JP5149391B2 - ロックバンドクランプ - Google Patents

Description

（関連出願の相互参照）
本出願は、２００７年１１月２日に受理された米国仮特許出願第６０／９８５，１４２号の利益を主張するものであり、その全体の開示が参考として本明細書に援用されている。また、本出願は、１９９６年に公表された米国特許第５，４８３，９９８号、２０００年１月１８日に公表された米国特許第６，０１４，７９２号、１９９２年６月２３日に公表された米国特許第５，１２３，４５６号、及び２００５年１０月１７日に受理された米国特許出願２００７−００８４０２２号に関連するものであり、それらの全体の開示がそれらの全体を参考として本明細書に援用されている。

（発明の分野）
本発明の実施形態は、バンドを相互接続するためのバックルを有するバンドクランプに概ね関連するものであり、バンドの一部は、アイテムを互いに束ねるため、あるいは、１つのアイテムを他のアイテムに取り付けるために、バックルに通されて固定される。

バンドクランプは、様々なアプリケーションに幅広く使用されている。バンドクランプは、一般に、棒などの対象物の周囲にループを形成するバンドと、バンドの対向する端部を受け入れるバックルとを有している。バンドとバックルとは、バックルに対して固定位置でバンドをロックするために協力する。１つ以上の対象物の周囲にバンドを締め付け、バックル又はロック部材に対してバンドの自由端を固定又はロックし、バンドの過剰な部分を切断するのに、ツールが使用されている。一般的には、これらのツールは、１つ以上の対象物の周囲にバンドを締め付けるようにバックルの一部を保持しながら、バックルを通り抜けたバンドの自由端をつかみ、バンドの自由端に力を加える。一旦、適当な張力がバンドに加えられると、ツールは、バンド及び／又はバックル内に所望のロック形状を作成し、バックルを越えて延びるバンドの自由端の一部をせん断する。一般的には、ブレードが、せん断又は切断作業を行う。

締付け、ロック、及び切断機能を行うツールは、本来、主として手動式、空気圧式、又は電動式である。空気圧式又は電動式のツールの場合、ほとんどの手動式のツールと比べて、限定又は削減された肉体的効果が作業者によって要求される。空気圧式又は電動式のバンド締付けツールは、対象物の周囲にバンドクランプを提供することに関する作業又は機能のいくつか（全てではない）を行うことをそのツールの作業者に求めるという点で、通常、半自動式である。残りの手動式の作業は、対象物の周囲にバンド又はタイ（時々そう呼ばれる）を位置決めすることと、ツールが締付け、ロック、及び切断機能の１つ以上を行うことができるようにバンドクランプをツールに対して挿入又は位置決めすること、を含んでいる。

従来技術のバンドクランプには、いくつかの欠点がある。例えば、バンド及びバックルの物理的サイズを単に増加させること以外に、ループ張力（バンド又はロックを壊すために要求される力）を改善することが必要である。また、保持力（retained forch）の割合（ロックを形成した後のバンド内の残留力（residual force））を改善することが必要である。別の言い方をすれば、ツールによる下記のロックの形成及びバンドの開放を失わせる引張負荷を減らす又は除去する必要がある。いくつかの理由としては、公差及び不正確な金属成形技術が挙げられ、一旦、ツールがバンドの自由端を切断すると、バンドの外周部が拡大するように、バンドの一部がバックルを通じて逆戻りする傾向がある。結果として、保持した引張負荷の一部が失われ、保持力の割合が減少する。また、特に、拘束された対象物によってバンドに加えられる外向きの力が大きいとき、あるいは、バンドとバックルが、バンドとバックルの相対運動を引き起こす振動や他の運動などの外力を受けたとき、形成されたロックは、時間とともに緩められ又は解かれ、バンドの外周部を拡大させる。さらに、クランプ力（バンド締付けツールがバンドの余剰端部を切断する直前に達する最大力）を増加させるためにいくつかのアプリケーションが必要である。クランプ力は保持力に関連する。一般的には、クランプ力が高くなるほど、保持力は高くなる。

前述の問題に加えて、他の検討事項がバンドクランプの設計と関連がある。第１に、バンドクランプは、拘束された１つ以上の対象物によって加えられた外向きの張力に対抗する高い引張強度を有している。第２に、バンドクランプは、製造のために安価にすべきである。バンドクランプは、様々なアプリケーションに使用されるものであり、コストは懸案事項である。それゆえ、バンドクランプの物理的サイズの単なる増加は、コストの検討事項を含む設計上の検討事項の全てを解決することができない。物理的に大きなバンドクランプは、より大きなループ張力を有するだろうが、コストもかかるだろう。さらに、バンドクランプは、デザインをシンプルにすべきであり、且つ使いやすくすべきである。

本発明の１つの態様は、バンド及びバックルで構成され、二重ロックの特徴を採用したバンドクランプを備えている。より具体的には、本発明の実施形態は、１つ以上の対象物の周囲をバンドで固定するために、リップロック（lip lock）とディンプルロック（dimple lock）とを採用している。ここで使用される「リップロック」とは、バックルのエッジの周りでバンドの一部を曲げ、それによりバックルに対してバンドを固定するシステムをいう。ここで使用される「ディンプル」又は「ディンプルロック」とは、バンドの外周部を保持するために、バンドの一部がバンドの異なる部分に形成された開口部内へ変形されたシステムをいう。また、バンドがバックルに対して固定されるように、前記変形がバックルと適合してもよいことは、当業者には十分に理解されるだろう。伝統的に、リップロック又はディンプルロックは、他方を除いて使用される。本発明の実施形態は、これら２つのロック方法を組み合わせて、保持力、最大クランプ力、平均ループ張力などに対して高性能なバンドクランプを生産するようにしている。

本発明の他の態様は、ディンプルを受け入れるバンドの一部に対する及びバックルに対するディンプルの深さ及び／又は位置を調整することによって、ここで述べられるバンドクランプの保持力、強度、長期信頼性を制御する。

本発明の他の態様は、ディンプルの品質の視覚的検査を可能にするバンドクランプを備えている。一実施形態において、ディンプルロックは、バックルの開口部を通じてパンチを押し付けることによって、バックル内で位置決めされたバンドを変形させて、バンドの外周部を概ね固定するようにバンドの異なる部分に対して且つバックルに対してバンドをロックするディンプルを作成し、バックルに対するバンドの実質的な移動を妨げるように、形成されている。しかしながら、パンチ、バンド、又はバックルのいくつか又は全部が誤って位置決めされた場合、ディンプルは誤って形成されるかもしれず、そのことは、ディンプルロックの品質又は性能を低減させる。それゆえ、バンドにディンプルを形成するために使用されるパンチに外側に延びる肩部を備え、ディンプルが正確に作成されたときにディンプルの周囲の少なくとも一部に近接してリング、視覚的に平坦な面、又は他のインジケータがバンドに形成されるようにすることが考えられる。例えば、ディンプルの周囲部の周りに完全に形成されたリングは、ディンプルがバンドに対して適当な所定の深さ及び適当な角度で形成されたことの視覚的表示（visual indication）を提供する。

本発明のさらに他の態様は、バンド材料よりも強いロックシステムを備えている。より具体的には、拡張力を受けた従来のバンドクランプの損傷モード（failure mode）は、一般的にバックルのロック機構と関連している。例えば、バンドクランプは、通常、バンドがバックルに対して滑ることができるように、ロック用リップが押し戻されるときに、損傷する。また、ディンプルロックの場合、ディンプルは、バンドを緩められるように、単に破断され（rupture）ても、削ぎ取られ（shear off）てもよい。このことは、バンド材料の重なり合う層が離れるため、ディンプル形成用金属があまりにも薄いため、これらの両方のため、又は当業者に知られた他の理由のために発生し得る。本発明の実施形態は、バンドよりも強い相互接続機構を提供するためにディンプルとリップロックとが組み合わせて使用される強化ロック機構を有する。それゆえ、ロック機構よりも先にバンドが変形又は損傷するように、ロッキングスキームの完全性が強化されている。この損傷モードは、バンドの降伏応力及び極限応力がよく知られているので、極めて予測可能である。ディンプルの損傷及び／又はリップのたわみ（deflection）によるバンドの緩み又は完全な開放は、予測可能性が低い。しかしながら、前に言及したディンプルの品質の視覚的インジケータは、ディンプルの損傷の予測を向上させるだろう。

しばしば、泥棒（thieves）及び破壊者(vandal)は、バンドクランプが拘束又は支持されているアイテムを得るためにバンドクランプを取り外したいと思う。例えば、しばしば、バンドクランプは、棒の上に看板、ライト、又は他の対象物を固定する。これらのアイテムは、しばしば、装飾として使用された後で盗まれる（pilfered）か、売られる（sold）。本発明に実施形態にかかるリップロックは、余分なロックスキームを有しており、一方のロックが回避されたとき、他方のロックがバンドクランプを保持する。

本発明の他の態様は、バンドのバックルへの統合の間における摩擦の減少を可能にするバックルを備えている。より具体的には、当業者には明らかであるように、バックル内のバンドの同調（synching）は、しばしば、バンドのサイドエッジをバックルの側部に接触して置く。バンドがバックルを通じて遷移するとき、摩擦が生じ、その代わりとしてバンドを締付けることに関連するエネルギーが浪費する。さらに、同調されたとき、バンドがバックルの内側部分を擦り、個々に害を与え且つツールを損傷させ得る金属のやすり粉を生成するかもしれない。それゆえ、本発明の実施形態では、一対の脚部間に形成されたスロットを有するバックルを採用しており、前記スロットとバックルの脚部のエッジ間のスペースとは、バンドの幅よりも広い寸法まで増加されている。追加されたスペースは、締め付けの間、バンドとバックルとの間の接触及び摩擦を減らす。本発明の一実施形態において、ツールは、バックルの上部にオフセットを作成するために使用され、材料（material）は、付加的なスペースを提供するために、脚部を外側へ強制するように下方へ押される。

本発明の他の態様は、締付け及びクランプの間、エネルギーの効率的利用を更に増加するために摩擦を減らすケーブルタイを備えている。より具体的には、本発明の実施形態にかかるバンドは、潤滑油、好ましくはポリエチレングリコール（ＰＥＧ）で被覆されている。好ましい潤滑油は、一般的に使用される油とは対照的に環境に優しい。潤滑油は、巻き付けられたバンドの層の間の相互作用に影響を与える。例えば、より少ない潤滑油の注入、動作に抗して隣接するバンドの層の相互作用に十分到達するより大きなループ張力は、巻き付けられたバンドを緩める傾向がある。しかしながら、潤滑油の注入、ＰＥＧは、バンド／バックルの相互接続を容易にすることによって、ケーブルタイと関連する、クランプ力、保持力、及び性能再現性を増加させる。潤滑油の注入は、バンドの伸張及び切断の間、バンドとバックルとの間のエネルギーを浪費する摩擦的な相互作用を減らすだろう。すなわち、バンドとバックルとの間の摩擦の減少は、クランプ力に加えられ得るより多くのエネルギーに形を変える。また、潤滑油の注入、例えばＰＥＧは、時間とともに蒸発する油性潤滑剤に比べて、バンドクランプの有効期間を延長する。

また、本発明の他の態様は、リップロックのロック性能を増加させるバックルを備えている。より具体的には、本発明の実施形態は、リップロックを形成するバンドの一部と係合する概ね９０度のエッジを有するバックルを備えている。このようにして、バックルとバンドとの接続部分は、この特徴を有しないバンドクランプと比較して保持力を増加させるバックルの直線状のエッジとなる。好ましくは、「スリットエッジ」、すなわち、バリを取り除かれていない、あるいは別の機械加工されたエッジが採用される。そのようなエッジは、鋭利であり、ロックを容易にするためにリップ内に食い込む。

また、本発明の他の態様は、使用される材料を最適化することによって、強度、寿命、及び費用対効果の組合せを有するバンドクランプを備えている。より具体的には、本発明の実施形態は、亜鉛メッキされた炭素鋼、ステンレス鋼、又は任意の合金を使用する。

本発明の他の態様は、狭い空間に容易に取り付けられる薄型のバックル形状を備えている。

本発明の他の態様は、保持力を維持するバンドクランプを備えている。より具体的には、通常、リップロックの形成に関連するバンドの弛緩は、ディンプルロックの存在によって大きく減少される。リップロックの形成のため、バンドは、張力を受けている間に切断されなければならない。一実施形態においては、バンドを切断するブレードが、切断作業の一部としてバンドを屈曲することによって、カール（curl）又はリップを形成する。これら２つの動作の間（非常に小さい場合がある）に、バンドは、バックルに対して移動するかもしれない。ディンプルの存在は、この弛緩の影響を大いに減らす。

ここに組合せられ本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を図示するものであり、上述した本発明の一般的な記述及び後述する詳細な説明と共に発明の原理を説明するために提供されるものである。
図１は、本発明の一実施形態のバンドクランプの斜視図である。 図２は、図１の上面図である。 図３は、図１の正面図である。 図４は、バックルの詳細図である。 図５は、未形成のバックルの上面図である。 図６は、図５の正面図である。 図７は、部分的に形成されたバックルの正面図である。 図８は、図７の側面図である。 図９は、図７の詳細図であり、バックルの肩部(shoulder portion)を示す図である。 図１０は、完全に形成されたバックルの正面図である。 図１１は、バンドにディンプルを形成する本発明の一実施形態にかかるパンチの正面図である。 図１２は、図１１に示すものと同様のツールの詳細図である。 図１３は、バックルと変形されたバンドの断面図である。 図１４は、図１３の上面図である。 図１５は、本発明の一実施形態のバンドクランプのディンプルの深さに対する性能（パフォーマンス）を示すグラフである。 図１６は、本発明の一実施形態のバンドクランプの性能のチャートである。 図１７は、性能のテストデータのチャートである。

以下の開示は、提示した実施形態に関連して本発明を述べているが、本発明がこれらの実施形態に厳格に限定されるものでないことは理解されるべきである。さらに、図面は必ずしも一定のスケールではなく、場合によっては、その開示は、例えば従来の製造及び組立の詳細など、本発明の理解のために必要がない詳細を含んでいない。

図１〜４を参照すると、バックル１０が位置決めされたバンド６で構成され、当該技術分野で一般に使用されるバンドクランプ２の一実施形態が示されている。また、バンド６は、バンド６上でのバックル１０の位置を保持するために、少なくとも１つの障害物（obstruction）１４を有している。障害物１４は、バックルを所定位置で保持するようにバックルと係合するバンドに形成されたくぼみ（dents）又はタブの形状であってもよい。作業中において、バンド６の端部１８は、束ねられたアイテムの周囲に巻き付けられ、バックル１０を通り抜ける。場合によっては、バンド６は束ねられたアイテムの周囲に何回も巻き付けられ、バックル１０は多重に重なるバンド部分を受け入れる。その後、パンチなどのツールが、バンド６を変形させるために、バンド６の開口部２０を通じて（いくつかの実施形態においてはバックル１０の開口部２２を通じて）使用され、それにより、バンド６の外周部を固定する。予め形成された障害物１４と開口部（an aperture(s)）とをバンド６が有していてもよく、あるいは、バンド６を伸長、変形、切断するのに使用されるツールがこれらの特徴を形成してもよい。

図５〜１０を参照すると、本発明の実施形態にかかるバックル１０が示されている。ここでは、未変形のバックル２６がシートストック（sheet stock）として開始し、開口部２２（又はその部分）がその中に形成される（図５）。その後、シートストックは、中央部２９の両側に脚部２８を形成するように（図７）後で屈曲される未変形のバックル２６（図６）を形成するために、個々の長さに切断される。脚部２８が概ね長方形（図１０）に形成されるように内側に曲げられたとき、第２開口部３０が形成される。バックル内へのバンドの挿入を容易にするために、本発明の実施形態は、変形され又はオフセットされた中央部２９（図７）を有する。中央部２９は、脚部２８を外向きに所定の角度で斜めにする又は強制するように、未変形のバックル２６を加圧することによって形成されている。図９を詳細に参照すると、前記変形プロセスにより、バックル１０の中央部２９に肩部３４と結合オフセット（associated offset）３８とが形成されている。中央部２９は、連続的である必要はなく、Ｖ字形状に曲げられていてもよい。オフセット３８は、バンドのエッジが（脚部２８とバックルの上部との接合部に形成された）バックルの内側コーナー部４２と実質的に接触しないように、バックルの内側に形成されている。この構造は、バンドの伸長中に、バンドのエッジをバックルの側部から距離を空けて配置し、それらの間の相互作用を減らすという利点を提供する。

図１１〜１４を参照すると、パンチ４６と、結果として生じるバンドの変形（又はディンプル）とが示されている。パンチ４６の端部４８は、少なくとも１つの肩部５０を有している。図１２には、１つの肩部５０を有する端部４８が示されている。図１１には、後述するように複数の肩部５０，６６を有する端部４８が示されている。図１４を参照すると、肩部５０がバンド６に対して正確に配置され位置合わせされたとき、ディンプル６２がバンド６に対して適当な深さ及び角度で形成されたことを示すように、肩部５０がバンド６のパンチ領域５８の周囲にリング５４を形成する。より具体的には、バンド及びバックルのループ抗張力（looped tensile strength）を最適化するために、予め選択されたパンチの深さ及び方向性がしばしば要求される。浅すぎる変形５８は、ディンプルが開口部から抜け出して、バンド６が緩むことを許容する。反対に、深すぎる変形は、ディンプル６２に局所的な弱化又は薄化を引き起こし、それにより、ディンプル６２がバンド６から削ぎ取られる可能性が増加する。

肩部５０は、適当なパンチの深さ及び方向性の視覚的表示を提供するために、ディンプル６２に近接するバンドをくぼませる（indent）だろう。好ましくは、その表示は、パンチ領域５８の周囲の連続的なリング５４の形状とする。このことは、適確な又は良質なディンプルを示唆する。これに代えて、本発明のさらに他の実施形態は、最小及び／又は最大のパンチ深さの表示を提供するために、複数の肩部、例えば第２肩部６６（図１１参照）を採用してもよい。すなわち、第１肩部５０は、ディンプルの最小の深さが達成されたことを規定するマーク５４を残すだろう。一方、第２肩部６６もマークを残すときには、ディンプルが深すぎて、パンチ４６によって加えられた力が調整を必要とするかもしれないことを即座に確かめることができる。また、肩部５０は、ディンプル６２が垂直に又は斜めに形成されたことも示す。例えば、パンチ４６がバンドを斜めに突いた場合、肩部のマーク５４は対称ではないだろう。バックルの開口部３０に対して概ね垂直に形成されていないディンプルは、より損傷（failure）の影響を受けやすい。好ましくは、バンドの理想的なロックを作成するディンプル６２は、バンド６を概ね垂直に突くパンチによって形成される。

図１３を参照すると、少なくとも２つの方法で機械的に相互接続されたバックル１０とバンド６とが示されている。ここでは、パンチは、ディンプル６２を形成するために、バンドの隣接する下側巻付部分６２を下方へ強制するようにバンド６の一部５８を変形させている。正確に作成されたとき、ディンプルは、バンドの開口部２２内に強制されて、バンドの周辺部又は外周部を固定する。さらに、バンドは、上方へ屈曲７６されて切断７０されている。屈曲部７６は、リップロックを形成するために、バックル１０のエッジ８０と接触している。好ましくは、バックル１０とバンド６との係合を促進するために、エッジ８０は、粗削り（rough）であり、とげ（burs）が取り除かれていないものとする。比較的鋭利なエッジ８０と屈曲部７６との相互関係は、バンドクランプの所望の保持力に寄与する。

作業中において、バックル１０が結合されたバンド６は、束ねられた照明用ポール６４又は他のアイテムに近接して位置決めされる。バックル１０は、バンド上のバックルの位置を維持するためにバンドと同じ側に僅かな距離離れて配置された障害物又はネスト（nests）１４によって捕獲されている。そのようなネストの例は、米国特許第６，０１４，７９２号の図１０に見つけることができる。バンドの端部１８は、照明用ポール６４に近接して配置され、第１巻付部（warp）６ａは、照明用ポールの周囲に作成されている。その後、少なくとも１つの他の巻付部６ｂが最初に置かれた巻付部６ａの周囲に配置されている。この例においては、第３巻付部６ｃが、バンドの第１巻付部６ａと第２巻付部６ｄの周囲に巻き付けられている。バンド６が張力を受けている間、ツールが、上述したように、ディンプル６２を形成し且つバンドを切断及び屈曲７６するように、バンドの一部５８を変形させる。パンチは、バンドの第１層の一部に形成された開口部２２内へ下層の第２巻付部６ｂも変形させるように、第３巻付部６ｃにディンプル５８を形成し、それにより、バンドの外周部の寸法をロックする。所望のディンプル深さに応じて、第３巻付部６ｃの一部も、開口部２２内に及ぶように変形する。また、ディンプル６２は、バンド６ａの開口部２２の下方に配置されたバックルの開口部３０を通じて形成されてもよい。場合によっては、両方の巻付部は、バックルの開口部３０内に配置された部分を有する。さらに、１つの巻付部のより大きな部分がバックルの開口部３０内に配置されるように形成されてもよいことは、当業者には十分に理解されるだろう。

リップロックに関して、バックル１０は、屈曲部７６とネスト１４の表面７８と相互作用によりバンドにロックされている。より具体的には、束ねられたバンドの内径部に加わる拡張力が、屈曲部７６と表面７８によって生成されたバンド上に作用する圧縮力によって打ち消される。

図１５を参照すると、ディンプル深さに対するバンドクランプの性能を示すグラフが提供されている。より具体的には、ディンプル深さは、所望のクランプ性能を提供するために最適化することができる。ここでは、締め付けられた後のバンドを機能させなくするように割り当てられた力である本発明の実施形態によって提供される張力が、ディンプルが約０．０９５５インチの深さのときに増加することは、当業者には十分に理解されるだろう。その後、それは僅かに減少する。最大クランプ力（例えばケーブルタイによって提供される力）は、ディンプル深さに応じて徐々に増加する。最後に、保持力（例えば、過剰のバンドの切断後で且つバンドの弛緩後の力）は、ディンプル深さ約０．０９〜０．０９５インチの間で最大化する。図１５に示すデータを生じるように試験されたバンドは、幅約０．２５インチ、厚さ０．０２０インチであり、亜鉛メッキされた炭素鋼で作られている。他のサイズのクランプに対しても同様のデータが得られる。すなわち、バンドの幅及び厚さは、クランプの性能の決定要因ではないことが分かった。ドライビング要因は、ディンプルの深さである。

図１６を参照すると、本発明の実施形態のバンドクランプの性能の表が示されている。図１６は、ディンプルロックとリップロックを採用した本発明の実施形態のバンドクランプとリップロックのみを採用したバンドクランプとの比較に関するデータを示している。実施形態１は、亜鉛メッキされた炭素鋼で作られ、油を塗られたバンドを採用した。実施形態２は、ＰＥＧでコートされた亜鉛メッキされた炭素鋼で作られたバンドを採用した。テストクランプは、従来の又はスリットエッジのバックルを使用した。「従来の」バックルは、バリを取り除かれた平滑なエッジを有するのに対し、「スリットエッジ」とは、粗削りでバリのあるエッジを有する構造の後、実質的に機械加工又は研磨されていないバックルをいう。前記表の閲覧により十分理解できるように、実施形態１及び２によって提供されるようなリップ及びディンプルロックを組み合せることによって、平均最大クランプ力及び平均ループ張力と同様に、平均保持力が急激に増加している。しかしながら、保持力の割合は、概ね同じままである。試験された従来技術のバンドクランプでは、損傷のために圧力が加えられ、バックルに対してバンドを滑ることができるように屈曲部が変形されたとき、リップロックが（予想通り）損傷した。逆に、本発明にかかるバンドクランプ（実施形態１及び２）は、複数ポイントで損傷し、ディンプルとバンドの他の部分が同時に損傷した。

図１７を参照すると、本発明の実施形態とリップロックのみを使用した実施形態とを比較するデータが表に示されている。再び、リップロックのみを採用したバンド（構造１及び２）を試験し、本発明の態様（実施形態１〜３）を採用したバンドと比較した。リップロック構造１及び２は、ステンレス鋼又は亜鉛メッキされた炭素鋼のいずれかで作られたバンドを採用した。両方のリップロック構造は、従来のバンドと、開口部を有さずバリを取り除かれ且つ２０１ステンレス鋼で作られたバックルとを採用した。本発明の３つの実施形態は、それぞれ、ステンレス鋼又は亜鉛メッキされた炭素鋼のいずれかで構成した。これらの実施形態は、従来の構造のバックル又はスリットエッジの構造のバックルのいずれかを使用した。さらに、実施形態２のバンドクランプは、図７及び図９に示すものと同様なＶ字状のくぼみ（indent）を採用した。データの閲覧は、例えば、スリットエッジ（実施形態２及び３）を採用するバックル／バンドの組合せが従来のバックルを採用する従来技術のバンドクランプ（構造１及び２）よりも大きなループ抗張力を有することを示すだろう。本発明の全ての実施形態は、リップロックのみを採用したバンドの実施形態を超える増加割合の保持力を有する。図１７に示される実施形態３に関して、損傷モードは、残りのテスト対象物とは異なる。より具体的には、損傷の間、バンドは貫通孔でブレーキをかける、すなわち、ディンプルがバンドから切り離される。これは、バンドがバックルをくぐり抜け得る方向に曲がることを防ぐのに役立つ、バンドとバックルとの間の強化された係合を生じさせるスリットエッジのリップロックの成果である。提供されたデータは、テスト用マンドレルの周囲に二重に巻き付けられたバンドクランプに関連している。ここで述べたような二重ロックの使用がそれらの寸法のバンド及び図示された構成に限定されないことは、当業者には十分に理解されるだろう。すなわち、バンドとバックルは、拡大縮小されても、他の材料を使用するなどしてもよい。

本発明に関する前述の議論は、図示と説明の目的として提示されている。前述は、ここに開示された１以上の形態に本発明が限定されることを意図していない。例えば、前述の記載においては、本発明の様々な特徴が特定されている。それらの特徴は、単一の実施形態において互いに組合せても、バンドの意図された最終用途に対して適するように様々な他の組合せをしてもよいことは十分に理解されるべきである。また、構成要素の寸法は変更してもよく、それでもなお本発明の範囲内にある。開示された方法は、特許請求の範囲に記載された発明が各請求項において明確に列挙されているものより多くの特徴を要求する意図を示すものとして解釈されるべきではない。さらに、本発明の記載は、１以上の実施形態の記載と特定のバリエーション及び改良を含んでいるが、例えば本開示を理解した後に当業者の技術及び知識の範囲内にあるような、他のバリエーション及び改良は、本発明の範囲内にある。許容される範囲で別の実施形態を含む権利を得ることを意図しているおり、前記権利には、請求項に記載された、代替、交換可能な及び／又は同等な構造、機能、範囲、又はステップが（前記代替、交換可能な及び／又は同等な構造、機能、範囲、又はステップがここで開示されていようがなかろうが）含まれ、任意の特許性のある主題を公にささげることを意図していない。

本発明は、様々な実施形態において、ここに概ね表現され且つ述べられたような、構成要素、方法、プロセス、システム、及び／又は装置を含み、様々な実施形態、小結合（subconbinations)、及びその小集団（subsets）を含んでいる。当業者は、本開示を理解した後は、本発明をどのように作成し使用するか理解するだろう。本発明は、様々な実施形態において、ここに又はここの様々な実施形態で表現され且つ／あるいは述べられていないアイテムを欠く装置及びプロセスを提供することを含んでおり、例えば、性能の改善、容易さの達成、及び／又は実施のコストの削減のための前の装置又はプロセスを使用するような前記アイテムを欠く場合を含む。むしろ、以下の請求項に反映されるように、発明の態様は、上述で開示された任意の１つの実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にある。それゆえ、以下の請求項は、本発明の個別の好ましい実施形態としてそれ自身に基づく各請求項と共に、この詳細な説明に組み込まれている。

Claims (3)

1. バンドを受け入れるためのスペースを有するバックルであって、パンチを受け入れるためにバックルを貫通する開口部を有するバックルと、
   前記スペース内に位置決めされた第１端部及び第２端部を有するバンドであって、一部に第１開口部が配列されたバンドと、
   前記バンドと前記バックルとの間の相対運動を通常防止するように前記開口部に近接して配置され、前記バンドに形成された変形部と、
   前記バンドに対する前記バックルの相対運動を防止するように前記バックルのエッジと係合する前記バンドの変形部分と、
   前記変形部に近接して前記バンドに形成された視覚的インジケータと、
   を備えるロックバンドクランプ。
2. 前記バックルは、前記変形部の一部を受け入れるように前記第１開口部から離れて配置された第２開口部を備える、請求項１に記載のロックバンドクランプ。
3. バンドは、前記変形部及びカールに加えて、前記バックルと前記バンドとの間の相対運動を防止する少なくとも１つの障害物を含む、請求項１に記載のロックバンドクランプ。

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