JP5149891B2 - リボン状ディスプレイタイムピース - Google Patents

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Description

本発明は、時計学の分野に関する。より詳細には、そのケース内にあるムーブメントを囲繞する無端リボンを使用して時刻情報が表示され、この情報がガラス越しに見えて、リボンによって保持されるタイムピースに関する。
このタイプの時計は、例えばスイス特許第338150号に記載され、この伝統的なタイプの機械式ムーブメントの上には、そのベースが筒カナにより貫通されるU字形のあぶみ(stirrup)が取り付けられている。これは、このあぶみの枝で軸支旋回するように搭載され、かつ伝統的な時計の針の角速度と同じ速度比率で回転するように搭載された2つの直交する歯車を駆動する。これらの2つの歯車は、ムーブメントの周囲で互いに隣接して配置された2つの無端リボンで示される歯にそれぞれ噛み合っており、一方は、「分」情報を保持し、他方は「時」情報を保持している。
しかし、このタイプの構造は主に2つの欠点を有している。第一に、香箱に含まれるぜんまいの動力及びエネルギーが、満足できる期間にわたってリボンを駆動するのには不十分であるおそれがあることである。第二に、その時計は、ムーブメントとリボンの駆動機構とリボンがそのアセンブリの周囲を回るための十分な空間とを積み重ねて作られているので、かなり厚いことである。
スイス特許第338150号
本発明は、これら2つの欠点のないリボン状ディスプレイタイムピースを提供することを目的とする。
より詳細には、このタイムピースは、時刻情報を保持し、かつ平行な2つのローラの間に張り渡されている、可撓性のある無端リボン、及びこれらのローラの少なくとも1つを回転して駆動する機構を備えるタイプのものであり、香箱内で巻き上げられたぜんまい、脱進機及びこの脱進機に連結された調速機を備えて成る。このタイムピースは、ローラの少なくとも1つの内部でぜんまいが巻き上げられ、ローラはそれにより駆動機構である香箱を形成するという特徴を有する。
この2つのローラは、同一であるのが好ましく、この2つの中間に配置された特定の脱進機と調速機に、輪列を介して同様に連結される香箱を構成するのが好ましい。
この発明における他の特徴は、添付された図面を参照してなされる、以下の記述により明らかになるだろう。
まず、図1を参照すると、以下において詳細に記述されるであろう機構により実質的に回転される、平行に配された同一の2つのローラ11と12との間に張り渡された、可撓性のある無端リボンが10で示されている。これらの回転時には、これらのローラは、一日に1回転又は複数回転の比率で反時計回りにリボンを動かす。
可撓性のあるリボン10は、絹、金属、プラスチック、紙、又はその他の材料により形成されることができる。それは、ローラに直交するように並んで配置され、0〜11の「時」情報を支持するスケール13が印刷され、「分」情報を支持するスケール14が、連続する2つの「時」表示を分割する空間に対向するように備えられていても良い。この場合、リボンは、12時間で1回転する。勿論、スケール13は0〜23の「時」の表示を保持しても良く、この場合リボンは24時間で1回転する。
リボン10の上に配置された、2つの固定針15及び16は、「時」と「分」とを読むための基準となる。これらの針は、時計のガラスの下に容易に固定することができるが、ムーブメント自身に固定されることもできるし、当業者が適当であると思う他の方法で固定されることもできる。
本発明の本質的な特徴の1つによると、リボン10を駆動する機能を有するローラ11及び12は、ムーブメントに対してそれら自身がエネルギー源である。すなわち、ローラは、香箱を形成し、そのため各々がぜんまいを含み、時間と共にぜんまいが弛緩することが、ローラの回転とそれによるリボンの動作とを確保する。
このことは、図に示されていないが、写真用フィルムと同様に、リボンの端部に沿って形成された開口部に噛み合った歯を、ローラの端部に備えることは効果的である。このように、リボンの駆動が、より一層信頼できるようになる。しかし、この場合、リボンを移動させて時刻を設定するために、ローラの歯は、摩擦のある状態でその上に取り付けられるにちがいない。
このような思想を強固にするために、2つのローラ11と12とを隔てる距離が21.99mm、それらの直径が7mm、という1つの例を挙げることができる。これらのローラの間に張り渡されているリボン10は、その結果73.79mmの長さを有する。リボンを12又は24時間に1回転させるために、ローラ11及び12は、それ故それぞれのぜんまいの動作に基づいて、それぞれ1日に3.35又は6.7回転するにちがいない。
ローラの長さは、通常約15mmであり、その高さがかなりあるので、伝統的な香箱におけるぜんまいよりも格別に大きい最大回転モーメントを有するぜんまいを備えて成る香箱を形成することができる。十分な高さのあるぜんまいの1つが利用できない場合には、例えば、香箱の中心に隣接している伝統的なムーブメントにおけるいくつかの基本的なバネのみを必要とし、それによって最大回転モーメント20Nmmに容易に達成することができる。リボンの駆動が比較的重いときでも、動力及びエネルギーに関する如何なる問題もない。このように48時間を超えて動力の蓄積が行なわれる。
さて、より見やすくするためにリボンと分けて示された、本発明のムーブメントを示す図2〜4を、参照しよう。
図3の側面図に示されるように、反時計回りに回転している、ローラ11及び12それぞれは、2つのブリッジ17と18との間に軸支旋回するように搭載されている。それは、二番車20のカナと噛み合った香箱歯車19で終わっており、二番車20は三番車21のカナに噛み合い、三番車は四番車22のカナに噛み合っている。
2つの四番車22は、2つのローラの中間で、伝統的に調速機を形成している螺旋状のテンプ26に爪25を介して連結し、かつ反時計回りに回転している、がんぎ車24のカナ23と噛み合っている。ムーブメントの厚みを減少させるという明確な理由のために、がんぎ車のカナ23の軸が2つの香箱の軸を結ぶ線分AAに対して外されており、この線分上に歯車20,21及び22の軸が一直線に配列されている。これらすべての歯車は、2つのブリッジ27及び28の間で軸支旋回するように搭載されている。
図4の側面図に示されるように、ローラ11及び12それぞれは、角穴29で終わっており、角穴は線分AA上に配列された中心巻き上げカナ32と、カウンターシャフト30及び31を介して2つのローラの中間で噛み合っており、この線分に沿ってカウンターシャフト30及び31の軸が配列されている。カウンターシャフト30及び31は、ローラによって使用されるブリッジ33とブリッジ18との間で軸支旋回するように搭載されている。

ブリッジ17,18,27,28及び33は、ムーブメントのプレートを形成するシャフト(図示せず。)のシステムを使用して組み立てるのが好ましい。
図5及び6は、例として、巻き上げとこのムーブメントの機能の設定が行なわれる方法を示している。
巻き上げカナ32は、中心巻真34のところに配され、この中心巻真は、ローラ11及び12の軸に平行で、竜頭35を使用して回転及び移動を作動することができ、ブリッジ18と33との間に搭載されている。図5に示されるように、中心巻真は、真34のところから突出し、動かないカナ36を保持している。この場合、カナ32は、図2に示されるように、2つの角穴29と噛み合っている。竜頭35を回転することにより、2つの香箱11及び12のぜんまいを巻き上げることができる。
図6に示されるように、真34が引かれた位置にあるとき、巻き上げカナ32は動かず、カナ36が、その下方で、中心シャフト38に固定されたカナ37と噛み合っている。この中心シャフトは、溝を有しているのが好ましく、ブリッジ28と33との間で自由に回転するように搭載され、ローラ11及び12の軸に平行に配されている。図4は、このシャフトが内側に多少変形しているリボンの全面に取り付けられていることを示している。竜頭35を回転させることで、リボン上に配されたシャフト38により生じる摩擦を介して、針15及び16の反対側でその針合せが確実になるようにリボンを動かすことができる。カナ36が到達する側とは反対側のカナ37の側面から配された細長いバネ39は、これの正しい位置を定めるのに役に立つことを最後に申し述べる。
このように、2つの駆動ローラを香箱として使用する特徴を有する、リボン状ディスプレイを備えて成るタイムピースが提案される。このように、満足のいく信頼と独立した運転に必要とされる、動力及びエネルギーのすべてを与えるぜんまいを収容できる、かなりの体積がある。
この記載は、「時」と「分」とを表示するリボンに関してなされたものである。根源的な最高の美的効果を提供する無限の可能性と共に、このようなムーブメントによって他に多くの示唆が与えられることは、言うまでもない。図7は、例として、時間帯を表示するリボン10の使用可能性を示している。固定線40は、時間を読み取る基準として役立っている。
変形例の1つによると、本発明によるタイムピースは、ローラの1つのみを香箱として使用することができることを最後に申し述べる。
図1は、本発明による時計のムーブメントの部分的な斜視図である。 図2は、リボンが取り外された状態における、このムーブメントの正面図である。 図3は、このムーブメントの側面図である。 図4は、このムーブメントのもう一方側の側面図である。 図5は、巻き上げ及び設定機構の詳細を示している。 図6は、巻き上げ及び設定機構の詳細を示している。 図7は、図1におけるムーブメントの変形例を示している。

Claims (9)

  1. 時刻表示部(13,14)を有し、かつ平行に配された2つのローラ(11,12)の間に張り渡された可撓性のある無端リボン(10)、及び
    香箱内で巻き上げられたぜんまいと脱進機と前記脱進機に連結されて成る調速機とを備えた、前記ローラの少なくとも1つを回転する駆動機構を備えて成るタイムピースであって、
    前記ぜんまいは、前記駆動機構前記香箱を形成する前記ローラの少なくとも1つの内部で巻き上げられることを特徴とするタイムピース。
  2. 前記機構において、2つのローラ(11,12)は、同一であり、かつ2つのローラの中間に実質的に配される、脱進機(24)と調速機(26)とに、輪列(20,21,22)を介して、それらの端部(19)の1つまで同様に連結される香箱を形成することを特徴とする請求項1に記載のタイムピース。
  3. 前記機構は、リボン(10)が反時計回りで24時間に1回転又は数回転するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイムピース。
  4. 前記ローラに含まれる前記ぜんまいは、隣接して配された多数の基本的なバネによって、実際に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタイムピース。
  5. 前記ローラに含まれる前記ぜんまいは、隣接して配された多数の基本的なバネによって、実際に形成されることを特徴とする請求項2に記載のタイムピース。
  6. 2つのぜんまいの巻き上げを可能にするために、各ローラが、2つのローラの中間において、制御真(34)により作動される中心巻上げカナ(32)と輪列(30,31)を介して実質的に噛み合って、一方の端部では、角穴(29)で終わっていることを特徴とする請求項2に記載のタイムピース。
  7. 2つのぜんまいの巻き上げを可能にするために、各ローラが、2つのローラの中間において、制御真(34)により作動される中心巻上げカナ(32)と輪列(30,31)を介して実質的に噛み合って、一方の端部では、角穴(29)で終わっていることを特徴とする請求項5に記載のタイムピース。
  8. 前記リボンの設定をするために、制御真(34)が、前記ローラ上を移動するリボンの上に摩擦を生じるようにリボンに当接して、前記2つのローラに対して平行に配されたシャフト(38)を回転することを特徴とする請求項6に記載のタイムピース。
  9. 前記リボンの設定をするために、制御真(34)が、前記ローラ上を移動するリボンの上に摩擦を生じるようにリボンに当接して、前記2つのローラに対して平行に配されたシャフト(38)を回転することを特徴とする請求項7に記載のタイムピース。
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