JP5153439B2 - 硬質皮膜およびその形成方法ならびに硬質皮膜被覆部材 - Google Patents

硬質皮膜およびその形成方法ならびに硬質皮膜被覆部材 Download PDF

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本発明は、硬質皮膜およびその形成方法ならびに硬質皮膜被覆部材に関するものであり、チップ、ドリル、エンドミル等の切削工具や、鍛造加工、プレス成形、押し出し成形等に用いられる金型や打ち抜きパンチ等の硬質皮膜被覆部材の表面に形成され、これらの耐摩耗性を向上させるための硬質皮膜、およびその形成方法、ならびに上記切削工具等の硬質皮膜被覆部材に関するものである。
従来より、例えば超硬合金、サーメットまたは高速度工具鋼を基材とする切削工具の耐摩耗性を向上させることを目的に、TiN、TiCN、TiAlN等の硬質皮膜をコーティングすることが行われている。
主にスパッタリング法により形成されるCr(クロミア)は、耐酸化性や耐摺動摩耗性などに優れていることから、メカニカルシール、気体軸受等に使用されている(例えば非特許文献1)。しかしながら、Crは、上記TiNやCrN等の窒化物と比較して硬度が劣るため、例えば切削工具等の皮膜の硬度が要求される分野でのアプリケーションとしては使用されていない。
また、特許文献1には、切削工具基体に金属成分として4a、5a、6a族の金属成分およびAlのうち1種若しくは2種以上より選択された元素と、Si元素を含み、非金属成分として、N、B、C、Oのうち1種若しくは2種以上より選択された元素を含むSi含有硬質皮膜と、金属成分としてTi、Al、Crのうち1種若しくは2種以上より選択された元素と非金属成分として少なくともN、B、C、Oのうち1種若しくは2種以上より選択された元素を含む硬質皮膜を少なくとも2層以上被覆してなる被覆切削工具であり、前記Siを含有する硬質層がSiの含有濃度が相対的に高い結晶粒と相対的に低い結晶粒を含有する組成偏析多結晶で構成したものが開示されている。しかし、酸化物からなる皮膜として具体的にどのような組成のものを用いれば、切削工具に適用しても使用に耐え得るかは全く開示されていない。
特開2003−25113号公報 P.Hones and F.Levy J.Mater.Res.,Vol.14, No.9,Sep 1999
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来の酸化物皮膜よりも耐摩耗性に優れ、切削工具等にも利用できる、高温環境下でも耐摩耗性に優れた硬質皮膜とその形成方法、および該硬質皮膜の形成された硬質皮膜被覆部材を提供することにある。
本発明に係る硬質皮膜とは、基材の表面に形成される硬質皮膜であって、
(Cr1−xSi)Oからなり、
0.010≦x≦0.30、および
0.8≦2y/(x+3)
(xはSiの原子比を示し、yはOの原子比を示す。)
を満たすところに特徴を有する。
本発明は、基材と、当該基材を被覆する前記硬質皮膜とを備えていることを特徴とする硬質皮膜被覆部材(特には、連続切削工具)も含むものである。
前記硬質皮膜被覆部材は、前記基材と前記硬質皮膜との間に配された、Ti、Crの1種以上を含む窒化物からなる中間層を、更に備えているものであってもよい。
前記中間層を備えた硬質皮膜被覆部材の好ましい形態として、前記硬質皮膜が、前記中間層の表面を、基材温度500℃以上700℃以下、酸素圧1.0Pa以上5.0Pa以下の条件で酸化処理してから形成されたものが挙げられる。また、別の好ましい形態として、前記中間層が、基材側から前記硬質皮膜側に向けて、窒素が減少し酸素が増大する組成傾斜層を有するものが挙げられる。
本発明は、前記硬質皮膜の形成方法も規定するものであって、該形成方法は、基材温度が300℃以上700℃以下で、酸素圧が0.5Pa以上5Pa以下の条件で、カソード放電型アークイオンプレーティング法により前記硬質皮膜を形成するところに特徴を有するものである。
本発明によれば、従来の酸化物皮膜よりも耐摩耗性に優れた硬質皮膜を実現できる。こうした硬質皮膜は、バイトやフライスチップ、ドリル、エンドミル等の切削工具や、パンチ、プレス、押し出し、鍛造加工等の塑性加工用治工具、ダイカスト等の金型等の硬質皮膜被覆部材の基材表面に形成されるものとして極めて有用である。
本発明者らは、耐摩耗性に優れた酸化物からなる硬質皮膜を得るべく様々な角度から検討した。その結果、基材の表面に形成される硬質皮膜として、
(Cr1−xSi)Oからなり、
0.010≦x≦0.30、および
0.8≦2y/(x+3)
(xはSiの原子比を示し、yはOの原子比を示す。以下同じ)
を満たすことを特徴とする硬質皮膜とすればよいことを見出した。以下、本発明の硬質皮膜において、各元素を選定した理由と各元素の組成範囲の限定理由について説明する。
上記の通り、Cr中に、Siを均一に固溶させた酸化物皮膜とすれば、上記SiがCrよりも酸化物(SiO:シリカ)を形成し易く、かつ形成されるSiOがCrよりも平衡酸素圧が低いため、熱的に非常に安定で、高温環境下における皮膜の耐摩耗性を著しく高めることを見出し、本発明を完成した。硬質皮膜中のCrおよびSiの合計量に占めるSi量(x)が0.010よりも小さいと、上記作用効果が十分に発揮されず、工具の耐摩耗性の改善が見られない。一方、Si量が、0.30を超えると、Crのコランダム構造を維持できずアモルファスの酸化物皮膜となり、硬度が著しく低下する。上記Si量を、0.07以上で0.25以下の範囲内とすれば、後述する実施例における切削試験での摩耗量が5μm以下となるので好ましく、0.1以上で0.22以下の範囲内とすれば、上記摩耗量が3.5μm以下となるのでより好ましい。
金属元素(Cr、Si)と酸素の比率は、酸化物皮膜を構成する金属元素の比率により変化する。理論的に、Crは上記の通りCr、SiはSiOを形成することから、上記(Cr1−xSi)Oからなる酸化物皮膜の場合、上記量論酸化物を形成した場合には、y=(x+3)/2となる。即ち、2y/(x+3)は理論的には1であるが、実際には成膜条件等により変動する。成膜条件により酸化物皮膜中の酸素量が少なくなり、金属リッチになると、硬度が低下する傾向にある。よって本発明では、2y/(x+3)が0.8以上となるようにする。一方、2y/(x+3)の値は、基本的に1を超えることはないが、測定誤差などを勘案すると、その上限はおおよそ1.2程度となる。
本発明の硬質皮膜としては、上記硬質皮膜を単層として形成する他、規定範囲内で成分組成の異なる2層以上を積層させたものが挙げられる。
本発明の硬質皮膜は、単層の場合であっても上記複数層の場合であってもトータルとしての膜厚は、0.05μm以上で20μm以下の範囲内とすることが望ましい。0.05μm未満だと、膜厚が薄すぎて優れた耐摩耗性が十分に発揮され難く、一方、上記膜厚が20μmを超えると、切削中に膜の欠損や剥離が発生するからである。
本発明は、基材と、当該基材を被覆する前記硬質皮膜とを備えていることを特徴とする硬質皮膜被覆部材も含むものである。本発明の硬質皮膜被覆部材としては、バイトやフライスチップ、ドリル、エンドミル等の切削工具や、パンチ、プレス、押し出し、鍛造加工等の塑性加工用治工具、ダイカスト等の金型等が挙げられる。
本発明の硬質皮膜を、特に、連続切削に使用されるインサートや断続切削に使用されるエンドミル、ドリル等の切削工具に用いた場合にその効果が存分に発揮され、その中でも特に、旋削用工具などの連続切削用工具のスクイ面に形成すれば、該工具の耐摩耗性を飛躍的に向上できるので好ましい。
例えば、従来より硬質皮膜として用いられている窒化物膜をスクイ面に形成し断続切削を行った場合、摩擦熱により高温になったスクイ面が周期的に雰囲気に曝されるため、上記窒化物膜表面に、硬質な酸化皮膜が形成されて耐摩耗性が向上することが知られている。しかし、窒化物をスクイ面に形成して連続切削を行った場合には、スクイ面と切削後の切りくずの接触面が雰囲気と触れることがないため、上記硬質の酸化皮膜が形成されず、該部分で窒化物膜が劣化するという問題点がある。しかし、本発明の硬質皮膜で被覆されたものは、切り粉が連続的にすくい面に当たり、高温・低酸素雰囲気となる場合でも、比較的安定に存在し、上記の様な劣化が生じない。よって、この様な観点からは、本願発明の硬質皮膜は、特に連続切削工具(例えば、連続切削に使用されるインサート)に適している。
前記基材は、上記硬質皮膜被覆部材の種類によって適宜決定されるものであり、機械構造用炭素鋼、構造用合金鋼、工具鋼、ステンレス鋼などの各種鋼材や超硬合金などの金属材によって形成され、その表面にめっき層、溶射層などの中間層が形成されていてもよい。
前記硬質皮膜被覆部材は、前記基材と前記硬質皮膜との間に配された、Ti、Crの1種以上を含む窒化物からなる中間層(以下、「中間窒化物層」ということがある)を更に備えているものであってもよい。上記硬質皮膜を基材表面に直接形成すると、残留応力が大きくなり易く、剥離が生じやすくなる。そこで、上記の通り、基材と硬質皮膜の間に上記中間窒化物層を応力緩和層として形成することで、硬質皮膜の基材に対する密着性を向上させ、耐摩耗性を長期にわたり発揮させることができる。上記Ti、Crの1種以上を含む窒化物として、TiN、CrN、TiCrN、TiAlN、TiCrAlN、TiSiN、CrSiN、CrAlN等を用いることができる。
前記中間窒化物層の厚みは、0.01μm以上で5μm以下の範囲内とすることが望ましい。0.01μm未満だと、膜厚が薄すぎて優れた密着性が十分に発揮され難く、一方、上記膜厚が5μmを超えると、切削中に膜の欠損や剥離が発生するからである。
前記中間窒化物層と硬質皮膜の密着性をより高めるべく、該硬質皮膜が、後述する通り、中間窒化物層の表面を、基材温度:500℃以上700℃以下、かつ酸素圧:1.0Pa以上5.0Pa以下の条件で酸化処理してから硬質皮膜を形成されたものとすることがより好ましい。
また、中間窒化物層と硬質皮膜の密着性を高める別の態様として、前記中間窒化物層を、基材側から前記硬質皮膜側に向けて、窒素が減少し酸素が増大する組成傾斜層を有するものとすることがより好ましい。この様な組成傾斜層を設けることで、中間窒化物層を構成する窒化物と硬質皮膜の界面の急激な組成の変化を抑制し、密着性をより高めることができる。組成傾斜層における組成変化は、連続的でもよく段階的でもよい。また直線的でもよく曲線的でもよい。さらには単調に変化してもよく、増加と減少を繰り返しながら全体として一定方向に変化してもよい。
上記組成を満たす硬質皮膜を形成できる方法であれば、どのような方法で成膜してもよいが、成膜速度を速めると共に低温で成膜する観点からは、PVD法、特に、カソード放電型アークイオンプレーティング法で成膜することが推奨される。CVD法により形成する場合には、形成時の基材温度が1000℃近くに達するため、基材の熱歪みの問題などがあり、精密な形状を有する工具には適用できないなどの問題がある。しかしPVD法によれば、基材温度をこの様な高温とすることなく、比較的低温で成膜を行うことができる。
また、PVD法の中でも、上記の通り、特にカソード放電型のアークイオンプレーティング法(以下「AIP法」ということがある)により形成すれば、高速かつ安定して硬質皮膜を形成できる。スパッタリング法で酸素雰囲気において本発明の硬質皮膜の形成を行う場合、投入する酸素の分圧と形成される硬質皮膜中の酸素量が線形の関係を示さないため、形成される酸化物皮膜の組成を酸素分圧によりコントロールすることが難しい。また、成膜レートも、後述する実施例5に示す通り、スパッタリング法で成膜を行う場合には、AIP法で成膜を行う場合に比べて約1/10程度と大幅に減少することから、AIP法による成膜が推奨される。
上記AIP法で形成するには、基材温度:300℃以上700℃以下で、かつ酸素圧:0.5Pa以上5Pa以下の酸素雰囲気中で成膜するのがよい。
基材温度が300℃未満では、皮膜の結晶化が十分に起こらず、硬度や耐摩耗性が低下する傾向にある。一方、700℃を超えると、基材の劣化が生じ、摩耗量が大きくなる傾向にある。好ましくは基材温度を500℃以上700℃以下とする。また、酸素圧が0.5Pa未満では、酸素が欠乏した酸化物皮膜(金属リッチな酸化物皮膜)、即ち、上記2y/(x+3)が0.8を下回る酸化物皮膜が形成され、硬度の低いものとなる。一方、酸素圧が5Paを超えると、基材に入射するイオンのエネルギーが低下し、皮膜の硬度および成膜レートが低下する傾向にあるので好ましくない。酸素圧は好ましくは2Pa以下とする。
中間窒化物層の形成方法は特に限定されず、例えば、TiN、CrN、CrSiN、CrAlNに例示される皮膜を、TiターゲットやCrターゲット、CrSi合金ターゲット、CrAl合金ターゲットを用い、窒素雰囲気中にてAIP法やスパッタリング法で形成すればよい。
中間窒化物層と硬質皮膜の密着性をより高めるには、上述した通り、該中間窒化物層を形成した後に、雰囲気中に酸素を導入し、窒化物表面に高温酸化による酸化物を形成することで硬質皮膜の応力を緩和し、皮膜の密着性を高めることが可能となる。上記酸化により酸化物を形成するには、基材温度:500℃以上700℃以下、かつ酸素圧:1.0Pa以上5.0Pa以下の条件で、上記中間窒化物層の表面を酸化処理してから硬質皮膜を形成することが好ましい。基材温度が500℃未満では、酸化が起こらず応力が緩和されない。好ましくは、基材温度を600℃以上にして酸化処理する。一方、基材温度が高すぎると、基材の劣化が生じやすくなるので、基材温度は700℃以下とする。また、酸素圧が1.0Pa未満の場合も応力緩和に寄与するほど酸化物が形成されないので好ましくない。一方、酸素圧が高すぎると、酸化の進行が早くなり、窒化膜の大部分が酸化されてしまい密着性を確保できなくなるおそれがあるので、酸素圧は5.0Pa以下とする。
また、中間窒化物層と硬質皮膜の密着性をより高めるべく、該中間窒化物層として、基材側から前記硬質皮膜側に向けて窒素が減少し、酸素が増大する組成傾斜層を有するものを形成するには、例えば後述する実施例に示す通り、中間窒化物層を形成後、放電を持続させ、窒素:酸素の比率を傾斜的に酸素が増加する方向に変化させて、上記組成傾斜層を形成することが挙げられる。
図1は、本発明の硬質皮膜を製造するための成膜装置の構成例を示す概略説明図であり、この装置はAIP法とスパッタリング法を同時に行なえるように構成されたものである。図1に示した装置では、真空チャンバー1内に回転盤2が配置されており、この回転盤2に4個の回転テーブル3が対称に取り付けられる。各回転テーブル3には、被処理体(基材)5が取り付けられている。回転盤2の周囲には、複数(図1では2つ)のアーク蒸発源6a,6b、複数(図1では2つ)のスパッタ蒸発源6c,6dおよびヒータ7a,7b,7c,7dが配置されている。各アーク蒸発源6a,6bおよびスパッタ蒸発源6c,6dには、夫々を蒸発させるためのアーク電源8a,8bおよびスパッタ電源8c,8dが配置されている。
また図中11はフィラメント型イオン源、12はフィラメント加熱用交流電源、13は放電用直流電源であり、フィラメント加熱用交流電源12からの電流によりフィラメント(W製)を加熱し、放出される熱電子を放電用直流電源13によって真空チャンバーに誘導し、フィラメント−チャンバー間にプラズマ(Ar)を発生し、Arイオンを発生する。このArイオンを用いて、被処理体(基材)のクリーニングを実施する。真空チャンバー1内は、真空ポンプPによって、その内部が真空にされると共に、各種成膜用ガスがマスフローコントローラー9a,9b,9c,9dから導入されるように構成される。
そして、各アーク蒸発源6a,6bおよびスパッタ蒸発源6c,6dに、各種組成のターゲットを用い、これらを成膜用ガス中で蒸発させながら、回転盤2および回転テーブル3を回転させれば、被処理体(基材)5の表面に硬質皮膜や中間窒化物層を形成することができる。尚、図中10は、被処理体(基材)5に負の電圧(バイアス電圧)を印加するために備えられたバイアス電源である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
前記図1に示すスパッタリング及びAIPの蒸発源を有する装置を用いて、表1に示す成分組成の酸化物皮膜を形成し、耐摩耗性の評価を行った。
基材として、鏡面研磨した超硬合金(JIS−P種)基板または超硬合金製の切削用チップ(SNGA120408)、および下記のターゲットを装置に導入し、1×10−3Pa以下に排気後に、基材温度が550℃となるまで加熱した。その後、Arイオンを用いたスパッタクリーニングを実施した。それから、まず約1μmの(Cr0.85Si0.15)N膜を中間窒化物層として基板上に形成した。(Cr0.85Si0.15)N膜の形成は、CrSiターゲットを用い、AIP法により、窒素圧:4Paの雰囲気中で、基材温度:550℃、基材に印加するバイアス電圧:−100Vの条件で行った。
次いで、上記中間窒化物層の表面に、表1に示す成分組成の酸化物皮膜(厚さ:約5μm)を、該酸化物皮膜の金属成分を有するターゲットを用い、AIP法の場合には、酸素圧が1Paとなるよう酸素を導入し、150Aの電流値でアーク放電を実施して形成した。また、スパッタリング法の場合には、Arと酸素の混合ガスとし、全圧を0.6Pa、酸素分圧を0.1Paとして酸化物皮膜を形成した。
上記膜厚は、予め算出した膜厚レート(μm/hr)から成膜時間を変化させることで制御した。酸化物皮膜および(Cr0.85Si0.15)N膜の形成時には、基材に−100Vのバイアス電圧をパルス状(周波数:30kHz、デューティー比:75%)に印加した。
上記ターゲットとして、表1に示す通り、Si量が様々であるCrSi合金を溶製し、切り出し加工することにより作製したものを用いた。
上記超硬合金基板上に成膜したサンプルを用いて、ビッカース硬度の測定(荷重0.25N、保持時間15秒)を行った。また、酸化物皮膜および中間窒化物層の成分組成をEDXで分析して求めた(尚、成分組成については、以下の実施例2〜5で形成した酸化物皮膜および中間窒化物層についても、本実施例1と同様にEDXで分析して確認した)。また、上記超硬合金製の切削用チップ上に成膜したサンプルを用いて、下記条件で切削試験を行い、摩耗量を測定して、耐摩耗性を評価した。具体的には、クレーター摩耗量が10μm以下のものを耐摩耗性に優れていると評価した。尚、上記摩耗量は、好ましくは5μm以下、より好ましくは3.5μm以下である。これらの測定結果を表1に示す。
[切削試験条件]
被削材:FCD400(生材)
速度:200m/分
深さ切込:3mm
送り:0.2mm/rev
ドライ切削、エアーブロー無し
切削時間:5分
摩耗量:クレータ摩耗深さで評価
表1より次の様に考察できる。即ち、本発明で規定する組成を満たす酸化物皮膜(硬質皮膜)は、硬度が高く耐摩耗性に優れている。これに対し、本発明で規定する組成を満たさない酸化物皮膜は、硬度が低く耐摩耗性に劣っている。
[実施例2]
前記図1に示す装置を用いて、表2に示す中間窒化物層および本発明の硬質皮膜(酸化物皮膜)を基板上に形成し、密着性の評価を行った。
鏡面研磨した超硬合金(JIS−P種)基板および下記のターゲットを装置に導入し、1×10−3Pa以下に排気後に、基材温度が550℃となるまで加熱した。その後、Arイオンを用いたスパッタクリーニングを実施した。それから、まず表2に示す中間窒化物層(厚さ:約1μm)を、該中間窒化物層の金属成分を含有するターゲットを使用し、AIP法により、基材温度:500℃、窒素圧が4Paとなるよう窒素ガスを導入し、基材に印加するバイアス電圧を−50Vとし、150Aの電流値でアーク放電を実施して形成した。
次いで、上記中間窒化物層の表面に、表2に示す成分組成の酸化物皮膜(硬質皮膜,厚さ:約5μm)を、表2に示す成分組成のターゲットを用い、AIP法にて、酸素圧が1Paとなるよう酸素を導入し、150Aの電流値でアーク放電を実施して形成した。尚、酸化物皮膜の形成時には、基材に−100Vのバイアス電圧をパルス状(周波数:30kHz、デューティー比:75%)に印加した。
ターゲットとして、表2に示す通り、実施例1で用いたCr−10at.%Si合金ターゲットを用いて、Cr:Si(原子比)が0.95:0.05の硬質皮膜を形成し、また、Cr−20at.%Si合金ターゲットを用いて、Cr:Si(原子比)が0.85:0.15の硬質皮膜を形成した。
表2のNo.9〜11は、上記中間窒化物層を形成後に、基材温度を600℃で保持し、酸素圧を1Paとして、30分間酸化処理を実施してから上記酸化物皮膜(硬質皮膜)を形成した。
上記成膜されたサンプルを用いて、皮膜の密着性の評価を行った。密着性は、ダイアモンド圧子(200ミクロンR)を用いたスクラッチ試験により、皮膜の剥離し始める荷重で評価した。スクラッチ時の荷重増加速度は100N/分であり、スクラッチ速度は10mm/分とした。この測定結果を表2に示す。
表2より次の様に考察できる。即ち、基材と硬質皮膜の間に中間窒化物層を設けることで密着性を向上させることができ、更に、上記中間窒化物層の表面を酸化処理してから硬質皮膜を形成することで、密着性がより高められることがわかる。
[実施例3]
前記図1に示す装置を用いて、表3に示す中間窒化物層および本発明の硬質皮膜(酸化物皮膜)を基板上に形成し、密着性の評価を行った。
鏡面研磨した超硬合金(JIS−P種)基板および下記のターゲットを装置に導入し、1×10−3Pa以下に排気後、基材温度が550℃となるまで加熱した。その後、Arイオンを用いたスパッタクリーニングを実施した。それから、まず表3に示す中間窒化物層(厚さ:約1μm)を、該中間窒化物層の金属成分を含有するターゲットを使用し、AIP法により形成した。
上記中間窒化物層として、組成傾斜層を有さない層を形成する場合には、実施例1と同様にして形成した。また、上記中間窒化物層として、基材側から硬質皮膜側に向けて窒素が減少し、酸素が増大する組成傾斜層を有する層を形成する場合には、組成が一定である窒化物層を実施例1と同様に約1μm形成後、放電を持続させ、窒素圧:4Paで酸素圧:0Paの状態から、徐々に窒素圧:0Pa、酸素圧:1Paの状態にまでガス圧を傾斜させながら、150Aの電流値でアーク放電を実施して組成傾斜層を形成した。尚、上記組成傾斜層の形成時、バイアス電圧は一定とした。
次いで、上記中間窒化物層の表面に、表3に示す成分組成の酸化物皮膜(硬質皮膜,厚さ:約5μm)を、表3に示す成分組成のターゲットを用い、AIP法にて、酸素圧が1Paとなるよう酸素を導入し、150Aの電流値でアーク放電を実施して形成した。尚、上記酸化物皮膜の形成時には、基材に−100Vのバイアス電圧をパルス状(周波数:30kHz、デューティー比:75%)に印加した。
ターゲットとして、表3に示す通り、実施例1で用いたCr−10at.%Si合金ターゲットを用いて、Cr:Siが0.95:0.05の硬質皮膜を形成し、また、Cr−20at.%Si合金ターゲットを用いて、Cr:Siが0.85:0.15の硬質皮膜を形成した。
上記成膜されたサンプルを用いて、皮膜の密着性の評価を実施例2と同様に行った。この測定結果を表3に示す。
表3より次の様に考察できる。即ち、基材と硬質皮膜の間に中間窒化物層を設けた場合に、該中間窒化物層を、基材側から硬質皮膜側に向けて窒素が減少し、酸素が増大する組成傾斜層を有するものとすることによって、密着性がより高められることがわかる。
[実施例4]
前記図1に示す装置を用いて、表4に示す本発明の硬質皮膜(酸化物皮膜)を基板上に形成し、成膜レートの評価を行った。
鏡面研磨した超硬合金(JIS−P種)基板および下記のターゲットを装置に導入し、1×10−3Pa以下に排気後、基材温度が550℃となるまで加熱した。その後、Arイオンを用いたスパッタクリーニングを実施した。それから、表4に示す成分組成の酸化物皮膜(硬質皮膜,厚さ:約5μm)を、表4に示す成分組成のターゲットを用い、AIP法で形成する場合には、酸素圧が1Paとなるよう酸素を導入し、150Aの電流値でアーク放電を実施して形成した。また、スパッタリング法で形成する場合には、Arと酸素の混合ガスとし、全圧を0.6Pa、酸素分圧を0.1Paとして酸化物皮膜を形成した。尚、上記酸化物皮膜の形成時には、上記AIP法とスパッタリング法のどちらの場合も、基材に−100Vのバイアス電圧をパルス状(周波数:30kHz、デューティー比:75%)に印加した。
ターゲットとして、表4に示す通り、実施例1で用いたCr−10at.%Si合金ターゲットを用いて、AIP法ではCr:Siが0.95:0.05の酸化物皮膜を形成し、スパッタリング法ではCr:Siが0.92:0.08の酸化物皮膜を形成した。また、Cr−20at.%Si合金ターゲットを用いて、AIP法ではCr:Siが0.85:0.15の硬質皮膜を形成し、スパッタリング法ではCr:Siが0.79:0.21の酸化物皮膜を形成した。
上記成膜されたほぼ同一の成分組成のサンプル(酸化物皮膜の膜厚は約3μm)を用いて、酸化物皮膜(硬質皮膜)部分の成膜レートを算出した。この測定結果を表4に示す。
表4より、AIP法で形成すれば、スパッタリング法で形成する場合よりも成膜レートが格段に速いことがわかる。
[実施例5]
前記図1に示す装置を用いて、中間窒化物層としてCrSiN膜を形成し、次いで2y/(x+3)の値の異なる酸化物皮膜を形成し、この2y/(x+3)の値が、耐摩耗性や成膜レートに及ぼす影響を調べた。
基材として、鏡面研磨した超硬合金(JIS−P種)基板または超硬合金製の切削用チップ(SNGA120408)と、下記のターゲットを装置に導入し、1×10−3Pa以下に排気後、基材温度が550℃となるまで加熱した。その後、Arイオンを用いたスパッタクリーニングを実施した。それから、まず実施例1の場合と同様にして約1μmの(Cr0.85Si0.15)N膜を、基材上に形成した。
次いで、上記中間窒化物層の表面に酸化物皮膜として、表5に示す約3μmの硬質皮膜を、実施例1で用いたCr−20at.%Si合金ターゲットを用いて、AIP法で、基材温度:250℃〜750℃、酸素圧:0.4〜5Paの範囲で変化させ、150Aの電流値でアーク放電を実施して形成した。
尚、両皮膜ともに、形成時には、基材に−100Vのバイアス電圧をパルス状(周波数:30kHz、デューティー比:75%)に印加した。
上記超硬合金基板上に成膜したサンプルを用いて、酸化物皮膜の膜厚を計測し、酸化物皮膜(硬質皮膜)部分の成膜レートを算出した。また、上記超硬合金製の切削用チップ上に成膜したサンプルを用いて、実施例1と同様にして硬度(ビッカース硬度)を測定し、かつ耐摩耗性を評価した。そして、摩耗量が10μm以下の酸化物皮膜を合格とした。これらの測定結果を表5に示す。
表5より次の様に考察できる。即ち、規定の方法で酸化物皮膜(硬質皮膜)を形成して2y/(x+3)が本発明で規定する範囲内にあるものは、硬度が高く、耐摩耗性に優れている。これに対し、酸素圧が低く2y/(x+3)が本発明で規定する下限値に満たないもの、即ち、金属リッチとなっている酸化物皮膜は、耐摩耗性に劣っていることがわかる。また、酸素圧が高い場合には、酸化物皮膜の硬度が小さいか成膜レートが遅くなっている。基材温度が低い場合には硬度が小さく、基材温度が高い場合には、比較的摩耗量が大きくなっている。
本発明の硬質皮膜を製造するための成膜装置の構成例を示す概略説明図である。
符号の説明
1 真空チャンバー
2 回転盤
3 回転テーブル
5 被処理体(基材)
6a,6b アーク蒸発源
6c,6d スパッタ蒸発源
7a,7b,7c,7d ヒータ
8a,8b アーク電源
8c,8d スパッタ電源
9a,9b,9c,9d マスフローコントローラー
10 バイアス電源
11 フィラメント型イオン源
12 フィラメント加熱用交流電源
13 放電用直流電源

Claims (7)

  1. 基材の表面に形成される硬質皮膜であって、
    (Cr1−xSi)Oからなり、
    0.010≦x≦0.30、および
    0.8≦2y/(x+3)
    (xはSiの原子比を示し、yはOの原子比を示す。)
    を満たすことを特徴とする硬質皮膜。
  2. 基材と、当該基材を被覆する請求項1に記載の硬質皮膜とを備えていることを特徴とする硬質皮膜被覆部材。
  3. 前記基材と請求項1に記載の硬質皮膜との間に配された、Ti、Crの1種以上を含む窒化物からなる中間層を更に備えている請求項2に記載の硬質皮膜被覆部材。
  4. 請求項1に記載の硬質皮膜が、前記中間層の表面を、基材温度500℃以上700℃以下、酸素圧1.0Pa以上5.0Pa以下の条件で酸化処理してから形成されたものである請求項3に記載の硬質皮膜被覆部材。
  5. 前記中間層が、基材側から請求項1に記載の硬質皮膜側に向けて、窒素が減少し酸素が増大する組成傾斜層を有する請求項3に記載の硬質皮膜被覆部材。
  6. 連続切削工具である請求項2〜5のいずれかに記載の硬質皮膜被覆部材。
  7. 請求項1に記載の硬質皮膜の形成方法であって、基材温度が300℃以上700℃以下で、酸素圧が0.5Pa以上5Pa以下の条件でカソード放電型アークイオンプレーティング法により形成することを特徴とする硬質皮膜の形成方法。
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