、下面の電極を双方ともに陰極にした構成とすることもできる。レンズ効果は、図1に示した可変焦点レンズと比較して小さいが、機能は同じである。
(電極材料)
電気光学材料に高い電圧を印加すると、電極から電荷が注入され、結晶内に空間電荷が発生しうる。この空間電荷により電圧の印加方向に電界の大きさの傾斜が生じるために、屈折率の変調にも傾斜が生じる。従って、電気光学材料をレンズとして機能させるための所望の屈折率分布を得るため、または、電気光学材料を透過する光が偏向しないようにするためには、基板1に電圧を印加した際に、基板1の内部に空間電荷が形成されない方がよい。
空間電荷の量は、キャリアの注入効率に依存する量であるため、電極から注入されるキャリアの注入効率は小さい方がよい。従って、電極は、電気光学材料とショットキー接合が形成される材料であることが好ましい。具体的には、電気光学結晶において電気伝導に寄与するキャリアが電子の場合には、電極材料の仕事関数は、5.0eV以上であることが好ましい。例えば、仕事関数が5.0eV以上の電極材料として、Au(5.1)、Ir(5.27)、Pt(5.65)などの金属を用いることができる。()内は仕事関数を示し、単位はeVである。
電気光学材料に高い電圧を印加すると、電極から電荷が注入され、結晶内に空間電荷が発生する。この空間電荷が屈折率分布を乱し、レンズ機能に悪影響を与える。電極と基板との間に、ショットキー障壁を生成することにより、電荷の注入を抑えることができる。このためには、電極材料の仕事関数が5.0eV以上であることが好ましく、Au、Ir、Ptなどの貴金属が好適である。
(シリンドリカル可変焦点レンズの他の構成)
図11に、本発明の第5の実施形態にかかる可変焦点レンズの基本単位素子の構成を示す。基板101に対する電極102−105の配置は、図1の基本単位素子と同じである。図1の基本単位素子とは、入射光106の入射、出射光107の出射方向が異なる。図8に示すように、入射光106は、基板101の上面の陽極102と陰極104との間から入射され、基板101の内部をz軸方向に進行し、下面の陰極103と陽極105との間から空気中へ、出射光107として出射される。また、第1ないし第4の実施形態の基本単位素子においても、上面の電極を双方ともに陽極とし、下面の電極を双方ともに陰極にしてもよく、逆に上面を陰極・下面を陽極とする構造でも良い。
図1に示したように、電気光学材料を板状に加工した基板1の上面および下面に、陽極2、陰極3、陰極4、陽極5を形成する。基板1は、KTN単結晶から、ブロックを切り出し、7mm×7mm×(厚さT=)4mmの形状に成形する。基板1の6面とも、結晶の(100)面に平行とし、光学研磨を行っている。このKTN単結晶は、相転移温度35℃であったので、これを少し上回る40℃で使用する。この温度での比誘電率は20,000である。4つの電極は、0.8mm×7mmの帯状で、同一面上の電極の間隔は4mmとする。2つの電極対は、基板1の7mm×7mmの面上に、白金(Pt)を蒸着して形成されている。電極の各辺は、基板1の辺に平行である。
このシリンドリカル可変焦点レンズを、40℃で温度制御した状態で、コリメートしたレーザ光を入射する。光の偏光は直線で、振動電界の方向はz軸方向である。上下電極間に1000Vの電圧を印加すると、基板1から出射する光は、z軸方向に集光され、シリンドリカル凸レンズとして機能する。焦点距離は59cmである。レンズパワーは、この逆数の1.7m-1である。
このシリンドリカル可変焦点レンズを基本単位素子とし、偏光ビームスプリッタとファラデー回転素子とを組み合わせ、図4に示した第1の実施形態の可変焦点レンズを作製する。基本単位素子に対する振動電界の方向は、前述のとおりである。上下電極間に1000Vの電圧を印加すると、偏光ビームスプリッタから出射する光は、図4の紙面と45°を成す方向に集光され、シリンドリカル凸レンズとして機能する。レンズパワーは、基本単位素子単体のときの2倍の3.4m-1である。焦点距離は、基本単位素子単体のときの半分の29.5cmである。
実施例1において作製した基本単位素子において、上面の電極を双方ともに陽極とし、下面の電極を双方ともに陰極として使用する。このシリンドリカル可変焦点レンズを、40℃で温度制御した状態で、コリメートしたレーザ光を入射する。光の偏光は直線で、振動電界の方向はz軸方向である。上下電極間に1000Vの電圧を印加すると、基板1から出射する光は、z軸方向に集光され、シリンドリカル凸レンズとして機能する。焦点距離は115cmである。レンズパワーは、この逆数の0.87m-1である。
このシリンドリカル可変焦点レンズを基本単位素子とし、偏光ビームスプリッタとファラデー回転素子とを組み合わせ、図4に示した第1の実施形態の可変焦点レンズを作製する。基本単位素子に対する振動電界の方向は、前述のとおりである。上下電極間に1000Vの電圧を印加すると、偏光ビームスプリッタから出射する光は図4の紙面と45°を成す方向に集光され、シリンドリカル凸レンズとして機能する。レンズパワーは、基本単位素子単体のときの2倍の1.74m-1である。焦点距離は、基本単位素子単体のときの半分の58cmである。
実施例1において作製した基本単位素子を、図11に示した第5の実施形態のシリンドリカル可変焦点レンズの基本単位素子として使用する。このシリンドリカル可変焦点レンズを、40℃で温度制御した状態で、コリメートしたレーザ光を入射する。光の偏光は直線で、振動電界の方向はx軸方向である。上下電極間に1000Vの電圧を印加すると、基板41から出射する光は、x軸方向に集光され、シリンドリカル凸レンズとして機能する。焦点距離は104cmである。レンズパワーは、この逆数の0.96m-1である。
このシリンドリカル可変焦点レンズを基本単位素子とし、偏光ビームスプリッタとファラデー回転素子とを組み合わせ、図4に示した第1の実施形態の可変焦点レンズを作製する。基本単位素子に対する振動電界の方向は、前述のとおりである。上下電極間に1000Vの電圧を印加すると、偏光ビームスプリッタから出射する光は図4の紙面と45°を成す方向に集光され、シリンドリカル凸レンズとして機能する。レンズパワーは、基本単位素子単体のときの2倍の1.92m-1である。焦点距離は、基本単位素子単体のときの半分の52cmである。
実施例3において作製した基本単位素子において、上面の電極を双方ともに陽極とし、下面の電極を双方ともに陰極として使用する。実施例3と同じ条件で、焦点距離は114cmであった。レンズパワーは、この逆数の0.88m-1である。
このシリンドリカル可変焦点レンズを基本単位素子とし、偏光ビームスプリッタとファラデー回転素子とを組み合わせ、図4に示した第1の実施形態の可変焦点レンズを作製する。基本単位素子に対する振動電界の方向は、前述のとおりである。上下電極間に1000Vの電圧を印加すると、偏光ビームスプリッタから出射する光は図4の紙面と45°を成す方向に集光され、シリンドリカル凸レンズとして機能する。レンズパワーは、基本単位素子単体のときの2倍の1.75m-1である。焦点距離は、基本単位素子単体のときの半分の57cmである。
実施例1で使用したシリンドリカル可変焦点レンズを基本単位素子とし、偏光ビームスプリッタ2個とファラデー回転素子2個と半波長板1個とを組み合わせ、図5に示した第2の実施形態の可変焦点レンズを作製する。基本単位素子に対する振動電界の方向は、上述のとおりである。上下電極間に1000Vの電圧を印加すると、偏光ビームスプリッタから出射する光は集光され、シリンドリカル凸レンズとして機能する。レンズパワーは、基本単位素子単体のときの4倍の6.8m-1である。焦点距離は、基本単位素子単体のときの4分の1の15cmである。
1,101 基板
2,5,102,105 陽極
3,4,103,104 陰極
6,106 入射光
7,107 出射光
11 電気力線
12 屈折率変調曲線
21,23,33,43,53,73 基本単位素子
22,48,56,59,63,76,79,83,86,91 半波長板
31,41,46,51,57,61,71,77,81,84,89 偏光ビームスプリッタ
32,42,47,52,58,62,72,78,82,85,90 ファラデー回転素子
34,44,45,54,55,60,74,75,80,87,88 ミラー

Claims (11)

  1. 偏光ビームスプリッタと、
    ファラデー回転素子と、
    反転対称性を有する単結晶からなる電気光学材料と、該電気光学材料の第1の面と、該第1の面に対向する第2の面とにそれぞれ向かい合う位置に形成された複数の電極対とを含む基本単位素子であって、該電極対の間の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料を透過する光の焦点を可変する基本単位素子と、
    反射鏡が、光軸を共有して順に配列され、
    前記偏光ビームスプリッタに入射された所与の偏光方向の光が、前記ファラデー回転素子を透過した後に前記基本単位素子を透過し、前記反射鏡で反射されて、再度、前記基本単位素子を透過し、前記ファラデー回転素子を透過して前記偏光ビームスプリッタから出射されることを特徴とした可変焦点レンズ。
  2. 反転対称性を有する単結晶からなる電気光学材料と、該電気光学材料の第1の面と、該第1の面に対向する第2の面とにそれぞれ向かい合う位置に形成された複数の電極対とを含む基本単位素子であって、該電極対の間の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料を透過する光の焦点を可変する基本単位素子と、
    偏光ビームスプリッタおよびファラデー回転素子が光軸を共有して配列された複数の光学系
    各々の光学系の光軸が、前記基本単位素子を透過するように配置された反射鏡備え
    前記複数の光学系の1の偏光ビームスプリッタから入射された所与の偏光方向の光が、前記基本単位素子を複数回透過し、前記複数の光学系の1の偏光ビームスプリッタから出射されることを特徴とした可変焦点レンズ。
  3. 前記基本単位素子は、
    前記電気光学材料の第1の面上に形成された第1の陽極と、前記第1の面に対向する第2の面上に形成され、前記第1の陽極と向かい合う位置に形成された第1の陰極とからなる第1の電極対、および
    前記第1の面上に形成され、前記第1の陽極とは間隔をおいて配置された第2の陰極と、前記第2の面上に形成され、前記第2の陰極と向かい合う位置に形成され、前記第1の陰極とは間隔をおいて配置された第2の陽極とからなる第2の電極対を含み、
    前記第1の面と直交する第3の面から光を入射させたとき、前記第1の電極対の間を透過してから、前記第2の電極対の間を透過して、前記第3の面に対向する第4の面から光が出射され、
    前記第1および第2の電極対の間の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料の前記第4の面から出射された光の焦点を可変することを特徴とする請求項1または2に記載の可変焦点レンズ。
  4. 前記基本単位素子は、
    前記電気光学材料の第1の面上に形成された第1の陽極と、
    前記第1の面に対向する第2の面上に形成され、前記第1の陽極と向かい合う位置に形成された第1の陰極と、
    前記第1の面上に形成され、前記第1の陽極とは間隔をおいて配置された第2の陰極と、
    前記第2の面上に形成され、前記第2の陰極と向かい合う位置に形成され、前記第1の陰極とは間隔をおいて配置された第2の陽極とを含み、
    前記第1の陽極と前記第2の陰極との間の前記第1の面に光を入射させたき、前記電気光学材料の内部を透過してから、前記第1の陰極と前記第2の陽極との間の前記第2の面から光が出射され、
    前記2つの陽極と前記2つの陰極との間の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料の前記第2の面から出射された光の焦点を可変することを特徴とする請求項1または2に記載の可変焦点レンズ。
  5. 前記基本単位素子は、
    前記電気光学材料の第1の面上に形成された第1の陽極と、前記第1の面に対向する第2の面上に形成され、前記第1の陽極と向かい合う位置に形成された第1の陰極とからなる第1の電極対、および
    前記第1の面上に形成され、前記第1の陽極とは間隔をおいて配置された第2の陽極と、前記第2の面上に形成され、前記第2の陽極と向かい合う位置に形成され、前記第1の陰極とは間隔をおいて配置された第2の陰極とからなる第2の電極対を含み、
    前記第1の面と直交する第3の面から光を入射させたとき、前記第1の電極対の間を透過してから、前記第2の電極対の間を透過して、前記第3の面に対向する第4の面から光が出射され、
    前記第1および第2の電極対の間の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料の前記第4の面から出射された光の焦点を可変することを特徴とする請求項1または2に記載の可変焦点レンズ。
  6. 前記基本単位素子は、
    前記電気光学材料の第1の面上に形成された第1の陽極と、
    前記第1の面に対向する第2の面上に形成され、前記第1の陽極と向かい合う位置に形成された第1の陰極と、
    前記第1の面上に形成され、前記第1の陽極とは間隔をおいて配置された第2の陽極と、
    前記第2の面上に形成され、前記第2の陽極と向かい合う位置に形成され、前記第1の陰極とは間隔をおいて配置された第2の陰極とを含み、
    前記第1の陽極と前記第2の陽極との間の前記第1の面に光を入射させたき、前記電気光学材料の内部を透過してから、前記第1の陰極と前記第2の陰極との間の前記第2の面から光が出射され、
    前記2つの陽極と前記2つの陰極との間の印加電圧を変えることにより、前記電気光学材料の前記第2の面から出射された光の焦点を可変することを特徴とする請求項1または2に記載の可変焦点レンズ。
  7. 前記電気光学材料は、ペロブスカイト型の結晶構造を有する単結晶材料であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の可変焦点レンズ。
  8. 前記電気光学材料は、KTa1-xNbx3(0≦x≦1、KTN)結晶、またはK1-yLiyTa1-xNbx3(0≦x≦1、0<y<1、KLTN)結晶であることを特徴とする請求項7に記載の可変焦点レンズ。
  9. 前記電気光学材料は、結晶の主成分が、周期律表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7に記載の可変焦点レンズ。
  10. 前記電気光学材料は、さらに、添加不純物としてカリウムを除く周期律表Ia族またはIIa族の1または複数種を含むことを特徴とする請求項7に記載の可変焦点レンズ。
  11. 前記第1および第2の陽極と前記第1および第2の陰極とは、前記電気光学材料とショットキー接合が形成される材料からなることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の可変焦点レンズ。
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