JP5160397B2 - 深絞り成形型 - Google Patents
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Description
このプレス装置では、予め剪断加工により金属シート材からブランク材を打ち抜いておき、該ブランク材に円筒深絞り加工を施すことにより、カップを得る。
この構成によれば、ブランク材4をダイス2の上に配置すると共に、その周端縁部4aをブランクホルダ3でダイス2に押圧保持し、パンチ1を下降させてブランク材4を押し下げながら、押圧保持されたブランク材4の周端縁部4aを被成形部へ滑らせて送り込むことにより、しわのない所望のカップを得ることができる。
しかしながら、深絞り加工が進み、ブランクホルダ3がその内周側底面でブランク材4の周端縁部4aのみを押圧する深絞り加工末期の段階においては、該周端縁部4aをダイス2の肩部2aへ安定的に滑らせて送るだけの押圧が加わってさえいれば、しわ発生の虞はない。
また、かかる場合には、深絞り加工末期の段階で、プレス装置に余計な負荷をかけていることにもなるから、プレス寿命の低下も招く。
なお、図6中の各部の寸法は、ブランク材4の板厚をtとした場合に、θ1>20゜,θ2>10゜,W<1.4L,L>5tに設定されている。
請求項1に記載した発明は、成形用のパンチと、成形用のダイスと、ブランク材を前記ダイスとの間で押圧保持するブランクホルダとを備えた深絞り成形型において、前記ブランクホルダの押圧面側に平坦状をなす凸部とリング溝状をなす凹部とが径方向に交互に複数形成されており、前記押圧面を構成する凸部から凹部へ移行する凹部入り側の傾斜面、及び前記凹部から前記凸部へ移行する凸部入り側の傾斜面と、前記ダイス側の押圧面との挟角を共に鋭角に設定するとともに、前記ブランク材の板厚をtとしたときに、前記凹部の間隔Lが、1.5t<L<5tの範囲内とされ、前記凹部の幅Wが、1.4L<W<3.4Lの範囲内とされており、前記凹部入り側の傾斜面と前記ダイス側の押圧面との挟角θ1と、前記凸部入り側の傾斜面と前記ダイス側の押圧面との挟角θ2との間に、θ1>θ2の関係があることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、リング溝内にてブランク材に故意に小さなしわを発生させると共に、このしわを凸部入り側の凹凸移行部に引っかけることにより、ブランク材に適度な引張力を発生させ得るので、結果的にしわの発生を有効に防止できると共に、いわゆるピンチングの発生も防止でき、歩留まりが向上する。
さらに、凹部にてしわ抑え面圧が解放されて、ブランク材の押圧保持力が低減するので、プレス装置への負荷が軽減し、プレス寿命も延ばすことができる。
また、ブランク材への押圧保持力を解放する凹部入り側にて、適度な大きさのしわをブランク材に発生させ得ると共に、このしわを凸部入り側の凹凸移行部にて、より確実に抑えこみつつ引っかけることができるようになるので、しわ発生の防止効果がさらに向上する。
図1は、本発明に係る深絞り成形型の一実施の形態を備えたプレス装置の部分断面図である。但し、図示都合上、後述するリング溝の記載は省略した。
この深絞り成形型は、成形用のパンチ11と、成形用のダイス12と、ブランク材を前記ダイス12との間で押圧保持するブランクホルダ13とを備えて構成されている。
他方、ブランクホルダ13は、図1の上下方向に移動可能であり、ダイス12に対して接近又は離間できるようになっている。
このホルダ上面押え16を介して、プレス荷重がブランクホルダ13に伝達されると、図1(a)に示すように、このブランクホルダ13と剪断パンチ15とが一体となって下方移動する。
この状態から図1(b)に示すように、パンチ11を下方移動させると、ブランク材31に深絞り成形が施される。
このブランクホルダ13の上方移動と共にパンチ12を上方移動させれば、カップ33が得られる。
なお、図2はダイス12にブランクホルダ13が当接した状態を示す要部拡大図、図3はブランクホルダ13を押圧面(下面)側から見た平面図、図4はブランクホルダ13の要部拡大図である。
さらに、本実施の形態によるリング溝41は、図2及び図4に示すように、二等辺三角形断面を有している。
なお、符号tはブランク材32の板厚である。
1.4L<W<3.4L …(ii)
3゜<θ1<20゜ …(iii)
3゜<θ2<10゜ …(iv)
0.1t<S<0.4t …(v)
さらに、本実施の形態においては、これら挟角θ1、θ2が共に等しく設定されることにより、二等辺三角形断面のリング溝41になっている。
しかも、リング溝41にてしわ抑え面圧が解放されて、ブランク材32の押圧保持力が低減するので、プレス装置にかかる負荷が減り、プレス寿命も延びる。
例えば、上記実施の形態では、リング溝41の断面形状を二等辺三角形としているが、この形状に限られるわけではなく、不等辺三角形や台形等のように任意の形状を採用をし得る。
この構成によれば、ブランク材32への押圧保持力を解放するリング溝内で適度な大きさのしわをブランク材32に発生させ得ると共に、このしわを凸部入り側の凹凸移行部にて、より確実に抑えこみつつブランク材32に適度な引張力を発生させ得るようになり、しわの発生をより効果的に防ぐことができる。
12 ダイス
13 ブランクホルダ
32 ブランク材
41 リング溝(凹部)
42 平坦部(凸部)
41A 凹部入り側の傾斜面
41B 凸部入り側の傾斜面
θ1 凹部入り側の傾斜角
θ2 凸部入り側の傾斜角
Claims (1)
- 成形用のパンチと、成形用のダイスと、ブランク材を前記ダイスとの間で押圧保持するブランクホルダとを備えた深絞り成形型において、
前記ブランクホルダの押圧面側に平坦状をなす凸部とリング溝状をなす凹部とが径方向に交互に複数形成されており、
前記押圧面を構成する凸部から凹部へ移行する凹部入り側の傾斜面、及び前記凹部から前記凸部へ移行する凸部入り側の傾斜面と、前記ダイス側の押圧面との挟角を共に鋭角に設定するとともに、
前記ブランク材の板厚をtとしたときに、
前記凹部の間隔Lが、1.5t<L<5tの範囲内とされ、
前記凹部の幅Wが、1.4L<W<3.4Lの範囲内とされており、
前記凹部入り側の傾斜面と前記ダイス側の押圧面との挟角θ1と、前記凸部入り側の傾斜面と前記ダイス側の押圧面との挟角θ2との間に、θ1>θ2の関係があることを特徴とする深絞り成形型。
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JP2008324678A JP5160397B2 (ja) | 2008-12-19 | 2008-12-19 | 深絞り成形型 |
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