JP5146898B2 - 燃料電池電源制御装置、燃料電池システム及び燃料電池電源制御方法 - Google Patents

燃料電池電源制御装置、燃料電池システム及び燃料電池電源制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に燃料電池の電流−電圧特性を利用した電源制御の改良に関する。
燃料電池を利用した電源システムでは、燃料電池の電流―電圧特性(いわゆるI−V特性)に基づいて動作点を求める電源制御を行っている。燃料電池の動作状態に応じて、実際の動作点が往々にしてずれることがあるため、従来、何らかの補正演算を実施して誤差を少なくしていた。
このような補正演算を行う技術として、例えば、特開2004−265683号公報には、基準となる電流−電圧特性に対して許容できる電流の乖離度合いΔIを定め、電流が電流−電圧特性上の動作点よりΔIだけ大きく、且つ出力が等しくなる点を結んで許容動作範囲を設定し、燃料電池の動作点がこの許容動作範囲内にあれば出力制限を行わず、この許容動作範囲の境界線上に達した場合は、要求出力をその時点の出力に制限するように制御する燃料電池発電制御システムが開示されている(特許文献1)。
また、特開2002−231295号公報には、基準となるI−V特性が、内部抵抗のない燃料電池に対して水素供給圧毎の燃料電池の出力電流と出力電圧との関係を求めて予めマップとしてROMに記憶されており、内部抵抗を比例項と積分項とを用いて求めてから、出力特性を推定する技術が開示されている(特許文献2)。
このような燃料電池の電源制御技術が、特開2004−207024号公報(特許文献3)、特開2004−220794号公報(特許文献4)、特開2004−296374号公報(特許文献5)、特開2004−335343号公報(特許文献6)、特開2003−86211号公報(特許文献7)にも記載されている。
特開2004−265683号公報(要約書等) 特開2002−231295号公報(段落0033、0039等) 特開2004−207024号公報 特開2004−220794号公報 特開2004−296374号公報 特開2004−335343号公報 特開2003−86211号公報 特開2004−349114号公報 特開2004−281214号公報 特開2005−85504号公報
しかしながら、上記特許文献のように、I−V特性に基づき電力制御をする場合、現実に必ずといってよいほど燃料電池システムの運転状態に応じたI−V特性の補正が必要になる。この点、上記特許文献1のように基準となるI−V特性が固定されており、出力制限を判定する場合の補正量が大変大きくなる。また、上記特許文献2のように水素供給圧毎のI−V特性を用いる場合でも、電力制御時における補正は必須である。このため、急激な負荷変動があると補正量が大きくなるため、実際の出力特性に補正演算が収束するまで時間がかかり応答性が悪くなる可能性があった。逆に、応答性を向上させるために補正項の係数を大きくしようとすれば、応答制御上のハンチング現象が生じ、出力が不安定になるという不都合があった。
そこで本発明は、上記課題を解決するために、応答性の良い燃料電池の電源制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための第1の本発明は、電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御装置において、燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定する実電流判定手段と、燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された燃料電池の電圧値を燃料電池の温度に対応付けて記録する実電圧記録手段と、記録された電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、燃料電池の温度に対応付けて更新された基本電流−電圧特性として記録する電流−電圧特性更新手段と、燃料電池の温度に対応付けて更新された基本電流−電圧特性を補正する補正手段と、を備え、要求電力値に対応した等電力曲線と補正された基本電流−電圧特性との交点を燃料電池の動作点として電源制御を実施するように構成されており、予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されていることを特徴とする。
また第1の発明は、電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御方法において、燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定し、燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された燃料電池の電圧値を燃料電池の温度に対応付けて記録し、記録された電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、燃料電池の温度に対応付けて更新された基本電流−電圧特性として記録し、燃料電池の温度に対応付けて更新された基本電流−電圧特性を補正し、要求電力値に対応した等電力曲線と補正された基本電流−電圧特性との交点を燃料電池の動作点として電源制御を実施するものであり、予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されていることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、電流値が予め定められた電流値に該当する場合にのみ電圧値の記録等、I−V(電流−電圧)特性学習に関連する処理が実施されるので、電流値の間隔をシステム要求に応じた適正な階調に定めることにより、更新処理の負荷を最低限におさえながら、応答性の良いI−V特性の更新が行える。また、電流値が間隔毎の値になっている場合には、実電圧が記録され、その集合によってI−V特性が更新されるので、燃料電池の経年変化等による劣化、燃料電池の運転温度、燃料ガスの供給圧力等の諸条件に応じた、実際のI−V特性に極めて近似したI−V特性が学習されている。このため、短時間の運転状態に応じた補正が必要であるとしても、補正処理による補正量が少なくて済み、速やかに補正値に収束させることが可能であり、高速な応答性を確保できる。
また、第2の発明は、電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御装置において、燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定する実電流判定手段と、燃料電池の交流インピーダンスを算出する交流インピーダンス算出手段と、燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された燃料電池の交流インピーダンスによる影響を除外した理論電圧値を、更新された理論電圧値として燃料電池の温度に対応付けて記録する理論電圧記録手段と、更新された理論電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性として記録する電流−電圧特性更新手段と、燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性を補正する補正手段と、を備え、要求電力値に対応した等電力曲線と補正された理論電流−電圧特性との交点を燃料電池の動作点として電源制御を実施するように構成されており、予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されていることを特徴とする。
また第2の発明は、電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御方法において、燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定し、燃料電池の交流インピーダンスを算出し、燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された燃料電池の交流インピーダンスによる影響を除外した理論電圧値を、更新された理論電圧値として燃料電池の温度に対応付けて記録し、更新された理論電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性として記録し、燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性を補正し、要求電力値に対応した等電力曲線と補正された理論電流−電圧特性との交点を燃料電池の動作点として電源制御を実施するものであり、予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されていることを特徴とする。
上記第2の発明によれば、電流値が特定の間隔毎である点とI−V特性を学習する点について第1の発明と同様の作用効果を奏する他、特に、I−V特性としては交流インピーダンスの影響を排除した理論I−V特性が学習されるので、内部抵抗の影響を排除した誤差の少ない電力制御が可能である。
また、第3の発明は、電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御装置において、燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定する実電流判定手段と、燃料電池の交流インピーダンスを算出する交流インピーダンス算出手段と、燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された燃料電池の交流インピーダンスに基づいて内部抵抗を算出して、更新された内部抵抗として記録する内部抵抗更新手段と、当該電流値に対応して検出された燃料電池の電圧値から、更新された内部抵抗による電圧降下分を除外した電圧値を、更新された理論電圧値として燃料電池の温度に対応付けて記録する理論電圧記録手段と、更新された理論電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性として出力する電流−電圧特性更新手段と、更新された内部抵抗に基づいて、燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性を補正する補正手段と、を備え、要求電力値に対応した等電力曲線と補正された理論電流−電圧特性との交点を燃料電池の動作点として電源制御を実施するように構成されており、予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されていることを特徴とする。
また第3の発明は、電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御方法において、燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定し、燃料電池の交流インピーダンスを算出し、燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された該燃料電池の交流インピーダンスに基づいて内部抵抗を算出して、更新された内部抵抗として記録し、当該電流値に対応して検出された燃料電池の電圧値から、更新された内部抵抗による電圧降下分を除外した電圧値を、更新された理論電圧値として燃料電池の温度に対応付けて記録し、更新された理論電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性として記録し、燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性を補正し、要求電力値に対応した等電力曲線と補正された理論電流−電圧特性との交点を燃料電池の動作点として電源制御を実施するものであり、予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されていることを特徴とする。
上記第3の発明によれば、電流値が特定の間隔毎である点とI−V特性を学習する点について第1の発明と同様の作用効果を奏する他、特にI−V特性として、交流インピーダンスの影響を排除した理論I−V特性が学習され、さらにその時点における内部抵抗が更新されているので、極めて正確なI−V特性の補正演算が行え、精度の高い電力制御が可能である。
ここで、電流−電圧特性更新手段において、電流値に対応して複数の電圧値が記録されている場合には、複数の電圧値を平準化処理してその電流値に対し更新すべき電圧値とすることは好ましい。測定される電圧値にはバラツキがあり、またノイズの影響等で異常値が含まれる場合があるが、本発明によれば、それぞれの電流値に対して複数検出されている電圧値に対し平準化処理が実施されるのでバラツキや異常値の影響が緩和され、実際の電圧値に近似させることができる。ここで「平準化処理」には限定は無いが、いわゆるフィルタ処理や、移動平均を求めるような処理、または単純に一定期間中のサンプル値の平均値を求めるような処理を適用することができる。
ここで、第1〜第3の発明において、電圧値は、燃料電池の定常運転時に記録されるようにすることは好ましい。定常運転ではない負荷が変動しているような場合には、システムの動作状態が刻々変化しているため、I−V特性も変化をしていることが多い。この点、本処理によれば、定常状態において燃料電池のI−V特性が更新されるので、動作状態を一定とした場合の適切な特性測定が実施できる。
ここで、第1〜第3の発明において、燃料電池の電圧値は、燃料電池の温度に対応づけて記録され、電流−電圧特性更新手段は、燃料電池の温度に対応づけて電流−電圧特性を更新し、補正手段は、燃料電池の温度に対応づけられた電流―電圧特性を補正するように構成することは好ましい。
燃料電池のI−V特性は特に燃料電池の温度により変動する傾向にあるが、この発明によれば、燃料電池の温度に対応づけてI−V特性が学習されるので、温度に応じた適切なI−V特性が学習され、より精度の高いI−V特性補正が行える。
また本発明は、第1の発明における燃料電池制御装置を備える燃料電池システムであって、燃料電池の出力電流を検出する電流検出装置と、燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出装置と、燃料電池と相補的に電力供給が可能に構成された蓄電装置と、補正された電流−電圧特性に基づいて燃料電池の動作点を定め、蓄電装置の充電または放電によりこのシステムに要求される要求電力に対する燃料電池の出力電力の過不足を調整する電力制御手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システムでもある。
この発明によれば、第1の発明の電力制御を利用したハイブリッド型燃料電池システムとして動作するので、燃料電池の動作点が正しく制御でき、適正な電力収支に基づき、蓄電装置に対し過充電や過放電が無く、また燃料電池の電力不足等による劣化を防止可能なシステムを提供できる。
また本発明は、第2の発明または第3の発明の燃料電池制御装置を備える燃料電池システムであって、燃料電池の出力電流を検出する電流検出装置と、燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出装置と、燃料電池の出力に交流信号を重畳する交流信号印加装置と、燃料電池と相補的に電力供給が可能に構成された蓄電装置と、補正された電流−電圧特性に基づいて燃料電池の動作点を定め、蓄電装置の充電または放電によりこのシステムに要求される要求電力に対する燃料電池の出力電力の過不足を調整する電力制御手段と、を備えたことを特徴とする燃料電池システムでもある。
この発明によれば、第2または第3の発明の電力制御を利用したハイブリッド型燃料電池システムとして動作するので、燃料電池の動作点が正しく制御でき、適正な電力収支に基づき、蓄電装置に対し過充電や過放電が無く、また燃料電池の電力不足等による劣化を防止可能なシステムを提供できる。特に、交流インピーダンスに基づいた精度の高い理論I−V特性や最新の更新された内部抵抗を用いて正確な電力制御を行うことが可能である。
本発明によれば、電流値が特定の間隔毎に予め設定された電流値に該当する場合にのみ電圧値が検出され、電流−電圧特性の学習が実施されるので、更新処理の負荷を最低限におさえながら、実際のI−V特性に極めて近似したI−V特性を取得することが可能である。このため、電源制御時の補正量が少なくて済み、速やかに補正値に収束させることが可能であり、高速な応答性を確保できる。
次に本発明を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態は、電気自動車に搭載するハイブリッド型燃料電池システムに本発明の電源制御装置を適用したものである。以下の実施形態は本発明の適用形態の単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
(実施形態1)
この実施形態1は、第1の発明に係り、実際に測定される実電圧に基づき基本I−V特性を学習するものである。
図2に、第1の発明に係る本ハイブリッド型燃料電池システムの機能ブロック図を示す。
図2に示すように、本ハイブリッド型燃料電池システムは、燃料電池100と、燃料電池100と相補的に電力供給が可能に構成された蓄電装置101と、電力を消費する総体としての負荷装置102とを備える。さらに、燃料電池100の出力電流Ifcを検出する電流検出装置103と、燃料電池100の出力電圧Vfcを検出する電圧検出装置104とを備え、検出された出力電流Ifcに対する出力電圧Vfcに基づいて、制御部5が本発明の電力制御方法を実施するようになっている。
制御部5は、以下の機能ブロックを備えて構成されている。
1)燃料電池100の出力電流Ifcが、所定のステップ毎に予め定められている電流値であるかを判定する実電流判定手段501;
2)燃料電池100が予め定められたいずれかの電流値である場合に、この電流値に対応して検出された燃料電池100の電圧値Vfcをメモリ503に記録する実電圧記録手段502;
3)記録された電流値に対応する電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を基本電流−電圧特性としてメモリ505に更新する電流−電圧特性更新手段504;
4)動作状態に応じて、基本電流−電圧特性を補正する補正手段506;及び
5)補正された電流−電圧特性に基づいて燃料電池100の動作点を定め、蓄電装置101の充電または放電によりこのシステムに要求される要求電力に対する燃料電池100の出力電力の過不足を調整する電力制御手段507。
以下、これら機能ブロックを具体的に実現するためのハイブリッド型燃料電池システムの構成について説明する。
図1に、本実施形態1のハイブリッド型燃料電池システムのブロック図を示す。
図1に示すように、本ハイブリッド型燃料電池システムは、燃料電池100に水素ガスであるアノードガスを供給するアノードガス供給系1、燃料電池100に酸素を含む空気であるカソードガスを供給するカソードガス供給系2、本発明の電源制御の制御対象である電力系3、及び本発明の電源制御装置である制御部5から構成されている。
燃料電池100は、セル(単セル)を複数積層したスタック構造を備えている。各セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれる発電体を、水素ガス、空気、冷却水の流路を有するセパレータ一対で挟み込んだ構造をしている。MEAは高分子電解質膜をアノード極及びカソード極の二つの電極で挟み込んだ構造をしている。アノード極は燃料極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成され、カソード極は空気極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成される。その他、燃料電池の形態として、リン酸型、溶融炭酸塩型等を用いることが可能である。
燃料電池100は水の電気分解の逆反応を起こすものであり、アノード(陰極)極側にはアノードガス供給系1からアノードガスが供給される。カソード(陽極)極側にはカソードガス供給系2から酸素を含んだカソードガスが供給される。アノード極側では式(1)のような反応を、カソード極側では式(2)のような反応を生じさせて電子を循環させ電流を流すものである。
2 → 2H++2e- …(1)
2H++2e-+(1/2)O2 → H2O …(2)
アノードガス供給系1としては、水素ガス供給源としての水素タンク10、アノードガス供給路11、アノードオフガス排出路12を備える。その他、図示しないが、水素ガスを流通させるための水素ポンプ、水素ガスの管理制御のために必要な元弁や調整弁、遮断弁、逆止弁、気液分離器等を備えていてもよい。
水素タンク10には高圧の水素ガスが充填されている。水素供給源としては高圧水素タンクの他に、水素吸蔵合金を用いた水素タンク、改質ガスによる水素供給機構、液体水素タンク、液化燃料タンク等種々のものを適用可能である。アノードガス供給路11は、高圧の水素ガスを供給する配管であり、途中に図示しない調圧弁(レギュレータ)等を備えていてもよい。アノードガス供給路11から供給された水素ガスは、燃料電池100内において、マニホールド経由で各単セルのアノード極側に供給され、MEAのアノードにおいて式(1)に示すような電気化学反応を生じてからアノードオフガス(水素オフガス)として排出される。アノードオフガス排出路12は、燃料電池100から排出されたアノードオフガスを排出する経路であり、循環経路を形成していてもよい。循環経路を形成させるには、図示しない逆止弁やエジェクタを介して、再びアノードガス供給路11にアノードオフガスを戻すように構成される。
カソードガス供給系2は、コンプレッサ20、カソードガス供給路21、カソードオフガス排出路22を備える。その他、図示しないが、カソードガスである空気の湿度を制御するための加湿器、カソードオフガス(空気オフガス)を除去する気液分離器、アノードオフガスをカソードオフガスと混合するための希釈器、消音器等を備えていてもよい。
コンプレッサ20は、エアクリーナ等から取り入れられた空気を圧縮し、空気量や空気圧を変更し、燃料電池100のカソード極側に供給するものである。カソードガス供給路21から供給された空気は、燃料電池100内において、水素ガスと同じくマニホールド経由で各単セルのカソード極側に供給され、MEAのカソードにおいて式(2)に示すような電気化学反応を生じてからカソードオフガスとして排出される。燃料電池100から排出されたカソードオフガスは、アノードオフガスと希釈されてから排出される。
電力系3は、バッテリ30、バッテリコンピュータ31、DC−DCコンバータ32、トラクションインバータ33、トラクションモータ34、補機インバータ35、高圧補機36、逆流防止ダイオード37等を備えている。
バッテリ30は、本発明の蓄電装置101に係り、充放電可能な二次電池である。バッテリとしては、ニッケルー水素電池等、様々な種類の二次電池を用いることができる。二次電池の代わりに、充放電が可能な蓄電装置、例えばキャパシタを用いることが可能である。バッテリ30は、一定電圧で発電するバッテリーユニットを複数積層し直列接続することによって高電圧を出力可能とすることができる。
バッテリコンピュータ31は、バッテリ30の出力端子に設けられており、制御部5に充電状態信号SSOCを供給可能になっている。バッテリコンピュータ31は、バッテリ30の充電状態を監視し、バッテリが過充電や過放電に至らない適正な充電範囲内に維持するとともに、万が一バッテが過充電や過放電等の状態になったら制御部5に通知するようになっている。
DC−DCコンバータ32は、一次側と二次側との間で電圧の昇圧/降圧をして電力を流通させるものである。例えば、一次側のバッテリ30の出力電圧を、二次側の燃料電池100の出力電圧にまで昇圧して、トラクションモータ34や高圧補機36等の負荷装置102に電力を供給する。逆に、二次側において燃料電池100の余剰電力や負荷装置102からの回生電力を、降圧して一次側のバッテリ30に充電するために通過させる。
トラクションインバータ33は直流電流を三相交流に変換し、トラクションモータ34に供給するものである。トラクションモータ34は例えば三相モータであり、当該燃料電池システムが搭載される自動車の主動力源である。
補機インバータ35は、高圧補機36を駆動するための直流−交流変換手段である。高圧補機36は、コンプレッサ20、水素ポンプ、冷却系のモータ類等の燃料電池システムの運転に必要な各種モータ類である。
制御部5にシステムの動作状態を伝達する測定系としては、本発明の電流検出装置である電流センサ40、本発明の電圧検出装置である電圧センサ41、燃料電池100の内部温度を計測する温度センサ42、アノードガス圧力を検出する圧力センサ43を備えている。電流センサ40は、燃料電池100の出力電流を検出し電流検出信号Ifcとして制御部5に出力する。電圧センサ41は、燃料電池100の出力電圧を検出し電圧検出信号Vfcとして制御部5に出力する。温度センサ42は、燃料電池100内部の冷却液温度を検出し温度検出信号Tfcとして制御部5に出力する。圧力センサ43は、アノードガス供給路11に設けられ、アノードガス圧力を検出し、圧力検出信号Phとして制御部5に出力するようになっている。
制御部5は、CPU(中央処理装置)50、RAM51、ROM52等を有し、汎用コンピュータとしての構成を備えている。制御部5は、主としてアノードガス供給系1、カソードガス供給系2、電力系3を含む燃料電池システム全体を制御する他、内蔵ROM等に格納されている本発明の電源制御方法を実現するためのソフトウェアプログラムを順次実行することにより、当該燃料電池システムにおいて第1の発明の電源制御方法を実行させることが可能になっている。
次に、図3のフローチャートを参照して、制御部5で実現される本実施形態1の機能ブロック(図2)に係る電源制御方法を説明する。このフローチャートに基づく処理は、燃料電池システムの運転中に、定期的に(例えば数十ms〜数秒間隔)に実施されるものである。
まず、本発明の電源制御処理を実施するにあたり、燃料電池システムが定常運転中であるか否かが判定される(S1)。定常運転とは、燃料電池100のI−V特性が変動しないような運転をいい、負荷量(消費電力)が一定であるため、発電量が一定に維持されているような状態である。典型的には、この燃料電池システムが搭載されている電気自動車がアイドル状態であったり間欠運転状態であったりする場合が考えられる。但し、負荷変動をバッテリ30からの供給電流の調整のみで吸収でき、燃料電池100からの発電電流を一定に維持できる場合には、ここにいう定常状態であるとすることができる。
定常運転ではない場合には(S1:NO)、燃料電池の電流―電圧特性(I−V特性)の更新には適さない時期と判断できるので、現在記録されているI−V特性に基づく通常の電源制御処理が行われる。すなわち、後述するような動作状態の取得(S9)、補正処理(S10)、及びそれに基づく電源制御(S11)が実行される。
燃料電池100が定常運転されていると判断される場合(S1:YES)、I−V特性更新のための電圧検出処理に移行する。電流センサ40からの電流検出信号Ifcが参照され(S2)、現時点における燃料電池100の出力電流が電流格子点上、つまり予め定められた所定のステップ毎の値に該当しているか否かが判断される(S3)。
図4に、電流―電圧座標面において、電流値のステップΔS1毎に測定される電流格子点の概要、およびそこにプロットされたI−V特性の例を示す。ここで「電流格子点」とは、電流値のステップΔS1ごとに計測される実電圧値の検出点の集合である。I−V特性時に記録される電流値はn×ΔS1(nは整数)のいずれかの値をとり、それに応じて測定される電圧値は電圧センサの精度に対応した実際の測定値になる。図4では、電圧値が均等なステップで測定されうるかのように図示されているが、これは電圧センサがたまたま電流値のステップΔS1に等しい場合に格子状に図示されるに過ぎない。すなわち電圧センサの精度に応じ電圧方向(縦方向)の測定可能精度が変化する。
ここにいうステップとは、I−V特性を測定するために設ける階調の最小単位のことで、燃料電池のI−V特性に求められる精度、電流センサ等の検出装置の精度、検出に係るデータ精度(ビット数)に応じて適当に定められるものである。一般に、ステップが大きいな値を取るほど電流格子点の数は少なくなり、得られるI−V特性は粗くなるが、測定完了までの時間が短い。これに比べ、ステップが小さい値を取るほど電流格子点の数が大きくなり、得られるI−V特性は高精度になるが、測定時間を要する。したがって、求められる精度と測定可能時間との双方を勘案して適当なステップ値を定める。
なお、上述したように、電流のステップと電圧の精度とが同じ(例えばΔS1=1アンペア、電圧値検出精度=1ボルト)である必要はなく、電流値のステップΔS1が電圧値の精度と異なるように設定されていてもよい。例えば、電流値のステップΔS1=5アンペア、電圧値の検出精度=0.2ボルトというように、システム仕様に併せて適宜変動する。
ステップS3において、図4に示すような電流格子点上、すなわち所定のステップΔS1相当の電流値に該当していない場合には(NO)、現在記憶されているI−V特性に基づく通常の補正・電源制御処理(S9〜S11)が実施される。一方、電流格子点に該当している場合(S3:YES)、I−V特性更新のため、電圧センサ41からの電圧検出信号Vfcを参照して実電圧値が検出され(S4)、後のフィルタ処理のために一時記憶される(S5)。電流値のステップは、電流値に応じて変化させてもよく、I−V特性上の動作点付近の精度を高く、動作点から離れ滅多に測定されない領域の精度を低く設定可能である。例えば、表1のように、低電流領域では高精度に、高電流領域では低精度に設定することができる。
Figure 0005146898
電流格子点に該当する場合に測定される実電圧値は、図4に示すような多数の格子点のうちの一つに過ぎないため、I−V特性全体を記録するためには、多数のサンプリングをしなければならない。ここで、I−V特性上に求められる燃料電池の動作点は、燃料電池システムに要求される要求電力値を算出し、それに対応した等電力特性を電流−電圧座標面上に描いた場合のI−V特性との交点として求められる。システムの要求電力は刻一刻と変化しているため、したがってI−V特性曲線上に求められる動作点も変化していく。このため、一定期間のサンプリングを続けると、I−V特性曲線を再現するに足りる程度にサンプル数が集まると期待できる。また、I−V特性上における動作点の移動が少ないとしても、そのような場合の動作点近傍のI−V特性は、燃料電池システムが最も頻繁に動作点を設定する領域と考えられる。このため、電流値が小から大までの広範なI−V特性が得られなくても、その動作点付近に集中した精度の高いサンプリングが行えていれば実用上支障ないともいえる。
そこで本実施形態では、一定時間経過する間(S6:NO)、電圧値のサンプリングを続けるものとし、電流格子点に該当する場合の実電圧値検出を継続する(S1〜S5)。無論、サンプリング中であっても負荷条件の変化等で一時的に定常運転から外れる場合には(S1:NO)、一旦実電圧値の記録を中断し、過去に更新済みのI−V特性に基づく電源制御が実施される。
なお、このように所定の時間を設定してその時間中に取得できた電圧値によりI−V特性を更新する他、取得されたサンプル数自体を計数して一定サンプル数に達したら電圧値のサンプリングを終了するものとしてもよい。また、広範な電流レンジでI−V特性を更新する必要があるなら、電流値がある程度分散してサンプリングされたことを判定して電圧値のサンプリングを終了するものとしてもよい。
これらの設定によりI−V特性の更新に足りるだけの電圧値サンプルが取得されたら、フィルタ処理を実施する(S7)。フィルタ処理とは、平準化または正規化処理ともいえるもので、検出された電圧値のバラツキを緩和したり、ノイズの影響等で含まれることのある異常値の影響を緩和したりするような処理一般をいい、オプショナルな処理である。それには種々の方法が考えられるが、いわゆるフィルタ処理や、移動平均を求めるような処理、または単純に一定期間中のサンプル値の平均値を求めるような処理を適用することができる。例えば、一つの電流格子点(同一の電流ステップ)に複数の電圧値サンプルが検出されているような場合には、その平均を求めることが考えられる。また、異なる電流格子点について検出されている電圧値サンプル間の移動平均を求めたり「なまし」処理を実施し検出点が滑らかな曲線で結ばれるように電圧値を補正したりすることが考えられる。
上記フィルタ処理によりサンプリングされた電圧値が平準化または正規化されたら、それらフィルタ処理後の電圧値の集合で特定されるI−V特性で、過去のI−V特性を書き換える更新処理が実施される(S8)。この更新処理によって、ステップS1以降にサンプリングされてきた電圧値が初めて利用・参照可能な情報として有効化されるのである。以上で、本発明のI−V特性の更新処理が完了し、以降は更新されたI−V特性に基づき従来の電源制御処理となる。
更新されたI−V特性を利用しての電源制御を開始するに当たり、まず燃料電池システムの動作状態の取得が行われる(S9)。
図5に、燃料ガスの供給圧力に対応してI−V特性がどのように変化するかの特性図を示す。図5に示すように、燃料電池のI−V特性は、供給されている燃料ガスの供給圧力に応じて若干の変動を示す。したがって、基本的なI−V特性が定められているとしても、電源制御時点における燃料ガスの供給圧力に応じて、I−V特性の補正が必要となる。この燃料ガスの供給圧力は、燃料電池システムの運転状態、例えば負荷条件の変動に応じ頻繁に変更する必要があるため、このような毎回の電力制御時における補正が必須のものとなる。
また、電圧センサ41で検出される実電圧は、燃料電池の純粋な発電電圧に、MEAの電解質膜の保湿量の影響で定まる内部抵抗による電圧低下、上記式(1)や(2)で示す電気化学反応の活性化エネルギに起因する活性化電圧の低下、水素、酸素の拡散が阻害されることによる拡散電圧に基づく電圧低下等の影響がある。このため、燃料電池の純粋なI−V特性、すなわち理論I−V特性を求めるためには、内部抵抗、活性化エネルギ、拡散電圧に由来する電圧低下の影響を排除しなければならない。
そこで本実施形態1では、燃料ガスの供給圧力に基づくI−V特性の補正を行う(S10)。このため、定められた内部抵抗値による電圧低下、活性化エネルギに基づく電圧降下、拡散電圧に基づく電圧低下の影響をそれぞれ排除して実際のI−V特性を導くための補正演算が実施される。
図6に示すように、上記処理により、実電圧に基づく更新後のI−V特性が、補正後のI−V特性に修正される。そして、補正後のI−V特性が求められたら、このI−V特性を利用して電源制御が実施される(S11)。
まず、燃料電池システムに対する要求電力値が算出される。要求電力値は、現在の操作状態等から燃料システム全体に出力することが要請されている電力値の総計である。
操作状態を把握するために、ドライバが操作するアクセルペダルの踏み込み量に対応したアクセル開度信号Sa、シフトレバーの投入状態を示すシフトポジション信号Ss、及びブレーキペダルの操作状態を示すブレーキポジション信号Sbが取得される。さらに図示しない車輪の回転速度を示す車輪速信号も取得される。これらに基づき目標駆動力が求められ、車両質量や体や半径等から目標トルクが算出される。この目標トルクに基づいてトラクションモータ34で発生させるに足りる消費電力が計算される。さらに高圧補機36において消費される消費電力、インバータ33や35で発生する損失、コンバータ32で発生する損失等を加算して、要求電力値が算出される。この要求電力値は基本的に燃料電池100からの発電量でまかなうことが好ましいため、この要求電力値で燃料電池100が発電できるように、アノードガス供給系1、カソードガス供給系2の燃料ガス供給制御が実施される。
図6に示すように、この要求電力値に対応した等電力曲線と補正後のI−V特性との交点が燃料電池の動作点2として求められる。本発明のI−V特性の更新処理を実施する場合には、図4の電流格子点に基づいて求められた電圧値による更新後のI−V特性からの補正として、図6の補正量2だけの補正が必要である。これに対し、I−V特性の更新が無い基本I−V特性からの補正は、図6の補正量1の補正が必要であるため、補正量を少なく、迅速に収束させることが可能になっている。
動作点が得られたら、この動作点における燃料電池100の端子電圧となるようDC−DCコンバータ32の二次側電圧が調整される。燃料電池100は端子電圧が定められることでI−V特性にしたがった電流値が定まるので、動作点2の出力電圧及び出力電流で制御されることになる。
なお、燃料電池のI−V特性は燃料電池の内部温度に依存性があるため、上記基本I−V特性の記録・更新を燃料電池の内部温度に対応させて実施することは好ましい。
図7に、燃料電池の内部温度の変化に応じてI−V特性がどのように変化するかを示す。図7に示されるように、燃料電池のI−V特性は燃料電池の内部温度に依存する。燃料電池の内部温度は、緩慢な変化をするため、短いタイムスパンにおけるI−V特性の補正によって対応するよりは、温度ごとに対応するI−V特性を定めてから補正処理をすることが好ましい場合がある。そこで、温度センサ42からの温度検出信号Tfcを、上記の電圧値のサンプリング時に併せて記録しておき、そのサンプリングにより取得できるI−V特性を温度に応じて記録しておけば、より理論I−V特性に近似したI−V特性に基づく電力制御ができることとなり、好ましい。
以上、実施形態1によれば、電流値が所定の電流格子点に相当する場合にのみ電圧値の記録やI−V特性学習が実施されるので、更新処理の負荷を最低限におさえながら、応答性の良いI−V特性の更新が行える。このため、短時間の運転状態に応じた補正が必要であるとしても、補正処理による補正量が少なくて済み、速やかに補正値に収束させることが可能であり、高速な応答性を確保できる。
また、実施形態1によれば、定常運転において燃料電池のI−V特性が更新されるので、発電電流を一定とした場合の適切な特性測定が実施できる。逆に、電圧値のサンプリングの途中でも燃料電池の定常運転が継続できない場合には電圧記録が中断されるので、負荷変動の影響を排除した燃料電池のI−V特性記録が行える。
さらに実施形態1によれば、電流値に対応して複数の電圧値が記録されている場合には、複数の電圧値を平準化処理・正規化処理してその電流値に対し更新すべき電圧値とするので、バラツキや異常値の影響が緩和され、実際の電圧値に近似させることができる。
さらにまた本実施形態1によれば、燃料電池のI−V特性を、燃料電池の温度に対応づけて記録することとすれば、温度に応じた適切なI−V特性が学習され、より精度の高いI−V特性補正が行える。
(実施形態2)
上記実施形態1では基本I−V特性を更新して電源制御をしていたが、第2の発明に係る実施形態2では内部抵抗の影響を排除した理論I−V特性を更新するように構成されている。
図8に、第2の発明に係る本ハイブリッド型燃料電池システムの機能ブロック図を示す。
図8に示すように、本ハイブリッド型燃料電池システムは、燃料電池100と、燃料電池100と相補的に電力供給が可能に構成された蓄電装置101と、電力を消費する総体としての負荷装置102とを備える。さらに、燃料電池100の出力電流Ifcを検出する電流検出装置103と、燃料電池100の出力電圧Vfcを検出する電圧検出装置104とを備えている。さらに本実施形態2では、交流インピーダンスを測定するために、燃料電池100の出力に交流信号を重畳する交流信号印加装置105を備える。
そして本実施形態2の制御部6は、検出された出力電流Ifcに対する出力電圧Vfcに基づいて、第2の発明の電力制御方法を実施するようになっている。制御部6は、以下の機能ブロックを備えて構成されている。
1)燃料電池100の出力電流Ifcが、所定のステップ毎に予め定められている電流値であるかを判定する実電流判定手段501;
2)燃料電池100の交流インピーダンスを算出する交流インピーダンス算出手段602;
3)燃料電池100が予め定められたいずれかの電流値である場合に、この電流値に対応して検出された燃料電池100の交流インピーダンスによる影響を除外した理論電圧値をメモリ604に記録する理論電圧記録手段603;
4)記録された電流値に対応する理論電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を理論電流−電圧特性としてメモリ606に更新する電流−電圧特性更新手段605;
5)動作状態に応じて、理論電流−電圧特性を補正する補正手段607;及び
6)補正された電流−電圧特性に基づいて燃料電池100の動作点を定め、蓄電装置101の充電または放電によりこのシステムに要求される要求電力に対する燃料電池100の出力電力の過不足を調整する電力制御手段608。
以下、これら機能ブロックを具体的に実現するためのハイブリッド型燃料電池システムについて説明する。
図8に、本実施形態2のハイブリッド型燃料電池システムのブロック図を示す。
図8に示すように、本ハイブリッド型燃料電池システムは、実施形態1と同様に、燃料電池100に水素ガスであるアノードガスを供給するアノードガス供給系1、燃料電池100に酸素を含む空気であるカソードガスを供給するカソードガス供給系2、本発明の電源制御の制御対象である電力系3を備え、これらについては基本的には実施形態1と同様であるが、交流インピーダンス測定に係る制御部6の周辺の構成において異なる。以下、異なる構成について説明する。
具体的に制御部6は、CPU(中央処理装置)、RAM、ROM、及び演算プロセッサ等を有し、汎用コンピュータとしての構成を備えている。特に、交流インピーダンスに係るブロックとして、フィルタ60、61、FFT処理部62、63、インピーダンス解析部64、判断部65、記憶装置66、交流信号発生器67、交流信号加算器68を備えている。
交流信号発生器67は、電源配線に重畳させる交流信号を発生する発振器であり、好ましくは交流信号を高低二種類の周波数で発生させることが可能に構成されている。燃料電池は、電解質膜の保湿量等の内部状態に応じて、交流インピーダンスの周波数特性が変化するものであるため、最低二つの異なる周波数における交流インピーダンスを測定することにより、電解質膜が水分過多状態であるか乾燥状態であるかの内部状態に応じた内部抵抗を検出可能だからである。例えば、300Hz前後の周波数を高周波交流信号、10Hz以下の周波数を低周波交流信号とすることで、燃料電池の内部状態を類推可能となる。加算器68は、例えばパワートランジスタ等で構成されており、交流信号発生器67からベースに印加される交流信号を電源配線に重畳させる(変調する)ものである。
フィルタ60及び61は、バンドパスフィルタであり、交流信号発生器67における発信周波数に対応した交流信号のみを通過させるものである。フィルタ60は、電流センサ40で検出された電流検出信号Ifcのうち、交流インピーダンス測定に係る周波数成分のみを通過させる。フィルタ61は、電圧センサ41で検出された電圧検出信号Vfcのうち、交流インピーダンス測定に係る周波数成分のみを通過させる。
FFT処理部62及び63は、電流検出信号Ifcや電圧検出信号Vfcに対し高速フーリエ変換演算を行い、測定周波数成分における電流検出信号Ifcや電圧検出信号Vfcをそれぞれ実部と虚部(ai+jbi、ae+jbe)に分離する。インピーダンス解析部64は、FFT処理された電圧検出信号と電流検出信号とに基づいて交流インピーダンスX(aX+jbX)を算出し、複素平面上での原点からの距離(実効値)r(=√(aX 2+jbX 2)と位相角θ(=tan-1(b/a))とを求め、印加された周波数の交流信号における交流インピーダンスを求める。
判断部65は、インピーダンス解析部64において求められた実効値と位相角、または、二つの異なる周波数f1及びf2における複素平面における実部と虚部(aXf1、bXf1)(aXf2、bXf2)を記憶装置66に記憶させる。燃料電池の抵抗過電圧と拡散過電圧を求めるには、複素平面における二つの点に基づき幾何学的な計算により、複素平面におけるインピーダンス曲線を求め、周波数がゼロとした場合の抵抗値を電解質膜の内部抵抗とし、周波数が無限大とした場合の抵抗値を活性化過電圧と拡散過電圧の内部抵抗換算値とする。
なお、交流信号発生器67における発信周波数を変化させながらそれぞれについて交流インピーダンスを求め記憶させていくように構成するならば、特殊な幾何演算をすることなく、インピーダンス曲線を求めることができる。
また、判断部65は、主としてアノードガス供給系1、カソードガス供給系2、電力系3を含む燃料電池システム全体を制御する他、内蔵ROM等に格納されている本発明の電源制御方法を実現するためのソフトウェアプログラムを順次実行することにより、当該燃料電池システムにおいて第2の発明の電源制御方法を実行させることが可能になっている。
次に、図10のフローチャートを参照して、制御部6で実現される本実施形態2の機能ブロック(図9)に係る電源制御方法を説明する。このフローチャートに基づく処理は、燃料電池システムの運転中に、定期的に(例えば数十ms〜数秒間隔)に実施されるものである。
定常運転の判断(S21)、電流値検出(S22)、電流格子点上であるかの判断(S23)、実電圧値の検出(S24)までは、実施形態1と同様である。但し、本実施形態では、検出された実電圧をそのまま記録する代わりに、交流インピーダンスに対応する内部抵抗による電圧降下を排除したI−V特性(理論I−V特性)を取得する。
まず、交流インピーダンスが算出される(S26)。交流インピーダンスに係る測定周波数は、例えば5Hz以下の低周波が適する。このような低い周波数における交流インピーダンスは、実質的に内部抵抗そのものに近い値となる。フィルタ処理された交流信号成分を含む電圧検出信号Vfcと電流検出信号Ifcが検出され、検出された電圧検出信号と電流検出信号とが記憶装置66に記憶される。検出された電圧検出信号と電流検出信号とに基づいて、低周波における交流インピーダンスが演算される。すなわち電圧成分に対する電流成分の位相差とゲイン差に基づき交流インピーダンスが求められる。低周波における交流インピーダンスは実質的には電圧に対する電流の遅れや進みの位相差が殆ど無いものであり、内部抵抗Riそのものと考えられる。
ここで理論上の燃料電池の出力電圧をV0、実際に電圧センサで検出される実電圧をV1、内部抵抗値をRiとすると、検出された電流Ifcとの関係は、次の式(3)になる。
V1=V0−Ri・Ifc…(3)
この式(3)に基づいて、検出された電流値Ifc及び実電圧V1から、理論上の出力電圧V0を計算するのである。なお、この内部抵抗値は、ステップS25で毎回測定してもよいが、予め設定しておいて式(3)の演算に代入されるようにしてもよい。この電圧値V0は理論電圧値として記録される(S26)。
所定時間中の電圧値のサンプリングを繰り返す処理(S27)、フィルタ処理(S28)については、実施形態1と同様である。フィルタ処理された理論電圧値の集合は、理論I−V特性として更新されることになる(S29)。
それ以降、実施形態1と同様に、燃料電池システムの動作状態が取得される(S30)。そして、取得された動作状態に応じた、内部抵抗Riと理論I−V特性とに基づき、実施形態1と同様の補正処理(S31)を実施する。補正後のI−V特性に基づいた電源処理(S32)については、実施形態1と同様である。補正処理では、検出された交流インピーダンスに対応する内部抵抗の影響を補正するI−V特性の傾き補正がされ、内部活性項の影響を補正するI−V特性の上下方向移動処理が実施される。
なお、本実施形態2においても、I−V特性の内部温度依存性に鑑み、理論I−V特性の記録・更新を燃料電池の内部温度に対応させて実施することは好ましい。すなわち、温度センサ42からの温度検出信号Tfcを、理論電圧値の演算時に併せて記録しておき、そのサンプリングにより取得できるI−V特性を温度に応じて記録しておけば、より理論I−V特性に近似したI−V特性に基づく電力制御ができることとなり、好ましい。
図11に、燃料電池の内部温度Tfcと基本内部抵抗Rとの関係図を示す。図11に示すように、基本内部抵抗には温度依存性が存在する。本実施形態2によれば、毎回交流インピーダンスの測定によって内部抵抗が把握されるので、理論I−V特性と検出された内部抵抗とにより、精度の高いI−V特性を得ることができる。
以上、実施形態2によれば、実施形態1と同様の作用効果が得られる。つまり、更新処理の負荷を最低限におさえながら、応答性の良いI−V特性の更新が行える。
特に本実施形態2によれば、I−V特性としては交流インピーダンスの影響を排除した理論I−V特性が学習され、毎回内部抵抗が測定されるので、誤差の少ない電力制御が可能である。
(実施形態3)
第3の発明に係る実施形態3では理論I−V特性及び内部抵抗を共に更新するように構成されている。
図12に第3の発明に係る本ハイブリッド型燃料電池システムの機能ブロック図を示す。
図12に示すように、本ハイブリッド型燃料電池システムは、燃料電池100と、燃料電池100と相補的に電力供給が可能に構成された蓄電装置101と、電力を消費する総体としての負荷装置102とを備える。さらに、燃料電池100の出力電流Ifcを検出する電流検出装置103と、燃料電池100の出力電圧Vfcを検出する電圧検出装置104とを備えている。さらに本実施形態2では、交流インピーダンスを測定するために、燃料電池100の出力に交流信号を重畳する交流信号印加装置105を備える。
そして本実施形態3の制御部7は、検出された出力電流Ifcに対する出力電圧Vfcに基づいて、第3の発明の電力制御方法を実施するようになっている。制御部7は、以下の機能ブロックを備えて構成されている。
1)燃料電池100の出力電流Ifcが、所定のステップ毎に予め定められている電流値であるかを判定する実電流判定手段701;
2)燃料電池100の交流インピーダンスを算出する交流インピーダンス算出手段702;
3)燃料電池100が予め定められたいずれかの電流値である場合に、この電流値に対応して検出された燃料電池の交流インピーダンスに基づいて内部抵抗を算出してメモリ707を更新する内部抵抗更新手段703;
4)この電流値に対応して検出された燃料電池100の電圧値から、算出された内部抵抗による電圧降下分を除外した電圧値をメモリ705に記録する理論電圧記録手段704;
5)記録された電流値に対応する理論電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を理論電流−電圧特性としてメモリ707を更新する電流−電圧特性更新手段706;
6)動作状態に応じて、理論電流−電圧特性を補正する補正手段708;及び
7)補正された電流−電圧特性に基づいて燃料電池100の動作点を定め、蓄電装置101の充電または放電によりこのシステムに要求される要求電力に対する燃料電池100の出力電力の過不足を調整する電力制御手段709。
本実施形態3のハイブリッド型燃料電池システムの具体的なブロック図は、実施形態2と同様(図8参照)なので、説明を省略する。
次に、図13のフローチャートを参照して、制御部7で実現される本実施形態3の機能ブロック(図12)に係る電源制御方法を説明する。このフローチャートに基づく処理は、燃料電池システムの運転中に、定期的に(例えば数十ms〜数秒間隔)に実施されるものである。
定常運転の判断(S41)、電流値検出(S42)、電流格子点上であるかの判断(S43)、実電圧値の検出(S44)、交流インピーダンス算出(S45)までは、実施形態2と同様である。交流インピーダンスが求まり内部抵抗Riが取得されたら、この内部抵抗値を現在の内部抵抗として更新処理する(S46)。また、上記式(3)により算出される理論電圧値V0も記録される(S47)。
その後の所定時間中の電圧値のサンプリングを繰り返す処理(S48)、フィルタ処理(S49)については、実施形態1と同様である。フィルタ処理された理論電圧値の集合は、理論I−V特性として更新されることになる(S50)。
それ以降、実施形態1と同様に、燃料電池システムの動作状態が取得される(S51)。そして、取得された動作状態に応じた、内部抵抗Riと理論I−V特性とに基づき、実施形態1と同様の補正処理(S52)が実施される。補正後のI−V特性に基づいた電源処理(S53)については、実施形態1と同様である。補正処理では、検出された交流インピーダンスに対応する内部抵抗の影響を補正するI−V特性の傾き補正がされ、内部活性項の影響を補正するI−V特性の上下方向移動処理が実施される。
本実施形態3では、図6に示す理論I−V特性が直接的に更新されている他、内部抵抗値が常に最新の値に更新されている。
なお、本実施形態3においても、I−V特性の内部温度依存性に鑑み、理論I−V特性の記録・更新を燃料電池の内部温度に対応させて実施することは好ましい。さらに、本実施形態3では、内部抵抗値についても燃料電池の内部温度に対応させて更新しておくことは好ましい。図11に示すように、燃料電池の内部抵抗は、燃料電池の内部温度Tfcに依存性がある。このため、理論I−V特性の記録温度に対応させて内部抵抗値も更新しておけば、理論I−V特性と内部抵抗とから、実I−V特性に極めて近似した特性を再現することができる。すなわち、温度センサ42からの温度検出信号Tfcを、理論I−V特性及び内部抵抗の更新時に併せて記録しておき、温度に対応した理論I−V特性と内部抵抗とを読み出し補正することによって、実I−V特性に近似したI−V特性に基づく電力制御ができることとなり好ましい。
以上、実施形態3によれば、実施形態1と同様の作用効果が得られる。つまり、更新処理の負荷を最低限におさえながら、応答性の良いI−V特性の更新が行える。
特に本実施形態3によれば、I−V特性としては交流インピーダンスの影響を排除した理論I−V特性及び最新の内部抵抗が学習されるので、誤差の少ない電力制御が可能である。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態以外にも種々に変更して適用することが可能である。
上記実施形態では移動体である車両上に搭載されるハイブリッド型燃料電池システムを例示したが、本発明は、自動車のみならず、他の移動体、例えば、船舶、航空機等に搭載されるものであってもよい。また、定置型のハイブリッド燃料電池システムにおいて本発明の電源制御装置を適用しても無論よい。
実施形態1に係るハイブリッド燃料電池システムのブロック図 第1の発明の機能ブロック図 実施形態1に係る電源制御方法を説明するフローチャート 電流格子点の設定と更新後のI−V特性の例 I−V特性のガス供給圧依存性の特性図 更新無し、更新後、補正後のそれぞれのI−V特性図と等電力曲線図 I−V特性の内部温度依存性の特性図 実施形態2に係るハイブリッド燃料電池システムのブロック図 第2の発明の機能ブロック図 実施形態2に係る電源制御方法を説明するフローチャート 内部抵抗の内部温度依存性の特性図 第3の発明の機能ブロック図 実施形態3に係る電源制御方法を説明するフローチャート
符号の説明
1…アノードガス供給系、2…カソードガス供給系、3…電力系、5、6、7…制御部、10…水素タンク、11…アノードガス供給路、12…アノードオフガス排出路、20…コンプレッサ、21…カソードガス供給路、22…カソードオフガス排出路、30…バッテリ、31…バッテリコンピュータ、32…コンバータ、33…トラクションインバータ、34…トラクションモータ、35…補機インバータ、36…高圧補機、37…逆流防止ダイオード、40…電流センサ、41…電圧センサ、42…温度センサ、43…圧力センサ、50…CPU、51…ROM、52…RAM、60・61…フィルタ、62・63…FFT処理部、64…インピーダンス解析部、65…判断部、66…記憶装置、67…交流信号発生器、68…交流信号加算器、100…燃料電池、101…蓄電装置、102…負荷装置、103…電流検出装置、104…電圧検出装置、105…交流信号印加装置、501、601、701…実電流判定手段、502…実電圧記録手段、503、505、604、606、705、707…メモリ、504、605、706…電流−電圧特性更新手段、506、607、708…補正手段、507、608、709…電力制御手段、602、702…交流インピーダンス算出手段、603、704…理論電圧記録手段、703…内部抵抗更新手段

Claims (10)

  1. 電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御装置において、
    前記燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定する実電流判定手段と、
    前記燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された前記燃料電池の電圧値を前記燃料電池の温度に対応付けて記録する実電圧記録手段と、
    前記記録された電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、前記燃料電池の温度に対応付けて更新された基本電流−電圧特性として記録する電流−電圧特性更新手段と、
    前記燃料電池の温度に対応付けて更新された基本電流−電圧特性を補正する補正手段と、を備え、
    要求電力値に対応した等電力曲線と補正された前記基本電流−電圧特性との交点を前記燃料電池の動作点として電源制御を実施するように構成されており、
    前記予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されている、
    燃料電池電源制御装置。
  2. 電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御装置において、
    前記燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定する実電流判定手段と、
    前記燃料電池の交流インピーダンスを算出する交流インピーダンス算出手段と、
    前記燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された前記燃料電池の交流インピーダンスによる影響を除外した理論電圧値を、更新された理論電圧値として前記燃料電池の温度に対応付けて記録する理論電圧記録手段と、
    前記更新された理論電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、前記燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性として記録する電流−電圧特性更新手段と、
    前記燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性を補正する補正手段と、を備え、
    要求電力値に対応した等電力曲線と補正された前記理論電流−電圧特性との交点を前記燃料電池の動作点として電源制御を実施するように構成されており、
    前記予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されている、
    燃料電池電源制御装置。
  3. 電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御装置において、
    前記燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定する実電流判定手段と、
    前記燃料電池の交流インピーダンスを算出する交流インピーダンス算出手段と、
    前記燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された前記燃料電池の交流インピーダンスに基づいて内部抵抗を算出して、更新された内部抵抗として記録する内部抵抗更新手段と、
    当該電流値に対応して検出された前記燃料電池の電圧値から、前記更新された内部抵抗による電圧降下分を除外した電圧値を、更新された理論電圧値として前記燃料電池の温度に対応付けて記録する理論電圧記録手段と、
    前記更新された理論電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、前記燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性として出力する電流−電圧特性更新手段と、
    前記更新された内部抵抗に基づいて、前記燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性を補正する補正手段と、を備え、
    要求電力値に対応した等電力曲線と補正された前記理論電流−電圧特性との交点を前記燃料電池の動作点として電源制御を実施するように構成されており、
    前記予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されている、
    燃料電池電源制御装置。
  4. 前記電流−電圧特性更新手段は、
    前記電流値に対応して複数の前記電圧値が記録されている場合には、前記複数の電圧値を平準化処理してその電流値に対し更新すべき電圧値とする、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池電源制御装置。
  5. 前記電圧値は、前記燃料電池の定常運転時に記録されるものである、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池電源制御装置。
  6. 請求項1に記載の燃料電池制御装置を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出装置と、
    前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出装置と、
    前記燃料電池と相補的に電力供給が可能に構成された蓄電装置と、
    補正された前記電流−電圧特性に基づいて前記燃料電池の動作点を定め、前記蓄電装置の充電または放電により当該システムに要求される要求電力に対する前記燃料電池の出力電力の過不足を調整する電力制御手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項2または3に記載の燃料電池制御装置を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出装置と、
    前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出装置と、
    前記燃料電池の出力に交流信号を重畳する交流信号印加装置と、
    前記燃料電池と相補的に電力供給が可能に構成された蓄電装置と、
    前記更新された電流−電圧特性に基づいて前記燃料電池の動作点を定め、前記蓄電装置の充電または放電により当該システムに要求される要求電力に対する前記燃料電池の出力電力の過不足を調整する電力制御手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  8. 電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御方法において、
    前記燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定し、
    前記燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された前記燃料電池の電圧値を前記燃料電池の温度に対応付けて記録し、
    前記記録された電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、前記燃料電池の温度に対応付けて更新された基本電流−電圧特性として記録し、
    前記燃料電池の温度に対応付けて更新された基本電流−電圧特性を補正し、
    要求電力値に対応した等電力曲線と補正された前記基本電流−電圧特性との交点を前記燃料電池の動作点として電源制御を実施するものであり、
    前記予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されている、
    燃料電池電源制御方法。
  9. 電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御方法において、
    前記燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定し、
    前記燃料電池の交流インピーダンスを算出し、
    前記燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された前記燃料電池の交流インピーダンスによる影響を除外した理論電圧値を、更新された理論電圧値として前記燃料電池の温度に対応付けて記録し、
    前記更新された理論電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、前記燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性として記録し、
    前記燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性を補正し、
    要求電力値に対応した等電力曲線と補正された前記理論電流−電圧特性との交点を前記燃料電池の動作点として電源制御を実施するものであり、
    前記予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されている、燃料電池電源制御方法。
  10. 電流−電圧特性に基づいて燃料電池の電源制御を行う燃料電池電源制御方法において、
    前記燃料電池の出力電流が、特定の間隔毎に予め定められている電流値であるかを判定し、
    前記燃料電池の交流インピーダンスを算出し、
    前記燃料電池の出力電流が予め定められたいずれかの電流値である場合に、当該電流値に対応して検出された該燃料電池の交流インピーダンスに基づいて内部抵抗を算出して、更新された内部抵抗として記録し、
    当該電流値に対応して検出された前記燃料電池の電圧値から、前記更新された内部抵抗による電圧降下分を除外した電圧値を、更新された理論電圧値として前記燃料電池の温度に対応付けて記録し、
    前記更新された理論電圧値の集合により特定される電流−電圧特性を、前記燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性として記録し、
    前記燃料電池の温度に対応付けて更新された理論電流−電圧特性を補正し、
    要求電力値に対応した等電力曲線と補正された前記理論電流−電圧特性との交点を前記燃料電池の動作点として電源制御を実施するものであり、
    前記予め定められている電流値の間隔は、前記動作点の取り得る電流値の範囲において相対的に狭い間隔で密に設定されている、
    燃料電池電源制御方法。
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