JP5151562B2 - 湿式画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電子写真方式の画像形成装置に関し、特にキャリア液にトナーを分散した液体現像剤を用いて画像形成を行なう湿式の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体上に形成された静電潜像がトナーにより現像され、さらにそのトナー像が記録用紙に転写されることで、画像が形成される。また、中間転写体を有している画像形成装置では、トナー像が感光体から中間転写体へ一次転写され、さらに中間転写体から記録用紙へ二次転写されることで、画像が形成される。このような画像形成装置の転写プロセスでは、一般に静電転写方式が採用されている。
特に、キャリア液にトナーを分散した液体現像剤を用いる湿式画像形成装置では、感光体から中間転写体への一次転写後、あるいは中間転写体から記録用紙への二次転写後、に残留するトナーの除去(クリーニング)が課題となっている。これは、液体現像液では、一般にトナーの粒径が小さいため、乾式画像形成装置と比較して、クリーニングがより難しいためである。クリーニングによっても十分に除去されずに残留したトナーは、感光体や中間転写体への次の画像形成に影響を与えるという問題を生じる。
このような課題に対する一つのアプローチとして、感光体や転写体(以下「像担持回転体」とも総称する。)の周面に対して撹拌回転体を当接配置し、この撹拌回転体を像担持回転体に対して所定の周速度差が生じるように駆動することで、像担持回転体上に残留したトナーを撹拌する構成が提案されている。このような構成により、像担持回転体に残留するトナーをより効率的にクリーニングすることができる。
たとえば、特開平05−066701号公報(特許文献1)や特開平05−002357号公報(特許文献2)には、感光体上に付着している未転写トナーの軟化・希釈を起こさせてクリーニングブレードによる除去を行ないやすい状況を設定するためのクリーニングローラを具備する複写機のクリーニング装置が開示されている。
また、上述のような像担持回転体に残留するトナーのクリーニングを行なう際には、より残留トナーを回収しやすくするために、像担持回転体の周面にクリーニング液(キャリア液と同じ成分であることが多い)を供給することも多い。たとえば、特開2003−323058号公報(特許文献3)には、印刷媒体に画像を転写した後の中間転写体にキャリア液を塗布するキャリア液塗布手段を含む液体現像電子写真装置が開示されている。
特開平05−066701号公報 特開平05−002357号公報 特開2003−323058号公報
上述の特開平05−066701号公報(特許文献1)や特開平05−002357号公報(特許文献2)に開示される構成では、像担持回転体に対して所定の周速度差をもって回転駆動する撹拌回転体とともに、クリーニング液を供給するための機構も設けられている。
しかしながら、これらの構成では、撹拌回転体と像担持回転体との間に生じる摩擦トルクの変化が考慮されていない。すなわち、撹拌回転体と像担持回転体との接触面に介在する液体(クリーニング液など)の量に応じて、両者の間に発生する摩擦トルクは変動するにもかかわらず、上述のクリーニング装置では、常に同じ動作を行なうように構成されている。そのため、状況によっては、過大な摩擦トルクが発生し、撹拌回転体を破損するなどといった好ましくない現象が生じる可能性がある。上述の先行技術では、このような課題を見出しておらず、そのため、その解決手段を何ら開示および示唆していない。
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、撹拌回転体を保護しつつ、像担持回転体に残留するトナーを効率的にクリーニングできる湿式画像形成装置を提供することである。
この発明のある局面に従えば、キャリア液にトナーを分散した液体現像剤を用いる湿式画像形成装置を提供する。湿式画像形成装置は、液体現像剤から形成されたトナー像を担持するとともに、当該トナー像を被転写体に転写する像担持回転体と、被転写体へのトナー像の転写後に像担持回転体の周面に残留したトナーをクリーニングするクリーニング装置とを含む。クリーニング装置は、像担持回転体と当接配置され、像担持回転体上に残留したトナーを撹拌する撹拌回転体と、少なくとも撹拌回転体の周面にクリーニング液を供給可能な給液機構とを含み、少なくとも、撹拌回転体を像担持回転体の周速度とは異なる周速度で回転駆動する第1モードと、像担持回転体と速度差なしで回転させるとともに、給液機構からクリーニング液を供給する第2モードとを選択可能に構成され、第2モードでの動作は、撹拌回転体が像担持回転体と接触する位置に残留したトナーが存在しない期間において実行される
好ましくは、第2モードにおいて、撹拌回転体は像担持回転体に従動回転する。
好ましくは、第1モードにおいて、撹拌回転体と像担持回転体の接触位置における撹拌回転体の回転方向は、像担持回転体の回転方向とは逆である
好ましくは、クリーニング装置は、湿式画像形成装置への電源供給開始直後に、第2モードで動作し、続いて第1モードでの動作に変更される。
好ましくは、クリーニング装置は、湿式画像形成装置に対するメンテナンスの実施を検出すると、当該メンテナンス直後に第2モードで動作し、続いて第1モードでの動作に変更される。
好ましくは、クリーニング装置は、撹拌回転体を駆動する駆動手段と過負荷検出手段とをさらに含み、過負荷検出手段が駆動手段から過負荷検出信号を受信すると、クリーニング装置は、第2モードで動作し、続いて第1モードでの動作に変更される。
好ましくは、クリーニング装置は、第2モードに設定されると、撹拌回転体の全周面にクリーニング液を供給するまでの期間は第2モードによる動作を継続する。
この発明に係る湿式画像形成装置によれば、撹拌回転体を保護しつつ、像担持回転体に残留するトナーを効率的にクリーニングできる。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
<湿式画像形成装置の構成>
図1は、この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の概略構成図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置は、それぞれがローラ状の像担持回転体である感光体2および中間転写体3を含む。また、本実施の形態に従う湿式画像形成装置には、各部の動作を制御するための制御装置8が設けられる。
感光体2の周囲には、矢印で示す回転方向の順に、現像装置1、感光体クリーニング装置(以下「PC(Photo Conductor)クリーニング装置」とも称する。)5、感光体2の表面の除電(イレース)を行なうための除電装置(図示しない)、帯電装置21、感光体2の表面に静電潜像を形成するための露光装置(図示しない)が設けられる。感光体2は、現像装置1によって現像されたトナー像を担持するとともに、そのトナー像を被転写体である中間転写体3に一次転写する。
また、中間転写体3の周囲には、矢印で示す回転方向の順に、二次転写ローラ4および中間転写体クリーニング装置(以下「IMR(Intermediate Roller)クリーニング装置」とも称する。)6が設けられる。中間転写体3は、感光体2に一次転写されたトナー像を被転写体である記録用紙7へ二次転写する。
現像装置1は、現像ローラ11と、トナーおよびキャリア液を含む液体現像剤(以下「現像液」とも称する。)12を貯蔵する現像槽13と、液量検出器14とを含む。ここで、現像液は、キャリア液である絶縁性液体と、静電潜像を現像するトナーと、トナーを分散させる分散剤とを主要成分としている。
キャリア液としては、一般に電子写真用現像液に用いるものであれば、特に制限されることなく用いることができるが、中でも不揮発性の液体が好ましい。不揮発性液体としてはたとえば、シリコンオイル、ミネラルオイル、パラフィンオイル、鉱物油等を挙げることができる。
トナーとしては、一般に電子写真用現像液に用いるものであれば、特に制限されることなく用いることができる。トナーに含有されるトナー用結着樹脂としては、たとえばポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。またこれらの樹脂を複数混合して用いることも可能である。さらに、トナーの着色に用いられる顔料および染料としては、一般に市販されているものを用いることができる。たとえば、顔料としては、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、シリカ、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ベンジジンイエロー、レーキレッドD等を用いることができる。染料としては、ソルベントレッド27やアシッドブルー9等を用いることができる。
現像液の調製方法としては、一般に用いられる製法に基づいて調製することができる。たとえば、結着剤樹脂と顔料とを所定の配合比で、加圧ニーダ、ローラミルなどを用いて溶融混練することで均一に分散し、得られた分散体をたとえばジェットミルによって微粉砕する。得られた微粉末をたとえば風力分級機などにより分級することで、所望の粒径の着色トナーを得ることができる。そして、得られたトナーをキャリア液としての絶縁性液体と所定の配合比で混合する。この混合物をボールミル等の分散手段により均一に分散させることで、現像液を得ることができる。
現像ローラ11には、現像槽13から一定量の現像液が供給され、図示しない現像前チャージャにより現像ローラ11上の現像液中に含まれるトナーに電荷が与えられる。その後、現像ローラ11により感光体2に搬送された荷電トナーは、感光体2上においてトナー像として現像される。
感光体2の表面(周面)は、帯電装置21により所定の表面電位に一様に帯電される。そして、図示しない露光装置が画像情報に従って露光を行ない、感光体2の表面に静電潜像を形成する。次いで、感光体2上の静電潜像は、上述したように現像装置1によりトナーおよびキャリア液を含む現像液で現像され、感光体2の表面にトナー像が形成される。このとき、トナーだけでなくキャリア液も感光体2の表面に付着する。
続いて、感光体2上に形成されたトナー像は、所定の電圧が印加された中間転写体3に一次転写される。そして、中間転写体3から記録用紙7へ二次転写ローラ4により二次転写されて被転写体である記録用紙7上にトナー像が形成される。さらに、記録用紙7上に転写されたトナー像は、図示しない定着ローラによって定着される。なお、二次転写ローラ4の内部にヒータを内蔵することで、二次転写ローラ4を、転写機能および定着機能を兼ね備えた転写同時定着用のローラとすることも可能である。
一方、一次転写後の感光体2に残留したトナーについては、PCクリーニング装置5により除去(クリーニング)される。PCクリーニング装置5は、クリーニング液給液部(給液機構)51と、感光体2と当接配置され、感光体2上に残留したトナーを撹拌するクリーニングローラ(撹拌回転体)52と、クリーニング部材53と、クリーニングローラ52を回転駆動するモータ54と、クリーニングローラ52とモータ54との間を機械的に連結/開放可能なクラッチ55と、モータ54の過負荷状態を検出する過負荷検出器56とを含む。
より具体的には、クリーニング液給液部51は、感光体2の幅方向(回転軸方向)に一様となるようにクリーニング液を給液する。
図2は、この発明の実施の形態に従うクリーニング液給液部51の一例を示す外観図である。図2に示すように、クリーニング液給液部51の一例として、感光体2の幅方向(回転軸方向)に複数の吐出孔が並設された給液口を感光体2の上部に配置し、各孔から感光体2に向けてクリーニング液を滴下するようにしてもよい。また、図示しないポンプなどによってクリーニング液が給液口に供給され、給液口から滴下されるクリーニング液の単位時間当たりの量は、このポンプの回転数などによって制御される。
クリーニング液給液部51から供給されるクリーニング液は、感光体2上の残留したトナーと混合されてトナーを感光体2から遊離させる。それとともに、クリーニング液は、感光体2とクリーニングローラ52との間に介在し、両者の間に生じる摩擦トルクを低減する作用も果たす。
クリーニング液としては、現像液に対して親和性を有し、かつトナーや像担持回転体を溶融させなければいずれの媒体を用いてもよいが、現像剤に含まれるキャリア液と同じ成分にすることが好ましい。クリーニング液とキャリア液とを同じ成分にすることで、後述するクリーニング部材53によって回収された後に、現像剤またはクリーニング液としてリサイクル可能となる。
クリーニングローラ52は、感光体2と当接配置され、感光体2に対して所定の周速度差が生じるように回転駆動することで、感光体2上に残留したトナーを撹拌する。これにより、残留しているトナーが感光体2から遊離しやすくなり、移動方向下流側に設けられたクリーニング部材53によるクリーニング力を向上させることができる。
クリーニングローラ52は、適当な液保持性を有することが好ましく、代表的に、発泡性ウレタンなどによって構成することができる。また、クリーニングローラ52としては、感光体2との間に適度な摩擦トルクを生じるような所定範囲内の硬度をもつ材質が好ましい。これは、クリーニングローラ52の硬度が低すぎると撹拌力が低下する一方、硬度が高すぎると摩擦トルクが大きくなりすぎるからである。代表的に、クリーニングローラ52の硬度は、アスカーC硬度で5〜40度が好ましい。なお、感光体2の硬度は、クリーニングローラ52の硬度より高ければよい。
特に、本実施の形態に従う湿式画像形成装置では、PCクリーニング装置5は、「通常モード」および「給液モード」の2つの動作モードを有し、状況に応じていずれかのモードで動作可能に構成される。「通常モード」は、感光体2上の残留トナーをクリーニングするためのモードであり、このモードでは、クリーニングローラ52が感光体2の周速度とは異なる周速度で回転駆動する。一方、「給液モード」は、クリーニングローラ52と感光体2との間に液体を介在させて過大な摩擦トルクの発生を抑制するためのモードであり、このモードでは、クリーニングローラ52を感光体2と速度差なしで回転させるとともに、クリーニング液給液部51からクリーニング液が供給される。なお、本実施の形態では、「感光体2と速度差なしで回転させる」ために、クリーニングローラ52を回転自在にする構成について例示するが、感光体2と同一の周速度となるように、クリーニングローラ52を駆動して回転速度を制御してもよい。なお、「通常モード」および「給液モード」の詳細については後述する。
モータ54は、制御装置8からのモータON/OFF指令に従って、クリーニングローラ52を回転駆動するための駆動トルクを発生する。
クラッチ55は、モータ54の出力軸とクリーニングローラ52との間に設けられ、制御装置8からのクラッチON/OFF指令に従って、両者の間を機械的に連結/開放する。上述したように、「通常モード」では、クリーニングローラ52が所定の周速度で回転駆動する必要があるので、クラッチ55は連結状態に維持され、モータ54で発生した駆動力がクリーニングローラ52へ伝達される。一方、「給液モード」では、クリーニングローラ52が回転自在にする必要があるので、クラッチ55は開放状態に維持される。
過負荷検出器56は、モータ54の電源供給線に設けられ、そこに流れる電流値などに基づいてモータ54が過負荷状態であるか否かを検出する。過負荷検出器56によるモータ54が過負荷状態であるとの検出結果は、制御装置8へ送出される。一例として、過負荷検出器56は、サーマルリレーなどによって構成される。
同様に、二次転写後の中間転写体3に残留したトナーについては、IMRクリーニング装置6により除去(クリーニング)される。IMRクリーニング装置6は、クリーニング液給液部(給液機構)61と、中間転写体3と当接配置され、中間転写体3上に残留したトナーを撹拌するクリーニングローラ(撹拌回転体)62と、クリーニング部材63と、クリーニングローラ62を回転駆動するモータ64と、クリーニングローラ62とモータ64との間を機械的に連結/開放可能なクラッチ65と、モータ64の過負荷状態を検出する過負荷検出器66とを含む。
IMRクリーニング装置6を構成するクリーニング液給液部61、クリーニングローラ62、クリーニング部材63、モータ64、クラッチ65、過負荷検出器66については、PCクリーニング装置5を構成するクリーニング液給液部51、クリーニングローラ52、クリーニング部材53、モータ54、クラッチ55、過負荷検出器56とそれぞれ同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
また、IMRクリーニング装置6についても、上述したPCクリーニング装置5と同様に、「通常モード」および「給液モード」の2つの動作モードを有し、状況に応じていずれかモードで動作可能に構成される。
<通常モード>
「通常モード」は、それぞれ感光体2および中間転写体3(以下、両者を「像担持回転体」とも総称する。)上の残留トナーをクリーニングするためのモードである。
通常モードにおいて、感光体2に対して当接配置されたクリーニングローラ52および中間転写体3に対して当接配置されたクリーニングローラ62(以下、両クリーニングローラを単に「クリーニングローラ」とも総称する。)は、当接する像担持回転体の周速度とは異なる周速度で回転駆動する。ここで、撹拌力(クリーニング能力)を向上させるためには、像担持回転体とクリーニングローラとの間の周速度の差を大きくする必要がある。そのため、本実施の形態に従う湿式画像形成装置では、各クリーニングローラは、その回転方向が対応する像担持回転体の回転方向とは逆である「カウンタ駆動」されるものとする。なお、各クリーニングローラの回転方向が対応する像担持回転体の回転方向とは同じである「ウイズ駆動」されてもよいが、「カウンタ駆動」の方がより大きな周速度差を容易に得ることができるので好ましい。
クリーニングローラが「カウンタ駆動」される場合には、その周速度比(カウンタローラの周速度/像担持回転体の周速度)の絶対値は、0.5〜3程度に設定することが好ましい。また、像担持回転体に対するクリーニングローラの設定圧は、20[N/m]〜200[N/m]程度が好ましい。設定圧が低すぎると、十分な撹拌力が得られない一方、設定圧が高すぎると、撹拌力はそれほど変化しないが、両者の接触面に十分に液体が介在していても過剰な摩擦トルクが発生し得る。
上述したように、通常モードでは、クリーニングローラの回転駆動により発生する摩擦トルクを用いて、残留するトナーに対する撹拌力を発生させる。しかしながら、この発生する摩擦トルクの大きさは、像担持回転体とクリーニングローラとの接触面の状態に応じて大きく変化し得る。すなわち、両者の接触面に十分に液体(一種の潤滑剤)が存在しない場合には、両者の間に発生する摩擦トルクは相対的に大きくなる。その結果、発生する摩擦トルクが対応するモータの定格値を超えてしまい、クリーニングローラを回転駆動できない事態や、発生する摩擦トルクによってローラ自体が破損するという事態が発生し得る。
このような事態は、特に、湿式画像形成装置が長期間停止状態に置かれた場合や、クリーニングローラを交換した直後といった、クリーニングローラにクリーニング液が十分に保持されていない状態で生じ易い。
このような課題を考慮して、本実施の形態に従う湿式画像形成装置のクリーニング装置では、過大な摩擦トルクが発生することが予想される状況において後述する給液モードで動作し、クリーニングローラと像担持回転体との接触面に十分な液体を供給する。
<給液モード>
「給液モード」での動作は、クリーニングローラと像担持回転体との接触面に十分な液体が介在せず、過大な摩擦トルクが発生することが予想される状態において、「通常モード」の実行に先立って実行される。
より具体的には、まず、クリーニングローラが回転自在に維持される。併せて、像担持回転体は所定速度で回転する。これにより、クリーニングローラは、像担持回転体の回転に従って従動回転する。ここで、クリーニングローラと像担持回転体との間には、クリーニングローラの自由回転による相対的に小さなトルクが生じるのみであり、クリーニングローラと像担持回転体との間の状態にかかわらず、クリーニングローラを破損することを回避できる。なお、対応するクラッチ55,65が開放状態になることで、クリーニングローラを回転自在に維持する。
一方、クリーニング液給液部51,61は、クリーニング液を供給する。この供給されたクリーニング液は、像担持回転体の回転に従ってクリーニングローラとの接触面まで運ばれるとともに、像担持回転体に従動するクリーニングローラの周面にも供給される。
以上のような動作によって、クリーニングローラと像担持回転体との間に十分なクリーニング液が供給されたと判断すると、給液モードは終了し、通常モードへ移行する。
なお、給液モードでの動作は、非画像形成時、より具体的には、クリーニングローラが像担持回転体と接触する位置に残留トナーが存在しない期間に実行されることが好ましい。これは、給液モード時には、残留トナーに対するクリーニング能力が低下することが予想されるためである。また、給液モードから通常モードへ移行する際には、クリーニングローラが従動回転から駆動回転に切替わる必要があり、この切替動作によって、像担持回転体に振動などが生じ、画像形成に悪影響を与えるおそれもあるからである。
また、給液モードは、像担持回転体の全周面にクリーニング液を供給するまでの期間は継続されることが好ましい。これは、クリーニングローラの全周に亘ってクリーニング液を供給することにより、像担持回転体との間に生じる摩擦トルクを安定して低減できるためである。
また、図1に示すように、クリーニング液給液部51,61が像担持回転体とクリーニングローラとの接触位置より移動方向上流側に配置される場合には、各クリーニング液給液部から供給されたクリーニング液が像担持回転体とクリーニングローラとの接触位置に到達した後に、クリーニングローラが1回転以上するまで給液モードを継続することが好ましい。
また、上述の「通常モード」においても、クリーニング液給液部51,61からクリーニング液が供給されてもよいが、その量は「給液モード」における供給量より少なくしてもよい。あるいは、像担持回転体に残留する液量が多い場合には、「通常モード」では、クリーニング液給液部51,61からのクリーニング液の給液を停止してもよい。
また、「給液モード」を一旦実行すると、その後の「通常モード」における画像形成動作ではキャリア液を含んだトナーが供給されるので、「通常モード」の途中に「給液モード」を再度実行する必要性は低い。
<給液モードの実行タイミング>
「給液モード」は、以下に示すような、クリーニングローラと像担持回転体との間に過大な摩擦トルクが発生し得る状況において、実行される。
(1)湿式画像形成装置への電源供給開始直後
湿式画像形成装置が停止状態にあったので、クリーニングローラに保持されていたクリーニング液が揮発もしくは像担持回転体側に移動していると想定されるからである。特に、揮発性のキャリア液またはクリーニング液を使用した場合には必要となる。
(2)湿式画像形成装置に対するメンテナンスの実施後
メンテナンスとは、湿式画像形成装置を構成する部品の取出し・清掃・交換や、現像液やクリーニング液の補給などを含む。特に、クリーニングローラを交換した際などには、給液モードを実行する必要がある。このようなメンテナンスの実施の検出方法としては、代表的に以下の方法が採用できる。
(i)湿式画像形成装置のドアの開閉を検出
(ii)現像液の補給レベルを検出
(iii)ユーザもしくは保守員による入力操作
(3)実際に過大な摩擦トルク発生した場合
一例として、クリーニングローラを駆動するモータが過負荷となった場合に、過大な摩擦トルク発生したと判断できる。あるいは、クリーニングローラに発生する摩擦トルクを随時測定し、その測定値に基づいて、「給液モード」を実行するか否かを判断してもよい。
<制御装置の構成>
上述のように、本実施の形態に従う湿式画像形成装置では、クリーニング装置の動作を「通常モード」および「給液モード」に選択可能に構成されるが、この各モードにおける動作は制御装置8(図1)によって制御される。以下、制御装置8の構成について説明する。
図3は、この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の制御装置8の概略構成図である。
図3を参照して、制御装置8は、演算処理部81と、入力インタフェース82と、出力インタフェース83と、記憶部84と、タイマ部85とを含む。
演算処理部81は、CPU(Central Processing Unit)などを主体として構成され、記憶部84などに予め格納されたプログラムをロードして実行することで、本実施の形態に従う湿式画像形成装置における動作を制御する。
入力インタフェース82は、各検出部またはユーザ指示を受付けて、その受付けた内容を演算処理部81へ出力する。より具体的には、入力インタフェース82は、湿式画像形成装置のドアに設けられた開閉検出器25からのドア開閉信号、液量検出器14(図1)からの補給検知信号、過負荷検出器56,66(図1)からのモータ54,64(図1)の過負荷検出信号、およびユーザ指示を受付可能に構成される。
出力インタフェース83は、演算処理部81による演算処理の結果に応じて、制御指令を出力する。具体的には、出力インタフェース83は、モータ54,64(図1)に対して、モータON/OFF指令を出力するとともに、クラッチ55,65(図1)に対して、クラッチON/OFF指令を出力する。
記憶部84は、代表的に、ROM(Read Only Memory)やハードディスクなどのような不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)などのような不揮発性メモリとを含み、演算処理部81で実行されるプログラムを予め格納したり、演算処理部81でプログラムを実行するためのワークメモリを提供したりする。
タイマ部85は、後述するように、給液モードの処理経過時間を計時する。
<給液モードおよび通常モード実行時のタイミングチャート>
以下、図4に示すタイミングチャートを参照して、まず給液モードが実行され、その後通常モードが実行される場合の処理手順について説明する。
図4は、この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置における給液モードおよび通常モード実行時のタイミングチャートである。
まず、図4(d)に示すように、時刻t1において、制御装置8が給液開始指令を発行したとする。この給液開始指令は、代表的に、(i)湿式画像形成装置への電源供給の開始、(ii)開閉検出器25(図3)によるドア閉検出、(iii)液量検出器14(図1)による補給レベル検出、(iv)過負荷検出器(図1)による過負荷状態の検出、(v)ユーザによるメンテナンス実行指示の入力、のいずれかが成立した場合に発行されるものとする。なお、図4は、上記(i)および(ii)の場合の動作を示すものである。
この給液開始指令の発行に応答して、各クリーニング装置の動作は給液モードに設定されるとともに、制御装置8のタイマ部85が処理経過時間の計時動作を開始する(図4(e)参照)。
続いて、時刻t2において、各クリーニング装置において、クリーニングローラのクラッチがOFF(開放)に変更される(図4(b)参照)。これにより、各クリーニング装置のクリーニングローラは、回転自在にされる。同時に、各クリーニング装置のクリーニング液給液部の給液動作が給液モードに設定される(図4(c)参照)。これにより、各クリーニング装置のクリーニング液供給部が、給液モードにおけるクリーニング液の供給を開始する。なお、図4(c)には、クリーニング装置の初期状態がOFFである場合を示すが、時刻t1前において通常モードに設定されている場合も同様に給液モードに変更される。
さらに、時刻t3において、像担持回転体が回転を開始する(図4(a)参照)。この像担持回転体の回転により、当接するクリーニングローラも従動回転し、このクリーニングローラの従動回転によって、クリーニング液給液部から供給されたクリーニング液が、クリーニングローラの周面に塗布される。なお、時刻t2と時刻t3との時間差は、一例として、0.3[秒]程度に設定されることが好ましい。
時刻t4において、制御装置8のタイマ部85が処理時間Tmの計時を完了する(図4(e)参照)と、制御装置8が給液終了指令を発行する(図4(d)参照)。すると、その後の時刻t5において、像担持回転体が回転を停止する(図4(a)参照)。この像担持回転体の停止によって、従動回転していたクリーニングローラも停止する。
なお、処理時間Tmは、クリーニングローラにクリーニング液が達してから、クリーニングローラが少なくとも1回転に要する期間以上に設定することが好ましい。
続いて、時刻t6において、各クリーニング装置の動作は通常モードに変更される。このとき、各クリーニング装置において、クリーニングローラのクラッチがON(連結)に変更される(図4(b)参照)。これにより、各クリーニング装置のクリーニングローラは、対応のモータと連結状態にされる。同時に、各クリーニング装置のクリーニング液給液部の給液動作が通常モードに設定される(図4(c)参照)。これにより、各クリーニング装置のクリーニング液給液部は、クリーニング液の供給量を通常モードにおける値に変更する。なお、時刻t5と時刻t6との時間差は、一例として、0.3[秒]程度に設定されることが好ましい。
通常モードへの変更後の時刻t7において、画像形成処理を実行するための起動指令が与えられたとすると、像担持回転体はトナー像を転写するために再度回転を開始する(図4(a)参照)。一方、クリーニングローラは、像担持回転体が回転を開始する時刻t7より後の時刻t8において、回転駆動を開始する(図4(b)参照)。このクリーニングローラの回転駆動は、残留トナーのクリーニングを行なうためであり、上述したように、クリーニングローラは、像担持回転体の周速度とは異なる周速度で回転駆動する。なお、時刻t7と時刻t8との時間差は、一例として、0.3[秒]程度に設定されることが好ましい。
上述のタイミングチャートでは、給液モードの終了時において像担持回転体を停止(時刻t5)させたが、必ずしも停止させる必要はなく、回転を継続させてもよい(時刻t5〜t7)。但し、時刻t6におけるクリーニングローラのクラッチONを安定して行なうためには、像担持回転体を一旦停止することが好ましい。
また、通常モードにおいて、像担持回転体の駆動開始タイミング(時刻t7)と、クリーニングローラの駆動開始タイミング(時刻t8)との間に時間差をもたせたのは、クリーニングローラの起動時における起動トルクを低減するためである。
また、上述のタイミングチャートでは、各クリーニング装置のクリーニングローラが、「クラッチON・回転駆動」、「クラッチON・停止」、「クラッチOFF・従動回転」の3つの状態をもつ場合について例示したが、「クラッチON・停止」を「クラッチOFF・従動回転」に変更してもよい。この場合、各クリーニング装置のクリーニングローラは、「クラッチON・回転駆動」および「クラッチOFF・従動回転」の2つの状態をもつようになる。
また、上述のタイミングチャートでは、給液モードの実行期間を処理経過時間に基づいて制御する構成について例示したが、クリーニング装置のクリーニング液給液部からのクリーニング液の給液量に基づいて制御してもよい。
<通常モードのみ実行時のタイミングチャート>
次に、図5に示すタイミングチャートを参照して、通常モードのみが実行される場合の処理手順について説明する。
図5は、この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置における通常モードのみ実行時のタイミングチャートである。
まず、時刻t11において、画像形成処理を実行するための起動指令が与えられたとする。すると、その後の時刻t12において、各クリーニング装置のクリーニング液給液部の給液動作が通常モードに設定される(図5(c)参照)。これにより、各クリーニング装置のクリーニング液供給部が、通常モードにおけるクリーニング液の供給を開始する。
続いて、時刻t13において、像担持回転体はトナー像を転写するために再度回転を開始する(図5(a)参照)。一方、クリーニングローラは、像担持回転体が回転を開始する時刻t13より後の時刻t14において、回転駆動を開始する(図5(b)参照)。これにより、クリーニングローラによる像担持回転体上の残留トナーのクリーニングが開始される。なお、通常モードのみが実行される場合には、クリーニングローラのクラッチはONに維持される。
なお、時刻t12と時刻t13との時間差は、一例として、0.3[秒]程度に設定されることが好ましく、時刻t13と時刻t14との時間差は、一例として、0.2[秒]程度に設定されることが好ましい。
<処理手順>
次に、図6を用いて、上述のような動作を実現するための制御装置8における処理手順について説明する。
図6は、この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の動作を実現するための処理手順を示すフローチャートである。
図6を参照して、まず制御装置8は、給液開始指令を発行する必要があるか否かを判断する(ステップS2)。具体的には、制御装置8は、電源供給の開始直後であるか否か(ステップS2a)、開閉検出器25(図3)によるドア閉を検出したか否か(ステップS2b)、液量検出器14(図1)による補給レベルを検出したか否か(ステップS2c)、過負荷検出器(図1)による過負荷状態を検出したか否か(ステップS2d)、ユーザによるメンテナンス実行指示を受信したか否か(ステップS2e)を判断する。そして、制御装置8は、これらのうち、いずれか1つでも肯定されるものがある場合には、給液開始指令を発行する必要があると判断する。
給液開始指令を発行する必要がある場合(ステップS2においてYESの場合)には、制御装置8は、供給開始指令を発行する(ステップS4)とともに、処理経過時間の計時を開始する(ステップS6)。すなわち、制御装置8は、クリーニング装置を給液モードで動作させる。
続いて、制御装置8は、クラッチOFF指令を出力することで、各クリーニング装置におけるクリーニングローラのクラッチをOFF(開放)に変更する(ステップS8)。また、制御装置8は、各クリーニング装置のクリーニング液供給部における給液動作を給液モードに変更する(ステップS10)。
その後、制御装置8は、像担持回転体の回転を開始する(ステップS12)。
さらに、制御装置8は、計時された処理経過時間が処理時間Tmに達したか否かを判断する(ステップS14)。計時された処理経過時間が処理時間Tmに達していなければ(ステップS14においてNO)、ステップS14の処理が繰返される。
一方、計時された処理経過時間が処理時間Tmに達していれば(ステップS14においてYES)、制御装置8は、給液終了指令を発行する(ステップS16)。さらに、制御装置8は、クラッチON指令を出力することで、各クリーニング装置におけるクリーニングローラのクラッチをON(連結)に変更する(ステップS18)。また、制御装置8は、各クリーニング装置のクリーニング液供給部における給液動作を通常モードに変更する(ステップS20)。このようにして、制御装置8は、クリーニング装置による給液モードの動作を終了し、動作を通常モードへ移行させる。
また、給液開始指令を発行する必要がない場合(ステップS2においてNOの場合)にも、制御装置8は、動作を通常モードへ移行させる。
通常モードでは、制御装置8は、画像形成処理を実行するための起動指令を受信したか否かを判断する(ステップS22)。画像形成処理を実行するための起動指令を受信していない場合(ステップS22においてNOの場合)には、ステップS22の処理が繰返される。
一方、画像形成処理を実行するための起動指令を受信した場合(ステップS22においてYESの場合)には、制御装置8は、像担持回転体の回転を開始する(ステップS24)。像担持回転体の回転後、制御装置8は、モータON指令を出力することで、各クリーニング装置におけるクリーニングローラのモータの回転駆動を開始する(ステップS26)。そして、一連の画像形成処理が実行された(ステップS28)後、処理は終了する。
<実施例>
本願発明者らは、図1に示す湿式画像形成装置を用いて、図4に示すタイミングチャートに沿った動作を実行させた場合(実施例1および2)と、図5に示すタイミングチャートに沿った動作を実行させた場合(比較例)とについて対比実験を行なった。
実験内容としては、乾燥状態にあるクリーニングローラを用いて、それぞれの例について、通常モードの初期においてクリーニングローラで発生する摩擦トルクの最大値を比較した。すなわち、実施例1および2では、給液モードの実行後に引き続いて実行される通常モードでの摩擦トルクの最大値を測定し、比較例では、給液モードが実行されることなく、そのまま通常モードが実行される場合に生じる摩擦トルクの最大値を測定した。なお、摩擦トルクの最大値は、クリーニングローラを駆動するモータに流れる電流値の最大値から算出した。
本実験に係る条件は以下のとおりである。
[現像液]
・キャリア液:出光興産(株)製 IPソルベント2028
・トナー:ポリエステル樹脂にカーボン分散
・トナー濃度:現像液の重量に対する重量割合 25[wt%]
・分散剤:アビシア社製ソルスパース13940をトナー量に対して10[wt%]
・トナー平均粒度:3[μm]
[像担持回転体]
・感光体2および中間転写体3のシステム速度:400[mm/秒]
[クリーニングローラ]
・材質:導電性発泡ポリウレタン
・大きさ:直径24[mm](周長:75.4[mm])
・硬度:アスカーC硬度25度
・設定圧:100[N/m]
・通常モードにおける周速度比:カウンタ駆動で1.5
[クリーニングブレード]
・材質:ポリウレタン
・厚み:2[mm]
[クリーニング液給液部]
・給液量(給液モード):0.5[ml/秒]
・給液量(通常モード):0.1[ml/秒]
・クリーニング液:出光興産(株)製 IPソルベント2028(キャリア液と同一)
・クリーニング液給液部とクリーニングローラとの距離:40[mm]
[給液モード]
・処理時間Tm(実施例1):1.0[秒]
・処理時間Tm(実施例2):0.75[秒]
・時刻t1〜時刻t3:0.5[秒]
なお、図4に示すように、時刻t1において給液開始指令が発行された後、像担持回転体が回転を開始するのは時刻t3であるので、時刻t1〜時刻t3の期間は、像担持回転体は回転しない。そのため、クリーニング液の実質的な移動もない。すなわち、クリーニング液が像担持回転体の周面に沿って移動する期間は、処理時間Tmのうち、時刻t3以降となる。より具体的には、実施例1においては、1.0[秒]−0.5[秒]=0.5[秒]であり、実施例2においては、0.75[秒]−0.5[秒]=0.25[秒]である。
一方、クリーニング液給液部とクリーニングローラとの距離は40[mm]であり、クリーニングローラの周長が75.4[mm]であるので、クリーニング液給液部からのクリーニング液がクリーニングローラの1周に亘って供給されるのに要する時間は、(40[mm]+75.4[mm])/400[mm/秒]≒0.29[秒]となる。従って、実施例1では、像担持回転体の全周面に亘ってクリーニング液が供給されることになるが、実施例2では、像担持回転体の周面の一部のみにクリーニング液が供給されることになる。
図7は、この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置における実験結果の一例を示すグラフである。
図7を参照して、通常モードの実行に先立って給液モードを実行する場合(実施例1および2)に生じる摩擦トルクは、給液モードを実行することなく通常モードのみを実行する場合(比較例)に生じる摩擦トルクに比べて、約1/2に減少していることがわかる。さらに、実施例1と実施例2とを比較すると、給液モードの期間がより長い実施例1における摩擦トルクがより小さくなっていることがわかる。これは、上述したように、実施例1では、像担持回転体の全周面に亘ってクリーニング液が供給されるのに対して、実施例2では、像担持回転体の周面の一部にクリーニング液が供給されていない部分が残っているためであると考えられる。
以上のように、先に給液モードを実行することによって、クリーニングローラに生じる摩擦トルクを低減できることがわかる。
<第1変形例>
図1に示す本実施の形態に従う湿式画像形成装置のクリーニング装置では、クリーニング液給液部から像担持回転体にクリーニング液を直接滴下する構成について例示したが、このクリーニング液をより均一に塗布するためのローラをさらに設けてもよい。
図8は、この発明の実施の形態の第1変形例に従う湿式画像形成装置のクリーニング装置の概略構成図である。
図8を参照して、この発明の実施の形態の第1変形例に従う湿式画像形成装置のクリーニング装置は、図1に示すPCクリーニング装置5において、感光体2と当接配置された液塗布ローラ57をさらに追加したものに相当する。この液塗布ローラ57は、像担持回転体によって従動回転するように構成してもよいし、図示しないモータなどによって独立に回転駆動されるように構成してもよい。
この液塗布ローラ57を設けることで、クリーニング液を像担持回転体の周面により均一に塗布することができる。
<第2変形例>
図1に示す本実施の形態に従う湿式画像形成装置のクリーニング装置では、クリーニング液給液部から像担持回転体にクリーニング液を直接滴下する構成について例示したが、このクリーニング液をクリーニングローラに直接塗布してもよい。
図9は、この発明の実施の形態の第2変形例に従う湿式画像形成装置のクリーニング装置の概略構成図である。
図9を参照して、この発明の実施の形態の第2変形例に従う湿式画像形成装置のクリーニング装置は、図1に示すPCクリーニング装置5において、クリーニング液給液部51に代えて、クリーニング液貯蔵槽58と、塗布ローラ59A,59Bとを設けたものに相当する。塗布ローラ59Aは、クリーニングローラ52と当接配置されて、従動回転可能に構成される。また、塗布ローラ59Bは、塗布ローラ59Aと当接配置されて、従動回転可能に構成されるとともに、その一部がクリーニング液貯蔵槽58に浸漬されるように構成される。
したがって、クリーニングローラ52が回転すると、塗布ローラ59A,59Bも連動して回転する。この回転運動によって、クリーニング液貯蔵槽58に蓄えられたクリーニング液が塗布ローラ59Bによって汲み上げられるとともに、塗布ローラ59Aによってクリーニングローラ52の周面に供給される。
このような構成を採用することにより、クリーニングローラ52に対してクリーニング液を直接塗布することができる。
<本実施の形態の作用効果>
本実施の形態によれば、像担持回転体と撹拌回転体であるクリーニングローラとの間に、過大な摩擦トルクが発生することが予想される場合には、給液モードが選択される。この給液モードでは、クリーニングローラが回転自在にされるとともに、像担持回転体とクリーニングローラとの接触面にクリーニング液が供給される。そして、像担持回転体とクリーニングローラとの接触面に十分に潤滑剤としてのクリーニング液が介在するようになると、動作は通常モードに変更され、通常のクリーニング動作が実行される。
このように、クリーニング装置が給液モードと通常モードとを選択可能に構成されることで、過大な摩擦トルクの発生によるクリーニングローラの破損を防止するとともに、像担持回転体に残留するトナーの効率的なクリーニングを行なうこともできる。その結果、像担持回転体およびその周辺の各部を汚損することがなく、各部の性能をより長期間にわたって正常な状態に維持できる。
また、本実施の形態によれば、像担持回転体に対して撹拌回転体であるクリーニングローラを当接配置したまま給液モードを実行できるので、像担持回転体からクリーニングローラを離して給液するような複雑な離隔機構を必要とせず、構成を簡素化できる。
また、像担持回転体とクリーニングローラとの接触面への給液方法としては、背景部画像を画像形成する場合と同様の方法で、像担持回転体の全幅に亘って現像液を塗布することにより行なう構成も考えられる。このような方法を採用する場合には、現像液を無駄に消費してしまうが、本実施の形態によれば、像担持回転体とクリーニングローラとの接触面にクリーニング液を直接的に供給するので、このような現像液の無駄な消費を回避できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態に従うクリーニング液給液部の一例を示す外観図である。 この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の制御装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置における給液モードおよび通常モード実行時のタイミングチャートである。 この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置における通常モードのみ実行時のタイミングチャートである。 この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置の動作を実現するための処理手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態に従う湿式画像形成装置における実験結果の一例を示すグラフである。 この発明の実施の形態の第1変形例に従う湿式画像形成装置のクリーニング装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態の第2変形例に従う湿式画像形成装置のクリーニング装置の概略構成図である。
符号の説明
1 現像装置、2 感光体(像担持回転体)、3 中間転写体(像担持回転体)、4 二次転写ローラ、5,6 クリーニング装置、7 記録用紙、8 制御装置、11 現像ローラ、13 現像槽、14 液量検出器、21 帯電装置、25 開閉検出器、51,61 クリーニング液給液部、52,62 クリーニングローラ(撹拌回転体)、53,63 クリーニング部材、54,64 モータ、55,65 クラッチ、56,66 過負荷検出器、57,59A,59B 液塗布ローラ、58 クリーニング液貯蔵槽、81 演算処理部、82 入力インタフェース、83 出力インタフェース、84 記憶部、85 タイマ部。

Claims (7)

  1. キャリア液にトナーを分散した液体現像剤を用いる湿式画像形成装置であって、
    前記液体現像剤から形成されたトナー像を担持するとともに、当該トナー像を被転写体に転写する像担持回転体と、
    前記被転写体への前記トナー像の転写後に前記像担持回転体の周面に残留したトナーをクリーニングするクリーニング装置とを備え、
    前記クリーニング装置は、
    前記像担持回転体と当接配置され、前記像担持回転体上に残留したトナーを撹拌する撹拌回転体と、
    少なくとも前記撹拌回転体の周面にクリーニング液を供給可能な給液機構とを含み、
    前記クリーニング装置は、少なくとも、前記撹拌回転体を前記像担持回転体の周速度とは異なる周速度で回転駆動する第1モードと、前記撹拌回転体を前記像担持回転体と速度差なしで回転させるとともに、前記給液機構から前記クリーニング液を供給する第2モードとを選択可能に構成され
    前記第2モードでの動作は、前記撹拌回転体が前記像担持回転体と接触する位置に残留したトナーが存在しない期間において実行される、湿式画像形成装置。
  2. 前記第2モードにおいて、前記撹拌回転体は前記像担持回転体に従動回転する、請求項1に記載の湿式画像形成装置。
  3. 前記第1モードにおいて、前記撹拌回転体と前記像担持回転体の接触位置における前記撹拌回転体の回転方向は、前記像担持回転体の回転方向とは逆である、請求項1に記載の湿式画像形成装置。
  4. 前記クリーニング装置は、前記湿式画像形成装置への電源供給開始直後に、前記第2モードで動作し、続いて前記第1モードでの動作に変更される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の湿式画像形成装置。
  5. 前記クリーニング装置は、前記湿式画像形成装置に対するメンテナンスの実施を検出すると、当該メンテナンス直後に前記第2モードで動作し、続いて前記第1モードでの動作に変更される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の湿式画像形成装置。
  6. 前記クリーニング装置は、前記撹拌回転体を駆動する駆動手段と過負荷検出手段とをさらに備え、前記過負荷検出手段が前記駆動手段から過負荷検出信号を受信すると、前記クリーニング装置は、前記第2モードで動作し、続いて前記第1モードでの動作に変更される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の湿式画像形成装置。
  7. 前記クリーニング装置は、前記第2モードに設定されると、前記撹拌回転体の全周面にクリーニング液を供給するまでの期間は前記第2モードによる動作を継続する、請求項1〜のいずれか1項に記載の湿式画像形成装置。
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