JP5125040B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池に関するものである。
車両のエンジン始動用やバックアップ電源用といった様々な用途に鉛蓄電池が用いられている。その中でも始動用鉛蓄電池は、エンジン始動用セルモータへの電力供給とともに、車両に搭載された各種電気・電子機器へ電力を供給する。エンジン始動後、電池はオルタネータによって充電される。ここで、充電と放電とがバランスし、電池のSOCがほぼ100%に維持されるよう、オルタネータの出力電圧および出力電流が設定されている。
このような始動用の鉛蓄電池はエンジンルーム内に設置されることが殆どである。したがって、鉛蓄電池の使用温度は40℃以上、さらには80℃といった高温になる頻度も高く、鉛蓄電池は過充電傾向で使用される。
鉛蓄電池を過充電した場合、電解液中の水が酸素ガスと水素ガスに分解され電池外に排出されるため、電解液中の水分が減少する。その結果、電解液中の希硫酸濃度が上昇し、正極板の腐食劣化などにより容量低下が進行する。また、電解液面が低下し、極板が電解液より露出した場合には、放電容量の急激な低下や、負極板とストラップとの接続部が腐食するといった問題が発生する。
このように、特に始動用の鉛蓄電池において、電解液中の水分減少(以下、「減液」という)の抑制は重大な問題である。この鉛蓄電池の減液抑制を目的として、正極格子、負極格子ともにPb−Ca系合金を用いた電池が実用化されている。
一方、鉛蓄電池の減液の原因は前記したような水の電気分解によるものと、単に電解液中の水分の一部が蒸発して発生した水蒸気や、電解液がミスト状となって、それぞれ電池外に放出されることによって発生するものがある。なお、始動用の鉛蓄電池では、車両走行中に振動によって電解液面が激しく揺れ動くため、セル室内部では電解液ミストが発生しやすい。また、充電時に発生したガスが電解液面から離脱する際にも、電解液のミストが発生する。
このような、電解液中の水分蒸発や電解液ミストの、電池外への散逸による電解液の減液を抑制するために、例えば、特許文献1には、液口に装着した液口栓を覆うシートを蓋に粘着剤で貼り付け、液口栓に設けられたガス排気のための排気孔をシートで覆う構成が示されている。
このようなシートがなく、排気孔が電池外部に露出している場合、電池内外の水蒸気分圧差や、電池外の空気流によって、排気孔内部が負圧となり、電池内部の水蒸気や電解液ミストが電池外に排出される。
一方、特許文献1で示された構造により、排気孔と電池外気との間に、シートと蓋との間に狭窄なすき間が形成されるため、電池内の水蒸気や電解液ミストは容易にこの隙間を通過して電池外気に散逸しない。また、排気孔が電池外の空気流に直接暴露されないため、空気流による水蒸気や電解液ミストの電池外への排出が抑制される。
特開2005−276741号公報
特許文献1で示されたような、蓋にシートを貼り合わせる構成は、既存の電池に付加的にシートを貼り合わせて実現できるため、非常に簡便であり、前記したように、減液抑制の効果も高い。
一方、液式の鉛蓄電池において、酸素・水素ガスの発生を完全に防止することはできず、鉛蓄電池を放置あるいは充電するにあたっては必ず酸素・水素ガスの発生が伴っていた。
前記したような、鉛蓄電池を過充電傾向で使用し続けた場合、このような酸素・水素ガスの発生によって、電池内外で圧力差が生じ、電池内の気体が電池外に排出される。その際、この気体の排出と同時に、電池内の水蒸気や電解液ミストの排出も行われ、シート上あるいはシートと蓋との隙間で水や電解液として再び結露することによって、液口栓周囲に微量の電解液あるいは水が滲み出るという現象があった。
また、この滲み出た電解液や水が、蓋とシートの隙間を毛細管現象によって広がり、二蓋とシートとが、これらの電解液・水を介して最終的には、電解液や水が電池外に漏出したり、蓋とシートが密着するために、これら両者の間に貼り付きが発生して、ガスの電池外への排出が妨げられる場合があった。ガスの排出が妨げられた場合、電池内圧が上昇して、電槽やその内部に設けたセル間隔壁が変形する場合があった。このようなセル間隔壁の変形は、隣接するセル室を圧迫してその内容積が低下するため、この隣接するセル室で電解液面が上昇し、電解液が電池外へ漏出する場合があった。
本発明は、前記したような、液口栓をシートで覆った構成を有した液式の鉛蓄電池において、蓋とシートとの間の水や電解液の微量の滲出があり、これらが密着した状態で貼り付いた場合においても、電池内のガスの電池外への放出が行われることによって、電池内圧の上昇や、これによる電槽の変形を抑制するものである。
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、Pb−Ca合金からなる正極格子体および負極格子体を有し、正極板と負極板とがセパレータを介して配置され、同極性の極板耳部がそれぞれ正極ストラップおよび負極ストラップで集合溶接されてなる極板群が電解液に浸漬した鉛蓄電池であって、前記極板群を収納する電槽の開口部に接合された蓋に設けた液口に装着された液口栓を備え、前記液口栓には、電池内のガスを電池外に排出するための排気孔が設けられ、前記排気孔を覆うよう、粘着剤あるいは接着剤等により、前記蓋に貼り合わされたシートを備え、前記シートと前記蓋の貼り合わせ面に、前記粘着剤あるいは前記接着剤を有さない非接合部を設け、前記非接合部において、前記蓋と前記シートとの隙間を通して前記排気孔からの排出ガスを、前記排気孔から離間した位置で電池外に排出するよう前記非接合部を設け、かつ、前記排気孔からの排出ガスを前記シートを通過させて電池外に排出するよう、前記シートの前記排気孔に対応もしくは近接した位置に、通常は閉じられているが電池内圧の上昇によって前記シートが押し上げられた場合に開くスリットを形成した鉛蓄電池を示すものである。
さらに、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の構成を有した鉛蓄電池において、少なくとも2つの前記スリットを、互いに交差せず、かつ近接しあうよう配置したことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1もしくは請求項2の構成を有した鉛蓄電池において、前記正極ストラップおよび前記負極ストラップとして、アンチモンを含まない鉛もしくは鉛合金を用いた鉛蓄電池を示すものである。
前記した本発明の構成によれば、減液特性をより向上する目的で、液口栓の排気孔を覆うシートを蓋に貼り合わせた鉛蓄電池において、シートと蓋の互いに対向する面に電解液もしくは水が滲出し、これら両者が互いに密着した場合においても、電池内ガスの電池外への放出が行われ、またこれにより、電池内圧の上昇およびこれによる電槽の変形が顕著に抑制され、信頼性の高い鉛蓄電池を提供することができる。
以下、本発明の実施形態による鉛蓄電池の構成を説明する。本発明の実施形態による鉛蓄電池1は、図1に示したとおり、Pb−Ca合金の正極格子体を有した正極板2、Pb−Ca合金の負極格子体を有した負極板3とセパレータ4、および同極性の極板をそれぞれ集合溶接する正極ストラップ9と負極ストラップ10とからなる極板群8が、これら正極板2および負極板3の極板面全面を浸漬する電解液5とともに、電槽6のセル室6aに収納され、電槽6の上部に蓋7が接合されている。なお、正極ストラップ9および負極ストラップ10も電解液5に浸漬した状態とする。
蓋7には、セル8に対応して液口7aが設けられ、この液口7aには、液口栓21が装着されている。液口栓21の頭部には、排気孔22が設けられる。なお、振動によって揺れ動いた電解液5が、直接排気孔22に接触することを抑制するため、液口栓21内に防沫体21aを設けてもよい。また、この防沫体21aと排気孔22との間に、従来から知られているような、防爆用のフィルタ21bを設けてもよい。
そして、この排気孔22の上部を覆うシート23が、粘着剤24によって、蓋7に貼り合わされている。なお、シート23はその全面で蓋7に粘着剤24によって貼り合わされているのではなく、少なくとも排気孔22に対応した部分で、粘着剤24が存在しない、非接合部23aを設ける。
非接合部23aは、排気孔22から排出された酸素・水素ガスを電池外に排出する際の、ガス排出路として機能する。したがって、図2に示したように、すべての排気孔22から電池外へのガス排出が行われるよう、例えば、非接合部23aをシート23の端部まで設け、このシート23の端部で最終的にガスが大気に排出させる。なお、図2において、シート23と蓋7との貼り合わせ面において、非接合部23aを除いた部分、すなわち、粘着剤24で貼り合わせた部分を斜線部Aとして示した。
排気孔22に対向してシート23を配置することにより、排気孔22が電池周囲の空気流に暴露されないため、前記したような電池周囲の空気流によって、電池内部の水蒸気や電解液ミストが排気孔22から吸い出される現象が抑制されるため、電解液中の水分蒸発や電解液ミストの電池外への散逸による、減液が抑制される。
また、排気孔22から電池外部にいたる、ガス排出路は、蓋7とシート23間の、狭小な空間(高さ方向の間隙寸法として0.5mm程度以下)として存在するか、あるいは蓋7とシート23とが接触した状態で存在するため、電池内圧が大気圧よりも増大しない限り、電池内のガス、水蒸気や電解液ミストの、電池外への排出は殆ど行われない。これらにより、電解液の減液が顕著に抑制される。なお、このシート23として、耐酸性を有したポリプロピレン樹脂等の0.05〜0.5mm程度の厚みを有したものを用いればよい。
本発明の鉛蓄電池1では、さらに、シート23の排気孔22に隣接した位置にスリット23cを配置する。スリット23cは通常閉じられているが、図3に示したように、電池内圧の上昇によって、排気孔22の周囲で、シート23が押し上げられた場合、スリット23cが開いて、電池内部に滞留したガスがスリット23cを介して電池外に放出されるため、電池内圧の上昇が抑制される。
本発明では、排気孔22の周囲のシート23の上方への変形によって、スリット23cが開く。したがって、スリット23cは、電池内圧の上昇によって、シート23が上方に変形する位置に設ける。
スリット23cは、少なくとも各排気孔22毎に設けることが好ましい。また、スリット23cとしては、図2に示したような、各排気孔22毎に一つのスリット23cとすることもできるが、図4に示したような、各排気孔22毎に、複数のスリット23dを設けることもできる。通常、液口栓21に排気孔22は1個もしくは2個設けられるが、液口栓21の締め付け度合いによって、排気孔22の位置に多少のばらつきが生じる。このばらつきのよっては、排気孔22とスリット23cとの距離が離れる場合がある。
このような場合、電池内圧の上昇によっても、スリット23cでのシート23の上方の変形が少なく、スリット23cが開きずらくなる。したがって、排気孔22位置のばらつきを考慮して、複数のスリット23dを液口栓21の対応させて設ければ、排気孔22の位置がばらついても、常に排気孔22に近接した位置にスリット23dが存在し、この排気孔22に近接したスリット23dが開くことによって、電池内圧の上昇と、これによる電槽の変形を抑制することができる。
図4では、複数のスリット23dを互いに平行に設けた例を示したが、少なくともスリット23dは、互いに交差しないよう、配置することが好ましい。スリット23dが交差した場合、交差した頂点を起点として、スリット23dが常にめくり上がった状態となり、結果として、スリット23dが常時開いた状態となる。そして、排気孔22からのガスや水蒸気あるいは電解液ミストが、常時開いたスリット23dから排出されるため、シート23による減液抑制効果が損なわれる。したがって、電池内圧上昇を安定して抑制するために、排気孔22に対応して、シート23に複数のスリット23dを設ける場合、各スリット23dが互いに交差しないよう、スリット23dを配置することが好ましい。
本発明のさらに好ましい形態として、正極板2同士を接続するための正極ストラップ9、および、負極板3同士を接続するための負極ストラップ10に、アンチモンを含まない鉛合金を用いる。負極ストラップ10にアンチモンが含まれると、負極ストラップ10の水素過電圧が低下し、負極ストラップ10上での水素ガス発生が促進される。また、正極ストラップ9にアンチモンが含まれると、正極ストラップ9の酸化とともに、電解液5に溶出したアンチモンが負極板3上に析出することによって、負極板3の水素過電圧が低下し、負極板3上での水素ガス発生量が増大する。
また、負極板3や負極ストラップ10での水素過電圧の低下によって、充電時の負極電位がより貴に移行する。通常の自動車用やバックアップ用のように、定電圧で鉛蓄電池を充電する場合、充電時の負極電位が貴へ移行した分、正極電位が貴へ移行するため、正極板2上での酸素ガス発生が促進される。また、同時、正極ストラップ9でのアンチモン溶出がより促進され、負極板3での水素ガス発生がさらに進行する。
そのため、正極ストラップ9及び負極ストラップ10にアンチモンを含む鉛合金を用いると、電池内部で発生した酸素・水素ガス気泡が電解液内を上昇し、これらの気泡が電解液面から離脱する際に微小な電解液滴(電解液ミスト)が生じる。これらの電解液ミストは、酸素・水素ガスが排気孔22から排出されると同時にその一部が排出され、シート23面と衝突して、再度電解液滴として結露する。
本発明の好ましい実施形態に形態においては、正極ストラップ9および負極ストラップ10にアンチモンを含まない鉛もしくは鉛合金を用いることによって、電解液ミストの結露の要因となる酸素・水素ガス発生を抑制するため、シート23と蓋7間の電解液滴の滲出と、これによるシート23と蓋7との貼り付きが抑制される。そのため、電池内部のガス滞留による、電池内圧の上昇と、これによる電槽の変形が抑制される。
なお、正極ストラップ9や負極ストラップ10に接続した、極柱12や接続体13についても、アンチモンを含まない、鉛もしくは鉛合金を用いることが好ましい。
アンチモンを含まない鉛合金として、例えば、鉛−スズ合金あるいは鉛−カルシウム合金を用いることができる。なお、鉛あるいは鉛合金中に不可避不純物として含まれ、かつ鉛蓄電池内部でのガス発生量を増大させない程度の量のアンチモン(例えば50ppm以下)を含む場合、本発明においては、実質上、アンチモンを含まない鉛もしくは鉛合金とみなすことができる。
なお、鉛蓄電池1が振動した際の振動溢液や、外部スパークの電池内部への引き込みによる引火を抑制するため、図1に示したように、液口栓21内に、防沫体21aや防爆用のフィルタ21bを配置することができる。
(実施例1)
以下、実施例により、本発明の効果を説明する。本発明例および比較例による鉛蓄電池(JIS D5301における80D26形始動用鉛蓄電池)を作製し、各鉛蓄電池に振動を加えながら電池を過充電したときの減液量を評価した。また、過充電終了後の各電池について、排気孔からの液滲み状態を確認した。さらに、このような液滲みが発生した状態で鉛蓄電池を放置したときの、シートと蓋との貼り付きの有無と、この貼り付きが電池内圧および電槽変形に及ぼす影響を評価した。
(本発明例の電池A)
本発明例の電池Aは、前記した本発明の実施形態による鉛蓄電池である。正極板には鉛−0.07wt%カルシウム−1.6wt%スズ合金を用いたエキスパンド格子を、負極板には鉛−0.07wt%カルシウム−0.3wt%スズ合金を用いたエキスパンド格子をそれぞれ用いた。
セパレータにはポリエチレン樹脂にシリカ、鉱物油を添加した微多孔膜を使用し、これを袋状として正極板を包む形とした。
正極ストラップおよび負極ストラップとしては、アンチモン含有量が0.001wt%未満に制限された、鉛−2.5wt%スズ合金を用いた。また、極柱および接続体については、鉛−2.5wt%アンチモン−0.2wt%砒素合金を用いた。
シートは、0.2mm厚みのポリプロピレン樹脂フィルムの幅40mm×長さ260mmとし、図2に示したように、幅方向の中心に幅20mmの帯状の部分を非接合部とし、この非接合部23a以外の部分でアクリルエマルジョン系粘着剤を用いてシート22を蓋7に貼り合わせた(図2の斜線部A)。なお、非接合部23aが、列状に配置された液口栓21に対応するよう、シート23を蓋7へ貼り合わせた。したがって、排気孔22からの排出ガスは、この非接合部23aに対応した、蓋7とシート23間の隙間を通してシート23の両端から排出される。
さらに、本発明例の電池Aでは、図2に示したように、排気孔22に隣接する位置に7mmのスリット23cを設けた。なお、各排気孔22に設けたスリット23cは仮想的な直線上に設けている。なお、液口栓21内には、図1に示したように、防沫体21aおよび防爆用のフィルタ21bを配置している。
(本発明例の電池B)
本発明例の電池Bは、本発明例の電池Aにおいて、正極ストラップおよび負極ストラップ用の鉛合金として、鉛−2.5wt%アンチモン−0.2wt%砒素合金を用いたものである。
(本発明例の電池C)
本発明例の電池Cは、本発明例の電池Aにおいて、シート23に形成するスリットを図4に示したような、2本のスリット23dを互いに平行に配置したものである。なお、スリット23dはそれぞれ長さが7.0mmであり、2.5mm間隔で配置され、これらのスリット対の2対を液口栓21中心に対して、おおむね点対称の位置に配置した。
(本発明例の電池D)
本発明例の電池Dは、本発明例の電池Bにおいて、シート23に形成するスリットを、本発明例の電池Cと同様のスリット23dとした。
(比較例の電池E)
比較例の電池Eは、本発明例の電池Aにおけるスリット23cを除去し、シート23にスリットを全く設けない電池である。スリットを全く設けない他は本発明例の電池Aと変わらない。
(比較例の電池F)
比較例の電池Fは、比較例の電池Eにおいて、正極ストラップおよび負極ストラップ用の鉛合金として、鉛−2.5wt%アンチモン−0.2wt%砒素合金を用いたものである。
(比較例の電池G)
比較例の電池Gは、本発明例の電池Aのシート23を除去した電池である。その他は本発明例の電池Aに変わらない。
(比較例の電池H)
比較例の電池Hは、本発明例の電池Bのシート23を除去した電池である、その他は本発明例の電池Bに変わらない。
前記した各電池の構成の一覧を表1に示す。
Figure 0005125040
前記した、本発明例および比較例の各電池を60℃の温度雰囲気下で、充電電圧14.5V(最大充電電流25A)で2000時間連続充電する間、1G(30Hz)の加速度で上下方向に振動を加えたときの、電池の質量減を減液量として測定した。また、液口栓の排気孔周囲の水・電解液の滲みや漏出状態を目視外観検査により、確認した。
上記の電池質量減の測定結果および目視外観結果の結果を表2に示す。なお、減液量は、比較例の電池Hの減液量を100%としたときの百分率で示した。
Figure 0005125040
表2に示した結果から、液口栓の排気孔を覆うシートを蓋に貼り合わせた電池A〜Fは、シートを使用しない電池G、Hに比較して減液量が顕著に抑制されている。なお、シートを蓋に貼り合わせることにより、シートと蓋との隙間に水・電解液の滲みが発生するが、微小な液滴がシート側に付着している程度であり、電池外に漏出するような量ではなかった。
充電終了後、これらの電池を60℃の恒温槽(湿度0RH%)に168時間放置した。その後、各電池を4.8Aの定電流で充電したときの、電池内圧の最大値と電槽の変形状態を確認した。本試験では、充電によって電池内部でガスを故意に発生させ、そのときの電池内圧上昇によってシートと蓋の貼り付き状態を評価する。ガス発生に伴って、電池内圧が上昇する場合には、シートと蓋とが密着し、電池内部のガスが電池外部に排出できない状態に陥っていることがわかる。一方、電池内圧上昇が電槽変形を引き起こすようなレベルまで上昇しないときには、シートと蓋間に、電池内部のガスが電池外部に排出する経路が確保されており、安全上、問題のないことが確認できる。
本実施例においては、4.8Aの定電流充電時における電池内圧を連続して計測し、その挙動を観測した。なお、電池内圧が20kPa、すなわち、著しい電槽変形が生じるレベルに到達した場合には、充電を停止した。表3に各電池の電池内圧の挙動を示す。
Figure 0005125040
表2に示したように、シートにスリットを設けない電池Eおよび電池Fについては、放置を経て充電した際に、電池内圧の異常上昇と顕著な電槽変形が認められた。これらの電池では、いずれも排気孔の周囲がシートと密着した状態になり、排気孔からのガス排出が妨げられていた。これは2000時間の連続充電によってシート表面に付着した電解液を含んだ液滴によって、シートと蓋が密着した状態となり、高温状態で放置されることによって、シートと蓋が半ば固着した状態に陥っていた。
一方、シートを用いない、電池Gおよび電池Hについては、当然のことながら、顕著な内圧上昇はない。但し、液口栓に設けた防爆用のフィルタによる通気抵抗によって、電池内圧は大気圧よりも、それぞれ1.0kPaおよび1.2kPa増加した。この程度の内圧は電槽変形に至るものではない。
本発明による電池A〜電池Dについては、シートを用いているにもかかわらず、内圧値の顕著な上昇はなく、電槽変形も抑制されていた。特に、スリット23dを複数本平行に形成した電池Cおよび電池Dについては、シートを用いない、電池Gおよび電池Fと全く同レベルの内圧上昇に留まっていた。これは、スリットを複数設けることによって、排気孔の位置が多少ばらついたとしても、常に排気孔に近接した位置にスリットが配置されるため、安定してスリットからガスが排出できたと考えられる。したがって、スリットを複数設けた電池Cおよび電池Dが、電池Aおよび電池Bに比較してより好ましい。
本発明の電池では、排気孔に近接して設けたスリットを設けることによって、電池内圧が上昇した場合にのみ、スリットが開いて電池内部のガスを排出する、作用を有するため、シートと蓋との間に若干の電解液が付着して両者が密着した場合においても、このスリットより電池内部で発生したガスの排出が行われるため、電池内圧の異常上昇とこれによる電槽変形が抑制される。
また、ストラップ用の鉛合金に関しては、正極・負極ともにアンチモンを含まない、鉛−スズ合金を用いた電池Aおよび電池Cが、鉛−アンチモン合金を用いた電池Bおよび電池Dに比較して、電池内圧の上昇も抑制され、排気孔からのガス排出が円滑に行われ、さらには減液が抑制されるため、最も好ましい。
以上のことから、本発明によれば、排気孔を覆うシートを蓋に貼り合わせることによって、鉛蓄電池の減液特性を改善するとともに、シートと蓋に貼り合わせた場合に発生していた排気孔付近でのシートと蓋との密着による排気孔の閉塞と、これによる電池内圧の異常上昇と電槽変形を抑制できることが確認できた。
本発明は鉛蓄電池における減液を極めて顕著に抑制するとともに、排気孔の閉塞が抑制され、充電時においても異常な内圧上昇や、電槽変形が生じない、信頼性に優れた、液式の始動用鉛蓄電池をはじめとする、様々な用途の液式の鉛蓄電池に好適である。
本発明の鉛蓄電池を示す断面図 本発明の鉛蓄電池を示す図 スリットが開いた状態を示す図 本発明の鉛蓄電池を示す図
符号の説明
1 鉛蓄電池
2 正極板
3 負極板
4 セパレータ
5 電解液
6 電槽
6a セル室
7 蓋
7a 液口
8 極板群
9 正極ストラップ
10 負極ストラップ
11 端子
12 極柱
13 接続体
21 液口栓
21a 防沫体
21b フィルタ
22 排気孔
23 シート
23a 非接合部
23c スリット
23d スリット
24 粘着剤

Claims (3)

  1. Pb−Ca合金からなる正極格子体および負極格子体を有し、正極板と負極板とがセパレータを介して配置され、同極性の極板耳部がそれぞれ正極ストラップおよび負極ストラップで集合溶接されてなる極板群が電解液に浸漬した鉛蓄電池であって、前記極板群を収納する電槽の開口部に接合された蓋に設けた液口に装着された液口栓を備え、前記液口栓には、電池内のガスを電池外に排出するための排気孔が設けられ、前記排気孔を覆うよう、粘着剤あるいは接着剤等により、前記蓋に貼り合わされたシートを備え、前記シートと前記蓋の貼り合わせ面に、前記粘着剤あるいは前記接着剤を有さない非接合部を設け、前記非接合部において、前記蓋と前記シートとの隙間を通して前記排気孔からの排出ガスを、前記排気孔から離間した位置で電池外に排出するよう前記非接合部を設け、かつ、前記排気孔からの排出ガスを前記シートを通過させて電池外に排出するよう、前記シートの前記排気孔に対応もしくは近接した位置に、通常は閉じられているが電池内圧の上昇によって前記シートが押し上げられた場合に開くスリットを形成した鉛蓄電池。
  2. 少なくとも2つの前記スリットを、互いに交差せず、かつ近接しあうよう配置したことを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記正極ストラップおよび前記負極ストラップとして、アンチモンを含まない鉛もしくは鉛合金を用いることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の鉛蓄電池。
JP2006251054A 2006-09-15 2006-09-15 鉛蓄電池 Active JP5125040B2 (ja)

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