JP5151681B2 - 親展用感熱記録体 - Google Patents
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Description
しかし、ドライシーラー等の専用機が特殊な機械であるため、親展用媒体の製造は、ある程度の規模を有する印刷会社等に依頼する必要がある。そのため、ある程度多量の親展用媒体の製造には適しているものの、枚数が少ない場合、たとえば一枚から数十枚といった量の製造には、その単価が高くなるため不向きであり、中小規模の事業者、まして一般の個人が利用することは難しい。
さらに、個人情報等の秘密情報を印刷会社に渡す必要があり、その情報をシートに印刷してから接着されるため、部外者にその情報が漏れるおそれがあるなど、情報の機密性、セキュリティ性の問題もある。
かかる親展ハガキにおいては、隠蔽シートの上から情報を打ち込む、書き込む等により自己発色性感圧層に情報が発色する。このように、感圧記録方式により情報をその内部に簡単に記録できるため、上述した印刷会社等に依頼する場合に比べて情報の機密性が高く、また個人でも利用しやすい。一方でこれらの記録媒体では感圧記録方式により行われるため、圧力の大きさによっては、印字した際にその上のシートの表面に跡が残ってしまい、その跡から情報が漏れる心配があり、情報の機密性が充分でないという問題がある。
電子受容性化合物の特定温度での溶融粘度を一定以上にすることにより高感度及び画像保存性に優れた感熱記録材料を提供する方法(特許文献6)、感熱発色層の熱溶融成分の熱溶融粘度を特定することにより、サーマルヘッドのかす付着などによる印字障害を改良させる方法(特許文献7)、一方、逆に、発色成分の特定温度での溶融粘度を下げることで、発色感度が高くヘッド汚れ現象が生じにくい感熱記録材料を提供する方法(特許文献8、9)が提案されているが、本発明の親展用感熱記録体に関する技術的情報は開示されていない。
すなわち、本発明の親展用感熱記録体は、第一の基材とその片面上に形成された第一の感熱記録層とを有する第一のシートと、擬似接着層と、第二の基材を有する第二のシートとを備え、前記第二のシートが、第一の感熱記録層に記録される情報を隠蔽する隠蔽領域を有し、当該第二のシートが、前記擬似接着層を介して、前記第一の感熱記録層上の一部または全部に貼付されていることを特徴とする親展用感熱記録体において、前記感熱記録層中の発色成分の130℃での溶融粘度が60mPa・s以下であることを特徴とするものである。
前記感熱記録層に含有される顔料として、吸油量が100ml/100g以下の(JIS−K5101−1991)の顔料が含有されることが好ましい。
前記顔料成分が、感熱記録層の全固形分量に対して10〜40質量%含有されることが好ましい。
前記親展用感熱記録体の第一のシートにおいて、基材と感熱記録層との間に顔料を主成分とする中間層を設けてなることが好ましい。
0.80mJ/dotの印加エネルギーでベタ印字した印字部における、JIS K−6854−2に規定される180度剥離強度(剥離速度300mm/min)が100〜2000mN/25mmであることが好ましい。
すなわち、本発明の親展用感熱記録体においては、感熱記録方式により、第一の感熱記録層に情報を記録でき、第一の感熱記録層に記録される情報は、第一の基材と、第二のシートの隠蔽領域とによって、外部から視認できないようになっている。また、第一のシートと第二のシートとが擬似接着層を介して擬似接着されているため、一旦剥離された第一のシートと第二のシートとを再接着することは困難であり、たとえば暗証番号やパスワード等の秘密情報を本人が確認する以前に他者が第二のシートの隠蔽領域を剥離して見たかどうかが判る。さらに、感熱記録方式による記録が可能なため、感圧記録のように第二シート上の表面に跡が残ることが無い。そのため、第一の感熱記録層に記録される情報の機密性に優れている。さらに情報量が増加、すなわち感熱記録層に記録される発色部分が多くなっても、第一シートが第二シートと融着し、重剥離となり、容易に二つのシートを分離し難くなったり、場合によってはシートが破損するといった現象を改良することが可能となった。
≪第一のシート≫
<第一の基材>
第一の基材の材質は、特に限定されず、紙、各種合成樹脂等が使用できる。
第一の基材としては、第一の感熱記録層に記録される情報の機密性に優れることから、光を透過しないものが好ましい。
光を透過しない基材としては、たとえば、パルプを主成分とする紙基材、合成樹脂を主成分とする基材(フィルム基材);これらの基材に白色無機顔料等の着色剤を含有させたもの等が挙げられる。
パルプを主成分とする紙基材としては、上質紙、再生紙、光遮蔽紙(例えば、中間層を高不透明性の未晒しパルプ層とした多層抄きシート)等が挙げられる。
フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリブチレンテレフタレートフィルム,ポリエチレンフィルム,ポリプロピレンフィルム,ポリカーボネートフィルム,ポリウレタンフィルム,ポリイミドフィルム,ポリ塩化ビニルフィルム,セロファン,三酢酸セルロースフィルム,二酢酸セルロースフィルム,テトラフルオロエチレンフィルム,ポリ弗化ビニリデンフィルム,ポリモノクロロトリフルオロエチレンフィルム等が挙げられる。
これらの基材は、適宜必要に応じて使用される。
また、第一の基材の片面または両面に遮蔽層を設ける場合は、第一の基材として、後述する第二の基材と同様、光透過性を有するものも用いることもできる。
第一の基材は、擬似接着層をウエットラミネート法により形成する場合は、透気性を有することが好ましく、特に紙であることが好ましい。
たとえば、接着加工適性の観点から、30〜400μmが好ましい。
第一の感熱記録層としては、反応性染料および顕色剤は、各種公知のものを使用できる。
具体的な反応性染料と顕色剤との組み合わせとしては、ロイコ化合物(ロイコ染料)と電子受容性物質との組み合わせ、イミノ化合物とイソシアナート化合物との組み合わせ、長鎖脂肪酸鉄塩と多価フェノールとの組み合わせ等が挙げられる。
これらの中で、ロイコ化合物と電子受容性物質との組み合わせは、熱応答性が良いこと、発色濃度が高いこと、比較的安定であることから好ましい。また、イミノ化合物とイソシアナート化合物との組み合わせは、その発色が界面活性剤の影響を受けにくく、保存安定性に優れるため好ましい。
以下に、これらの反応性染料および顕色剤の具体例を示す。
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオ
ラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(N−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン等が挙げられる。これらのロイコ化合物は、単独で配合しても良く、2種以上を併用しても良い。
ルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、およびビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、などのフェノール性化合物、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどのフェノール性化合物、または、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、
3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸などの芳香族カルボン酸、およびこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの多価金属との塩などの有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−ブトキシカルボイル)ウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア等のウレア化合物が挙げられる。
これらの電子受容性物質は、単独で配合しても良く、2種以上を併用しても良い。
反応性染料として用いられるイミノ化合物としては、たとえば下記一般式(I)で表わされる常温固形の無色または淡色の化合物が挙げられる。
シ−3−イミノ−イソインドリン、1,3−ジイミノイソインドリン、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、1,3−ジイミノ−6−メトキシイソインドリン、1,3−ジイミノ−6−シアノイソインドリン、1,3−ジイミノ−4,7−ジチア−5,5,6,6−テトラヒドロイソインドリン、7−アミノ−2,3−ジメチル−5−オキソピロロ〔3,4b〕ピラジン、7−アミノ−2,3−ジフェニル−5−オキソピロロ〔3,4b〕ピラジン、1−イミノナフタル酸イミド、1−イミノジフェン酸イミド、1−フェニルイミノ−3−イミノイソインドリン、1−(3′−クロロフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2′,5′−ジクロロフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2′,4′,5′−トリクロロフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2′−シアノ−4′−ニトロフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2′−クロロ−5′−シアノフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2′,6′−ジクロロ−4′−ニトロフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2′,5′−ジメトキシフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2′,5′−ジエトキシフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2′−メチル−4′−ニトロフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(5′−クロロ−2′−フエェノキシフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(4′−N,N−ジメチルアミノフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(3′−N,N−ジメチルアミノ−4′−メトキシフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2′−メトキシ−5′−N−フェニルカルバモイルフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2′−クロロ−5′−トリフルオロメチルフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(5′,6′−ジクロロベンゾチアゾリル−2′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(6′−メチルベンゾチアゾリル−2′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(4′−フェニルアミノフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(p−フェニルアゾフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(ナフチル−1′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(アンスラキノン−1′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(5′−クロロアンスラキノン−1′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(N−エチルカルバゾリル−3′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(ナフトキノン−1′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(ピリジル−4′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(ベンズイミダゾロン−6′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(1′−メチルベンズイミダゾロン−6′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(7′−クロロベンズイミダゾロン−5′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(ベンズイミダゾリル−2′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(ベンズイミダゾリル−2′−イミノ)−3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、1−(2′,4′−ジニトロフェニルヒドラゾン)−3−イミノイソインドリン、1−(インダゾリル−3′−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(インダゾリル−3′−イミノ)−3−イミノ−4,5,6,7−テトラブロモイソインドリン、1−(イン
ダゾリル−3′−イミノ)−3−イミノ−4,5,6,7−テトラフルオロイソインドリン、1−(ベンズイミダゾリル−2′−イミノ)−3−イミノ−4,7−ジチアテトラヒドロイソインドリン、1−(4′,5′−ジシアノイミダゾリル−2′−イミノ)−3−イミノ−5,6−ジメチル−4,7−ピラジイソインドリン、1−(シアノベンゾイルメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノカルボンアミドメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノカルボメトキシメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノカルボエトキシメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノ−N−フェニルカルバモイルメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノ−N−(3′−メチルフェニル)−カルバモイルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノ−N−(4′−クロロフェニル)−カルバモイルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノ−N−(4′−メトキシフェニル)−カルバモイルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノ−N−(3′−クロロ−4′−メチルフェニル)−カルバモイルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−(シアノ−p−ニトロフェニルメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(ジシアノメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノ−1′,2′,4′−トリアゾリル−(3′)−カルバモイルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノチアゾイル−(2′)−カルバモイルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノベンズイミダゾリル−(2′)−カルバモイルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノベンゾチアゾリル−(2′)−カルバモイルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノベンズイミダゾリル−(2′)−メチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−〔シアノベンズイミダゾリル−(2′)−メチレン〕−3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、1−〔(シアノベンズイミダゾリル−2′)−メチレン〕−3−イミノ−5−メトキシイソインドリン、1−〔(シアノベンズイミダゾリル−2′)−メチレン〕−3−イミノ−6−クロロイソインドリン、1−〔(1′−フェニル−3′−メチル−5−オキソ)−ピラゾリデン−4′〕−3−イミノイソインドリン、1−〔(シアノベンズイミダゾリル−2′)−メチレン〕−3−イミノ−4,7−ジチアテトラヒドロイソインドリン、1−〔(シアノベンズイミダゾリル−2′)−メチレン〕−3−イミノ−5,6−ジメチル−4,7−ピラジイソインドリン、1−〔(1′−メチル−3′−n−ブチル)−バルビツル酸−5′〕−3−イミノイソインドリン、3−イミノ−1−スルホ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−6−クロロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−5,6−ジクロロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−4,5,6,7−テトラクロロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−4,5,6,7−テトラブロモ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−4,5,6,7−テトラフルオロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−6−ニトロ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−6−メトキシ安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−4,5,7−トリクロロ−6−メチルメルカプト安息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホナフトエ酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−5−ブロモナフトエ酸イミド、3−イミノ−2−メチル−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン−1−オン等が挙げられる。
イソシアナート化合物として、具体的には、2,6−ジクロロフェニルイソシアナート、p−クロロフェニルイソシアナート、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシアナート、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジイソシアナート、1,4−ジメチルベンゼン−2,5−ジイソシアナート、1−メトキシベンゼン−2,4−ジイソシアナート、1−メトキシベンゼン−2,5−ジイソシアナート、1−エトキシベンゼン−2,4−ジイソシアナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,5−ジエトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,5−ジブトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、アゾベンゼン−4,4′−ジイソシアナート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアナート、ナフタリン−1,4−ジイソシアナ
ート、ナフタリン−1,5−ジイソシアナート、ナフタリン−2,6−ジイソシアナート、ナフタリン−2,7−ジイソシアナート、3,3′−ジメチル−ビフェニル−4,4′−ジイソシアナート、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアナート、ジフェニルジメチルメタン−4,4′−ジイソシアナート、ベンゾフェノン−3,3′−ジイソシアナート、フルオレン−2,7−ジイソシアナート、アンスラキノン−2,6−ジイソシアナート、9−エチルカルバゾール−3,6−ジイソシアナート、ビレン−3,8−ジイソシアナート、ナフタレン−1,3,7−トリイソシアナート、ビフェニル−2,4,4′−トリイソシアナート、4,4′,4″−トリイソシアナト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン、4,4′,
4″−トリイソシアナトトリフェニルアミン、p−ジメチルアミノフェニルイソシアナート、トリス(4−フェニルイソシアナート)チオフォスフェート等が挙げられる。
これらのイソシアナート化合物は、必要に応じて、フェノール類、ランタム類、オキシム類等との付加化合物である、いわゆるブロックイソシアナートの形で用いてもよく、ジイソシアナートの2量体、例えば1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアナートの2量体、および3量体であるイソシアヌレートの形で用いてもよく、また、各種のポリオール等でアダクト化したポリイソシアナートとして用いることも可能である。
バインダーとしては、例えばポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体などの水不溶性重合体のラテックスなどが挙げられる。
ン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示され、支障のない範囲で併用することもできる。
なかでも、芳香族系増感剤は脂肪族系増感剤と比較して、溶融粘度低下に効果が大きいので好ましく用いられる。
画像安定化剤としては、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、および4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノールなどのフェノール系の化合物、4−ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、および4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物、並びに1,
3,5−トリス(2,6−ジメチルベンジル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチル)イソシアヌル酸などのイソシアヌル酸化合物から選ばれた1種以上を含むものを用いることができる。もちろん、画像安定化剤はこれらに限定されるものではなく、又必要に応じて2種類以上の化合物を併用することもできる。
第一の感熱記録層中、画像安定化剤の配合量は、反応性染料の合計100質量部に対し、5〜60質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。
架橋剤としては、例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、および塩化マグネシウム、四ホウ酸ソーダ、四ホウ酸カリウム等の無機化合物又はホウ酸、ホウ酸トリエステル、ホウ素系ポリマー等が挙げられる。
第一の感熱記録層中、架橋剤の配合量は、第一の感熱記録層の全固形分に対し、1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
顔料としては、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカなどの無機顔料、並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が挙げられる。
かかる添加剤としては、たとえば、ワックス類、金属石鹸、有色染料、蛍光染料、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等が挙げられる。
ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、およびポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス等が挙げられる。
金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、およびオレイン酸亜鉛等が挙げられる。
このとき、反応性染料と電子受容性物質とを別々に分散媒体に分散し、感熱記録層を形成する際にそれらの分散液を混合することが好ましい。増感剤は反応性染料と同時に分散されてもよい。
分散液の調製は、たとえばボールミル、アトライター、サンドミルなどの撹拌・粉砕機を用いて行うことができる。
平滑化処理においては、第一の感熱記録層表面を、カレンダーの金属ロールおよび弾性ロールのいずれに当てて処理してもよい。
ここで、上記吸油量はJIS K5101−1991の方法に従い求められる値である。
吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、シリカ、タルク等の無機顔料が挙げられる。
吸油性顔料の平均粒子径は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であることが好ましい。ここで平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD2000、島津製作所製)による50%値である。
吸油性顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に中間層中の顔料成分中、50〜95質量%程度、特に60〜90質量%程度であることが好ましい。
有機中空粒子の平均粒子径は0.5〜10μm程度、特に0.7〜2μm程度であるのが好ましい。なお、この平均粒子径は上記吸油性顔料の平均粒子径と同様の測定方法で測られるものである。
有機中空粒子の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に中間層中の顔料成分中、20〜90質量%、特に25〜70質量%程度であるのが好ましい。
熱膨張性粒子の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に中間層の顔料成分中、1〜80質量%程度、特に10〜70質量%程度であることが好ましい。
中間層中に使用される顔料としては、上記の吸油性無機顔料、有機中空粒子及び熱膨張性粒子の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で各種公知の塗工用顔料を使用することができ、例えば、カオリン、重質炭酸カルシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、合成マイカ等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上の顔料を併用することもできる。
第一のシートは、当該第一のシートを2以上に分割する切断部を有していてもよい。これにより、第一のシートの一部のみを剥離し、切り取ることができる。また、第一のシートを剥離する際に当該切断部を始点として用いることができ、より容易に第一のシートを剥離できる。
切断部としては、当該切断部によって分割された部分同士を切り離すことができるようになっていればよく、ハーフカット加工のような、当該第一のシートを完全に切断するものであってもよく、ミシン目のような、当該第一のシートを部分的に切断するものであってもよい。
切断部の位置は、第一の感熱記録層に記録された情報を損なわない位置であれば特に制限はない。
特に、第一のシート上に貼付される第二のシートが、後述するように、隠蔽領域と非隠蔽領域とから構成されている場合は、切断部は、第二のシートの隠蔽領域と非隠蔽領域とを分割する位置に対応する位置に設けられていることが好ましい。この場合、たとえば第二のシートの隠蔽領域に対応する位置の第一のシートを剥離することによって、第一の感熱記録層の、隠蔽領域により外部から視認できないようにされていた情報を確認できるようになる。
第一のシートは、さらに、第一の基材の片面または両面に、遮蔽層が形成されていてもよい。第一のシートにおける遮蔽層は、本発明においては必須ではないが、遮蔽層を設けることにより、第一の感熱記録層に記録される情報のセキュリティ性がさらに向上する。すなわち、遮蔽層が設けられていることにより、当該親展用感熱記録体を第一の基材側から見た場合に、第一の感熱記録層に記録された情報が透けて見える可能性を低減できる。
遮蔽層としては、後述する第二のシートにおいて挙げる遮蔽層と同様のものが挙げられる。
遮蔽層は、少なくとも、第一の感熱記録層に記録される情報のうち、他者に知られたくない情報(非開示情報)が記録される位置に対応する部分全体を覆うように設けられることが好ましい。たとえば遮蔽層の範囲と情報が記録された範囲とが完全に一致していてもよく、また、遮蔽層の範囲が、情報が記録された範囲よりも大きくても良い。
また、第一のシートは、第一の基材の、擬似接着層側とは反対側の表面上、すなわち親展用感熱記録体の外表面側に、遮蔽以外の目的の画像や文字が記録された情報記録層が形成されていてもよい。
当該情報記録層(以下、外側情報記録層という)に記録される情報としては、たとえばイラスト、パターン等の画像情報や、ハガキにおいて必ず記載されている固定情報(郵便番号記載欄等)や、ハガキとして用いる場合に必要とされる情報(宛先、発信人等)、種々のダイレクトメールに記載されているようなある程度の人数に対する共通した情報(たとえば店舗から顧客に対して提供される各種案内、カタログ等)等が挙げられる。
当該情報記録層(以下、内側情報記録層という)に記録される情報としては、たとえばイラスト、パターン等の画像情報や、第一の感熱記録層に記録される情報を記録するための情報(文字、空欄等)、種々のダイレクトメールに記載されているようなある程度の人数に対する共通した情報(たとえば店舗から顧客に対して提供される各種案内、カタログ等)等が挙げられる。
これらの記録方式は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
(1)の印刷方式としては、たとえばオフセット印刷方式、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、樹脂凸版印刷等の通常の方法を適用することができる。
(2)の方式において、「記録適性を備えたシート」としては、用いる記録方式によって異なるものが用いられる。
たとえばインクジェット記録方式においては、一般に、インク吸収性を具備するように、シリカなどの多孔性顔料およびバインダーが内添されたシートや、それらの成分を含有する記録層が基材上に設けられたシートなどが用いられている。これらのシートには、さらに、印字の耐水性を高めるために染料固着剤なども適宜添加されている。ここで使用されるシリカなどの多孔性顔料としては、100ml/100g以上の吸油量を有するものが好ましく、かかる多孔性顔料としては無定形シリカなどが挙げられる。バインダーとしては、たとえばポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。染料固着剤としては、たとえばポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレートなどのカチオン性吸着剤が挙げられる。
また、熱転写記録方式においては、インクの受理性を向上させるため、シリカ、合成ケイ酸アルミニウム等の多孔性顔料と上記と同様のバインダーとが内添されたシートや、それらの成分を含有する記録層が基材上に設けられたシートなどが用いられている。
擬似接着層は、再剥離性を有すると同時に、再貼付ができない性質を有するものであれば特に限定されず、たとえば一般的に擬似接着に用いられている擬似接着剤、および任意に含有される接着力調節剤から構成される層であってよい。
接着力調節剤としては、上述したポリエチレンワックス等のワックス類、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、無機顔料および有機顔料等が挙げられる。これらの接着力調節剤は、擬似接着層中に分散し、擬似接着層の凝集力を低減する効果を有している。擬似接着層の凝集力を低減することにより、第二のシートを剥離しやすくなる。
親展用感熱記録体において、ベタ印字する前の親展用感熱記録体では、擬似接着層における第一のシートと第二のシートとの間の接着強さは、JIS K 6854−3に規定されるT形剥離試験法に準拠して、50〜1000mN/25mm(剥離速度300mm/min.)であることが好ましく、更に、80〜600mN/25mm(剥離離速度300mm/min.)であることがより好ましい。
擬似接着層は、擬似接着剤を含有する塗工液、溶媒を用いないもの、エネルギー線硬化型にしたもの等を用いて形成できる。本発明においては、これらの中でも、擬似接着剤を含有する塗工液(以下、擬似接着層形成用塗工液ということがある。)を用いる方法が好ましい。
擬似接着層形成用塗工液としては、酢酸ビニル系粘着剤等の擬似接着剤を水系エマルジョンとしたもの、水溶性の擬似接着剤(たとえばデキストリン系粘着剤)を水に溶解して水溶液としたもの、水の代わりに有機溶剤を分散媒または溶媒として用いたもの等が挙げられる。
擬似接着層形成用塗工液を用いる場合、擬似接着層の形成は、具体的には、たとえば擬似接着層形成用塗工液を、第一の感熱記録層上または第二のシート上に塗工し、乾燥することにより形成できる。
擬似接着層形成用塗工液の塗工は、上記第一の感熱記録層において挙げた塗工方法と同様の方法により行うことができる。
かかるウェットラミネート法は、ドライラミネート法の場合に比べて、様々な利点を有する。
まず第一に、ウェットラミネート法は生産性が良好である。
また、ドライラミネート法では、圧力が高いため、加圧運転条件が所定の速度になるまでの時間のロスがあり、それに伴ってシートにシワが生じるシワロス等の問題も生じて歩留りが低下する。
これに対し、ウェットラミネート法は、ドライラミネート法のように高い圧力を必要とはしないため、上記問題が生じにくく、生産性が良好である。
また、ウェットラミネート法においては、ドライラミネート法の場合に比べて、擬似接着層の塗工量が少なくてよい。
すなわち、ドライラミネート法においては、(1)擬似接着層の組成(擬似接着剤の種類や配合量、任意成分等)、(2)擬似接着剤の塗布量、(3)加圧条件(圧力、処理速度等)の3つが擬似接着の強度を支配する主な因子である。これに対し、ウェットラミネート法においては、(3)の因子を考慮しなくてもよく、そのため、接着強さが、ばらつきが少なく、より安定的なものとなる。
また、ドライラミネート法においては、擬似粘着層を形成した後、2つの擬似粘着層を圧着するため、擬似粘着層自体に粘着性を持たせ、その親和性により2つの擬似粘着層を擬似接着させている。粘着性を持たせるため、ドライラミネート法において用いられる擬似粘着層には、通常、低Tg(ガラス転移温度)成分(天然ゴム、SBR(スチレンブタジエンゴム)等)を配合する必要がある。そのため、かかる擬似粘着層を有する親展用感熱記録体に感熱記録方式で記録しようとした場合、感熱ヘッドからの熱により、2つの擬似接着層同士が溶融して1つの層となって完全に接着してしまう。そのため、接着強度が高くなりすぎ、この部分で剥離することが困難となり、無理に剥離するとシートの損傷(破け)を引き起こしてしまう。
これに対し、ウェットラミネート法においては、擬似接着層自身の凝集破壊によって2枚のシートは剥離されるため、擬似接着層中に、粘着性を付与するための低Tg成分を配合する必要がなく、そのため、擬似接着層の耐熱性が高く、上記のような問題が生じにくい。そのため、感熱記録に適している。
この装置20においては、たとえば、繰出部21から第一のシート13を供給し、塗工部23で、第一のシート13の第一の感熱記録層側の表面上に、擬似接着層形成用塗工液を塗工して塗工層を形成した後、該塗工層が湿潤状態にあるうちに、貼合部24で、塗工層上に第二のシート15を貼付する。次いで、得られた積層体を乾燥部25で熱風等により加熱し、塗工層を乾燥することにより擬似接着層を形成し、親展用感熱記録体10を得る。
ここで、第一のシート13と第二のシート15とは逆でも良い。すなわち、繰出部22から第一のシート13を供給し、繰出部21から第二のシート15を供給することにより多層シート10を製造しても良い。
第二のシートとしては、第二の基材を備え、かつ第一の感熱記録層に記録される情報を隠蔽する隠蔽領域を有するものが用いられる。
第二のシートが隠蔽領域を有することにより、親展用感熱記録体の第二のシート側の外側から感熱記録方式により第一の感熱記録層に情報を記録した際に、当該第一の感熱記録層の、当該隠蔽領域の下に記録される情報が、外部から視認できないようにすることができる。そのため、記録を行った後、他者に当該隠蔽領域の下に記録された情報が漏れず、情報の機密性に優れる。
また、第二の基材は、第一の感熱記録層の保護層としても機能する。そのため、たとえば感熱記録層が親展用感熱記録体の外表面に設けられている場合に比べて、スクラッチが生じにくく、記録された情報の保存性が高い。
本発明においては、第二のシートの全体を隠蔽領域としてもよく、一部を隠蔽領域としてもよい。全体を隠蔽領域とした場合は、第一の感熱記録層に記録された情報が全て外部から視認できないようになる。一方、第二のシートの一部を隠蔽領域とし、残りの部分を、後述するように非隠蔽領域とした場合は、隠蔽領域の下の部分の情報は外部から確認できず、一方、非隠蔽領域の下の部分の情報は外部から確認可能となる。
隠蔽領域は、第二の基材として光を透過しないものを用いる方法、第二の基材の片面または両面上に、別途、下記のような遮蔽層を形成する方法等により設けることができる。
隠蔽領域は、少なくとも、第一の感熱記録層に記録される情報のうち、他者に知られたくない情報(非開示情報)が記録される位置に対応する部分全体を覆うように設けられることが好ましい。たとえば隠蔽領域の範囲と情報が記録された範囲とが、完全に一致していてもよく、また、隠蔽領域の範囲が、情報が記録された範囲よりも大きくても良い。
遮蔽層は、第二の基材の片面に設けられてもよく、両面に設けられてもよい、
遮蔽層は、全面が光を透過しない層であってもよく、また、複数の所定の形状のパターンから構成される層のように、部分的に光を透過しない層であってもよい。
所定の形状のパターンとしては、たとえば帯状、網目状、千鳥状、スポット状、文字、地紋等が挙げられる。
印刷方法は、特に限定はなく、たとえばオフセット印刷方式、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、樹脂凸版印刷方式等の通常の方法を適用することができる。
UV硬化型インクとしては、たとえば、高分子学会刊行会発行「UV硬化技術入門」第1版(1984年)第129−145頁等に記載されるような、公知のUV硬化型インクが利用できる。
なお、第一のシートに貼付した後に熱転写記録装置を用いて遮蔽層を形成する場合には、熱転写記録装置のヘッドの温度を、第一の感熱記録層が発色しない温度とすることが好ましい。
光を透過しない基材としては、たとえば第一の基材の光を透過しない基材としてあげたものと同様のもの、金属箔、金属蒸着フィルム等が例示できる。
本発明において、第二のシートは、隠蔽領域以外に、非隠蔽領域を有することが好ましい。これにより、他者に知られたくない情報(非開示情報)と、他者に知られてもよいか又は他者に知らせるべき情報(宛先、共通の情報等の開示情報)とを同時に記録することができる。すなわち、第一の感熱記録層に情報を記録すると、隠蔽領域の下に記録された非開示情報は隠蔽領域により隠蔽されるが、非隠蔽領域の下に記録された開示情報は、隠蔽されずにそのまま表示される。
光透過性を有する非隠蔽領域は、第二の基材として光透過性を有するものを用い、非隠蔽領域に相当する部分に、その光透過性を阻害する層(たとえば上述した遮蔽層)を設けないことにより形成できる。
そのため、第二の感熱記録層を設けた場合は、第二の基材として、光透過性を有するものだけでなく、光を透過しないものも用いることができる。
また、かかる構成においては、第二の感熱記録層に、よりコントラストの高い明瞭な印字を行うことができるため、開示情報がより視認し易くなるという利点も有する。
第二の感熱記録層は、第二の基材の、擬似接着層側とは反対側の表面(外側表面)上に設けられることが好ましい。このとき、第二の基材の表面全体に第二の感熱記録層が形成されている場合は、第二のシートは、隠蔽領域を形成するために、第二の感熱記録層の外側に、少なくとも一層の隠蔽層を有する必要がある。
第二の感熱記録層は、第一の感熱記録層と同様、第二の感熱記録層を構成する各種成分を含有する塗工液を第二の基材上に塗工することにより形成できる。
第二の感熱記録層の形成は、第二の基材を、第一の感熱記録層上に、擬似接着層を介して貼付した後に行われることが好ましい。これにより、第二の基材に皺などが生じにくく、外観に優れた親展用感熱記録体が得られる。すなわち、第二の基材の厚さが薄くなるほど、第一の感熱記録層の記録濃度が向上するが、加工性が低下する。たとえば紙基材を用いる場合、擬似接着層を形成する際に水を吸収して、伸び、皺、断紙等が生じる問題があり、フィルム基材を用いる場合にも、フイルムの腰が弱く、皺等の変形が生じたり、扱いにくくなる。これに対し、擬似接着層を介して貼付した後に第二の基材上に第二の感熱記録層を形成することにより、これらの問題を改善できる。
第二の基材の材質は、特に限定されず、紙、各種合成樹脂等が使用できる。
第二の基材としては、上述したように、光を透過しないものであってもよく、光透過性を有するものであってもよい。
第二の基材が光を透過しないものである場合、その材料としては、前記第一の基材において挙げたものと同様のものが挙げられる。
ここで、「光透過性を有する」とは、当該第二の基材が擬似接着層を介して貼付された第一の感熱記録層に記録された情報を外部から視認できることを意味し、完全に透明であってもよく、また、半透明であってもよい。
第二の基材の光透過性としては、JIS P−8138に準拠して測定される不透明度が80%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。上限値以下であると、第一の感熱記録層に記録される情報を外部から充分に視認できる。
透明材料からなる基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリブチレンテレフタレートフィルム,ポリエチレンフィルム,ポリプロピレンフィルム,ポリカーボネートフィルム,ポリウレタンフィルム,ポリイミドフィルム,ポリ塩化ビニルフィルム,セロファン,三酢酸セルロースフィルム,二酢酸セルロースフィルム,テトラフルオロエチレンフィルム,ポリ弗化ビニリデンフィルム,ポリモノクロロトリフルオロエチレンフィルム等の合成樹脂を主成分とする基材(フィルム基材)が挙げられる。
半透明材料からなる基材としては、パルプを主成分とする紙基材、上述したようなフィルム基材に白色無機顔料等の着色剤を含有させたもの等が挙げられる。
パルプを主成分とする紙基材としては、上質紙、再生紙、グラシン紙等の紙が一般的である。
そのため、第二の基材は、坪量が3〜60g/m2であることが好ましく、5〜50g/m2であることがより好ましく、特に、20〜50g/m2であることが好ましい。
そのため、第二の基材は、密度が0.80g/cm3以上であることが好ましく、0.85〜1.6g/cm3の範囲内であることがより好ましい。特に、第二の基材が紙基材である場合は、密度が0.85〜1.3g/cm3のものが好ましく、フイルム基材の場合は密度0.9〜1.6g/cm3のものが好ましい。
第二のシートは、当該第二のシートを2以上に分割する切断部を有することが好ましい。これにより、第二のシートの一部のみを剥離し、切り取ることができる。また、第二のシートを剥離する際に当該切断部を始点として用いることができ、より容易に第二のシートを剥離できる。
切断部としては、ハーフカット加工のような、当該第二のシートを完全に分割するものであってもよく、ミシン目のような、当該第二のシートを部分的に分割するものであってもよい。
特に、第二のシートが、上述のように、隠蔽領域と非隠蔽領域とから構成されている場合は、切断部を有することが好ましい。この場合、切断部は、隠蔽領域と非隠蔽領域との間に設けられていることが好ましい。これによって、第一のシート上に非隠蔽領域を残したまま、隠蔽領域を剥離でき、第一の感熱記録層に記録された情報を確認できるようになる。
また、第二の基材の片面上、または両面上には、上記第一のシートの場合と同様に、遮蔽以外の目的の任意の文字や画像が記録された情報記録層が形成されていてもよい。
本発明の親展用感熱記録体において、第二のシートは、前記擬似接着層を介して、前記第一のシートの第一の感熱記録層上の一部または全部に貼付されている。
第一のシートと第二のシートとは、その大きさや形状が完全に一致していてもよく、一致していなくてもよい。
第一のシートおよび第二のシートの大きさや形状が一致していない例としては、たとえば、第一のシートおよび第二のシートのいずれか一方の外縁の一部または全部が、当該親展用感熱記録体の外縁よりも内側にある場合が挙げられる。かかる構成においては、当該内側にある外縁(以下、切り欠き部という。)を有するシートの外縁と、他方のシートとの外縁がずれているため、当該切り欠き部を始点として、当該シートを他方のシートから容易に剥離することができる。
より具体的には、どちらか一方のシートの大きさが他方のシートよりも小さい場合、形状が異なる場合、外縁がほぼ一致しているものの、その一部(たとえば4角のいずれかの角、4辺のいずれかの辺等)が欠けた形状である等が挙げられる。
かかる切り欠き部は、特に、剥離しやすさ、製造しやすさ等を考慮すると、第二のシートに設けられていることが好ましい。
本発明の親展用感熱記録体は、さらに加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録体とすることができる。例えば、第一の基材の裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤などによる塗布加工を施すことにより、粘着ハガキ、再湿接着ハガキ、ディレードタックハガキとして使用することができる。また、裏面に磁気加工を施すことにより、裏面に磁気記録可能な層(磁気記録層)を有する親展用感熱記録体とすることができる。また、表面の一部に、たとえばストライプ状に磁気記録層を設けてもよい。
また、本発明の親展用感熱記録体は、多様な情報を簡単に記録でき、少量での利用や個人での利用も可能であるという利点も有する。
すなわち、特許文献1〜3に記載されるような親展ハガキは、記録が感圧記録方式により行われるため、情報の機密性以外にも、印字する際に印字音がする、微細な印字が難しく、記録できる情報量が少ない、ものがぶつかったりひっかいたりした際に自己発色性感圧層が汚れる、記録装置の小型化が難しい等の問題もある。
これに対し、感熱記録方式は、インクジェット、電子写真などの他の記録方式に比べて優れた特徴、たとえば現像が不要である、支持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、取り扱いが容易である、発色濃度が高い、記録装置が簡単であり、小型化可能で安価である、記録時の騒音がない、複数枚同時に同じ記録ができる等の特徴を有しており、簡単に、多様な記録を行うことができる。また、感熱記録方式で記録ができる感熱プリンターが多数市販されており、これら市販の感熱プリンターを利用して、たとえば個人であっても、1枚からであっても、容易に親展ハガキを作成することができる。
そのため、印刷会社等の他者に印刷を依頼する必要がなく、この点からも、本発明の親展用感熱記録体は情報の機密性に優れたものである。
・中間層用塗液の調製
焼成クレー(商品名:アンシレックス、吸油量110ml/100g、EC社製)40部、平均粒子径が1.0μmの有機中空粒子(内径/外径:0.7、膜材:ポリスチレン)の40%分散液100部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液1部、固形濃度48%のスチレン・ブタジエン系ラテックス14部、ポリビニルアルコール(ケン化度88%、重合度1000)の10%水溶液50部および水40部からなる組成物を混合攪拌し中間層用塗液を得た。
(1)A液調製(ロイコ染料の分散)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、メチルセルロースの5%水溶液5部及び水20部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕した。
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン20部、メチルセルロースの5%水溶液5部及び水20部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕した。
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、メチルセルロースの5%水溶液5部及び水120部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕した。
軽質炭酸カルシウム(商品名:カルライトKT、白石工業製:吸油量65ml/100g)30部、A液33.75部、B液67.5部、C液45部、ステアリン酸亜鉛の水分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分36質量%、中京油脂社製)13.9部、ポリビニルアルコール/アクリルアミド・アクリル系モノマー共重合物(商品名:ポリマロン2000、固形分20%、荒川化学製)100部、水100部を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
坪量45g/m2の上質紙(中性紙)の一方の面に、上記の中層層用塗液、感熱記録層用塗液を、乾燥後の塗布量が、それぞれ6g/m2、5g/m2となるように塗布乾燥して第一の感熱記録層を形成した後、スーパーキャレンダーを施して第一のシートを得た。
擬似接着糊(商品名:MI−05、成分:酢酸ビニル系、有効成分40%、クォー・ユー化成有限会社製)にステアリン酸亜鉛を、擬似接着糊の固形分中に21.6質量%配合して、本発明に使用する擬似接着糊を得た。
第二の基材であるグラシン紙(坪量25g/m2、密度0.92g/m3、JIS P−8138に準拠して測定される不透明度24%)上に、ロールコーターで、前記擬似接着糊(商品名:MI−05、成分:酢酸ビニル系、有効成分40%、クォー・ユー化成有限会社製)を、乾燥後の塗工量が1.5g/m2となるように塗工した後、該塗工層と第一のシートの感熱記録層面とを圧着貼付し、乾燥することにより、第一のシート/擬似接着層/第二のシート(1)の親展用感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:カルライトKT、前出)を軽質炭酸カルシウム(商品名:カルライトSA、白石工業製:吸油量90ml/100g)に変更した以外は、実施例1と同様にして親展用感熱記録体を作製した。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:カルライトKT、前出)を軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパール123CS、 社製:吸油量44ml/100g)に変更した以外は、実施例1と同様にして親展用感熱記録体を作製した。
実施例1のC液調製(増感剤の分散)において、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部を30部に変更した以外は、実施例1と同様にして親展用感熱記録体を作製した。
擬似接着糊(商品名:MI−05、成分:酢酸ビニル系、有効成分40%、クォー・ユー化成有限会社製)にステアリン酸亜鉛を、擬似接着糊の固形分中に10.8質量%配合して、本発明に使用する擬似接着糊を得た。
実施例1の親展用感熱記録体において、上記の擬似接着糊に変更した以外は、実施例1と同様にして親展用感熱記録体を作製した。
実施例1の親展用感熱記録体において、擬似接着糊(商品名:MI−05、前出)にステアリン酸亜鉛を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして親展用感熱記録体を作製した。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:カルライトKT、前出)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして親展用感熱記録体を作製した。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:カルライトKT、前出)をシリカ(商品名:ミズカシルP−527、水沢化学社製、吸油量150ml/100g)に変更した以外は、実施例1と同様にして親展用感熱記録体を作製した。
実施例1のC液調製(増感剤の分散)において、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部を5部に変更した以外は、実施例1と同様にして親展用感熱記録体を作製した。
実施例1のC液調製(増感剤の分散)において、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部をステアリン酸アミド20部に変更した以外は、実施例1と同様にして親展用感熱記録体を作製した。
・感熱記録層中の発色成分の調製
(4)D液調製(ロイコ染料の分散)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、メチルセルロースの5%水溶液5部及び水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕した。
ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン20部、メチルセルロースの5%水溶液5部及び水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕した。
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、メチルセルロースの5%水溶液5部及び水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕した。
シリカ(商品名:ミズカシルP−527、水沢化学製)の30質量%分散液60部、D液20部、E液50部、F液10部、ステアリン酸亜鉛の水分散液(商品名:ハイドリンZ−7−30、固形分31.5質量%、中京油脂社製)13部、SBRラテックス(商品名:L−1571、濃度48%、旭化成社製)40部 、およびケイ素変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、分子量1700、クラレ社製))の10質量%水溶液40部を混合攪拌して感熱記録層用塗工液を得た。
JIS K 6854−3に規定されるT形剥離試験法に準拠して、剥離速度300mm/min.で測定をおこなった。
11種類の親展用感熱記録体を0.80mJ/dotの印加エネルギーでベタ印字して印字部を作成し、30分以内に印字部における剥離強度をJIS K−6854−2に規定される180度剥離試験法に準拠して、剥離速度300mm/min.で測定をおこなった。
◎:特に変化がない。
○:わずかに第二シートの繊維が付着しているが、実用上問題はない。
×:途中から第二シートが第一シートから剥離せず、第一シートの表面が完全に露出されなかった。
Claims (5)
- 第一の基材とその片面上に形成された第一の感熱記録層とを有する第一のシートと、擬似接着層と、第二の基材を有する第二のシートとを備え、前記第二のシートが、第一の感熱記録層に記録される情報を隠蔽する隠蔽領域を有し、当該第二のシートが、前記擬似接着層を介して、前記第一の感熱記録層上の一部または全部に貼付されていることを特徴とする親展用感熱記録体において、前記感熱記録層中の発色成分の130℃での溶融粘度が60mPa・s以下であることを特徴とする親展用感熱記録体。
- 前記感熱記録層に含有される顔料として、吸油量が100ml/100g以下の(JIS−K5101−1991)の顔料が含有される、請求項1に記載の親展用感熱記録体。
- 前記擬似接着層にステアリン酸亜鉛が前記擬似接着層の全固形分量に対して10〜40質量%含有される、請求項1または2に記載の親展用感熱記録体。
- 前記顔料成分が、感熱記録層の全固形分量に対して10〜40質量%含有される、請求項1から3のいずれか一項に記載の親展用感熱記録体。
- 0.80mJ/dotの印加エネルギーでベタ印字した印字部における、JIS K−6854−2に規定される180度剥離強度(剥離速度300mm/min.)が100〜2000mN/25mmである、請求項1から4のいずれか一項に記載の親展用感熱記録体。
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