JP5150378B2 - 端子金具付き電線及び端子金具 - Google Patents
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Description
具体的には、例えば、端子金具をアンビル上に位置決めし、被覆電線の露出させた芯線を端子金具の底板部上に載置する。底板部の両側部からは、一対のバレル部が立ち上げられて形成されており、アンビルの上方に配されたクリンパを降下させると、バレル部の先端部がクリンパに押し下げられ当該先端部が芯線に食い込んでいく。これにより、芯線と端子金具とが圧着接続されるようになっている(特許文献1参照)。
しかしながら、セレーションにより酸化膜を破る方法では、酸化膜の除去性能が充分でなく、導電性の改良の余地があった。
このような構成とし、端子金具の圧着に伴ってカシメ先行部がバレル主体部に先行して芯線に食い込むことにより、カシメ先行部によって圧縮された芯線がバレル主体部の延出端縁に対して摺接しながら塑性変形するようにすればよい。
このような構成とし、端子金具の圧着に伴ってカシメ先行部がバレル主体部に先行して芯線に食い込むことにより、カシメ先行部によって圧縮された芯線がバレル主体部の延出端縁に対して摺接しながら塑性変形するようにすればよい。
以下、本発明を具体化した参考例1の端子金具付き電線10について、図1〜図9を参照して説明する。
本参考例の端子金具付き電線10は、図1に示すように、被覆電線20の端末部に端子金具30が圧着接続されてなり、例えば電気自動車において走行用の動力源を構成するバッテリ、インバータ、モータなどの装置(図示せず)の間に配索されるものである。
電線接続部40は、被覆電線20を保持する電線支持部41と、芯線21と接続される芯線接続部45と、を有する。
バレル主体部51は、前後方向に長い長方形状をなし、底板部46の両側部からそれぞれ外方(幅方向)に延出されている。
そして、芯線21がバレル部50に圧着された際には、このカシメ先行部55の全体及び第2カシメ部51A,51Aの部分が芯線21の内部に食い込むことになる。
端子原板に圧着工程が行えるように曲げ加工を施す(図2参照)。
図2に示すように、被覆電線20の露出した芯線21を、曲げ加工を施した端子金具30の電線接続部40に載置した状態で、端子金具30をアンビル70上に位置決めし、アンビル70及び端子金具30の上方に配されたクリンパ71を下降させる。
なお、芯線21の伸びが生じた部分は、バレル部50,50により圧縮されているため、芯線21の伸びと一緒に当該部分の芯線21と接している第1カシメ部55A及び第2カシメ部51A,51A(延出端縁)の部分についてもやや伸びが生じるが、相対的な伸びの大きさが異なるため、芯線21と第2カシメ部51A,51Aとの間に擦れが生じて酸化膜が破られるようになっている。
このとき、図9に示すように、第2カシメ部51A,51Aに芯線21が圧縮されることにより、芯線21は、芯線21の圧縮されていない方向に逃げが生じ(図9の矢印方向)、このときの逃げにより第2カシメ部51A,51Aと芯線21の間が擦れる。
そして、これにより、端子金具付き電線の圧着が終了する。
なお、説明を省略したが、クリンパ71は、電線支持部41についてもかしめるようになっており、上記したクリンパ71の下降により、上記した圧着とほぼ同時に被覆電線20が電線支持部41にかしめられるようになっている。
次に、本発明の実施形態1を図10ないし図18を参照して説明する。
参考例1の端子金具30は、カシメ先行部55が長方形状であったが、実施形態1の端子金具30は、カシメ先行部155が三角形状をなす構成である。なお、参考例1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
被覆電線20の露出した芯線21を、曲げ加工を施した端子金具30の電線接続部40に載置した状態で、端子金具30をアンビル70上に位置決めし、アンビル70及び端子金具30の上方に配されたクリンパ71を下降させる(図2)。すると、端子金具30のバレル部150,150が、クリンパ71の内面形状に応じて芯線21を包み込むような形状に変形していく。そして、図11に示すように、カシメ先行部155の先端部のエッジ部分155Cが芯線21の上部周面に突き当てられて芯線21が変形する。このときの変形は、芯線21の前後方向には、図12に示すように、芯線21が圧縮されて芯線21とエッジ部分155Cとの間に擦れが生じ、芯線21の周囲の酸化膜が破られる。
そして、これにより、端子金具付き電線の圧着が終了する。
本発明の参考例2を図19ないし図27を参照して説明する。
参考例2は、図19に示すように、バレル部250,250の延出端部の軸方向における前端から後端まで(延出端部のうち軸方向の前縁から後縁までの全ての部分)が、芯線21の先端側ほど底板部46に近づく傾斜部255Aが形成(傾斜状に形成)されている。
被覆電線20の露出した芯線21を、曲げ加工を施した端子金具30の電線接続部40に載置した状態で、端子金具30をアンビル70上に位置決めし、アンビル70及び端子金具30の上方に配されたクリンパ71を下降させる。すると、端子金具30のバレル部250,250が、クリンパ71の内面形状に応じて芯線21を包み込むような形状に変形していく。そして、図20に示すように、バレル部250,250の先端部のエッジ部分が芯線21の上部周面に突き当てられて芯線21が変形する。このときの変形は、芯線21の前後方向には、図21に示すように、芯線21が圧縮されて芯線21とエッジ部分との間に擦れが生じ、酸化膜が破られる。
そして、さらにクリンパ71を下降させると、図26,図27に示すように、傾斜部255Aの全体が更に芯線21内部に食い込み、端子金具付き電線の圧着が終了する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。
(1)参考例1の構成に代えて、外方(延出方向)ほど小さくなる長方形状のカシメ先行部を多段に構成するようにしてもよい。これにより、芯線21を摺接させる延出端縁が複数設けられるから、複数段の段差(延出端縁)に摺接させて芯線21の酸化膜を破る構成としてもよい。
20…被覆電線
21…芯線
30…端子金具
40…電線接続部
41…電線支持部
46…底板部
50…バレル部
51,151…バレル主体部
55,155…カシメ先行部
70…アンビル
71…クリンパ
155A,255A…傾斜部
Claims (2)
- 被覆電線の露出された芯線が端子金具の底板部上に配され、前記底板部の両側部から延出された一対のバレル部が前記芯線を包み込むように前記芯線と前記端子金具とを塑性変形させながら圧着接続されている端子金具付き電線であって、
前記端子金具の前記バレル部は、前記底板部の両側部から延出されている一対のバレル主体部と、前記各バレル主体部の延出端縁のうちの少なくとも前記芯線の先端側及びこれとは反対側のいずれか一方の延出端縁を残して段差状に延出して形成されたカシメ先行部を有し、
前記カシメ先行部は、前記芯線の先端とは反対側の一辺が前記バレル主体部に対して直角に形成される一方、前記芯線の先端側がその先端側にゆくほど漸次芯線に近づく方向に傾斜する三角形状であり、
前記端子金具の圧着に伴って前記カシメ先行部が前記バレル主体部に先行して前記芯線に食い込むことで前記カシメ先行部における前記傾斜部分が前記芯線に摺接した後に、前記バレル主体部が前記芯線に接するように構成されていることを特徴とする端子金具付き電線。 - 被覆電線の露出された芯線が端子金具の底板部上に配され、前記底板部の両側部から延出された一対のバレル部が前記芯線を包み込むように前記芯線と前記端子金具とを塑性変形させながら圧着接続される端子金具であって、
前記端子金具の前記バレル部は、前記底板部の両側部から延出されている一対のバレル主体部と、前記各バレル主体部の延出端縁のうちの少なくとも前記芯線の先端側及びこれとは反対側のいずれか一方の延出端縁を残して段差状に延出して形成されたカシメ先行部を有し、
前記カシメ先行部は、前記芯線の先端とは反対側の一辺が前記バレル主体部に対して直角に形成される一方、前記芯線の先端側がその先端側にゆくほど漸次芯線に近づく方向に傾斜する三角形状であり、
前記端子金具の圧着に伴って前記カシメ先行部が前記バレル主体部に先行して前記芯線に食い込むことで前記カシメ先行部における前記傾斜部分が前記芯線に摺接した後に、前記バレル主体部が前記芯線に接するように構成されていることを特徴とする端子金具。
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