JP5146311B2 - 表面プラズモン共鳴センサ用チップおよび表面プラズモン共鳴センサ - Google Patents

表面プラズモン共鳴センサ用チップおよび表面プラズモン共鳴センサ Download PDF

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Description

本発明は、表面プラズモン共鳴センサ用チップおよび表面プラズモン共鳴センサに関する。具体的にいうと、複数の異なる厚みの誘電体層を有する試料検出部からの信号を分光して、試料検出部の各測定領域の表面状態を検出する表面プラズモン共鳴センサと、当該表面プラズモン共鳴センサに用いる表面プラズモン共鳴センサ用チップと、当該表面プラズモン共鳴センサを用いた医療検査装置及び化学物質検査装置に関する。
近年、個人の遺伝子やタンパク質を検査することにより、各人の健康状態や体質を診断したり、病気を予見したりすることが徐々に可能となってきている。そのための装置としては、以下に説明するように種々の方式のものが提案されている。しかし、これらの装置は現状では大型かつ高価であり、特に複数の検査を一度に行えるようにして処理効率を上げようとしたり、測定精度を向上させたりしようとすると、より大型かつ高価に成らざるを得なかった。一方、このような検査装置の普及を図るためには、将来的には高精度で、小型かつ安価な装置が要望されている。
そこで、以下においては、上記のような観点から現状の装置を簡単に説明する。
特開2000−131237号公報(特許文献1)においては、蛍光検出方式の検査装置が提案されている。これは生体分子を蛍光色素で修飾しておき、スライドガラスの上に固定したcDNAと特異的に結合した生体分子が発する蛍光を観測する装置である。このような蛍光検出方式の検査装置では、スライドガラスの上にそれぞれ異なるcDNAをドット状に塗布しておくことにより、遺伝子やタンパク質を多種類同時に解析することができ、現在最も多く利用されている。
しかし、このような検査装置では、微弱な蛍光を検出するため蛍光色素に起因するエラーが発生し、また蛍光検出用の光学系が大型化して製作コストが高価につくという問題がある。
また、特開平6−167443号公報(特許文献2)においては、バルク型の表面プラズモン共鳴センサが提案されている。これは、上面に金属薄膜を形成された基板の下面に三角形のプリズムを配置したものである。この表面プラズモン共鳴センサにおいては、投光用の光学系により金属薄膜とプリズムとの間の界面に種々の角度で光を入射させ、金属薄膜とプリズムとの界面で反射した光の強度を光検出器によって測定する。このような装置によれば、金属薄膜に固定されている抗体等と特異的に結合する抗原の反応を光検出器における受光強度の変化として検出することができる。
このようなバルク型の表面プラズモン共鳴センサでは、蛍光分子に起因するエラーは発生しないが、構造上アレイ化が困難で、1つの表面プラズモン共鳴センサでは1度に1つの検査しか行なうことができなかった。また、従来のバルク型の表面プラズモン共鳴センサでは、分析を行なうために画像処理を施す必要があり、表面プラズモン共鳴センサが大型化すると共に分析に時間が掛っていた。
表面プラズモン共鳴センサを小型化する手段としては、導波路型表面プラズモン共鳴を利用した光導波路型の表面プラズモン共鳴センサが種々提案されている。光導波路型の表面プラズモン共鳴センサは、クラッド層に埋め込まれたコアの上面に金属薄膜を設けておき、コアの一端から光を入射させ、コアの他端から出射される光を光検出器で受光するものである。
このような光導波路型の表面プラズモン共鳴センサとしては、特開2002−162346号公報(特許文献3)に開示されたものがある。ここには、コアが1本のものと、コアにスイッチング部を設けて分岐させ複数本のコアを平行に形成したものとが記載されている。コアが1本のものでは、金属薄膜を1つしか設けることができず、複数の検査を一度に行なうことはできない。
また、複数本のコアを形成したものでは、各コアに金属薄膜を形成することで複数の検査を一度に行えるようにしているが、各コアには1つの金属薄膜しか設けることができない。そのため、金属薄膜の数はコアの数以上に増やすことができず、金属薄膜を増やすためにはコアの本数やスイッチング部の数を増やさなければならず、しかも、コアを何段にも分岐させるためにコアの分岐部分の面積が大きくなり、表面プラズモン共鳴センサが大型になる。よって、複数本のコアを有する表面プラズモン共鳴センサでは、多数の検査を行えるようにしようとすればセンササイズがかなり大きくなる問題があった。
特開2000−131237号公報 特開平6−167443号公報 特開2002−162346号公報
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の異なる厚みの誘電体層を有する試料検出部からの信号(以下、試料検出部で反射された光を信号ということがある。)を分光して、各測定領域の表面状態を同時に検出することができる、小型で測定精度のよい表面プラズモン共鳴センサと表面プラズモン共鳴センサ用チップなどを提供することにある。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップは、コアを形成された光導波路と、前記コア上に形成した試料検出部と、前記コア内を伝搬して前記試料検出部で反射された光を分光する分光手段とを備え、前記試料検出部は、前記コア上に所定の距離を置いて互いに離間した状態で配置された複数の金属層と、前記金属層のそれぞれの上に形成された誘電体層で構成され、複数の前記誘電体層のうち少なくとも一部が、互いに厚みが異なっており、前記誘電体層は、それぞれの下に位置する前記金属層と同じ面積を有していて、前記誘電体層の周囲に前記金属層が露出せず、かつ、前記コアの上面が露出しており、前記分光手段は、前記光導波路に一体的に設けられていることを特徴としている。誘電体層がある測定領域では、誘電体層に特定の分子を認識し、特異的に結合する物質(以下、分子認識機能物質という。)が固定されているが、誘電体層のない測定領域では、金属層の上に直接に分子認識機能物質が固定されるので、分子認識機能物質が固定された領域によって測定領域が画定される(以下同様)。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップにあっては、コアの上面に厚みの異なる誘電体層を形成しているので、各誘電体層(測定領域)から得られる信号(反射光)の特徴波長を互いにずらせて分離させることができる。従って、各誘電体層から得られる信号の特徴波長が重なり合わないので、試料検出部で反射した光を分光手段で分光して特徴波長のシフトを検出することにより各測定領域における微量な化学的変化や生物学的変化、物理的変化などを測定することができる。よって、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップによれば、複数の測定を一度に行なうことができ、しかも、小型化及び低コスト化の可能な表面プラズモン共鳴センサ用チップを作製できる。
また、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップにあっては、前記金属層を複数有していて複数の金属層が所定の距離を置いて互いに離間した状態で配置され、前記金属層の上にそれぞれに誘電体層が形成されており、前記誘電体層は、それぞれの下に位置する前記金属層と同じ面積を有していて、前記誘電体層の周囲に前記金属層が露出せず、かつ、前記コアの上面が露出しているので、各測定領域、すなわち誘電体層を形成された金属層のそれぞれが分離されており、しかも金属層が誘電体層から露出しないようにできる。そのため、コア上面を親水処理又は疎水処理することによってコア上面への試料の非特異的な付着を抑制することができ、コア上面に付着した試料による信号ノイズを低減させることができ、表面プラズモン共鳴センサ用チップの測定精度を向上させられる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップのある実施態様は、前記各誘電体層の前記コア長さ方向における長さDが、
D ≧ 2×T×tanθ
但し、Tは前記コアの厚み
θはコア内を伝播する光の前記試料検出部への入射角
であることを特徴としている。かかる実施態様によれば、コアの厚みに対して必要最低限必要とされる誘電体層及び金属層(測定領域)の長さを規定することができ、表面プラズモン共鳴センサ用チップの設計を容易できる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップの別な実施態様は、前記分光手段で分光された異なる波長の光を受光する複数の受光領域を有する受光素子が、前記光導波路に一体的に設けられていることを特徴としている。分光手段によって分光された各波長の光を受光する受光素子を設けることにより容易に信号の特徴波長の変化を検出することができ、容易に試料やその特性の分析を行なうことができる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップのさらに別な実施形態は、前記光導波路が前記コアを複数本形成され、各コア上にそれぞれ前記試料検出部が形成されていることを特徴としている。かかる実施態様によれば、コアの数に応じて試料検出部がさらに増加するので、一度に行える測定の種類や試料の数をさらに増加させることができる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップのさらに別な実施態様は、前記各誘電体層に互いに異なる分子認識機能物質が固定されていることを特徴としている。かかる実施態様によれば、各測定領域に異なる分子認識機能物質が固定されているので、複数種類の物質を同時に測定することができ、効率よく測定を行なうことができる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップのさらに別な実施態様は、前記誘電体層の厚みが互いに10nm以上異なっていることを特徴としている。コア、金属層、誘電体層としては、通常はそれぞれPMMA(ポリメチルメタクリレート)、Au、Taを用いるが、その場合通常の生体分子が付着したときには、誘電体層の厚みに10nm以上の差があれば各信号の特徴波長が100nm以上となり、精度良く信号の特徴波長を検出することができる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップのさらに別な実施態様は、前記金属層が、Au、Ag又はCuからなることを特徴としている。かかる実施態様によれば、金属層にAu、Ag又はCuを用いることにより、可視光領域で効率よく表面プラズモン共鳴信号を得ることができる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップのさらに別な実施態様は、前記誘電体層が、高誘電率材料からなることを特徴としている。誘電体層に高誘電率材料を用いれば、信号の特徴波長の間隔を同程度に保つ場合、誘電体層どうしの厚みの差(特に、誘電体層の最大厚みと最小厚みの差)を小さくすることができ、表面プラズモン共鳴センサ用チップの表面の凹凸を小さくすることができる。よって、かかる実施態様によれば、誘電体層の作製が容易になり、誘電体層の欠けなどの欠陥の発生を抑えることができる。また、誘電体層のピッチを小さくできるので、測定領域の配置密度を高めることも可能になる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップのさらに別な実施態様は、前記誘電体層である高誘電率材料が、Ta又はTiOであることを特徴としている。TaやTiOは、高誘電率材料であるので、信号の特徴波長の間隔を同程度に保つ場合、誘電体層どうしの厚みの差(特に、誘電体層の最大厚みと最小厚みの差)を小さくすることができ、表面プラズモン共鳴センサ用チップの表面の凹凸を小さくすることができる。よって、かかる実施態様によれば、誘電体層の作製が容易になり、誘電体層の欠けなどの欠陥の発生を抑えることができる。また、誘電体層のピッチを小さくできるので、測定領域の配置密度を高めることも可能になる。さらに、TaやTiOは入手が容易である。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップのさらに別な実施態様は、前記誘電体層が、高屈折率の樹脂であることを特徴としている。誘電体層を高屈折率の樹脂で形成すれば、信号の特徴波長の間隔を同程度に保つ場合、誘電体層どうしの厚みの差(特に、誘電体層の最大厚みと最小厚みの差)を小さくすることができ、表面プラズモン共鳴センサ用チップの表面の凹凸を小さくすることができ、誘電体層の欠けなどの欠陥の発生を抑えることができる。また、樹脂材料を用いることにより、金型複製で容易に表面プラズモン共鳴センサ用チップのための誘電体層を作製することができる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサは、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップと、前記コアの一端面側に設けた光源と、前記光源と前記コアの間に設けられた光路変換手段と、受光素子とからなり、前記光源から出射された光は前記光路変換手段によって所定の角度に揃えられて前記コア内に導入され、前記コア内を伝播した光は前記試料検出部で反射され、前記コアから出た光は前記分光手段によって分光され、分光された光は前記受光素子で受光されることを特徴としている。
試料検出部に照射される光が広がり角を持っている場合には、その広がり角に相当する分の信号の誤差を生じる。これに対し、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサにあっては、光路変換手段によって試料検出部に照射される光の広がりを抑えることができる。よって、この表面プラズモン共鳴センサによれば、表面プラズモン共鳴センサ用チップの有する効果に加えて、測定精度をさらに向上させることができる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサのある実施態様は、前記光源が、白色光源又は多重波長光源であることを特徴としている。かかる実施態様によれば、白色光源や多重波長光源によって波長域の広い光を試料検出部に照射することができ、それによって測定領域の数を増やすことができる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサの別な実施態様は、前記各誘電体層が配置された領域における前記基板と前記金属層との界面において反射された光の特徴波長が互いに100nm以上離れていることを特徴としている。基板又はコア、金属層、誘電体層としては、通常はそれぞれPMMA(ポリメチルメタクリレート)、Au、Taを用いるが、その場合通常の生体分子が結合したときには、信号の特徴波長は約50nmシフトする。よって、当該実施態様のように各信号の特徴波長(反射率が極小となる吸収波長域)の間隔が100nm以上となるようにすれば、精度良く信号の特徴波長を検出することができる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップの第1の作製方法は、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップを作製するための方法であって、前記金属層の上に供給した誘電体樹脂材料を、深さの異なる複数の凹部を形成した金型で押圧することにより、前記誘電体樹脂材料によって厚みの異なる複数の誘電体層を形成することを特徴としている。金型(スタンパ)によって誘電体樹脂材料(特に紫外線硬化型樹脂)を成形する当該第1の作製方法によれば、微細な誘電体層を精度良く作製することができるので、測定領域の高密度化、もしくは表面プラズモン共鳴センサ用チップの小型化を図ることができる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップの第2の作製方法は、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサ用チップを作製するための方法であって、前記金属層の上に供給した誘電体樹脂材料を、深さの異なる複数の凹部を形成した金型で押圧することにより、前記誘電体樹脂材料によって厚みの異なる複数の誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層から露出した金属層をエッチングにより除去する工程とを備えたことを特徴としている。金型(スタンパ)によって誘電体樹脂材料(特に紫外線硬化型樹脂)を成形する当該第2の作製方法によれば、微細な誘電体層を精度良く作製することができるので、測定領域の高密度化、もしくは表面プラズモン共鳴センサ用チップの小型化を図ることができる。また、誘電体層から露出した金属層は、誘電体層をマスクとしてエッチングすることにより、容易に除去することができる。
本発明に係る医療検査装置は、特定の生体分子と結合する生体分子認識機能物質を前記誘電体層の上に固定した、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサと、前記表面プラズモン共鳴センサにより得られた測定光の波長スペクトルに基づいて検査結果の解析を行なう手段とを備えたものである。本発明に係る医療検査装置によれば、複数の医療検査を同時に行なうことができ、しかも、小型化を図ることができる。
本発明に係る化学物質検査装置は、特定の化学物質と結合する化学物質認識機能物質を前記誘電体層の上に固定した、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサと、前記表面プラズモン共鳴センサにより得られた測定光の波長スペクトルに基づいて検査結果の解析を行なう手段とを備えたものである。本発明に係る化学物質検査装置によれば、複数の化学物質検査を同時に行なうことができ、しかも、小型化を図ることができる。
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
図1は、本発明の実施形態1による表面プラズモン共鳴センサを示す概略図である。 図2(a)は実施形態1の試料検出部の拡大図、図2(b)及び図2(c)は試料検出部の側面図及び平面図である。 図3(a)は金属層の上面に抗体を固定して測定領域を形成した表面プラズモン共鳴センサを表わした図、図3(b)はその受光部で検知した特性を表わした図である。 図4(a)は金属層の上に誘電体層を設けた表面プラズモン共鳴センサを示す図、図4(b)はその受光部で検知した特性を表わした図である。 図5は、厚みの異なる複数の誘電体層を有する表面プラズモン共鳴センサで得られる分光特性を示す図である。 図6は、各測定領域で全反射された光の特性R0(λ)、R1(λ)、R2(λ)と受光素子で検出される反射率特性Rt(λ)との関係を表わした図である。 図7は、各測定領域で全反射された光の特性R0(λ)、R1(λ)、R2(λ)と受光素子で検出される反射率特性Rt(λ)との関係を表わした図であって、独立性の悪い場合を表わしている。 図8は、独立性の条件を説明するための図である。 図9は、シミュレーション結果を表わした図である。 図10は、シミュレーション結果を表わした図である。 図11は、シミュレーション結果を表わした図である。 図12(a)、図12(b)及び図12(c)は、厚みの異なる誘電体層を金属層の上面に形成する工程を表わした図である。 図13(a)は本発明の実施形態2による表面プラズモン共鳴センサを示す概略図、図13(b)はその試料検出部を拡大した図である。 図14(a)、図14(b)、図14(c)及び図14(d)は、実施形態2における測定領域の作製方法を示す工程図である。 図15は、本発明の実施形態3による表面プラズモン共鳴センサを示す正面図である。 図16(a)は実施形態3の表面プラズモン共鳴センサにおける試料検出部の拡大図、図16(b)及び図16(c)は金属層の上面に形成された試料検出部の側面図及び平面図である。 図17は、実施形態3における受光素子のアレイを示す平面図である。 図18(a)は実施形態3の変形例による表面プラズモン共鳴センサを示す正面図、図18(b)はその試料検出部を示す拡大図である。 図19は、本発明の実施形態4による表面プラズモン共鳴センサを示す斜視図である。 図20は、本発明の実施形態4による表面プラズモン共鳴センサの側面図である。 図21は、コアの端部上面に設置された分光手段の界面で光が全反射されるのを防止する一方法を説明するための、表面プラズモン共鳴センサの側面図である。 図22は、測定領域の長さDを決めるための条件を説明する図である。 図23は、光の広がりを±2°、誘電体層の厚みの差を10nmとしたときの特性をシミュレーションした結果を示す図である。 図24は、光の広がりを±2°、誘電体層の厚みの差を15nmとしたときの特性をシミュレーションした結果を示す図である。 図25は、光の広がりを±1°、誘電体層の厚みの差を15nmとしたときの特性をシミュレーションした結果を示す図である。 図26は、本発明の実施形態5による表面プラズモン共鳴センサを示す側面図である。 図27は、本発明の実施形態6による表面プラズモン共鳴センサを示す斜視図である。 図28は、本発明の実施形態6による表面プラズモン共鳴センサ81の平面図である。 図29は、実施形態6の変形例による表面プラズモン共鳴センサを示す斜視図である。 図30は、本発明の実施形態7による表面プラズモン共鳴センサを示す側面図である。 図31は、本発明の実施形態8による表面プラズモン共鳴センサを示す側面図である。 図32は、本発明の表面プラズモン共鳴センサを用いた検査装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による表面プラズモン共鳴センサ11を示す概略図である。実施形態1の表面プラズモン共鳴センサ11は、プリズム17を備えたバルク型の表面プラズモン共鳴センサであって、いわゆるKretschmann配置となっている。
この表面プラズモン共鳴センサ11においては、PMMA、ポリカーボネイト(PC)、ポリスチレン(PS)等のプラスチックやガラスからなる透明基板12の表面全体に金属層13(金属薄膜)を形成している。透明基板12は、プリズム17と等しい屈折率を有している。金属層13は、真空蒸着やスパッタによって透明基板12の上面に形成したAu、Ag、Cu等によって構成されている。
金属層13の上面には、複数の測定領域15a、15b、15cからなる試料検出部16が形成されている。図2(a)は試料検出部16の拡大図であり、図2(b)及び図2(c)は試料検出部16の側面図及び平面図である。試料検出部16を構成する各測定領域15a、15b、15cは、互いに隙間23をあけて一列に配列されている。測定領域15aでは、金属層13の上面に誘電体層14aが形成されており、誘電体層14aの上には抗体22aを固定化している。測定領域15bでは、金属層13の上面に測定領域15aの誘電体層14aと異なる厚みの誘電体層14bが形成されており、当該誘電体層14bの上には測定領域15aと異なる抗体22bを固定化している。さらに、測定領域15cでは、金属層13の上面に誘電体層14a及び14bと異なる厚みの誘電体層14cが形成されており、当該誘電体層14cの上には測定領域15a及び15bと異なる抗体22cが固定化されている。なお、測定領域は、図示例では3つの測定領域15a、15b、15cを示しているが、2つ又は4つ以上であってもよい。また、各誘電体層14a、14b、14cは異なる厚みを有していればよく、いずれかの誘電体層(例えば、誘電体層14a)の厚みはゼロ(つまり、誘電体層が設けられていない。)であってもよい。これらの誘電体層14a、14b、14cは、TaやTiO等の高誘電率材料、もしくはPMMAやポリカーボネイトなどの高屈折率の誘電体樹脂材料からなる。
このようにして金属層13の上に形成された各誘電体層14a、14b、14cの領域(いずれか1つの測定領域では誘電体層がなくてもよい。)の一つ一つが測定領域15a、15b、15cとなっており、誘電体層の厚み(厚みがゼロを含む。)の異なる各測定領域15a、15b、15cが集まって1つの試料検出部16を構成している。
図1に示すように、透明基板12は、下面にマッチングオイルを薄く塗布されて三角プリズム等のプリズム17の上面に密着している。プリズム17の一方の斜面側には、白色光を出射する白色光源や、所定の複数波長域の光を出射する多重波長光源などの投光部18が配置されている。投光部18は発光ダイオード(LED)や半導体レーザー素子(LD)、ハロゲンランプなどの光源25と、光源25から投射された光を金属層13と平行又は垂直な方向の直線偏光に変換する偏光子26と、投光部18から出射する光をコリメート化して所定の方向に出射させるためのコリメート光学系27とを有している。また、プリズム17の他方の斜面側には、分光手段19と受光素子20が配置されている。分光手段19は、透明基板12と金属層13との界面で全反射した光を分光させるものであって、回折格子からなる。受光素子20は、分光された各波長の光を受光する複数の受光領域21(受光セル)を有するものであって、1次元フォトダイオードアレイなどを用いる。
しかして、この表面プラズモン共鳴センサ11においては、投光部18から出射された光L(偏光)は一方斜面からプリズム17内に入射し、さらに透明基板12内を通って試料検出部16に斜めに入射する。そして、試料検出部16において金属層13と透明基板12との界面で全反射された光は、透明基板12及びプリズム17を通ってプリズム17の他方斜面から外部へ出射する。プリズム17から出た光は分光手段19に斜めに入射し、分光手段19を透過することによって各波長毎の光に分光される。分光手段19で分光された各波長の光は、波長毎に異なる方向へ出射して受光素子20によって受光される。受光素子20の各受光領域21は、分光手段19による分光方向に沿って配列されており、各受光領域21が異なる波長の光を受光する。よって、各受光領域21の受光量から、試料検出部16で反射された光の分光特性を得ることができる。
なお、各測定領域15a、15b、15cは互いに一定の距離を置いて配置されているので、各測定領域15a、15b、15cで全反射された光が分光手段19に入射する位置もわずかにずれており、分光された光も波長が同じでも光線位置がわずかにずれている。しかしながら、測定領域15a、15b、15cのサイズは、受光素子20に配列されている各受光領域21のサイズに比べて充分に小さく、また、分光手段19と受光素子20との間に充分な距離をとることによって異なる波長の光を充分に分離させることができるので、異なる測定領域15a、15b、15cで全反射された光であっても同じ波長(域)の光は同一の受光領域21で受光される。
次に、この表面プラズモン共鳴センサ11における測定原理を説明する。図3(a)は金属層13の上面に抗体22を固定して1つの測定領域を形成した表面プラズモン共鳴センサを表わしている。また、図3(b)は、この表面プラズモン共鳴センサ11の測定領域に全反射を起こすような入射角で光Lを照射したとき、測定領域において透明基板12と金属層13との界面で全反射した光Lの分光特性を表わしている。光Lの全反射が起きている測定領域においては、金属層13の表面に電界分布を持つエバネッセント波が生じる。そして、エバネッセント波の波数及び周波数が、表面プラズモンの波数及び周波数と一致するとき両者が共鳴し、入射光の光エネルギーが表面プラズモンに移行するので、当該波長において反射光の光強度が低下する。従って、反射光の分光特性を調べると、図3(b)にR0(λ)で示す特性のように、特定の吸収波長λ0(以下、特徴波長という。)で反射率が極小となる。
次に、測定領域の抗体22に特異的に結合する抗原24を結合させた状態で同様な測定を行なうと、特性は図3(b)に示すR0s(λ)のように変化し、特徴波長はΔλだけシフトしてλ0sとなる。この波長シフト量Δλ(=λ0s−λ0)は、抗体22に特異的に結合した抗原24の量に応じて変化するので、反射光の分光特性から波長シフト量Δλを求めることにより、抗体22に抗原24が結合したか否かを判定し、あるいは抗体22に特異的に結合した抗原24の量を測定することができる。
いま、金属層13の上に2種類以上の抗体を固定化した場合を考えると、各抗体には異なる種類の抗原が特異的に結合するので、一度に2種類以上の抗原を検査することができると考えられる。しかし実際には、各抗体を有するそれぞれの測定領域で反射された光を1つの受光素子20で受光すると、各測定領域における反射光の特徴波長が重なり合って判別できず、測定不能となる。
一方、図4(a)に示す表面プラズモン共鳴センサのように、金属層13の上に所定厚みtの誘電体層14を設けておき、その誘電体層14の上に抗体22を固定化した場合には、抗体22に抗原が結合していないときの特性は図4(b)に示す特性R1(λ)のようになる。すなわち、抗体22に抗原24が結合していない場合であっても、反射光の分光特性は誘電体層14を有しない場合の特性R0(λ)から図4(b)の特性R1(λ)へと変化し、特徴波長(吸収波長)はΔΛだけシフトしてλ1となる。そして、さらに抗体22に抗原24が特異的に結合したときには、特徴波長は、図4(b)の特性R1s(λ)のようになり、特徴波長はλ1からλ1sへ変化する。
実施形態1の表面プラズモン共鳴センサ11の場合には、それぞれの測定領域15a、15b、15cにおいて厚みの異なる誘電体層14a、14b、14cの上に抗体22a、22b、22cを固定している。そのため、図5に示すように、各測定領域15a、15b、15cからの信号の特性R0(λ)、R1(λ)、R2(λ)は、各測定領域15a、15b、15c毎に異なる波長シフト量だけシフトし、互いに分離する。従って、各測定領域15a、15b、15cからの信号が混色せず、各信号の特徴波長λ0、λ1、λ2を精度良く切り分けることが可能になる。
具体的にいうと、測定領域15aからの信号は、抗原が結合していない場合には図5の特性R0(λ)のように特徴波長がλ0の特性となり、その抗体22aに特異的に結合する抗原が結合した場合には図5の特性R0s(λ)のように特徴波長がλ0sの特性となる。同様に、測定領域15bからの信号は、抗原が結合していない場合には図5の特性R1(λ)のように特徴波長がλ1の特性となり、その抗体22bに特異的に結合する抗原が結合した場合には図5の特性R1s(λ)のように特徴波長がλ1sの特性となる。測定領域15cからの信号は、抗原が結合していない場合には図5の特性R2(λ)のように特徴波長がλ2の特性となり、その抗体22cに特異的に結合する抗原が結合した場合には図5の特性R2s(λ)のように特徴波長がλ2sの特性となる。よって、特徴波長λ0、λ1、λ2の間が充分に離間するように誘電体層14b、14cの厚みを調整しておくことにより、各特徴波長λ0、λ1、λ2や変化後の各特徴波長λ0s、λ1s、λ2sが混じり合うことなく精度良く検出され、各測定領域15a、15b、15cにおける抗原の有無や抗原の結合量を検出することができる。
従って、実施形態1の表面プラズモン共鳴センサ11によれば、各測定領域15a、15b、15cにそれぞれ異なる抗体22a、22b、22cを固定化しておけば、それぞれ異なる抗原−抗体反応を一度に検出することができ、複数の検査を一度に行えるようになる。よって、測定領域をアレイ化して複数の検査を効率よく一度に行なうことができ、小型化が可能で安価なバルク型の表面プラズモン共鳴センサ11を作製することができる。しかも、このような表面プラズモン共鳴センサ11によれば、受光素子としてCCDを用いる必要がないので、画像処理も不要になり、分析に要する時間も短縮することができる。
しかしながら、各測定領域15a、15b、15cで反射された光Lの分光特性は、図5に示したように別々に検出されるものではなく、1つの受光素子20で検出されるものであるから、その点も考慮して各特徴波長間の間隔を設定しなければならない。そのためには、ここで独立性と呼ぶ条件を満足するように各誘電体層の厚みを定めなければならない。以下、各信号の特徴波長を分離させるために必要な独立性の概念を説明する。
図6は測定領域15a、15b、15cで全反射された光の特性R0(λ)、R1(λ)、R2(λ)と受光素子20で検出される反射率特性Rt(λ)との関係を表わしている。受光素子20で検出される反射率特性Rt(λ)は、各特性R0(λ)、R1(λ)、R2(λ)の反射率を掛け合わせたものとなるので、
Rt(λ)=R0(λ)×R1(λ)×R2(λ)
となる。各測定領域15a、15b、15cにおける特性が図6のR0(λ)、R1(λ)、R2(λ)のようであれば、受光素子20で検出される特性は図6のRt(λ)のようになる。
図7では、個々の特性R0(λ)、R1(λ)、R2(λ)で比較すれば各特徴波長λ0、λ1、λ2が充分に分離されているように見えるが、実際に受光素子20で検出される分光特性Rt(λ)で見ると、各特徴波長λ0、λ1、λ2が十分に分離されているとはいえない。従って、表面プラズモン共鳴センサ11の設計にあたっては、以下で一般化して説明する独立性の条件を満足する必要がある。
いま、特徴波長を短い側から順にλ0、λ1、λ2、…と表わすものとする。図8に示すように、特徴波長がλm、λn(λn>λm;n=m+1、mは0又は正の整数)の隣り合った値を有する測定領域で全反射された光による特性を考える。隣り合った2つの特徴波長の差をΔG=λn−λmとする。さらに、それらの測定領域に抗原が結合したときの特徴波長をそれぞれλms、λnsとすれば、それぞれの波長シフトは、
Δλm=λms−λm
Δλn=λns−λn
となる。まず、隣り合う特徴波長が変化後にも重なり合わない条件(独立性の条件1)として、特徴波長が隣り合う任意の一組の分光特性について、
ΔG > Δλm …(数1)
を満たさなければならない。
次に、精度良く検出するためには、受光素子20で検出している特性の信号波形が崩れないようにする必要がある。いま、試料検出部16内の測定領域の数をk+1、光の波長をλとし、各測定領域における反射率をR0(λ)、R1(λ)、…、Rk(λ)とし、各測定領域に抗原が特異的に結合したときの反射率をR0s(λ)、R1s(λ)、R2s(λ)、…、Rks(λ)とするとき、
Fk(λ)=R0(λ)×R0s(λ)×R1(λ)×R1s(λ)
×…×Rk(λ)×Rks(λ)
=ΠRj(λ)×ΠRjs(λ)
(但し、積は、いずれもj=0からj=kまで)
という関数を定義する。ここでΠRj(λ)は、いずれの測定領域にも抗原が結合していない時に受光素子20で計測される信号の特性であり、ΠRjs(λ)は、すべての測定領域に抗原が結合した時に受光素子20で計測される信号の特性である。
独立性の条件2は、図8に示すような任意の隣り合う分光特性Rm(λ)、Rn(λ)を考えたとき、最小の波長間距離の中央波長
λmn=(λms+λn)/2 …(数2)
の前後の波長λmn+Δλ=λx(ただし、ここで用いたΔλはゼロでない任意の小さな値であって、λxは変曲点λmnの近傍を表している。)における上記関数Fk(λ)の接線の傾きがゼロにならないことである。数式で表わせば、
|dFk(λx)/dλx|>0 …(数3)
となることである。これは簡単にいうと、変曲点λmnを含む領域でFk(λ)の2回微分がゼロでないということである。なお、この|dFk(λx)/dλx|の値は大きければ大きいほどよい。
また、上記(数2)は波形が左右対称で、最小の波長間距離の中央波長が変曲点であるときに利用できるが、それ以外の場合(波形が左右対称ではないとき)は(数2)を利用できない。波形が左右対称でない場合は、2回微分がゼロではないことが条件となる。
あるいは、独立性の条件2は、抗原が付着した後の任意の分光特性の極小値Ris(λis)が、上記(数2)で定義される任意のλmnにおけるFk(λ)/Ri(λ)の値よりも小さく、
Ris(λis)< Fk(λmn)/Ri(λmn) …(数4)
を満たすことである。ここでiは任意の分光特性を表わす指標でi=0、…、kであり、m及びnは隣接する任意の分光特性を表わす指標であり、Ris(λis)は抗原が付着した後の分光特性Ris(λ)の特徴波長λisにおける値であり、Ri(λ)はRis(λ)の抗原が結合する前の分光特性である。表面プラズモン共鳴センサ11の製作時の位置精度や投光部18から出射される光の広がりなどを考慮すると、上記(数4)の右辺の値は左辺の値の10%以上大きいことが望ましい。
よって、各測定領域における誘電体層の厚みを決定するに当たっては、上記(数1)の独立性条件と、上記(数3)と上記(数4)のうち少なくとも一方の独立性条件とを満たすように留意しなければならない。
また通常は、透明基板12としては、ガラス若しくはPMMAが用いられ、金属層13としては、Auが用いられ、誘電体層14a、14b、14cとしては、Ta若しくはPMMAやポリカーボネイトが用いられる。その場合、通常の生体分子が付着したときには、信号の特徴波長は約50nmシフトする。よって、各信号の特徴波長の間隔ΔGは100nm以上となるようにすれば、精度良く信号の特徴波長を検出することができる。
また、受光素子20は全特徴波長をカバーする必要がある。すなわち、少なくとも波長λ0〜λksまでの光を必要な分解能で受光できるサイズ及びセル数の受光素子20が必要となる。
図9、図10及び図11はシミュレーション結果を表わしている。図9及び図10においては、透明基板をPMMAと想定してその屈折率を1.492とし、金属層を厚み50nmのAu薄膜とし、金属層への光の入射角を75°とした。そして、測定領域の数を7とし、各測定領域にはTiによって厚みtが0nm(誘電体層なし)、5nm、10nm、15nm、20nm、25nm及び30nmの誘電体層を形成した。図9は各測定領域に抗原が結合する前の状態における反射率特性と、そのときの受光素子で検出される全体の特性を表わしている。また、図10は各測定領域に抗原が結合する前と後の特性の変化を表わしており、実線で表わした特性が抗原が結合する前の特性(図9と同じ特性)であり、破線が抗原が結合した後の特性を表わしている。ここで、抗原の大きさを10nmと仮定し、抗原が結合したときの測定領域の屈折率を仮に1.57とした。このように誘電体層の厚みtの差が5nmしか無い場合には、図9に示すように抗原が結合する前の隣り合った特徴波長の差ΔGが充分でないため、図10に示すように、抗原が結合した後の特性の特徴波長が長波長側で隣接する抗原結合前の特性の特徴波長と極めて接近しており、信号の独立性が失われている。
一方、図11は、誘電体層の厚みtを0nm、10nm、20nmとして3つの測定領域を形成した場合であり、実線で表わした特性が抗原が結合する前の特性であり、破線が抗原が結合した後の特性を表わしている。この場合には、抗原が結合する前の特性において隣り合った特徴波長の差ΔGが充分であるので、抗原が結合した後の特性の特徴波長が長波長側で隣接する抗原結合前の特性の特徴波長から十分に離れている。
以上の考察に基づけば、各測定領域の誘電体層の厚みtは互いに10nm以上異なっていることが望ましい。受光素子20の検知可能な波長域を500nm〜1000nmであるとすれば、測定領域の数は3となるので、測定領域15a、15b、15cの各誘電体層14a、14b、14cの厚みtは、それぞれ0nm、10nm、20nmとすればよい。
次に、厚みの異なる誘電体層14a、14b、14cを金属層13の上面に形成する方法を図12により説明する。この方法は、スタンパを用いて誘電体層14a、14b、14cを複製する方法である。スタンパ28には、作製しようとする誘電体層14a、14b、14cと同じ形状の凹部が予め形成されている。誘電体層14a、14b、14cの作製にあたっては、透明基板12上の金属層13の上面に誘電体樹脂材料29を塗布しておき、図12(a)に示すように、スタンパ28で誘電体樹脂材料29を上から押さえ、金属層13とスタンパ28の間に誘電体樹脂材料29を挟み込んで成形する。誘電体樹脂材料29が硬化した後、スタンパ28を剥離させると、図12(b)に示すように、金属層13の上面には誘電体樹脂材料29によって誘電体層14a、14b、14cの形状が形成される。ついで、誘電体樹脂材料29をウェットエッチング又はドライエッチングすることにより、誘電体樹脂材料29の不要部分を除去すれば、図12(c)に示すように、誘電体樹脂材料29による誘電体層14a、14b、14cが形成される。
このようにしてスタンパ28によって誘電体樹脂材料29(特に紫外線硬化型樹脂)を成形する方法によれば、微細な誘電体層14a、14b、14cを精度良く作製することができるので、測定領域の高密度化、もしくは表面プラズモン共鳴センサ11の小型化を図ることができる。
(実施形態2)
図13(a)は本発明の実施形態2による表面プラズモン共鳴センサ31を示す概略図、図13(b)はその試料検出部16を拡大した図である。実施形態1では、測定領域15a、15b、15cの外側の領域においても金属層13が形成されていたが、実施形態2の表面プラズモン共鳴センサ31では、測定領域15a、15b、15cの外側の領域においては金属層13を設けておらず、誘電体層14a、14b、14cから金属層13が露出していない。従って、測定領域15a、15b、15cの外側の領域では透明基板12が露出しているので、測定領域15a、15b、15c以外の領域に親水処理又は疎水処理を施すことができる。その結果、測定領域15a、15b、15c以外の領域に抗原が付着するのを防止することができ、不必要に固定された抗原による信号ノイズを低減させることができ、測定精度を向上させることできる。
図14は実施形態2における測定領域15a、15b、15cの作製を方法を示す図である。図14(a)〜(c)は、実施形態1の図12(a)〜(c)と同じ工程である。実施形態2の場合には、図14(d)に示す最後の工程でパターニングされた誘電体樹脂材料29をマスクとして金属層13をドライエッチング又はウェットエッチングし、誘電体樹脂材料29(すなわち、誘電体層14a、14b、14c)から露出した金属層13を除去する。
(実施形態3)
図15は本発明の実施形態3による表面プラズモン共鳴センサ41を示す正面図である。また、図16(a)は表面プラズモン共鳴センサ41における試料検出部16の拡大図、図16(b)及び(c)は金属層13の上面に形成された試料検出部16の側面図及び平面図である。実施形態3の表面プラズモン共鳴センサ41にあっては、複数の測定領域15a、15b、15cからなる試料検出部16を縦横に配列している(図示例では、縦方向に3個、幅方向に4個配列している。)。また、図17は受光素子20のアレイを示す平面図であって、複数の受光素子20が各試料検出部16に対応するように縦横に配置されている。
しかして、図15に示すように、各試料検出部16で反射された光Lの分光特性は、各受光素子20によって独立して検知されるので、実施形態3の表面プラズモン共鳴センサ41では非常に多くの検査(図示例では、3×12=36種類の検査)を一度に行なうことができ、検査効率が非常に高くなる。但し、試料検出部16の縦横の配列数や配列の仕方は、図示のものに限定されない。
なお、この実施形態においても、図18に示す表面プラズモン共鳴センサ51のように、測定領域15a、15b、15c以外の領域では金属層13を除去し、誘電体層14a、14b、14cから金属層13が露出しないようにすれば、測定領域15a、15b、15c以外の領域に親水処理又は疎水処理を施して抗原が付着するのを防止できる。
(実施形態4)
図19は、本発明の実施形態4による表面プラズモン共鳴センサ61を示す斜視図であり、図20はその側面図である。実施形態4の表面プラズモン共鳴センサ61は、マルチモード型の光導波路を用いた光導波路型の表面プラズモン共鳴センサである。
この表面プラズモン共鳴センサ61においては、透明なプラスチックからなるクラッド62の溝内に、クラッド62よりも屈折率が大きくて透明なプラスチックからなるコア63が1本形成されている。コア63の上面には金属層13(金属薄膜)が形成されている。金属層13は、真空蒸着やスパッタによってコア63の上面に形成したAu、Ag、Cu等によって形成されている。
金属層13の上面には、複数の測定領域15a、15b、15cからなる試料検出部16が形成されている。試料検出部16を構成する各測定領域15a、15b、15cは、互いに隙間23をあけて一列に配列されている。測定領域15aでは、金属層13の上面に誘電体層14aが形成されており、誘電体層14aの上に抗体22aを固定化している。測定領域15bでは、金属層13の上面に測定領域15aの誘電体層14aと異なる厚みの誘電体層14bが形成されており、当該誘電体層14bの上には測定領域15aと異なる抗体22bを固定化している。さらに、測定領域15cでは、金属層13の上面に誘電体層14a及び14bと異なる厚みの誘電体層14cが形成されており、当該誘電体層14cの上には測定領域15a及び15bと異なる抗体22cが固定化されている。なお、測定領域は、図示例では3つの測定領域15a、15b、15cを示しているが、2つ又は4つ以上であってもよい。また、各誘電体層14a、14b、14cは異なる厚みを有していればよく、いずれかの誘電体層(例えば、誘電体層14a)の厚みはゼロ(つまり、誘電体層が設けられていない。)であってもよい。これらの誘電体層14a、14b、14cは、TaやTiO等の高誘電率材料、もしくはPMMAやポリカーボネイトなどの高屈折率の誘電体樹脂材料からなる。
このようにして金属層13の上に誘電体層14a、14b、14cが形成された領域(いずれか1つの測定領域では誘電体層がなくてもよい。)の一つ一つが測定領域15a、15b、…となっており、誘電体層14a、14b、14cの厚み(厚みがゼロを含む。)の異なる各測定領域15a、15b、…が集まって1つの試料検出部16を構成している。
コア63の一方の端面には、白色光を出射する白色光源や、所定の複数波長域の光を出射する多重波長光源などの投光部18が配置されている。投光部18は発光ダイオード(LED)や半導体レーザー素子(LD)、ハロゲンランプなどの光源25と、光源25から投射された光を金属層13と平行又は垂直な方向の直線偏光に変換する偏光子26と、投光部18から出射する光をコリメート化して所定の角度で出射させるためのコリメート光学系27とを有している。また、コア63の他方端部の上面には分光手段19が密着するように設置されており、その上方に受光素子20が配置されている。分光手段19はコア63と屈折率がほぼ等しい材料、望ましくはコア63と同じ材料であることが望ましい。そうすることで、光Lがコア63の上面と分光手段19との間の界面で全反射することなく、分光手段19に入射する。
また、分光手段19の界面における光Lの全反射を防止する方法としては、図21に示すように、分光手段19を設置するコア63の上面を傾斜させてもよい。コア63の上面は、分光手段19の界面に入射する光Lの入射角が小さくなる向きに傾斜させればよい。このようにすることにより、コア63内を導光してきた光Lが、全反射することなく分光手段19に入射する。なお、このような方法は実施形態1に限らず、以下に説明する他の実施形態の光導波路型表面プラズモン共鳴センサにも適用することができる。
分光手段19は、透明基板12と金属層13との界面で全反射した後、導光してきた光Lを分光させるためのものであって、回折格子からなる。受光素子20は、分光された各波長の光を受光する複数の受光領域21(受光セル)を有するものであって、1次元フォトダイオードアレイなどが用いられる。
しかして、この表面プラズモン共鳴センサ61においては、投光部18から出射された光L(偏光)は一方端面からコア63内に入射し、コア63内で全反射を繰り返しながら導光して試料検出部16に斜めに入射する。そして、試料検出部16において金属層13とコア63との界面で全反射された光Lは、コア63内を導光してコア63の端部上面に達し、分光手段19から外部へ出射する。分光手段19を透過した光Lは、分光手段19によって各波長毎の光に分光される。分光手段19で分光された各波長の光は、波長毎に異なる方向へ出射されて受光素子20によって受光される。受光素子20の各受光領域21は、分光手段19の分光方向に沿って配列されており、各受光領域21が異なる波長の光を受光する。よって、各受光領域21の受光量から、試料検出部16で反射された光の分光特性を得ることができる。
なお、各測定領域15a、15b、15cは互いに一定の距離を置いて配置されているので、各測定領域15a、15b、15cで全反射された光が分光手段19に入射する位置もわずかにずれており、分光された光も波長が同じでも光線位置がわずかにずれている。しかしながら、測定領域15a、15b、15cのサイズは、受光素子20に配列されている各受光領域21のサイズに比べて充分に小さく、また、分光手段19と受光素子20との間に充分な距離をとることによって異なる波長の光を充分に分離させることができるので、異なる測定領域15a、15b、15cで全反射された光であっても同じ波長(域)の光は同一の受光領域21で受光される。
この実施形態4の表面プラズモン共鳴センサ61における測定原理は、実施形態1のブロック型の表面プラズモン共鳴センサ11において説明したのと同様であるので、詳細な説明は省略する。実施形態4の表面プラズモン共鳴センサ61においても、それぞれの測定領域15a、15b、15cにおいては厚みの異なる誘電体層14a、14b、14cの上にそれぞれ異なる抗体22a、22b、22cを固定している。そのため、各測定領域15a、15b、15cからの信号の特徴波長は各測定領域15a、15b、15c毎に異なる波長シフト量だけシフトし、互いに分離する。そして各測定領域15a、15b、15cからの信号が混色せず、各信号の特徴波長λ0、λ1、λ2を精度良く切り分けることが可能になり、複数の検査を一度に行えるようになる。よって、測定領域をアレイ化して複数の検査を効率よく一度に行なうことができ、小型化が可能で安価なバルク型の表面プラズモン共鳴センサ61を作製することができる。しかも、このような表面プラズモン共鳴センサ61によれば、受光素子としてCCDを用いる必要がないので、画像処理も不要になり、分析に要する時間も短縮することができる。
ただし、実施形態4の表面プラズモン共鳴センサ61においても、実施形態1の表面プラズモン共鳴センサ11と同様に、実施形態1で説明した独立性の条件を満たしていることが望ましい。よって、実施形態4の場合においても、各誘電体層14a、14b、14cの厚みは互いに10nm以上異なっていることが望ましい。従って、ブロック型の表面プラズモン共鳴センサにおいて述べたのと同様に、受光素子20の検知可能な波長域を500nm〜1000nmとすれば、測定領域の数は3となるので、測定領域15a、15b、15cの各誘電体層14a、14b、14cの厚みtは、それぞれ0nm、10nm、20nmとすればよい。
また、光導波路型の表面プラズモン共鳴センサ61の場合には、感度の良好な信号を得るためには、コア63内を導光する光の全光束が個々の測定領域15a、15b、15cに照射されなければならない。そのためには、図22に示す測定領域15a、15b、15cの長さDがコア63内を導光する光Lの1周期Pよりも長くなければならない。コア63内を導光する光Lの入射角(導光角度)をθ、コア63の厚みをTとすれば、コア63内を導光する光Lの1周期Pは、図22から分かるように、
P=2×T×tanθ
と表わされる。よって、上記条件は、
D > 2Ttanθ
となる。
従って、投光部18のコリメート光学系27は、投光部18から出射する光をコリメート化すると共に、コア63内における導光角度θが所定角度となるように調整すればよい。しかし、光導波路型の場合には、コア63の材料による波長の違いに対する屈折率の違いにより、導光する光の角度が異なる。その場合には、コリメート光学系27(光路変換手段)によって波長毎に光の角度を変え、コア63に入射したときに全波長で導光角度が同じになるようにしてもよい。
また、コア63の厚みTは、通常のマルチモード型光導波路におけるコア厚みである数十μm〜数百μmに設定するのが望ましいが、コア63の厚みTがあまり大きくなると、測定領域15a、15b、15cの長さD(>2Ttanθ)が大きくなるため、コア63の厚みTは数十μmが望ましい。
例えば、コア63内における光Lの入射角を75°、コア63の厚みを50μmとすると、各測定領域15a、15b、15cの長さDは約400μmとなる。よって、1本のコア63に3つの測定領域15a、15b、15cを並べて設ける場合には、コア63の長さは1200μm以上となる。
また通常は、コア63としてはPMMAが用いられ、金属層13としてはAuが用いられ、誘電体層14a、14b、14cとしてはTa若しくはPMMAやポリカーボネイトが用いられる。その場合、通常の生体分子が結合したときには、信号の特徴波長は約50nmシフトする。よって、各信号の特徴波長の間隔は100nm以上となるようにすれば、精度良く信号の特徴波長を検出することができる。
また、受光素子20は全特徴波長をカバーする必要がある。すなわち、少なくとも波長λ0〜λksまでの光を必要な分解能で受光できるサイズ及びセル数の受光素子20が必要となる。
次に、投光部18から出射する光の拡がりの影響について述べる。図23は、コアがPMMAであると想定してその屈折率を1.492とし、Auからなる金属層の厚みを50nmとし、その上に屈折率が2.1のTaからなる厚み0nmと10nmの誘電体層を形成した光導波路型の表面プラズモン共鳴センサにおける特性をシミュレーションした結果を表わしている。図23における特性C1、C2及びC3は、厚み0nmの誘電体層(抗体だけが固定化されていて抗原は結合していない)にそれぞれ入射角73°、75°、77°で光が入射した時の特性を表わしている。また、図23における特性C1s、C2s及びC3sは、仮に10nmの大きさの抗原が抗体に結合して表面の屈折率が1.57になった厚み0nmの誘電体層にそれぞれ入射角73°、75°、77°で光が入射した時の特性を表わしている。
同様に、図23における特性C4、C5及びC6は、厚み10nmの誘電体層(抗体だけが固定化されていて抗原は結合していない)にそれぞれ入射角73°、75°、77°で光が入射した時の特性を表わしている。また、図23における特性C4s、C5s及びC6sは、仮に10nmの大きさの抗原が抗体に結合して表面の屈折率が1.57になった厚み10nmの誘電体層にそれぞれ入射角73°、75°、77°で光が入射した時の特性を表わしている。
よって、厚み0nmの誘電体層に入射角が75°±2°の拡がりをもって入射したときの、抗原結合前の特性は特性C1、C2及びC3の合成としてC1-3となり、抗原結合後の特性は特性C1s、C2s及びC3sの合成としてC1-3sとなる。同様に、厚み10nmの誘電体層に入射角が75°±2°の拡がりをもって入射したときの、抗原結合前の特性は特性C4、C5及びC6の合成としてC4-6となり、抗原結合後の特性は特性C4s、C5s及びC6sの合成としてC4-6sとなる。
図23のシミュレーション結果によれば、±2°の拡がりを持った光を厚みの差が10nmの誘電体層に投射した場合には、各特性C1-3、C1-3s、C4-6、C4-6sの特徴波長(域)はかなり拡がる。その結果、抗原結合前の特性C1-3、C4-6と抗原結合後の特性C1-3s、C4-6sとがそれぞれ重なり合い、測定が困難となる。また、厚みの異なる誘電体層による特性C1-3sとC4-6も重なり合うので、測定が困難になる。
次に、光の拡がりを±2°とし、誘電体層の厚みの差を15nmとした場合のシミュレーション結果を説明する。図24は、コアがPMMAであると想定してその屈折率を1.492とし、Auからなる金属層の厚みを50nmとし、その上に屈折率が2.1のTaからなる厚み0nmと15nmの誘電体層を形成した光導波路型の表面プラズモン共鳴センサにおける特性をシミュレーションした結果を表わしている。図24における特性C1、C2及びC3は、厚み0nmの誘電体層(抗体だけが固定化されていて抗原は結合していない)にそれぞれ入射角73°、75°、77°で光が入射した時の特性を表わしている。また、図24における特性C1s、C2s及びC3sは、仮に10nmの大きさの抗原が抗体に結合して表面の屈折率が1.57になった厚み0nmの誘電体層にそれぞれ入射角73°、75°、77°で光が入射した時の特性を表わしている。
同様に、図24における特性C7、C8及びC9は、厚み15nmの誘電体層(抗体だけが固定化されていて抗原は結合していない)にそれぞれ入射角73°、75°、77°で光が入射した時の特性を表わしている。また、図24における特性C7s、C8s及びC9sは、仮に10nmの大きさの抗原が抗体に結合して表面の屈折率が1.57になった厚み15nmの誘電体層にそれぞれ入射角73°、75°、77°で光が入射した時の特性を表わしている。
図24のシミュレーション結果によれば、±2°の拡がりを持った光を厚みの差が15nmの誘電体層に投射した場合には、厚みの異なる誘電体層による特性C1〜C3、C1s〜C3sとC7〜C9、C7s〜C9sとの重なりはなくなった。しかし、反応前の特性と反応後の特性(例えば、C3とC1sやC9とC8sなど)が重なり合っているため、測定が困難である。ただし、投光部18から出射される光の強度分布が正面方向を中心として正規分布になっている場合には、信号の幅が大きくなり、感度は下がるが、センシングできる可能性がある。
次に、光の拡がりを±1°とし、誘電体層の厚みの差を15nmとした場合のシミュレーション結果を説明する。図25は、コアがPMMAであると想定してその屈折率を1.492とし、Auからなる金属層の厚みを50nmとし、その上に屈折率が2.1のTaからなる厚み0nmと15nmの誘電体層を形成した光導波路型の表面プラズモン共鳴センサにおける特性をシミュレーションした結果を表わしている。図25における特性D1、D2及びD3は、厚み0nmの誘電体層(抗体だけが固定化されていて抗原は結合していない)にそれぞれ入射角74°、75°、76°で光が入射した時の特性を表わしている。また、図25における特性D1s、D2s及びD3sは、仮に10nmの大きさの抗原が抗体に結合して表面の屈折率が1.57になった厚み0nmの誘電体層にそれぞれ入射角74°、75°、76°で光が入射した時の特性を表わしている。
同様に、図25における特性D4、D5及びD6は、厚み15nmの誘電体層(抗体だけが固定化されていて抗原は結合していない)にそれぞれ入射角74°、75°、76°で光が入射した時の特性を表わしている。また、図25における特性D4s、D5s及びD6sは、仮に10nmの大きさの抗原が抗体に結合して表面の屈折率が1.57になった厚み15nmの誘電体層にそれぞれ入射角74°、75°、76°で光が入射した時の特性を表わしている。
図25のシミュレーション結果によれば、±1°の拡がりを持った光を厚みの差が15nmの誘電体層に投射した場合には、特徴波長の独立性が保たれ、測定が可能となる。
図23〜図25のシミュレーション結果によれば、投光部から出射される光が広がり角を持つ場合には、独立性を保つためには光の広がり角は±1°以下にすることが望ましい。また、誘電体層の厚みの差は15nmあるいはそれ以上にするのが望ましい。なお、受光素子の波長感度が500〜1000nmであるとすれば、測定領域の数は2箇所となり、この場合には一方の測定領域をリファレンス用に用いることにより、測定時のバラツキを補正することができる。
(実施形態5)
図26は本発明の実施形態5による表面プラズモン共鳴センサ71を示す側面図である。実施形態4では、測定領域15a、15b、15cの外側の領域においても金属層13が形成されていたが、実施形態5の表面プラズモン共鳴センサ71では、測定領域15a、15b、15cの外側の領域においては金属層13を設けていない。従って、測定領域15a、15b、15cの外側の領域ではコア63が露出しているので、測定領域15a、15b、15c以外の領域(クラッド62及びコア63上面)に親水処理又は疎水処理を施すことによって測定領域15a、15b、15c以外の領域に抗原が非特異的に結合するのを防止することができ、不要な抗原による信号ノイズを低減させることができ、測定精度を向上させることできる。
(実施形態6)
図27は本発明の実施形態6による表面プラズモン共鳴センサ81を示す斜視図、図28はその平面図である。実施形態6の表面プラズモン共鳴センサ81にあっては、複数本のコア63を設け、複数の測定領域15a、15b、15cからなる試料検出部16と分光手段19を各コア63の上に配列させている。また、図示しないが、受光素子20もコア63の数に合わせて複数設けられている。
しかして、各試料検出部16で反射された光Lの分光特性は、各受光素子20によって独立して検知されるので、実施形態6の表面プラズモン共鳴センサ81では多くの検査(図示例では、3×4=12種類の検査)を一度に行なうことができ、検査効率が非常に高くなる。但し、コア63の本数や測定領域の数は、図示のものに限定されない。
なお、この実施形態においても、図29に示す表面プラズモン共鳴センサ91のように、測定領域15a、15b、15c以外の領域では金属層13を除去するようにすれば、測定領域15a、15b、15c外のコア63等が露出した領域に親水処理又は疎水処理を施して抗原が非特異的に結合するのを防止できる。
(実施形態7)
図30は本発明の実施形態7による表面プラズモン共鳴センサ101を示す側面図である。実施形態7の表面プラズモン共鳴センサ101にあっては、コア63を導光した光をコア63の投光部18と反対側の端面から出射させると共に、当該端面に分光手段19を設けておいて光Lを分光させ、分光手段19側において垂直に配置した受光素子20で信号を受光するようにしたものである。
(実施形態8)
図31は本発明の実施形態8による表面プラズモン共鳴センサ111を示す側面図である。実施形態8の表面プラズモン共鳴センサ111は、受光素子20を、コア63の端部上面に設けた分光手段19と一体化したものである。
なお、以上説明した各実施形態では、抗原−抗体反応を利用した例を示したが、本発明の実施形態は、抗原、抗体に限らず、DNA、RNA、タンパク質、糖鎖など、あらゆる生体分子の測定や観察に利用することができる。
(実施形態9)
図32は本発明の表面プラズモン共鳴センサ122を用いた検査装置121の構成を示すブロック図である。この検査装置121は、検査対象に応じて、医療検査装置としても、化学物質検査装置としても用いられる。医療検査装置として用いる場合には、誘電体層の上にはある生体分子に特異的に結合する生体分子認識機能物質を固定化しておき、化学物質検査装置として用いる場合には、誘電体層の上に特定の化学物質と結合する化学物質認識機能物質を固定化しておけばよい。
この検査装置121においては、これまで述べたような表面プラズモン共鳴センサ122の構成以外に、試料を表面プラズモン共鳴センサ122に送るための構造を有している。すなわち、所定の生体分子認識機能物質等を固定化された表面プラズモン共鳴センサ122を準備した後、試料滴下部123に試料溶液を滴下する。すると、試料滴下部123に滴下された試料溶液はポンプ等の試料流れ制御部124によって表面プラズモン共鳴センサ122に一定の流速で供給され、表面プラズモン共鳴センサ122の各測定領域を通過した検査済の試料溶液は廃液処理部125へ送って回収される。
一方、表面プラズモン共鳴センサ122においては、投光部18から測定領域に向けて光が出射され、測定領域で全反射された光は受光素子20によって受光され、受光素子20からは検査データが出力される。
表面プラズモン共鳴センサ122は、試料溶液の分光特性を検査データとしてデータ処理部126へ出力し、当該データは判定処理部128を通じて記憶装置127に保存されると共に判定処理部128による判定結果は外部の出力装置へ出力される。なお、記憶装置127及び判定処理部128は省略してもよい。
この検査装置121によれば、抗原−抗体反応などの他に、SNP(単一性塩基多型)の解析、実験用マウスに投与した物質の代謝、吸収、排泄の経路または状態の確認、細胞内のイオン濃度測定、タンパク質の同定または機能解析などを行なうことができる。さらには、個人の健康状態を判別する健康診断や個人セキュリティのための検査などにも利用することができる。
11 表面プラズモン共鳴センサ
12 透明基板
13 金属層
14a、14b、14c 誘電体層
15a、15b、15c 測定領域
16 試料検出部
17 プリズム
18 投光部
19 分光手段
20 受光素子
21 受光領域
22a、22b、22c 抗体
23 隙間
24 抗原
25 光源
26 偏光子
27 コリメート光学系
61 表面プラズモン共鳴センサ
62 クラッド
63 コア

Claims (17)

  1. コアを形成された光導波路と、
    前記コア上に形成した試料検出部と、
    前記コア内を伝搬して前記試料検出部で反射された光を分光する分光手段とを備え、
    前記試料検出部は、前記コア上に所定の距離を置いて互いに離間した状態で配置された複数の金属層と、前記金属層のそれぞれの上に形成された誘電体層で構成され、
    複数の前記誘電体層のうち少なくとも一部が、互いに厚みが異なっており、
    前記誘電体層は、それぞれの下に位置する前記金属層と同じ面積を有していて、前記誘電体層の周囲に前記金属層が露出せず、かつ、前記コアの上面が露出しており、
    前記分光手段は、前記光導波路に一体的に設けられていることを特徴とする、表面プラズモン共鳴センサ用チップ。
  2. 前記各誘電体層の前記コア長さ方向における長さDが、
    D ≧ 2×T×tanθ
    但し、Tは前記コアの厚み
    θはコア内を伝播する光の前記試料検出部への入射角
    であることを特徴とする、請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップ。
  3. 前記分光手段で分光された異なる波長の光を受光する複数の受光領域を有する受光素子が、前記光導波路に一体的に設けられていることを特徴とする、請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップ。
  4. 前記光導波路が前記コアを複数本形成され、各コア上にそれぞれ前記試料検出部が形成されていることを特徴とする、請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップ。
  5. 前記各誘電体層に互いに異なる分子認識機能物質が固定されていることを特徴とする、請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップ。
  6. 前記誘電体層の厚みが互いに10nm以上異なっていることを特徴とする、請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップ。
  7. 前記金属層は、Au、Ag又はCuからなることを特徴とする、請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップ。
  8. 前記誘電体層が、高誘電率材料からなることを特徴とする、請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップ。
  9. 前記誘電体層が、Ta又はTiOであることを特徴とする、請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップ。
  10. 前記誘電体層が、高屈折率の樹脂であることを特徴とする、請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップ。
  11. 請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップと、
    前記コアの一端面側に設けた光源と、
    前記光源と前記コアの間に設けられた光路変換手段と、
    受光素子とからなり、
    前記光源から出射された光は前記光路変換手段によって所定の角度に揃えられて前記コア内に導入され、
    前記コア内を伝播した光は前記試料検出部で反射され、
    前記コアから出た光は前記分光手段によって分光され、
    分光された光は前記受光素子で受光されることを特徴とする、表面プラズモン共鳴センサ。
  12. 前記光源が、白色光源又は多重波長光源であることを特徴とする、請求項11に記載の表面プラズモン共鳴センサ。
  13. 前記各誘電体層が配置された領域における前記基板と前記金属層との界面において反射された光の特徴波長が互いに100nm以上離れていることを特徴とする、請求項11に記載の表面プラズモン共鳴センサ。
  14. 請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップを作製するための方法であって、
    前記金属層の上に供給した誘電体樹脂材料を、深さの異なる複数の凹部を形成した金型で押圧することにより、前記誘電体樹脂材料によって厚みの異なる複数の誘電体層を形成することを特徴とする、表面プラズモン共鳴センサ用チップの作製方法。
  15. 請求項に記載の表面プラズモン共鳴センサ用チップを作製するための方法であって、
    前記金属層の上に供給した誘電体樹脂材料を、深さの異なる複数の凹部を形成した金型で押圧することにより、前記誘電体樹脂材料によって厚みの異なる複数の誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層から露出した金属層をエッチングにより除去する工程と、
    を備えたことを特徴とする、表面プラズモン共鳴センサ用チップの作製方法。
  16. 特定の生体分子と結合する生体分子認識機能物質を前記誘電体層の上に固定した、請求項11に記載の表面プラズモン共鳴センサと、前記表面プラズモン共鳴センサにより得られた測定光の波長スペクトルに基づいて検査結果の解析を行なう手段とを備えた医療検査装置。
  17. 特定の化学物質と結合する化学物質認識機能物質を前記誘電体層の上に固定した、請求項11に記載の表面プラズモン共鳴センサと、前記表面プラズモン共鳴センサにより得られた測定光の波長スペクトルに基づいて検査結果の解析を行なう手段とを備えた化学物質検査装置。
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