JP5161101B2 - 同心管式熱交換器における初期温水供給の防止のための機器およびその制御方法 - Google Patents

Description

本発明は、同心管型熱交換器における初期温水供給の防止のための機器およびこれを制御するための方法に関し、さらに詳細には、温水が供給される初期において供給される温水の温度を下げるため冷水と温水を混合し、これにより火傷を防ぐことができる、同心管型熱交換器における初期温水供給の防止のための機器およびこれを制御するための方法に関する。

一般に、熱交換器とは、熱伝達のための熱媒体を使用して高温流体から低温流体へ加熱する壁を介して熱を伝達する機器を意味する。熱交換器はその構造によって、注水式熱交換器、二重管式熱交換器、フィンチューブ熱交換器、およびシェルアンドチューブ式熱交換器に分類され得る。二重管式熱交換器には内管および外管が含まれ、熱が内管の流体と、内管および外管の間の流体との間で熱交換される。そのような二重管式熱交換器は、小さくしたサイズを有することを要求されつつ熱効率を高めるために、主に使用されている。

図１は、通常の二重管式熱交換器の例を示す図であり、ここで熱交換器の内部で温水通路が形成され、加熱水通路が熱交換器の外部で形成されている。

バーナー１０から生成された熱エネルギーは、熱交換器２０の温水熱交換管２１に伝達され、次に加熱された水は、温水管３２を介して熱交換器２０の外部へ出される。さらに、室内を暖房しながら、温水熱交換管２１の温水から温水熱交換管２１内に設置された加熱水熱交換管２２へ熱を受け取っている加熱水は、加熱水熱交換管２２の出口４１を介して暖房が必要とされる場所へ供給されて、そこへ熱を伝達するように循環ポンプ５１が作動する。

上記しない参照符号１１は、バーナー１０の燃焼熱を熱交換器２０へブローするためのブロワを示し、参照符号３１は、温水として加熱されるべき冷水が供給される冷水管を示す。参照符号４２は、加熱水出口４１から出て加熱管を循環した後に加熱水が戻る加熱水戻り口を意味し、参照符号５０は、加熱管内で生成した空気を除去し、加熱水の温度上昇により加熱水の膨張によって管内で生じた圧力を減少させ、ボイラ内の水の量を恒常的に維持する膨張タンクを示す。

必要な加熱温度が高い場合、外部熱交換管２１の温度は、内部熱交換管２２の温度よりも高くなる。比較的高温で室内の暖房中に温水が使用されるとき、熱交換器２０の外部熱交換管２１から温水が出される。高温温水が熱交換器２０から出されるとき、ユーザーは火傷の危険に晒されるという問題がある。

このように本発明は、先行技術で生じる上述の課題を解決するためになされ、暖房のための温度が所望の温度よりも高く設定されているとき、高温温水が供給されることを防止するため、冷水を初期温水と混合することができる、二重管熱交換器から供給される初期温水を防止し、それによりボイラからの温水の放出によって生じる火傷の危険を除去する機器と、これを制御する方法とを提供することが本発明の目的である。

本発明の目的を達成するため、本発明の局面に従うと、冷水が導入される冷水管、バーナーの燃焼熱を吸収することで冷水を温水に加熱して温水を出すための温水熱交換管、温水熱交換管から出された高温温水を供給するための温水管、および加熱水戻り口および加熱水出口に両端が接続され、温水熱交換管内に配置された加熱水熱交換管、を含む二重管熱交換器から出される初期温水を防ぐための機器であって、冷水管内の冷水を温水管へ直接供給するための、前記冷水管および前記温水管の間で延びるバイパス管と、バイパス管の一方端に設置された混合弁と、加熱水温度を検出するための、加熱水出口に設置された加熱水温度センサと、温水温度を検出するための、温水供給管に設置された温水温度センサと、加熱水温度センサおよび温水温度センサによって検出された温度値を受けることで、混合弁の開度を制御するためのコントローラと、を備える機器が提供される。

本発明の目的を達成するため、本発明の別の局面に従うと、二重管熱交換器から出される初期温水を防ぐために機器を制御する方法であって、冷水を温水管に直接供給するため、コントローラによって混合弁の開放を制御する工程と、コントローラが温水の使用を検出する場合は、加熱水供給温度および温水温度が所定の温度よりもそれぞれ下がると、温水熱交換管内で温水のみを温水管に供給するため混合弁を閉じる工程と、を備える方法が提供される。

有利な効果
本発明は、温水が使用され始めるときに冷水を温水と混合することができ、その後混合した水を出すことで初期温水による火傷を防ぐことができる。所定の温度よりも温水の温度が下がるとき、バーナーによって加熱された温水は、直接出されることで、ユーザーに適切な温度の温水を供給することとなる。

以下、本発明の好適な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。

図２は、本発明に従った二重管熱交換器の構成を示す図である。

図１の通常の二重管熱交換器の構造要素の機能と同じ機能を有する本発明の二重管熱交換器の構造要素は、同じ参照符号で示し、その説明は重複する説明となるため省略する。

図２に示すように、バイパス管６０が、冷水管３１と温水管３２との間に延び、これは、バーナー１０によって生成された燃焼熱で熱交換されない。混合弁６１がバイパス管６０上に設置されてバイパス管６０内の流体の通路を開閉する。

混合弁６１は、その開放の度合いがコントローラ７０の制御信号に基づいて調節される弁（ｖａｌｕｅ）である。

加熱水用温度センサ２３および温水用温度センサ３３が、コントローラ７０の入力端にそれぞれ接続されている。温度センサ２３および３３は、加熱水熱交換器２２から加熱水出口４１へ供給される加熱水の温度を、および温水熱交換器２１から温水管３２へ供給される温水の温度をそれぞれ検出することで、温度値をコントローラ７０に入力する。

コントローラ７０は、加熱水温度センサ２３および温水温度センサ３３の検出された温度に応じて、ボイラの全体の動作および混合弁６１の開度を制御する。特に、本発明を実施するため、混合弁６１は、コントローラ７０の制御のもとで常に開である。加熱水温度センサ２３によって検出された加熱水の温度が、所定の温度を下回り、温水温度センサ３３によって検出された温水の温度も、所定の温度を下回るとき、混合弁６１は、コントローラの制御のもとで閉じる。

特に、混合弁６１が開のとき、冷水管３１およびバイパス管６０を介して温水管３２に冷水が導入されることで温水が冷水と混合される。このため、ユーザーが温水スイッチを開放するときでも、初期的には高温水が出ない。混合弁６１が閉のとき、冷水管３１に沿って温水管３２へ流れる低温冷水の導入が遮られることで、ユーザーは、低温水ではなく適切な温度の温水を使用することができる。

上述のように、熱交換器２０の温水を充分に冷却する量の冷水がバイパス管６０を介して流れ得るように、冷水管３１を温水管３２へ接続するバイパス管６０の径が設計されることは明らかである。

さらに、本発明の実施形態において、混合オン／オフ弁または混合流体制御弁が混合弁として使用され得る。しかし、本発明は、上述の弁に限定されず、弁の開度（ｄｅｇｒｅｅ）を調節できれば他の弁が利用され得る。

図３は、本発明に従った、二重管熱交換器から初期温水が供給されることを防ぐ機器を制御する方法を説明するフローチャートである。

コントローラ７０は、ボイラの初期動作時に混合弁６１の開状態を維持する。従って、混合弁６１としては開いた弁が好ましくは使用される。

ボイラに設置されたフロースイッチ３４等が、温水の使用を検出し、検出した信号をコントローラ７０へ入力すると、コントローラ７０は、加熱水出口４１の加熱水管に設置された加熱水温度センサ３によって検出された加熱水の温度をチェックする。

加熱水温度が所定の温度Ｔｓ（例えば、摂氏６０度）以上のときは、コントローラは、出された温水の温度が非常に高いと判断し、混合弁６１を開状態に維持させ続ける。温度Ｔｓは、混合弁６１を連続的に開状態とするよう前もって設定されており、それにより、温水管３２を介して外部に供給される温水と冷水が混合され、温水がユーザーを火傷させるほど充分に高い温度を有しているものと見込んで温水の温度を下げる。温度Ｔｓは、本発明の要旨から逸脱することなく本発明の範囲内で変更できる。

次いで、加熱水温度が温度Ｔｓ以下であるとコントローラ７０が検出すると、コントローラ７０は、温水管３２に設置された温水温度センサ３３の検出された温度を受けてチェックする。このとき、温水温度が所定の温度Ｔｗ以上（例えば摂氏５０度）であるとき、コントローラは、出された温水の温度がなお高いと判断し、混合弁６１を開状態に維持させ続ける。所定の温度Ｔｗは、混合弁６１を連続的に開状態とするよう前もって設定されており、それにより、温水管３２を介して外部に供給される温水と冷水が混合され、温水がユーザーを火傷させるほど充分に高い温度を有しているものと見込んで温水の温度を下げる。温度Ｔｓは、本発明の要旨から逸脱することなく本発明の範囲内で変更できる。

温水使用後時間が立つと、熱交換器２０の外部温水熱交換器２１内の高温温水が全て出される。熱交換器２０を通過する間、冷水は、温水へと加熱されるべくバーナー１０の燃焼熱を吸収し、その後、出される。このとき、使用される温水の量に応じた高温温水に加熱される前に冷水が出され得るので、加熱水温度センサ２３によって検出された加熱水の温度が、所定の温度Ｔｓを下回って下がり、温水温度センサ３３によって検出された温水の温度が所定の温度Ｔｗを下回って下がる。従って、コントローラ７０は、混合弁６１を閉じて、冷水が温水と混合されることを防ぐ。

その後、コントローラ７０は、温水制御アルゴリズムに基づいて温水の温度を制御する一般的動作を実行する。

さらに、温水が長時間使用されない場合は、加熱水の温度と温水の温度は設定された温度ＴｓおよびＴｗよりも高くなることで、制御動作が繰り返される。

上述のように、本発明は、二重管熱交換器から出される初期温水を防ぐための機器に適用され得、温水が使用され始めるとき、温水を冷水と混合して出し、それにより、初期温水による火傷を防ぐ。温水の温度が所定温度より下がる場合は、バーナーによって加熱された温水が直接出される。従って、ユーザーに適切な温水を供給することができる。

本発明の好適な実施形態を説明のために記載してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲に開示された発明の範囲と精神から逸脱することなく、多様な改変、追加、および置換が可能であることを理解するであろう。

本発明の、前述のおよび他の目的、特徴、ならびに利点は、添付の図面とともに上記の詳細な説明からさらに明確になるであろう。添付の図面は、
通常の二重管熱交換器を示す図である。 本発明に従った二重管熱交換器の構成を示す図である。 本発明に従って、二重管熱交換器から初期温水が出されることを防ぐための機器を制御する方法を説明するフローチャートである。

Claims (3)

1. 冷水が導入される冷水管、バーナーの燃焼熱を吸収することで冷水を温水に加熱して温水を出すための温水熱交換管、前記温水熱交換管から高温温水を供給するための温水管、および加熱水戻り口および加熱水出口に両端が接続され、温水熱交換管内に配置された加熱水熱交換管、を含む二重管熱交換器から排出される初期高温温水を防ぐための機器であって、
   冷水管内の冷水を温水管へ直接供給するための、前記冷水管および前記温水管の間で延びるバイパス管と、
   前記バイパス管上に設置された混合弁と、
   前記加熱水温度を検出するための、前記加熱水出口に設置された加熱水温度センサと、
   温水温度を検出するための、前記温水管に設置された温水温度センサと、
   前記加熱水温度センサおよび前記温水温度センサによって検出された温度値を受けることで、前記混合弁の開閉を制御するためのコントローラとを備え、
   前記コントローラが、前記機器の初期動作時に前記混合弁を開いた状態に維持し、前記加熱水温度センサによって検出された加熱水の温度が第１の所定の温度を下回り、その後に前記温水温度センサによって検出された温水の温度が第２の所定の温度を下回ったときに前記混合弁を閉じる制御を行う、機器。
2. 前記混合弁が、常時開放している弁を含む、請求項１に記載の機器。
3. 二重管熱交換器から出される初期高温温水を防ぐために請求項１の機器を制御する方法であって、
   前記機器の初期動作時に、前記コントローラが前記混合弁を開いた状態に維持し、冷水を前記冷水管から前記バイパス管を通して前記温水管に供給する工程と、
   前記コントローラが温水の使用を検出した場合は、前記加熱水温度センサによって検出された加熱水の温度が第１の所定の温度を下回り、その後に前記温水温度センサによって検出された温水の温度が第２の所定の温度を下回ったときに、前記コントローラが前記混合弁を閉じ、前記温水熱交換管から前記温水管に温水のみを供給する工程と、を備える方法。

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