JP5151064B2 - 光学素子の固定接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、レーザプリンター、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置に書込みユニットとして装備される光走査装置、この光走査装置に複数のレーザービームに応じて配置される光学素子、この複数の光学素子の固定接合方法および上記光走査装置を用いた画像形成装置に関するもので、上記光学素子を、多段重ねにして固定するに当たっての固定方法ないしは固定構造に関するものである。
複数のレーザー光源から出射された各レーザービームを、偏向手段および結像手段を介してそれぞれ像担持体としての感光体表面に導き、この感光体表面にて画像情報に応じて画像を形成する多色画像形成装置があり、この多色画像形成装置に対応することができる光走査装置がある。
近年、多色画像形成装置の高速化、高画質化要求に対応するために、像担持体としての4つの感光体ドラムを出力紙ないしは転写紙の搬送方向に配列してなる、いわゆるタンデム方式の画像形成装置が実用化されている。タンデム方式の画像形成装置は、光走査装置により各感光体ドラムに対応した複数のかつ各色成分に対応した画像信号で変調されたビームで各感光体ドラムを同時露光し、各感光体ドラムにそれぞれの色成分に対応した静電潜像を形成するように構成されている。各静電潜像は、それぞれに対応して配置された現像機により、各静電潜像に対応した異なる色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の現像材で現像され、現像された画像は転写紙などに順次重ね合わせながら転写されてカラー画像が形成されるように構成されている。このようなカラー画像を形成する装置は、デジタル複写機やレーザプリンターなどにおいて実用化されている。
このような画像形成装置における光走査は、複数の走査手段を用いて行なわれるが、複数の走査手段を配置するために大きなスペースが必要になり、光走査装置を含めた画像形成装置全体が大型化することになる。そこで、複数のレーザービームを単一の偏向器に入射させて走査し、光学素子である結像レンズを副走査方向に層状に重ねて一体的に配置してなる光走査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、光学素子を副走査方向に層状に重ねて一体的に構成し、これを位置決めして配置するための手段として、筐体に2層目以降の取付け基準を設けて積層する方法、および光学素子に基準を設けて積層する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載されている発明によれば、光学素子に2層目以降の取付け基準を設けることにより、光学素子の位置決めを精度よく行うことができ、精度のよい光走査により良好な画像を得ることができる。
しかしながら、特許文献2に記載されている、筐体に2層目以降の取付け基準を設けて積層する方法は、光学素子に位置決めのための手段が設けられていないため、1層目と2層目では走査方向に関する位置合せを均等に行うことができず、位置合せに時間がかかり、生産コストが高くなる難点がある。また、特許文献2に開示されている、光学素子に基準を設けて積層する方法は、光学素子に基準が設けられていることにより、1層目と2層目では走査方向に関する位置合せを均等に行うことができ、位置決め精度を高めることができるが、1層目と2層目では同一の光学素子を使用することができない構造になっている。そのため、多段に積み重ねるためには、長尺方向の形状が異なる光学素子を作製しなければならず、コストが高くなる難点がある。
そこで、光学素子の精度を極端に上げる必要がなく、走査方向に関する位置合せ精度を高めることができ、光学素子を複数段重ねて配置する場合の位置決めが簡易にできる共通の光学素子として、光学素子のレンズ面の端部に設けた長手方向の位置決め用のリブを基準に、1層目の光学素子と2層目以降の光学素子を層状に積層する光学素子およびこの光学素子を備えた光走査装置において、レンズ上面又は下面にある転写面の凹部以外の長手方向中央付近を固定することが提案されている。しかしこの場合、接着位置・接着面積等の条件により、光学素子に加えられる荷重の不均衡および荷重そのものの大きさにより、光学素子取付け姿勢を不安定にし、かつ光学素子自身の変形を発生させ、光学特性を劣化させる懸念があった。
ここで、本出願にかかる発明に関連のある発明として、本出願人の出願にかかるプラスチック光学素子の例について説明しておく。これは、凹部を含む面を形成するキャビティ駒の一部が摺動自在に設けられ、転写面およびキャビティ駒によって少なくとも1つ以上のキャビティが画成された一対の金型を準備し、この金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、上記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、次いで、上記転写面に樹脂圧力を発生させて樹脂を転写面に密着させた後、樹脂を軟化温度以下に冷却するときに、摺動自在に設けられた上記キャビティ駒を樹脂から離隔するように摺動させ、樹脂とキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成することにより転写面以外の面の一部に凹形状の不完全転写部を形成する方法により得られるプラスチック光学素子である(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
特開平4−127115号公報 特開平10−3052号公報 特開2000−141413号公報 特開平11−028745号公報
本発明は、光学素子および光走査装置の形状・構成を複雑にすることなく、光学素子への荷重の均衡とその大きさを低減および制御することで、光学素子の取付け姿勢を安定にし、かつ、光学素子自身の変形量を制御でき、光学特性の劣化を抑えることが可能な光学素子、その固定接合方法、光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、特許文献3,4に記載されているようなプラスチック光学素子を用いるにあたり、光学素子の取付け姿勢を安定にし、かつ、光学素子自身の変形量を制御でき、光学特性の劣化を抑えることが可能な光学素子、その固定接合方法、光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、請求項1に記載されているように、少なくとも1つの転写面に接合基準としての凸形状のボスを設けるとともに、レンズ面の長手方向端部に位置決め用のリブを設け、複数の光源から出射されて偏向された光ビームを光走査するために複数層に積層してなる光学素子を固定接合する方法であって、上記凸形状のボスの上記レンズ面の長手方向両側に接着部を設けておき、上記位置決め用のリブを基準にして複数の光学素子を層状に積層し、上記接着部で、上記光学素子を筐体または他の光学素子と固定接合することを特徴とする。
請求項2記載の発明のように、請求項1に記載の光学素子の固定接合方法において、筐体または他の光学素子と固定接合するため接着部は、凸形状のボスを中心に対称位置に設けかつ均一な接着剤塗布量にするとよい。
請求項記載の発明のように、請求項1〜に記載の光学素子の固定接合方法において、凸形状のボスとこのボスを中心に対称位置に設けられた複数の接着部を組としてなり、このボスと接着部の組が複数組設けるとよい。
請求項記載の発明のように、請求項記載の光学素子の固定接合方法において、複数組からなるボスと接着部の組を光学素子の長手方向に離間して設けることによって、ボスと組をなす接着部が光学素子の中央側接着部と鍔部側接着部からなっているとよい。
請求項記載の発明のように、請求項1〜のいずれかに記載の光学素子の固定接合方法において、接着剤として、紫外線硬化型または電子線硬化型または熱硬化型の接着剤を用いるとよい
請求項記載の発明のように、請求項1〜のいずれかに記載の光学素子の固定接合方法において、同一形状の複数の光学素子を層状に積層するとよい。
請求項記載の発明のように、請求項1〜のいずれかに記載の光学素子の固定接合方法において、複数の光学素子を順次積層し、積層する毎に順次接着するようにしてもよい。
発明によれば、光学素子の転写面に形成されている凸形状のボスの近傍に設けた複数の接着部で光学素子を筐体または他の光学素子に固定接着することにより、さらには、上記接着部をボスを中心に対称位置にかつ均一な接着剤塗布量とすることにより、接着剤の硬化収縮力による凸方向や凹方向の反り変形が生じることなく、取付け姿勢が安定した高精度の固定接着を容易に実現することができる。この固定接着方法を光走査装置の光学素子の固定方法に採用することにより、光ビームの走査線傾きや走査線曲がりなどが改善され、光学特性が良くなる。
また、本発明によれば、各ボスを中心にして対称に位置する光学素子の中央側接着剤と、鍔部側接着剤に塗布量差を生じさせ、あるいは、接着剤の塗布面積を左右不均一にし、塗布面積に差を生じさせた状態で、筐体または、他の光学素子とを固定接合することにより、接着後の光学素子に凸方向または、凹方向の反り変形を意図的に生じさせることができる。また、接着剤の塗布量差を制御することで、光学素子の反り量を制御することが可能となる。これにより、接着前に凸方向や凹方向に反り変形が生じている光学素子であっても、これを接着剤の塗布量差を生じさせた状態で筐体または他の光学素子と固定接合することにより、接着後には凸方向や凹方向の反り変形なくすことができる。また、接着剤の塗布量差を制御することで任意の反り変形量を得ることができる。その結果、取付け姿勢が安定し、位置決め精度の高い接着を簡易に行うことができると共に、この固定接合方法を光走査装置の光学素子に採用することにより、ビームの走査線傾きや走査線曲がりなどの光学特性を改善することができる。
また、本発明によれば、光学素子を固定するための各接着個所に対し、硬化に使用するエネルギー照射装置およびこの照射装置からエネルギーを導くための装置を使用して、各接着個所の接着剤に同じ量のエネルギーを与えることで、各接着個所における接着剤の硬化収縮量を均一化することができる。その結果、光学素子取付け時の、光学素子の取付け姿勢を安定させ、光学特性を安定させることができる。
また、本発明によれば、光軸中心位置とレンズ面の長手方向の曲率半径中心を合わせて位置決めすることができ、かつ、共通の光学素子を用いて複数段配置する場合の各光学素子の位置決めを簡易に行うことができる。また、光学素子を層状に積層し、積層毎に順次接着することによって、接着固定による位置ずれを低減することができ、光学素子の位置決め精度を高めることができる。これによって、位置合せなどの調整時間を短縮することができ、共通の光学素子を用いることより、光走査装置やこれを用いた画像形成装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
本発明の実施例の説明に入る前に、本発明のターゲットとしている2つの走査光学装置の例について説明する。
1つの例は図1および図2に示すような光走査装置の例である。図1、図2において、樹脂の一体成形品からなる筐体1には、レーザー光源2とシリンドリカルレンズ3が配置されている。シリンドリカルレンズ3はレーザー光源部2から発するレーザー光を偏向器であるポリゴンスキャナユニット4の偏向反射面近傍に集光させる。このポリゴンスキャナユニット4に組付けられている回転多面鏡4aは、一定の回転速度で駆動されることによりレーザー光を等角速度で偏向する。このポリゴンスキャナユニット4にて偏向されるレーザー光は、積層された光学素子5等により、筐体1の外部に配置された像担持体としてのドラム状感光体6の表面に結像され、かつ、光学素子5が備えているfθ機能により感光体6の表面を感光体6の回転中心軸線と平行な方向に等速度で走査されるようになっている。この走査方向を主走査方向といい、主走査によってレーザー光が描く扇形の平面を主走査平面といい、主走査平面に直交する方向を副走査方向という。レーザー光源2に備えられた半導体レーザーの数は1つに限られず、2以上として複数のレーザービームで走査することができる。図1、図2に示す例は、2つのレーザー光がそれぞれ回転多面鏡4aの上下の偏向反射面で偏向反射され、光学素子5の上下を透過し、適宜のミラー7で反射されることにより、平行に配置された2つの感光体6の表面にそれぞれ導かれるように構成されている。
走査光学装置のもう1つの例は、多色画像形成を目的とした図3および図4に示すような光走査装置である。図3、図4において、筐体1には複数のレーザー光源2が配置され、複数のレーザー光源2から発する複数のレーザー光を1つのポリゴンスキャナユニット4にて偏向するように構成されている。筐体1の外部には、各レーザー光源2に対応する複数のドラム状の感光体6が、ポリゴンスキャナユニット4を挟んで互いに対向した形で配置されている。ポリゴンスキャナユニット4が有している回転多面鏡4aが一定の速度で回転駆動されることにより各レーザー光が等角速度で偏向され、偏向されたレーザー光は、積層された光学素子5等により感光体6の表面に結像し、かつ、光学素子5のfθ機能により感光体5の表面を問う速度で走査されるようになっている。
図3、図4に示す例では、ポリゴンスキャナユニット4を挟んでレーザー光源2、シリンドリカルレンズ3が左右に2個ずつ、光学素子5が左右に1個ずつ、感光体6が左右に2個ずつ、対称に配置されている。左右2個ずつの感光体6は左右方向に並んで配置され、光学素子5を透過した各レーザー光がそれぞれに対応する感光体6の表面に導かれるように、適宜数のミラー7が適宜の位置に配置されている。個々のレーザー光源2に備えられた半導体レーザーの数は1つに限られず、2以上として個々のレーザー光源2から複数のレーザー光が射出されるようにすることができる。
図5、図6に、結像レンズとしての上記光学素子5を斜視図で示す。図5、図6において、光学素子5は、プラスチック部材により形成されている。光学素子5のレーザー光の入出射面をレンズ面52とすると、一方のレンズ面52が主走査方向に湾曲することによって主走査方向の中央部がレーザー光の透過方向に関して厚肉になっている。光学素子5はレーザー光の透過方向に平行な2面を有し、この2面が転写面56となっている。一方の転写面56にはこの転写面56から円筒形状に突出してなるボス51が複数個所に形成されていて、各ボス51の先端面は第一基準面51aとなっている。光学素子5は、長手方向の両端から長手方向に伸び出た鍔部54を有している。各鍔部54の裏面は平面形状になっていて、光学素子5を筐体1に取り付けるに当たっての取付け基準面55となっている。このように、光学素子5は偏肉形状に作製されている。
光学素子5の上記転写面56は平面に形成されており、レンズ面52の高さ方向(厚さ方向)の両端縁には、長手方向側の両端部にまたがって外形リブ53が形成されている。また、光学素子5の長手方向の位置決め精度を上げるために、長手方向の両端部には、外形リブ53に連続しかつ外形リブ53よりも突出して基準リブ53aが形成されている。
図6は光学素子5を図5に示す面とは反対側から示している。図6に示すように、光学素子5の図5に示す転写面56に対し反対側の転写面56には、長手方向に広がった凹形状の不完全転写部61が形成されており、不完全転写部61以外の面は、平面に形成されている。不完全転写部に関しては既に説明した。
次に、本発明に係る光学素子の固定接着方法、光学素子、光走査装置および画像形成装置の実施例について説明する。なお、光学素子の成形方法に関する図示は省略する。本発明が対象としている光学素子は、特許文献3、特許文献4に記載されているようなプラスチック光学素子である。プラスチック光学素子を用いる場合において、上述した図5、6に示すような光学素子5を使用し、レンズ面52の端部に設けた長手方向の位置決め用の基準リブ53aを基準にして、1層目の光学素子5と2層目以降の光学素子5を層状に積層して固定接合する。実施例では光学素子を2層に積層しているが、本発明は光学素子の層数が複数であればよく、2層構成に限定されるものではない。
図7は、光学素子5の固定接合方法の実施例を示す平面図である。図7において、光学素子5は、筐体1又は他の光学素子5と固定接合するために、光学素子5の転写面56に形成されている円筒形状でかつ凸形状のボス51の近傍に、複数の接着部71が設けられている。各接着部71は、光学素子5の転写面56の周縁部に設けられている。これらのボス51近傍に設けられた接着部71が有する接着剤73は、各々のボス51の左右に対称に、光学素子5の転写面56の周縁に沿って位置しており、左右の塗布量は均一になっている。一つのボス51とその両側の接着部71の組を1組とすると、ボス51と接着部71の組は複数組設けられる。図示の実施例では、光学素子5のビーム入射側(図7において下側)の縁部に、光学素子5の長手方向中心から等距離離れた2箇所に設けられるとともに、ビーム出射側の縁部の、光学素子5の長手方向中心位置1箇所に設けられている。このように、図示の例では3箇所に接着部71が設けられているので、接着剤73は6箇所に位置している。本実施例では、接着剤73として紫外線硬化型接着剤を用いた。ボス51およびその先端面は、光学素子5のレンズ面52の基準面および光学素子5の取付け基準面となっている。
光学素子5を固定すべき筐体1または他の光学素子5にも、固定しようとする光学素子5に塗布する接着剤73と同様に、各々のボス51を挟んで接着剤73を左右対称にかつ塗布量を均一にして塗布する。本実施例では上記のように接着個所は6箇所であるから、光学素子5を固定すべき筐体1または他の光学素子5にも6箇所に例えば紫外線硬化型接着剤を塗布する。図7に示すように、光学素子5が有する基準リブ53aおよび取付け基準面55を、それぞれ治具側の基準72に突き当てて光学素子5の位置決めを行う。基準リブ53aの、光学素子5の長手方向外側面を冶具側の基準72に突き当てることにより、光学素子5の長手方向の位置決めがなされる。光学素子5の取付け基準面55を治具側の基準72に突き当てることにより、光学素子5の光ビーム透過方向の位置決めがなされる。この状態で各箇所の接着剤73に紫外線を一定の照射強度でかつ同一時刻に照射すると、接着剤73が硬化し、光学素子5が固定される。
接着剤73は、硬化するときに収縮するため、光学素子5に負荷(荷重)が生じる。しかし、接着剤73は各々のボス51を挟んで対称に、かつ、塗布量も左右均一であることより、光学素子5は接着固定前後で凸方向や凹方向の反り変形が生じることなく、安定した姿勢で固定され、あるいは光学素子5同士が接合される。このような光学素子5の固定工程は、予め複数の光学素子5を層状に積層した状態で実施することも可能であり、光学素子5を1つずつ重ねながら接合することも可能である。
図8、図9は、光学素子5の固定接合方法の別の実施例を示す平面図である。この実施例では、光学素子5のビーム入射側83に設けられた2つのボス51と接着剤に特徴があるので、この2つのボス51と接着剤について説明する。図8、図9において、光学素子5のビーム入射側83に設けられた2つのボス51の左右に対称に位置する接着剤は、光学素子5の中央側接着剤81と、鍔部側接着剤82とで塗布量に差を生じるように塗布されている。図8に示す実施例は、中央側接着剤81の塗布量よりも鍔部側接着剤82の塗布量が多く、鍔部側接着剤82の接着剤塗布面積が、中央側接着剤81の接着剤塗布面積よりも大きくなっている。ビーム出射側に設けられたボス51の左右に位置する接着剤の塗布量は均等である。図9に示す実施例は、中央側接着剤81の塗布量よりも鍔部側接着剤82の塗布量が少なく、鍔部側接着剤82の接着剤塗布面積が、中央側接着剤81の接着剤塗布面積よりも小さくなっている。ビーム出射側に設けられたボス51の左右に位置する接着剤の塗布量は均等である。
接着剤の塗布量に差を生じさせると、接着剤の塗布面積は左右不均一となり、この塗布面積に差が生じことよって、接着剤73の硬化収縮力が変化し、ボス51の両側における硬化収縮力に差が生ずる。上記のように、中央側接着剤81と、鍔部側接着剤82とに、塗布量差を生じさせた状態で紫外線を照射すると、中央側接着剤81と鍔部側接着剤82では硬化収縮量が違うため、接着固定後の光学素子5に凸方向または、凹方向の反り変形が生じる。この反り変形は意図的に生じさせるもので、中央側接着剤81と鍔部側接着剤82の塗布量差を制御することで、光学素子5を任意の反り変形量に制御することを可能としている。
図示されていないが、光学素子5は、紫外線硬化型の接着剤、電子線硬化型の接着剤または熱硬化型の接着剤などを用いた接着固定の方法により、筐体1に固定され又は他の光学素子5と一体に固定されている。光学素子5を固定する接着部に対し、硬化に使用する紫外線、熱線または電子線などのエネルギーを、複数の接着部(本実施例では3箇所)総てに同時に供給する必要がある。本発明では、接着部の数だけのエネルギー源、又は、エネルギー源からエネルギーを各接着部に導くための装置を使用して、接着部全てにエネルギーを照射可能とするとともに、シャッターの開閉制御等によって略同時にエネルギーの照射を開始させることで、接着剤の硬化を同時に開始させるようにしている。
曲率半径の中心位置が、高精度に転写された光学素子5であることより、同一の基準で位置決めを行えば、何層に積層しても、光学素子5の曲率半径の中心位置を高精度に位置決めすることができる。
また、光学素子5の両転写面56のうちどちらか片側の転写面のボス51により、光学素子5の高さ方向の位置決めを行う。また、ボス51の高さ(突出長さ)によって決まる筐体1と光学素子5の間隔を任意の間隔に設定可能とするために、光学素子5を固定するための接着剤73の接着層の厚さを制御し、接着剤の硬化収縮によって光学素子5に加わる負荷(荷重)を制御している。本実施例では、ボス51を円筒形状としているが、固定する相手に3箇所で面接触できる形状であれば円筒形状でなくてもよい。
相互に接着しあう光学素子5は同一形状であるため、図2、図4に示すように同じ光学素子5を何層にでも重ねかつ接着して使用することができ、位置決めも容易である。光学素子5を固定するには、複数の光学素子5が層状に積層された状態で行なうことも可能であり、光学素子5を1つずつ固定しながら積層することも可能である。
光学素子5をプラスチック素材で製作することで、接着剤73の硬化収縮力を利用して、光学素子5を意図的にかつ迅速に(数秒で)、凸方向や凹方向に反り変形させることが可能となる。
紫外線硬化型の接着剤を使用する接着固定方法により、光学素子5が筐体又は他の光学素子と固定されてなる光走査装置を、画像形成装置に搭載することにより、高画質の画像を得ることが可能な画像形成装置を構成することができる。この画像形成装置は電子写真プロセスを実行することによって画像を形成するもので、像担持体としての感光体を中心にして、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの各プロセスを実行するための装置が配置されている。上記露光プロセスを実行するための装置が図1ないし図4について説明したような光走査装置で、この光走査装置が備えている光学素子は、これまで説明してきたように構成され、かつ、これまで説明してきた方法によって固定接合されている。したがって、本願発明に係る画像形成装置によれば、光ビームの走査線傾きや走査線曲がりなどが改善され、光学特性の良好な光走査装置によって、精度および品質の高い画像を安定に得ることができる。
また、本発明に係るカラー対応の画像形成装置によれば、各カラーに対応した高精度および高品質の画像を得ることができるため、これらの画像を重ね合わせた高精度および高品質のカラー画像を安定して形成することができる。
一般的な光走査装置の例を主走査面に対向する方向から見た平面図である。 上記光走査装置を副走査面に対向する方向から見た正面図である。 一般的な光走査装置の別の例を主走査面に対向する方向から見た平面図である。 上記光走査装置を副走査面に対向する方向から見た正面図である。 上記光走査装置に使用される光学素子の一例を示す斜視図である。 上記光走査装置に使用される光学素子の別の例を示す斜視図である。 本発明に係る光学素子およびその固定接合方法の一実施例を示す斜視図である。 本発明に係る光学素子およびその固定接合方法の他の実施例を示す斜視図である。 本発明に係る光学素子およびその固定接合方法のさらに他の実施例を示す斜視図である。
符号の説明
5 光学素子
51 ボス
53 外形リブ
53a 基準リブ
55 取付け基準面
71 接着部
72 治具側の基準
73 接着剤
81 中央側接着剤
82 鍔部側接着剤

Claims (7)

  1. 少なくとも1つの転写面に接合基準としての凸形状のボスを設けるとともに、レンズ面の長手方向端部に位置決め用のリブを設け、複数の光源から出射されて偏向された光ビームを光走査するために複数層に積層してなる光学素子を固定接合する方法であって、
    上記凸形状のボスの上記レンズ面の長手方向両側に接着部を設けておき、
    上記位置決め用のリブを基準にして複数の光学素子を層状に積層し、
    上記接着部で、上記光学素子を筐体または他の光学素子と固定接合することを特徴とする光学素子の固定接合方法。
  2. 請求項1に記載の光学素子の固定接合方法において、筐体または他の光学素子と固定接合するための接着部は、凸形状のボスを中心に対称位置に設けかつ均一な接着剤塗布量とした光学素子の固定接合方法。
  3. 請求項1または2に記載の光学素子の固定接合方法において、凸形状のボスとこのボスを中心に対称位置に設けた複数の接着部を組とし、このボスと接着部の組を複数組設けた光学素子の固定接合方法。
  4. 請求項3記載の光学素子の固定接合方法において、複数組からなるボスと接着部の組を光学素子の長手方向に離間して設けることによって、ボスと組をなす接着部を光学素子の中央側接着部と鍔部側接着部で構成した光学素子の固定接合方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子の固定接合方法において、接着剤として、紫外線硬化型または電子線硬化型または熱硬化型の接着剤を用いる光学素子の固定接合方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子の固定接合方法において、同一形状の複数の光学素子を層状に積層する光学素子の固定接合方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子の固定接合方法において、複数の光学素子を順次積層し、積層する毎に順次接着する光学素子の固定接合方法。
JP2006129977A 2006-05-09 2006-05-09 光学素子の固定接合方法 Expired - Fee Related JP5151064B2 (ja)

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