JP5147669B2 - 窒化物半導体発光素子の製造方法および窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子の製造方法および窒化物半導体発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物半導体発光素子の製造方法および窒化物半導体発光素子に関する。
従来、窒化物半導体発光素子として、共振器端面(劈開面)を有する半導体素子層を少なくとも備えた窒化物半導体レーザ素子が知られている(たとえば、特許文献1参照)。以下に、従来の窒化物半導体レーザ素子の一例について簡単に説明する。
従来の窒化物半導体レーザ素子では、第1方向に延びる細長状のリッジ部を有する半導体素子層が半導体基板上に形成されている。半導体基板上の半導体素子層は、n側半導体層、活性層およびp側半導体層がこの順番で半導体基板側から積層された構造となっている。そして、この半導体素子層に含まれる各層のうちのp側半導体層に、第1方向に延びる細長状の凸部(リッジ部となる部分)が設けられている。また、半導体素子層は共振器端面(劈開面)を有しており、端面コート膜が共振器端面(劈開面)上に形成された状態となっている。また、半導体素子層(p側半導体層)上にはp側電極が形成されているとともに、半導体基板の裏面上にはn側電極が形成されている。
上記した従来の窒化物半導体レーザ素子は、たとえば、以下のようなプロセスを経て製造される。
すなわち、まず、有機金属気相成長(MOCVD)法などを用いて、ウェハ(半導体基板)上に、n側半導体層、活性層およびp側半導体層をこの順番でエピタキシャル成長させる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを用いて、p側半導体層の所定部分をエッチング除去する。これにより、第1方向に延びるストライプ状の凸部(リッジ部となる部分)をp側半導体層に形成する。また、真空蒸着法などを用いて、p側半導体層上にp側電極を形成し、半導体基板の裏面上にn側電極を形成する。このようにして、素子部(窒化物半導体レーザ素子となる部分)がマトリクス状に配置された構造体を得る。
次に、リッジ部が延びる方向と直交する第2方向に沿って、素子部がマトリクス状に配置された構造体を劈開する。すなわち、素子部がマトリクス状に配置された構造体をバー状に分割し、素子部が第2方向に一列に配列された構造体を形成する。そして、バー状の構造体の劈開面上に端面コート膜を形成する。この後、バー状の構造体に第1方向に延びる素子分離溝を形成し、その素子分離溝に沿ってバー状の構造体を素子部毎に分割する。
特開平9−260777号公報
上記した従来の製造方法では、バー状の構造体の劈開面上に端面コート膜を形成する際に、端面コート膜の構成材料(絶縁材料)がn側電極側にまで回り込み、n側電極の半導体基板側とは反対側の面上に堆積されてしまうという不都合が生じる。その結果、n側電極の一部が絶縁膜で覆われた状態になってしまい、発光効率が低下するという問題が起こる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、発光効率の低下を抑制することが可能な窒化物半導体発光素子の製造方法および窒化物半導体発光素子を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の局面による窒化物半導体発光素子の製造方法は、基板上に、第1方向に延びるリッジ部を有する半導体素子層を形成する工程と、半導体素子層上に第1電極を形成するとともに、基板の半導体素子層が形成された面とは反対側の裏面上に第2電極を形成する工程と、第1方向と直交する第2方向に沿って劈開し、劈開面上に端面コート膜を形成する工程と、第1方向に沿って素子分離する工程とを備えている。そして、劈開面上に端面コート膜を形成する工程に先立って、第1方向に延びる素子分離溝を第2電極に形成する工程をさらに備え、第1方向に延びる素子分離溝を第2電極に形成する工程は、第2電極の素子分離溝側が基板とは反対側に向かって突出された状態になるように、第2電極の素子分離溝を形成する部分にレーザ光を照射することで第2電極の素子分離溝を形成する部分を除去する工程を含み、第1方向に沿って素子分離する工程は、第1方向に延びる素子分離溝に沿って素子を分割する工程をさらに備える。
第1の局面による窒化物半導体発光素子の製造方法では、上記のように、劈開面上に端面コート膜を形成する工程に先立って、第2電極の素子分離溝を形成する部分にレーザ光を照射することで第2電極の素子分離溝を形成する部分を除去することによって、第2電極の素子分離溝側が基板とは反対側に向かって突出された状態にすることができる。すなわち、第2電極の素子分離溝側に突出部が設けられた状態にすることができる。これにより、劈開面上に端面コート膜を形成する際に、第2電極の素子分離溝側の突出部により、端面コート膜の構成材料(絶縁材料)の第2電極側への回り込みを遮ることができる。このため、第2電極の基板側とは反対側の面上に絶縁材料が堆積されるのを抑制することができる。したがって、第2電極の基板側とは反対側の面が絶縁膜で覆われた状態になるのを抑制することができ、その結果、発光効率の低下の抑制を図ることが可能となる。

上記第1の局面による窒化物半導体発光素子の製造方法において、好ましくは、劈開面上に端面コート膜を形成する工程に先立って、第2電極の劈開面側に位置する部分にレーザ光を照射することで第2電極の劈開面側に位置する部分を加工することにより、第2電極の劈開面側が基板とは反対側に向かって突出された状態にする工程を含む。このようにすれば、端面コート膜の構成材料(絶縁材料)の第2電極側への回り込みを確実に遮ることができるので、発光効率の低下をより抑制することが可能となる。
この場合、第2電極にレーザ光を照射することで得られる突出部によって第2電極が囲まれた状態にすることが好ましい。このようにすれば、端面コート膜の構成材料(絶縁材料)の第2電極側への回り込みをより確実に遮ることができる。
また、本発明の第2の局面による窒化物半導体発光素子は、基板上に形成され、第1方向に延びるリッジ部を有し、かつ、第1方向と直交する第2方向に平行な劈開面が設けられた半導体素子層と、その半導体素子層上に形成された第1電極と、基板の半導体素子層が形成された面とは反対側の裏面上に形成された第2電極と、劈開面上に形成された端面コート膜とを備えている。そして、第1方向に延びる素子分離溝が第2電極に形成されており、第2電極の素子分離溝側が基板とは反対側に向かって突出された状態になっている。

第2の局面による窒化物半導体発光素子では、上記のように構成することによって、第2電極の素子分離溝側に突出部が設けられた状態にすることができる。これにより、劈開面上に端面コート膜を形成する際に、第2電極の素子分離溝側の突出部により、端面コート膜の構成材料(絶縁材料)の第2電極側への回り込みを遮ることができる。すなわち、第2電極の基板側とは反対側の面上に絶縁材料が堆積されるのを抑制することができる。したがって、第2電極の基板側とは反対側の面が絶縁膜で覆われた状態になるのを抑制することができ、その結果、発光効率の低下の抑制を図ることが可能となる。

上記第2の局面による窒化物半導体発光素子において、第2電極の劈開面側が基板とは反対側に向かって突出された状態になっていることが好ましい。このように構成すれば、劈開面上に端面コート膜を形成する際に、端面コート膜の構成材料(絶縁材料)の第2電極側への回り込みを確実に遮ることができるので、発光効率の低下をより抑制することが可能となる。
この場合、第2電極に設けられた突出部によって第2電極が囲まれた状態になっていることが好ましい。このように構成すれば、劈開面上に端面コート膜を形成する際に、端面コート膜の構成材料(絶縁材料)の第2電極側への回り込みをより確実に遮ることができる。
以上のように、本発明によれば、容易に、発光効率の低下を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子を共振器方向に沿って切断した場合の断面図であり、図2は、本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子を共振器方向と直交する方向に沿って切断した場合の断面図である。図3は、図1および図2に示した一実施形態による窒化物半導体発光素子の活性層の拡大断面図である。以下に、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の構成について説明する。
本実施形態の窒化物半導体発光素子は、図1および図2に示すような窒化物半導体レーザ素子20であって、n型GaN基板1上に形成された半導体素子層21などを備えている。なお、n型GaN基板1は、本発明の「基板」の一例である。
具体的に言うと、n型GaN基板1上には、アンドープAl0.01Ga0.99Nからなるバッファ層2が約0.8μmの厚みで形成されている。そして、そのバッファ層2上に、Geがドープされたn型Al0.07Ga0.93Nからなるn型クラッド層3が約1.8μmの厚みで形成されている。
n型クラッド層3上には、多重量子井戸(MQW)構造の活性層4が形成されている。この活性層4は、図3に示すように、アンドープIn0.02Ga0.98Nからなる4つの障壁層4aと、アンドープIn0.15Ga0.85Nからなる3つの井戸層4bとを含むものである。障壁層4aおよび井戸層4bは、それぞれが約20nmの厚みおよび約3.5nmの厚みを有しており、1つずつ交互に積層されている。なお、活性層4は単一量子井戸(SQW)構造であってもよい。
活性層4上には、図1および図2に示すように、Mgがドープされたp型Al0.07Ga0.93Nからなるp型クラッド層5が形成されている。また、p型クラッド層5には凸部が設けられており、その凸部の厚みが約0.45μmとなっているとともに、凸部以外の部分である平坦部の厚みが約0.05μmとなっている。さらに、p型クラッド層5の凸部上には、アンドープIn0.07Ga0.93Nからなるp側コンタクト層6が約3nmの厚みで形成されている。そして、p型クラッド層5の凸部とp側コンタクト層6とを含む部分がリッジ部22として機能する。なお、このリッジ部22は、共振器方向であるY方向(第1方向)に延びる細長形状となっている。
また、図示しないが、n型クラッド層3と活性層4との間には、アンドープAl0.2Ga0.8Nからなるn側キャリアブロック層が約20nmの厚みで形成されており、活性層4とp型クラッド層5との間には、p側光ガイド層およびp側キャリアブロック層が活性層4側からこの順番で形成されている。p側光ガイド層は、アンドープIn0.01Ga0.99Nからなっているとともに、約0.1μmの厚みを有している。また、p側キャリアブロック層は、アンドープAl0.2Ga0.8Nからなっているとともに、約20nmの厚みを有している。
GaN基板1上に形成された半導体素子層21は、上記した種々の窒化物半導体層(2〜6)を含んでおり、半導体素子層21のX方向の一方端側(図2の左側)に欠陥集中領域23を設けることによって、それ以外の領域に生じる欠陥を低減させている。そして、リッジ部22の形成位置を半導体素子層21のX方向の一方端側とは反対の他方端側(図2の右側)にずらすことで、リッジ部22を欠陥集中領域23から遠ざけるようにしている。
また、半導体素子層21はX方向(第2方向)に沿って劈開されており、劈開することにより得られる一対の劈開面21aが共振器端面となっている。そして、その一対の劈開面21a上には、それぞれ、端面コート膜24および25が形成されている。なお、一方の端面コート膜24は光出射側に配置された膜であり、他方の端面コート膜25は光反射側に配置された膜である。
光出射側に位置する端面コート膜24は、たとえば、AlN層24a(厚み:約10nm)と、Al23層24b(厚み:約115nm)と、ZrO2層24c(厚み:約45nm)と、Al23層24d(厚み:約57.5nm)と、ZrO2層24e(厚み:約45nm)とを劈開面21a側からこの順番で形成することで得られる。
光反射側に位置する端面コート膜25は、コート膜変質防止層(25a)および反射率制御層(25b〜25d)を含んでいる。そして、端面コート膜25は、たとえば、AlN層25a(厚み:約10nm)と、Al23層25b(厚み:約64.5nm)と、TiO2層25c(厚み:約45nm)と、所定の積層体25dとを劈開面21a側からこの順番で形成することで得られる。なお、積層体25dは、5層のSiO2層(厚み:約69nm)と5層のTiO2層(厚み:約45nm)とからなっており、それらが1つずつ交互に積層されたものである。
また、リッジ部22上には、約1nmの厚みを有するPt層と、約10nmの厚みを有するPd層とが順次形成されている。そして、Pt層とPd層とを含む積層体がp側オーミック電極7となっている。なお、p側オーミック電極7は、本発明の「第1電極」の一例である。
また、p型クラッド層5の平坦部上には電流ブロック層8が形成されており、その電流ブロック層8によってリッジ部22の側面が覆われている。この電流ブロック層8は、SiO2からなり、かつ、約0.2μmの厚みを有している。
電流ブロック層8上には、電流ブロック層8の開口を介してp側オーミック電極7と接続するp側パッド電極9が形成されている。このp側パッド電極9は、約30nmの厚みを有するTi層と、約150nmの厚みを有するPd層と、約3μmの厚みを有するAu層とを含む積層体からなっており、それらは、Ti層、Pd層およびAu層の順番で下層から上層に向かって積層されている。なお、p側パッド電極9は、本発明の「第1電極」の一例である。
また、n型GaN基板1の半導体素子層21が形成された面とは反対側の裏面上には、n型GaN基板1側から順に、約6nmの厚みを有するAl層と、約10nmの厚みを有するPd層と、約300nmの厚みを有するAu層とが形成されている。そして、Al層とPd層とAu層とを含む積層体がn側電極(n側オーミック電極およびn側パッド電極)10となっている。なお、n側電極10は、本発明の「第2電極」の一例である。
ここで、本実施形態では、n側電極10の劈開面21a側がn型GaN基板1とは反対側に向かって突出している。すなわち、n側電極10の劈開面21a側に突出部10aが設けられている。さらに、同様に、n側電極10の素子分離溝11側にも、n型GaN基板1とは反対側に向かって突出する突出部10bが設けられている。なお、n側電極10の突出部10aおよび10bの突出高さは、約0.5μm〜約2.3μmである。
本実施形態の窒化物半導体発光素子としての窒化物半導体レーザ素子20は、上記のように構成されている。
本実施形態では、上記のように、n側電極10の劈開面21a側に突出部10aを設けることによって、劈開面21a上に端面コート膜24および25を形成する際に、n側電極10の劈開面21a側の突出部10aにより、端面コート膜24および25の構成材料(絶縁材料)のn側電極10側への回り込みを遮ることができる。すなわち、n側電極10のn型GaN基板1側とは反対側の面上に絶縁材料が堆積されるのを抑制することができる。これにより、n側電極10のn型GaN基板1側とは反対側の面が絶縁膜で覆われた状態になるのを抑制することができ、その結果、発光効率の低下の抑制を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、上記のように、n側電極10の素子分離溝11側にも、n型GaN基板1とは反対側に向かって突出する突出部10bを設けることによって、劈開面21a上に端面コート膜24および25を形成する前の段階において、n側電極10が突出部10aおよび10bで囲まれた状態にすることができる。これにより、劈開面21a上に端面コート膜24および25を形成する際に、端面コート膜24および25の構成材料(絶縁材料)のn側電極10側への回り込みを確実に遮ることができるので、発光効率の低下をより抑制することが可能となる。
図4〜図15は、本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための断面図および平面図である。以下に、図1〜図15を参照して、本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法(窒化物半導体レーザ素子20の製造プロセス)について説明する。
本実施形態では、まず、図4に示すように、MOCVD法を用いて、n型GaN基板(ウェハ)1上に、種々の窒化物半導体層(2〜6)をエピタキシャル成長させる。
具体的には、欠陥集中領域23が設けられたn型GaN基板1を準備し、それをMOCVD装置にセットする。そして、基板温度を約1160℃に保持するとともに、キャリアガスとしてのH2ガスと、原料ガスとしてのNH3ガス、トリメチルガリウム(TMGa)ガスおよびトリメチルアルミニウム(TMAl)ガスとを供給し、約1.1μm/hの速度でエピタキシャル成長を行う。これにより、n型GaN基板1上に、アンドープAl0.01Ga0.99Nからなるバッファ層2(厚み:約0.8μm)が形成される。
この後、n型ドーパントであるGeを含むモノゲルマン(GeH4)ガスを原料ガスとして新たに加えて、約1.1μm/hの速度でエピタキシャル成長を行うことによって、バッファ層2上に、Geがドープされたn型Al0.07Ga0.93Nからなるn型クラッド層3(厚み:約1.8μm)を形成する。そして、GeH4ガスの供給を止め 約1μm/hの速度でエピタキシャル成長を行うことにより、n型クラッド層3上に、アンドープAl0.2Ga0.8Nからなるn側キャリアブロック層(厚み:約20nm)を形成する。なお、図面の簡略化のため、n側キャリアブロック層は図示していない。
次に、基板温度を約1160℃から約850℃に下げる。そして、キャリアガスとしてのN2ガスと、原料ガスとしてのNH3ガス、トリエチルガリウム(TEGa)ガスおよびトリメチルインジウム(TMIn)ガスとを供給することにより、n側キャリアブロック層(図示せず)上に、アンドープIn0.02Ga0.98Nからなる4つの障壁層4a(図2参照)と、アンドープIn0.15Ga0.85Nからなる3つの井戸層4b(図2参照)とを約0.25μm/hの速度で1つずつ交互にエピタキシャル成長させる。これにより、4つの障壁層4a(厚み:約20nm)と3つの井戸層4b(厚み:約3.5nm)とを含むMQW構造の活性層4が形成される。
続いて、同様の条件でエピタキシャル成長を行うことによって、活性層4上に、アンドープIn0.01Ga0.99Nからなるp側光ガイド層(厚み:約0.1μm)を形成する。この後、原料ガスをNH3ガス、TMGaガスおよびTMAlガスに変更し、約1.2μm/hの速度でエピタキシャル成長を行うことにより、p側光ガイド層上に、アンドープAl0.2Ga0.8Nからなるp側キャリアブロック層(厚み:約20nm)を形成する。なお、図面の簡略化のため、p側光ガイド層およびp側キャリアブロック層は図示していない。
次に、基板温度を約850℃から約1160℃に上げる。そして、p型ドーパントであるMgを含むシクロペンタジエニルマグネシウム(Mg(C552)ガスを原料ガスとして新たに加えて、約1.1μm/hの速度でエピタキシャル成長を行うことにより、p側キャリアブロック層(図示せず)上に、Mgがドープされたp型Al0.07Ga0.93Nからなるp型クラッド層5(厚み:約0.45μm)を形成する。さらに、基板温度を約1160℃から約850℃に下げるとともに、Mg(C552ガスの供給を止め、約0.25μm/hの速度でエピタキシャル成長を行うことにより、p型クラッド層5上に、アンドープIn0.07Ga0.93Nからなるp側コンタクト層6(厚み:約3nm)を形成する。
上記のようにして、n型GaN基板1上に、種々の窒化物半導体層(2〜6)からなる半導体素子層21を形成する。なお、この半導体素子層21には、n型GaN基板1の欠陥が伝播する。すなわち、欠陥集中領域23が半導体素子層21にも設けられた状態となる。
次に、図5に示すように、p側コンタクト層6上のリッジ部22に対応する領域にエッチングマスク(SiO2膜)30を形成した後、Cl2ガスによる反応性イオンエッチング法を用いて、p側コンタクト層6の上面からp型クラッド層5の途中の深さ(p型クラッド層5の上面から約0.4μmの深さ)までをエッチング除去する。続いて、エッチングマスク30を除去する。これにより、図6に示すように、半導体素子層21に、Y方向(第1方向)に延びるストライプ状のリッジ部(p型クラッド層5の凸部とp側コンタクト層6とを含む部分)22が形成される。なお、半導体素子層21にリッジ部22を形成する際には、そのリッジ部22が欠陥集中領域23から遠ざかるようにする。このため、互いに隣り合うリッジ部22の間隔が大きい部分と小さい部分とが混在することになる。
この後、図7に示すように、プラズマCVD法を用いて、約0.2μmの厚みを有するSiO2膜を全面上に形成した後、そのSiO2膜のリッジ部22に対応する領域を除去することによって、リッジ部22に対応する領域に開口を持ち、かつ、リッジ部22の側面を覆う電流ブロック層(約0.2μmの厚みを有するSiO2膜)8をp型クラッド層5の平坦部上に形成する。
そして、電子ビーム蒸着法を用いて、リッジ部22上に、約1nmの厚みを有するPt層と、約10nmの厚みを有するPd層とをこの順番で積層する。これにより、Pt層とPd層とを含む積層体からなるp側オーミック電極7が形成される。続いて、電子ビーム蒸着法を用いて、電流ブロック層8上に、約30nmの厚みを有するTi層と、約150nmの厚みを有するPd層と、約3μmの厚みを有するAu層とをこの順番で積層する。これにより、Ti層とPd層とAu層とを含む積層体からなるp側パッド電極9が形成される。なお、このp側パッド電極9を形成する際には、p側パッド電極9が電流ブロック層8の開口を介してp側オーミック電極7と接続された状態となるようにする。
さらに、n型GaN基板1を所定の厚みになるまで裏面側から研磨した後、電子ビーム蒸着法を用いて、n型GaN基板1の裏面上に、約6nmの厚みを有するAl層と、約10nmの厚みを有するPd層と、約300nmの厚みを有するAu層とをこの順番で形成する。このようにして、図8および図9に示すように、Al層とPd層とAu層とを含む積層体からなるn側電極10を形成し、素子部(窒化物半導体レーザ素子20となる部分)がマトリクス状に配置された構造体31を得る。
そして、構造体31を劈開するための劈開溝(図示せず)をX方向(第2方向)に延びるように形成した後、その劈開溝に沿って構造体31を劈開する。このようにして、図10および図11に示すように、素子部がX方向に一列に配列されたバー状の構造体32を得る。なお、この構造体32の劈開面21aは共振器面となる。
バー状の構造体32を得た後、図12に示すように、Y方向(第1方向)に延びる素子分離溝(構造体32を素子部毎に分離するための溝)11をn側電極10に形成する。なお、この素子分離溝11を形成する際には、欠陥が集中している領域に素子分離溝11が配置されるようにする。
ここで、本実施形態では、n側電極10の素子分離溝11を形成する部分にレーザ光を照射することでn側電極10の素子分離溝11を形成する部分を除去することによって、n側電極10に素子分離溝11を形成する。このような加工を行った場合には、図13に示すように、n側電極10の素子分離溝11側がn型GaN基板1とは反対側に向かって突出される。すなわち、n側電極10の素子分離溝11側に、約0.5μm〜約2.3μmの突出高さを有する突出部10bが設けられる。
また、本実施形態では、図12に示すように、n側電極10の劈開面21a側に位置する部分にレーザ光を照射することにより、n側電極10の劈開面21a側に位置する部分を除去する。このような加工を行った場合には、図14に示すように、n側電極10に素子分離溝11(図13参照)を形成したときと同じように、n側電極10の劈開面21a側がn型GaN基板1とは反対側に向かって突出される。すなわち、n側電極10の劈開面21a側に、約0.5μm〜約2.3μmの突出高さを有する突出部10aが設けられる。
そして、本実施形態では、上記のようなレーザ加工をn側電極10に対して施すことにより、図12に示したように、突出部10aおよび10bによってn側電極10が囲まれた状態にする。なお、n側電極10に対するレーザ加工の条件としては、パワー:約0.07W、周波数:約5kHz、加工速度:約40mm/s、デフォーカス:約58μm、ピッチ:約20μmである。
次に、図15に示すように、劈開面21aが露出するように、バー状の構造体32をSiバー33などで挟み込む。そして、この状態で、スパッタ法などを用いて、光出射側の劈開面21a上に端面コート膜24(図1参照)を形成し、光反射側の劈開面21a上に端面コート膜25(図1参照)を形成する。なお、光出射側の端面コート膜24を形成する際には、AlN層24a(厚み:約10nm)と、Al23層24b(厚み:約115nm)と、ZrO2層24c(厚み:約45nm)と、Al23層24d(厚み:約57.5nm)と、ZrO2層24e(厚み:約45nm)とを劈開面21a側からこの順番で堆積する。また、光反射側の端面コート膜25を形成する際には、AlN層25a(厚み:約10nm)と、Al23層25b(厚み:約64.5nm)と、TiO2層25c(厚み:約45nm)と、所定の積層体(5層のSiO2層(厚み:約69nm)と5層のTiO2層(厚み:約45nm)とが1つずつ交互に積層されたもの)25dとを劈開面21a側からこの順番で堆積する。
このとき、本実施形態では、n側電極10が突出部10aおよび10bで囲まれた状態(図12に示した状態)となっているので、その突出部10aおよび10bにより、絶縁材料(端面コート膜24および25の構成材料)のn側電極10側への回り込みを遮ることができる。すなわち、n側電極10のn型GaN基板1側とは反対側の面上に絶縁材料が堆積されるのを抑制することができる。これにより、n側電極10のn型GaN基板1側とは反対側の面が絶縁膜で覆われた状態になるのを抑制することができ、その結果、発光効率の低下の抑制を図ることが可能となる。
最後に、図中の1点鎖線に沿って延びるスクライブライン(図示せず)を形成した後、そのスクライブラインに沿ってバー状の構造体32を分割することによって、構造体32が素子部毎に分離された状態にする。このようにして、図1および図2に示した窒化物半導体レーザ素子20が製造される。
なお、本実施形態では、素子分離溝11を形成する際に、図16および図17に示すように、X方向に互いに隣り合うリッジ部22に対応する領域間の中心付近に素子分離溝11が1つずつ配置されるようにしてもよい。すなわち、図18に示すように、n側電極10のX方向の両端に突出部10bが設けられるようにしてもよい。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子を共振器方向に沿って切断した場合の断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子を共振器方向と直交する方向に沿って切断した場合の断面図である。 図1および図2に示した一実施形態による窒化物半導体発光素子の活性層の拡大断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための平面図(裏面側から見た図)である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための平面図(裏面側から見た図)である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための図(端面コート膜を形成する際の図)である。 一実施形態の変形例による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための平面図(裏面側から見た図)である。 一実施形態の変形例による窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための断面図である。 一実施形態の変形例による窒化物半導体発光素子の製造方法を用いて製造された窒化物半導体発光素子の断面図である。
符号の説明
1 n型GaN基板(基板)
7 p側オーミック電極(第1電極)
9 p側パッド電極(第1電極)
10 n側電極(第2電極)
10a、10b 突出部
21 半導体素子層
21a 劈開面
22 リッジ部
24、25 端面コート膜

Claims (6)

  1. 基板上に、第1方向に延びるリッジ部を有する半導体素子層を形成する工程と、
    前記半導体素子層上に第1電極を形成するとともに、前記基板の前記半導体素子層が形成された面とは反対側の裏面上に第2電極を形成する工程と、
    前記第1方向と直交する第2方向に沿って劈開し、劈開面上に端面コート膜を形成する工程と、
    前記第1方向に沿って素子分離する工程とを備え、
    前記劈開面上に前記端面コート膜を形成する工程に先立って、前記第1方向に延びる素子分離溝を前記第2電極に形成する工程をさらに備え、
    前記第1方向に延びる前記素子分離溝を前記第2電極に形成する工程は、前記第2電極の前記素子分離溝側が前記基板とは反対側に向かって突出された状態になるように、前記第2電極の前記素子分離溝を形成する部分にレーザ光を照射することで前記第2電極の前記素子分離溝を形成する部分を除去する工程を含み、
    前記第1方向に沿って素子分離する工程は、前記第1方向に延びる前記素子分離溝に沿って素子を分割する工程をさらに備えることを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記劈開面上に前記端面コート膜を形成する工程に先立って、前記第2電極の前記劈開面側に位置する部分にレーザ光を照射することで前記第2電極の前記劈開面側に位置する部分を加工することにより、前記第2電極の前記劈開面側が前記基板とは反対側に向かって突出された状態にする工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記第2電極にレーザ光を照射することで得られる突出部によって前記第2電極が囲まれた状態にすることを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  4. 基板上に形成され、第1方向に延びるリッジ部を有し、かつ、前記第1方向と直交する第2方向に平行な劈開面が設けられた半導体素子層と、
    前記半導体素子層上に形成された第1電極と、
    前記基板の前記半導体素子層が形成された面とは反対側の裏面上に形成された第2電極と、
    前記劈開面上に形成された端面コート膜とを備え、
    前記第1方向に延びる素子分離溝が前記第2電極に形成されており、
    前記第2電極の前記素子分離溝側が前記基板とは反対側に向かって突出された状態になっていることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  5. 前記第2電極の前記劈開面側が前記基板とは反対側に向かって突出された状態になっていることを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記第2電極に設けられた突出部によって前記第2電極が囲まれた状態になっていることを特徴とする請求項5に記載の窒化物半導体発光素子。
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