以後、本発明が適用される遊戯装置全体を説明するとともに、本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は遊戯装置の斜視図を示したものである。この遊戯装置1は全体として大型の円形状の筐体10から構成されている。この大型筐体の円周方向に均等に10基のサテライト、即ち遊戯者がメダル遊戯を実行可能な端末装置12が整列されている。
筐体内には、図2に示すように、それぞれ管状に図示された複数のコースが筐体の上部から螺旋状に筐体下部に向かっていく形態で筐体内に設けられている。複数のコースはコースの意味合いによって、循環コース14A,14B,14C、ジャックポットコース16、そして、チャンスコース18と呼称されて区別されている。各コースの意義は以後順次説明する。それぞれのコースに第2の遊戯価値部材としてのボールが転がるようになっている。
符号20は、筐体の底部にあるボールを各コースに分配しながら筐体上部に持ち上げて、筐体上部のボールをコースの開始端(上端)にリリースするためのリフタである。
リフタ20は、図2に示すように筐体のほぼ中心に位置し、図3に示すように底面プレート22から天井ユニット24まで垂直に設けられている。リフタは、底面プレート22の裏面に固定されたモータによって回転するスパイラルスクリュー26と、スパイラルスクリュー26の周りに均等に配置された5本の支柱28と、これら支柱28をスクリュー26の円周方向に沿って連結する連結ディスク30とを備えている。
この5本の支柱によって、スクリュー26をその平面方向から見ると、スクリューの領域が5区画に分割され、各区画を隣接する他の区画から区別して各区画にボールを収容することができる。スクリューの回転に応じて、各区画にあるボールがスクリューの下端からその上端までその区画内にあることを維持しながら移動する。
スクリュー26の下端の周囲には、スクリューの前記各区画に臨み、かつ各コースの下端(終了端)と結合するガイドが設けられている。即ち、循環コース14Aの下端にあるガイド140Aは誘導ガイド144Aを介してスクリュー内の区画Aに臨んでいる。循環コース14Bの下端にあるガイド140Bは誘導ガイド144Bを介してスクリュー内の区画Bに臨んでいる。循環コース14Cの下端にあるガイド140Cは誘導ガイド144Cを介してスクリュー内の区画Cに臨んでいる。
ジャックポットコース16は、循環コース14A,14B,14Cを流れるボールを集めて、ジャックポットと称する特別の高配当の条件が成立したサテライトに対して供給するためのものである。符号16Aがジャックポットコースにボールを供給するためのガイドであり、このガイド16Aを介して各循環コースから集められたボールが全てスクリューの同一区画に供給される。
各循環コースの下端にあるガイド140A,140B,140Cの下方にガイド16Aにボールを集める集合路16Cが存在する。各循環コースのガイドの集合路16Cに臨む部分には開閉可能なシャッターが存在し、通常閉鎖されていて循環コースのボールがジャックポットコースに移行しないようにしているが、ジャックポットが成立した場合にはこのシャッターが開放されて、各循環コースにあるボールが環状を持った集合路16Cに集められ、次いでガイド16Aを通過した後リフタの同一区画内を上昇し、さらにジャックポットコースの開始端16Bに供給される。各循環コースは互いに常時連結してボールが複数の循環コースを順番に通過するが、循環コースとジャックポットコースは通常連結されてなく、ジャックポットのような特別な状態が発生した場合に連結される。
なお、チャンスコース18に連結されるガイドはスクリュー26の背面に位置するために図示を省略している。チャンスコース18は循環コースにボールを追加するものである。チャンスコースはジャックポットコースとは独立であるために、チャンスコースのガイドはジャックポットコースへの連結手段である、集合路には連結されていない。チャンスコースと循環コースとの境界はリフタとは別個の位置にあり、この境界にはチャンスコースを循環コースに接続するか、チャンスコースを筐体下部のボール貯留手段に切り替えるかの経路切り替え手段を備えている。これについては後述する。
ボール貯留手段とリフタとの境界には、ボール供給メカがあり、筐体の制御部がボールを循環コースに供給するか、チャンスコースに供給するかを決定して、ボール供給メカの向きを循環コースのガイド又はチャンスコースのガイドに切り替える。どちらに切り替えるかは、サテライトにおける遊戯状況によって変わってくる。例えば、ジャックポット発生後は循環コースのボールを全てジャックポットコースに移動させるため、メイン制御部はボール供給メカに循環コースに必要な数分のボールを供給するよう指令する。
また、循環コース内のボールを増やす条件が成立した場合には、メイン制御部はボール供給メカにチャンスコースにボールを供給するように指令する。なお、メイン制御部が循環コースにボールを追加することなくチャンスコースにボールを追加するのは、チャンスコースと循環コースの連結部においてチャンスコースから循環コースへのボールの受け渡しの成功又は失敗の演出が存在するからである。したがって、遊戯が進行する過程で、循環コースを循環するボールが徐々に増加するために、遊戯者にはジャックポット成立時に多くのボールを獲得できるという期待感を持たせることができる。
図4は、遊戯装置の制御機構を示すものである。制御機構としては各サテライトに存在するサテライト制御部と、遊戯装置全体の制御を行なうメイン制御部とがある。サテライト制御部はサテライト固有の処理を中心に行い、メイン制御部は全サテライトに共通する処理を中心として行う。
各制御部には各種のセンサからの信号が供給され、各制御部は、センサからの検出信号に基づいて各種アクチュエータを制御する。どのようなセンサがあるか、或いはどのようなアクチュエータがあるかは、以後適宜説明することとする。
図3に戻り説明すると、天井ユニット24には各コースの上端に連結するガイドが設けられている。これらガイドはスクリューの各区画に臨み、スクリュー上端にまで持ち上がったボールを受領する。各コースは筐体内を重力方向にスパイラル状に下降しているために、スクリューの各区画を出たボールはガイドを介してコースに入りコース内を自重によって下降しコース下端のガイドに至り次いでスクリュー内を上昇する。
符号142AはコースA用のガイドであり、142BはコースB用のガイドであり、142CはコースC用のガイドである。16Bはジャックポットコース用ガイドであり、18Bはチャンスコース用ガイドである。A,B,Cの三つの循環コースをボールが順番に転がるように、スクリューの同じ区画には異なったコースのガイドが臨むようになっている。例えば、図3において、スクリュー26と二本の隣接する支柱によって作られた区画300には、スクリューの下端にコース14A用の出口ガイド140Aがあり、スクリューの上端にはコース14B用の入口ガイド142Bが存在する。この結果、コースAを出たボールはスクリュー内を上昇してコースBに入ることになる。
次に、図5に基づいて、筐体10の中をボールがどのように循環するかについて説明する。ボールがセンターリフト(スクリュー26)の区画26Aを上昇した後、コース14Aに入り、コース14A中の演出手段であるスパイラル302、ディスク304、ループ306を順に通過して、分岐メカ308を介してセンターリフトの下端から区画26Bに入る。次いで、ボールは区画26Bを上昇してコース14Bに入る。
ボールはコース14Bのシーソー310、フンネル312などの演出手段を通過してセンターリフトの下端から区画26Cに入る。ボールは、スクリューの回転に伴って区画26C内を上昇してコース14Cに入る。
さらにボールはコース14Cのスパイラル314を介してスクリュー26の区画26Aの下端に入り、次いで、同区画内を上昇してコース14Aに入る。以上のように、ボールはコース14A,14B,14Cを順番に循環する。
図5の316は、図3において説明した、循環コース14A,14B,及び14Cのボールをセンターリフト20ではなくジャックポットコースに移行させるための、ボール振り分け手段である。このボール振り分け手段には、集合路16Cと各循環コースのシャッターと、このシャッターの開閉を制御する制御部が該当する。図4のメイン制御部は、ジャックポットが成立したサテライトから信号を受けるとシャッターを開放して循環コースのボールがジャックポットコースに移動するようにする。
代表的な形態では、メイン制御装置は循環コース中のボールが全てジャックポットコースに移動するまで全ての循環コースのガイドのシャッターを開放する。循環コースの所定の箇所にはボールの通過を検知するセンサがあり、メイン制御部はジャックポット条件が成立した後、センサからの検出信号が一定時間無い場合には循環コースの全てのボールがジャックポットコースに入ったと判断し、その後シャッターを閉鎖する。
また、集合路のジャックポット用ガイド16A側の終端にボールカウンタを設け、メイン制御部は、ボールカウントからの情報を入手して、全てのボールがカウンタを通過するまでの間シャッターを開放し、その後シャッターを閉鎖することでもよい。
ジャックポットコース16に入るべき複数のボールは、集合路16Cに入り同集合路を自重によって転動してガイド16Aを介してセンターリフトの区画16Dに順番に入る。次いで、各ボールはジャックポットコース16の開始端に到達する。
ジャックポットコースに入った複数のボールは、循環コース内のボールが全てジャックポットコースに移行されるまでジャックポットコースの終端付近にあるストッパ318でジャックポットコース上で停止されている。ストッパは通常ジャックポットコース上に突出してジャックポットコースを遮るように付勢されており、メイン制御部は全てのボールがジャックポットコースに至った後にこのストッパによるジャックポットコースの閉鎖を解除する。図24は、ジャックポットコースの終端付近を先頭にして複数のボールが停止して一列に整列された状態を示している。ジャックポットの終端は、符号19に示すすり鉢型のジャックポット用クルーン(図5の320に対応する。)に通じている。このジャックポット用クルーンは、ジャックポットコースから複数のボールを集めて、これをジャックポットの条件が発生したサテライトに供給するためのものである。
メイン制御装置がストッパを開放するとジャックポットコース上に停止していたボール17が順番にジャックポットクルーンに供給され(図25)、ジャックポットクルーン内を回転しながらジャックポットクルーンの下方に移動する。図26及び図27に示すように、ジャックポットクルーンの下方には、ジャックポットが成立したサテライトにジャックポットクルーンの下端から落下したボールを順番に供給するための機構19Aが存在する。供給機構19Aの下端には下方に受けて開口を有するボール排出ダクト19Bを備えている。供給機構19Aはモータによって回転可能である。メイン制御部はモータを駆動させて、ジャックポットが成立したサテライトに対応するボール誘導路19Cに排出ダクト19Bが整合するようにする。メイン制御部はこの整合が終了し、かつ循環コースの全てのボールがジャックポットコース上に停止かつ成立した両方の条件が揃ったことを検出した後、ジャックポット上のストッパを解放する。
ボール誘導路19Cは全てのサテライトに対してそれぞれ存在し、サテライトの遊戯フィールドに向かって垂直に設けられている。図28は供給機構19Aの概念図であり、これに基づいて供給機構を説明する。既述のセンターリフト20は筐体中心に存在するために、クルーン19及び外形がドラム状の供給機構19Aとも、中心にセンターリフトを通過させるための開口が形成されている。供給機構の内側には円形に曲がりながら下降するボール移動路191とテーパ面190とが形成されている。クルーンの内側下端の開口部192から落下したボール17は供給機構の内側開口部193からその内部に落下し、テーパ面190に当たって移動路191に落下し以後移動路191に沿って下降していく。移動路191はボール一つ分の幅に形成されているので、供給機構19Aはボール一個ずつをサテライトに供給することができる。
図6は、サテライトの斜視図である。サテライトにはサテライト制御部がジャックポットの成立を判定するためのクルーン400と、メダルプッシャ遊戯を行なう各種機構が備わっている。
特開2005−27952号公報にあるように、符号406はメダルプッシャ遊戯の領域を矢印方向に往復動するプッシャである。また、図示されていないが、プッシャ406の上面には多くのメダルが積まれており、プッシャ406が往復動する過程でプッシャ406上に積まれたメダルは、サテライト内の所定位置に固定配置された規制板410と接触する。この規制板410は、プッシャ406と一体に往復動する当該プッシャ406上のメダルの移動方向のうち、平坦面412が存在する方向と逆方向の動きを規制するための部材である。
そしてプッシャ406上に積まれたメダルは規制板410を超えてプッシャ406と一体に移動できないので、規制板410近傍のメダルがプッシャ406の往復運動により規制板410に接触して、規制板410により押されるため、この押される力が規制板410と接触する他のメダルに伝播されてプッシャ406の上面から平坦面412にメダルが落下し、平坦面412上に落下したメダルのうち、プッシャ先端部の近傍にあるメダルがプッシャ406の往復動によってプッシャ先端部に押される。
プッシャはモータの回転によって伝達アームが往復動し、この伝達アームの往復動によって、伝達アームと連結される往復動プレートがメダルフィールド上を往復動することができる。また、モータに限定されるものではなく、アクチュエータやソレノイドなど駆動源によって、メダルフィールド上を往復動することができればよい。
前記プッシャの往復動により、平坦面412上のメダルの蓄積量が多くなるとプッシャ先端部によってメダルが押され、その押圧力が他のメダルに順次伝播することで、伝播された他のメダルが平坦面412の両脇部からサテライト内部に落下し、又は平坦面412の先端側から傾斜面415を落下してメダル落下端418からサテライト内部に落下する。このうち平坦面412の両脇部からサテライト内部に落下したメダルはプッシャ遊戯で勝利したメダルではないため、メダルプール404には払い出されない。一方、平坦面412の先端側からメダル落下端に落下したメダルはメダルプッシャ遊戯で勝利したメダルであるため、サテライト内の落下メダル回収機構によって回収された後、メダルプール404に払出される。
さらに、遊戯者は獲得したメダルをメダルプール404からメダル投入部405に入れ、メダル放出装置の回転部材402を回転させる。前記回転部材402を回転させるとメダル投入部から順次メダルがメダル放出装置内に供給され、メダル放出装置によって、メダルはメダル放出ノズルから遊戯フィールドに放出される。放出されたメダルはプッシャ406の上面或いは平坦面412まで放出される。
さらに、サテライトは、遊戯者によって操作される、放出ノズル414の向きを特定の方向に向けるノズル方向調整手段を有し、遊戯者は狙った位置にメダルを放出することができる。なお、放出ノズル414の向きをモータ等の駆動手段によって回動させるようにして、メダル放出方向を一定間隔で変化させることも可能である。それにより、狙った位置にメダルを放出する方法とは異なった遊戯性をサテライトに持たせることが可能になる。
傾斜面415には抽選結果を表示する表示部(例:LCD等)416が存在する。メダルが傾斜面415を落下する過程でメダルが通過したことを検出する検出手段であるセンサを有したメダルチャッカーが斜面上にあり、前記チャッカをメダルが通過すると、前記センサがサテライト制御部に該通過情報を検出して送信し、サテライト制御部はその通過情報に基づき、スロット抽選処理を行い、抽選過程及び抽選結果を前記表示部416に表示させる。なお、表示部416は液晶画面(LCD)に限定されるわけではなく、LEDなどで構成されるデジタル表示機であってもよい。
そして、スロット抽選処理の抽選結果が所定役(例えば「当たり」役など)であった場合には、役の種類に応じてサテライト内に図示されない、メダルホッパを備えた前記メダル払出機構408からプッシャ406の上面又は平坦面412上などの遊戯フィールドにメダルを払い出す。なお、前記通過情報は、サテライト制御部に備えられている記憶手段(メモリ等)に記憶される。記憶手段は、チャッカを通過したメダルの枚数分、つまり、複数のメダル通過情報を記憶することができる。したがって、サテライト制御部は、その記憶された情報に基づき、前記抽選処理を連続的に行うことができる。
サテライトの遊戯フィールドにはクルーン400を介するか、或いはジャックポット分離メカ320(図28の19A)を介してボールが供給される。サテライト制御部はボールの色を識別可能なセンサからの信号を受けてボールの色を識別し、ボールの色に対するメダル枚数を記憶手段の制御テーブル(記憶情報)から決定して、メダル払出機構408に対応枚数のメダルをフィールド内に払い出させる。例えば、筐体内に貯蔵されているボールの各色のうち、稀少色ほどより多くの数のメダルに対応するようにしてもよい。なお、さらにボールはクルーン400或いはジャックポット分離メカ320を介して供給されるのみではなく、サテライト内に別に備えられたボール払出機構部等で払出されてもよい。詳しくは後述する。
サテライトが獲得したボールとの対応によって得たメダルは、メダル払出機構408又は図1のメダルカプセル430から遊戯フィールドに供給される。獲得メダル数が多い場合は、サテライトはカプセル430からメダルの供給を受ける。複数のカプセルがサテライトの遊戯フィールド近傍を環状に整列している。一つのカプセルには例えば100枚のメダルが収容されており、獲得メダル数が100枚を越える場合、100枚単位でメダルをカプセルからサテライトに供給する。端数は前記メダル払出機構408から供給される。なお、獲得メダル数が100枚を越える場合であっても、メダル払出機構408から供給されるように構成されていてもよい。
既述のとおりサテライトの遊戯フィールドにはメダルとボールとが供給される。そこで、各サテライトにはメダルとボールとの分離装置が置かれている。図10は、サテライトの遊戯フィールドの傾斜面415を拡大した斜視図である。分離装置は傾斜面の遊戯者側端部にあり、傾斜面を落下してくるメダル524とボール540とを分離し、ボール540を所定のボール回収位置まで搬送するものである。
この分離装置は、図11に示すように、モータ530と、モータ530に取り付けられている駆動プーリ531と、駆動プーリ531にベルト538を介して接続する従動プーリ536を有し、従動プーリ536にはサテライトの幅方向に向かって延びる軸534とこの軸を略中心に備え、螺旋状に形成されている螺旋体532とが結合されている。
図10に示すように、斜面415を落下してくるボール522を螺旋体532で受け止め、モータ530の回転によって螺旋体532が回転し、螺旋体の回転に合わせてボール522が螺旋体532の回転方向に沿って、傾斜面415に摺接しながら矢印528の方向に移動する。さらに螺旋体532の先にはボール回収孔540があり、ここから後述するようにボールがサテライト内部を通過した後、筐体内部のボール貯留部に落下する。
これに対して、螺旋体の最下端と傾斜面との間にはメダルが通過するに足りる隙間が設けられているために、メダルは螺旋体532に当接しないようにして螺旋体532の下部を矢印526の方向に通過して筐体内に落下する。
なお、傾斜面側に落下してきたメダルが、ボール522と傾斜面415との間で挟まれて螺旋体を一時的に通過できことがあっても、螺旋体532の回転に応じてボールが螺旋体の方向に移動するためにボールの位置が変化してメダルがボールに挟まれることが解消されるようになっている。なお、分離装置は、上記した構成に限定されず、ボールを所定の位置まで搬送し、かつ、ボールを搬送する際にメダルを挟まず、メダルをメダル回収側へ落下等をすることができれば、どのような構成でもよい。したがって、例えば、ベルトコンベアなどで構成することも可能である。
なお、上記分離装置は、遊戯者から認識できる位置に置かれることがよい。これにより、後述するボールの色に対応するメダル払出枚数との関係で、遊戯者に期待感を持たすことが可能になるからである。
ボール回収孔540の開口端付近には落下したボールの通過を検出する通過センサが設けられており、ボール回収孔540に落下したボールは、図示されないサテライト内部に配設された、ボールの色を検出するセンサを有する色検出装置(色検出手段)で色を検出された後、筐体内部のボール貯留部に落下する。通過センサの情報及び色検出手段の情報はサテライト制御部に送られる。なお、ボール回収孔の開口端付近に直接ボールの色を検出する色検出装置を設けて、ボールの色を検出してもよい。
さらに、ボールの色を検出した後にボールが汚れているかどうかを検出する汚れボール検出手段と、前記検出手段の情報に基づいて、ボールを筐体内部のボール貯留部側に落下させる、もしくは、汚れていると判断されたボールをサテライト内部に、若しくは、前記筐体内のボール貯留部とは異なる箇所に備えられる汚れボール回収機構に落下させてもよい。
さらに、ボールのボール回収孔540への通過を検出する通過センサの情報を基に、前記分離装置の駆動源(モータ)を制御し、サテライト制御部は分離装置の回転速度を調整するようにしてもよい。
サテライト制御部は、上記色検出装置からの検出信号などの検出情報を読み取り、該検出情報に基づくボールの色情報からメダルの払出枚数を決定する演算を行い、演算結果をメイン制御部に送信する。なお、本実施形態においては、ボールの色を検出するためにセンサを有する色検出装置を用いているが、ボールの色が検出することのできるものであればよく、検出手段はセンサに限定されない。
つまり、色を検出する色検出センサは、投光素子に3色(赤色、青色、緑色)のLED光源を使用し、検出物体にスポット光を照射して、被検出部材からの反射による受光の色成分分析を行なうものでもよいが、特開2006−068161に記載されているようにボール内部に円板状のICタグを内蔵し、該ICタグに自らのボールの色情報を記録し、その情報を電磁誘導現象を利用して無線により非接触な通信を行い、色が検出されてもよい。
図12に示すように、傾斜面415からボールの回収孔540に対して先に行くにしたがって高さを増す略矩形状の傾斜面537が設置されており、ボールは螺旋体532の回転に従って、この傾斜面を乗り越えてボール回収孔540に落下する。仮にボール回収孔540付近にメダルが存在してもメダルはこの傾斜面を乗り越えることができないので、メダルがボール回収孔に混入することを防ぐことができる。
または、ボールの回収孔540の近傍に高さを増す略矩形状の係止片または突出部材が設けられており、ボールは前記螺旋体532の回転に従って、ボールがこの係止片(突出部)を乗り越えてボール回収孔540に落下させるようにしてもよい。ボール回収孔周辺にメダルが存在しても、メダルはこの係止片(突出部)を乗り越えることができないため、ボールからメダルを確実に分離することができ、上記略状の略矩形状の傾斜面を設置した場合と同様の効果が達成される。
螺旋体532は一つの凹部に一つのボールを保持するようになっているため、図12に示すように螺旋体532が回転している間、サテライトの遊戯フィールドにある複数のボールを連続的喝順番に回収することができる。
サテライトの制御系は、図29に示すように、サテライト制御部29A、ROM(Read Only Memory)29B、RAM(Random Access Memory)29C、センサ駆動部29D、メダルホッパ駆動部29E、分離モータ駆動部29F、を備え、これらはデータバス29Gを介して接続されている。
図30に示すように、サテライト制御部は、主制御部30A、メダル払出制御部30B、色検出識別部30C、分離モータ回転制御部30D、色比較判断部30Eを備えている。なお、これらのサテライト制御部を構成する各部は、ハードウェア構成としてもよいし、ソフトウェア構成としてもよい。また、サテライト制御部と、メイン制御部ともデータバスを介して接続されていてもよい。
主制御部は、ROMに記憶されている所定の制御プログラムに基づき、各部の制御をする。主な制御としては、図6において説明したプッシャの内部に設けられているアクチュエータ等の駆動手段を、記載されている矢印方向に前記プッシャを往復動させることがある。
メダル払出制御部は、ROMに記憶されている所定のプログラムや後述する演算結果に基づいて、前記所定のメダル払出をメダル払出機構部に行わせる。色検出識別部は、色検出センサによる検出結果に応じて、前記回収領域に回収されたボールの色を認識する。なお、上記色センサを駆動するのも主制御部が行っている。
分離モータ回転制御部は、通常、一定方向・一定速度で分離装置が回転するようにモータなどの駆動手段を制御するが、前記回収領域にボールが入り、色センサで検出された場合などに、前記分離装置の回転速度を制御する。これにより、ボールの色の検出が確実に行われるため、後述する色比較判断が確実に行われるようにすることができる。
色比較判断部は、前記ROMに記憶されている色とメダル払出量の対応情報と、前記色検出識別部にて認識されたボールの色とを比較し、メダル払出量に対応している色と前記検出された色が一致しているかどうかを判断する。
前記ROMにはサテライト制御部による制御に必要な所定の制御プログラムが記憶されている。また、前記RAMにはサテライト制御部による所定の演算結果、色検出識別部による認識結果、色比較判断部の判断結果等が記憶される。
センサ駆動部は、例えば前記色検出センサを駆動し、色検出センサで検出された色情報をサテライト制御部に転送したり、前記メダルの通過を検出するメダル通過センサを駆動し、該センサで検出した信号をサテライト制御部に転送したりしている。また、分離モータ回転駆動部は、分離装置に設けられているモータ530を駆動させる。
メダルホッパ駆動部は、たとえば、前記メダル払出機構部に備えられているメダルホッパを駆動し、メダルを払い出させる。
サテライト制御部は、ボールの特定色の検出情報を読み取り、その情報を基にROMなどのメモリに予め記憶されている色とその色に対応するメダル払出情報と比較して、その情報が特定色と一致した場合には、通常設定されているボールの色とメダルの払出情報よりも多くのメダルを前記メダル払出機構408からサテライトに払い出すこともできる。
つまり、図17のフローチャートに示すように、前記色検出装置が色を検出する(S1)し、サテライト制御部は色識別を行う(S2)。特定色だった場合、所定のメダル枚数n枚を払い出すという一連の処理を行い(S3)次いで処理を終了する。
ステップS2において特定の色ではない場合には、特定色の場合よりも少ないメダル枚数m枚を払い出す(S4)。したがって、例えば“黄色”のボールに対しては25枚、“緑色”のボールに対しては100枚のように払出すことで、プッシャの往復動でメダルを遊戯フィールド内に落下させてより多くのメダルを獲得できるようにすることの他に、ボールの色と対応するメダル払出を行なうことによって、従来のメダルプッシャ遊技装置とは異なった遊戯性を醸し出すことができる。
サテライト制御部はボールの色の検出順番の情報を読み取り、予め記憶されている色の順番に一致した場合には、メダル払出機構408から多くのメダルを払出すことができる(S5)。例えば、検出された色と同じ色が検出された場合には、通常別個に払い出されるメダル数を倍にすることができる。例えば、“黄色”を検出した場合には25枚、それに連続して“黄色”を検出した場合には50枚と、さらに“黄色”を検出した場合には75枚とそれぞれボールの色が検出される度に所定枚数のメダルが払出される。
なお、連続して検出されていたにも関わらず、途中で他の色が検出された場合、(例:黄色→黄色→緑色→黄色)の場合には、黄色2連続分の所定のメダル枚数(例:25枚+50枚=75枚)が払出された後に、緑色に対応する所定のメダル枚数(例:100枚)が払出されるが、その後に黄色が検出されたとしても、上述のように“75枚”は払出されず、“25枚”のみ払出される。これにより、従来のメダルプッシャーゲーム機と比べ、前記遊戯フィールド上に払い出されるメダル枚数が前記ボールの色によって、増減するので、より一層遊戯性が増す。
サテライトが獲得したボールとの対応によって得たメダルは、サテライトのホッパ408又は図1のメダルカプセル430からフィールド内に供給される。獲得メダル数が多い場合は、サテライトはカプセル430からメダルの供給を受ける。複数のカプセルがサテライトの遊戯フィールド近傍を環状に整列している。一つのカプセルには例えば100枚のメダルが収容されている。獲得メダル数が100枚を越える場合、100単位でメダルをカプセルからサテライトに供給する。端数はホッパ408から供給される。
図7はメダルカプセルの詳細を示す斜視図である。複数のメダルカプセル500が円形ディスク502にサテライトの数分均等間隔に並んで配列されている。メイン制御部はディスクを一つのサテライト角度分回転した後一時停止させて、さらに回転することを繰り返す。カプセルからメダルを払い出した後、空のカプセルにはホッパ408からメダルを供給する。ホッパ408にはフィールド内にメダルを供給する第1の供給口と、カプセル内にメダルを供給する第2の供給口がある。第2の供給口は第1の供給口よりも筐体内部にあり、第2の供給口とプッシャ406の上面との間でカプセルが周回するようになっている。カプセルからはプッシャの上面に向けてメダルが放出される。
メダルカプセルは円形ディスクに固定されたボス504によってサテライト側に傾斜している。メダルカプセルは上下に二つの半球体に二分割されており、両者によって構成される内部空間内に規定枚数分のメダルが収容されている。
上側の半球体の筐体中心側には、球体をボス504の軸506に対して上方に回転させるためのフランジが固定されており、このフランジが下側半球体に向けて押されると、図8に示すように、上側球体が回転軸506により上方に回転して、上下の球体間の開口が露出して下側球体から複数のメダルがサテライトのフィールドに落下する。下側球体の露出面509はサテライトに向かって下がる形状の平面に形成されているため、メダルがこの平面を滑り落下する。
円形ディスク502の筐体中心側には、メダルカプセルを開放するための機構508が配置されている。この機構は各サテライトの正面に配置されている。この開放機構508は図9に示すように、柱状の本体510の脚部512にねじ固定用の孔513があり、脚部が筐体のベースプレートに固定される。本体510の上端には、モータ514によって回転する回転するクランク516がある。このクランクのモータ回転軸515とは他端側にローラ518が固定されている。
モータ514を回転してクランク516をローラ518が最下端になる位置にした状態で回転ディスク502の回転にしたがってメダル払い出しカプセル500のプレートがローラに接触する過程で、上側球体が図8のように上方に持ち上がりメダルカプセルが開放する。
各サテライトは図6において説明したように、メダルを用いた抽選処理を行うか、又は、ボールの色を識別することによって、メダルの獲得枚数を演算する。このメダルの演算枚数が規定枚数に満たない場合には、ホッパ408のみからメダルがサテライト内に供給される。一方、規定枚数を越える場合にはその情報をメイン制御部に知らせる。メイン制御部は獲得枚数にもっとも近い規定枚数の倍数を求めて必要なカプセル数を演算する。この演算が終了した後、モータ514を制御してローラを最下端の位置に設定する。
メイン制御部は各カプセルの位置と、カプセルにメダルがあるか否かの情報をRAMに順次更新記憶しており、メイン制御部はこの記憶情報を参照してメダルを収容しているカプセルが必要な数分前記ローラと接触するまで、前記ローラが下端にある状態を維持している。必要な数分のカプセルからサテライトにメダルを供給した後はローラを上方に移動させる。
メダルカプセルのフランジを十分に押し込んで上側球体と下側球体との間が確実に開放されるように、フランジとローラが接触している間トルクがローラに十分加わるようにメイン制御部はモータを制御する。ワンウェイクラッチ520がモータ軸515を押さえることにより、モータ軸515に加わる逆入力からモータが破損しないようにしている。
メイン制御部は、サテライトにメダルを供給した空のカプセルの開口517に、当該サテライトのホッパからメダルが供給されるように当該ホッパを制御する。メイン制御部は空のホッパに規定枚数のメダルが補給されるまで回転ディスク502の回転を停止する。メダルを供給したサテライトのホッパがメダルを遊戯フィールドに供給中であるなど、メダルを補給できない場合には、隣のサテライトのホッパからメダルが空のカプセルに補給される。
既述の図5に示すように、ボール循環コースの途中にはボール分岐メカ308が存在する。例えば、サテライトで既述のスロット抽選を行い所定の役が揃った場合には、ジャックポットではない小ボーナスとして一つのボールをサテライトに供給する。すなわち、分岐メカ308からボールがサテライトのクルーン400に繋がるコースに排出される。排出されたボールはサテライトのクルーン400に供給され、次いで、サテライトのメダル遊戯フィールドに供給される。メダル遊戯フィールドに供給されたボールは、図10に示すボール分離装置によって捕捉されボールの色識別手段316に送られる。分岐メカの詳細は後ほど説明する。
図5において、ジャックポット分離メカ(図24の19で示すジャックポットクルーン)320と一緒に回転する小経路状のチャンスメカ322(図26,27の19Eの23)がチャンスコース18の終端に設けられている。このチャンスメカはボールが載ることができる弓状に構成されている。チャンスメカはドラム状の回転機構19にアーム(図27)を介して一体に固定されている。メイン制御部はジャックポット成立時以外回転機構を回転させ、アームがこの回転機構に合わせて回転機構19の周りを周回している。
チャンスコース18の終端にはチャンスコースから落下するボールを受け取る小クルーン77がジャックポットクルーン19の底面に固定されている。さらに、この小クルーンの下端には小クルーンと向き合うように大径のボール受部78が存在する。このボール受部はボール貯蔵部にボールを送出する下降路79に連通している。
チャンスメカは小クルーン77とボール受部78との間を移動しており、チャンスコースを滑走して小クルーンに落下したボールが小クルーンからボール受部78に落下するまでの間にタイミングが良ければチャンスメカはボールをこの間に捕獲することができる。
チャンスメカがボールを捕獲すると、ジャックポットクルーンの底面に形成されている突起79にボールが当接してボールはチャンスメカから落下して通常コースへの移動へと切り替えられる。突起79は通常循環コースのいずれかの領域の真上に存在する。これによりジャックポットコースに入るべき玉の数を多くし、かつこれを複数の遊戯者に見せることができる。
図5に即して説明を続けると、既述のように、チャンスメカ322(図27の77)にボールがタイミングよく載ると、ボールはチャンスコースから通常循環コース14Aに切り替えられる。タイミングが悪いとボールは貯蔵部326に回収される。
メイン制御部の制御信号を受けて、貯蔵部のボールはベースリフト328によって貯蔵部から持ち上げられ、ボールカラー検出機構320を介してボール供給メカ(ボール供給方向切り替え機構)に至る。
メイン制御部は、ボール供給メカ332を制御して、ボールをチャンスコース18に供給するか、あるいは循環コース14Aに供給するか、あるいは汚れボールを排出するためのコースに移すかを判定する。ボール供給メカ332がボールをチャンスコースに移行させる場合には、中央リフトの区画18Dにボールを供給してボールをチャンスコースの開始端まで上昇させる。
チャンスコースへのボールの供給は、次の条件にしたがって行なわれる。各サテライトがメダルをフィールドに投入した都度、メイン制御部は各サテライトからのメダル投入情報を受け取り、所定の演算を行なう。この演算では所定確率で特定フラグが立つようになっており、フラグが成立するとメイン制御部は分岐メカ332の方向をチャンスコースに向けてボールをチャンスコースに供給する。
なお、ジャックポット発生後は循環コースを周回するボールが無くなるために、メイン制御部は、ボール供給メカ332をコース14Aのガイド140Aに向けてボールを規定数分循環コースに供給されるようにしている。なお、図5の破線は、図27に示すように回転機構19(320)とチャンスメカ79(322)とが一体になっていることを示している。
ボールプール326からベースリフト328を通過する際に、ボールはベースリフトの色検出手段330によってその色が検出される。この結果、メイン制御部が種々の遊戯を追加することができる。主遊戯が既述のジャックポットを競う遊戯であるとすると、ここでの遊戯はこの主遊戯に対してミニ遊戯に当たるもので、例えば、全てのサテライトに対して、先着所定個分のボールを検出した際に、ボールの色に対する対応メダル数を数倍にするなどの遊戯である。
循環コースなどのコースは様々な形状のレールモジュールを繋ぎ合わせることによって形成されている。図13はレールモジュールの構成を示すために、当該レールモジュールの一つを斜視図で示したものである。レールモジュールは、ガイドプレート700、レールガイド702及び樹脂レール704によって構成される。
ガイドプレート700は金属などの硬質な帯状の板であり、レールガイド702及び樹脂レール704は後述する態様でガイドプレートに装着されている。レールモジュールにおけるボールの移動経路はガイドプレートの形状によって決定されるものであり、図13のように直線状の他、板面を平面としたまま円弧状としたり、板面を法線方向に波打たせたりすることで、移動経路は直線状、円弧状、波状等となる。
レールガイドは各ガイドプレートに複数装着されるものであり、いずれも同一の形状となっている。図18はレールガイド、樹脂レール、及びガイドプレートの断面図を示すものであり、レールガイドは略U字状を呈しており、下端部の両側端から下方に向けて互いに対向する鉤爪710が基底部712からガイドプレート700側に突設されている。
レールガイドは、基底部712と鉤爪710とで形成される空間にガイドプレートが挿通されることで、ガイドプレートに装着される。下端部712と鉤爪710とで形成される空間はガイドプレートの外形より一回り大きいものとなっており、したがってレールガイドはガイドプレートに対して鉤爪のない方向には摺動自在となっている。
レールガイドの上部の両腕714の各々について先端及び基端に、略円形断面を持つ凹部(貫通孔であっても良い。)705が、樹脂レール704に対して摺動自在な方向に方々2箇所で合計4箇所穿たれている。
樹脂レールは円形断面を持つ棒状の樹脂であり、ガイドプレート700の長さに沿って方々2本で合計4本のそれぞれが、レールガイドの凹部710に挿通されることでガイドプレートに装着される。U字状凹部710の少なくとも一部分における径はレールガイドの外形よりも小さくなっており、レールガイドと樹脂レールとは後述するように一体となって移動する。ボールは4本の樹脂レールによって形成される樋状の空間を転動するようになっており、4本の樹脂レールの他には接触しないようになっている。なお、樹脂レールの素材は、ガイドプレートの形状に沿った形に弾性変形できるものであれば適宜の樹脂を用いればよい。
ガイドプレートに装着される複数のレールガイドの内、少なくとも1つはネジ等でガイドプレートに固定される。図13では、一つのガイドプレートに対して三つのレールガイドが存在し、中央のレールガイドがガイドプレートに固定されているが、他の二つはガイドプレート上をスライドできるようになっている。このようにすることによって、温度変化の影響により樹脂レールが伸縮した場合でも、ガイドプレート上をレールガイドと樹脂レールが一体となってスライドすることによって、4本の樹脂レールによって形成される樋状の空間が変形してボールが転落したり、他のレールモジュール等との干渉を防止することができる。
図14に示すように、二つのレールモジュールのジョイント部にはジョイント部用レールガイド708が設けられている。ジョイントされるレールモジュールのガイドプレート700及びジョイント部用レールガイド706は、別個に土台板金にネジ等の締結部材を用いて固定されており、土台板金に対する付け外しも別個に行うことができるようになっている。ジョイント部用レールガイドもレールガイド同様略U字状に構成され、両腕の先端及び基端の凹状部に樹脂レールが挿通されている。
しかしながらレールガイドとは異なり、ジョイント部用レールガイドと樹脂レールとは、ゆるいはめ合いとなっており、また、ジョイントされるレールモジュールの樹脂レールの端部同士の間隔が十分空いていることによって、樹脂レールの伸縮がジョイント部に与える影響が無効化される。既述の循環コース、ジャックポットコース、そしてチャンスコースともこのレールモジュールを複数連結して構成されている。
図15乃至20は、図5の分岐メカ308を説明する斜視図である。分岐メカは循環コースの途中にあり、各サテライトの正面に設けられている。この分岐メカは図19に示すように、循環コース14Aを転がるボールを一つ内部に貯留して、サテライトの抽選遊戯にかかるスロットの出目に基づいてクルーン400にボールを供給する。なお、この際、メイン制御部はボールを循環ルートに補充する。
分岐メカの両端には、レールモジュールの樹脂レールが挿入される2つのピースからなる連結端726がそれぞれ離間して設けられている。分岐メカは、モータ701によって回転する中空な円筒状のカップ724と、カップの曲面に設けられた開口723から突出してボールの転動方向上流側に開放部を向けて臨む位置(図15参照)と、ボールと共にカップ内に収容される位置(図19参照)とに回転自在な弓状の爪725を備えている。爪の回転軸には、爪をカップから突出する方向に付勢する弾性ばねが設けられており、爪がボールを捕獲していない場合には、図15、16に示すような位置となる。カップの回転中心は、円筒の中心軸に一致しており、後述するように、通常は開口が上方を向いている。
カップは分岐メカの両端に設けられているそれぞれの連結端726の間に、回転軸がボールの進行方向と直交し、かつ水平となるように配置されている。コース上を転動してきたボールが、カップ曲面から突出している爪725に当ると、爪はボールに押されてボールの進行方向へ回動する。爪の回動中心はカップの上流側曲面727にあり、ボール522は爪725に捕獲された状態で爪とともにカップ内部へと収容される。
爪及びボールがカップ内に収容されているときにはコースに爪が突出していないのと、カップ内のボールの外周がカップ曲面の開口から露出していることから、別のボールはカップ内のボールの外周面上を転がりながら分岐メカを通過してコースを進行していく。
図20に示すように、分岐メカの両端となる上流側レール734Aと下流側レール734Bに上下方向に段差が発生するように両端の連結部726が分岐メカに設けられている。分岐メカは下流側レールの方が低くなるようにする。これにより分岐メカを通過するボールに段差分の落下加速度を与えて分岐メカの部分でボールが停止してしまわないようにしている。
分岐メカはカップ724内にボールがあることを検出するセンサ728を備える。このセンサは発光素子及び受光素子からなり、受光素子と発光素子はカップを介して対向している。カップは、透明な樹脂で形成されるなどして、この発光素子及び受光素子間の光路を阻害しないよう十分な透過性を有している。ボールが爪に受け止められ、ボールが爪とともにカップ内に収容されると、発光素子からの光が遮られ受光素子に至らないために、メイン制御部はセンサからの信号を分析することによりカップ内にボールが収容されていることを検出する。また、カップが透明であることにより、カップ内に収容されているボールを遊戯者が視認することができ、例えばボールに施された彩色によって遊戯におけるボールの価値が異なるような場合に、遊戯者が求める価値のボールが認識されることによって遊戯者へ訴求することができる。
モータにエンコーダを設けるなどしてメイン制御装置がモータの回転量を検出することによりカップの回転位置を検出することができる。カップの開口は通常は上方を向いているが、サテライトにて抽選が行われて当選となった際には、メイン制御部はモータに回転信号を与えてモータを回転し、カップの開口を下方に向ける。カップの下方にはボール受ガイド722が配設されており、カップ内のボールは開口からボール受ガイドに落下する。このボール受ガイドは、各サテライトのクルーンに至る経路に繋がっている。このとき、コースを転動してきた別のボールはカップの曲面上を転がりながら分岐メカを通過してコースを進行して行く。この後、メイン制御装置はカップを半回転させてカップの開口を上方に向けてコースに臨ませ、同時に爪725が開口から突出してボールを捕獲するよう準備する。
図5に示すように、通常循環コース14A,14B,14Cをボールが循環すると、サテライト毎に分岐メカ308(図15)があり、かつ分岐メカにボールが収容されている。あるサテライトにおいてメダルがチャックに入り、抽選が行なわれ特定役が成立すると、サテライト制御部は分岐メカのモータに制御信号を送信して分岐メカから特定役が成立したサテライト410にボールを放つ。
クルーン400(図6)は、サテライト内の遊戯フィールドの近傍で、分岐メカからサテライトの遊戯フィールドにボールが移動する途上のボール移動路309(図5)に設けられている。クルーンは遊戯フィールドに分岐メカから供給されたボールを一時保留して、サテライト制御部はクルーンでのボールの保留状況がチェックし特定条件に合致する場合には、クルーンのボール保留孔に嵌っているボールを遊戯フィールドにリリースする。他の特定条件に合致する場合には既述のジャックポットの発生と判断する。
図19はクルーンの全体斜視図を示すものである。クルーンは筐体750の内側をディスク737がモータによって矢印752の方向に通常回転している。ディスク737は中心に向かって僅かに下方に傾斜している。ディスク737の外周にはディスク737と一体に回転する外側ディスク742が設けられている。外側ディスク742は内側ディスク737よりも僅かに上方になるように段差を持って配置されており、かつディスク737の中心に向かって僅かに下方に傾斜している。
ディスク737の中心にはボール522Bを収容可能なボール保留孔739が形成されている。さらにディスク737の外周にはボール522Cを収容可能なボール保留孔741が均等に合計で5箇所形成されている。
図20(A)に示すように平面ディスクの下には、保留孔に入ったボールが保留孔を貫通してしまわないように干渉ディスク746が設けられている。図20の(B)は干渉ディスクの平面図である。干渉ディスクの753で示す開閉領域は、干渉ディスクが切り欠かれており、ここにシャッター手段を設けることによって、シャッター手段が753の領域を開閉することにより保留孔に入ったボールが排出用ダクト744に放出されるか否かを制御できるようになっている。排出用ダクト744は、クルーンからサテライトの遊戯フィールドのプッシャの上面にボールを放出するためのものであり、クルーンからやや下に向かって傾斜し、排出用ダクト744に放出されたボールが自重によってプッシャの上面に終端している誘導路を転がりプッシャの上面に落下する。排出用ダクト744はディスク737の径方向に中央のボール保留孔739まで到達している。
サテライト制御部がシャッター手段の開閉領域の範囲でシャッターの位置を制御することによって、中央のボール保留孔739のみを開放、あるいは中央のボール保留孔及び外周側にあるボール保留孔741を開放することができる。
シャッター手段の詳細が図21に示されている。750Aはフラップと称するシャッター手段であって、モータ757によって回転軸752を中心にして矢印784及び786の方向、すなわち中央のボール保留孔と外周のボール保留孔の中心を通る円弧を回転移動する。符号754はモータの回転軸とフラップの回転軸を連結するクランクである。したがって、モータは同一方向に回転してもフラップを往復動することができる。
フラップの符号751で形成された部分はディスクの外周部の保留孔を閉じるためのものであり、符号782はディスク中心部の保留孔を閉じるためのものである。符号781は保留孔を開放するための開口である。フラップが矢印786の方向に最大限回転すると中央の保留孔にシャッター領域782が掛からなく、かつ開口781が外周の保留孔に整合するので、両方の保留孔とも開放できる。これがフラップの全開状態である。
一方、フラップが矢印784の方向に最大限回転すると、中央の孔がシャッター領域782で閉鎖され、外周の孔がシャッター領域751で閉鎖される。これがフラップの全閉状態である。さらにフラップが中間の回転角の状態では、中央の孔が開放され、外周の孔が閉鎖される。これがフラップの半開状態である。
本実施形態では、サテライト制御部は、中央の孔に入ったボールをリリースする、外周の孔に入ったボールは中央の孔にボールが入るまで保持し、中央の孔にボールが入ると外周の孔のボールともどもリリースされる、外周の孔の全てにボールが埋まった場合にはジャックポットが宣言される。したがって、サテライト制御部は中央の孔にボールが入るまではフラップを全閉の位置に設定し、中央の孔にボールが入った場合にはフラップを全開の位置に設定する。なお、中央の孔にあるボールのみリリースしようとする場合には、サテライト制御部はフラップの位置を半開にするか、外側のボール保留孔にあるボールがフラップに重ならない位置でディスクの回転を停止し、次いでフラップを全開の位置にすれば良い。
既述の図21は図20の干渉ディスク746の図示を省略したクルーン内部構造を示す斜視図である。モータ757、回転軸752は基板780の背面に固定されている。基板上には回転ディスク737の径方向に沿って、3つの光センサ748と、中心部の一つの光センサ750の合計4つの光センサが設けられている。それぞれの光センサはそれぞれ発光素子と受光素子から構成されており、これら素子間を孔に収容されたボールが遮ることによって、センサからの検出信号を受けたサテライト制御部は孔にボールが収容されていることを検出することができる。
三つの光センサ748はディスク737の外周に形成された5つのボール保留孔に対向して円周上に配列されている。光センサ750は中央のボール保留孔に対向した位置に置かれている。サテライト制御部はディスク737の回転位置を認識しているために、ディスクを一回転する間に光センサ748が何回遮られたかを判断することによって外周の5つのボール保留孔の何個にボールが収容されているかを求めることが可能である。但し、本実施形態では3つの光センサ748が円周上に均等に配列されているために、ディスクを120度回転させるだけでよい。
図19の説明を補足すると、符号522Cはクルーンに供給され外側ディスク742を転がっているボールである。クルーンへのボールの供給はディスクの回転方向とは反対の矢印759から行なわれる。ボールの供給方向は回転ディスクの接線方向であり、かつ外側ディスクに対してである。ボールがクルーンに供給されると当初ボールは外側ディスク上を転がるが次第に回転速度が低下してディスクの中心方向に向けて下降する。この時、ボールが中心方向に移動を開始するタイミングとディスクの回転のタイミングによってボールは外周の孔か中央の孔に嵌入される。
外側ディスク742は内側ディスク737に対して段差742Aを持っているためにボールが段差を落下してディスク中央方向に移動する際にボールに勢いをつけて、ボールの動きに変化を与えることができる。例えば、ボールに小段差を落下する程度の勢いを付加することによってボールが外側に孔に直ぐ入ってしまう程度をやや困難にし、ボールが一旦外側の穴を越え中央の孔に向かい易くすることもできる。
図5に戻り説明を続けると、クルーンからリリースされたボールは遊戯フィールドのプッシャの上面に向けて移動する(404)。図6に示すようにクルーンは遊戯フィールド平坦面及びプッシャよりも上方に置かれているために、クルーンから出たボールは自重により遊戯フィールドに向かって移動する。次いで、ボールはボールとメダルとの分離工程(406)を経て、ボールの色を検出する工程(486)を経てボール貯蔵手段に回収される。
既述のとおり、サテライト制御部がジャックポットの成立を宣言すると、メイン制御装置はジャックポットが成立したサテライトにジャックポットコースのボールを全て供給する。このサテライトに全てのボールを供給する間、メイン制御部は他のサテライトの制御部に遊戯中断制御信号を送りメダル遊戯を中断させる。この間、サテライトの表示手段には演出画像を再生する。ジャックポットが成立したサテライトへ全てのボールが供給し終わった後メイン制御部は通常コースに規定量のボールを供給してジャックポットを狙ったメダル遊戯を再開する。
一方、ジャックポットが成立したサテライトの遊戯フィールドには多量のボールが存在するためにボールの色を検出してメダルの払い出し処理を終了させる必要があるので、この間サテライト制御手段はメダル遊戯に伴うスロット抽選を中断するようにしてもよい。ジャックポットが成立した際の多量のボールはサテライトの遊戯フィールドの平坦面またはプッシャの上面に向けて供給される。
次に、つぎにサテライト制御部(図4)がジャックポットの成立の有無を判定する他の制御を実行する実施形態について説明する。図49はその制御動作を示すフローチャートである。サテライト制御部は、このフローチャートを繰り返し実行しており、ステップ1000において、サテライトの遊戯フィールドにあるスロットの抽選結果が777か否かをチェックする、スロット抽選結果が、第1の特定役(例えば「777」)である場合には後述のとおり、“ジャックポットチャンス”が成立したと判定して、ステップ1120に7ジャンプする。
ステップ1002において、スロット抽選結果が、第2の特定役(例えば「111」、「333」、又は「555」)であるか否かをチェックし、これを肯定判定した場合にはステップ1004に移る。ステップ1002を否定判定した場合には、ステップ1000に戻る。ステップ1004では、サテライト制御部は、既述の分岐メカのモータを回転させて、カップ724を、ボールをリリース位置に合わせる(ステップ1004)。これによってボールは分岐メカからサテライトクルーンに供給される。このとき、既述のフラップは全閉位置に設定されている。
この後、サテライト制御部は、ステップ1004において、分岐メカからボールをリリースした後は、サテライトクルーンに対するボールの入賞が確定後、即ち後述のステップ1008においてボールの位置が判定された後、分岐メカのカップ724をボールを捕獲できる位置に戻し、カップ724がボールを捕獲した後はカップの位置を、コースを転がる他のボールを妨害しないものに設定する。サテライト制御部は、既述のディスクが120度回転する間、既述の各センサの出力をチェックして(ステップ1006)、ボールがどの孔に入ったかを判定する(ステップ1008)。
サテライト制御部はボールがどの孔に入っているかを制御テーブルの形式でメモリに記憶している。サテライト制御部は、制御テーブルの各孔毎にボールがあることを示す“1”又はボールが無いことを示す“0”を登録する。
サテライト制御部は制御テーブルをチェックして、ボールが中央の穴に入ったか否を判定する(ステップ1110)。サテライト制御部はこの判定を肯定した場合は、中央の穴に入ったボールを外れボールとして、フラップを全開にしても外側の孔からボールが抜けない位置でディスク737の回転を停止した後フラップを全開状態(ステップ1112)、中央の保留孔のボールをクルーンからリリースしてサテライトの遊戯領域にあるメダルプッシャに向けて放出する(ステップ1114)。サテライト制御部は中央の孔のセンサの出力をチェックしてボールが中央の孔からリリースされたことを確認した後フラップを全閉状態に戻してステップ1000へ戻る(ステップ1114)。
サテライト制御部がステップ1110を否定判定すると、さらに制御テーブルをチェックして、ボールがディスクの外周部にある全ての保留孔に入ったか否かを判定する(ステップ1118)。サテライト制御部はステップ1118の判定を肯定した後、他のサテライトがジャックポット或いはジャックポットチャレンジの状態にある場合には、他のサテライトにおいてこの状態が終了するまで待つ(ステップ1119)。
次いで、サテライト制御部は、ジャックポットチャンス(ジャックポットに対する挑戦権獲得)として、ディスク737の回転を止めフラップを全開の位置に移動した後ディスクを回転させる。サテライト制御部は外側の孔に対するセンサの出力をチェックして全ボールが外側の孔からメダル遊戯領域にリリースされたことを確認した後フラップを全閉状態に復帰する(ステップ1122、ステップ1124)。
次いで、サテライト制御部は分岐メカ(図15)を制御してボールをサテライトクルーン内にリリースする(ステップ1126)。この後、サテライト制御部は既述のステップ1006と1008と同様に、センサ出力をチェックし(ステップ1125)、さらにボール位置を判定する(ステップ1125A)。
サテライト制御部は制御テーブルをチェックして、ボールが中央の穴に入ったか否かを判定する(ステップ1128)。サテライト制御部がステップ1128を肯定判定すると、ジャックポットの権利を獲得したとして、中央制御部(図4)にこれを通知する(ステップ1130)。中央制御部はサテライト制御部からの通知を受けてジャックポットの処理を行う。サテライト制御部はジャックポットの処理が収容するまで待ち、次いでスタートまでリターンする。 ステップ1128をサテライト制御部が否定判定すると、ステップ1000へ戻る。
なお、ジャックポットチャレンジ、ジャックポットのように、抽選結果に基づく特殊な利益状態を決定する、ボールのクルーンの孔に対する入賞状態、ボールが中央の孔に入るか、外側の孔に入るかの区別、又は何個の孔に入るかの区別、は既述の形態に限られない。
また、既述の実施形態では複数のサテライトの組み合わせを遊戯装置として説明したが、サテライト単体も遊戯装置に該当するものである。すなわち、各サテライトでは、第1の遊戯価値(メダル)に基づくビデオゲーム(スロット・ルーレット抽選手段)で特定役が成立した際に、第2の遊戯価値(ボール)を第2の抽選手段(クルーン)に払い出し、クルーンで第2の遊戯価値に基づく第2の特定役(ジャックポットチャンスに続くジャックポット)が成立した場合に、第1の遊戯価値を用いる遊戯フィールドに多量の第2の遊戯価値を供給するという、新規な遊戯装置が提供される。
既述の実施形態において筐体下部に複数の発光手段を備え、筐体上方に向かって発光すると、レールモジュールのレール部材が白色で光を反射できる樹脂によって構成することにより、レールモジュールを着色することができる。これによって意匠的効果が高まるとともに、メイン制御部がゲームの処理状態に合わせて発光色を変更することによってゲーム状態を遊戯者に報知することができる。