JP5156273B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明はリチウムイオン二次電池に係り、特に、正極活物質を主体とする正極合剤が集電体に塗着された正極板と、負極活物質を主体とする負極合剤が集電体に塗着された負極板とをセパレータを介して配置した電極群が電解液に浸潤されて有底容器に収容されたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウム二次電池を代表するリチウムイオン二次電池は、高容量、高エネルギー密度であることから、環境問題に対応した電気自動車、ハイブリッド自動車の電源用や電動工具用の電池として注目されている。電気自動車には加速性能や登坂性能等が要求されており、その電源用の電池には大電流充放電に対応した高率指向のリチウムイオン二次電池が求められている。このような高率指向の電池では、出力性能を向上させるために内部抵抗を低減することが重要視されている。
通常、リチウムイオン二次電池では、正負極板は活物質を含む合剤が集電体にそれぞれ塗着されており、活物質の反応で発生する電子が集電体から正極側、負極側それぞれの集電部材に集電され電池外部に取り出される。集電体には、導電性を有する金属等の箔体、膜や穿孔板等が使用されている。集電体から集電部材に電子を集電するために、集電体の端部に切り欠きを形成して短冊櫛歯状に加工することで当該端部を集電部材に接続する技術や、集電体に取り付けた集電タブで集電体および集電部材間を接続する技術が採用されている。通常、正極側、負極側の集電部材はそれぞれ直接的に、または、リード部材を介して外部端子に接続されている。例えば、集電体に複数の集電タブを取り付け、集電タブの端部をまとめて外部端子を兼ねる集電部材に接続する技術が開示されている(特許文献1参照)。
ところが、集電体に短冊櫛歯状の加工を施したり集電タブを取り付けたりする技術では、加工や取り付けの作業に時間を要するため、工業的量産時に製造効率(作業性)を低下させることがある。また、短冊櫛歯状に加工するため、集電体の捨て代が多くなり材料歩留が低くなる等の問題もある。このような集電体を用いた場合は、正負極板をセパレータを介して捲回し電極群を作製する際に、捲回の回転遠心力で短冊櫛歯状の端部や集電タブが放射状にひろがり電極群に咬み込まれることがある。この結果、正負極間の絶縁が損なわれ短絡が生じ、いわゆる工程不良へと繋がる。更に、集電タブ等が電極群の端面を覆うように曲げられて集電部材の側縁に接続されるため、電解液の浸透を妨げることとなる。この結果、電解液注液時の所要時間が長くなり(仕掛リードタイムが増加し)、コストアップに繋がる要因となる。これらを解決するために、両面に突状部を有する集電部材の一方の突状部を集電体の端縁に接触させ、他方の突状部にエネルギー線を照射することで集電部材と集電体とを溶接し、集電部材を外部端子と接続する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−283824号公報 特開2004−172038号公報
しかしながら、短冊櫛歯状に加工した集電体の端部を集電部材に集合させ、さらにその集電部材から外部端子への電気的接続にリード部材等を使用する方法では、部材数を多く要し製造時の作業が煩雑となることでコスト高を招いたり、通電経路が長くなることで内部抵抗の増大の要因になったりするため、決して望ましい状況とはいえない。この点、特許文献2の技術では、短冊櫛歯状の加工や集電タブが不要なため、集電体の加工等に要する時間等の問題は生じないものの、集電部材と外部端子との接続が必要である。また、集電部材の両面に突状部が形成されているため、溶接により形成される溶融部分が大きくなりすぎることがある。このため、接合部分が大きくなり内部抵抗の低減は期待されるが、溶融部分が大きくなることでセパレータの損傷や正負極間の短絡を招き電池性能が低下するおそれがある。従って、集電構造や集電部分の状況により内部抵抗の増大や信頼性の低下等の影響が大きくなるおそれがあるため、とりわけ、高率指向のリチウムイオン二次電池では、工業的量産を考慮した上で、性能品質や信頼性を確保することが重要となる。
本発明は上記事案に鑑み、製造時の作業性が向上すると共に、内部抵抗を低減させることができるリチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、正極活物質を主体とする正極合剤が集電体に塗着された正極板と、負極活物質を主体とする負極合剤が集電体に塗着された負極板とをセパレータを介して配置した電極群が電解液に浸潤されて有底容器に収容されたリチウムイオン二次電池において、前記容器は、外底面側に2本の溝と該溝の間の突状部とが複数箇所に形成され、前記溝および突状部に対応する内底面側が平面状であるとともに、前記正極板および負極板は前記集電体の端部が前記電極群の両端面からそれぞれ突出して配置されており、前記正極板および負極板はいずれか一方の集電体の端部が前記容器の内底面の平面状部分に複数箇所で直接接合されていることを特徴とする。
本発明では、容器の外底面側に2本の溝と該溝の間の突状部とが複数箇所に形成され、溝および突状部に対応する内底面側が平面状であるとともに、正極板および負極板の集電体の端部が電極群の両端面からそれぞれ突出して配置されており、正極板および負極板のいずれか一方の集電体の端部が容器の内底面の平面状部分に複数箇所で直接接合されているため、容器の内底面側で集電体の端部が集められて接続される集電部材が不要となり通電経路が短縮されるので、製造時の作業性が向上すると共に、内部抵抗を低減させることができる。
この場合において、容器の内底面に接合された正極板および負極板のいずれか一方の集電体の端部は、正極合剤ないし負極合剤が未塗着であり、かつ、切り欠きが形成されていなくてもよい。また、電極群は帯状を呈した正極板および負極板がセパレータを介して芯体の周囲に捲回されていてもよい。また、容器が外底面側の中央部に凸状部を有し、内底面側には凸状部に対応する窪み部が形成されており、内底面側の窪み部に芯体の端部が嵌着しているようにすれば、芯体ひいては電極群が内底面に支持されるので、耐振動性を向上させることができる。また、芯体が窪み部に嵌着した端部の少なくとも1箇所に電解液の通過を許容する開口部が形成されているようにすれば、電解液の流通が容易となるので、電極群内に電解液を十分に浸透させることができる。
本発明によれば、容器の外底面側に2本の溝と該溝の間の突状部とが複数箇所に形成され、溝および突状部に対応する内底面側が平面状であるとともに、正極板および負極板の集電体の端部が電極群の両端面からそれぞれ突出して配置されており、正極板および負極板のいずれか一方の集電体の端部が容器の内底面の平面状部分に複数箇所で直接接合されているため、容器の内底面側で集電体の端部が集められて接続される集電部材が不要となり通電経路が短縮されるので、製造時の作業性が向上すると共に、内部抵抗を低減させることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した円筒型リチウムイオン二次電池の実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池30は、正極板および負極板がセパレータを介して対向するように断面渦巻状に捲回された電極群としての捲回群6を有している。捲回群6は、上部に開口部が形成された有底円筒状の電池容器(有底容器)10に収容されている。
捲回群6では、負極板を構成する負極集電体の圧延銅箔が露出した銅箔露出部14が上部に形成されており、正極板を構成する正極集電体のアルミニウム箔が露出したアルミニウム箔露出部15が下部に形成されている。捲回群6のアルミニウム箔露出部15の下端部と、正極外部端子を兼ねる電池容器10の内底面とが溶接で接合されている。
電池容器10は、材質に正極集電体と同材質のアルミニウムが用いられており、本例では、底部の厚さが1mm、側壁の厚さが0.75mm、外径(直径として)が41.5mmに設定されている。図5(A)に示すように、電池容器10の外底面には、半径方向に沿う方向、すなわち、中心側から外周へ向けて放射状に溝16が形成されている。溝16は、底面の4箇所に2本(一対)ずつ形成されている。図5(B)に示すように、溝16は、幅が0.5mm、深さが0.5mmの2本の溝が0.8mmの間隔で形成されている。このため、2本の溝の間には、幅が0.8mmの突状部28が形成されている。溝16の長さ(半径方向の長さ)は、捲回群6のアルミニウム箔露出部15の中心側の位置から外周側の位置までに対応するように設定されており、本例では、14mmに設定されている。換言すれば、溝16は、捲回群6の最内周から最外周までの位置に対応するように形成されている。電池容器10は、溝16および突状部28に対応する位置の内底面に平面部を有している。また、電池容器10の外底面では、中央の円形状部分、溝16(突状部28)同士の間の扇状部分を平面状としてもよく、凸状や凹状に形成することもできる。
一方、図1に示すように、捲回群6の(銅箔露出部14の)上側には、負極板からの電位を集電するための集電円盤7が配置されている。集電円盤7の材質には、負極板を構成する負極集電体と同じ材質の銅が用いられている。図7(A)に示すように、集電円盤7は、本例では、直径が38.5mm、厚さが0.5mmに設定されている。集電円盤7の中央部には、上面側が突状となるように下面側(捲回群6側)に窪みが形成されている。集電円盤7は、上面側に、直方体状の突状部8を有している。突状部8は、集電円盤7の半径方向に沿う放射状に4箇所に形成されている。集電円盤7の突状部8近傍の断面形状は、図7(B)に示すように、集電円盤7の厚さに対し、幅が0.8mm、高さが0.5mmに設定されている。突状部8の長さ(集電円盤7の半径方向の長さ)は、捲回群6の銅箔露出部14の中心側の位置から外周側の位置までに対応するように設定されている。換言すれば、突状部8は、捲回群6の最内周から最外周までの位置に対応するように形成されている。集電円盤7の下面には、突状部8に対応する位置に平面部を有している。また、集電円盤7の突状部8を有していない部分、すなわち、突状部8同士の間の扇状部分には、電池製造における非水電解液注液時に非水電解液の通液経路となる複数の貫通スリット9が形成されている。貫通スリット9は、集電円盤7の半径方向を長径とする長円状に形成されている。
図1に示すように、集電円盤7は、下面の平面部と、捲回群6の銅箔露出部14の端部とがレーザ溶接で接合されている。集電円盤7の上方には、電池容器10を密閉するための上蓋12が配置されている。集電円盤7の中央部上面と、上蓋12を構成するディスク19の下面とがレーザ溶接で接合されている。なお、ディスク19は負極外部端子に接続される。
上蓋12は、図8に示すように、円盤状のディスク19、円環状の周縁カバー13が電気絶縁性の樹脂部材11を介して互いに接触することなく一体成形されている。すなわち、上蓋12は2つの金属部材が電気絶縁性樹脂を介して一体成形された組部品である。ディスク19は、電池容器10の開口部を覆うように、中央部が下側(捲回群6側)に突出した皿状の形状を呈している。ディスク19の材質には負極集電体と同材質の銅が用いられており、ディスク19の厚さは、本例では、0.4mmに設定されている。ディスク19の外周部は、全周が樹脂部材11に埋設されている。すなわち、ディスク19の外周部両面にわたって樹脂部材11が配置されている。ディスク19の外周部には、上下両面に図示を省略した突起が形成されており、ディスク19と樹脂部材11とが離れないように樹脂部材11に埋設されている。樹脂部材11は、全体として、リング状の形状を呈している。樹脂部材11の材質には、ポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと略記する。)樹脂が用いられている。樹脂部材11は、周縁部に、下方(捲回群6側)に突出する突設部Tを有している。すなわち、樹脂部材11は、断面L字状で、集電円盤7の周縁部の上面と側周面とに同時に接触するように形成されている。
周縁カバー13は、円環状部分の断面がL字状に形成されている。周縁カバー13は、樹脂部材11の上面および側周面をカバーするように配置されている。樹脂部材11の上面側に位置する周縁カバー13は下側に図示しない突起が形成されており、周縁カバー13と樹脂部材11とが離れないように突起が樹脂部材11に埋設されている。周縁カバー13の外径は電池容器10の外径と同じに設定されており、周縁カバー13の厚さは電池容器10の側壁の厚さ以上に設定されている。周縁カバー13の材質には、電池容器10と同材質のアルミニウムが用いられている。周縁カバー13の下端部は、電池容器10の開口端部にレーザ溶接で接合されている。このため、電池容器10は上蓋12で密閉されている。
また、電池容器7内には、非水電解液が注液されている。非水電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの体積比2:3の混合溶媒中へ6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解させたものが用いられている。
捲回群6は、図4に示すように、正極板2と負極板4とが、これら両極板が直接接触しないようにポリエチレン製等のセパレータ5を介して重ねられている。セパレータ5は、本例では、厚さが30μm、幅(捲回群6の長手方向の長さ)が91mmに設定されている。正極板2、負極板4およびセパレータ5は、正極板2に形成された正極合剤未塗着部1と負極板4に形成された負極合剤未塗着部3とが、それぞれ捲回群6の互いに反対側の両端面に位置するように重ねられている。正極合剤未塗着部1および負極合剤未塗着部3は、それぞれセパレータ5から4mmはみ出した位置に配置されている。正極板2、負極板4およびセパレータ5が捲回されることで、捲回群6では、セパレータ5からそれぞれはみ出した正極合剤未塗着部1および負極合剤未塗着部3によりアルミニウム箔露出部15および銅箔露出部14がそれぞれ形成される。正極板2、負極板4およびセパレータ5の長さを調整することで、捲回群6の外径(直径として)が38±0.1mmに調整されている。捲回群6の内径(直径として)は9mmに調整されている。捲回群6の周面全周には、捲回群6が巻き解けないように、ポリイミド製基材の片面にヘキサメタアクリレート等の粘着剤が塗着された粘着テープが貼り付けられており、捲回群6の巻き終わりの終端部分が固定されている。
図2に示すように、捲回群6を構成する正極板2は、正極集電体としてアルミニウム箔を有している。アルミニウム箔の厚さは、本例では、20μmに設定されている。アルミニウム箔の両面には、主として正極活物質を含む正極合剤が略均等に塗着されている。正極活物質には、例えば、化学式LiMnで表されるマンガン酸リチウム等のリチウム遷移金属複酸化物の粉末が用いられている。正極合剤には、正極活物質、主たる導電材として黒鉛粉末、副たる導電材としてアセチレンブラックおよびバインダ(結着剤)としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する。)が、例えば、質量比85:8:2:5となるように配合されている。アルミニウム箔への正極合剤の塗着時には、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する。)等の分散溶媒で粘度調整されスラリが調製される。正極板2は、乾燥後プレスされ、幅90mmのほぼ一様で帯状に形成されている。アルミニウム箔の長寸方向一側の側縁には、幅8mmで両面共に正極合剤が塗着されない正極合剤未塗着部1が形成されている。従って、正極合剤未塗着部1には切り欠きが形成されておらず、捲回群6のアルミニウム箔露出部15では、層状に突出したアルミニウム箔の端縁が平面状に揃うこととなる。
一方、負極板4は、図3に示すように、負極集電体として圧延銅箔を有している。圧延銅箔の厚さは、本例では、10μmに設定されている。圧延銅箔の両面には、主として負極活物質を含む負極合剤が略均等に塗着されている。負極活物質には、リチウムイオンを可逆に吸蔵、放出可能な易黒鉛化性炭素等の炭素材料の粉末が用いられている。負極合剤には、例えば、易黒鉛化性炭素粉末の92質量部に8質量部のPVDFが配合されている。圧延銅箔への負極合剤の塗着時には、NMP等の分散溶媒で粘度調整されスラリが調製される。負極板4は、乾燥後プレスされ、幅91mmのほぼ一様で帯状に形成されている。圧延銅箔の長寸方向一側の側縁には、正極板2と同様に、幅5mmの負極合剤未塗着部3が形成されている。従って、負極合剤未塗着部3には切り欠きが形成されておらず、捲回群6の銅箔露出部14では、層状に突出した圧延銅箔の端縁が平面状に揃うこととなる。なお、負極活物質の圧延銅箔への塗着量は、初充電時に正極板2から放出されるリチウムイオン量と初充電時に負極板4に吸蔵されるリチウムイオン量とが1:1となるように調整されている。
(電池組立)
リチウムイオン二次電池30は、次のようにして組み立てられる。まず、捲回群6の銅箔露出部14の上側に集電円盤7を載置し、集電円盤7の突状部8が形成されていない面(下面)の平面部を銅箔露出部14の端部に当接させる。突状部8が形成された面側(集電円盤7の上側)から、突状部8の長手方向に沿ってレーザ光を照射する。レーザ光の照射で突状部8の形成された部分を溶融させることで、レーザ光照射面の背面(集電円盤7の下面)側と、該背面に当接した銅箔露出部14の圧延銅箔(の先端部)とをレーザ溶接で接合する。すなわち、レーザ光照射により突状部8が溶融すると、重力で溶融体が集電円盤7の下面側に垂下して垂下部が形成される。レーザ光照射後は、この垂下部が溶融痕跡として残り、突状部8が形成されていた部分が略平坦となる。4つの突状部8について、順次上面からレーザ光を照射し、下面に当接する銅箔露出部14の端部と接合する。
次に、捲回群6の集電円盤7の接合されていない側(アルミニウム箔露出部15側)が電池容器10の底面側となるように、捲回群6を電池容器10に収容する。上述した集電円盤7と銅箔露出部14との接合と同様にして、電池容器10の内底面とアルミニウム箔露出部15の(アルミニウム箔の)端部とをレーザ溶接で接合する。このとき、レーザ光照射により溶融した溶融体が重力で垂下可能なように、捲回群6挿入後の電池容器10を底部が上側となるようにしてレーザ溶接に供した。
ここで、レーザ溶接について説明する。電池容器10の内底面とアルミニウム箔露出部15との接合、集電円盤7の下面と銅箔露出部14との接合では、いずれも同様にレーザ溶接されるため、電池容器10の内底面とアルミニウム箔露出部15とのレーザ溶接についてのみ説明する。電池容器10の外底面に形成された突状部28にレーザ光を照射すると、図6(C)に示すように、突状部28が溶融すると共に、電池容器10の一部が溶融し、重力で溶融部分が電池容器10の内底面側に垂下して断面半円状の垂下部17が形成される。垂下部17は突状部28に対応するように形成され、この垂下部17が捲回群6のアルミニウム箔露出部15を構成するアルミニウム箔間に入り込む。更に、垂下部17がアルミニウム箔(正極合剤未塗着部1の端部)の両面を濡らすように垂れ下がり、正極合剤未塗着部1の端部が溶融部分に溶かし込まれて一体化される。
レーザ光照射後は、垂下部17が冷却固化し溶融痕跡として残り、アルミニウム箔露出部15が電池容器10の内底面に複数箇所で直接接合される。このとき、溝16の断面では、突状部28の上面が溝16の深さのところにまで下がり略平坦となる(図6(A)の斜線を付した部分および図6(B)も参照。)。なお、レーザ光照射前の外底面の形状は、図5(A)(B)に示す一対の溝が形成された形状、寸法に代えて、例えば、図5(C)に示すように、外底面のレーザ光照射を施す部分に幅が0.8mmの突状部18のみを設けた形状とすることもできる。この場合にもレーザ光照射により垂下部17が形成されることを確認している。また、溶融後には突状部28の上面が下がり略平坦となるが、この略平坦となることがレーザ溶接の品質を決定付けるものではない。
次いで、電池容器10内に非水電解液を注液する。非水電解液の注液量は50gに調整する。非水電解液注液後、電池容器10と上蓋12とを接合する。このとき、上蓋12を電池容器10の開口部を覆うように載置し、ディスク19の中央部と集電円盤7の中央部とをレーザ溶接で接合する。上蓋12の外周部に位置する周縁カバー13の下端部と、電池容器10の開口端部とをレーザ溶接で接合して封口密閉し、リチウムイオン二次電池30の作製を完成させる。
次に、本実施形態に従い、電池容器10の外底面(内底面)の凹凸形状を変えて作製したリチウムイオン二次電池の実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では、外底面が図5(A)(B)に示す形状の電池容器10を用いてリチウムイオン二次電池30を作製した。リチウムイオン二次電池30では、アルミニウム箔露出部15が電池容器10の内底面に直接接合されているため、正極側の集電部材やリード部材の機能が電池容器10に統合されるので、少なくとも正極側の集電部材および集電部材から外部端子(この場合には電池容器10)へと向かうリード部材を削減することが可能となる。部材数の削減は製造工程数の削減にも貢献するので、工業的量産において極めて有効な構成と考えられる。
(実施例2)
実施例2では、電池容器10として、実施例1で用いた電池容器10の外底面に凸状部、凹状部を形成した以外は実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池30を作製した。図9に示すように、電池容器10の外底面には、放射状の4箇所に一対の溝16が形成されており、溝16の間には突状部28が形成されている。一対の溝16同士の間の扇状部分には、プレス成形を施すことで扇状に突出した凸状部として扇状凸部20を有している。この扇状凸部20は、電池容器10の内底面側から見た場合に窪み部を形成する。このため、溝16および突状部28の形成された部分は、全体として、電池容器10の外底面では凹状部を形成し、内底面側から見た場合に突部となる。この内底面側から見た突部の先端部分が平面状に形成されており、アルミニウム箔露出部15の端部が接合される。得られたリチウムイオン二次電池30では、図10(A)(C)に示すように、扇状凸部20を有する部分で、捲回群6のアルミニウム箔露出部15の端部と電池容器10の内底面との間に隙間(空間)Sが形成される。一方、図10(B)に示すように、溝16が形成された部分では、アルミニウム箔露出部15の端部が電池容器10の内底面(突部の先端部分)に接合されており、実施例1のリチウムイオン二次電池30の構造と同一となる。すなわち、溝16が形成された部分ではアルミニウム箔露出部15の端部と電池容器10の内底面とが接合されており、扇状凸部20が形成された部分では、アルミニウム箔露出部15と内底面との間に隙間Sが形成されている。
ここで、実施例1のリチウムイオン二次電池30と実施例2のリチウムイオン二次電池30とについて、非水電解液の注液状況、含浸速度を比較した。電池容器10の内底面に捲回群6のアルミニウム箔露出部15をレーザ溶接で接合した各電池製作仕掛品を準備し、容器内を0.03MPaに減圧した状態で、1度目の注液操作として30gの非水電解液を容器開口部から注ぎ入れた。注液後、即座に大気圧解放して3分間放置し、引き続き0.03MPaに減圧して2度目の注液操作として20gの非水電解液を注ぎ入れ、即座に大気圧解放した。
実施例1の電池製作仕掛品では、1度目の注液操作終了後において、液面が容器口元近くまで達しており、外観で液面確認が可能であったのに対し、実施例2の電池製作仕掛品では、液面の目視確認が不可能な状態であり、つまり、より非水電解液の注液が容易であることがうかがえる。2度目の注液操作では、実施例1の電池製作仕掛品は非水電解液が電池容器10から溢れ出したのに対し、実施例2の電池製作仕掛品は非水電解液面の目視確認が可能ではあったが、電池容器10からの溢れ出しなく50g全量注入することが可能であった。実施例1の電池製作仕掛品については再度0.03MPaに減圧して3度目の注液操作として2度目の注液操作時に溢れ出した分量の非水電解液を注ぎ入れ、即座に大気圧解放した。3度目は溢れ出すことなく、所定量が容器の中に注ぎ入れられたことになる。但し、非水電解液面の目視確認が可能ではあった。
次に、所定量50gの非水電解液の注液完了した実施例1及び実施例2の電池製作仕掛品を水分乾燥雰囲気中に1時間放置し、液面の下がり具合を確認したところ、実施例2の電池製作仕掛品では液面が下がって目視確認ができない状態であったのに対し、実施例1の電池製作仕掛品では、未だ液面の目視確認が可能な状態であった。念のため、放置前後の各電池製作仕掛品の質量を計測しており、非水電解液の放置中の蒸発量は同じであったことを確認している。
この実験結果は、実施例1と実施例2とで非水電解液の注液速度、含浸速度の差を示したもので、実施例2の電池製作仕掛品の方がより注液速度、含浸速度が速く、製造タクト短縮が可能なことが確認されたものである。実施例1と実施例2とで差が生じたのは次の理由によるものと考えられる。すなわち、実施例1の場合では、電池容器10の内底面全域は、捲回群6のアルミニウム箔露出部15と当接している(図1参照)。このため、正極側では非水電解液の通過経路としては作用せず、捲回群6内への非水電解液の浸透経路は、主に負極側の集電円盤7側の端面からのみとなる。これに対し、実施例2の場合では、アルミニウム箔露出部15と電池容器10の内底面との間に隙間Sが形成されているので、捲回中心穴21や捲回群6の外周面と電池容器10の内周面との間に形成される隙間Sを通過した非水電解液が電池容器10の底部に到達し、捲回群6のアルミニウム箔露出部15側の端面からも捲回群6内への非水電解液の浸透経路が得られたことによる。
(実施例3)
実施例3では、図11に示すように、捲回群6の捲回中心に捲き芯22(芯体)が用いられている。すなわち、捲回群6は捲き芯22の周囲に捲回することで形成されている。捲き芯22には、内径(直径として)4mm、外径(直径として)9mmのガラス繊維フィラー入りのポリプロピレン製中空管が用いられている。捲き芯22は、電池容器10の底部側の端部に段付部を有しており、段付部外径(直径として)が7mmに設定されている。また、実施例1で用いた電池容器10の外底面に凸状部、凹状部を形成した電池容器10を用いてリチウムイオン二次電池40を作製した。図12に示すように、電池容器10の外底面には、放射状の4箇所に一対の溝16が形成されており、一対の溝16同士の間の扇状部分に扇状凸部20を有している。また、中央部には、プレス成形を施すことで、円形状に突出した中央凸部26を有している。扇状凸部20、中央凸部26は、電池容器10の内底面側から見た場合に窪み部となる。捲き芯22の段付部は、電池組立の際、電池容器10の中央凸部26の内底面側の窪み部に挿入され嵌着されている。
得られたリチウムイオン二次電池40では、図13(A)(C)に示すように、扇状凸部20が形成された部分で、捲回群6のアルミニウム箔露出部15の端部と電池容器10の内底面との間に隙間Sが形成される。一方、図13(B)に示すように、溝16が形成された部分の断面では、アルミニウム箔露出部15の端部が電池容器10の内底面に接合されており、実施例1のリチウムイオン二次電池30の構造と同一となる。
ここで、実施例2のリチウムイオン二次電池30と、実施例3のリチウムイオン二次電池40とについて、所定の振動を印加する振動試験を行い内部電気抵抗を比較した。振動試験では、X、Y、Z(前後、左右、上下)方向に、加速度6G、周波数10〜100Hzの振動を、10Hz/分の走査速度で往復させ、各方向48時間印加する条件とした。試験前後の電池の内部電気抵抗を比較すると、実施例3のリチウムイオン二次電池40では、試験前後の内部電気抵抗に殆ど差が見られなかったのに対し、実施例2のリチウムイオン二次電池30では、内部電気抵抗に約35%の増加が見られたので、電池を分解調査した。この結果、電池容器10の内底面に接合したアルミニウム箔露出部15の一部に破れ、剥れが確認された。さらに詳細に調べると、捲き芯22に対して直角方向での加振後に、内部電気抵抗の増大、接合部のアルミニウム箔露出部15の一部に破れ、剥れが生じることがわかった。このように耐振動性に差が生じたのは、実施例2のリチウムイオン二次電池30では、アルミニウム箔露出部15が電池容器10の内底面との接合部で固定されるのに対し、実施例3のリチウムイオン二次電池40では、アルミニウム箔露出部15が電池容器10の内底面との接合部で固定されることに加え、捲き芯22が内底面の窪み部(中央凸部26)に嵌合挿入されているので、捲回群6が電池容器10の底部で強固に支持固定されたことによると推察できる。
(実施例4)
実施例4では、捲き芯22の端部の形状を変えて非水電解液の通過を許容する開口部を形成した以外は実施例3と同様にリチウムイオン二次電池40を作製した。すなわち、図14(A)に示すように、捲き芯22の端部には、4箇所に円形状の貫通穴23が形成されている。ここで、実施例3のリチウムイオン二次電池40と実施例4のリチウムイオン二次電池40とについて、非水電解液の注液状況、含浸速度を比較した。実験条件は実施例2で述べた条件と同一である。
1度目の注液操作終了後において、実施例3の電池製作仕掛品では外観で液面確認が可能であったのに対し、実施例4の電池製作仕掛品では液面の目視確認が不可能な状態であった。すなわち、実施例3の電池製作仕掛品より実施例4の電池製作仕掛品の方が非水電解液の注液が容易でることがうかがえる。2度目の注液操作において、実施例3の電池製作仕掛品では非水電解液が容器から若干溢れ出したのに対し、実施例4の電池製作仕掛品では非水電解液面の目視確認が可能ではあったが、容器からの溢れ出しはなく50g全量注液することが可能であった。実施例3の電池製作仕掛品については再度0.03MPaに減圧して3度目の注液操作として2度目の注液操作時に溢れ出した分量の非水電解液を注ぎ入れ、即座に大気圧解放した。3度目は溢れ出すことなく、所定量が容器の中に注ぎ入れられたことになる。但し、非水電解液面の目視確認が可能ではあった。
また、図14(B)に示すように端部に4箇所の切り欠き24が形成された捲き芯22、図14(C)に示すように端部に8箇所のスリット25が形成された巻き芯22をそれぞれ用いる以外は実施例3と同様にそれぞれリチウムイオン二次電池40を作製した。これらのリチウムイオン二次電池40について、非水電解液の注液状況、含浸速度を同様に評価したが、結果は実施例3とほぼ同様であった。
これらの実験結果は、実施例3と実施例4とで非水電解液の注液速度の差を示しており、実施例4の電池製作仕掛品においてより注液速度が速く、製造タクト短縮が可能なことが確認されたものである。実施例3と実施例4とで差が生じたのは次の理由によるものと考えられる。すなわち、実施例3の場合では、捲き芯22の中空状部分を通過した非水電解液が電池容器10の底部で袋小路状態となって行き場を失ってしまう。これに対して、実施例4の場合では、捲き芯22の端部に貫通穴23、切り欠き24、スリット25がそれぞれ形成されているため、捲き芯22の中空状部分を通過した非水電解液が電池容器10の底部に広がるので、非水電解液の滞留を回避し速やかに含浸することができる。これらの実験結果および考察から、捲き芯22は、端部に形成された貫通穴23、切り欠き24、スリット25が電池容器10の底面に形成された扇状凸部20の方向に向かうように中央凸部26に嵌合挿入することが望ましいことが明らかである。
以上説明したように、リチウムイオン二次電池30、リチウムイオン二次電池40は、組立部品点数の削減に効果があり(正極側の集電部品やリード部品が不要)、製造工程数の削減にも貢献するため、特に、代表的な高率充放電用途となる電気自動車やハイブリッド車の電源用電池では、工業的量産において極めて有効な構成であるといえる。また、電極製造工程における短冊櫛歯状加工等が不要となり材料の歩留向上が可能な上、非水電解液の注液工程でのタクト短縮にも大きく貢献し、コスト削減効果に優れている。更に、性能面では、耐振動性に優れる点で効果を発揮することが確認された。従って、高性能、低コストのリチウムイオン二次電池を提供できる点で、産業界のみならず、電気自動車、ハイブリッド車の普及にも大きく貢献できるポテンシャルを有し、地球環境保護にも大きな役割を果たすことが期待される。
(作用等)
次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池30(実施例1、実施例2)およびリチウムイオン二次電池40(実施例3、実施例4)の作用等について説明する。
本実施形態では、負極側では銅箔露出部14の端部が集電円盤7の捲回群6側の面に接合され、正極側ではアルミニウム箔露出部15が電池容器10の内底面に接合される。このため、銅箔露出部14やアルミニウム箔露出部15を短冊櫛歯状に加工したり、集電タブを取り付けたりする場合と比較して、加工や取り付けの時間が不要となり、製造時の作業性を向上させることができる。また、短冊櫛歯状に加工したり集電タブを取り付けたりした正極板、負極板を捲回する場合と比較して、捲回群6の作製時に集電タブ等が咬み込まれた状態で巻き取られることがないので、正負極間の絶縁が損なわれるような工程不良のポテンシャルも完全に排除することができる。更に、集電タブ等では捲回群の端面を覆うように集合され集電円盤の側縁に接合されるのに対して、本実施形態では、アルミニウム箔露出部15、銅箔露出部14が捲回群6の端面を覆うことがなく、また、集電円盤7に貫通スリット9が形成されているため、捲回群6に対する非水電解液の浸透経路を確保することができる。これにより、非水電解液が捲回群6内に浸透する時間を短縮することができ、仕掛リードタイムの増加に繋がるような要因も完全に排除することができる。
また、本実施形態では、電池容器10の内底面にアルミニウム箔露出部15の端部が直接接合されるため、正極側の集電部品やリード部品が不要となり、電池製造に要する部材数を削減することができる。このため、製造工程でも煩雑な部材管理や溶接作業が軽減されるので、電池製造効率の向上、低コスト化を図ることができる。更に、正極板2から電池容器10への通電経路が短縮されるので、内部抵抗を低減することができる。また、アルミニウム箔露出部15には切り欠きが形成されておらず、断面渦巻状に捲回されているため、切り欠きを形成すると基部の強度が低下することと比較して、強度向上を図ることができる。
更に、本実施形態では、集電円盤7に4つの突状部8が形成されている(図7参照)。この突状部8の上側からレーザ光を照射することで、突状部8が溶融し集電円盤7の反対側(捲回群6側)に垂下部が形成されるので、集電円盤7と捲回群6の銅箔露出部14とを確実に接合することができる。また、本実施形態では、電池容器10の外底面に形成された2本の溝16の間に突状部28が形成されている(図5参照)。このため、集電円盤7と銅箔露出部14との接合と同様にして、電池容器10の内底面とアルミニウム箔露出部15とをレーザ溶接で確実に接合することができる。
また更に、本実施形態では、上蓋12を構成する樹脂部材11の外周部に突設部Tが形成されている。この突設部Tが捲回群6の上側に配置された集電円盤7と電池容器10との間に挿入され、集電円盤7の上面外周部と樹脂部材11の(突設部T以外の)下面とが接触する。このため、集電円盤7が側周面および上面で支持固定されるので、リチウムイオン二次電池30の耐振動性を向上させることができる。
更にまた、本実施形態では、電池容器10の外底面に、溝16および突状部28に加えて扇状凸部20を有する例を示した(実施例2)。電池容器10の内底面側では扇状凸部20と対応する位置に窪み部が形成されているため、電池容器10の内底面側の突部(平面部)にアルミニウム箔露出部15の端部を接合しても、窪み部が形成された位置ではアルミニウム箔露出部15と電池容器10の内底面との間に隙間Sが形成される。この隙間Sを通じて非水電解液が広がるため、捲回群6内に非水電解液を十分に浸透させることができると共に、非水電解液が捲回群6内に浸透する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、電池容器10の外底面に、溝16および突状部28に加えて扇状凸部20、中央凸部26を有する例を示した(実施例3)。電池容器10の内底面側では中央凸部26と対応する位置に窪み部が形成されているため、捲回群6の捲回中心に用いた捲き芯22の端部を挿入し嵌合することができる。これにより、捲き芯22の端部が電池容器10の内底面に固定されるので、捲回群6を支持することができ、耐振動性を向上させることができる。
更に、本実施形態では、捲き芯22の端部に開口部、すなわち、貫通穴23、切り欠き24、スリット25がそれぞれ形成されている例を示した(実施例4)。これら貫通穴23、切り欠き24、スリット25が電池容器10の内底面で扇状凸部20と対応する位置に形成された窪み部に向かうように中央凸部26と対応する位置に形成された窪み部に捲き芯22が挿入嵌合される。このため、捲き芯22の中空状部分に注液された非水電解液が捲き芯22の端部に形成された貫通穴23等の開口部を通じて電池容器10の底部に広がるので、捲回群6に対して非水電解液を速やかに浸透させることができる。
なお、本実施形態では、電池容器10の外底面に溝16および突状部28を放射状で直線状に形成する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、例えば、インボリュート曲線等の曲線状で複数の突状部および溝を形成してもよい。また、溝16、突状部28の数についても4箇所に制限されるものではなく、例えば、3箇所や6箇所としてもよい。更に、全ての突状部28が電池容器10の外底面の中心部から周縁部に向けて形成される必要はなく、例えば、一部については半径方向の中途から周縁部に向けて形成するようにしてもよい。また、本実施形態では、集電円盤7に4つの突状部8を形成する例を示したが、突状部8の形状、寸法や数についても同様に制限のないことはもちろんである。
また、本実施形態では、電池容器10が外底面側に扇状凸部20や中央凸部26を有する例を示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。外底面側の凸状部は溝16や突状部28と異なる位置に形成すればよく、形状についても特に制限はない。電池容器10の内底面側では凸状部と対応する位置に窪み部が形成されるようにすればよい。
更に、本実施形態では、捲き芯22の端部に開口部として、貫通穴23、切り欠き24、スリット25が形成された例を示したが、本発明は開口部の形状、数に制限されるものではない。また、その形成方法についても、捲き芯22の作製時に同時に形成するようにしてもよく、捲き芯22の作製後に貫通穴や切り欠き等を形成するようにしてもよい。
また更に、本実施形態では、正極板2、負極板4をそれぞれ帯状に形成し両極板をセパレータを介して捲回した捲回群6を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、矩形状や円形状等の正極板、負極板をセパレータを介して積層した積層電極群としてもよい。また、本実施形態では、電池容器10が正極外部端子を兼ねる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電池容器10を負極外部端子としてもよい。
更にまた、本実施形態では、電池容器10に円筒状の有底容器を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、積層電極群を用いる場合には、直方体状の有底容器を用いるようにしてもよい。更に、本実施形態では、集電部材として集電円盤7を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザ溶接に要する突状部8が形成されていればよい。例えば、積層電極群を用いる場合には、矩形状の集電部材としてもよく、形状に制限されるものではない。
また、本実施形態では、上蓋12を構成する樹脂部材11に突設部Tを形成し、集電円盤7の側周面および上面外周部と、樹脂部材11とが当接する例を示した。集電円盤7と樹脂部材11とが全周にわたって当接していなくとも、例えば、集電円盤7の側周面の一部や上面外周部の一部に当接するようにしても十分な耐振動性を得ることができる。
更に、本実施形態では、正極板2、負極板4をアルミニウム箔、圧延銅箔の両面にそれぞれ正負極合剤を塗着する例を示したが、正極合剤塗着面と負極合剤塗着面とが対向しない部分においては、部分的に片面のみに塗着するようにしてもかまわない。また、本実施形態で例示した正負極活物質の種類、正負極合剤の組成や配合比率は、本発明を限定するものではない。また、本発明は、本実施形態の正負極板に用いた金属箔集電体の種類やグレード、正負極板の厚さや作製法等によっても制限されるものではなく、非水電解液の組成や注液量にも制限のないことはもちろんである。
また更に、本実施形態では、電池の安全機構について特に言及していないが、上蓋12を構成するディスク19に溝加工等で電池異常時の内圧を外部へ解放するガス排出弁を設けてもよい。また、リチウムイオン二次電池30では、皿状のディスク19と集電円盤7とが溶接で接合されていることから、電池異常等で内圧が上昇したときに、ディスク19が上側に反転するように設定することも可能である。このようにすれば、電池異常時にディスク19が反転してディスク19と集電円盤7との溶接部が破断するので、電流が遮断され安全性を確保することができる。
本発明は製造時の作業性が向上すると共に、内部抵抗を低減させることができるリチウムイオン二次電池を提供するため、リチウムイオン二次電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池の概略を示す断面図である。 実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池を構成する正極板を模式的に示す平面図である。 円筒型リチウムイオン二次電池を構成する負極板を模式的に示す平面図である。 円筒型リチウムイオン二次電池の捲回群を構成する正極板、負極板およびセパレータの位置関係を模式的に示す説明図である。 円筒型リチウムイオン二次電池に用いられた電池容器の底面に形成された突状部および溝を示し、(A)は底面図であり、(B)は(A)に示すB−B断面の寸法を示す断面図であり、(C)は電池容器の底面に形成される突状部の他の形状の例を示す断面図である。 電池容器の内底面と、電池容器内に収容された捲回群のアルミニウム箔露出部とを溶接で接合した後の電池容器の底面を示し、(A)は底面図であり、(B)は底部を破断して示す斜視図であり、(C)は捲回群のアルミニウム箔露出部と電池容器の内底面とを溶接で接合するときの垂下部を模式的に示し(A)に示すA−A断面図である。 円筒型リチウムイオン二次電池に用いられた集電円盤を示し、(A)は斜視図であり、(B)は(A)に示すG−G断面の寸法を示す断面図である。 円筒型リチウムイオン二次電池に用いられた上蓋を示す断面図である。 円筒型リチウムイオン二次電池の底面に形成された突状部、溝および扇状凸部を示す底面図である。 円筒型リチウムイオン二次電池の底部を示し、(A)は図9に示すC−C断面図であり、(B)は図9に示すD−D断面図であり、(C)は底部を破断して示す斜視図である。 実施例3、実施例4の実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池の概略を示す断面図である。 実施例3、実施例4の円筒型リチウムイオン二次電池の底面に形成された突状部、溝、扇状凸部および中央凸部を示す底面図である。 実施例3、実施例4の円筒型リチウムイオン二次電池の底部を示し、(A)は図12に示すE−E断面図であり、(B)は図12に示すF−F断面図であり、(C)は底部を破断して示す斜視図である。 実施例4の円筒型リチウムイオン二次電池に用いられた捲き芯の端部を示す斜視図であり、(A)は貫通穴が形成された捲き芯、(B)は切り欠きが形成された捲き芯、(C)はスリットが形成された捲き芯を示す。
符号の説明
2 正極板
4 負極板
5 セパレータ
6 捲回群(電極群)
10 電池容器(有底容器)
14 銅箔露出部(集電体の一部)
15 アルミニウム箔露出部(集電体の一部)
16
28 突状部
30 円筒型リチウムイオン二次電池(リチウムイオン二次電池)

Claims (5)

  1. 正極活物質を主体とする正極合剤が集電体に塗着された正極板と、負極活物質を主体とする負極合剤が集電体に塗着された負極板とをセパレータを介して配置した電極群が電解液に浸潤されて有底容器に収容されたリチウムイオン二次電池において、前記容器は、外底面側に2本の溝と該溝の間の突状部とが複数箇所に形成され、前記溝および突状部に対応する内底面側が平面状であるとともに、前記正極板および負極板は前記集電体の端部が前記電極群の両端面からそれぞれ突出して配置されており、前記正極板および負極板はいずれか一方の集電体の端部が前記容器の内底面の平面状部分に複数箇所で直接接合されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記容器の内底面に接合された前記正極板および負極板のいずれか一方の集電体の端部は、前記正極合剤ないし負極合剤が未塗着であり、かつ、切り欠きが形成されていないことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記電極群は、帯状を呈した前記正極板および負極板が前記セパレータを介して芯体の周囲に捲回されていることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記容器は、外底面側の中央部に凸状部を有し、内底面側には前記凸状部に対応する窪み部が形成されており、前記内底面側の窪み部に前記芯体の端部が嵌着していることを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記芯体は、前記窪み部に嵌着した端部の少なくとも1箇所に前記電解液の通過を許容する開口部が形成されていることを特徴とする請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
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