JP5146951B2 - レンズ駆動装置 - Google Patents

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本発明は、レンズを光軸方向に変位駆動して被写体の像を結像させるレンズ駆動装置に関する。
近年、カメラが搭載されたカメラ付き携帯電話機が普及するにつれ、その携帯電話機を用いて様々な被写体を撮影する機会が増えている。例えば、友人や風景など、カメラのレンズからある程度離れた被写体を撮影(通常撮影)したり、バスの時刻表や花びらなど、カメラのレンズと近接した位置にある被写体を撮影(接写撮影)したりする場合がある。
接写撮影(マクロ撮影)の場合、カメラのレンズ位置は、通常撮影時のレンズ位置よりも、僅かに被写体側に近づいた位置にする必要がある。そのため、この種の撮影レンズ系では、レンズを光軸方向に変位駆動する磁気駆動機構を備えており、スイッチの切り替えによってこの磁気駆動機構を駆動し、レンズを光軸方向に移動させることができるようになっている。例えば、レンズを備えた移動体と、光軸方向において離間する2箇所に配置された2枚の板バネを介して、移動体を光軸方向に移動可能に支持する固定体と、コイルとマグネットにより、移動体を光軸方向に駆動する磁気駆動機構と、を有するレンズ駆動装置が提案されている。また、コイルから引き出された2本のコイル端部を、各々2枚の板バネに接続し、2枚の板バネを介してコイルに給電する構造のレンズ駆動装置が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
特開2005−128392号公報 特開2006−201525号公報
しかしながら、通常、マグネットはサビに弱いため、その表面をメッキ処理等により、防錆性を有する膜で覆うようにしている。この防錆性を有する膜は、導電性を有している場合が多い。
このため、板バネをコイルへの給電に使用する場合において、仮に板バネがマグネットに接触してしまうと、電気的な短絡が生じてしまう。その結果、アクチュエータの動作が不安定になったり、アクチュエータ駆動回路を破損させたりする虞がある。例えば、レンズ駆動装置が組み込まれた物を高い所から落としてしまった場合など、通常の動作では考えられないような、レンズ駆動装置が強い衝撃を受けた場合に、板バネがマグネットに接触する場合があり、このような弊害が生じる虞がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、板バネとマグネットとが電気的に短絡してしまうのを防ぎ、ひいてはアクチュエータの動作安定性を高めることが可能なレンズ駆動装置を提供することにある。
以上のような課題を解決するために、本発明は、以下のものを提供する。
(1) レンズを備えた移動体と、コイルとマグネットを備え、前記移動体を光軸方向に駆動する磁気駆動機構と、バネ部材を介して前記移動体を光軸方向に移動可能に支持する、前記マグネットを固定した鋼板からなるヨークを有する固定体と、を有するレンズ駆動装置において、前記バネ部材は、電気的に分割された複数のバネ片を備え、前記コイルから引き出された複数のコイル端部は、前記複数のバネ片のうち各々異なるバネ片に電気的に接続されており、前記マグネットの全面には、防錆性を有する金属メッキを施し、前記複数のバネ片と前記金属メッキを施したマグネットとが対向する位置には、これらを電気的に絶縁する絶縁部として、前記金属メッキを施したマグネットの全面に、絶縁用被膜が形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、移動体と、バネ部材を介して移動体を支持する固定体と、移動体を駆動する磁気駆動機構を有するレンズ駆動装置で、バネ部材は、電気的に分割されるとともに、コイルへの給電機能を有する複数のバネ片を備え、これら複数のバネ片とマグネットとが対向する位置に絶縁部が介在することとしたので、レンズ駆動装置が強い衝撃を受けて、仮に、バネ片とマグネットとが接触した場合であっても、電気的な短絡が生じるのを防ぐことができる。
したがって、このような場合であっても、アクチュエータの動作が不安定になったり、アクチュエータ駆動回路が破損したりするのを防ぐことができる。
ここで、複数のバネ片とマグネットの間に介在する「絶縁部」は、少なくとも電気を導通させにくくするものであれば、如何なるものであってもよい(必ずしも完全非導通でなくてよい)。例えば、絶縁用被膜であってもよいし、樹脂などの絶縁体部品であってもよいし、樹脂などからなる絶縁体シールであってもよい。さらには、絶縁体の接着剤やゲルであってもよい。
(2) 前記複数のバネ片には、絶縁用被膜が形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述した複数のバネ片又はマグネットには、絶縁用被膜が形成されていることとしたので、被膜形成工程(例えば蒸着工程)を経るだけで絶縁部を構成することができる。その結果、上述した絶縁部を簡易に構成することができ、ひいては製造工程の容易化に資することができる。また、厚みを薄くすることができるので、光軸方向におけるスペースをとらず、小型化要求を満足しつつ、電気的短絡を防ぐことができる。
(3) 前記バネ部材は、光軸方向において離間する二箇所に配置された第一のバネ部材と第二のバネ部材を備え、前記第一のバネ部材と前記第二のバネ部材のうちいずれか一方のバネ部材が、前記複数のバネ片に分割されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述したバネ部材は、光軸方向において離間する二箇所に配置された第一のバネ部材と第二のバネ部材を備え、第一のバネ部材と第二のバネ部材のうちいずれか一方のバネ部材が、複数のバネ片に分割されていることとしたので、2個のバネ部材により、静止時又は可動時の移動体がガタつくのを防ぎつつ、アクチュエータの動作安定性を高めることができる。
(4) 前記一方のバネ部材に近い前記マグネットに、絶縁用被膜が形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述した一方のバネ部材に近いマグネットに、絶縁用被膜が形成されていることとしたので、必要最小限の絶縁用被膜を形成するようにして、コスト削減を図ることができる。また、バネ部材よりも形状が簡易なマグネットに絶縁用被膜を形成することで、製造工程の容易化を図ることができる。さらに、バネ部材に被膜を形成した場合、バネ定数を左右する要因が増える結果、バネ定数のばらつきが大きくなる虞がある。本発明によれば、このような問題も回避することができる。
なお、マグネット全面に絶縁用被膜を形成することとしてもよいし、マグネット一部に絶縁用被膜を形成することとしてもよい。マグネット全面に形成することで、メッキ(コーティング)しない箇所をマスキングする作業が不要になり、ひいては被膜形成工程(蒸着工程)を容易化でき、また、コスト削減に寄与することができる。
また、本発明のレンズ駆動装置は、前記マグネットのうち前記複数のバネ片と対向する面に、絶縁用被膜が形成されていることを特徴とする
本発明によれば、マグネットのうち複数のバネ片と対向する面に、絶縁用被膜が形成されていることとしたので、絶縁用被膜に用いる樹脂等の使用量を減らすことができ、ひいてはコスト削減を図ることができる。
本発明に係るレンズ駆動装置によれば、不必要な電気的短絡が起きるのを防ぐことができ、ひいてはアクチュエータの動作安定性を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
[機械構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の機械構成を示す分解斜視図である。
図1において、レンズ駆動装置1は、キャップ11と、板状カバー12と、ヨーク13と、マグネット14と、第一の板バネ15と、ワイヤースプリング16と、移動体17と、第二の板バネ18と、ホルダー19と、ターミナル20と、を有している。なお、説明の便宜上、一又は複数枚のレンズを備え、移動体17の内部に取り付ける円筒状のレンズホルダは、図示を省略している。そして、レンズ駆動装置1は、移動体17を、光軸L方向に沿って被写体(撮像対象)に近づくA方向(前側)、および、被写体とは反対側(像側)に近づくB方向(後側)の双方向に移動させるものである、
なお、キャップ11と、板状カバー12と、ヨーク13と、ホルダー19は、第一の板バネ15及び第二の板バネ18を介して、移動体17を光軸方向に移動可能に支持する「固定体」の一例として機能する。また、本実施形態では、固定体の外周形状は、略長方形となっている。
キャップ11は、板状カバー12の被写体側を覆うものであって、キャップ11及び板状カバー12の中央には、被写体からの反射光をレンズに取り込むための円形の入射窓110,120が各々形成されている。ヨーク13は、板状カバー12とホルダー19との間に挟持されることになり、例えば鋼板などの強磁性板から構成され、角筒状を呈している。また、ヨーク13は、レンズ駆動装置1の側面で露出し、その側面部を構成している。ホルダー19は、像側で撮像素子(図示せず)を保持するものである。
移動体17は、スリーブ170と、第一のコイル171と、第二のコイル172と、を有している。第一のコイル171及び第二のコイル172は、スリーブ170の外周面に光軸L方向に2段に配置され、移動体17の形状は円環状となっている。なお、移動体17は、固定体を構成するヨーク13の内周に収納されており、それぞれ形状の違いから、ヨーク13の内周面の4箇所の角部分には、スペースが形成されている。そこで、マグネット14は、第一のコイル171及び第二のコイル172に対して外周側で対向し、ヨーク13の内周面のうち4箇所の角部分に固定される。
マグネット14は、8個のマグネット片からなり、いずれのマグネット片においても内面と外面とが異なる極に着磁されている。また、前側、後側それぞれ4個のマグネット141,142(後述する図6参照)では、例えば、前側のマグネット141(図示上側)では内面がN極に着磁され、外面がS極に着磁され、後側のマグネット142(図示下側)では、内面がS極に着磁され、外面がN極に着磁されている。さらに、前側のマグネット141は、第一のコイル171に対向するように配置され、後側のマグネット142は、第二のコイル172に対向するように配置されている。
なお、マグネット14と、第一のコイル171及び第二のコイル172は、移動体17を光軸L方向に駆動する「磁気駆動機構」の一例として機能する。また、本実施形態では、マグネット14の外周面に設けられたヨーク13は、「磁気駆動機構」の構成要件の一つとなっている。
第一の板バネ15及び第二の板バネ18は、固定体と移動体17との間に取付けられ、移動体17の光軸方向への移動に対して付勢するように作用している。第一の板バネ15は、板状カバー12面上に載置され、その固定体側の端部が板状カバー12に保持されている。また、第二の板バネ18は、ホルダー19面上に載置され、その固定体側の端部がホルダー19に保持されている。なお、本実施形態では、第一の板バネ15及び第二の板バネ18は、双方とも金属製の薄板から形成されており、光軸L方向における厚さを同じにしている。これにより、生産性を高めることができる。
ヨーク13は、第一のコイル171及び第二のコイル172が配置されている領域の光軸L方向の寸法、および、マグネット14の光軸L方向の寸法よりも大きくなっているため、マグネット14と第一のコイル171との間に構成される磁路、及び、マグネット14と第二のコイル172との間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくすることができる。その結果、スリーブ170の移動量と、第一のコイル171及び第二のコイル172に流す電流との間のリニアリティの向上に寄与できる。
レンズ駆動装置1は、スリーブ170によって保持される、円環状のワイヤースプリング(磁性部材)16を備えている。ワイヤースプリング16は、マグネット14との間に作用する吸引力により、移動体17に対して光軸L方向の付勢力を印加する。このため、移動体17が無通電時に自重で変位することを防止することができ、ひいては移動体17に所望の姿勢を維持させることができる。なお、このワイヤースプリング16は、移動体17のうち被写体側(前側)の端面に配置されるとともに、移動体17と第一の板バネ15との間に介在するように配置されている。
ヨーク13は、外周形状が略長方形であって、対向する一対の側面部131は平面状に形成され、他方の対向する一対の側面部132には、両端部133が内側に凹んでいる分、中央には外側に段差状に突出する凸部134が形成されている。従って、光軸L方向からみたとき、ヨーク13において、側面部131と、側面部132の両端部133で囲まれた長方形の領域が、第一の板バネ15や第二の板バネ18を配置できるスペースとなっている。
板状カバー12は、ヨーク13の被写体側に被さって、中央には入射窓120が形成された板部121を有している。板部121の四隅には、被写体側に延びる凸部122及び撮像素子側に延びる凸部123が形成され、板部121の一対の対向する辺部には、板部121の上面で、キャップ11の係合部の周方向を保持する保持部124が形成されている。また、ホルダー19には、その四隅に、被写体側に延びる凸部192が形成され、側面から被写体側に向かって柱状部材191が延びている。なお、ホルダー19の凸部192及び板状カバー12の凸部123は、それぞれ第一の板バネ15及び第二の板バネ18を固定体に接続する際に用いられる。
キャップ11は、非磁性の薄板(例えばSUS304)によって構成されており、板状カバー12の被写体側に被さって、中央には入射窓110が形成されている天板部111を有している。天板部111は、略長方形状をしているが、四隅及び対向する一辺の中央付近には、それぞれ矩形上の切り欠き112,113が形成されている。天板部111の一対の対向辺部分では、切り欠き113を挟む両端付近から、一対の係合脚部114が各々下方に延びている。係合脚部114には、その中央領域付近に貫通穴115が形成されている。
以上のような構成により、ホルダー19,第一の板バネ15,第二の板バネ18及び板状カバー12を重ねた状態で、キャップ11を重ね合わせる際、板状カバー12の保持部124にキャップ11の切り欠き113を嵌め込むことによって、板状カバー12の上面にキャップ11が配置される。その際、天板部111の四隅に形成された切り欠き112内には、板状カバー12の四隅に形成された凸部122が配置される。また、係合脚部114は、ヨーク13の側面部133に当接し、かつ、凸部134を挟み込むように配置される。このように配置された係合脚部114において、例えば、貫通穴115より接着剤を塗布することで、側面部132と係合脚部114とを固定する。そして、レーザ溶接によって、側面部132と係合脚部114と接合することによって、キャップ11をヨーク13に固定することができる。
ここで、本実施形態に係るレンズ駆動装置1では、第二の板バネ18は、第一のコイル171及び第二のコイル172に対する給電機能を有するとともに、マグネット14には、その一部に絶縁用被膜が形成されている。以下、図2〜図6を用いて、より具体的に説明する。
図2は、第一の板バネ15に着目したときの平面図である。図3は、第二の板バネ18に着目したときの平面図である。図4は、第一のコイル171及び第二のコイル172に対する給電態様について説明するための説明図である。なお、図4に示す給電態様(結線態様)は一例であり、これ以外の給電態様であってもよい。また、第一の板バネ15及び第二の板バネ18は、いずれも移動体17を光軸L方向に変位可能に支持するとともに、移動体17の光軸周りの回転を阻止する機能を担っている。
図2において、図2(a)は、第一の板バネ15を撮像素子側から(後側から前側に向けて)見ており、図2(b)は、第一の板バネ15を被写体側から(前側から後側に向けて)見ている。第一の板バネ15は、図2(a),(b)に示すように、板状カバー12に保持(固定)される4つの固定部151と、スリーブ170の図示上端部(前端部)に取付けられる円環状した取付け部152と、固定部151と取付け部152とを連結する4本のアーム部153とを備えている。さらに、第一の板バネ15の4つの固定部151が板状カバー12に保持され、アーム部153は、移動体17の光軸L方向への移動に合せて変位可能に板状カバー12の面に載置されている。
同様に、図3において、図3(b)は、第二の板バネ18を撮像素子側から(後側から前側に向けて)見ており、図3(a)及び(c)は、第二の板バネ18を被写体側から(前側から後側に向けて)見ている。第二の板バネ18は、電気的に分離された2枚のバネ片18a,18bからなっている。すなわち、光軸L方向の一箇所に位置する第二の板バネ18は、電気的に分割されたバネ片18a,18bを備えている。バネ片18a(18b)は、図3(a)〜(c)に示すように、ホルダー19に保持(固定)される2つの固定部185a,185b(186a,186b)と、スリーブ170の図示下端部に取付けられる円弧状した取付け部187a(187b)と、固定部185a,185b(186a,186b)と取付け部187a(187b)とを連結する2本のアーム部188a,188b(189a,189b)とを備えている。さらに、バネ片18a,18bの4つの固定部185a,185b(186a,186b)がホルダー19に保持され(図3(c)参照)、アーム部188a,188b(189a,189b)は、移動体17の光軸L方向への移動に合せて変位可能にホルダー19の面に載置されている。また、アーム部188a,188b(189a,189b)は、マグネット14の撮像素子側の外面142aと対向するように配置されている(図3(b),後述する図6(b)参照)。
さらに、バネ片18a,18bの各々には、端子181,182が形成されている(図3(a)参照)。また、端子181,182は、それぞれターミナル201,202(図1参照)と接触している。したがって、バネ片18a,18bに、第一のコイル171,第二のコイル172のコイル端部を電気的に接続すれば、端子181,182を介して給電を行うことができる。
より具体的に説明すると、図4に示すように、第二のコイル172の内周側より引き出された巻始め線51(その端部がコイル端部)を、バネ片18bに形成されたコイル結線部184にはんだ付けする一方で、第一のコイル171の外周側より引き出された巻き終わり線52をバネ片18aに形成されたコイル結線部183にはんだ付けする。また、第二のコイル172の外周側より引き出された巻終わり線53と、第一のコイル171の内周側より引き出された巻始め線53'とを結線する。したがって、第一のコイル171と第二のコイル172を直列に接続することができるとともに、コイルの巻回方向を揃えることができる。
このように、第二のコイル172の内周側より引き出された巻始め線51及び第一のコイル171の外周側より引き出された巻き終わり線52は、複数のバネ片18a,18bのうち各々異なるバネ片に電気的に接続されている。
次に、第二の板バネ18のバネ片18a,18bと、後側のマグネット142とが対向する位置に配置された絶縁部としての絶縁用皮膜について説明する。図5は、マグネット14に絶縁用被膜が形成されている様子を示す断面図である。図5(a)は絶縁用被膜を施す前、図5(b)は絶縁用被膜を施した後を示している。すなわち、マグネット14は、上述のとおり、前側半分のマグネット141と後側半分のマグネット142とに分割されているが(光軸L方向において分割されており)、このうちマグネット142のみに絶縁用被膜を施している(図5(b)参照)。これは、本実施形態では、第二の板バネ18のみを給電に使用しているからである。なお、本実施形態では、板バネ18の固定部185a,185b(186a,186b)とアーム部188a,188b(189a,189b)とが、マグネット142と対向(対面)するようになっている。
図6は、絶縁用被膜が形成されたマグネット14を拡大した拡大図である。
本実施形態では、第二の板バネ18に最も近いマグネット142に、絶縁用被膜が形成されている。この絶縁用被膜は、マグネット142の表面に、ニッケルや銅などの金属メッキを施して、その上に樹脂材料(例えばエポキシ樹脂)を被膜して形成する。金属メッキを介在させることによって、樹脂材料を塗りやすく(つけやすく)するとともに、マグネット142の酸化を防止することができる。絶縁用被膜の厚さとしては、例えば、金属メッキと樹脂材料を合わせて15μmなどである。
このように、マグネット142の全面に絶縁用被膜を形成することによって、コーティング工程を簡易にすることができる(図6(a)参照)。なお、マグネット142のうち第二の板バネ18と対向する面のみに絶縁用被膜を形成することによって、絶縁用被膜に用いる材料を少なくし、コスト削減を図ることができる(図6(b)参照)。また、本実施形態では、マグネット142のみについて絶縁用被膜を形成することとしているが、例えば第一の板バネ15も給電に使用する場合には、マグネット141及びマグネット142の双方に絶縁用被膜を形成してもよい。
[基本動作]
本実施形態に係るレンズ駆動装置1において、移動体17は、通常(第一のコイル171及び第二のコイル172の無通電時)は、撮像素子側(像側)に位置する。具体的には、スリーブ170の下端面(像側面)がホルダー19の上面(前側面)に当接した状態である。
ここで、ワイヤースプリング16は、マグネット14との間に作用する吸引力によって、移動体17の変位を規制している。ただし、ワイヤースプリング16とマグネット14との距離はある程度保たれているため、ワイヤースプリング16とマグネット14との吸引力が強くなり過ぎることはない。これにより、移動体17の中心軸がずれるのを防ぎ、ひいてはチルト特性の悪化を防ぐことができる。
このような状態において、第一のコイル171及び第二のコイル172に所定方向の電流を流すと、第一のコイル171及び第二のコイル172は、それぞれ上向き(前側)の電磁力を受けることになる。これにより、第一のコイル171及び第二のコイル172が固着されたスリーブ170は、被写体側(前側)に移動し始める。このとき、第一の板バネ15とスリーブ170の後端との間、及び第二の板バネ18とスリーブ170の前端との間には、それぞれスリーブ170の移動を規制する弾性力が発生する。このため、スリーブ170を前側に移動させようとする電磁力と、スリーブ170の移動を規制する弾性力が釣り合ったとき、スリーブ170は停止する。また、第一のコイル171及び第二のコイル172に逆方向の電流を流すと、第一のコイル171及び第二のコイル172は、それぞれ下向き(後側)の電磁力を受けることになる。
その際、第一のコイル171及び第二のコイル172に流す電流量と、第一の板バネ15及び第二の板バネ18によってスリーブ170に働く弾性力を調整することで、スリーブ170(移動体17)を所望の位置に停止させることができる。なお、移動体17に保持させたワイヤースプリング16とマグネット14との付勢力も利用することで、移動体17に光軸方向の推進力を発生させる磁気駆動機構の小型化を図ることができる。また、電磁力と弾性力との釣り合いを利用してスリーブ170を停止させることで、衝突音の発生を防ぐことができるようになっている。
ここで、上述した図5(b)の状態では、移動体17が原点位置にある様子を示している。図示していないが、移動体17は最も被写体側に移動した場合でもマグネット14の外面142aと第二の板バネ18とは当接しないように間隙が構成されている。すなわち、通常の動作では、スリーブ170の光軸L方向への移動に併せて、アーム部188a,188b(189a,189b)も光軸L方向に延びたり縮んだりするが、上記間隙により、アーム部188a,188b(189a,189b)は、マグネット14の外面142aには当接しないようになっている。
その一方で、例えば、レンズ駆動装置1が組み込まれた物を高い所から落としてしまった場合など、通常の動作では考えられないような、レンズ駆動装置1が強い衝撃を受けた場合に、第二の板バネ18がマグネット142に接触する場合があり、このような弊害が生じる虞がある。特に、アーム部188a,188b(189a,189b)は、ホルダー19面上に載置されただけなので、自由に動くことができる。そのため、上述したような、レンズ駆動装置1に落下衝撃等の強い衝撃が加わると、アーム部188a,188b(189a,189b)が自由に変形し、マグネット14の外面142aに接触する可能性がある。
しかし、本実施形態に係るレンズ駆動装置1では、マグネット142に絶縁用被膜が形成されていることから、万が一、レンズ駆動装置1が強い衝撃を受け、マグネット142と第二の板バネ18とが衝突した場合であっても、両者の間で電気的短絡が生ずるのを防ぐことができ、ひいてはアクチュエータの動作安定性を高めることができる。また、絶縁用被膜の材質や厚さによっては、緩衝効果を期待することもできる。
[実施形態等の効果]
以上説明したように、本実施形態に係るレンズ駆動装置1によれば、第二の板バネ18を構成するバネ片18a,18bとマグネット14の間に、これらを電気的に絶縁する絶縁部(本実施形態では絶縁用被膜)が介在するので、レンズ駆動装置1が強い衝撃を受けて、仮に、バネ片18a,18bとマグネット14とが衝突した場合であっても、電気的な短絡が生じるのを防ぐことができ、ひいてはアクチュエータの動作安定性を高めることができる。
また、本実施形態では、絶縁部として絶縁用被膜を採用し、厚みを薄くすることができるので、レンズ駆動装置1の小型化要求を満たしつつ、アクチュエータの動作安定性を高めることができる。具体的に説明すると、光軸L方向において、バネ片18a,18bとマグネット142との距離を長くすることによっても、電気的短絡を防ぐことはできるが、近年のレンズ駆動装置1の小型化要求を十分に満たすことは難しい。現に、光軸L方向におけるスペースの余裕はそれほどない。そこで、本発明によれば、例えば、絶縁部をシールや膜状にするなど厚みを薄くすることによって、レンズ駆動装置1の小型化要求を満たしつつ、電気的短絡を防ぐことができる。
また、この絶縁用被膜をマグネット14に形成することによって、製造工程の容易化を図ることができる。もちろん、この絶縁用被膜は、マグネット14ではなくバネ片18a,18bに形成することとしてもよいし、両方に形成することとしてもよい。
また、本実施形態では、バネ部材として、光軸方向において離間する二箇所に配置された第一の板バネ15と第二の板バネ18を有しており、このうち第二の板バネ18が、2個のバネ片18a,18bに分割されていることとしたので、2個のバネ部材(第一の板バネ15と第二の板バネ18)により、静止時又は可動時の移動体17がガタつくのを防ぎつつ、アクチュエータの動作安定性を高めることができる。
[変形例]
レンズ駆動装置において、第二の板バネ18とマグネット142との間隙に光軸方向においてスペースを設ける余裕があれば、更に大きくするようにしてもよい。
また、図7は、マグネット14のうち第二の板バネ18と対向する面に、樹脂からなる絶縁体シール100を貼り付けた様子を示す図である。
図7に示すように、後側のマグネット142のうち第二の板バネ18(2個のバネ片18a,18b)と対向する面には、樹脂からなる絶縁体シール100が貼り付けられている。このようにして、マグネット14と第二の板バネ18が電気的に短絡するのを防いでもよい。また、図7では絶縁体シール100を用いているが、その他、絶縁体シール100に代えて、絶縁体の接着剤やゲルであってもよい。また、マグネット14と第ニの板バネ18との間に、絶縁体部品を介在させても構わない。
なお、絶縁体シール等は、マグネット又は板バネに当接させているが、両者間の間隙に配置するようにしてもよい。
なお、レンズ駆動装置1は、カメラ付き携帯電話機の他にも、様々な電子機器に取り付けることが可能である。例えば、PHS,PDA,バーコードリーダ,薄型のデジタルカメラ,監視カメラ,車の背後確認用カメラ,光学的認証機能を有するドア等である。
本発明に係るレンズ駆動装置は、アクチュエータ又はその駆動回路の動作安定性を高めることが可能なものとして有用である。
本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の機械構成を示す分解斜視図である。 第一の板バネに着目したときの平面図である。 第二の板バネに着目したときの平面図である。 第一のコイル及び第二のコイルに対する給電態様について説明するための説明図である。 マグネットに絶縁用被膜が形成されている様子を示す断面図である。 絶縁用被膜が形成されたマグネットを拡大した拡大図である。 マグネットのうち第二の板バネと対向する面に、樹脂からなる絶縁体シールを貼り付けた様子を示す図である。
符号の説明
1 レンズ駆動装置
11 キャップ
12 板状カバー
13 ヨーク
14 マグネット
15 第一の板バネ
16 ワイヤースプリング
17 移動体
18 第二の板バネ
19 ホルダー
20 ターミナル

Claims (4)

  1. レンズを備えた移動体と、
    コイルとマグネットを備え、前記移動体を光軸方向に駆動する磁気駆動機構と、
    バネ部材を介して前記移動体を光軸方向に移動可能に支持する、前記マグネットを固定した鋼板からなるヨークを有する固定体と、
    を有するレンズ駆動装置において、
    前記バネ部材は、電気的に分割された複数のバネ片を備え、
    前記コイルから引き出された複数のコイル端部は、前記複数のバネ片のうち各々異なるバネ片に電気的に接続されており、
    前記マグネットの全面には、防錆性を有する金属メッキを施し、
    前記複数のバネ片と前記金属メッキを施したマグネットとが対向する位置には、これらを電気的に絶縁する絶縁部として、前記金属メッキを施したマグネットの全面に、絶縁用被膜が形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記複数のバネ片には、絶縁用被膜が形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記バネ部材は、光軸方向において離間する二箇所に配置された第一のバネ部材と第二のバネ部材を備え、
    前記第一のバネ部材と前記第二のバネ部材のうちいずれか一方のバネ部材が、前記複数のバネ片に分割されていることを特徴とする請求項1又は2記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記一方のバネ部材に近い前記マグネットに、絶縁用被膜が形成されていることを特徴とする請求項3記載のレンズ駆動装置。
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