JP5159656B2 - 鑑識用転写シート、該鑑識用転写シート製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、指紋や足跡、タイヤ跡等の採取に使用する鑑識用転写シート、該鑑識用転写シート製造方法及び装置に関する。
指紋・足跡採取用の粘着シートとして、例えば透明支持フィルムの片面にウレタン系粘着剤を塗布した鑑識用粘着シートが特開2001−40299号公報(特許文献1参照)に開示されている。
特許文献1に開示された鑑識用粘着シートは、透明な支持フィルムの片面にウレタン系粘着剤を塗布したウレタン粘着シートを、表面が離型性プラスチックフィルムからなる台紙に貼着して構成される。
このような鑑識用粘着シートを用いて指紋を採取する手順は、特許文献1にも記載されているように、以下の通りである。まず、採取対象面に粉末を刷毛などで少しずつ塗布し、穂先で軽く払うようにして指紋隆線の部分だけに粉末を付着させて指紋を浮き上がらせる。次いで、粘着シートの一端から剥離紙を兼ねた台紙を剥離して粘着面を採取対象面に当接し、浮き上がらせた指紋を粘着面に完全に転写させ、その後台紙を再び粘着面に貼り合わせる。そして、台紙に採取時、採取場所等の必要事項を記入して、指紋採取を完了する。
しかしながら、台紙は粘着シートから容易に剥離、再貼付できるものであり、保管時に粘着シートあるいは台紙を意図的に貼り替えることができる。また、台紙が粘着シートから自然に剥離し、粘着シートと台紙とが入り乱れる可能性もあった。
このような問題点を解決するため、指紋・足跡等を採取した後に、再度台紙が剥離され貼り替えられたことを直ちに判別可能にすることにより、鑑識用粘着シートの証拠能力を高めることを目的とする鑑識用粘着シートが提案されている。
例えば、特許文献2に提案された鑑識用粘着シートは、支持体の片面に粘着剤層を備えた粘着シート層と前記粘着剤層に再貼付可能に貼り合わせられた台紙層とからなる鑑識用粘着シート本体と、前記粘着シート層と前記台紙層とを貼り合わせた状態で両者を貼着固定する剥離判別用粘着テープとを備えたことを特徴とするものである(特許文献2参照)。
しかしながら、上記の特許文献2の方法においては、粘着シートと台紙を剥がすと痕跡が残るテープである剥離判別用粘着テープという特殊なテープを用いているためにコストが高くなるし、また、痕跡が残るテープを上手に貼り替えると、貼り替えの事実がわかりにくくなるという問題もある。
そこで、本願の発明者は、コストが高くならず、また、証拠能力の高い鑑識用転写シートを得ることを目的として、社会的にも長年に亘って証明力があるものと受け入れられている割印に着目し、これを鑑識用転写シートの貼替え防止に応用した鑑識用転写シートを提案した(特許文献3参照)。
特許文献3に開示された鑑識用転写シートは、片面に粘着剤層を備えた粘着シートと前記粘着剤層に再貼付可能に貼り合わせられた台紙とからなる鑑識用転写シート本体と、前記粘着シート層と前記台紙とを貼り合わせた状態で両者の縁部に沿って両面に亘って貼着した捺印可能な貼着部材とを備えたものである。
特開2001−40299号公報 特開2003−89776号公報 登録実用新案第3127594号公報
特許文献3に開示された鑑識用転写シートは、その構成が簡易であり低コストでありながら、証拠能力を高められるという点で優れたものである。
しかしながら、一般的に粘着シートの表面がつるつるした平滑面であるため割印方法では粘着シート面への印影を鮮明にして捺印することが難しく、粘着シート面の印影が不鮮明になるという問題がある。この点、仮に特殊なインクを用いて印影を鮮明にして落ちにくくすることも考えられるが、このようにすると印鑑を洗浄するのに特殊な溶剤を必要とし、それ故に印鑑に損傷を与えることも考えられる。
また、特許文献2、3に開示された方法は、指紋等を採取して、粘着シートと台紙を一度貼り合わせたら、それ以降は両者が分離していないことを証明することによって、両者の一体性を確保して証拠能力を高めようとするものである。
しかしながら、経年による粘着力の劣化や何らかの物理的作用によって、粘着シートが台紙から剥離したような場合において、上記の方法では本来は真正な証拠であっても証拠能力の低下をまねくことも考えられる。
本発明は係る問題点を解決するためになされたものであり、コストが高くならず、また、一旦粘着シートと台紙とが分離されたとしても証拠能力の低下を招くことがなく、かつ証拠能力の高い鑑識用転写シートを得ることを目的としている。
上記問題点を解決するために、発明者は、鑑識用転写シートの証拠能力がいかにすれば担保されるのかについて、その原理に立ち返り検討を行った。
鑑識用転写シートは指紋等の採取物件、採取日、採取者、立会人当を直筆で記載すると共に捺印した台紙と、採取した指紋等が転写された粘着シートから構成される。そして、それらが指紋採取時に張り合わされて一体になることで、当該転写された指紋が当該台紙に記載された採取物件等のものであることを示すものである。したがって、鑑識用転写シートの証拠能力を担保するには、採取された指紋が転写された粘着シートと当該指紋が採取された採取物件等とを記載した台紙との対応関係が指紋採取時のままであることが明確であればよい。
この点、特許文献2、3に開示されたものは、指紋等が採取されたときに粘着シートと台紙とが一旦貼り合わされた後、それが一度も剥がされていないことを証明することで両者の対応関係が異なるものに入れ代わっていないことを証明しようという考え方である。
しかしながら、このような考え方では、上述のように経年による粘着力の劣化や何らかの物理的作用によって、台紙が粘着シートから剥離したような場合において、本来は真正な証拠であっても証拠能力の低下をまねくという問題がある。
そこで、発明者は従来の発想を転換して、粘着シートと台紙が元々一体であったことを確認できるようにすることで、両者が分離した形跡の有無を問わず証拠能力を高めることができるとの知見を得た。
そこでこのようなことを実現するためにさらに検討を行った。
台紙側には署名捺印がされることから台紙は真正である。したがって、台紙に張り合わされている粘着シートが張り合わされた当初のものと同一のものであることを確認できるようにすればよい。そのために、粘着シートと台紙とを貫通するようにして刻印をし、しかもその刻印を通常の方法では再現できず、しかも簡易に刻印できるようにするにはどうすればよいかを鋭意検討した。
本発明はこのような発想の転換と検討に基づきなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係る鑑識用転写シートは、片面に粘着剤層を備えた粘着シートと、前記粘着剤層に再貼付可能に貼り合わせられた台紙とを備え、前記台紙には採取日時、採取者を含む一まとまりの記載事項を記載できる記載枠が複数印刷されている鑑識用転写シートであって、
前記鑑識用転写シートの少なくとも一辺に前記台紙と前記粘着シートの両方に跨って複数の記号が連続して刻印されており、これら記号における隣接するものの大きさ及び隣接する記号同士の間隔が異なるように設定され、かつ前記刻印はレーザによってなされており、前記台紙と前記粘着シートの両方を刳り貫くように刻印されるか又は前記台紙を刳り貫いて前記粘着シートには熱による着色するように刻印されていることを特徴とするものである。
なお、本明細書において記号には文字、数字、その他の記号を含む。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、隣接する記号の大きさ及び/または隣接するもの同士の間隔が0.5pt以内の範囲で異なるように設定されていることを特徴とするものである。
なお、「pt」とは、文字サイズを示すものであり、JISで採用されている1ポイント=0.3514mmを意味する。
(4)本発明に係る鑑識用転写シート製造方法は、片面に粘着剤層を備えた粘着シートと前記粘着剤層に再貼付可能に貼り合わせられた台紙とを備え、前記台紙には採取日時、採取者を含む一まとまりの記載事項を記載できる記載枠が印刷されている鑑識用転写シートの少なくとも一辺に記号を連続して刻印する刻印工程を有し、該刻印工程において、隣接する記号の大きさ及び隣接する記号同士の間隔が異なるように刻印するようにし、前記刻印はレーザを照射することにより前記台紙と前記粘着シートの両方を刳り貫くように刻印するか又は前記台紙を刳り貫いて前記粘着シートには熱による着色するように刻印することを特徴とするものである。
(6)本発明に係る鑑識用転写シート製造装置は、刻印する文字列を入力する文字列入力手段と、入力された文字列に対して、各文字の大きさ及び/または文字間隔をランダムに設定するランダム文字列設定手段と、ランダム文字列設定手段によって設定された文字列を刻印するためにレーザ刻印装置に指示する制御手段と、制御手段の指示に従って文字列を鑑識用転写シートに刻印するレーザ刻印装置とを備えてなることを特徴とするものである。
本発明に係る鑑識用転写シートは、片面に粘着剤層を備えた粘着シートと前記粘着剤層に再貼付可能に貼り合わせられた台紙とを備えた鑑識用転写シートであって、鑑識用転写シートの少なくとも一辺に前記台紙と前記粘着シートの両方に跨って複数の記号が連続して刻印されており、これら記号における隣接するものの大きさ及び/または隣接する記号同士の間隔が異なるように設定されているので、粘着シートと台紙とが元々一体であったという事実を確認することができ、仮に指紋採取後に両者が分離したとしても、両者の関連性の証明は容易であり、鑑識用転写シートの証拠能力を高めることができる。
本発明の一実施の形態に係る指紋転写シートの説明図である。 本発明の一実施の形態に係る指紋転写シートの説明図である。 本発明の一実施の形態に係る指紋転写シートの断面図である。 本発明の一実施の形態に係る指紋転写シートの一部を拡大して示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る指紋転写シートの他の態様の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る指紋転写シートの他の態様の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る指紋転写シート製造装置の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る指紋転写シートを用いて指紋採取を行う方法の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る指紋転写シートを用いて指紋採取を行う方法の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る指紋転写シートを用いて指紋採取を行う方法の説明図である。
[実施の形態1]
本実施の形態においては鑑識用転写シートの例として、指紋を採取するための指紋転写シートを例に挙げて説明する。
図1、図2、図3は本実施の形態にかかる指紋転写シートの説明図であり、図1が表面側(粘着シート面側)を示し、また図2が裏面側(台紙側)を示し、さらに図3は断面図を示している。本実施の形態にかかる指紋転写シート1は、片面に粘着剤層3を備えた粘着シート5と前記粘着剤層3に再貼付可能に貼り合わせられた台紙7とを備え、指紋転写シート1の上下二辺に台紙7と粘着シート5の両方に跨って英文字が連続して刻印されており、これら英文字における隣接するものの大きさ及び隣接するもの同士の間隔が異なるように設定されているものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
<指紋転写シート>
指紋転写シート1は、図3に示すように、片面に粘着剤層3を備えた粘着シート5と粘着剤層3に再貼付可能に貼り合わせられた台紙7とからなる。
台紙7には、図2に示すように、採取日時、事件名、採取者、立会人等の一まとまりの記載事項を記載できる枠(以下、「記載枠」という)が6個印刷されている。
なお、本実施の形態の指紋転写シート1では、記載枠が6個印刷された場合が示されているが、その数は特に限定されない。ただ、記載枠を複数印刷しておくことで、指紋転写シート1を指紋採取対象の大きさに合わせて切断して使用する際にも、切断した各片に記載枠が少なくとも一つ存在するようにできるので、便宜である。
指紋転写シート1の上下2辺には、図1、図2に示すように、「HIJTY」の5文字が連続した一組の文字列が連続して刻印されている。これらの文字列は粘着シート5と台紙7の両方に跨って貫通するように刻印されている。図4は文字列の刻印の状態を説明する説明図であり、図1の点線の丸で囲んだ部分における粘着シート5の一部を剥がした状態を示している。図4に示されるように、文字が刻印された部位においては粘着シート5と台紙7の両方が各文字の形になるように刳り貫かれている。
これらの「HIJTY」の5つ文字が繋がって形成される文字列は、隣り合う各文字の大きさが微妙に異なるように設定されており、かつ隣り合う各文字間の間隔が微妙に異なるように設定されている。ここでいう微妙に異なるとは、隣接する文字の大きさ及び文字間隔の差が0.5pt以内で異なっていることをいう。
例えば、図2における上辺に刻印した文字のうち左から「HIJTYH」の6文字を取り出して各文字の大きさと文字間隔を示す次の表1のようになっている。
Figure 0005159656
表1に示すように、図2における上辺の「HIJTYH」においては、Hの大きさが10.0pt、Iが10.5pt、Jが10.0pt、Tが9.5pt、Yが9.0pt、Hが9.5ptにそれぞれ設定されている。また、HとIの間隔すなわち文字送りが10.5pt、IとJの間隔が10.7pt、JとTの間隔が10.5pt、TとYの間隔が10.0pt、YとHの間隔が10.3pt、にそれぞれ設定されている。
なお、取り出した6文字に続く文字についても上記の6文字と同様に隣り合う各文字の大きさが微妙に異なるように設定されており、かつ隣り合う各文字間の間隔が微妙に異なるように設定されている。
このように、指紋転写シート1の上下2辺に文字列を刻印し、これら刻印した隣り合う各文字の大きさが微妙に異なるように設定されており、かつ隣り合う各文字間の間隔が微妙に異なるように設定することで、以下のような効果が得られる。
指紋転写シート1は所定の大きさに切り取って使用することになるが、その際に各切り取った部位に付されている文字列のパターン(大きさと文字間隔)の同じものが存在しないので、仮に悪意の者が別の粘着シート5に指紋を転写して台紙7に貼りつけようとしても、パターンの文字列の粘着シート5がないので、そのようなことができない。また、仮に粘着シート5に付された刻印と同じものを刻印しようとしても、文字の大きさ及び文字間隔が微妙に違ったものを作成しようとしても極めて困難であり、そのような悪意者の行為も排除できる。
逆に、真正のものであれば、粘着シート5と台紙7が分離したとしても、両者の関連性は文字列の大きさと間隔の一致をみれば明確に確認することができ、粘着シート5と台紙7が分離したしても証拠能力が失われることもない。
なお、上記の実施の形態においては、図4に示したように、台紙7側及び粘着シート5の両方の文字が刳り貫かれる場合を示したが、図5に示すように、台紙7側の文字が刳り貫かれ、粘着シート5側の文字には着色がされるような態様であってもよい。
また、上記の実施の形態においては、英文字5文字からなる文字列を連続して刻印する例を示したが、英文字に限らず他の文字やその他の記号など何であってもよい。この場合、例えば数字の「0」や英文字の「D」のような閉じた線を有する文字の場合、これらの線が繋がっていると刻印したときに全体が刳り貫かれてしまい文字を明確に表示できなくなってしまう。例えば、「0」の場合には、単なる丸の孔になってしまう。そこで、このようなことを防止するために、文字や記号を表示する方法として、図6(a)(b)に示すように点描方式にしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、文字列の隣り合う各文字の大きさ及び文字間隔が異なることの例として、隣接する文字の大きさ及び文字間隔の差が0.5pt以内で異なっているようにした例を挙げたがこれに限られるものではなく、0.5ptを超える差異があってもよい。もっとも、隣接する文字の大きさ及び文字間隔の差を0.5pt以内にすることにより、その差異が小さくなるので、同じものを製造するのがより難しくなり、より証拠能力を高めることができる。
[実施の形態2]
図7は本発明の一実施の形態に係る指紋転写シート製造装置の説明図である。指紋転写シート製造装置9は、刻印する文字列を入力する文字列入力手段11と、入力された文字列に対して、各文字の大きさ及び/または文字間隔をランダムに設定するランダム文字列設定手段13と、ランダム文字列設定手段13によって設定された文字列を刻印するためにレーザ刻印装置17に指示する制御手段15と、制御手段15の指示にしたがって指紋転写シート1に文字列の刻印をするレーザ刻印装置17を備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
<文字列入力手段>
文字列入力手段11としては、例えばキーボードなどである。その他の例としては、音声によって文字列を入力する音声文字入力装置のようなものであってもよい。
<ランダム文字列設定手段>
ランダム文字列設定手段13は、文字列入力手段11によって入力された文字列に対して、各文字の大きさ及び/または文字間隔をランダムに設定するものであり、CPUがプログラムを実行することで実現されるものである。
ランダム文字列設定手段13による文字列の設定方法の一例を、例えば、実施の形態1で説明したような「HIJTY」の5文字からなる文字列が入力された場合を想定して説明する。
実施の形態1で説明したように、「HIJTY」の5つの文字列において、隣り合う各文字の大きさや、隣り合う各文字間の間隔がランダムに設定される。
このような隣り合う各文字の大きさや、隣り合う各文字間の間隔をランダムに設定するためのプログラムは種々のものが考えられるが、その一例を挙げれば以下のようなものである。
(ア) 基礎となるL文字の文字列SをS=C+C+・・・・・+C(L−1)+Cとする。
ただし、Lは1以上の整数、Sは任意もしくは連番で与えられる。
例えば、L=5の場合において、上記の5文字を用いると、文字列Sは、「S=HIJTY」となる。
(イ)刻印する文字列DはD=S+S+・・・・・+S(K−1)+Sとなる。
ただし、K=(刻印可能幅)÷(文字列Sの最大値)
例えば、印刷可能幅が15cmであり、文字列Sの最大幅が5cmであれば、K=3となる。
K=3の場合、上記の基礎となる文字列SがS=HIJTYの場合、刻印する文字列Dは、
D=HIJTYHIJTYHIJTYとなる。
(ウ)SのCのポイント数はPN.Mとする。
(エ)SのCの前の文字との文字間長はWN.Mとする。
但し、W1.1は絶対座標0からの長さとする。
(オ)PN.M及びWN.Mの具体的なポイント数は、N=1からLまで、M=1からKまでに関して下記(i)(ii)の方法で各々の値を作成する。
なお、PN.M並びにWN.Mは、刻印装置の刻印精度以下にならないように計数と定数で調整される。
(i) PN.M=乱数×計数+定数
(ii) WN.M=乱数×計数+定数
次に、上記のような指紋転写シート製造装置9による指紋転写シートの製造方法を説明する。文字列入力手段11によって任意の文字列を入力する。例えば、「HIJTY」を入力する。文字列が入力されると、ランダム文字列設定手段13が入力された文字列に対して各文字の大きさ及び文字間隔をランダムに設定する。このとき、一組の文字列「HIJTY」についてのみランダムに設定するのではなく、これが連続する文字列として、一組目の文字列と二組目の文字列についても異なるようにランダムに設定する。
ランダム文字列設定手段13によって文字列を構成する各文字の大きさ及び文字間隔が設定されると、制御手段15がこの設定値に基づいて刻印するようにレーザ刻印装置17に指示をする。レーザ刻印装置17は制御手段15の指示に従って指紋転写シート1の所定の箇所にレーザを照射して文字列の刻印を行う。なお、刻印に際しては、台紙7側からレーザを照射してもよいし、粘着シート5側から照射してもよい。また、図4に示したように、台紙7と粘着シート5の両方を刳り貫くように刻印してもよいし、図5に示すように、台紙7側を刳り貫いて粘着シート5側には熱による着色を付けるようにしてもよい。レーザの強さによって設定することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、粘着シート5と台紙7との関連性が確保され、仮に指紋採取後に両者が分離したとしても、両者の関連性の証明は容易であり、指紋転写シート1の証拠能力を高めることができる指紋転写シートを簡易に製造することができる。
図8〜図10は指紋転写シート1の使用方法の説明図である。以下、指紋転写シート1の使用方法を、図8〜図10に基づいて説明する。
指紋の採取現場において、指紋の採取対象物の表面に刷毛などで粉末を少しずつ塗布し、穂先で軽く払うようにして指紋隆線の部分だけに粉末を付着させて指紋を浮き上がらせる。次に、図8(a)に示すように、指紋転写シート1を指紋採取面積に応じて鋏などで切断する。ことのとき、切り取った指紋転写シート片19の裏面を示す図8(b)のように、指紋転写シート片19の裏面には、一まとまりの必要事項記載欄を含む記載枠が少なくとも一つ含まれるようにするのが望ましい。
次に、所定の大きさに切断した指紋転写シート片19の一端から台紙7を一部剥離して粘着シート5の粘着面を採取対象面に当接する。そして、さらに台紙7を剥離しながら浮き上がらせた指紋の全形を粘着面に転写させる。その後、台紙7を再び粘着面に貼り合わせることで、図9に示すように、指紋の全形を粘着シート5に転写させた状態となる。そして、図10に示すように、台紙7の裏面に採取時、採取場所等の必要事項の記入と捺印をする。この例では、採取年月日:平成18年8月31日、採取NO:51、採取場所:×××方、事件名:○○○、採取物件:玄関ドア、立会人:鈴木次郎、採取者:清水太郎、を記入し、採取者と立会人の捺印を行う。
上記のようにして指紋を採取した場合において、仮に悪意ある第三者が指紋を転写した粘着シート5を付け替えようとしても、同じ文字列(文字の大きさ及び文字間隔)を刻印した指紋転写シートは存在しないのでそのような指紋転写シートの粘着シートを転用して用いることができない。また、仮に同じ文字列の刻印を再現して製造しようとしても、文字の大きさ及び隣接する文字間の間隔が微妙に異なるように設定されているので、そのようなものを再現して製造するのは極めて困難であり、そのような行為をも排除できる。このように、本発明の指紋転写シート1であれば、悪意の第三者の上記のような行為を排除でき、その結果、指紋転写シート1の証拠能力を高めることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、簡易な手段によって、証拠能力の高い鑑識用転写シートキットを得ることができる。しかも、コストが高くなることもない。
また、指紋転写シート1を指紋採取対象面積に対応した大きさに切断して使用した場合にも適用できるので、極めて経済的である。
上記の実施の形態においては、指紋採取について説明したが、本発明は指紋の他足跡、タイヤ跡等の採取にも適用できることはいうまでもない。
1 指紋転写シート
3 粘着剤層
5 粘着シート
7 台紙
9 指紋転写シート製造装置
11 文字列入力手段
13 ランダム文字列設定手段
15 制御手段
17 レーザ刻印装置
19 指紋転写シート片

Claims (3)

  1. 片面に粘着剤層を備えた粘着シートと、前記粘着剤層に再貼付可能に貼り合わせられた台紙とを備え、前記台紙には採取日時、採取者を含む一まとまりの記載事項を記載できる記載枠が複数印刷されている鑑識用転写シートであって、
    前記鑑識用転写シートの少なくとも一辺に前記台紙と前記粘着シートの両方に跨って複数の記号が連続して刻印されており、これら記号における隣接するものの大きさ及び隣接する記号同士の間隔が異なるように設定され、かつ前記刻印はレーザによってなされており、前記台紙と前記粘着シートの両方を刳り貫くように刻印されるか又は前記台紙を刳り貫いて前記粘着シートには熱による着色するように刻印されていることを特徴とする鑑識用転写シート。
  2. 隣接する記号の大きさ及び/または隣接するもの同士の間隔が0.5pt以内の範囲で異なるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の鑑識用転写シート。
  3. 片面に粘着剤層を備えた粘着シートと前記粘着剤層に再貼付可能に貼り合わせられた台紙とを備え、前記台紙には採取日時、採取者を含む一まとまりの記載事項を記載できる記載枠が印刷されている鑑識用転写シートの少なくとも一辺に記号を連続して刻印する刻印工程を有し、該刻印工程において、隣接する記号の大きさ及び隣接する記号同士の間隔が異なるように刻印するようにし、前記刻印はレーザを照射することにより前記台紙と前記粘着シートの両方を刳り貫くように刻印するか又は前記台紙を刳り貫いて前記粘着シートには熱による着色するように刻印することを特徴とする鑑識用転写シート製造方法。
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