JP5161123B2 - 複合木材の製造方法 - Google Patents
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Description
通常、木材は伐採された樹木を乾燥して製材し、各種の用途に応じた形状や構造に加工されるのが一般的であるが、廃木材、間伐材あるいは木屑等は、最終的に焼却処分されることが多く、木材が有効に利用されていなかった。
そこで、木質材料とフェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂とを用いてファイバーボード、パーティクルボード、木質ブロック等の複合材料を製造する方法が種々提案されているが、熱硬化性樹脂を使用する関係でコスト高になっていた。
また、プレス機で強加圧しながら冷却・成形するので、複合木材を平板状に精度よく成形することは困難である。
さらに、原料となる木片のサイズが大きいことから木片と樹脂の混合状態が均一になり難く、複合木材の機械的強度や耐水性といった性状が不安定になりやすいという問題がある。
ここで、本発明に係る複合木材の製造方法において、木質ペレットは、篩目2mm以下の木粉を成形したものであって、含水率が8%以下に調整されているとよい。木粉の篩目が2mm以上だと攪拌工程において樹脂との混合状態が均一になり難く、さらに、仮に木粉の篩目が2mm以下であっても含水率が8%よりも高いと加圧溶融工程において多量の水蒸気が発生するので、複合木材の成形性に悪影響を及ぼすからである。また、木質ペレットは長粒径20mm以下、上記樹脂ペレットは長粒径7mm以下とすると、木質材料と樹脂材料の混合状態がより均一となるので好ましい。
図1に示すように、この複合木材製造装置は、木質原料貯留装置10、樹脂原料貯留装置20、傾斜コンベヤ30、投入ホッパー40、ミキサー50、定量供給機60、減容機70、押出機80、Tダイス90、ダブルベルトプレス100、クロスカット装置110、養生ステーション120、トリミング装置130、完成品ステーション140、破砕機150および、再生原料貯留装置160を備えている。
また、投入ホッパー40の下段にはミキサー50が連設されており、さらに、このミキサー50の下段には定量供給機60が連設されている。ミキサー50では、投入ホッパー40へ投入された木質ペレットと樹脂ペレットを攪拌混合する。このとき、木質ペレットは攪拌作用により木粉に解砕されて分散し、樹脂ペレットと均一に混合される。なお、本実施形態の例では、ミキサー50はターボ型ミキサーであり、定量供給機60はオートフィーダーである。
ステンレスベルト(上)101は、フレーム(上)102に設けられた駆動ローラ(上)103と従動ローラ(上)104に掛け回されている。また、フレーム(上)102には図示しないローラが多数設けられている。同様に、ステンレスベルト(下)105は、フレーム(下)106に設けられた駆動ローラ(下)107と従動ローラ(下)108に掛け回されており、フレーム(下)106には図示しないローラが多数設けられている。
ここで、ダブルベルトプレス100における狭圧荷重は、製品の形状を整えるための最適荷重に設定されており、例えば上述の特許文献1に記載のプレス機のような強加圧に比してあくまでも弱加圧である。
さらに、この養生ステーション120の下流にはトリミング装置130が設けられている。このトリミング装置130は、テーブル131と、その上部に配設されたカッター132とを有し、養生を終えた複合木材を最終製品の寸法に裁断する。このトリミング装置130で発生する切断くず等の端材は、上記クロスカット装置110同様に、破砕機150へと送られ、破砕機150で破砕後に、再生原料貯留装置160から傾斜コンベヤ30の上流側に戻されて再利用される。なお、トリミング装置130には図示しない計測装置が設けられており製品の寸法を常に測定している。
木質原料である木質ペレットは、篩目2mm以下の木粉を含水率8%以下に調整し、長粒径20mm以下でペレット化したものである。木粉は廃木材を粉砕したものや鋸くずを利用することが可能である。一方、樹脂原料である樹脂ペレットは長粒径7mm以下であり、廃プラスチックのリサイクル品である。
次いで、ダブルベルトプレス100は、上下のステンレスベルト101、105の間で複合混合物を冷却しながら狭圧成形し(ステップS5)、続くクロスカット装置110に送る。なお、このダブルベルトプレス100において行われる冷却および成形が本発明の冷却成形工程に対応する工程である。
この複合木材製造装置を用いた複合木材の製造方法によれば、上述したように、木質ペレットと樹脂ペレットを、図2に示す、混合(S1)〜攪拌(S2)〜加圧溶融(S3)〜押出(S4)〜冷却成形(S5)〜裁断(S6)という各工程を個別に行いながら、木質ペレットが、攪拌工程(S2において木粉に解砕されて分散し、樹脂ペレットに対して均一に混合され、木粉と樹脂ペレットとの混合物は、溶融工程(S3)において溶融した樹脂と木粉の複合混合物となり、押出工程(S4)と冷却成形工程(S5)において板状の複合混合物に成形され、さらに、最終的に裁断工程(S6)において製品のサイズに裁断されることで板状の複合木材を製造するので、原料の性状や温度や湿度といった外因の影響を極力排して安定した操業が可能となる。
特に、本実施形態においては、木質ペレットは、篩目2mm以下の木粉を成形したものなので、攪拌工程(S2)において樹脂との混合状態が均一になり易く、さらに、含水率が8%以下に調整されているので、加圧溶融工程(S3)における水蒸気の発生が抑制されて複合木材の成形性が良い。また、木質ペレットは長粒径20mm以下、上記樹脂ペレットは長粒径7mm以下としているので、木質材料と樹脂材料の混合状態がより均一となる。
例えば、上記実施形態では、傾斜コンベヤを用いた例で説明したが、これに限定されず、傾斜コンベヤの代わりに空気搬送装置を用いてもよく、また、減容機は2軸式ではなく1軸式や他の形式のものを用いてもよい。
11 貯留ホッパー
12 定量供給機
20 樹脂原料貯留装置
21 貯留ホッパー
22 定量供給機
30 傾斜コンベヤ
40 投入ホッパー
50 ミキサー
60 定量供給機
70 減容機
80 押出機
90 Tダイス
100 ダブルベルトプレス
101 ステンレスベルト(上)
102 フレーム(上)
103 駆動ローラ(上)
104 従動ローラ(上)
105 ステンレスベルト(下)
106 フレーム(下)
107 駆動ローラ(下)
108 従動ローラ(下)
110 クロスカット装置
111 テーブル
112 カッター
120 養生ステーション
130 トリミング装置
131 テーブル
132 カッター
140 完成品ステーション
150 破砕機
160 再生原料貯留装置
161 貯留ホッパー
162 定量供給機
Claims (7)
- 木質ペレットと樹脂ペレットとから板状の複合木材を連続して製造する方法であって、
前記木質ペレットと前記樹脂ペレットとを混合する混合工程と、該混合工程で混合された木質ペレットを木粉に解砕するとともに前記樹脂ペレットに対して均一に分散するように攪拌する攪拌工程と、該攪拌工程で攪拌された木粉と樹脂ペレットとの混合物を加圧しつつ加熱して木粉と溶融した樹脂との複合混合物となるように前記樹脂ペレットを溶融する加圧溶融工程と、該加圧溶融工程で加圧溶融された複合混合物を所定型枠から押し出す押出工程と、該押出工程で押し出された複合混合物を冷却する冷却成形工程と、該冷却成形工程で冷却された複合混合物を所定寸法に裁断して板状の複合木材にする裁断工程とを含むことを特徴とする複合木材の製造方法。 - 前記木質ペレットは、篩目2mm以下の木粉を成形したものであって、その含水率が8%以下に調整されていることを特徴とする請求項1に記載の複合木材の製造方法。
- 前記木質ペレットは、長粒径が20mm以下であり、前記樹脂ペレットは、長粒径が7mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合木材の製造方法。
- 前記加圧溶融工程および押出工程は、2軸減容機と、当該2軸減容機に連接する一軸押出機およびTダイスとで行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合木材の製造方法。
- 前記冷却成形工程は、ダブルベルトプレスによって弱加圧をすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合木材の製造方法。
- 前記木質ペレットは、廃木に由来するものであり、前記樹脂ペレットは、廃プラスチックに由来するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合木材の製造方法。
- 前記裁断工程における端材は、これを破砕後に、前記混合工程での前記木質ペレットと前記樹脂ペレットの混合物に投入して複合木材の材料として再利用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合木材の製造方法。
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