JP5159364B2 - 排水処理部材用の排水ホース取付具、排水ホース取付具の取付方法、及び排水処理構造 - Google Patents
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Description
これを防止するため、従来、排水ホースから流れ出る漏水を雨樋や側溝などの所定の箇所へ導く排水処理構造が、床面に施工されている。
また、溝部材の凹面上方部を蓋部材で覆った排水処理構造も知られている(特許文献1)。
この排水処理部材に、空調機のドレインホースを接続するための取付具が取付けられることにより、排水処理構造が構成されている。
特許文献1には、前記取付具として、2つのタイプが開示されている。
第1の取付具は、接続用パイプ部と、パイプの周囲に直角に延設されたフランジ状の接続部と、からなる。
この第1の取付具は、排水処理部材の蓋部材に穴を開け、この穴に取付具を嵌め、取付具の接続部と蓋部材を溶着又は接着して水密的に一体化させることによって、排水処理部材に取付けられる。
次に、第2の取付具は、接続用パイプ部と、パイプの下端に直角に延設された管状の接続部と、からなる。
この第2の取付具は、管状の排出処理部材の端部の開口部に、管状の接続部を嵌め込んで接着して水密的に接合することによって、排水処理部材に取付けられる。
すなわち、上記第1の取付具は、蓋部材に穴を開け、取付具の接続部を溶着又は接着することによって固着する方式であるが、該接続部を溶着する場合にはウェルダー(溶着機)が必要であり、さらに、技術的に未熟者が施工すると、水密的に溶着できないことがある。一方、接続部を接着する場合にも、それに適した接着剤が必要であり、さらに、技術的に未熟者が施工すると、水密的に接着できないことがある。
加えて、排水処理部材の蓋部材が開閉可能である場合には、蓋部材を開いて溝部材の清掃を行うことができるが、上記第1の取付具では、ホースの取付具が蓋部材に固着されているので、蓋部材を開閉し難い。
一方、上記第2の取付具は、排出処理部材の端部に接続部を嵌め込んで接着することによって固着する方式であるが、上記第1の取付具と同様に、接着剤の使用上の問題点がある。
加えて、第2の接続部は、排出処理部材の端部にしか取付けることができず、排出処理部材に対する接続部の取付け位置が1箇所に限定される。
さらに、本発明の第2の目的は、排水ホースから流れ出る漏水を導き所定の箇所へ導くことができ、且つ蓋部材を容易に開閉することができる排水処理構造を提供することである。
該排水処理部材は、長尺凹状の溝部材とこれを覆う蓋部材とを有し、溝部材を床面上に敷設することにより、床面に施工される。
上記本発明の排水ホース取付具は、本体部を溝部材の凹面に設置し、該溝部材を覆う蓋部材の第1蓋部及び第2蓋部を、第1延出部及び第2延出部の上にそれぞれ被せ、且つ第1蓋部及び第2蓋部の各端面を段部に当てることにより、排出処理部材に取り付けられる。上記排水ホース取付具は、溝部材の長手方向両側に延びる第1延出部及び第2延出部が蓋部材の第1蓋部及び第2蓋部によって押さえ付けられ且つ段部に第1蓋部及び第2蓋部の端面が接するので、接着剤を用いなくても、排水ホース取付具の本体部を溝部材に固定することができる。
さらに、上記排水ホース取付具は、排水処理部材の長手方向の任意の位置に取り付けることができる。また、第1延出部の段部及び第2延出部の段部に蓋部材の端面が接することにより、排水ホース取付具(本体部)が、溝部材の長手方向に位置ズレすることを確実に防止できる。
かかる排水ホース取付具が排水処理部材に取り付けられた本発明の排水処理構造は、排水ホースから出る漏水を所定の箇所へ導くことができる上、蓋部材を容易に開閉することができるので、溝部材などの清掃を容易に行うことができる。
また、本発明に係る排水ホース取付具の取付方法によれば、接着剤を用いずに排水ホース取付具を排水処理部材に取り付けることができる。
<第1実施形態>
(第1実施形態の排水処理構造及び排水ホース取付具について)
図1及び図2において、1は、床面91に敷設された凹状の溝部材2と該溝部材2の凹面上方部を覆う開閉可能な蓋部材3とを有する排水処理部材5と、該排水処理部材5に取付けられた排水ホース取付具6と、を有する排水処理構造を示す。
上記排水処理部材5は、床面91を横切って敷設され、例えば、構造物の壁面92から排水路93(雨樋や側溝等)に至っている。
なお、94は、空調機の室外機を示し、95は、空調機の漏水を流す排水ホースを示し、96は、溝部材2が設けられた床面以外の床面上に敷設された外装材を示す。
なお、本明細書において、長尺状とは、直交する2つの方向のうち、一方向が他方向に比して明らかに長い形状をいう。以下、この長い方向を「長手方向」といい、該長手方向と面内で直交する方向を「短手方向」という。
溝部材2の凹面2aの短手方向長さW(両側壁22,23の内側間の長さ)は、特に限定されず、通常、1cm〜10cm程度、好ましくは2cm〜5cm程度である。側壁22,23の高さ(上下方向長さ)は、特に限定されないが、余りに高いと歩行時に排水処理部材5が邪魔になることがあるので、通常、1mm〜10mm程度、好ましくは2mm〜5mm程度に形成される。
この蓋部材3の他方の側端33は、溝部材2の嵌入用溝25に嵌入脱可能な形状に形成されている。蓋部材3の他方の側端33を嵌入用溝25に嵌入することにより、蓋部材3と溝部材2の凹面2aとの間に所定の間隔を有した状態で、溝部材2の凹面上方部が蓋部材3によって覆われている。なお、溝部材2の凹面2aは、排水ホース95から流れる漏水の通路となる部分である。
また、溝部材2と蓋部材3は、通常、同一材料を用いた押出し成型法で形成できるが、溝部材2と蓋部材3を別々に成型した後、該蓋部材3の側端32を溝部材2に接着することによって一体化させることもできる。従って、溝部材2と蓋部材3は同一材料に限られず、それぞれ異なる材料を用いて形成することもできる。
具体的には、排水ホース取付具6は、図5〜図8に示すように、板状に形成された本体部8の上面に、真っ直ぐな管状の接続部7が突設されている。
管状の接続部7は、その管内に排水ホースを挿入脱できる径(排水ホース95の外径よりも少し大きな内径)に形成されている。該接続部7は、本体部8の上面に対して傾斜して突設されている。
このように接続部7が傾斜状に設けられていることにより、その傾斜角に対応して接続部7の上端開口部の高さ位置が低くなる。施工場所によっては、排水ホース95の下方が少し余っていることがあるが、前記のように接続部7の上端開口部の高さ位置が低ければ、少し長い排水ホース95を接続部7に比較的容易に差し込むことができる。また、傾斜状の接続部7は、その傾斜角に応じて接続部7の突出長が長くなるので、挿入した排水ホース95が外れにくくなるという利点もある。
もっとも、接続部7は、本体部8の上面に対して略直交する方向に延びて突設されていてもよい。
また、第1延出部81及び第2延出部82も、溝部材2の凹面2aに嵌り込む平面視略矩形状の板状に形成されている。
第1延出部81及び第2延出部82は、基部84を中心にして相反する方向(180度方向)に延びている。換言すると、第1延出部81は、本体部8を溝部材2の凹面2aに設置したときに、溝部材2の長手方向一方側に向かって延びる部分であり、第2延出部82は、同溝部材2の長手方向他方側に向かって延びる部分である。また、本体部8を溝部材2の凹面2aに設置したとき、第1延出部81及び第2延出部82の上には、蓋部材3が被せられる。
該段部85,86を形成することにより、第1延出部81及び第2延出部82の上に被せた蓋部材3の端面を該段部85,86に当てることができる。
該段部85,86の高さ(上下方向長さ)は、特に限定されないが、蓋部材3の厚みと略同じであることが好ましい。第1延出部81及び第2延出部82の上に蓋部材3を被したときに、蓋部材3の上面と基部84の上面が略同じ高さとなるからである。
第1延出部81の下面には、前記貫通孔87に連通する凹部88が形成さており、該凹部88は、第1延出部81の延出端部にまで形成されている。
一方、第2延出部82の下面は、溝部材2の凹面2aの表面形状に面接触し得る形状に形成されている。例えば、溝部材2の凹面2aの表面形状が平坦状の場合(図3参照)、第2延出部82の下面は、平坦状に形成される。また、溝部材2の凹面2aの表面形状が筋状の整流凸部(図示せず)を有する場合、第2延出部82の下面は、該整流凸部に対応した筋状の凹部を有する形状に形成される。このように第2延出部82の下面が溝部材2の凹面2a上に面接触する形状に形成されていることにより、接続部7に接続された排水ホース95からの漏水が、基部84の貫通孔87から第1延出部81の凹部88を通じて、溝部材2の長手方向一方側へ流すことができる。つまり、溝部材の長手方向他方側へ漏水が流れること(逆流すること)を防止できる。
該舌状片部83は、溝部材2の嵌入用溝25に嵌入脱可能な形状に形成されている。好ましくは、舌状片部83は、蓋部材3の他方の側端33と略同じ形状に形成される。
また、基部84の縦長さLは、特に限定されない。好ましくは、基部84の縦長さLは、基部84の横長さW1と舌状片部83の横長さW2との合計長さW3と略等しい長さに形成されていることが好ましい(L=W3=W1+W2)。このような寸法に形成すると、基部84と舌状片部83を合わせた平面形状が略正方形状となる。
ただし、本明細書において、縦長さとは、本体部8を溝部材2の凹面2aに設置したとき、溝部材2の長手方向と平行な方向における長さをいう。また、横長さとは、本体部8を溝部材2の凹面2aに設置したとき、溝部材2の短手方向と平行な方向における長さをいう。
排水ホース取付具6の形成材料としては、例えば、硬質ポリ塩化ビニル系樹脂などの硬質の合成樹脂、金属などが挙げられる。
具体的には、図2、図9及び図10に示すように、蓋部材3の一部分に形成された切除部分39に本体部8の基部84を位置させた状態で、本体部8(基部84、第1延出部81及び第2延出部82)が溝部材2の凹面2a上に設置され、且つ、舌状片部83が溝部材2の嵌入用溝25に嵌入されていると共に、第1延出部81及び第2延出部82の上に蓋部材3が被せられることによって、排水ホース取付具6が排水用処理部材5に取付けられている。
上記排水ホース取付具6は、例えば、次のような方法で、排水処理部材5に取付けることができる。
なお、排水ホース取付具6を取付けるに際して、排水処理部材5は、床面91に敷設されていてもよいし、或いは、床面91に敷設されていなくてもよい。排水処理部材5が床面91に敷設されていない場合には、排水ホース取付具6を排水処理部材5に取付けた後、該排水処理部材5を床面91に敷設すればよい。
工程(A−1)は、排水ホース取付具6を設置するため、蓋部材3の長手方向中途部に、切除部分39を形成する工程である。
図11に示すように、排水処理部材5の蓋部材3の他方の側端33を、溝部材2の嵌入用溝25から外し、且つ蓋部材3を曲げながら捲り上げる。外した蓋部材3の他方の側端33を、溝部材2の他方の側壁23の上に載せる。
さらに、蓋部材3は、本発明の排水ホース取付具6を利用して切断することもできる。
具体的には、図11に示すように、切除前の蓋部材3の側端33の縁上に、排水ホース取付具6の基部84の一端縁(段部86が対応する縁)に一致させ、前記蓋部材3の上に排水ホース取付具6を載せる。このように排水ホース取付具6を載せると、排水ホース取付具6の舌状片部83の縁83a及び基部84の側縁84aが、蓋部材3の短手方向に平行となる。この舌状片部83の縁83a及び基部の側縁84aに沿ってカッターを当て、蓋部材3の他方の側端33の縁から蓋部材3の一方の側端32まで、蓋部材3を切断する。次に、排水ホース取付具6を外し、蓋部材3の一方の側端32に沿って蓋部材3を切断することにより、図12に示すような、切除部分39を形成できる。
工程(B−1)は、前記切除部分39に排水ホース取付具6を嵌め込んで、排水ホース取付具6の本体部8を、溝部材2の凹面2aに設置する工程である。
図13に示すように、第1蓋部3’と第2蓋部3”を上方へ捲り、切除部分39を大きく拡張する。
この排水ホース取付具6の接続部7が切除部分39から突出するように位置合わせすると共に、本体部8の段部85が第1蓋部3’の端面3a’に接し且つ本体部8の段部86が第2蓋部3”の端面3a”に接するように位置合わせした状態で、溝部材2の側方から第1延出部81及び第2延出部82を第1蓋部3’及び第2蓋部3”の下方に挿入すると共に、本体部8の舌状片部83を溝部材2の嵌入用溝25に嵌入することにより、本体部8を溝部材2の凹面2aに載せる。
このように舌状片部83を嵌入用溝25に嵌入することにより、本体部8が溝部材2の短手方向に位置ズレすることを防止できる。
工程(C−1)は、第1蓋部3’及び第2蓋部3”を第1延出部81及び第2延出部82の上に被し、排水ホース取付具6を固定する工程である。
上記工程(B−1)において、本体部8を溝部材2の凹面2aに設置した後、捲り上げていた第1蓋部3’及び第2蓋部3”を溝部材2の上へ戻す。蓋部材3が弾性材料から形成されている場合には、第1蓋部3’及び第2蓋部3”の止めを解除するだけで、第1蓋部3’及び第2蓋部3”は元の形状に弾性復帰し、溝部材2の上方へと戻る。
溝部材2の上に戻った第1蓋部3’の端面3a’は、本体部8の段部85に接し、且つ第2蓋部3”の端面3a”は、本体部8の段部86に接する。従って、排水ホース取付具6は、溝部材2の長手方向に位置ズレすることがない。
そして、排水ホース取付具6の接続部7に排水ホース95を挿入することにより、図1及び図2に示すような、排水処理構造1を施工できる。
排水ホース取付具6の接続部7は、傾斜状に設けられているので、図9に示すように、挿入した排水ホース95の先端の一部分のみが溝部材2の凹面2aに接する。このため、排水ホース95の開口部が溝部材2の凹面2aによって塞がれることがなく、排水ホース95からの漏水を溝部材2を通じて円滑に排出することができる。
また、本発明の排水ホース取付具6は、蓋部材3の一部分を切除した切除部分39に取付けるものであるため、排水処理部材5の長手方向の任意の位置に取付けることができる。
また、本実施形態の排水処理部材5は、蓋部材3の一方の側端32が溝部材2に連結されているので、溝部材2を開放したときに、蓋部材3が分離されず、清掃中などにおいて、蓋部材3の紛失・破損などを防止できる。また、蓋部材3は、弾性復帰で元に戻るので、開放した溝部材2を再び覆うことも容易に行える。さらに、蓋部材3の一方の側端32が溝部材2に一体的に連結されているので、この部分から漏水する虞がない。また、弾性材料からなる溝部材3の他方の側端33は、弾性材料からなる溝部材2の嵌入用溝25に水密状に接するので、この部分から漏水する虞も殆どない。
上記第1実施形態において、排水ホース取付具6には、基部84の一側端に舌状片部83が形成されているが、該舌状片部83が形成されていなくてもよい。本発明の排水ホース取付具6は、蓋部材3が被さる第1延出部81及び第2延出部82を有するので、溝部材2の所定位置に取り付けることができるからである。
上記第1実施形態において、工程(B−1)においては、第1蓋部3’と第2蓋部3”を上方へ捲り、切除部分39を大きく拡張した後、排水ホース取付具6の本体部8を溝部材2に設置し、工程(C−1)においては、第1蓋部3’と第2蓋部3”を溝部材2の上方へ戻し、第1蓋部3’及び第2蓋部3”の側端33’,33”を、溝部材2の嵌入用溝25に嵌入したが、工程(B−1)及び工程(C−1)の一部を下記のように変更することもできる。
上記工程(A−1)において切除部分39を形成した後、第1蓋部3’の側端33’を、溝部材2の嵌入用溝25に嵌入し、第1蓋部3’を溝部材2に固定する。他方、第2蓋部3”は上方へ捲り上げておく。
次に、排水ホース取付具6の本体部8を、溝部材2の凹面2aに載せると共に、排水ホース取付具6の舌状片部83を、溝部材2の嵌入用溝25に嵌入する。該排水ホース取付具6を、前記第1蓋部3’の端面3a’側へ、溝部材2の凹面2a上をスライド移動させる。排水ホース取付具6の段部85が第1蓋部3’の端面3a’に当たるまで、排水ホース取付具6をスライド移動させることにより、排水ホース取付具6の本体部8が、切除部分39に位置させることができる。
上記排水ホース取付具6の段部85が第1蓋部3’の端面3a’に当たるまで、排水ホース取付具6をスライド移動させると、同時に、排水ホース取付具6の第1延出部81が、第1蓋部3’の下方に挿入される。これにより、排水ホース取付具6の第1延出部81の上に、第1蓋部3’が被せられる。
次に、捲り上げていた第2蓋部3”を溝部材2の上へ戻し、第2蓋部3”の側端33”を、溝部材2の嵌入用溝25に嵌入することにより、第2蓋部3”を溝部材2に固定する。これにより、排水ホース取付具6の第2延出部82の上に、第2蓋部3”が被ぶせられる。
このような変形例でも、排水ホース取付具6を、溝部材2の所定位置に簡単に取付けることができる。
第2実施形態を説明するにあたっては、上記第1実施形態と同様の構成及び効果については説明を省略し、且つ、用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
上記第1実施形態の排水処理部材5は、蓋部材3の一方の側端32が溝部材2の一方の側壁22に連結され、且つ蓋部材3の他方の側端33が溝部材2の他方の側壁33に形成された嵌入用溝25に嵌入されているが、本実施形態の排水処理部材5は、図14及び図15に示すように、蓋部材3の両方の側端32,33が、溝部材2の両方の側壁22,23にそれぞれ形成された嵌入用溝25,26に嵌入されている。
本実施形態の排水処理構造1は、この排水処理部材5に排水ホース取付具6が取付けられて構成されている。
溝部材2の両側壁22,23の上端部内側には、嵌入用溝25,26が形成されている。該嵌入用溝25,26は、側壁22,23の内面に対して略直交する方向へ凹んだ溝であり、溝部材2の長手方向全体に亘って形成されている。
従って、蓋部材3の両側端32,33を溝部材2の嵌入用溝25,26に嵌入し、帯板状の蓋部材3を溝部材2の長手方向にスライドさせることにより、蓋部材3を溝部材2に着脱することができる。
両舌状片部83,89は、基部84の側端の全体に亘ってそれぞれ延設されている。もっとも、舌状片部83,89は、基部84の側端の一部分にそれぞれ形成されていてもよい。
図17に示すように、前記舌状片部83は、本実施形態の溝部材2の一方の嵌入用溝25に嵌入脱可能であり、前記舌状片部89は、本実施形態の溝部材2の他方の嵌入用溝26に嵌入脱可能である。
上記排水ホース取付具6は、例えば、次のような方法で、排水処理部材5に取付けることができる。なお、排水ホース取付具6を取付けるに際して、排水処理部材5は、床面91に敷設されていてもよいし、或いは、床面91に敷設されていなくてもよい。
工程(A−2)は、排水ホース取付具6を設置するため、蓋部材3の長手方向中途部において切断する工程である。
排水処理部材5の蓋部材3を、溝部材2の嵌入用溝25,26から外す。
次に、排水ホース取付具6を取付けたい所望位置における蓋部材3の一部分を、蓋部材3の一方の側端32から他方の側端33まで短手方向に切断する。蓋部材3の切断は、蓋部材3の一部分を、排水ホース取付具6の基部84の縦長さL相当分だけ切除するように、基部84の縦長さLだけ離れた2箇所において切断する。
この切断によって、蓋部材3は、図18に示すように、第1蓋部3’と第2蓋部3”に分割される。ただし、図18において、第1蓋部3’及び第2蓋部3”を二点鎖線で示している。
工程(B−2)は、排水ホース取付具6の本体部8を、溝部材2の凹面2aに設置する工程である。
図18に示すように、排水ホース取付具6の本体部8の第1延出部81を、溝部材2の長手方向一方側に向け、且つ本体部8の第2延出部82を溝部材2の長手方向他方側に向け、該本体部8を、蓋部材3が外された溝部材2の凹面2aに載せる。
本体部8を溝部材2の凹面2aに載せる際には、本体部8の舌状片部83を溝部材2の嵌入用溝25に嵌入し、且つ本体部8の舌状片部89を溝部材2の嵌入用溝26に嵌入する(図17も参照)。
舌状片部83,89を嵌入用溝25,26に嵌入することにより、本体部8が溝部材2の短手方向に位置ズレすることを防止できる。
工程(C−2)は、第1蓋部3’及び第2蓋部3”を第1延出部81及び第2延出部82の上に被し、排水ホース取付具6を固定する工程である。
上記工程(B−2)において、本体部8を溝部材2の凹面2aに設置した後、外していた第1蓋部3’及び第2蓋部3”の両側端32’,33’,32”,33”を溝部材2の嵌入用溝25,26に嵌入し、第1蓋部3’及び第2蓋部3”を本体部8側へスライド移動させる。なお、図18に、そのスライド方向を矢印で示している。
同様に、第2蓋部3”が本体部8の第2延出部82の上に被さるまで、第2蓋部3”をスライド移動させる。好ましくは、該第2蓋部3”の端面3a”が本体部8の段部86に接するまで、第2蓋部3”をスライド移動させる。
このようにして排水ホース取付具6は、溝部材2の長手方向に位置ズレすることがなく、溝部材2の所定位置に取付けられる。
そして、排水ホース取付具6の接続部7に排水ホース95を挿入することにより、図14に示すような、排水処理構造1を施工できる。
また、本実施形態の排水ホース取付具6も、排水処理部材5の長手方向の任意の位置に取付けることができる。
上記第1実施形態において、排水ホース取付具6には、基部84の両側端に舌状片部83,89がそれぞれ形成されているが、該舌状片部83,89は、何れか一方だけが形成されていてもよく、或いは、該舌状片部83,89の何れも形成されていなくてもよい。
その他、本発明の排水ホース取付具6及び排水処理構造1は、本発明の意図する範囲で適宜設計変更することができる。
上記第2実施形態において、工程(B−2)においては、排水ホース取付具6の本体部8を、溝部材2の凹面2aに設置し、工程(C−2)においては、外していた第1蓋部3’及び第2蓋部3”を本体部8側へスライド移動させたが、工程(B−2)及び工程(C−2)の一部を下記のように変更することもできる。
上記工程(A−2)において蓋部材3の切断して、第1蓋部3’及び第2蓋部3”に分割した後、第2蓋部3”の両側端32”,33”を溝部材2の嵌入用溝25,26に嵌入し、該第2蓋部3”をスライド移動させて溝部材2の所定位置で位置決めする。
次に、排水ホース取付具6の本体部8を溝部材2の凹面2aに載せると共に、本体部8の舌状片部83を溝部材2の嵌入用溝25に嵌入し、且つ本体部8の舌状片部89を溝部材2の嵌入用溝26に嵌入する。この本体部8を、前記位置決めされた第2蓋部3”側へスライド移動させる。なお、第2蓋部3”や排水ホース取付具6のスライドは、溝部材2の長手方向一方側又は他方側の何れの方向から行っても良い。
上記排水ホース取付具6の段部86が位置決めされた第2蓋部3”の端面3a”に当たるまで、排水ホース取付具6をスライド移動させると、排水ホース取付具6の第2延出部82が、第2蓋部3”の下方に挿入される。これにより、排水ホース取付具6の第2延出部82の上に、第2蓋部3”が被せられる。
次に、第1蓋部3’の両側端32’,33’を溝部材2の嵌入用溝25,26に嵌入し、該第1蓋部3’を排水ホース取付具6側へスライド移動させる。第1蓋部3’の端面3a’が排水ホース取付具6の段部85に当たるまで、第1蓋部3’を移動させると、排水ホース取付具6の第1延出部81の上に、第1蓋部3’が被ぶせられる。
このような変形例でも、排水ホース取付具6を、溝部材2の所定位置に簡単に取付けることができる。
上記第1及び第2実施形態の排水ホース取付具6は、その接続部7が真っ直ぐな管状(直管状)に形成されているが、例えば、図19に示すように、接続部7が、1箇所または複数箇所で屈曲した管状に形成されていてもよい(ただし、図19の接続部7は、複数箇所で屈曲した管状のものを示している)。
このように屈曲した管状の接続部7であれば、排水ホース95を挿入したときに、接続部7の屈曲部7aにおいて排水ホース95が適宜折れ曲がり、排水ホース95が接続部7に係合し易くなる。このため、排水ホース95が、接続部7から不用意に外れることを防止できるので好ましい。
Claims (7)
- 排水ホースから出る漏水を流す長尺凹状の溝部材と、前記溝部材の凹面上方部を覆う開閉可能な蓋部材と、を有する排水処理部材に取付けられる排水ホース取付具において、
前記排水ホースが接続される接続部と、前記溝部材の凹面に設置される本体部と、を有し、
前記本体部には、前記溝部材の長手方向一方側に向かって延び且つ前記蓋部材の第1蓋部が被せられる第1延出部と、前記溝部材の長手方向他方側に向かって延び且つ前記蓋部材の第2蓋部が被せられる第2延出部と、がそれぞれ延設され、
前記第1延出部には、前記第1蓋部が被せられた際に第1蓋部の端面に接する段部が形成され、前記第2延出部には、前記第2蓋部が被せられた際に第2蓋部の端面に接する段部が形成されており、
前記端面に前記段部がそれぞれ接することにより、前記本体部が溝部材に対して固定されることを特徴とする排水処理部材用の排水ホース取付具。 - 前記本体部には、前記溝部材の側壁に形成された嵌入用溝に嵌入可能な舌状片部が延設されている請求項1に記載の排水処理部材用の排水ホース取付具。
- 前記本体部の両側端のうち一側端には、前記溝部材の一側壁に形成された嵌入用溝に嵌入可能な舌状片部が延設され、
前記本体部の他側端が、前記溝部材の他側壁に接するように形成されている請求項1に記載の排水処理部材用の排水ホース取付具。 - 床面に敷設され且つ排水ホースから出る漏水を流す長尺凹状の溝部材と、前記溝部材の凹面上方部を覆う蓋部材であって、一方の側端が前記溝部材に連結され且つ他方の側端が前記溝部材の側壁に形成された嵌入用溝に嵌入された蓋部材と、を有する排水処理部材に、
排水ホースが接続される接続部と、前記溝部材の長手方向一方側及び他方側に向かってそれぞれ延びる第1延出部及び第2延出部が延設された本体部と、を有する排水ホース取付具を取付ける方法において、
前記蓋部材の他方の側端を嵌入用溝から外し、その長手方向中途部において蓋部材の一部分を切除し、この切除部分において前記蓋部材を第1蓋部と第2蓋部に分割する工程(A−1)、
前記切除部分から前記排水ホース取付具の接続部が突出するように位置合わせすると共に、前記本体部の第1延出部を溝部材の長手方向一方側に向け、且つ本体部の第2延出部を溝部材の長手方向他方側に向けた状態で、前記本体部を前記溝部材の凹面に載せる工程(B−1)、
前記第1蓋部を前記第1延出部の上に被せ、且つ前記第2蓋部を前記第2延出部の上に被せる工程(C−1)、
を含むことを特徴とする排水ホース取付具の取付方法。 - 床面に敷設され且つ排水ホースから出る漏水を流す長尺凹状の溝部材と、前記溝部材の凹面上方部を覆う蓋部材であって、両方の側端が前記溝部材の両側壁に形成された嵌入用溝にそれぞれ嵌入された蓋部材と、を有する排水処理部材に、
排水ホースが接続される接続部と、前記溝部材の長手方向一方側及び他方側に向かってそれぞれ延びる第1延出部及び第2延出部が延設された本体部と、を有する排水ホース取付具を取付ける方法において、
前記蓋部材を長手方向中途部において切断し、前記蓋部材を第1蓋部と第2蓋部に分割する工程(A−2)、
前記排水ホース取付具の本体部の第1延出部を、前記溝部材の長手方向一方側に向け且つ本体部の第2延出部を前記溝部材の長手方向他方側に向けた状態で、前記本体部を溝部材の凹面に載せる工程(B−2)、
前記第1蓋部の両側端を前記嵌入用溝に嵌入すると共に、前記第1蓋部を前記第1延出部の上に被せ、且つ前記第2蓋部の両側端を前記嵌入用溝に嵌入すると共に、前記第2蓋部を前記第2延出部の上に被せる工程(C−2)、
を含むことを特徴とする排水ホース取付具の取付方法。 - 前記排水ホース取付具の本体部には、舌状片部が延設されており、
前記工程(B−1)または工程(B−2)において、前記舌状片部を前記溝部材の嵌入用溝に嵌入する請求項4または5に記載の排水ホース取付具の取付方法。 - 床面に敷設され、且つ排水ホースから出る漏水を流す長尺凹状の溝部材と、前記溝部材の凹面上方部を覆う蓋部材と、前記溝部材に取付けられた排水ホース取付具と、を有する排水処理構造において、
前記排水ホース取付具が、排水ホースを接続する接続部と、前記溝部材の長手方向一方側及び他方側に向かってそれぞれ延びる第1延出部及び第2延出部が延設された本体部と、を有しており、前記第1延出部には、前記蓋部材の第1蓋部の端面が接する段部が形成され、前記第2延出部には、前記蓋部材の第2蓋部の端面が接する段部が形成されており、
前記排水ホース取付具の本体部が、溝部材の凹面に設置されていると共に、前記本体部の第1延出部及び第2延出部の上に前記蓋部材の第1蓋部及び第2蓋部がそれぞれ被せられ、第1蓋部の端面が第1延出部の段部に接し且つ第2蓋部の端面が第2延出部の段部に接することにより、溝部材に対して固定されていることを特徴とする排水処理構造。
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