JP5151088B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池に関するものである。
車両のエンジン始動用やバックアップ電源用といった様々な用途に鉛蓄電池が用いられている。その中でも始動用鉛蓄電池は、エンジン始動用セルモータへの電力供給とともに、車両に搭載された各種電気・電子機器へ電力を供給する。エンジン始動後、電池はオルタネータによって充電される。ここで、充電と放電とがバランスし、電池のSOCがほぼ100%に維持されるよう、オルタネータの出力電圧および出力電流が設定されている。
このような始動用の鉛蓄電池はエンジンルーム内に設置されることが殆どである。したがって、鉛蓄電池の使用温度は40℃以上、さらには80℃といった高温になる頻度も高く、鉛蓄電池は過充電傾向で使用される。
鉛蓄電池を過充電した場合、電解液中の水が酸素ガスと水素ガスに分解され電池外に排出されるため、電解液中の水分が減少する。その結果、電解液中の希硫酸濃度が上昇し、正極板の腐食劣化などにより容量低下が進行する。また、電解液面が低下し、極板が電解液より露出した場合には、放電容量の急激な低下や、負極板とストラップとの接続部が腐食するといった問題が発生する。
このように、特に始動用の鉛蓄電池において、電解液中の水分減少(以下、「減液」という)の抑制は重大な問題である。この鉛蓄電池の減液抑制を目的として、正極格子、負極格子ともにPb−Ca系合金を用いた電池が実用化されている。
一方、鉛蓄電池の減液の原因は前記したような水の電気分解によるものと、単に電解液中の水分の一部が蒸発して発生した水蒸気や、電解液がミスト状となって、それぞれ電池外に放出されることによって発生するものがある。なお、始動用の鉛蓄電池では、車両走行中に振動によって電解液面が激しく揺れ動くため、セル室内部では電解液ミストが発生しやすい。また、充電時に発生したガスが電解液面から離脱する際にも、電解液のミストが発生する。
このような、電解液中の水分蒸発や電解液ミストの、電池外への散逸による電解液の減液を抑制するために、例えば、特許文献1には、液口に装着した液口栓を覆うシートを蓋に粘着剤で貼り付け、液口栓に設けられたガス排気のための排気孔をシートで覆う構成が示されている。
このようなシートがなく、排気孔が電池外部に露出している場合、電池内外の水蒸気分圧差や、電池外の空気流によって、排気孔内部が負圧となり、電池内部の水蒸気や電解液ミストが電池外に排出される。
一方、特許文献1で示された構造により、排気孔と電池外気との間に、シートと蓋との間に狭窄なす木間が形成されるため、電池内の水蒸気や電解液ミストは容易にこの隙間を通過して電池外気に散逸しない。また、排気孔が電池外の空気流に直接暴露されないため、空気流による水蒸気や電解液ミストの電池外への排出が抑制される。
特開2005−276741号公報
特許文献1で示されたような、蓋にシートを貼り合わせる構成は、既存の電池に付加的にシートを貼り合わせて実現できるため、非常に簡便であり、前記したように、減液抑制の効果も高い。
一方、液式の鉛蓄電池において、酸素・水素ガスの発生を完全に防止することはできず、鉛蓄電池を放置あるいは充電するにあたっては必ず酸素・水素ガスの発生が伴っていた。
このような酸素・水素ガスの発生によって、電池内外で圧力差が生じ、電池内の気体が電池外に排出される。その際、この気体の排出と同時に、電池内の水蒸気や電解液ミストの排出も行われ、シート上あるいはシートと蓋との隙間で水や電解液として再び結露することによって、液口栓周囲に電解液あるいは水が滲み出るという現象があった。
また、この滲み出た電解液や水が、蓋とシートの隙間を毛細管現象によって広がり、最終的には、電解液や水が電池外に漏出したり、蓋とシートが密着するために、これら両者の間に貼り付きが発生して、ガスの電池外への排出が妨げられる場合があった。
このような、水あるいは電解液の液口栓付近への滲出という課題の他、長期間の使用によって、減液が進行してストラップが電解液から露出した場合、特に負極側のストラップにおいて、ストラップ及びストラップ−負極板間で腐食が進行し、断線するという課題があった。
本発明は、前記したような、液口栓をシートで覆った構成を有した液式の鉛蓄電池において、蓋とシートとの間の水や電解液の滲みや、電池外への漏出、さらにはこの液滲みによって発生する、蓋−シート間の貼り付きを抑制し、減液性能をさらに向上させるとともに、負極ストラップ部での腐食を抑制し、信頼性に優れた鉛蓄電池を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、Pb−Ca合金からなる正極格子体および負極格子体を有し、正極板と負極板とがセパレータを介して配置され、同極性の極板耳部がそれぞれ正極ストラップおよび負極ストラップで集合溶接されてなる極板群が電解液に浸漬した鉛蓄電池であって、前記極板群を収納する電槽の開口部に接合された蓋に設けた液口に装着された液口栓を備え、前記液口栓には、電池内のガスを電池外に排出するための排気孔が設けられ、前記排気孔を覆うよう、粘着剤あるいは接着剤等により、前記蓋に貼り合わされたシートを備え、前記シートと前記蓋の貼り合わせ面に、前記粘着剤あるいは前記接着剤を有さない非接合部を設け、前記非接合部は、前記蓋と前記シートとの隙間を通して前記排気孔からの排出ガスを、前記排気孔から離間した位置および前記非接合部に設けた前記シートを貫通する開口で電池外に排出するよう配置し、かつ、前記正極ストラップおよび前記負極ストラップを形成する鉛合金にアンチモンを含まない合金を用いた鉛蓄電池を示すものである。
さらに、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の構成を有した鉛蓄電池において、前記正極ストラップおよび前記負極ストラップに接続された極柱および接続体等の内部接続用鉛合金として、アンチモンを含まない鉛合金を用いた鉛蓄電池を示すものである。
前記した本発明の構成によれば、電気分解による減液が顕著に抑制され、鉛蓄電池のメンテナンスフリー性が向上する。その結果、電解液中の水蒸気や電解液ミストの液口栓からの排出が抑制され、シート−蓋間での水や電解液の滲みや電池外への漏出、さらにはこれらによるシート−蓋間の貼り付きを防止できる。また、使用期間が長期にわたることによって、負極ストラップが電解液より露出した場合においても、負極ストラップの腐食が抑制される。
以下、本発明の実施形態による鉛蓄電池の構成を説明する。本発明の実施形態による鉛蓄電池1は、図1に示したとおり、Pb−Ca合金の正極格子体を有した正極板2、Pb−Ca合金の負極格子体を有した負極板3とセパレータ4、および同極性の極板をそれぞれ集合溶接する正極ストラップ9と負極ストラップ10とからなる極板群8が、これら正極板2および負極板3の極板面全面を浸漬する電解液5とともに、電槽6のセル室6aに収納され、電槽6の上部に蓋7が接合されている。なお、正極ストラップ9および負極ストラップ10も電解液5に浸漬した状態とする。
蓋7には、セル8に対応して液口7aが設けられ、この液口7aには、液口栓21が装着されている。液口栓21の頭部には、排気孔22が設けられる。なお、振動によって揺れ動いた電解液5が、直接排気孔22に接触することを抑制するため、液口栓21内に防沫体21aを設けてもよい。また、この防沫体21aと排気孔22との間に、従来から知られているような、防爆用のフィルタ21bを設けてもよい。
そして、この排気孔22の上部を覆うシート23が、粘着剤24によって、蓋7に貼り合わされている。なお、シート23はその全面で蓋7に粘着剤24によって貼り合わされているのではなく、少なくとも排気孔22に対応した部分で、粘着剤24が存在しない、非接合部23aを設ける。
非接合部23aは、排気孔22から排出された酸素・水素ガスを電池外に排出する際の、ガス排出路として機能する。したがって、図2に示したように、すべての排気孔22から電池外へのガス排出が行われるよう、例えば、非接合部23aをシート23の端部まで設け、このシート23の端部で最終的にガスが大気に排出させる。加えて、図3に示したように、非接合部23aに、シート23を貫通する開口23bを設ける。この場合、排気孔22からのガスは、非接合部23aと、開口23bを通過して大気に排出される。なお、図2において、シート23と蓋7との貼り合わせ面において、非接合部23aを除いた部分、すなわち、粘着剤24で貼り合わせた部分を斜線部Aとして示した。
排気孔22に対向してシート23を配置することにより、排気孔22が電池周囲の空気流に暴露されないため、前記したような電池周囲の空気流によって、電池内部の水蒸気や電解液ミストが排気孔22から吸い出される現象が抑制されるため、電解液中の水分蒸発や電解液ミストの電池外への散逸による、減液が抑制される。
また、排気孔22から電池外部にいたる、ガス排出路は、蓋7とシート23間の、狭小な空間(高さ方向の間隙寸法として0.5mm程度以下)として存在するか、あるいは蓋7とシート23とが接触した状態で存在するため、ため、電池内圧が大気圧よりも増大しない限り、電池内のガス、水蒸気や電解液ミストの、電池外への排出は殆ど行われない。これらにより、電解液の減液が顕著に抑制される。なお、このシート23として、耐酸性を有したポリプロピレン樹脂等の0.05〜0.5mm程度の厚みを有したものを用いればよい。
本発明の鉛蓄電池1は正極板2同士を接続するための正極ストラップ9、および、負極板3同士を接続するための負極ストラップ10に、アンチモンを含まない鉛合金を用いる。負極ストラップ10にアンチモンが含まれると、負極ストラップ10の水素過電圧が低下し、負極ストラップ10上での水素ガス発生が促進され、減液量が増大する。また、正極ストラップ9にアンチモンが含まれると、正極ストラップ9の酸化とともに、電解液5に溶出したアンチモンが負極板3上に析出することによって、負極板3の水素過電圧が低下し、前記したと同様、減液量が増大する。
また、負極板3や負極ストラップ10での水素過電圧の低下によって、充電時の負極電位がより貴に移行する。通常の自動車用やバックアップ用のように、定電圧で鉛蓄電池を充電する場合、充電時の負極電位が貴へ移行した分、正極電位が貴へ移行するため、正極ストラップ9でのアンチモン溶出がより促進され、負極板3での水素過電圧低下がさらに進行する。
このような、正極ストラップ9側に含まれるアンチモンの、負極板3の水素過電圧を低下させる作用は、初期状態の鉛蓄電池では殆ど派生しないが、鉛蓄電池の使用とともに、次第に増大していく。
本発明の鉛蓄電池では、電解液中の水分蒸発および電解液ミストの電池外への散逸による減液は、排気孔22に対向して配置したシート23によって抑制され、正極ストラップ9および負極ストラップ10にアンチモンを含まない合金を用いることによって、水の電気分解による減液が抑制されるため、全体として、減液量が顕著に抑制され、メンテナンスフリー性に顕著に優れた鉛蓄電池を得ることができる。
電池内で発生した酸素・水素ガスは、その発生量に応じた電池内圧上昇によって、電池外に排出されるが、このガス排出の際、セル室6a内の水蒸気分圧に応じて、水蒸気が排気孔22から電池外に排出される。また、このガス排出にともなって電解液ミストも排気孔22から電池外に排出される。
排気孔22からの水蒸気および電解液ミスト排出量が多くなると、これら水蒸気および電解液ミストが、シート23面で結露して、水あるいは電解液となり、非接合部23aに対応した、シート23と蓋7との隙間に水・電解液が滲出した状態となる。
シート23と蓋7との隙間に滲出した水・電解液によって、非接合部23aにおいて、シート23と蓋7とが密着した状態となり、この部分を通したガス排出が妨げられたり、ガス排出とともに、滲出した水・電解液が電池外に漏出する。
本発明では、正極ストラップ9および負極ストラップ10に、アンチモンを含まない鉛合金を用いることにより、電池内部でのガス発生と、これに伴う水蒸気や電解液ミストの排気孔22からの排出が抑制され、結果として、前記したようなシート23と蓋7への水・電解液の滲出、およびこれによる電池外への水・電解液の漏出が顕著に抑制される。また、水・電解液による、シート23と蓋7との密着した状態での貼り付きを抑制できる。
また、本発明の構成では、電解液の減液が顕著に抑制されるため、正極ストラップ9および負極ストラップ10の、電解液5からの露出が抑制される。従来、電解液から露出した状態の負極ストラップで腐食が進行し、負極ストラップと負極板間の接続部が断線する現象が知られている。このような負極ストラップにおける腐食現象は、負極格子を鉛−カルシウム合金とし、負極ストラップを鉛−アンチモン合金としたときに顕著である。このような腐食現象は、アンチモンとカルシウムとの化合物の存在がその一因になっていると考えられる。
通常、液式の鉛蓄電池においては、ストラップ用の鉛合金として、アンチモンを約2−4wt%含んだ鉛−アンチモン合金を使用することが一般的である。これは合金の溶接の容易性、機械的強度、コストなどの面で、アンチモンを含まない鉛合金に比べてすぐれていることと、ストラップ中に含まれるアンチモンが減液特性に及ぼす影響については軽微であるとの認識が従来から定着していたためである。
本発明では、正極ストラップ9および負極ストラップ10の両方を、アンチモンを含まない鉛合金を用いることによって、減液自体が抑制され、また電池の長期間の使用による減液で負極ストラップ10が電解液5から露出した場合においても、負極ストラップ10−負極板3間の腐食が抑制され、メンテナンスフリー性とともに、負極ストラップ10−負極板3間の接続部の信頼性に優れた鉛蓄電池を得ることができる。
なお、本発明において、正極ストラップ9および負極ストラップ10はともにアンチモンを含まないが、負極板3および負極ストラップ10の水素過電圧を低下させない目的でアンチモンを存在させないため、水素過電圧の低下に殆ど寄与しない程度の量のアンチモン(例えば、50ppm程度未満)の存在は許容できる。なお、正極ストラップ9および負極ストラップ10に用いる鉛合金として、1〜5wt%程度のスズを含む、鉛−スズ合金を用いることができる。
本発明のさらに好ましい形態として、端子11と極板群8とを接続するために正極ストラップ9に接続された極柱12、隣接するセル間同士を接続するための接続体13についても、正極ストラップ9および負極ストラップ10と同様の、アンチモンを含まない、鉛−スズ合金等の鉛合金を用いることができる。これらにより、アンチモンに起因する減液量の増加が抑制される。
なお、図1において、正極ストラップ9に極柱12が、負極ストラップ10に接続体13がそれぞれ接続された状態を示したが、複数のセル8を直列接続した電池において、セル列内におけるセルの位置によっては、正極ストラップ9および負極ストラップ10の両方に接続体13が接続され、また、正極ストラップ9に接続体13が、負極ストラップ10には極柱12がそれぞれ接続された状態とする。
以上、本発明の構成によれば、液口栓の排気孔をシートで覆った鉛蓄電池において、シートと蓋との間への水・電解液の滲出や、電池外への漏出が抑制される。また、これらの水・電解液によるシート23と蓋7とが、密着してガス排出経路が閉塞されることを抑制する。そして、減液が抑制されるとともに、負極ストラップの腐食が抑制された、信頼性の高い鉛蓄電池を提供できる。
(実施例1)
以下、実施例により、本発明の効果を説明する。本発明例および比較例による鉛蓄電池(JIS D5301における80D26形始動用鉛蓄電池)を作製し、各鉛蓄電池に振動を加えながら電池を充電したときの減液量を評価した。
(本発明例の電池A)
本発明例の電池Aは、前記した本発明の実施形態による鉛蓄電池である。正極板には鉛−0.07wt%カルシウム−1.6wt%スズ合金を用いたエキスパンド格子を、負極板には鉛−0.07wt%カルシウム−0.3wt%スズ合金を用いたエキスパンド格子をそれぞれ用いた。
セパレータにはポリエチレン樹脂にシリカ、鉱物油を添加した微多孔膜を使用し、これを袋状として正極板を包む形とした。
正極ストラップおよび負極ストラップとしては、アンチモン含有量が0.001wt%未満に制限された、鉛−2.5wt%スズ合金を用いた。また、極柱および接続体についても、ストラップと同様の鉛−2.5wt%スズ合金を用いた。
シートは、0.2mm厚みのポリプロピレン樹脂フィルムの幅40mm×長さ260mmとし、図2の示したように、幅方向の中心に幅20mmの帯状の部分を非接合部とし、この非接合部23a以外の部分でアクリルエマルジョン系粘着剤を用いてシート23を蓋7に貼り合わせた(図2の斜線部A)。なお、非接合部23aが、列状に配置された液口栓21に対応するよう、シート23を蓋7へ貼り合わせた。したがって、排気孔22からの排出ガスは、この非接合部23aに対応した、蓋7−シート23間の隙間を通してシート23の両端から排出される。
(本発明例の電池B)
本発明例の電池Bは、本発明の電池Aにおいて、極柱および接続体用の鉛合金として、鉛−2.5wt%アンチモン−0.2wt%砒素合金を用いたものである。
(比較例の電池C)
比較例の電池Cは、本発明例の電池Bにおいて、正極ストラップおよび負極ストラップ用の鉛合金として、鉛−2.5wt%アンチモン−0.2wt%砒素合金を用いたものである。
(比較例の電池D)
比較例の電池Dは、本発明例の電池Aより、蓋に貼り合わせたシートを除去したものである。
(比較例の電池E)
比較例の電池Eは、本発明例の電池Bより、蓋に貼り合わせたシートを除去したものである。
(比較例の電池F)
比較例の電池Fは、比較例の電池Cより、蓋に貼り合わせたシートを除去したものである。
前記した各電池の構成の一覧を表1に示す。
Figure 0005151088
前記した、本発明例および比較例の各電池を60℃の温度雰囲気下で、充電電圧14.0V(最大充電電流25A)で2000時間連続充電する間、1G(30Hz)の加速度で上下方向に振動を加えたときの、電池の質量減を減液量として測定した。また、水・電解液の滲みや漏出状態を目視外観検査により、確認した。
上記の電池質量減の測定結果および目視外観結果の結果を表2に示す。なお、減液量は、比較例の電池Fの減液量を100%としたときの百分率で示した。
Figure 0005151088
表2に示した結果から、本発明例の電池によれば、減液量が顕著に抑制され、また、排気孔やシートと蓋との間の水・電解液の滲みや、これらの電池外への漏出が抑制されていることがわかる。
比較例の電池Fを基準とした場合、排気孔をシートで覆うことのみによって、減液量は65%まで低下する(電池C)。一方、同じく、比較例の電池Fを基準とした場合、正極および負極ストラップにアンチモンを含まない鉛合金を用いることによって、減液量は85%まで抑制することができる。
比較例の電池F、電池Cおよび電池Eの減液量から、排気孔を覆うシートを用い、かつ正極ストラップと負極ストラップを、アンチモンを含まない鉛合金を用いた電池(電池Bに相当)の減液量(電池Fの減液量に対する%)は、電池Cと電池Eの減液量(%)の積、すなわち、55.25%になると予測されるが、実際の電池Bの減液量は30%であり、予測されるよりもはるかに顕著な、相乗的な減液抑制効果が得られたことがわかる。
また、極柱および接続体用の鉛合金も、アンチモンを含まない鉛合金を用いることにより、さらに減液量が抑制され、最も好ましい。
一方、排気孔を覆うシートを配置したものの、正極ストラップおよび負極ストラップに鉛−アンチモン合金を用いた電池Cでは、蓋とシートとの間に液滴が滲み、かつ、この液滴が排出ガスによって電池外に押し出され、電池側壁に、硫酸を含む液が付着していた。また、電池Cでは、硫酸を含む液によって、蓋とシートとが密着して貼り合わさった状態となっていた。
次に、前記の電池A〜Fの各電池について、電解液面を負極ストラップ下面よりさらに5mm下方の位置に設定して、負極ストラップを電解液から露出した状態とし、前述と同様、60℃雰囲気および振動を加えた状態で14.0V定電圧充電を2000時間連続して行った。充電終了後、各電池を分解し、負極ストラップの状態を観察した。その結果を表3に示す。
Figure 0005151088
表3に示したように、本発明例によれば、比較例による電池Cで見られたような、断線を伴う負極ストラップの腐食は皆無であり、負極ストラップの信頼性が顕著に改善されていることがわかった。
したがって、本発明によれば、鉛蓄電池の減液を顕著に抑制しつつ、電解液やこの電解液に含まれる水分の液口栓排気孔からの滲出や、電池外への漏出が顕著に抑制できる。また、水・電解液による蓋とシートとの貼り付きが抑制される。さらに、減液が進行し、負極ストラップが電解液から露出した場合においても、負極ストラップの腐食が抑制できる。
本発明は鉛蓄電池における減液を極めて顕著に抑制するとともに、電解液やその水分の滲出や漏出が抑制され、さらには負極ストラップ部の信頼性が向上することから、液式の始動用鉛蓄電池をはじめとする、様々な用途の液式の鉛蓄電池に好適である。
本発明の鉛蓄電池を示す断面図 本発明の鉛蓄電池を示す図 本発明の鉛蓄電池を示す図
符号の説明
1 鉛蓄電池
2 正極板
3 負極板
4 セパレータ
5 電解液
6 電槽
6a セル室
7 蓋
7a 液口
8 極板群
9 正極ストラップ
10 負極ストラップ
11 端子
12 極柱
13 接続体
21 液口栓
21a 防沫体
21b フィルタ
22 排気孔
23 シート
23a 非接合部
23b 開口
24 粘着剤

Claims (2)

  1. Pb−Ca合金からなる正極格子体および負極格子体を有し、正極板と負極板とがセパレータを介して配置され、同極性の極板耳部がそれぞれ正極ストラップおよび負極ストラップで集合溶接されてなる極板群が電解液に浸漬した鉛蓄電池であって、前記極板群を収納する電槽の開口部に接合された蓋に設けた液口に装着された液口栓を備え、前記液口栓には、電池内のガスを電池外に排出するための排気孔が設けられ、前記排気孔を覆うよう、粘着剤あるいは接着剤等により、前記蓋に貼り合わされたシートを備え、前記シートと前記蓋の貼り合わせ面に、前記粘着剤あるいは前記接着剤を有さない非接合部を設け、前記非接合部は、前記蓋と前記シートとの隙間を通して前記排気孔からの排出ガスを、前記排気孔から離間した位置および前記非接合部に設けた前記シートを貫通する開口で電池外に排出するよう配置し、かつ、前記正極ストラップおよび前記負極ストラップを形成する鉛合金にアンチモンを含まない合金を用いた鉛蓄電池。
  2. 前記正極ストラップおよび前記負極ストラップに接続された極柱および接続体等の内部接続用鉛合金として、アンチモンを含まない鉛合金を用いた請求項1に記載の鉛蓄電池。
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