JP2017007193A - 再利用防止ホログラムを備えた偽造防止媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 剥離による再利用を防止するホログラムにおいて、ホログラムの回折格子を破壊せず、剥離時に、ホログラムと用紙のいずれも再利用することが困難なホログラムを提供する。【解決手段】 用紙上の一部に、用紙自体を変形して成る凹凸模様と、凹凸模様上に積層されたホログラムから成る再利用防止領域を備え、再利用防止領域は、凹凸模様の凸部上にホログラムが貼付されて成る強接着領域と、凹凸模様の凹部上にホログラムが貼付されて成る、強接着領域よりホログラムの接着性が弱い弱接着領域を有することを特徴とする再利用防止ホログラムを備えた偽造防止媒体である。【選択図】 図1
Description
本発明は、銀行券、有価証券、パスポート、身分証明書等の貴重印刷物に付与されたホログラムにおいて、ホログラムを剥離しようとした際に、ホログラム及び用紙のいずれも再利用が困難となるホログラムに関するものである。
従来から銀行券、有価証券、パスポート、身分証明書等の貴重印刷物には、偽造を防止するための一つの手段としてホログラムが貼付されている。ホログラムを貼付することで、装飾性に加えて、光学的な偽造、例えば、カラーコピー機やDTP(スキャナ、パソコン、プリンタ等)を使用した偽造に対して、高い抵抗力を付与することが、可能となる。
しかしながら、近年、貴重印刷物に貼付されたホログラムを何らかの方法で剥離した後、再利用をして偽造製品を作製する手法が、問題となっている。
このような技術的背景において、ホログラムの剥離を防止する方法として、用紙上にホログラムを貼付した後、ホログラムを有する箇所と有さない箇所に対して割印のようにエンボス模様を形成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、用紙上に厚盛インキから成る絵柄層を形成した後、絵柄層上にホログラムを貼付することで、絵柄層とホログラムが一体化した模様を表することを可能としたホログラムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1により、ホログラムを剥離した場合、用紙上に痕跡が残ることから、用紙を再利用することは、不可能となった。しかしながら、特許文献1は、貼付後のホログラムに対してエンボス加工を施すため、ホログラムの回折格子が破壊されることで、ホログラム自体の絵柄の視認性が低下するという問題がある。
また、特許文献2により、絵柄層が凹凸となってホログラム表面に浮き出ることで、ホログラムを剥離した場合、凹凸を再現することができないことから、ホログラムを再利用することは不可能となった。しかしながら、特許文献2は、厚盛インキから成る絵柄層の上にホログラムを貼付するため、厚盛インキが潰れる又は剥がれた際、ホログラムの剥離が容易となる恐れがある。また、厚盛インキが何らかの方法で溶かされた際も、同様にホログラムの剥離が容易になることから、改善の余地がある。
よって、本発明の目的は、剥離による再利用を防止するホログラムにおいて、ホログラムの回折格子を破壊せず、剥離時に、ホログラムと用紙のいずれも再利用することが困難なホログラムを提供するものである。
前述の目的を達成するために、本発明の再利用防止ホログラムを備えた偽造防止媒体は、用紙上の一部に、用紙自体を変形して成る凹凸模様と、凹凸模様上に積層されたホログラムから成る再利用防止領域を備え、再利用防止領域は、凹凸模様の凸部上にホログラムが貼付されて成る強接着領域と、凹凸模様の凹部上にホログラムが貼付されて成る、強接着領域よりホログラムの接着性が弱い弱接着領域を有することを特徴とする。
また、本発明の再利用防止ホログラムを備えた偽造防止媒体において、強接着領域により、有意味情報が形成されたことを特徴とする。
本発明は、凹凸模様の上にホログラムを貼付することで、ホログラムと凹凸模様の凸部と凹部で接着性の差が生じ、剥離による改竄を行おうとした場合、凹部上のホログラムのみが剥離され、凸部上のホログラムは剥離されず、用紙上に残る。これにより、ホログラムと用紙の、いずれも再利用することが困難となる。
また、柔軟性を有する用紙自体を変形させて成る凹凸模様上にホログラムを貼付することで、用紙がクッション材として働くことで、ホログラムの回折格子に凹凸模様の影響が伝わりにくいことから、回折格子が破壊されずに、貼付することが可能となる。
本願発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本願発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他色々な実施の形態が含まれる。
図1は、本発明の偽造防止媒体(1)を示す平面図及び断面図である。偽造防止媒体(1)は、例えば、銀行券、有価証券、パスポート、身分証明書等の貴重印刷物であり、図1(a)の平面図に示すように、用紙(2)の少なくとも一部に、再利用防止領域(3)を有している。なお、再利用防止領域(3)以外の領域には、料額、文字、模様等の偽造防止媒体(1)に必要な情報が公知の印刷方式(例えば、オフセット印刷、凹版印刷等)で施されていても良い。
用紙(2)は、上質紙、コート紙又はアート紙等の印刷可能な紙基材である。本発明では、後述するが、用紙(2)自体を変形して成る凹凸模様(4)の上にホログラム(5)を貼付する必要がある。そのため、凹凸模様(4)の上のホログラム(5)が、貼付時に割れたり、回折格子の効果が薄れたりすることを防ぐために、紙基材を用いる必要がある。
図1(b)は、図1(a)に示す再利用防止領域(3)のA−A’断面図である。再利用防止領域(3)は、凹凸模様(4)の上に、ホログラム(5)の少なくとも一部が貼付して成る。なお、ホログラム(5)は、凹凸模様(4)をすべて覆うように貼付されていても良い。
凹凸模様(4)とは、用紙(2)自体を変形することで形成された、複数の凸部(6)から成る。隣り合う凸部(6)の間には、凹部(7)を有する。なお、用紙(2)自体を変形させるとは、用紙(2)に対してレーザ加工、すき入れ又はエンボス加工により施すことである。
本発明の原理についての詳細は後述するが、用紙(2)に形成した凹凸模様(4)上にホログラム(5)を形成することにより、剥離時に、用紙(2)の凸部(6)上のみにホログラム(5)が残ることで、ホログラム(5)と用紙(2)の両方が再利用不可能となる。凸部(6)を、凹版印刷、スクリーン等の厚盛印刷によりインキで形成した場合、凸部(6)自体が、用紙(2)から剥がれることで、用紙(2)については再利用されてしまう危険性があるため、凹凸模様(4)は、用紙(2)自体を変形して凸部(6)を形成する必要がある。
なお、凸部(6)は、すき入れ又はレーザ加工により形成することが、好ましい。すき入れ又はレーザ加工は、用紙(2)の繊維量を異ならせることで凸部(6)を形成することから、時間が経過しても凸部(6)の形状を保つことが可能である。一方、エンボス加工は、用紙(2)の繊維量を異ならせずに、エンボス型を用紙(2)に押圧して凸部(6)を形成することから、時間が経過した場合、凸部(6)の形状が加工前のフラットな形状に戻る傾向がある。よって、偽造防止媒体(1)における再利用防止領域(3)の効果を長期的に維持するためには、すき入れ又はレーザ加工により形成することが、好ましい。
凸部(6)は、画線、点、画素の少なくとも一つ又はそれぞれの組合せである。図2は、凸部(6)の一例を示す平面図である。
画線とは、図2(a)、図2(b)、図2(c)及び図2(d)に示すような、直線、破線、波線又は破線状の波線のことである。点とは、網目スクリーン、コンタクトスクリーン等により、用紙(2)上に構成された点である。点及び後述する画素は、直線状又は波線状に複数配置されて、点群又は画素群を形成する。
点群又は画線群と成ることで画線状に構成された凸部(6)が、万線状に配置されることで、図1に示す凹凸模様(4)となる。点形状は、円形ドットに限定されるものではなく、ランダムドットや本出願人が先に出願した特開平11−268228号公報で提案している特殊網点生成法を用いて意匠性を加味した入力画像を網点(ハーフトーンスクリーン)から成る、連続階調網点に変換した自由度のある特殊網点形状を用いても良い。
画素とは、印刷の最小単位である網点を一定の大きさで一塊にした画像要素のことである。画素形状は、図2(e)、図2(f)、図2(g)及び図2(h)に示すような、円形状、楕円形状、多角形状、文字形状のことである。図2(h)に示した文字形状は、一般的に微小文字又は特殊網点と呼ばれるが、本発明では画素とする。さらに、図示しないが、凸部(6)は、画線、点及び画素をそれぞれ組み合わせても良い。なお、本実施形態については凸部(6)を、図2(a)に示す直線状の画線として説明する。
ホログラム(5)は、公知のレリーフ型ホログラム及びレインボー型ホログラム等の微細な凹凸パターンを形成した光反射性部材を有する構成であれば良く、特に制約されるものではない。
また、ホログラム(5)の形状は、図1に示す楕円形状に限らず、円形、多角形、星形等の特殊形状、スレッド状等、特に限定されるものではない。
次に、本発明の原理について説明する。図3は、本発明の原理を示す模式図であり、図3(a)は再利用防止領域(3)を示す平面図である。再利用防止領域(3)は、凹凸模様(4)の上にホログラム(5)が貼付されることで、図3(a)に黒色で示す強接着領域(E1)と、灰色で示す弱接着領域(E2)から構成される。これは、凹凸模様(4)への貼付時に圧力の伝わりが、凹凸模様(4)を構成する凸部(6)と凹部(7)で異なるためである。なお、図3(a)では、模式的に示すために、強接着領域(E1)と弱接着領域(E2)を異なる色で示したが、実際には、肉眼で強接着領域(E1)と弱接着領域(E2)を区分けして視認されず、一様なホログラム(5)として視認される。
図3(b)に示すように、凹凸模様(4)は、複数の凸部(6)と、隣り合う凸部(6)の間である凹部(7)から成る。なお、本発明の凹凸模様(4)においては、再利用防止領域(3)内の凸部(6)を有しない箇所を凹部(7)とする。よって、複数の凸部(6)の間と、凸部(6)を有しない未加工の用紙(2)の領域においても、本発明においては、以下、凹部(7)として説明する。
本発明の偽造防止媒体(1)に用いる用紙(2)は、柔軟性を有する紙基材であることから、貼付時には、図3(c)に示すように、刻印(8)からの貼付圧により、凹部(7)内にホログラム(5)が入りこむと同時に、凹部(7)とホログラム(5)の間に空隙が発生する。その際、空隙を介してホログラム(5)が貼付されることで、貼付圧がホログラム(5)に伝わりにくくなり、用紙(2)に弱圧力(P1)で貼付される。なお、本発明においては、凹部(7)上にホログラム(5)が貼付されて成る領域を、弱接着領域(E2)と言う。
一方、凸部(6)上にホログラム(5)を貼付する際には、図3(c)に示すように、凸部(6)とホログラム(5)の部分に空隙が発生しないことから、凹部(7)より貼付圧がホログラム(5)に伝わりやすくなり、用紙(2)に、凹部(7)よりも強い貼付圧である強圧力(P2)で貼付される。なお、本発明においては、凸部(6)上にホログラム(5)が貼付されて成る領域を、強接着領域(E1)と言う。
ホログラム(5)は、刻印(8)からの貼付圧を加えることで対象物に貼付されるが、その際、貼付圧の高い方が、貼付圧の低い方よりも貼付対象物との接着性が強くなる。なお、本発明における接着性とは、凸部(6)又は凹部(7)とホログラム(5)が接着する性質のことをいい、接着性は、図3(c)に示すように、凸部(6)又は凹部(7)に、ホログラム(5)を介して圧力(貼付圧)が加えられたときに生じる。凸部(6)と凹部(7)では、貼付圧に差が生じることで、凸部(6)よりも凹部(7)の方が、ホログラム(5)との接着性が弱くなる。
よって、再利用防止領域(3)に貼付されたホログラム(5)は、凸部(6)上にホログラム(5)が貼付されて成る強接着領域(E1)と、凹部(7)上にホログラム(5)が貼付されて成る弱接着領域(E2)で接着性が異なることから、ホログラム(5)が剥離された場合、弱圧力(P1)で貼付された、弱接着領域(E2)のホログラム(5)は剥離されるが、強圧力(P2)で貼付された、強接着領域(E1)のホログラム(5)は、弱接着領域(E2)よりも接着性が強いことから、剥離されない。そのため、剥離時に、ホログラム(5)内において、剥離される部分と剥離されない部分が生じるため、ホログラム(5)全体が剥離されることを防ぐことができる。
剥離後の再利用防止領域(3)は、凸部(6)上にホログラム(5)が残留しているが、凸部(6)以外の箇所はホログラム(5)が剥離されているため、用紙(2)上にホログラム(5)が貼付されていた痕跡が残ることから、用紙(2)自体の再利用を防ぐことが可能となる。
さらに、用紙(2)は紙基材である。紙基材は、複数の繊維で構成されることで、柔軟性を有することで、貼付時に、用紙(2)自体を変形して成る凸部(6)も含め、用紙(2)全体がクッション作用を奏することから、凸部(6)の上に貼付をしているにも関わらず、ホログラム(5)の回折格子は破壊されない。そのため、貼付後のホログラム(5)は、凹凸模様(4)を有しないフラットな用紙上に貼付した場合と同様に、角度変化により回折格子が有する光学的変化を生じることが可能となる。
なお、図1では凹凸模様(4)が、万線状の画線であったが、文字、数字、模様等の有意味情報とするのが、好ましい。
図4及び図5は、凹凸模様(4)を、有意味情報とした構成の一例を示す模式図である。図4(a1)、図4(b1)及び図5(a1)の再利用防止領域(3)は、同一領域であり、図4(a1)の平面図に示すように、凹凸模様(4)は有意味情報としてスマイルマークが形成されている。図4(a2)は、図4(a1)のA−A’断面図である。図4(a2)に示すように、凹凸模様(4)は、凸部(6)と凹部(7)から成り、複数の凸部(6)により、有意味情報であるスマイルマークを表している。
図4(b1)は、図4(a1)に示した凹凸模様(4)上に、ホログラム(5)が貼付されることで、積層されて成る再利用防止領域(3)を示す。なお、図4(b1)では、模式的に示すために、強接着領域(E1)と弱接着領域(E2)を異なる色で示したが、実際には、二つの領域を肉眼で区分けして視認することはできない。図4(b1)に示すように、凹凸模様(4)上にホログラム(5)を貼付した場合、凹凸模様(4)の有意味情報を肉眼で認識することはできないが、実際には、拡大図及び図4(b1)のA−A’断面図である図4(b2)に示すように、凹凸模様(4)の凸部(6)上にホログラム(5)が貼付されて成る強接着領域(E1)と、凹凸模様(4)の凹部(7)上にホログラム(5)が貼付されて成る弱接着領域(E2)から成る。
ホログラム(5)は、少なくとも図柄を形成する回折格子層と、用紙(2)に接着する接着層(いずれも図示せず)を有して成る。図5(a1)は、図4(b1)に示すホログラム(5)を粘着テープ(T)で剥離した際の剥離後の用紙(2)を示し、図5(b1)に剥離に用いた粘着テープ(T)を示す。図4(b1)に示すホログラム(5)を粘着テープ(T)で剥離した場合、図5(a1)と、図5(a1)のA−A’断面図である図5(a2)に示すように、強接着領域(E1)と弱接着領域(E2)の接着性の差に起因し、ホログラム(5)の回折格子層が破壊されることで、接着性の強い凸部(6)上のみに、ホログラム(5)の一部が残留する。よって、用紙(2)上には、有意味情報であるスマイルマークが出現する。
また、図5(b1)と、図5(b1)のA−A’断面図である図5(b2)に示すように、粘着テープ(T)には、強接着領域(E1)よりも接着性の弱い弱接着領域(E2)上に形成されていたホログラム(5)の一部が剥離されて付着することで、有意味情報であるスマイルマークが出現する。なお、図5(a1)に示す有意味情報と、図5(b1)に示す有意味情報は、ネガポジの関係である。例えば、図5(a1)は、スマイルマークのポジ画像であるならば、図5(b1)はスマイルマークのネガ画像となる。
以上、凸部(6)上にホログラム(5)が貼付されて成る強接着領域(E1)を有意味情報とした場合、剥離時に用紙(2)上に出現する残留したホログラム(5)の一部に意匠性を付与することが可能となる。また、剥離時にホログラム(5)の回折構成層は破壊されるが、凸部(6)から成る有意味情報を複雑な模様とした場合、より、ホログラム(5)を復元することが困難となり、偽造防止効果が向上する。
なお、凸部(6)で有意味情報を形成していたが、凹部(7)により、有意味情報を形成しても良い。凹部(7)で形成した場合、弱接着領域(E2)が有意味情報となり、ホログラム(5)を粘着テープ(T)で剥離した場合、図5(a1)に示した、用紙(2)上に残留するホログラム(5)は、凸部(6)で形成した有意味情報と、ネガポジの関係となる。例えば、図5(a1)では、有意味情報として、凸部(6)で、ポジ画像のスマイルマークを構成しているが、凹部(7)で有意味情報を構成した場合、スマイルマークを構成する箇所(図5(a1)に黒色で図示した箇所)が、強接着領域(E1)よりも接着性の弱い弱接着領域(E2)であることから、剥離される。よって、再利用防止領域(3)には、図5(b1)に示すネガ画像のスマイルマークが表出する。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明を限定するものではない。実施例1として、図1に示した偽造防止媒体(1)を作製した。図6及び図7は、実施例1における、偽造防止媒体(1)の再利用防止領域(3)の詳細を示す模式図である。用紙(2)は、アイボリー色の上質紙(北越紀州製紙社製「色上質紙」)とし、用紙(2)上の、30mm×30mmの再利用防止領域(3)内に、CO2レーザマーカ(キーエンス社製「ML−G9310」)を用いて、CO2レーザマーカの印字パワーを24に設定した後、500μm間隔でレーザ出力することで、図6(a1)及び図6(a1)のA−A’断面図である図6(a2)に示すように、複数の凸部(6)及び凹部(7)から成る凹凸模様(4)を形成した。
凹凸模様(4)上に貼付するホログラム(5)は、回折格子が存在する銀箔(クルツ社製「ホログラム」)とし、ホットスタンピング装置(ナビタス株式会社製「MP−10A」)を用いて、貼付温度125℃、貼付時間1秒で貼付した。
なお、実施例1で使用したホットスタンピング装置は、貼付圧力の表示がないため、ホログラム(5)を上記の貼付条件で凸部(6)を有しない用紙(2)に貼付した後、ホログラム(5)に対して、幅18mmの粘着テープ(T)(NICHIBAN社製)を用いてテープ剥離を行った際に、全体的にホログラム(5)が用紙(2)から剥離可能となる圧力を基準とし、その基準の圧力を貼付圧力とした。
図6(b1)及び図6(b1)のA−A’断面図である図6(b2)に示すように、上記の方法により作製することで、凹凸模様(4)の凸部(6)上にホログラム(5)が貼付して成る強接着領域(E1)と、凹凸模様(4)の凹部(7)上にホログラム(5)が貼付して成る弱接着領域(E2)を有した再利用防止領域(3)を備えた偽造防止媒体(1)を作製した。
上記の方法により作製した偽造防止媒体(1)に対し、ホログラム(5)をテープ剥離した。なお、テープ剥離は、幅18mmの粘着テープ(T)(NICHIBAN社製)を使用して、凸部(6)の配列方向に対して直交方向に剥離した場合と、平行方向に剥離した場合の2パターンにより剥離を行った。
直交方向及び平行方向にテープ剥離を行った結果、図7(a1)及び図7(a1)のA−A’断面図である図7(a2)に示すように、いずれの場合も、強接着領域(E1)である、凸部(6)上のホログラム(5)は、凸部(6)上に残留した。
また、図7(b1)及び図7(b1)のA−A’断面図である図7(b2)に示すように、いずれの場合も、強接着領域(E1)より接着性が弱い弱接着領域(E2)である、凹部(7)上のホログラム(5)は、粘着テープ(T)により剥がされて、粘着テープ(T)に付着した。また、図7(a1)に示すホログラム(5)の一部と、図7(b1)に示すホログラム(5)の一部は、いずれも剥離により回折格子層が破壊された。よって、ホログラム(5)をテープ剥離した場合、用紙(2)とホログラム(5)のいずれも再利用することは不可能となった。
実施例2として、図4に示した偽造防止媒体(1)を作製した。なお、用紙(2)は、アイボリー色の上質紙(北越紀州製紙社製「色上質紙」)とし、用紙(2)上の、60mm×20mmの再利用防止領域(3)内に、エンボス型作製装置(株式会社足立機械製作所製「凹版印刷適性試験機」)を用いて、印圧を4000kgfに設定した後、図4(a1)及び図4(a1)のA−A’断面図である図4(a2)となるようにエンボス型である凹版版面を作製した後、押圧することで、凹凸模様(4)を形成した。
凹凸模様(4)上に貼付したホログラム(5)、貼付装置及び貼付条件は、実施例1と同じとした。
上記の方法により作製した偽造防止媒体(1)に対し、ホログラム(5)をテープ剥離した。なお、テープ剥離は、幅18mmの粘着テープ(T)(NICHIBAN社製)を使用して、凸部(6)の配列方向に対して直交方向に剥離した場合と、平行方向に剥離した場合の2パターンにより剥離を行った。
直交方向及び平行方向にテープ剥離を行った結果、図5(a1)及び図5(a1)のA−A’断面図である図5(a2)に示すように、いずれの場合も、強接着領域(E1)である、凸部(6)上のホログラム(5)は、凸部(6)上に残留することで、有意味情報であるスマイルマークが表出した。
また、図5(b1)及び図5(b1)のA−A’断面図である図5(b2)に示すように、いずれの場合も、強接着領域(E1)より接着性が弱い弱接着領域(E2)である、凹部(7)上のホログラム(5)は、粘着テープ(T)により剥がされて、粘着テープ(T)に付着することで、有意味情報であるスマイルマークが表出した。また、図5(a1)に示すホログラム(5)の一部と、図5(b1)に示すホログラム(5)の一部は、いずれも剥離により回折格子層が破壊された。よって、ホログラム(5)をテープ剥離した場合、用紙(2)とホログラム(5)のいずれも再利用することは不可能となった。
(比較例)
(比較例)
比較例として、実施例1で作製した偽造防止媒体(1)におけるホログラム(5)を、凸部(6)上ではなく、フラットな用紙(2)上に貼付した構成について説明する。用紙(2)は、実施例1と同じであるが、再利用防止領域(3)内には、凹凸模様(4)を有さない構成とした。
再利用防止領域(3)内に貼付した、ホログラム(5)、貼付装置及び貼付条件は、実施例1と同じとした。
上記の方法により作製した偽造防止媒体(1)に対し、ホログラム(5)をテープ剥離した。なお、テープ剥離は、幅18mmの粘着テープ(T)(NICHIBAN社製)を使用した。
テープ剥離を行った結果、ホログラム(5)は粘着テープ(T)により剥がされて、ホログラム(5)がすべて粘着テープ(T)に付着した。また、粘着テープ(T)に付着したホログラム(5)は、回折格子層が破壊されることなく、剥離された。さらに、再利用防止領域(3)内にホログラム(5)は、残留しなかった。
1 偽造防止媒体
2 用紙
3 再利用防止領域
4 凹凸模様
5 ホログラム
6 凸部
7 凹部
8 刻印
T 粘着テープ
P1 弱圧力
P2 強圧力
E1 強接着領域
E2 弱接着領域
2 用紙
3 再利用防止領域
4 凹凸模様
5 ホログラム
6 凸部
7 凹部
8 刻印
T 粘着テープ
P1 弱圧力
P2 強圧力
E1 強接着領域
E2 弱接着領域
Claims (2)
- 用紙上の一部に、前記用紙自体を変形して成る凹凸模様と、前記凹凸模様上に積層されたホログラムから成る再利用防止領域を備え、
前記再利用防止領域は、前記凹凸模様の凸部上に前記ホログラムが貼付されて成る強接着領域と、
前記凹凸模様の凹部上に前記ホログラムが貼付されて成る、前記強接着領域より前記ホログラムの接着性が弱い弱接着領域を有することを特徴とする再利用防止ホログラムを備えた偽造防止媒体。 - 前記強接着領域により、有意味情報が形成されたことを特徴とする請求項1記載の再利用防止ホログラムを備えた偽造防止媒体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019166740A (ja) * | 2018-03-23 | 2019-10-03 | シンフォニアテクノロジー株式会社 | 印刷物の製造方法 |
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2015
- 2015-06-22 JP JP2015124309A patent/JP2017007193A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019166740A (ja) * | 2018-03-23 | 2019-10-03 | シンフォニアテクノロジー株式会社 | 印刷物の製造方法 |
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