JP5156599B2 - 汚泥加熱処理方法及び汚泥加熱処理装置 - Google Patents
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Description
そこで、汚水処理により発生する汚泥を乾燥又は炭化させ、燃料として利用できる汚泥処理物を製造する方法が開発されつつある。
例えば、非特許文献1には、乾燥により汚泥処理物(乾燥物)を製造する方法が開示され、非特許文献2には、炭化により汚泥処理物(炭化物)を製造する方法が開示されている。
汚泥に含まれる臭気物質は、乾燥工程又は炭化工程において加えられる熱により熱分解され、無臭化される。
また、非特許文献1及び2に示される方法では、熱風は空気を熱して作られており、熱風には酸素が含まれている。臭気物質は酸素の酸化作用によって分解(酸化分解)されるため、汚泥に上記熱風を直接接触させることによっても、汚泥を酸化分解し無臭化することができる。
柴田良樹、外1名、「造粒乾燥システムによる下水汚泥の燃料化」、資源環境対策、株式会社環境コミュニケーションズ、2006年4月、Vol.42、No.5、p.48−51 富山一夫、外4名、「資源循環型汚泥炭化処理装置の開発」、三井造船技報、2007年4月、第190号、p.39−44
本発明は、汚泥を加熱炉で過熱する加熱工程を備え、該加熱工程では加熱炉内の酸素濃度を所定の値に維持しつつ、所定の時間で加熱するという方法を採用する。
このような方法を採用する本発明では、汚泥の臭気物質を熱分解又は酸化分解することにより汚泥が脱臭される。また、本発明では、加熱炉内の酸素濃度を所定の値に維持し、汚泥を所定の時間で加熱するため、汚泥中の有機化合物に対する酸化分解作用が制限され、有機化合物の揮発が限定される。
このような方法を採用する本発明では、加熱炉内の温度を所定の値に維持するため、汚泥中の有機化合物に対する酸化分解作用が制限され、有機化合物の揮発が限定される。
このような方法を採用する本発明では、汚泥に含まれる水分が少ないことから、該水分を蒸発させるために必要な熱量が減少し、加熱炉内の熱は汚泥中の臭気物質を熱分解するために重点的に使用される。
このような方法を採用する本発明では、汚泥を加熱処理することによって製造される汚泥処理物の臭気強度が3以下に低減し、汚泥処理物に含まれる有機化合物の含有率が20%以上となる。
−0.15T+65≦M≦30
を満たすという方法を採用する。
このような方法を採用する本発明では、汚泥処理物の臭気強度が3以下に低減し、汚泥処理物に含まれる有機化合物の含有率が20%以上となる。
このような方法を採用する本発明では、汚泥処理物の臭気強度が3以下に低減し、汚泥処理物に含まれる有機化合物の含有率が20%以上となる。
このような方法を採用する本発明では、汚泥処理物の臭気強度が3以下に低減し、汚泥処理物に含まれる有機化合物の含有率が20%以上となる。
5≦M≦−0.4T+210
を満たすという方法を採用する。
このような方法を採用する本発明では、汚泥処理物の臭気強度が3以下に低減し、汚泥処理物に含まれる有機化合物の含有率が20%以上となる。
このような方法を採用する本発明では、汚泥処理物の臭気強度が3以下に低減し、汚泥処理物に含まれる有機化合物の含有率が20%以上となる。
このような構成を採用する本発明では、加熱炉内の酸素濃度を所定の値に維持しつつ、汚泥を所定の時間で加熱する。そのため、本発明では、汚泥の臭気物質を熱分解又は酸化分解することにより汚泥が脱臭される。また、本発明では、汚泥中の有機化合物に対する酸化分解作用が制限され、有機化合物の揮発が限定される。
このような構成を採用する本発明では、乾燥機によって汚泥に含まれる水分が少なくなることから、該水分を蒸発させるために必要な熱量が減少し、加熱炉内の熱は汚泥中の臭気物質を熱分解するために重点的に使用される。
本発明によれば、汚泥を加熱処理することによって製造される汚泥処理物の臭気強度を一定値以下に抑えることができ、かつ、汚泥処理物に含まれる有機化合物の含有率を一定値以上にすることができるという効果がある。
まず、本発明の一実施形態に係る汚泥加熱処理装置1の構成を、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る汚泥加熱処理装置1の全体構成を示す概略図である。
本実施形態に係る汚泥加熱処理装置1は、汚泥を加熱処理により脱臭すると共に、火力発電所等における燃料として利用できる汚泥処理物を製造するための装置である。
キルン21は、その中心軸が水平方向に対して数%傾いており、下流側が上流側よりも低くなっている。また、キルン21は、中心軸周りに回転自在に設けられている。
ジャケット22とキルン21の外周面との間には、後述する熱風炉6からの熱風が導入される密閉空間Sが形成されている。
汚泥搬出部4は、加熱炉2の下流側に設けられ、加熱炉2から搬出される汚泥処理物を下流側に搬送する搬出コンベア41と、搬出コンベア41によって搬送される汚泥を一時的に貯留しつつ汚泥加熱処理装置1の外部に供給する搬出ホッパ42とを有している。
熱風炉6は、例えば重油等の燃料を燃焼させることで空気を加熱して熱風とし、該熱風を加熱炉2の空間S内に供給する燃焼炉である。また、熱風炉6は、キルン21の内部を所定の温度に維持するために、温度計5から出力される温度計測値に基づいて、供給する熱風の温度を調節する機能を有している。
酸素供給制御部8は、キルン21の内部を所定の酸素濃度に維持するために、酸素濃度計7から出力される酸素濃度計測値に基づいて、後述する酸素供給部9に酸素供給信号を出力する機能を有している。
酸素供給部9は、酸素供給制御部8から出力される酸素供給信号に基づいて、酸素をキルン21内に送り出す供給部である。
まず、キルン21内部における温度の調整を行う。
温度計5が現在のキルン21内部の温度を計測し、計測値を熱風炉6に出力する。
熱風炉6には、予めキルン21内部において維持すべき温度設定値が与えられており、この設定値は加熱処理後に得られる汚泥処理物の臭気強度及び有機化合物の含有率の目標値に応じて決定される。熱風炉6は、現在のキルン21内部の温度と上記温度設定値に基づいて、燃焼を調整する。熱風炉6によって空気は加熱され熱風となり、加熱炉2の空間S内に供給される。
空間S内に供給された熱風はキルン21を外部から加熱し、これに伴いキルン21内部の温度が上昇する。
再び、温度計5が、現在のキルン21内部の温度を計測し、計測値を熱風炉6に出力する。上記動作を繰り返すことにより、キルン21内部の温度は上記温度設定値に収束し維持される。
以上で、キルン21内部における温度の調整は終了する。
酸素濃度計7が現在のキルン21内部の酸素濃度を計測し、計測値を酸素供給制御部8に出力する。
酸素供給制御部8には、予めキルン21内部において維持すべき酸素濃度設定値が与えられており、この設定値は加熱処理後に得られる汚泥処理物の臭気強度及び有機化合物の含有率の目標値に応じて決定される。酸素供給制御部8は、現在のキルン21内部の酸素濃度と上記酸素濃度設定値に基づいて、酸素供給部9が供給する酸素量を決定する。次に、酸素供給制御部8は、上記酸素量の情報を含んだ酸素供給信号を酸素供給部9に出力する。
酸素供給部9は、酸素供給制御部8から出力された酸素供給信号に基づいて、酸素をキルン21内部に供給する。
再び、酸素濃度計7が、現在のキルン21内部の酸素濃度を計測し、計測値を酸素供給制御部8に出力する。上記動作を繰り返すことにより、キルン21内部の酸素濃度は上記酸素濃度設定値に収束し維持される。
以上で、キルン21内部における酸素濃度の調整は終了する。
汚泥が、汚泥搬入部3の搬入ホッパ31に供給される。搬入ホッパ31は汚泥を搬入コンベア32に供給し、搬入コンベア32は汚泥を搬送し、加熱炉2のキルン21内に汚泥を供給する。
キルン21は、その中心軸が水平方向に対して数%傾き、中心軸周りに回転しているため、キルン21内部に供給された汚泥は、キルン21の回転と共に下流側へ徐々に搬送される。なお、汚泥がキルン21内部に滞留する時間は、キルン21の回転速度及び水平方向に対する傾きに依存するため、回転速度及び傾きを変更することで汚泥の滞留時間すなわち加熱処理時間を調整することができる。なお、汚泥の加熱処理時間は加熱処理後に得られる汚泥処理物の臭気強度及び有機化合物の含有率の目標値に応じて決定される。
汚泥の臭気強度は、低すぎることによる弊害はないため、高温、高酸素濃度及び長時間による加熱処理が望ましいことになる。
汚泥を加熱処理した後に得られる汚泥処理物は、火力発電所等における燃料として利用されるため、汚泥処理物中に一定量以上の有機化合物が含まれていなければならない。よって、有機化合物の存在を考慮すると、キルン21内部の温度及び酸素濃度はできる限り低いことが好ましく、加熱処理時間も短いことが好ましい。
したがって、汚泥処理物の臭気強度及び有機化合物の含有率の目標値に応じて、適切なキルン21内部の温度及び酸素濃度並びに加熱処理時間を設定する必要がある。
キルン21から搬出された汚泥処理物は、汚泥搬出部4の搬出コンベア41及び搬出ホッパ42によって汚泥加熱処理装置1の外部に搬出される。
以上で、汚泥の加熱処理が終了する。
加熱処理条件は、汚泥周囲の酸素濃度、温度及び汚泥の加熱時間の3項目とし、異なる条件の下で汚泥の加熱処理を行った。また、加熱処理後に得られる汚泥処理物の臭気強度及び含まれる有機化合物の含有率を測定した。
なお、加熱処理後の汚泥処理物に求められる基準は、臭気強度が3以下、含まれる有機化合物の含有率が20%以上とする。
汚泥は酸素(O2)及び窒素(N2)の混合気体の雰囲気内で加熱され、上記混合気体の酸素濃度は、0%、2%、5%及び10%の4種とした。また、汚泥は加熱温度を任意に設定できる加熱装置内に設置され、加熱温度は、300℃、400℃、450℃及び500℃の4種とした。加熱時間は、5分、10分、20分及び30分とし、各々の加熱が終了した時点で汚泥の臭気強度及び含まれる有機化合物の含有率を測定した。
よって、上記加熱処理条件においては、汚泥の加熱時間を10分から30分までとすることで、汚泥処理物に求められる基準を満たすことができる。
したがって、酸素濃度を2%、加熱温度を300℃ないし400℃としたときには、汚泥の加熱時間M分及び加熱温度T℃を、
−0.15T+65≦M≦30
の式を満たす範囲の値とし、酸素濃度を2%、加熱温度を400℃ないし500℃としたときには、汚泥の加熱時間を5分から30分までとすることで、汚泥処理物に求められる基準を満たすことができる。
よって、酸素濃度を5%、加熱温度を300℃ないし450℃としたときには、汚泥の加熱時間を5分から30分までとし、酸素濃度を5%、加熱温度を450℃ないし500℃としたときには、汚泥の加熱時間M分及び加熱温度T℃を、
5≦M≦−0.4T+210
の式を満たす範囲の値とすることで、汚泥処理物に求められる基準を満たすことができる。
よって、上記加熱処理条件においては、汚泥の加熱時間を5分から30分までとすることで、汚泥処理物に求められる基準を満たすことができる。
本実施形態によれば、適切な加熱処理条件を用いることで、汚泥処理物の臭気強度を3以下に抑えることができ、かつ、汚泥処理物に含まれる有機化合物の含有率を20%以上とすることができるという効果がある。
また、上記実施形態における加熱炉2の上流側に、汚泥を乾燥させるための乾燥機を設けてもよい。すなわち、乾燥機で汚泥を乾燥させた後に、加熱炉2において汚泥の加熱処理を行ってもよい。
Claims (3)
- 乾燥汚泥を加熱炉で過熱する加熱工程を備え、
前記加熱工程では、前記加熱炉内の酸素濃度を2%に維持すると共に前記加熱炉内の温度を300℃ないし400℃の所定の値に維持しつつ、所定の時間で加熱するときに、前記乾燥汚泥を加熱する時間をM分、前記温度をT℃とすると、
−0.15T+65≦M≦30
を満たすことを特徴とする汚泥加熱処理方法。 - 前記加熱工程において前記酸素濃度が2%、前記加熱炉内の温度が400℃ないし500℃のときに、前記乾燥汚泥の加熱時間を5分から30分までとすることを特徴とする請求項1に記載の汚泥加熱処理方法。
- 前記加熱工程では、円筒状を呈し前記乾燥汚泥を加熱しながら軸方向で搬送するキルンの水平方向に対する傾きを変更することで前記乾燥汚泥の加熱時間を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の汚泥加熱処理方法。
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