JP5148835B2 - 色素増感型太陽電池およびその光電極基板 - Google Patents

色素増感型太陽電池およびその光電極基板 Download PDF

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本発明は、色素増感型太陽電池の構成部品として使用される光電極基板およびその光電極基板を備えた色素増感型太陽電池に関する。
近年、環境問題の観点から、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池が注目を集めており、特に、製造コストを低減することができることから、色素増感型太陽電池が注目を集めている。従来の色素増感型太陽電池は、光電変換効率が低いために実用性に乏しかったが、最近、半導体電極を多孔質化して表面積を大きくすることにより、多量の色素を吸着させて、飛躍的に光電変換効率を向上させる技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このような技術を用いた色素増感型太陽電池として、図9に模式的に示すように、光電極基板102と、対向電極基板103と、これらの間に封入された電解液104とから構成された色素増感型太陽電池101が知られている。この色素増感型太陽電池101の光電極基板102は、基板部材105と、この基板部材105の表面に形成された透明電極膜106と、この透明電極膜106の表面上に形成された酸化チタンなどからなる多孔性半導体電極膜107とから構成され、この多孔性半導体電極膜107に増感色素が吸着している。なお、多孔性半導体電極膜107は、透明電極膜106上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥した後に焼成することによって形成されている。一方、色素増感型太陽電池101の対向電極基板103は、対向基板部材108と、この対向基板部材108上に白金などの触媒をコーティングすることによって形成された対向電極膜109とから構成されている。この対向電極膜109と多孔性半導体電極膜107が所定の間隔で離間して対向するように基板部材105と対向基板部材108が配置され、対向電極膜109と多孔性半導体電極膜107の間に電解液104が封入されて、色素増感型太陽電池101が構成される。
このような色素増感型太陽電池101では、光電極基板102の基板部材105側から、多孔性半導体電極膜107に吸着した増感色素に太陽光が入射すると、増感色素が可視領域の光を吸収して励起し、この増感色素の励起によって発生する電子が多孔性半導体電極膜107内を移動して透明電極膜106まで到達する。この透明電極膜106まで移動した電子は、透明電極膜106と対向電極膜109とを導通する(図示しない)外部回路を経由して対向電極膜109に移動する。そして、対向電極膜109まで移動した電子は、電解液104中のイオンによって運ばれて多孔性半導体電極膜107の増感色素に戻るようになっている。このような作用を繰り返して電気エネルギーが取り出される。
このような構造の色素増感型太陽電池101では、増感色素の励起によって発生する電子の透明電極膜106への移動速度が光電変換効率に影響を与えるようになっており、ここでの電子の移動が迅速に行われないと、電子と正孔との再結合が生じ、透明電極膜106まで移動可能な電子の量が減少するため、光電変換効率が低下するという問題を生じる。
このような問題を解決するために、図10に示すような色素増感型太陽電池201が提案されている。この色素増感型太陽電池201では、光電極基板の電極層202の表面に導電性突設部203を形成し、電極層202および導電性突設部203を金属酸化物半導体層204で覆い、この金属酸化物半導体層204に吸着した増感色素の励起によって発生した電子が電極層202へ迅速に移動することができるようにして、光電変換効率を向上させるようになっている(例えば、特許文献2参照)。
特表平5−504023号公報(第9−10頁、図1) 特開2000−77691号公報(段落番号0016−0019、図1)
しかし、特許文献2に提案された色素増感型太陽電池201では、金属酸化物半導体層204における光吸収効率と電極層202への電子の移動速度とのバランスが十分にとれていないため、光電変換効率が十分ではない。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、光電変換効率を一層向上させることができる、色素増感型太陽電池およびその光電極基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による色素増感型太陽電池の光電極基板は、平板状部材の一方の表面に所定の間隔で離間した複数の凹部が形成された形状の光透過性基板部材と、この基板部材の一方の表面上に形成された透明電極膜と、この透明電極膜上に形成された多孔性半導体電極膜と、この多孔性半導体電極膜に吸着または担持された増感色素とを備え、透明電極膜の基板部材と反対側の表面に、基板部材の複数の凹部に対応するように複数の凹部が形成されていることを特徴とする。
この色素増感型太陽電池の光電極基板において、基板部材の複数の凹部の各々の最深部が、透明電極膜の複数の凹部の各々の最深部に対応しているのが好ましい。また、基板部材の複数の凹部の各々が、略正方形の開口部を有し且つ略四角錐の錐面の頂点を最深部とする略四角錐形状の凹部であるとともに、透明電極膜の複数の凹部の各々が、略正方形の開口部を有し且つ略四角錐の錐面の頂点を最深部とする略四角錐形状の凹部であるのが好ましい。さらに、透明電極膜の厚さは、略均一であるのが好ましい。
また、本発明による色素増感型太陽電池は、上記の光電極基板と、この光電極基板に対向するように配置された対向電極基板と、この対向電極基板と光電極基板の間に封入された電解質とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、光電変換効率を一層向上させることが可能な色素増感型太陽電池およびその光電極基板を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明による色素増感型太陽電池およびその光電極基板の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明による色素増感型太陽電池の実施の形態を模式的に示している。図1に示すように、本実施の形態の色素増感型太陽電池1は、光電極基板2と、対向電極基板3と、これらの間に封入された電解質4とから構成されている。光電極基板2は、透明な(光透過性の)基板部材5と、この基板部材5の表面(図1中上面)に形成された透明電極膜6と、この透明電極膜6上に形成されて増感色素を吸着・担持した多孔性半導体電極膜7とから構成されている。一方、対向電極基板3は、対向基板部材11と、この対向基板部材11の表面(図1中下面)に形成された対向電極膜12とから構成されている。なお、基板部材5および対向基板部材11は、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)などの樹脂材料、またはガラス材料によって形成されている。
基板部材5は、樹脂材料によって形成する場合には、射出成形、熱圧縮成形、押出し成形などの成形方法によって形成することができる。この基板部材5は平板状の部材であり、その一方の平坦な表面(図1中上面)には、略正方形の開口部8aを有し且つ略四角錐の錐面の頂点を最深部8bとする略四角錐形状の多数の凹部8が、略一定の間隔(P)で離間してマトリックス状に、すなわち、縦方向に略直線的に複数行配置され且つ縦方向と略垂直方向の横方向に略直線的に複数列配置されるように形成されている(図2〜図4参照)。したがって、基板部材5の一方の平坦な表面(図1中上面)には、凹部8の間に所定の幅(P)の格子状の平坦部5aが残されており、この平坦部5aに囲まれた部分に凹部8が形成されている。これらの略四角錐形状の凹部8は、図4に示すように、その深さ寸法をDとし、略正方形の開口部8aの幅寸法(開口部8aの一辺の長さ)をWとすると、W<2・Dになるように形成されており、最深部8bに向かうにしたがって幅寸法が漸減するようになっている。なお、隣接する凹部8の最深部8b間の距離は、数μm程度にするのが好ましい。
この基板部材5の表面(凹部8が形成されている側の表面)、すなわち、凹部8の表面および平坦部5aの表面には、図1および図5に示すように、透明電極膜6が略均一な厚さ(例えば、0.07μm)に形成されている。この透明電極膜6は、スパッタリング法により形成することができる。この透明電極膜6をスパッタリング法により形成する際には、ターゲット材として酸化インジウム錫(ITO)を用いて、スパッタリング装置内に、例えば100sccmのアルゴンガスと2sccmの酸素ガスを導入し、スパッタリング装置内の圧力を5〜30mTorrとして、1〜3KWの電力を印加してプラズマを生成させる。これにより、透明電極膜6は、基板部材5の凹部8および平坦部5aに沿って略均一な厚さに形成される。その結果、透明電極膜6の表面(図1中上面)には、基板部材5の凹部8とほぼ同様の形状の多数の凹部9がマトリックス状に形成される。すなわち、透明電極膜6の表面(図1中上面)には、略正方形の開口部を有し且つ略四角錐の錐面の頂点を最深部9bとする略四角錐形状の多数の凹部9が、略一定の間隔で離間してマトリックス状に形成される。
このような凹部9が形成された透明電極膜6上には、二酸化チタン(TiO)などからなる多孔性半導体電極膜7が、凹部9を埋めるとともにその上に所定の膜厚(例えば、5μm)になるように形成されている(図1および図5参照)。この多孔性半導体電極膜7は、半導体粒子を含有する懸濁液を透明電極膜6上に塗布し、この塗布した懸濁液を乾燥して焼成することにより形成される。このようにして形成された多孔性半導体電極膜7に、光電変換機能を有する増感色素(例えば、ルテニウム錯体)を吸着・担持させる。なお、多孔性半導体電極膜7は、焼成法の代わりに電析法や水熱処理法などにより形成してもよく、二酸化チタンの代わりに酸化亜鉛などにより形成してもよい。
なお、本実施の形態の色素増感型太陽電池1の光電極基板2では、図1および図5に示すように透明電極膜6が略均一な厚さに形成されているが、図6に示す光電極基板22のように、光電極基板2の基板部材5と同様の基板部材25上に形成する透明電極膜26の厚さが基板部材25の各々の凹部の最深部に向かって漸減するように透明電極膜26を形成し、その上に多孔性半導体電極膜27を形成してもよい。また、本実施の形態の色素増感型太陽電池1の光電極基板2では、図1および図5に示すように多孔性半導体電極膜7の表面(図1中上面)が平坦な面に形成されているが、図7に示す光電極基板32のように、光電極基板2の基板部材5と同様の基板部材35上に略均一な厚さの透明電極膜36を形成した後、その透明電極膜36上に略均一な厚さの多孔性半導体電極膜7を形成して、多孔性半導体電極膜7の上面に、基板部材35および透明電極膜36の凹部に対応するように凹部を形成してもよい。
このように形成された光電極基板2の基板部材5側から多孔性半導体電極膜7に太陽光が入射して、多孔性半導体電極膜7に担持された増感色素が励起されると、増感色素の電子13が透明電極膜6に向かって移動するが、増感色素の電子13が透明電極膜6の凹部9の最深部9bまで直線的に移動する場合の電子13の移動距離よりも、その電子13が凹部9の傾斜部9aへ最短距離で移動する場合の方が電子13の移動距離が短くなる(図5参照)。
一方、対向基板部材11の表面に白金(Pt)をコーティングすることにより、図1に示すように、白金からなる対向電極膜12が対向基板部材11の表面に形成された対向電極基板3を作製する。なお、対向電極膜12として、白金の代わりにカーボンを使用してもよい。
このようにして作製された光電極基板2の多孔性半導体電極膜7と対向電極基板3の対向電極膜12を所定の間隔で対向するように配置し、多孔性半導体電極膜7と対向電極膜12との間に電解質4を封入して、本実施の形態の色素増感型太陽電池1が完成する(図1参照)。なお、電解質4としては、通常、ヨウ素−ヨウ素化合物、臭素−臭素化合物などの酸化還元対を含有するレドックス電解液を使用することができ、これらの液状の電解質の他に、ゲル化剤やP型半導体(CuI)などを用いて固体化した電解質を使用することもできる。
このようにして作製された色素増感型太陽電池1では、外部から太陽光が光電極基板2に入射すると、多孔性半導体電極膜7に吸着・担持された増感色素が励起され、電子が基底状態から励起状態へ遷移する。励起された増感色素の電子13は、図5に示すように、多孔性半導体電極膜7を構成するTiOの伝導帯に注入され、ほぼ最短距離で透明電極膜6まで移動する。
本実施の形態の光電極基板2では、図1および図5に示すように、透明電極膜6の凹部9が略四角錐形状を有し、凹部9の最深部9bに向かうにしたがって幅寸法が漸減しているので、図10に示すように電極層202の表面に矩形の導電性突設部203を形成した色素増感型太陽電池201と比較して、多孔性半導体電極膜7を光の進行方向に対して十分に厚くして光を多く吸収することができるとともに、多孔性半導体電極膜7内の電子13の移動距離を短くすることができる。その結果、本実施の形態の色素増感型太陽電池1では、図10に示す色素増感型太陽電池201と比較して、透明電極膜6までの電子13の移動をより一層迅速化することが可能になり、電子13と正孔との再結合を低減することができるとともに、電子13の移動に対する障害を少なくすることができ、光電変換効率を向上することが可能になる。
なお、図10に示す色素増感型太陽電池201では、導電性突設部203、203間の距離が金属酸化物半導体層204の平均厚さの2倍以上になるように形成されている。また、導電性突設部203が矩形であるため、導電性突設部203、203間の金属酸化物半導体層204の厚さが略均一であるので、本実施の形態の色素増感型太陽電池1のように電子の移動距離を短くすることが困難である。そのため、本実施の形態の色素増感型太陽電池1では、図10に示す色素増感型太陽電池201と比較して、非常に高い光電変換効率を得ることができる。
透明電極膜6まで移動した電子13は、(図示しない)外部回路を経由して対向電極膜12に移動する。対向電極膜12まで移動した電子は、電解質4中のイオンに運ばれて多孔性半導体電極膜7の増感色素に戻る。このような作用を繰り返して電気エネルギーが取り出される。
本実施の形態の色素増感型太陽電池1では、基板部材5に凹部8を形成して、光の受光面積を増加させているため、光の取込み量が増加し、光電変換効率が向上する。また、多孔性半導体電極膜7内の電子13が透明電極膜6の凹部9の傾斜部9aに最短距離で移動する場合の距離の方が、多孔性半導体電極膜7内の電子13が透明電極膜6の凹部9の最深部9bまで移動する距離よりも短くなっているため、多孔性半導体電極膜7によって十分な光を吸収することができ、且つ多孔性半導体電極膜7内の電子13を最短距離で透明電極膜6まで迅速に移動することが可能になり、電子13と正孔との再結合を防止することができるとともに、電子13の移動に対する抵抗を低減することができるため、光電変換効率を向上させることができる。したがって、本実施の形態の色素増感型太陽電池1は、これらの効果の相乗効果により、図10に示した色素増感型太陽電池201と比較して、格段に優れた光電変換効率で発電することができる。
また、本実施の形態の色素増感型太陽電池1では、基板部材5に平坦部5aが残っており、その上の透明電極膜6にも平坦部が形成されているので、集電量を増大させることができる。
また、本実施の形態において基板部材5と対向基板部材11を樹脂材料により射出成形する場合には、光電極基板2と対向電極基板3を安価に且つ大量に生産することが可能になる。
なお、本実施の形態の色素増感型太陽電池1では、基板部材5側から太陽光を入射させるため、基板部材5を光透過性に優れた透明プラスチック材料により形成しているので、対向基板部材11を必ずしも光透過性に優れたプラスチック材料により形成する必要はない。しかし、対向基板部材11側から太陽光を入射させる場合には、対向基板部材11を光透過性に優れたプラスチック材料により形成するとともに、対向電極膜12を透明にする必要がある。このように対向基板部材11側から太陽光を入射させる場合には、基板部材5および透明電極膜6に光透過性の良好な材料を使用する必要はない。
以下、本発明による色素増感型太陽電池およびその光電極基板の実施例について詳細に説明する。
まず、樹脂材料としてポリエチレンナフタレート(PEN)を使用して射出成形によって、図2〜図4に示す実施の形態の基板部材5と同様に、1cm×1cmの正方形の平面形状の平板状部材に開口部8aの幅Wが2.8μmで深さDが2.0μmの略四角錐形状の多数の凹部8が所定の間隔P(P=0.7μm)で離間してマトリックス状に形成された基板部材5を作製した。次に、この基板部材5の表面に厚さ約0.07μmの透明電極膜6をスパッタリング法によって形成した。次に、この透明電極膜6上に、低温成膜用チタニア塗布ペーストを透明電極膜6の凹部9を埋めるとともにその上に所定の膜厚になるように塗布した後、150℃で5分間加熱して透明電極膜6の凹部9を埋めるとともにその上に膜厚5μmの多孔性半導体電極膜7を形成し、その後、多孔性半導体電極膜7にルテニウム錯体色素を吸着させた。このようにして、ITO膜6上に増感色素が吸着・担持された多孔性半導体電極膜7が積層して形成された図1に示すような形状の光電極基板2を作製した。
このようにして作製した光電極基板2を使用した色素増感型太陽電池1に、ソーラーシミュレータを用いて光照射エネルギー10mW/cmの疑似太陽光を照射し、電池特性試験を行った。また、比較例として、光電極基板102の構成が光電極基板2の構成と異なる以外は同一の構成を有するように図9に示す従来の色素増感型太陽電池101を作製し、同様の電池特性試験を行った。その結果を図8および表1に示す。なお、図8は、本実施例の色素増感型太陽電池1と比較例の色素増感型太陽電池101の電流−電圧特性についての実験結果を比較して示している。また、表1において、Iscは色素増感型太陽電池の出力端子を短絡させたときに両端子間に流れる電流(短絡電流)、Vocは色素増感型太陽電池の出力端子を開放したときの両端子間の電圧(開放電圧)、F.F.は最大出力Pmax(=Imax・Vmax)を開放電圧Vocと電流密度Jsc(1cm当たりの短絡電流Isc)の積で除した値(曲線因子(Fill Factor)F.F.=Pmax/Voc・Jsc)、ηは最大出力Pmaxを(1cm当たりの)照射光量(W)で除した値に100を乗じてパーセントで表示した値(変換効率)を示している。
Figure 0005148835
図8および表1に示すように、本実施例の色素増感型太陽電池1では、比較例の色素増感型太陽電池101と比べて、曲線因子はほぼ同じであるが、短絡電流が約1.5倍になっているため、結果として変換効率が1.4倍以上と著しく向上している。
本発明による光電極基板を備えた色素増感型太陽電池を複数直列に接続し、あるいは、このように色素増感型太陽電池を複数直列に接続した太陽電池列を複数並列に接続して色素増感型太陽電池組立体を構成すれば、所望の電圧値の電気エネルギーを得ることができる。また、色素増感型太陽電池組立体に蓄電池を接続すれば、電気エネルギーを蓄えることができる。
本発明による色素増感型太陽電池の実施の形態を模式的に示す断面図である。 図1の色素増感型太陽電池の基板部材の一部を切断して拡大して示す斜視図である。 図2の基板部材の一部を示す平面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図1の色素増感型太陽電池の作用を説明する図である。 図1の色素増感型太陽電池の光電極基板の第1の変形例を示す断面図である。 図1の色素増感型太陽電池の光電極基板の第2の変形例の一部を示す断面図である。 実施例の色素増感型太陽電池と比較例の色素増感型太陽電池の電流−電圧特性についての実験結果を比較して示す図である。 色素増感型太陽電池の第1の従来例を模式的に示す断面図である。 色素増感型太陽電池の第2の従来例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…色素増感型太陽電池、2…光電極基板、3…対向電極基板、4…電解質、5…基板部材、5a…平坦部、6…透明電極膜、7…多孔性半導体電極膜、8…基板部材の凹部、8a…開口部、8b…最深部、9…透明電極膜の凹部、9a…傾斜部、9b…最深部、11…対向電極基板部材、12…対向電極膜

Claims (5)

  1. 平板状部材の一方の表面に各々が平坦部に囲まれて所定の間隔で離間した複数の凹部が形成された形状の光透過性基板部材と、この基板部材の一方の表面上に形成された透明電極膜と、この透明電極膜上に形成された多孔性半導体電極膜と、この多孔性半導体電極膜に吸着または担持された増感色素とを備え、前記透明電極膜の前記基板部材と反対側の表面に、前記基板部材の複数の凹部の各々配置するように複数の凹部の各々が形成されていることを特徴とする、色素増感型太陽電池の光電極基板。
  2. 前記基板部材の複数の凹部の各々の最深部が、前記透明電極膜の複数の凹部の各々の最深部に対応していることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感型太陽電池の光電極基板。
  3. 前記基板部材の複数の凹部の各々が、略正方形の開口部を有し且つ略四角錐の錐面の頂点を最深部とする略四角錐形状の凹部であるとともに、前記透明電極膜の複数の凹部の各々が、略正方形の開口部を有し且つ略四角錐の錐面の頂点を最深部とする略四角錐形状の凹部であることを特徴とする、請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池の光電極基板。
  4. 前記透明電極膜の厚さが略均一であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の色素増感型太陽電池の光電極基板。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の光電極基板と、この光電極基板に対向するように配置された対向電極基板と、この対向電極基板と前記光電極基板の間に封入された電解質とを備えたことを特徴とする、色素増感型太陽電池。
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