JP5159298B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検体の内部に挿入して観察する内視鏡装置に関する。
従来から、工業用分野においては機械構造の内部など、医療用分野においては患者の体内など、被検体の内部を観察するために、内視鏡装置が広く用いられている。このような内視鏡装置は、被検体の内部に挿入する挿入部を有し、挿入部の先端に観察手段が設けられていることで被検体の内部を観察することが可能となっている。一方、内視鏡装置によって観察する被検体の内部は、観察手段によって観察するのに十分な明るさを有していないことが多い。このため、内視鏡装置には、被検体の内部を照明するための照明手段を有している。
このような照明手段の光源部としては、従来、被検体を好適に観察可能に照明するために、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが一般的に使用されてきた。しかし、これらのランプは比較的消費電力が大きいことから、小消費電力の光源部として、レーザダイオードを利用したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。より具体的には、制御部による制御のもと、光源部となるレーザダイオードから励起光として青色レーザ光を発生させ、これを蛍光部材に照射することで、蛍光部材は励起され、緑色と赤色の蛍光を発し、該蛍光と蛍光部材を透過した青色レーザ光とが混成されることにより白色の照明光を射出する。ここで、制御部は、蛍光部材から射出された照明光の光量を検出部によって検出し、検出された照明光の光量から蛍光部材の劣化等の異常を判定し、異常であった場合には停止制御等を行っていた。
特開2007−175429号公報
しかしながら、特許文献1の内視鏡装置では、レーザダイオードや蛍光部材に異常があった場合に照明光の照射を停止可能であるものの、物理的な損傷や制御実行プログラムのバグ等、制御部自身に異常が発生した場合には、正常に停止制御を行うことができなくなってしまう問題があった。そして、制御部自身に異常がある場合には、照明手段からは、異常な状態のまま照明光が照明されてしまうおそれがあった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、照明手段による照明を行うに際して、制御部に異常が発生したとしても、照明手段に異常があった場合には、異常な状態で被検体に照明光を照射してしまうことを確実に防止することが可能な内視鏡装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明は、被検体の内部に挿入される挿入部と、該挿入部の先端側に設けられて被検体の内部を観察可能な観察手段と、励起光を発する光源部及び該励起光によって照明光を射出する蛍光部材を有して、該照明光を被検体に照射可能な照明手段と、該照明手段の状態を検出する検出手段と、該検出手段による検出結果に基づいて前記照明手段の異常の有無を判定し、異常と判定した場合に該照明手段による前記照明光の照射の停止制御をそれぞれ行う複数の制御部とを備えることを特徴としている。
この発明に係る内視鏡装置によれば、照明手段において、光源部から励起光を発し、蛍光部材に照射することで、蛍光部材は励起して照明光を射出することとなり、該照明光によって被検体を照明し、観察手段によって好適に観察することが可能となる。また、照明手段によって照明光の照射を行っている間、検出手段によって照明手段の状態を検出し、各制御部は、検出手段の検出結果から照明手段が異常であると判定した場合には、照明手段による照明光の照射の停止制御を行う。ここで、照明手段の異常の有無の判定及び照明手段による照明光の照射の停止制御は、複数の制御部それぞれによって行われている。このため、いずれかの制御部に異常が発生したとしても、他の制御部によって正常に判定を行い、また、停止制御を行うことができるので、照明手段が異常な状態のまま被検体に照明光を照射してしまうことを確実に防止することができる。
また、上記の内視鏡装置において、複数の前記制御部の内の少なくとも一つが、予め記憶されているプログラムに従って前記照明手段による前記照明光の照射の停止制御を行う第一の制御部であるとともに、他の少なくとも一つが回路構成によって前記照明手段による前記照明光の照射の停止制御を行う第二の制御部であることがより好ましいとされている。

この発明に係る内視鏡装置によれば、第一の制御部では、予め記憶されているプログラムに従って照明手段による照明光の照射の停止制御を行うことができる。また、第二の制御部では、特定の回路構成を有して、該回路構成によって同様の停止制御を行うことができる。このように複数の制御部において、異なる方式によって同様の制御を行うことで、同時に異常が発生することを確実に防ぎ、より信頼性を高めることができる。特に、第二の制御部では、停止制御を行うための特定の回路構成を有していることから、プログラムのバグ等による異常の発生のおそれがなく、より信頼性を高めることができる。
また、上記の内視鏡装置において、複数の前記制御部の内の少なくとも一つは、前記照明手段による前記照明光の照射の停止制御のみを行うことがより好ましいとされている。
この発明に係る内視鏡装置によれば、複数の制御部の内の少なくとも一つが照明手段の停止制御のみを行うことで、他の処理、制御、例えば、照明手段による照明光の光量制御やモニタへの映像処理などを行うことにより遅延が生じたりすることなく、検出手段の検出結果に応じて、速やかにかつ確実に停止制御を実行することができる。
また、上記の内視鏡装置において、前記照明手段は、前記光源部から前記励起光を発生するための電流を供給する光源駆動部と、該光源駆動部から前記光源部への電流の供給の有無を切り替えるスイッチとを有し、複数の前記制御部のそれぞれは、前記照明手段が異常であると判定した場合に、前記スイッチを駆動して、前記光源部への電流の供給を停止させることがより好ましいとされている。
この発明に係る内視鏡装置によれば、照明手段が光源駆動部から光源部への電流の供給の有無を切り替えるスイッチを有し、照明手段が異常である場合には、スイッチの切替により光源部への電流の供給を強制的に停止させるだけである。このため、照明手段が異常である場合に、複数の制御部のそれぞれによってより確実に照明光の照射を停止させることができる。
また、上記の内視鏡装置において、前記検出手段は、前記光源駆動部から供給される電流量を検出する電流検出部を有し、複数の前記制御部のそれぞれは、該電流検出部による検出結果に基づいて前記照明手段の異常の有無を判定し、停止制御を行うことがより好ましいとされている。
この発明に係る内視鏡装置によれば、検出手段の電流検出部によって、光源駆動部から光源部に供給される電流量を検出している。ここで、照明手段において光源駆動部自体あるいは光源駆動部への入力に異常が発生した場合には、光源駆動部から光源部へ供給される電流に変化が生じる。このため、電流検出部によって光源駆動部から光源部へ供給される電流量を検出することで、制御部は、電流検出部の検出結果に基づいて照明手段の異常の有無を正確に判定し、異常がある場合には確実に照明光の照射を停止させることができる。
また、上記の内視鏡装置において、前記検出手段は、前記光源部から発せられる前記励起光、前記蛍光部材から射出される前記照明光、または、該照明光が前記被検体に反射された反射光を検出する光検出部を有し、複数の前記制御部のそれぞれは、該光検出部による検出結果に基づいて前記照明手段の異常の有無を判定し、停止制御を行う。
この発明に係る内視鏡装置によれば、検出手段の光検出部によって、光源部から発せられる励起光、蛍光部材から射出される照明光、または、照明光が被検体に反射された反射光を検出している。ここで、照明手段において、光源部あるいは光源部への入力に異常が発生した場合には励起光に変化が生じ、これに応じて蛍光部材から射出される照明光または被検体からの反射光にも変化が生じる。また、蛍光部材に異常が発生した場合には、射出される照明光に変化が生じ、これに応じて被検体からの反射光にも変化が生じる。このため、光検出部によって、励起光、照明光または反射光を検出することで、制御部は、光検出部の検出結果に基づいて照明手段の異常の有無を正確に判定し、異常がある場合には確実に照明光の照射を停止させることができる。
また、上記の内視鏡装置において、前記検出手段は、前記光源部の温度を検出する温度検出部を有し、複数の前記制御部のそれぞれは、該温度検出部による検出結果に基づいて前記照明手段の異常の有無を判定し、停止制御を行うことがより好ましいとされている。
この発明に係る内視鏡装置によれば、検出手段の温度検出部によって、光源部の温度を検出している。ここで、照明手段において、光源部自体、あるいは光源部への入力に異常が発生した場合には、光源部の温度状態に変化が生じる。このため、温度検出部によって光源部の温度を検出することで、制御部は、温度検出部の検出結果に基づいて照明手段の異常の有無を正確に判定し、異常がある場合には確実に照明光の照射を停止させることができる。
また、上記の内視鏡装置において、前記照明手段の前記光源部を収容するとともに、開閉可能なドア部を有して前記光源部を外部へ取り出し可能とする収容手段と、該収容手段の前記ドア部が開状態であることを検出するドア検出手段とを備え、複数の前記制御部のそれぞれは、前記ドア検出手段による検出結果に基づいて前記ドア部が閉状態から開状態となった場合に該照明手段による前記照明光の照射の停止制御を行うことがより好ましいとされている。
この発明に係る内視鏡装置によれば、照明手段の光源部は収容手段に収容され、収容手段の内部において励起光を発し、これにより蛍光部材から照明光を射出することができる。また、光源部は、収容手段のドア部から外部へと取り出し可能であることで、必要に応じて交換することができる。ここで、ドア部を開状態としたときは、ドア検出手段によって開状態であることが検出され、これにより制御部が照明手段による照明光の照射を停止させることができる。このため、ドア部を開状態としたまま光源部からの励起光が外部へ漏れ出してしまうことを防ぐことができる。
また、上記の内視鏡装置において、前記照明手段の前記光源部を収容するとともに、開閉可能なドア部を有して前記光源部を外部へ取り出し可能とする収容手段と、該収容手段の前記ドア部が開状態であることを検出し該開状態であると検出した場合には、前記制御部と独立して前記照明手段による前記照明光の照射の停止制御を行うものとしても良い。
この発明に係る内視鏡装置によれば、照明手段の光源部は収容手段に収容され、収容手段の内部において励起光を発し、これにより蛍光部材から照明光を射出することができる。また、光源部は、収容手段のドア部から外部へと取り出し可能であることで、必要に応じて交換することができる。ここで、ドア部を開状態としたときは、ドア検出手段によって開状態であることが検出され、制御部による制御と関係無く、照明手段による照明光の照射を停止させることができる。このため、ドア部を開状態としたまま光源部からの励起光が外部へ漏れ出してしまうことを防ぐことができる。
本発明の内視鏡装置によれば、複数の制御部を備えていることで、照明手段による照明を行うに際して、いずれかの制御部に異常が発生したとしても、照明手段に異常があった場合には、異常な状態で被検体に照明光を照射してしまうことを確実に防止することができる。
(第1の実施形態)
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る内視鏡装置1は、被検体の内部に挿入される細長の挿入部2と、挿入部2の基端と接続された装置本体3と、装置本体3に接続されたモニタ4とを備える。挿入部2は、可撓性を有する軟性タイプのものでも良いし、一定の形状を保持する硬性タイプのものでも良い。また、装置本体3は、内部構成を収容する収容手段である筐体3aを有し、該筐体3aには、後述する照明手段10のレーザダイオード11を交換可能に開閉するドア部3bが設けられている。
また、挿入部2及び装置本体3には、挿入部2の先端側に位置する被検体を観察する観察手段5と、該被検体を照明する照明手段10と、照明手段10の状態を検出する検出手段20と、第一の制御部6及び第二の制御部7とが設けられている。第一の制御部6及び第二の制御部7は、一般的に同一の基板上に実装されているものであるが、必要に応じて異なる基板に実装するものとしても良い。第一の制御部6は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)であり、図示しない記憶部に記憶されたプログラムに従って制御、処理を実行するものであり、各構成の制御を行うとともに、特に検出手段20による検出結果に基づいて照明手段10による照明光の停止制御を行っている。また、第二の制御部7は、具体的には、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。そして、第二の制御部7は、特定の回路構成を有していて、この回路構成によって検出手段20による検出結果に基づいて照明手段10による照明光の停止制御のみを行っているものである。なお、第二の制御部7となる特定回路を有する制御部としては、上記FPGAに限らず、CPLD(Complex Programmable Logic Device)などとしても良い。また、第一の制御部6による各構成の制御、並びに第一の制御部6及び第二の制御部7の各制御部における照明手段10の照明光の停止制御の詳細については後述する。
観察手段5は、挿入部2の先端で外部に露出して設けられた対物光学系及び挿入部2の内部において対物光学系の結像位置に設けられた撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)を有する撮像部5aと、装置本体3内部に設けられ、撮像部5aから出力された画像信号から映像信号を生成し出力する映像信号処理部5bとを備える。映像信号処理部5bは、第一の制御部6及び第二の制御部7のそれぞれと接続されている。そして、観察手段5は、第一の制御部6による制御のもと、撮像部5aのCCDを駆動し、対物光学系によって結像された被検体の観察像をCCDによって電気信号に変換する。そして、映像信号処理部5bは、この電気信号に基づいてモニタ4に被検体の映像を映し出すことが可能である。なお、第一の制御部6及び第二の制御部7は、さらに、上記照明手段10の照明光の停止制御に伴って、映像信号処理部5bに信号を出力し、後述する各異常表示をモニタ4に表示させることが可能である。
また、照明手段10は、装置本体3に内蔵されていて励起光としてレーザ光を発する光源部であるレーザダイオード11と、レーザダイオード11に電流を供給する光源駆動部12と、挿入部2に基端側から先端側へ配設された光伝送部材である照明用ライトガイド13と、挿入部2の先端内部に設けられた蛍光部材14と、挿入部2の先端で外部に露出して設けられた照明用光学系15とを備える。光源駆動部12は、第一の制御部6に接続されている。このため、光源駆動部12は、第一の制御部6からの指令値に応じた電流量でレーザダイオード11に電流を供給することが可能であり、レーザダイオード11からは、供給される電流量に応じた光量で特定波長のレーザ光L1を発することが可能である。また、レーザダイオード11は、集光光学系16を介して、照明用ライトガイド13の基端と接続されていて、これによりレーザ光L1を集光して照明用ライトガイド13の基端から入光させ、先端側まで導光して、蛍光部材14に照射することが可能である。このため、蛍光部材14は、励起されて、レーザ光L1の光量に応じた光量の白色光である照明光L2を先端側に射出することとなり、照明用光学系15によって集束して先端側を照明することが可能である。
また、照明手段10は、さらに、光源駆動部12とレーザダイオード11との間に直列に設けられ、光源駆動部12からの電流の供給のオン、オフを切り替える第一のスイッチ17、第二のスイッチ18、及び、第三のスイッチ19を備えている。第一のスイッチ17は、第一の制御部6と接続されていて、第一の制御部6による制御のもとオン、オフ切替可能となっている。また、第二のスイッチ18は、第二の制御部7と接続されていて、第二の制御部7による制御のもとオン、オフ切替可能となっている。また、第三のスイッチ19は、装置本体3において、ドア部3bが開状態であることを検出するドア検出部3cと接続されている。ドア検出部3cは、例えば、ドア部3bが開状態である時に開放されるとともに、ドア部3bが閉状態である時に押圧、入力されるスイッチなどを有し、これによりドア部3bが開状態であるかどうか検出するものである。また、本実施形態では、ドア検出部3cは、制御機能を有しており、ドア部3bが開状態である場合には第三のスイッチ19を駆動し、該第三のスイッチ19を開放(オフ)して光源駆動部12からの電流供給を停止させることが可能となっている。なお、ドア検出部3cは、第一の制御部6及び第二の制御部7のそれぞれとも接続されており、ドア部3bが開状態である場合には、検出信号を出力可能となっている。
また、照明手段10の状態を検出する検出手段20は、蛍光部材14から射出される照明光L2の光量を検出する光検出部21と、レーザダイオード11の温度を検出する温度検出部22と、レーザダイオード11と光源駆動部12との間に介装されて、光源駆動部12からの電流量を検出する電流検出部23とを備える。光検出部21は、例えばフォトダイオードであり、装置本体3内に設けられている。そして、光検出部21と蛍光部材14との間には、検出用光ファイバ24が一端を蛍光部材14に接続するともに、他端を光検出部21に近接配置するように、挿入部2の内部に配設されるとともに、光学フィルタ25が検出用光ファイバ24の他端と光検出部21との間に介装されている。光学フィルタ25は、特定の波長、例えば可視光のみを透過させるものである。このため、光検出部21は、検出用光ファイバ24によって蛍光部材14から射出された照明光L2を戻り光として導光したものについて、光学フィルタ25によって可視光成分のみの光量を検出している。また、温度検出部22は、サーミスタや温度検出ICなどである。また、光検出部21、温度検出部22、及び電流検出部23は、それぞれ、第一の制御部6及び第二の制御部7と接続され、各検出結果を出力可能となっている。そして、第一の制御部6及び第二の制御部7は、それぞれ、入力される各検出結果を監視し、これに基づいて照明手段10の異常の有無を判定し、異常である場合には停止制御を行うように設定されている。
次に、内視鏡装置1の作用並びに、第一の制御部6及び第二の制御部7による制御の詳細について図1から図3に基づいて説明する。
図示しない操作部よって電源をオンとすると、第一の制御部6は、観察手段5において撮像部5aのCCDを駆動し、挿入部2の先端側を観察可能とする。また、第一の制御部6は、照明手段10において、光源駆動部12に指令値を出力し、これにより指令値と対応する大きさの電流が光源駆動部12から第一のスイッチ17、第二のスイッチ18及び第三のスイッチ19を介してレーザダイオード11に供給されることとなる。このため、供給される電流量に応じた光量のレーザ光L1がレーザダイオード11から発せられる。発せられたレーザ光L1は、照明用ライトガイド13に導光されて、蛍光部材14に照射されることとなり、これにより蛍光部材14が励起され照明光L2を射出し、被検体を照明することとなる。このため、照明手段10による照明光L2を利用して、観察手段5によって好適に被検体を観察することが可能となる。ここで、照明手段10によって照明光L2を照射している間、検出手段20の光検出部21、温度検出部22、電流検出部23のそれぞれで照明手段10の状態を検出している。また、各検出結果は第一の制御部6及び第二の制御部7に出力され、それぞれにおいて検出結果から照明手段10の異常の有無を判定している。以下に、各制御部での処理、制御手順の詳細について、図3に示すフロー図に基づいて説明する。
図3において、上記のように、第一の制御部6による制御に基づいて照明手段10の光源駆動部12から電流が供給されると、蛍光部材14から照明光が射出される(ステップS1)。次に、第一の制御部6及び第二の制御部7は、電流検出部23から入力される電流値が正常かどうか判定し(ステップS2)、温度検出部22から入力される温度値が正常かどうか判定し(ステップS3)、光検出部21から入力される照明光L2の光量値が正常かどうか判定し(ステップS4)、さらに、ドア検出部3cから入力される検出値によってドアが開状態であるか閉状態であるか判定する(ステップS5)。そして、ステップS2からステップS4において、いずれも正常であり、また、ステップS5において、ドア部3bが閉状態である場合には、ステップS2からステップS5を繰り返して照明手段10の状態の監視を継続させる。なお、ステップS2からステップS4において、各検出値が正常かどうかの判断基準としては、指令値と対応して予定される値に対して検出値が所定誤差範囲内であるかを判断基準としても良いし、指令値と関係無く検出値が所定範囲内であるかを判断基準としても良い。
一方、ステップS2において検出された電流量が異常であると判定した場合には、ステップS6に移行して、第一の制御部6及び第二の制御部7は、それぞれ、映像信号処理部5bに信号を出力して、これによりモニタ4に光源駆動部12からの電流値が異常であることを表示させる。そして、ステップS10に移行して、第一の制御部6及び第二の制御部7は、接続された第一のスイッチ17または第二のスイッチ18を駆動して、光源駆動部12からレーザダイオード11への電流の供給を遮断する。これにより、異常な電流量で電流を供給したままレーザダイオード11からレーザ光L1が発せられなくなり、すなわち蛍光部材14から照明光L2が射出されなくなり、消灯状態となる。
また、ステップS3において検出された温度値が異常であると判定した場合には、ステップS7に移行して、第一の制御部6及び第二の制御部7は、それぞれ、映像信号処理部5bに信号を出力して、これによりモニタ4にレーザダイオード11の温度が異常であることを表示させる。そして、ステップS10に移行して同様に、接続された第一のスイッチ17または第二のスイッチ18を駆動して、光源駆動部12からレーザダイオード11への電流の供給を遮断する。これにより、レーザダイオード11が異常な温度状態のまま電流が供給されてレーザ光L1が発せられることがなくなり、すなわち蛍光部材14から照明光L2が射出されなくなり、消灯状態となる。
また、ステップS4において検出された照明光L2の光量値が異常であると判定した場合には、ステップS8に移行して、第一の制御部6及び第二の制御部7は、それぞれ、映像信号処理部に信号を出力して、これによりモニタ4に照明光L2の光量が異常であることを表示させる。そして、ステップS10に移行して同様に、接続された第一のスイッチ17または第二のスイッチ18を駆動して、光源駆動部12からレーザダイオード11への電流の供給を遮断する。これにより、照明手段10の各構成いずれかの異常により光量が異常状態のまま照明光L2を被検体に照射することがなくなり、消灯状態となる。
また、ステップS5においてドア検出部3cによってドア部3bが開状態であると検出された場合には、ステップS9に移行して、第一の制御部6及び第二の制御部7は、ドア検出部3cから出力された検出結果に基づいて、映像信号処理部5bに表示信号を出力し、これによりモニタ4にドア部が開状態であるように表示させる。そして、ステップS11に移行して、ドア検出部3cは、第一の制御部6及び第二の制御部7と独立して第三のスイッチ19を駆動して、光源駆動部12からレーザダイオード11への電流の供給を遮断する。これにより、制御部による制御と関係無く、照明手段10による照明光L2の照射を停止させることができる。このため、ドア部3bを開状態としたままレーザダイオード11からのレーザ光L1が外部へ漏れ出してしまうことがなくなり、消灯状態となる。
以上のように、本実施形態の内視鏡装置1では、照明手段10によって照明する際に、光源駆動部12から供給される電流の状態、レーザダイオード11の温度状態、並びに、照射される照明光L2の状態など、照明手段10の状態を検出し、該検出結果に基づいて異常があると判定した場合には、第一の制御部6及び第二の制御部7のそれぞれによって照明手段10による照明光L2の照射の停止制御を行うことができる。そして、これにより異常な状態の照明光L2が被検体に照射されてしまうことを防止することができる。ここで、照明手段10の各状態の検出結果から異常の有無を判定し、異常である場合に停止制御を行う制御部は、第一の制御部6及び第二の制御部7と複数存在する。このため、いずれかの制御部に異常が発生したとしても、他の制御部によって正常に判定を行い、また、停止制御を行うことができるので、照明手段10が異常な状態のまま被検体に照明光L2を照射してしまうことを確実に防止することができる。また、本実施形態では、第一の制御部6と第二の制御部7とは、一方が予め記憶されているプログラムに従って照明手段10による照明光L2の照射の停止制御を行うものであり、他方が特定の回路構成を有して、該回路構成によって同様の停止制御を行うものであり、互いに異なる方式によって同様の制御を行っている。このため、同様の原因などによって同時に異常が発生してしまうことを確実に防ぎ、より信頼性を高めることができる。特に、第二の制御部7では、停止制御を行うための特定の回路構成を有していることから、プログラムのバグ等による異常の発生のおそれがなく、より信頼性を高めることができる。
また、本実施形態では、一方の第一の制御部6が、各構成の制御とともに、照明手段10の停止制御を行っており、停止制御以外の処理、制御を行う制御部を別途搭載する必要が無い。また、他方の第二の制御部7が照明手段10の停止制御のみを行っているので、第二の制御部7においては、他の処理、制御、例えば、照明手段10による照明光L2の光量制御やモニタ4への映像処理などを行うことにより遅延が生じたりすることなく、検出手段20の検出結果に応じて、速やかにかつ確実に停止制御を実行することができる。
また、本実施形態では、ドア部3bが開状態となった場合には、ドア検出部3cによって開状態であることが検出され、制御部による制御と関係無く、照明手段10による照明光L2の照射を停止させることができる。このため、ドア部3bを開状態としたままレーザダイオード11からの励起光が外部へ漏れ出してしまうことを防ぐことができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4及び図5は、本発明の第2の実施形態を示したものである。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4に示すように、この実施形態の内視鏡装置40において、照明手段10は、光源駆動部12とレーザダイオード11との間に、光源駆動部12からの電流の供給のオン、オフを切り替える一つのスイッチ41を備えている。そして、第一の制御部42及び第二の制御部43は、いずれもスイッチ41と接続されている。なお、第一の制御部42及び第二の制御部43の基本的な構成は第1の実施形態と同様である。また、本実施形態では、ドア検出部44は、ドア部3bが開状態かどうか検出し、検出結果を出力するのみであり、第一の制御部42及び第二の制御部43がドア検出部44から入力された検出結果に基づいてスイッチ41を駆動し、光源駆動部12からレーザダイオード11への電流の供給を遮断するように設定されている。
この実施形態の内視鏡装置40では、図5に示すように、照明手段10によって照明を開始すると、上記ステップS2からステップS5が繰り返される。そして、検出手段20による検出結果から、第一の制御部42及び第二の制御部43で照明手段10が異常状態であると判定し、モニタ4に対応する情報を表示させる(ステップS6、S7、S8)。さらに、第一の制御部42及び第二の制御部43は、スイッチ41を駆動し、光源駆動部12からレーザダイオード11への電流の供給を遮断する(ステップS20)。これにより、照明手段10が異常状態のまま電流が供給されてレーザ光L1が発せられることがなくなり、すなわち蛍光部材14から照明光L2が射出されなくなり、消灯状態となる。
また、ステップS5においてドア検出部44によってドア部3bが開状態であると検出された場合には、ステップS9に移行して、第一の制御部42及び第二の制御部43は、ドア検出部44から出力された検出結果に基づいて、モニタ4にドア部3bが開状態であるように表示させるとともに、ステップS20に移行して、スイッチ41を駆動し、光源駆動部12からレーザダイオード11への電流の供給を遮断する。このため、ドア部3bを開状態としたままレーザダイオード11からのレーザ光が外部へ漏れ出してしまうことがなくなり、消灯状態となる。
このように、本実施形態では、スイッチ41を一つとし、第一の制御部42及び第二の制御部43がともに接続されるものとしたが、第1の実施形態同様に、照明手段10が異常である場合に、照明手段10の照明光L2の照射の停止制御を行うことができる。また、スイッチ41を一つとすることで、コストを抑えるとともに、省スペース化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、上記各実施形態では、制御部としては、第一の制御部及び第二の制御部と、二つ搭載されているものとしたが、これに限らず三つ以上としても良い。また、第一の制御部は、CPUなどプログラムに従って制御、処理を実行するものであり、第二の制御部は、特定の回路構成によって制御、処理を実行するものであるとしたが、これに限るものでは無く、例えば、ともにCPUであるものとしても良い。また、第一の制御部では、照明手段の停止制御に限らず、様々な処理、制御を行うものとしたが、照明手段の停止制御を専用に行う制御部を複数設け、さらに別の制御部によってその他の様々な処理、制御を行うものとしても良い。また、複数の制御部は、互いに通信可能なものとしても良い。このようにすることで、一の制御部が異常状態となった場合に、通信停止などの現象に基づいて、他の制御部が一の制御部が異常であると判定し、例えばモニタに制御部異常と表示することができる。
また、上記各実施形態では、照明手段の状態が異常である場合に、スイッチを切り替えて、光源駆動部からレーザダイオードへの電流の供給を遮断し、これにより照明光の照射を停止させるものとしたが、これに限るものでは無い。例えば、制御部から光源駆動部への指令を停止指令とし、光源駆動部から供給される電流量をゼロとするものとしても良い。あるいは、レーザダイオードまたは蛍光部材の先端側に開閉可能なシャッターを設け、照明手段の異常が検出された場合には当該シャッターを閉状態とし、レーザダイオードからのレーザ光若しくは蛍光部材からの照明光を遮蔽するものとしても良い。
また、上記各実施形態では、検出手段は、照明手段の状態として、光検出部で照明光の光量を検出し、温度検出部でレーザダイオードの温度を検出し、光源駆動部から供給される電流量を検出するものとしたが、これに限るものではなく、少なくともいずれか一つで良く、また、照明手段における状態を表す他の特性値を検出するものとしても良い。例えば、レーザダイオードから発せられるレーザ光の光量を検出しても良いし、照明光が被検体で反射され、反射光として挿入部に照射される光の光量を検出するものとしても良い。あるいは、照明手段による連続照明時間を計測し、当該時間が一定時間以上となった場合に、異常と判定し、停止制御するものとしても良い。
また、上記各実施形態では、光源が駆動されて照明光が出射している状態で図3又は図5におけるステップS2〜S5が実行されているが、これに限るものではなく、装置の電源をオンにし、光源が駆動されて照明光が出射する前にステップS2〜S5を実行してもよい。つまり、電源がオンにされたときにまずステップS2〜S5を実行して異常の確認を行い、問題がなければステップS1に遷移して光源を駆動し、照明光を出射する。以降は図3又は図5と同様に、ステップS2〜S5を繰り返して監視を継続する。
本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の外部構成を示す全体構成図である。 本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の内部構成を示す全体構成図である。 本発明の第1の実施形態の内視鏡装置において、制御手順の詳細を示すフロー図である。 本発明の第2の実施形態の内視鏡装置の内部構成を示す全体構成図である。 本発明の第2の実施形態の内視鏡装置において、制御手順の詳細を示すフロー図である。
符号の説明
1、 40 内視鏡装置
2 挿入部
3a 筐体(収容手段)
3b ドア部
3c、44 ドア検出部
5 観察手段
6、42 第一の制御部(制御部)
7、43 第二の制御部
10 照明手段
11 レーザダイオード(光源部)
12 光源駆動部
14 蛍光部材
17 第一のスイッチ(スイッチ)
18 第二のスイッチ(スイッチ)
19 第三のスイッチ(スイッチ)
20 検出手段
21 光検出部
22 温度検出部
23 電流検出部
41 スイッチ

Claims (9)

  1. 被検体の内部に挿入される挿入部と、
    該挿入部の先端側に設けられて被検体の内部を観察可能な観察手段と、
    励起光を発する光源部及び該励起光によって照明光を射出する蛍光部材を有して、該照明光を被検体に照射可能な照明手段と、
    該照明手段の状態を検出する検出手段と、
    該検出手段による検出結果に基づいて前記照明手段の異常の有無を判定し、異常と判定した場合に該照明手段による前記照明光の照射の停止制御をそれぞれ行う複数の制御部とを備えることを特徴とする内視鏡装置。
  2. 請求項1に記載の内視鏡装置において、
    複数の前記制御部の内の少なくとも一つが、予め記憶されているプログラムに従って前記照明手段による前記照明光の照射の停止制御を行う第一の制御部であるとともに、他の少なくとも一つが特定の回路構成を有して該回路構成によって前記照明手段による前記照明光の照射の停止制御を行う第二の制御部であることを特徴とする内視鏡装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の内視鏡装置において、
    複数の前記制御部の内の少なくとも一つは、前記照明手段による前記照明光の照射の停止制御のみを行うことを特徴とする内視鏡装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の内視鏡装置において、
    前記照明手段は、前記光源部から前記励起光を発生させるための電流を供給する光源駆動部と、該光源駆動部から前記光源部への電流の供給の有無を切り替えるスイッチとを有し、
    複数の前記制御部のそれぞれは、前記照明手段が異常であると判定した場合に、前記スイッチを駆動して、前記光源部への電流の供給を停止させることを特徴とする内視鏡装置。
  5. 請求項4に記載の内視鏡装置において、
    前記検出手段は、前記光源駆動部から供給される電流量を検出する電流検出部を有し、 複数の前記制御部のそれぞれは、該電流検出部による検出結果に基づいて前記照明手段の異常の有無を判定し、停止制御を行うことを特徴とする内視鏡装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内視鏡装置において、
    前記検出手段は、前記光源部から発せられる前記励起光、前記蛍光部材から射出される前記照明光、または、該照明光が前記被検体に反射された反射光を検出する光検出部を有し、
    複数の前記制御部のそれぞれは、該光検出部による検出結果に基づいて前記照明手段の異常の有無を判定し、停止制御を行うことを特徴とする内視鏡装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の内視鏡装置において、
    前記検出手段は、前記光源部の温度を検出する温度検出部を有し、
    複数の前記制御部のそれぞれは、該温度検出部による検出結果に基づいて前記照明手段の異常の有無を判定し、停止制御を行うことを特徴とする内視鏡装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の内視鏡装置において、
    前記照明手段の前記光源部を収容するとともに、開閉可能なドア部を有して前記光源部を外部へ取り出し可能とする収容手段と、
    該収容手段の前記ドア部が開状態であることを検出するドア検出手段とを備え、
    複数の前記制御部のそれぞれは、前記ドア検出手段による検出結果に基づいて前記ドア部が開状態である場合に該照明手段による前記照明光の照射の停止制御を行うことを特徴とする内視鏡装置。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の内視鏡装置において、
    前記照明手段の前記光源部を収容するとともに、開閉可能なドア部を有して前記光源部を外部へ取り出し可能とする収容手段と、
    該収容手段の前記ドア部が開状態であることを検出し該開状態であると検出した場合には、前記制御部と独立して前記照明手段による前記照明光の照射の停止制御を行うことを特徴とする内視鏡装置。
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