JP5159272B2 - 集配用貨物自動車 - Google Patents
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しかし、先卸し荷物を優先する様に荷室内の貨物の配置を決めるということは、配送ルートを熟知したドライバーの経験則に頼っており、且つ、その様なドライバー以外には荷室内に貨物を積み込む事が出来なくなる。そのための、荷室内に貨物を積み込むのに、時間が掛かってしまう。
また、配達に際して、1日における多頻度にわたる乗降は、中・高年のドライバーにとって厳しい労働負荷となっている。
一方、宅配は、既に家庭生活に密接に係る輸送体系となっており、貨物の多様化、時間指定の厳格化が進み、半面、駐車取締りによる都市部での定点駐車の手押し台車を用いての配送の増加や、不在の場合の再配送など、配送に要する時間の短縮化が求められている。
しかし、棚の支持部材などが、荷室の側壁から大きく突出しているため、その突出部で、積荷の包装を痛めてしまう(いわゆる「荷痛み」)という問題を抱えている。
最初に、図1〜図10を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1〜図3において、当該貨物自動車100は、運転席を有するキャビン1と、バンタイプの荷台2とを分離して設けている。
図1〜図3において、荷台2には、貨物積載領域である荷室20を備えている。なお、荷台2において、荷室20に加えて、冷凍装置を設ける事も可能である。
ステップ部分6は、荷室としても活用できる。
側壁面21(車両後方から見ると右方になる壁面)には、棚板24が棚として使用されない状態、すなわち棚板が垂直になっている状態が示されている。
図4において、棚22は、複数の棚板用支柱23と、複数の棚板24、24A(図3参照)とによって構成されている。棚板用支柱23は、荷室20の側壁21に取り付けられており、垂直方向に延在している。
車両の最後方に位置する棚板24A(図3において、最も左側に位置している棚板)は、4隅の内の1箇所が切り欠かれている。
図4を参照すると、棚板24において、側壁面21に近い側の側面は符号24cを付しており、その反対側の側面には符号24dを付している。ここで、側面24b、24c、24dは、棚板24の板厚を示している。
棚板24の側面24b(図4では、右方の側面)には、2本の棚板用ピン24pが設けられている。
ここで、2本の棚板用ピン24pの内、側面24dに近い側におけるピンは省略可能である。
図4では、ポスト23の長手(垂直)方向の一部のみが示されており、ポスト1本についても、4本の棚板固定用ピン23pと、4箇所のL字溝230だけが示されている。
図4において、棚板固定用ピン23p同士の間隔(ポスト23における長手方向のピッチ)Lp3及びL字溝230の間隔(ポスト23における長手方向のピッチ)Lnは、棚板用ピン24pの側面24bに設けられた2本のピン24pの間隔(ピッチ)Lp4と等しくなるように設定されている。
そして、棚板固定用L字溝230の中に、棚板側面24bの棚板用ピン24pが挿入可能に構成されている。
図4に加えて、図5〜図7をも参照して、棚板24をポスト23に固定する方法について説明する。
次に、図6において、棚板用ピン24pをL字溝230の第1の部分231に挿入した状態で、棚板24を時計回り(図6の矢印R1方向)に回動する。そして、棚板24を矢印Y方向に押し込む。ここで、矢印Y方向へ棚板24を押し込むにあたっては、棚板24の表面24aと側面24cとの間に位置するコーナ部Cが、ポスト23に設けられた棚板固定用ピン23pと干渉しない様に、押し込まれる。
棚板用ピン24pがL字溝230の第2の部分232における底部に当接したならば、棚板24を反時計回り(図7では矢印R2方向)に回動する。棚板24を矢印R2方向へ回動すると、棚板24の表面24aがポスト23側の棚板固定用ピン23pに当接する。
これにより、棚板24をポスト23へ取り付ける(固定する)作業が完了する。
棚板24をポスト23へ固定した際には、棚板24の上に配達するべき各種物品を載置できるように、棚板24を水平にせしめている。
より好ましくは、棚板24上に物品が載置可能となった状態では、棚板24の荷室中心側(図8では左側側面)が若干上方を向くように、水平面に対して角度δ(例えば、δ=5°)だけ傾斜している。水平面に対して角度δだけ傾斜させることにより、棚板24上の図示しない荷物が落下し難くなるからである。
図9において、棚板24を使用状態から格納した状態にするには、図示しない作業者(ドライバー)は、棚板24を、ピン24pを軸としたまま、その裏面24eが荷室20の中央を向くように(棚板24が垂直方向へ延在するように)、上方向に回転させる。一端、棚板24を取り外す必要はない。
これにより、棚板24の格納は完了する。
このように構成すれば、棚板24を格納した状態においては荷室20内に突出した部分が存在しないので、配送するべき荷物を包装しているダンボール等が破損して、いわゆる「荷痛み」が生じない。
図11は、荷台後部の扉5(図11では図示せず)を開いた状態で、車両後方から荷室内部の下方を見た状態を示している。図12は、図11のY矢視を示している。
従来技術では、ステップ部分の奥行き寸法L6が短く、折りたたみ式台車7をステップ部に置けないので、荷室20側に置いており、使い勝手が悪かった。
それに対して、第1実施形態では、図11及び図12で示すように、折りたたみ式台車7をステップ部分6に置いており、ステップ部分6は荷物搬入搬出口部4の直近に置かれている。そのため、戸別の集配に際して、荷物搬入搬出口部4の直近に置かれた折りたたみ式台車7を効率的に使用することが出来る。
これに加えて、図12で示すように、ゴルフバックGB(2個)もステップ部6に縦置きに積載できるので、ゴルフバッグGBの積み込み、積み下ろしが容易である。
都市部の狭矮な路地裏などでは、後部扉5の片側しか開けられない場合もある。棚板24Aに切欠き24Acを設けることで、後部扉5が片側しか開けられない場合であっても、ドライバーDは棚板24Aと干渉することなく、荷室20内へ容易に出入りすることが出来る。
ステップ部6における最下方の棚板24Aの高さH4は、ゴルフバックGB及び畳んだ状態の折りたたみ式台車7と干渉しない様に設定されている。すなわち、ゴルフバックGBの高さ方向寸法800mmに対して、高さH4は、図示の例では840mmに設定している。
なお、畳んだ状態でステップ部6に置かれた折りたたみ式台車7の高さ方向寸法は、ゴルフバックGBの高さ方向寸法よりも小さい。従って、ゴルフバックGBと干渉しなければ、棚板24Aは折りたたみ式台車7には干渉しない。
また、荷室20の中央側に突出する突起が存在する場合に比較して、荷室20の積載効率が向上する。
すなわち、棚板24の使用時(棚板24に物品を載置する場合)においても、棚板24の格納時(棚板24に物品を載置しない場合)においても、特別な装置、工具を用いることなく、棚板24を水平状態に保持し(棚板24の使用時:棚板24に物品を載置する場合)、垂直状態に格納(棚板24に物品を載置しない場合)することができる。したがって、棚板24、24Aの着脱を、短時間で容易に行うことが出来る。
また、ステップ部分6に折りたたまれた状態の折りたたみ式台車7を配置することが出来るので、折りたたみ式台車7を荷物搬入搬出口部4の直近に置いて、戸別の集配を効率的に行うことが可能である。
図13、図14の第2実施形態は、図4〜図10で示す第1実施形態に対して、棚22の構成を変更している。
ロックピン240pのストレート部分の端部(側面24Ab側の端部)近傍には、スプリングシート241が固着されている。
棚板24Aの箱形状の部分における側壁21側の面24Acの裏面(箱状の内部側)には、棚板24A側のスプリングシート242が板幅方向を荷室の垂直方向に向けて取り付けられている。
そして、ロックピン240pにおけるスプリングシート241と、棚板24A側のスプリングシート242間の領域には、圧縮型のコイルスプリング245が、ロックピン240pに巻き付く様に介装されている。
なお、図13ではピン側のスプリングシート241と、ガイドプレート243とは省略して描かれている。
一方、棚板用支柱(ポスト)23Aには、第1実施形態のポスト23のL字状溝230の代わりに、単なる円形のピン孔23Qが形成されている(図13参照)。
棚板24Aにおいて、ロックピン240pの中心線の延長上で、ピン孔244が形成されているのとは反対側の側面24Abには、第1実施形態と同様のピン24pが取り付けられている。
なお、係る構造は、従来公知のロック機構を転用可能であるので、詳細な説明は省略する。
図13、図14において、ロックピン240pの先端を、ドライバーの手によって棚板24A内部に引っ込ませて、棚板24Aが水平よりも若干側壁21側が下方になるような状態を保ちつつ、ロックピン240pとは反対側のピン24pを、ポスト23Aのピン孔23Qに挿入する。
次に、ロックピン240pの先端位置を、ポスト23Aのピン孔23Qに一致せしめる。圧縮型のコイルスプリング245の弾性反撥力により、引っ込めていたロックピン240pの先端は、ポスト23Aのピン孔23Qに挿入される。
その状態で、ドライバーが棚板24Aを支えていた両手を離せば、棚板24Aの表面24Aaがポスト23A側の固定用ピン23pに当接して、棚板24Aの固定が完了する。
棚板24Aに物品を載置しない場合には、棚板24Aをポスト23A、34A間へ格納する。格納に際しては、ロックピン240pの先端がポスト23Aのピン孔23Qに挿入した状態で、棚板24Aが垂直となるように回動する。そして、係止用ピン29の先端がポスト23Aの側面23bに接する位置に到達したならば、さらに力をこめて棚板24Aを押し込む。
すると、係止用ピン29は一旦引っ込んだ後、係止用ピン29の先端位置がロック孔23Qと一致すれば、係止用ピン29が再び突出し、係止用ピン29はロック孔23Qに挿入される。
第2実施形態の上記以外の構成及び作用効果は、図1〜図12の第1実施形態と同様である。
2・・・荷台
4・・・荷物搬入搬出口部
5・・・扉/後部扉
6・・・ステップ部
7・・・折りたたみ式台車
20・・・荷室
20f・・・貨物積載量域の床部/荷室の床部
21・・・側壁面
22・・・棚
23・・・棚板用支柱
24・・・棚板
230・・・棚板固定用L字溝
Claims (2)
- 貨物積載領域(20)がバンタイプであり、該貨物積載領域(20)の側壁面(21)には垂直方向に延在する複数の棚板用支柱(23)が設けられ、該棚板用支柱(23)には荷物積載用の棚板(24)が着脱可能に装備され、該棚板(24)が側壁面(21)に垂直な位置と側壁面(21)に平行な位置とに変更可能に構成されている集配用貨物自動車において、前記貨物積載領域(20)の後方の荷物搬入搬出口部(4)と隣接してステップ部分(6)が設けられており、該ステップ部分(6)は貨物積載領域の床部(20f)よりも下方に位置しており、前記棚板用支柱(23)の側面(23b)には複数の棚板固定用ピン(23p)が設けられそして棚板(24)の側面(24b)に設けた棚板用ピン(24p)が挿入される複数の棚板固定用L字溝(230)が形成されており、前記棚板固定用L字溝(230)は、車両の左右方向へ延在する第1の部分(231)と該第1の部分(231)と一端部で接続されて垂直方向へ延在する第2の部分(232)とで構成され、前記棚板(24)が側壁面(21)と垂直な位置に固定される際に、側壁面(21)に近い位置の棚板用ピン(24p)は棚板固定用L字溝(230)の第2の部分(232)に挿入されており、そして棚板固定用ピン(23p)が棚板上面(24a)と当接して水平面に対して角度(δ)だけ上向きに傾斜しており、前記棚板が側壁面(21)と平行な位置で固定されている際に棚板(24)の側面(24b)の全ての棚板用ピン(24p)が前記棚板固定用L字溝(230)の第2の部分(232)に挿入され、棚板用支柱(23)の側壁面(21)から離隔する側面(23a)より貨物積載領域(20)の中央側に突出しないように棚板(24)が係止されていることを特徴とする集配用貨物自動車。
- 貨物積載領域(20)がバンタイプであり、該貨物積載領域(20)の側壁面(21)には垂直方向に延在する複数の棚板用支柱(23A)が設けられ、該棚板用支柱(23A)には荷物積載用の棚板(24A)が着脱可能に装備され、該棚板(24A)が側壁面(21)に垂直な位置と側壁面(21)に平行な位置とに変更可能に構成されている集配用貨物自動車において、前記貨物積載領域(20)の後方の荷物搬入搬出口部(4)と隣接してステップ部分(6)が設けられており、該ステップ部分(6)は貨物積載領域の床部(20f)よりも下方に位置しており、前記棚板(24A)は箱形状でその側面(24Ab)の内部で側壁面(21)側の部分に棚板側の固定ピン(240p)を備え、その固定ピン(240p)は棚板(24A)の中央側の端部がL字状に曲げられており、そしてそのストレート部分の端部には端部付近の第1のスプリングシート(241)が固着され、前記棚板(24A)の側壁面(21)側の面(24Ac)の裏面に第2のスプリングシート(242)が取付けられ、前記固定ピン(240p)の第1のスプリングシート(241)と棚板(24A)側の第2のスプリングシート(242)との間にはコイルスプリング(245)が固定ピン(240p)に巻き付くように介装され、さらに第2のスプリングシート(242)よりも固定ピン(240p)のL字状の端部の側には固定ピン(240p)にガイド孔を有するガイドプレート(243)が設けられ、そして前記棚板用支柱(23A)には前記固定ピン(240p)が挿入される複数の円形のピン孔(23Q)が形成され、前記棚板用支柱(23A)の側面(23b)には棚板固定用ピン(23p)が設けられ、前記棚板(24A)の第2のスプリングシート(242)に近い側の側面(24Ab)には前記固定ピン(240p)を貫通させるピン孔(244)が形成され、そして前記ピン孔(244)が形成されている側面(24Ab)とは反対側の別の側面(24Ab)には前記固定ピン(240p)の中心線の延長上に棚板用ピン(24p)が取付けられており、さらに前記ピン孔(244)が形成されている側面と反対側の別の側面(24Ab)には外力が作用すると引っ込むが、外力が解除されると棚板(24A)から突出する係止用ピン(29)が設けられ、前記棚板(24A)が側壁面(21)と垂直な位置で固定される際に固定ピン(240p)が棚板用支柱(23A)のピン孔(23Q)に挿入されて棚板固定用ピン(23p)が棚板上面(24Aa)と当接して水平面に対して角度(δ)だけ上向きに傾斜しており、前記棚板(24A)が側壁面(21)と平行な位置で固定されている際に固定ピン(240p)の先端が棚板用支柱(23A)のピン孔(23Q)に挿入され、係止用ピン(29)の先端が棚板用支柱(23A)の別のピン孔(23Q)に挿入されており、棚板用支柱(23A)の側壁面(21)から離隔する側面より貨物積載領域(20)の中央側に突出しないように棚板(23A)が係止されていることを特徴とする集配用貨物自動車。
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