JP5157709B2 - 可変圧縮比変更機構を有する内燃機関の制御装置 - Google Patents
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(1)リンク機構を用いてピストンの移動量(ピストンが下死点位置から上死点位置にまで移動する際の移動距離)を変更させる(例えば、特許文献1を参照。)。
(2)クランクケースに対するシリンダブロックの傾斜角を変更させる。
(3)シリンダブロックをクランクケースに対してシリンダの軸線方向に移動させる(例えば、特許文献2及び特許文献3を参照。)。
(4)ピストンとクランク軸との距離を変更させる(例えば、特許文献4及び特許文献5を参照)。
排気通路に配設されるとともに排ガス中の特定成分を浄化する触媒と、「ピストンが上死点位置にあるときの燃焼室容積」に対する「同ピストンが下死点位置にあるときの燃焼室容積」の比である「機械圧縮比」を指示に応じて変更し得る機械圧縮比変更機構と、を有する可変圧縮比内燃機関に適用される。
前記機関の運転状態を表す運転状態パラメータに基づいて基本機械圧縮比を決定する「基本機械圧縮比決定手段」と、
前記基本機械圧縮比を一時的に増大させる高圧縮比運転要求が発生しているか否かを前記運転状態パラメータに基づいて判定する「高圧縮比運転要求発生判定手段」と、
「前記高圧縮比運転要求が発生していない」と判定されているときに前記基本機械圧縮比を最終的な目標機械圧縮比として設定し、「前記高圧縮比運転要求が発生している」と判定されているときに前記基本機械圧縮比に「所定量」を加えた機械圧縮比である「増大後機械圧縮比」を最終的な目標機械圧縮比として設定する「目標機械圧縮比設定手段」と、
前記機関の実際の機械圧縮比が前記設定された最終的な目標機械圧縮比に一致するように前記機械圧縮比変更機構に指示を送出する「機械圧縮比制御手段」と、
を備える。
前記最終的な目標機械圧縮比を前記基本機械圧縮比から前記増大後機械圧縮比に変更することにより実際の機械圧縮比を増大させた場合、前記触媒において浄化されることなく同触媒から排出される前記特定成分の増加量である「排気成分増加量」が所定の許容値よりも大きくなるか否かを推定する「排気状態推定手段」と、
前記高圧縮比運転要求が発生したと判定された場合に「前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなる」と推定されるとき、前記最終的な目標機械圧縮比を「前記基本機械圧縮比又は同基本機械圧縮比と前記増大後機械圧縮比との間の機械圧縮比」に設定する「機械圧縮比増大抑制手段」と、
を備える。
「排ガス中の特定成分」とは、例えば、窒素酸化物(NOx)及び未燃物(HC,CO等)であって、排ガス清浄化の観点から排ガス中におけるその含有量を低減することが求められる物質である。
前記高圧縮比運転要求発生判定手段は、
前記機関の発生トルクの単位時間あたりの変化量を第1所定量以上とすることを要求する「第1加速要求」が発生しているか否かを判定し、同第1加速要求が発生していると判定したとき前記高圧縮比運転要求が発生していると判定するように構成されることが好適である。
また、機関の発生トルクの単位時間あたりの変化量の大きさは、例えば、「アクセルペダル操作量の時間微分値」、及び、「筒内吸入空気量の時間微分値等の機関の負荷の変化量(単位時間あたりの機関の負荷の増加量)」に基づいて決定することができる。
前記高圧縮比運転要求発生判定手段は、
「前記第1加速要求が発生した」と判定した場合において前記排気状態推定手段により「前記排気成分増加量が前記許容値よりも「大きく」なる」と推定されたとき、「同第1加速要求が消滅したと判定した時点から第1所定時間以内」において前記機関の発生トルクを増大させる要求である「第2加速要求」が発生したか否かを判定するように構成され、
前記目標機械圧縮比設定手段は、
前記「第2加速要求が発生した」と判定されたとき「前記最終的な目標機械圧縮比を前記増大後機械圧縮比に設定する」ように構成されることが好適である。
また、「第2加速要求」は、「第1加速要求」と同様、機関の発生トルクの単位時間あたりの変化量に基づいて決定することもできる。この場合、「第2加速要求」は「第1加速要求」と同じでもよく、相違してもよい。
前記排気状態推定手段は、
前記触媒の温度が、前記触媒の活性温度よりも高い温度であって前記最終的な目標機械圧縮比を前記基本機械圧縮比から前記増大後機械圧縮比に変更することにより実際の機械圧縮比を増大させた場合にも前記触媒の温度が前記活性温度以下とならないと推定できる温度よりも低い温度であるとき、前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなると推定するように構成される。
前記目標機械圧縮比設定手段は、
前記増大後機械圧縮比を前記最終的な目標機械圧縮比として設定した時点以降において、
(A)同時点から第2所定時間が経過したか否か、
(B)前記機関の発生トルクの単位時間あたりの変化量を前記第1所定量よりも小さい第2所定量以下とする定常走行要求が発生したか否か、
(C)前記機関を搭載した車両の速度の単位時間あたりの変化量が所定の速度変化量閾値以下となったか否か、及び、
(D)前記機関を搭載した車両の制動装置が操作されたか否か、
からなる高圧縮比運転停止条件のうちの少なくとも一つが成立したか否かを判定する停止条件判定手段と、
前記停止条件判定手段により前記高圧縮比運転停止条件のうちの少なくとも一つが成立したと判定された場合、前記最終的な目標機械圧縮比を「前記基本機械圧縮比」又は「同基本機械圧縮比と前記増大後機械圧縮比との間の機械圧縮比」に設定する機械圧縮比復帰手段と、
を含むように構成される。
そこで、上記構成によれば、所定の高圧縮比運転停止条件のうちの少なくとも一つが成立したと判定された場合、最終的な機械圧縮比は増大後機械圧縮比から「基本機械圧縮比」又は「同基本機械圧縮比と前記増大後機械圧縮比との間の機械圧縮比」へと減少させられる。これにより、高圧縮比運転を必要な期間にのみ実行することができ、エミッション及び燃費を良好にすることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御装置(以下、「第1制御装置」とも称呼する。)が適用される可変圧縮比内燃機関10の概略断面図である。
クランクケース11は、クランクシャフト11aを回転可能に支持している。オイルパン12は、クランクケース11の下方(下部)においてクランクケース11に固定されている。オイルパン12は、クランクケース11とともに、クランクシャフト11a及び潤滑油等を収容する空間を形成している。
インテークマニホールド21は、複数の枝部21aとサージタンク21bとからなっている。各枝部21aの一端は各吸気ポート14bに接続され、各枝部21aの他端はサージタンク21bに接続されている。吸気管22はサージタンク21bに接続されている。インテークマニホールド21及び吸気管22は、各吸気ポート14bとともに吸気通路を構成している。エアフィルタ23は吸気管22の端部に設けられている。スロットル弁24は吸気管22に回動可能に設けられ、回動することにより吸気管22が形成する吸気通路の開口断面積を変更するようになっている。スロットル弁アクチュエータ(スロットル弁駆動手段)24aは、DCモータからなり、電気制御装置50からの指示信号に応答してスロットル弁24を回転駆動するようになっている。
エキゾーストマニホールド31は、各排気ポート14cに接続された複数の枝部31aと、それらの枝部31aが集合した集合部31bと、を備えている。エキゾーストパイプ32は、エキゾーストマニホールド31の集合部31bに接続されている。エキゾーストマニホールド31及びエキゾーストパイプ32は、各排気ポート14cとともに排気経路を構成している。なお、本明細書において、エキゾーストマニホールド31の集合部31bとエキゾーストパイプ32とが形成する排ガスを通過させるための経路を、便宜上「排気通路」とも称呼する。
ブレーキスイッチ47は、ブレーキペダルBpが操作されたとき(制動操作があったとき)オン信号(Hi信号)を出力し、ブレーキペダルBpが操作されていないとき(制動操作がないとき)オフ信号(Lo信号)を出力するようになっている。
水温センサ48は、機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。
触媒温度センサ49は、触媒33の温度を検出し、触媒温度TCSを表す信号を出力するようになっている。
第1制御装置は、機関の運転状態を表す運転状態パラメータ(例えば、後述する筒内吸入空気量Mc及び機関回転速度NE)に基づいて基本目標機械圧縮比εmtgtbを決定する。基本目標機械圧縮比εmtgtbは、単に「基本機械圧縮比」とも称呼される。通常運転時、この基本目標機械圧縮比εmtgtbが最終的な目標機械圧縮比εmtgtに設定される。第1制御装置は、実際の機械圧縮比εmactが「設定された目標機械圧縮比εmtgt」に一致するように機械圧縮比変更機構15の電動モータ15Mに指示を与える。
(条件2)上記条件1が成立しない場合、上記高圧縮比運転要求が消滅したと判定された時点から所定時間以内において所定の更なる(別の、第2の)高圧縮比運転要求が発生したとき。
以下、第1制御装置の実際の作動について説明する。
第1制御装置の電気制御装置50のCPUは、図6乃至図10にフローチャートにより示した各ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。
ここで、アクセルペダル操作量の時間微分閾値ΔAccpthは、アクセルペダル操作量の時間微分値ΔAccpがアクセルペダル操作量の時間微分閾値ΔAccpth以上となったときに機関10に上記加速要求が発生していると判定できる値に設定されている。
TempC(k+1)=α・TempC+(1−α)・Tex ・・・(1)
CPUは、上記(1)式に従って触媒温度TempCを更新・取得(推定)した後、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
そして、CPUは、以下の条件1及び条件2の何れかが成立したか否かを判定し、それらの条件の何れかが成立したときに圧縮比増大フラグXUPの値を「1」に設定することにより、高圧縮比運転を実施する。
(条件2)上記高圧縮比運転要求が消滅したと判定された時点から所定時間以内において所定の更なる高圧縮比運転要求が発生したとき。具体的には、上記タイマT1が所定の加速要求消滅後経過閾値時間T1th(以下、「閾値時間T1th」とも称呼する。)よりも小さい期間において、アクセルペダル開度Accpと加速要求消滅時のアクセルペダル開度(アクセルペダル基準開度Accp0)との差(以下、「アクセルペダル踏み増し量」とも称呼する。)が所定値DAよりも大きくなったとき。
以下、ステップ720以降の処理について、場合を分けて説明する。
CPUは、図7のステップ720に進んだとき、そのステップ720にて触媒33の温度TempCが触媒閾値温度TempCth以上であるか否かを判定する。条件1が成立する場合、このステップ720の判定条件は成立している。従って、CPUはそのステップ720にて「Yes」と判定し、ステップ730に進んで圧縮比増大フラグXUPの値を「1」に設定する。次いで、CPUはステップ795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
このように、ステップ660及びステップ670の処理により、目標機械圧縮比εmtgtは最大機械圧縮比εmMaxよりも大きくならないように制御される。
この場合においても、条件1が成立していると、CPUは図7のステップ720を経由してステップ730に進む。従って、圧縮比増大フラグXUPの値が「1」に設定されるから、上述したように高圧縮比運転が実行される。
T1(k+1)=T1(k)+ΔT1 ・・・(2)
次いで、CPUはステップ750に進み、タイマT1が閾値時間T1thよりも小さいか否かを判定する。
(条件B)機関10を搭載した車両の速度の変化が所定値よりも小さくなった場合。具体的には、「同速度の単位時間あたりの変化量ΔSPDの絶対値」が所定値δ2よりも小さくなった場合。
(条件C)機関10を搭載した車両の制動装置が操作された場合。具体的には、ブレーキペダルBpが操作されることにより、ブレーキスイッチ47からの出力信号がオフ信号からオン信号に変化した場合。
(条件D)圧縮比増大フラグXUPの値が「0」から「1」に変化した時点から所定時間が経過した場合。具体的には、下記の高圧縮比運転継続時間タイマT2(以下、「タイマT2」とも称呼する。)が所定の高圧縮比運転継続閾値時間T2th(以下、「閾値時間T2th」とも称呼する。)以上となった場合。
以下、ステップ920以降の処理について、場合を分けて説明する。
CPUは、図9のステップ920に進んだとき、そのステップ920にて、現時点が圧縮比増大フラグXUPの値が「0」から「1」に変化した直後であるか否かを判定する。上述の仮定に従えば、CPUはステップ920にて「Yes」と判定してステップ930に進み、タイマT2にゼロを設定してステップ940に進む。
T2(k+1)=T2(k)+ΔT2 ・・・(3)
従って、上述の条件A乃至条件Cの何れかが成立する場合、圧縮比増大フラグXUPの値が「0」に設定され、高圧縮比運転が停止される。
一方、ステップ960にて上述の条件A乃至条件Cの何れも成立しない場合、CPUはそのステップ960にて「No」と判定し、ステップ995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。この場合、圧縮比増大フラグXUPの値は「1」に維持されるから、高圧縮比運転は継続する。
従って、上述の条件Dが成立する場合、圧縮比増大フラグXUPの値が「0」に設定され、高圧縮比運転が停止される。
なお、第1制御装置は、上述の条件A乃至条件Dのうちの少なくとも一つ以上の条件を「高圧縮比運転停止条件」と判定するように構成されてもよい。
機関10の運転状態を表す運転状態パラメータ(例えば、機関回転数NE、筒内吸入空気量Mc及びアクセルペダル操作量Accp)に基づいて基本機械圧縮比εmtgtbを決定する基本機械圧縮比決定手段(図6のステップ610を参照。)と、
基本目標機械圧縮比εmtgtbを一時的に増大させる高圧縮比運転要求が発生しているか否かを前記運転状態パラメータに基づいて判定する高圧縮比運転要求発生判定手段(図8のステップ810を参照。)と、
前記高圧縮比運転要求が発生していないと判定されているときに基本目標機械圧縮比εmtgtbを最終的な目標機械圧縮比εmtgtとして設定し、前記高圧縮比運転要求が発生していると判定されているときに基本目標機械圧縮比εmtgtbに所定量Δεmを加えた機械圧縮比である増大後機械圧縮比(εmtgtb+Δεm)を最終的な目標機械圧縮比εmtgtとして設定する目標機械圧縮比設定手段(図6のルーチンを参照。)と、
機関10の実際の機械圧縮比が前記設定された最終的な目標機械圧縮比εmtgtに一致するように機械圧縮比変更機構15に指示を送出する機械圧縮比制御手段(図6のステップ640を参照。)と、
を備える。
最終的な目標機械圧縮比εmtgtを基本目標機械圧縮比εmtgtbから増大後機械圧縮比(εmtgtb+Δεm)に変更することにより実際の機械圧縮比を増大させた場合に触媒33において浄化されることなく触媒33から排出される特定成分の増加量である排気成分増加量が所定の許容値よりも大きくなるか否かを推定する排気状態推定手段(図7のステップ720を参照。)と、
前記高圧縮比運転要求が発生したと判定された場合(図7のステップ710にて「Yes」と判定された場合)に前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなると推定されるとき(図7のステップ720にて「No」と判定されるとき)、最終的な目標機械圧縮比εmtgtを基本目標機械圧縮比εmtgtbに設定する機械圧縮比増大抑制手段(図6のルーチンを参照。)と、
を含む。
前記高圧縮比運転要求発生判定手段は、
前記機関の発生トルクの単位時間あたりの変化量を第1所定量以上とすることを要求する第1加速要求が発生しているか否かを判定し、同第1加速要求が発生していると判定したとき前記高圧縮比運転要求が発生していると判定する(図8のステップ810にて「Yes」と判定する)ように構成される。
前記高圧縮比運転要求発生判定手段は、
前記第1加速要求が発生したと判定した場合(図7のステップ710にて「Yes」と判定された場合)において、前記排気状態推定手段により前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなると推定されたとき(図7のステップ720にて「No」と判定されたとき)、同第1加速要求が消滅したと判定した時点から第1所定時間T1th以内において機関10の発生トルクを増大させる要求である第2加速要求が発生したか否かを判定するように構成され(図7のステップ740乃至ステップ780を参照。)、
前記目標機械圧縮比設定手段は、
前記第2加速要求が発生したと判定されたとき(図7のステップ760にて「Yes」と判定されたとき)増大後機械圧縮比(εmtgtb+Δεm)を最終的な目標機械圧縮比εmtgtとして設定するように構成される(図6のルーチンを参照。)。
前記排気状態推定手段は、
前記触媒の温度が所定の温度以上よりも低いとき、前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなると判定するように構成される(図7のステップ720を参照。)。
前記目標機械圧縮比設定手段は、
増大後機械圧縮比(εmtgtb+Δεm)を最終的な目標機械圧縮比εmtgtとして設定した時点以降において、同時点から第2所定時間T2thが経過したか否か(図9のステップ950を参照。)、機関10の発生トルクの単位時間あたりの変化量を前記第1所定量よりも小さい第2所定量以下とする定常走行要求が発生したか否か(図9のステップ960における「|ΔAccp|<δ1」を参照。)、機関10を搭載した車両の速度の単位時間あたりの変化量が所定の速度変化量閾値以下となったか否か(図9のステップ960における「|ΔSPD|<δ2」を参照。)、及び、機関10を搭載した車両の制動装置が操作されたか否か(図9のステップ960における「ブレーキスイッチ オン」を参照。)からなる高圧縮比運転停止条件のうちの少なくとも一つが成立したか否かを判定する停止条件判定手段(図9のルーチンを参照。)と、
前記停止条件判定手段により前記高圧縮比運転停止条件のうちの少なくとも一つが成立したと判定された場合(図9のステップ950及びステップ960の何れかにおいて「Yes」と判定された場合)に最終的な目標機械圧縮比εmtgtを「基本目標機械圧縮比εmtgtb」又は「基本目標機械圧縮比εmtgtbと増大後機械圧縮比(εmtgtb+Δεm)との間の機械圧縮比」に設定する機械圧縮比復帰手段(図9のステップ980及び図6のルーチンを参照。)と、
を含むように構成される。
次に、本発明の第2実施形態に係る制御装置(以下、「第2制御装置」とも称呼する。)について説明する。第2制御装置は、そのCPUが図7の分岐点A、分岐点B及び分岐点Cの間の処理に代わる図11にフローチャートにより示した処理を実行する点においてのみ、第1制御装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明を加える。
ここで、機関10が定常運転を行っている場合(即ち、圧縮比増大フラグXUPの値が「0」である場合)に図6のルーチンが実行されたと仮定する。
この仮定に従えば、第1制御装置と同様、CPUは図6のステップ620にて「No」と判定し、ステップ630に進んでステップ610にて決定された基本目標機械圧縮比εmtgtbを目標機械圧縮比εmtgtに設定する。次いで、CPUはステップ640に進んで、実際の機械圧縮比εmactが目標機械圧縮比εmtgtに一致するように機械圧縮比変更機構15の電動モータ15Mに指示信号を送出する。その後、CPUはステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
この状態(圧縮比増大フラグXUPが「1」の状態)にて図6のルーチンが実行された場合、上述の第1制御装置と同様、高圧縮比運転が実行される。
その後、CPUは、第1実施形態と同様、図7のステップ740乃至ステップ780において「上記加速要求が消滅した時点から閾値時間T1th以内にアクセルペダル踏み増し量が所定値DAよりも大きくなるか否か」を判定する。
この状態(圧縮比増大フラグXUPが「1」の状態)にて図6のルーチンが実行された場合、上述の第1制御装置と同様、高圧縮比運転が実行される。
この場合、圧縮比増大フラグXUPは「0」であるから、高圧縮比運転は実行されない。
なお、第2制御装置は第1制御装置と同様の処理にて高圧縮比運転を停止する。
最終的な目標機械圧縮比εmtgtを基本目標機械圧縮比εmtgtbから増大後機械圧縮比(εmtgtb+Δεm)に変更することにより実際の機械圧縮比を増大させた場合、触媒33において浄化されることなく触媒33から排出される特定成分(NOx)の増加量である排気成分増加量(NOxafter−NOxbefore)が所定の許容値ΔNOxthよりも大きくなるか否かを推定する排気状態推定手段(図11のステップ1110乃至ステップ1150を参照。)を備える。
しかしながら、これに代え、排気成分増加量を「排気中の炭化水素(HC)の量」或いは「排気中の一酸化炭素(CO)の量」に基づいて評価してもよい。
例えば、上記各実施形態においては、高圧縮比運転が実行される際の機械圧縮比の増大量として「Δεm(定数)」を採用した。これに代え、機械圧縮比の増大量として、機関10に加速要求が発生した時点での機関の運動状態パラメータ(アクセルペダル操作量、スロットル弁開度及び充填率等)に基づき決定される「変数」を採用してもよい。
更に、上記各実施形態においては、触媒33の温度を排気温Texに基づいて推定している(図10を参照。)。これに代え、例えば、触媒温度センサ49によって触媒33の温度TempCを直接検知してもよい。
更に、上記各実施形態において、タイマ増分ΔT1及びタイマ増分ΔT2は「定数」であったが、機関の運転状態パラメータ等に基づいて決定される「変数」としてもよい。
Claims (7)
- 排気通路に配設されるとともに排ガス中の特定成分を浄化する触媒と、ピストンが上死点位置にあるときの燃焼室容積に対する同ピストンが下死点位置にあるときの燃焼室容積の比である機械圧縮比を指示に応じて変更し得る機械圧縮比変更機構と、を有する可変圧縮比内燃機関に適用され、
前記機関の運転状態を表す運転状態パラメータに基づいて基本機械圧縮比を決定する基本機械圧縮比決定手段と、
前記基本機械圧縮比を一時的に増大させる高圧縮比運転要求が発生しているか否かを前記運転状態パラメータに基づいて判定する高圧縮比運転要求発生判定手段であって、前記機関の発生トルクの単位時間あたりの変化量を第1所定量以上とすることを要求する第1加速要求が発生しているか否かを判定し、同第1加速要求が発生していると判定したとき前記高圧縮比運転要求が発生していると判定する高圧縮比運転要求発生判定手段と、
前記高圧縮比運転要求が発生していないと判定されているときに前記基本機械圧縮比を最終的な目標機械圧縮比として設定し、前記高圧縮比運転要求が発生していると判定されているときに前記基本機械圧縮比に所定量を加えた機械圧縮比である増大後機械圧縮比を最終的な目標機械圧縮比として設定する目標機械圧縮比設定手段と、
前記機関の実際の機械圧縮比が前記設定された最終的な目標機械圧縮比に一致するように前記機械圧縮比変更機構に指示を送出する機械圧縮比制御手段と、
を備え、
前記目標機械圧縮比設定手段が、
前記最終的な目標機械圧縮比を前記基本機械圧縮比から前記増大後機械圧縮比に変更することにより実際の機械圧縮比を増大させた場合、前記触媒において浄化されることなく同触媒から排出される前記特定成分の増加量である排気成分増加量が所定の許容値よりも大きくなるか否かを推定する排気状態推定手段と、
前記高圧縮比運転要求が発生したと判定された場合に前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなると推定されるとき、前記最終的な目標機械圧縮比を前記基本機械圧縮比又は同基本機械圧縮比と前記増大後機械圧縮比との間の機械圧縮比に設定する機械圧縮比増大抑制手段と、を含む、
内燃機関の制御装置において、
前記高圧縮比運転要求発生判定手段が、
前記第1加速要求が発生したと判定した場合に前記排気状態推定手段により前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなると推定されたとき、同第1加速要求が消滅したと判定した時点から第1所定時間以内において前記機関の発生トルクを増大させる要求である第2加速要求が発生したか否かを更に判定し、
前記目標機械圧縮比設定手段が、
前記第2加速要求が発生したと判定されたとき、前記最終的な目標機械圧縮比を前記増大後機械圧縮比に設定する、
制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記排気状態推定手段は、
前記触媒の温度が、前記触媒の活性温度よりも高い温度であって前記最終的な目標機械圧縮比を前記基本機械圧縮比から前記増大後機械圧縮比に変更することにより実際の機械圧縮比を増大させた場合にも前記触媒の温度が前記活性温度以下とならないと推定できる温度よりも低い温度であるとき、前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなると推定するように構成された制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記目標機械圧縮比設定手段は、
前記増大後機械圧縮比を前記最終的な目標機械圧縮比として設定した時点以降において、同時点から第2所定時間が経過したか否か、前記機関の発生トルクの単位時間あたりの変化量を前記第1所定量よりも小さい第2所定量以下とする定常走行要求が発生したか否か、前記機関を搭載した車両の速度の単位時間あたりの変化量が所定の速度変化量閾値以下となったか否か、及び、前記機関を搭載した車両の制動装置が操作されたか否か、からなる高圧縮比運転停止条件のうちの少なくとも一つが成立したか否かを判定する停止条件判定手段と、
前記停止条件判定手段により前記高圧縮比運転停止条件のうちの少なくとも一つが成立したと判定された場合に前記最終的な目標機械圧縮比を前記基本機械圧縮比又は同基本機械圧縮比と前記増大後機械圧縮比との間の機械圧縮比に設定する機械圧縮比復帰手段と、
を含む制御装置。 - 排気通路に配設されるとともに排ガス中の特定成分を浄化する触媒と、ピストンが上死点位置にあるときの燃焼室容積に対する同ピストンが下死点位置にあるときの燃焼室容積の比である機械圧縮比を指示に応じて変更し得る機械圧縮比変更機構と、を有する可変圧縮比内燃機関に適用され、
前記機関の運転状態を表す運転状態パラメータに基づいて基本機械圧縮比を決定する基本機械圧縮比決定手段と、
前記基本機械圧縮比を一時的に増大させる高圧縮比運転要求が発生しているか否かを前記運転状態パラメータに基づいて判定する高圧縮比運転要求発生判定手段と、
前記高圧縮比運転要求が発生していないと判定されているときに前記基本機械圧縮比を最終的な目標機械圧縮比として設定し、前記高圧縮比運転要求が発生していると判定されているときに前記基本機械圧縮比に所定量を加えた機械圧縮比である増大後機械圧縮比を最終的な目標機械圧縮比として設定する目標機械圧縮比設定手段と、
前記機関の実際の機械圧縮比が前記設定された最終的な目標機械圧縮比に一致するように前記機械圧縮比変更機構に指示を送出する機械圧縮比制御手段と、
を備えた内燃機関の制御装置において、
前記目標機械圧縮比設定手段が、
前記最終的な目標機械圧縮比を前記基本機械圧縮比から前記増大後機械圧縮比に変更することにより実際の機械圧縮比を増大させた場合、前記触媒において浄化されることなく同触媒から排出される前記特定成分の増加量である排気成分増加量が所定の許容値よりも大きくなるか否かを推定する排気状態推定手段であって、前記触媒の温度が、前記触媒の活性温度よりも高い温度であって前記最終的な目標機械圧縮比を前記基本機械圧縮比から前記増大後機械圧縮比に変更することにより実際の機械圧縮比を増大させた場合にも前記触媒の温度が前記活性温度以下とならないと推定できる温度よりも低い温度であるとき、前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなると推定する排気状態推定手段と、
前記高圧縮比運転要求が発生したと判定された場合に前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなると推定されるとき、前記最終的な目標機械圧縮比を前記基本機械圧縮比又は同基本機械圧縮比と前記増大後機械圧縮比との間の機械圧縮比に設定する機械圧縮比増大抑制手段と、
を含む制御装置。 - 請求項4に記載の内燃機関の制御装置において、
前記高圧縮比運転要求発生判定手段は、
前記機関の発生トルクの単位時間あたりの変化量を第1所定量以上とすることを要求する第1加速要求が発生しているか否かを判定し、同第1加速要求が発生していると判定したとき前記高圧縮比運転要求が発生していると判定するように構成された制御装置。 - 請求項5に記載の内燃機関の制御装置において、
前記高圧縮比運転要求発生判定手段は、
前記第1加速要求が発生したと判定した場合に前記排気状態推定手段により前記排気成分増加量が前記許容値よりも大きくなると推定されたとき、同第1加速要求が消滅したと判定した時点から第1所定時間以内において前記機関の発生トルクを増大させる要求である第2加速要求が発生したか否かを判定するように構成され、
前記目標機械圧縮比設定手段は、
前記第2加速要求が発生したと判定されたとき前記最終的な目標機械圧縮比を前記増大後機械圧縮比に設定するように構成された制御装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の内燃機関の制御装置において、
前記目標機械圧縮比設定手段は、
前記増大後機械圧縮比を前記最終的な目標機械圧縮比として設定した時点以降において、同時点から第2所定時間が経過したか否か、前記機関の発生トルクの単位時間あたりの変化量を前記第1所定量よりも小さい第2所定量以下とする定常走行要求が発生したか否か、前記機関を搭載した車両の速度の単位時間あたりの変化量が所定の速度変化量閾値以下となったか否か、及び、前記機関を搭載した車両の制動装置が操作されたか否か、からなる高圧縮比運転停止条件のうちの少なくとも一つが成立したか否かを判定する停止条件判定手段と、
前記停止条件判定手段により前記高圧縮比運転停止条件のうちの少なくとも一つが成立したと判定された場合に前記最終的な目標機械圧縮比を前記基本機械圧縮比又は同基本機械圧縮比と前記増大後機械圧縮比との間の機械圧縮比に設定する機械圧縮比復帰手段と、
を含む制御装置。
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