JP6338747B2 - 電磁波検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波検出器に関し、特に、入射電磁波の波長から、特定の波長を選択的に除外して吸収し、電気信号に変換する電磁波検出器に関する。
従来の電磁波検出器では、光検出層の材料として半導体材料が用いられるが、半導体材料はバンドギャップを有するので、バンドギャップよりも大きいエネルギーを有する光しか検出することができず、電磁波検出器として最適ではない。
そこで、次世代の光検出器として、金属構造体におけるプラズモン効果を利用して電磁波吸収を行うことが研究されている。例えば、非特許文献1には、下層金属層、絶縁層、周期的なパターンおよび大きさを有する上層金属層、を有する構造体が設けられた検出器が記載されている。かかる検出器では、構造体における光吸収率を測定することで、上層金属層の形状および、絶縁層膜厚に依存した波長の光吸収が可能となっている。
Jiaming Hao et al., APPLIED PHYSICS LETTERS vol. 96, pp. 251104 (2010)
しかしながら、例えば衛星による地球観測、天体撮像、遠隔通信、バイオフォトニック(biophotonic)機器、不要蛍光の除去、火災時中での人観察など、さまざまな分野で、特定の波長を除いた光検知が求められているが、非特許文献1に示す構造では、特定の波長を除いた光検知は不可能である。
一方、ノッチフィルタ等の光学系を使用して特定波長を遮断する方法では、コストが高くなると共に、遮断波長がフィルタの設置角や光の入射角に大きく依存するという問題があった。
そこで、本発明は、所望の波長を除き、その他の広域波長帯の波長に関しては高効率で吸収することができる電磁波検出器の提供を目的とする。
本発明は、電磁波を電気信号に変換して検出する電磁波検出器であって、下層金属層と、下層金属層の上に形成された絶縁層と、絶縁層の上に複数の上層金属層が配置された上層金属パターンと、を含む構造体と、構造体の温度変化を電気信号に変換して検出する信号検知部と、を含み、上層金属パターンは、特定波長の電磁波と表面プラズモン共鳴して特定波長の電磁波を吸収するように形状が決定された少なくとも2種類の上層金属層を含み、上層金属層と絶縁層と上層金属パターンで吸収された2つの電磁波の吸収波長の間に、吸収されない電磁波の非吸収波長帯を有することを特徴とする電磁波検出器である。
本発明にかかる電磁波検出器では、所望の波長を除き、その他の広域波長帯について高効率で電磁波の吸収が可能とある。即ち、非吸収波長帯を持つ電磁波の検出が可能となる。
本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の上面図である。 電磁波検出器に電磁波が入射したときの電磁界の振る舞いを示す概念図である。 電磁波検出器に電磁波が入射したときの光吸収スペクトルである。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の上面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の光吸収スペクトルである。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターンの配置図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターンにおける光吸収スペクトルである。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターンの配置図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターンの配置図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターンの配置図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターンの配置図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターンの配置図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターン(同心円状パターン)の配置図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターン(同心円状パターン)における光吸収スペクトルである。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の信号検知構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の信号検知構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の他の信号検知構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる電磁波検出器の上面金属パターンの配置図である。 本発明の実施の形態2にかかる電磁波検出器の光吸収スペクトルである。 本発明の実施の形態2にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターンの配置図である。 本発明の実施の形態2にかかる電磁波検出器の他の上面金属パターンの配置図である。 本発明の実施の形態3にかかる電磁波検出器の断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる他の電磁波検出器の断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる他の電磁波検出器の断面図である。 本発明の実施の形態4にかかる電磁波検出器の断面図である。 本発明の実施の形態4にかかる他の電磁波検出器の断面図である。 本発明の実施の形態4にかかる他の電磁波検出器の断面図である。 本発明の実施の形態5にかかる電磁波検出器の断面図である。 本発明の実施の形態6にかかる電磁波検出器の斜視図である。 本発明の実施の形態6にかかる電磁波検出器の光吸収スペクトルである。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の断面図である。 絶縁層の膜厚と吸収スペクトルの波長ピーク値との関係である。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の光吸収スペクトルである。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態7にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の、それぞれの金属パターンの光吸収スペクトルである。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の光吸収スペクトルである。 本発明の実施の形態8にかかる他の電磁波検出器の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態8にかかる電磁波検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態9にかかる電磁波検出器アレイの斜視図である。 本発明の実施の形態10にかかる電磁波検出器アレイの斜視図である。 本発明の実施の形態10にかかる電磁波検出器アレイの光吸収スペクトルである。
本発明の実施の形態では、電磁波検出器について赤外波長域を用いて説明するが、本発明は、赤外線以外の波長域、例えば可視、近赤外、テラヘルツ(THz)、マイクロ波、電波領域の波長域の検出器としても有効である。本発明の実施の形態において、光は電磁波とも記載する。また、各実施の形態では、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。本発明の吸収体を適用する検出器には、熱型としてはボロメータ、サーモパイル、SOI(Silicon-on-Insulator)ダイオード型、焦電型、あるいは吸収した熱によって発生した歪みを検知する検知器などあらゆる形式の検知器が含まれる。熱型以外では、以下で述べる絶縁層を半導体(含む量子井戸、量子ドット)に変更すれば、量子型の検出器にも適用できる。
実施の形態1.
図1は、全体が100で表される、本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器100の斜視図である。図2は、図1の電磁波検出器100の断面図(一部)である。また、図3は、図1を上面から見た場合の上面図である。
図1〜図3に示すとおり、電磁波検出器100は、平坦な表面を有する下層金属層1と、下層金属層1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に周期性を持って形成され、周期的に配列された上層金属パターン3と、の3つの構造と、この3つの構造で吸収された光を電気信号に変換する信号検知構造9を有する。
上層金属パターン3および下層金属層1は、表面プラズモン共鳴を生じやすい材料から形成されることが好ましく、例えばAu、Ag、Cu、Al、Ni、Cr、Ti等の金属から形成される。換言すれば、負の誘電率を有する材料が望ましい。但し、変換損失の大きな金属を用いた場合、吸収率特性における半値幅が広がるなど波長選択性、つまり単色性が劣化することがある。よって、金属の種類は必要とされる検知波長の半値幅などによって、適宜選択される。また、逆に損失の大きな金属を用いることで広範な波長域を検知するような、ブロードな吸収をもたせることが可能になる。
絶縁層2は、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、シリコン等の絶縁物から形成されることが好ましい。また、SiやGaAsなどの半導体においても同様の効果がある。
上層金属パターン3は、ある特定波長を除いた光を吸収する機能を持つ、少なくとも2種以上の異なる形状または大きさで形成されている。なお、配置される上層金属パターン3の数は、適宜選択できる。また、上層金属パターン3の配置は、2次元マトリックス状の配置では、正方格子状、三角格子状、六法格子状などの配置が可能である。あるいは1次元の配置などでもよい。ここでは、代表例として正方格子状の配置について説明する。
なお、図2において、信号検知構造9は下層金属層1の下部に配置しているが、下層金属層1、絶縁層2、上層金属パターン3で吸収された光を電気信号に変換できればよく、側面、もしくは各層中に配置しても良い。
次に、本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器100の、光吸収の原理について説明する。図4は、電磁波検出器に電磁波が入射したときの電磁界の振る舞いを示す概念図である。電磁波検出器100に光(電磁波)が入射した場合、入射面に周期的に形成された上層金属パターン3によって共鳴する共鳴波長の光が、入射した光の中から選択される。選択された波長の光のうち、絶縁層2に導かれる導波モードの光がさらに選択される。
次に、上層金属パターン3と下層金属層1との間に挟まれた絶縁層2内で共鳴が発生し、ここでも共鳴波長の光が選択される。ここで、絶縁層2は、入射光の波長に比べて非常に薄いため、絶縁層2の厚さ方向の共鳴は支配的にはならない。よって、実質的には上層金属パターン3の面内方向(絶縁層2の表面に平行な方向)の共鳴が支配的になる。ここでは上層金属パターン3は正方形であるため、正方形の一辺に沿った方向の共鳴が支配的になる。
つまり、正方形一辺の長さLと吸収ピーク波長λの関係は、
λ=n×L
となる。ここで、nは正の定数である。
電磁波検出器100の入射面側では、以上のような共鳴が生じる。これは、特に、表面プラズモン共鳴、プラズモン共鳴、あるいは可視域以外での金属表面における共鳴という意味で、擬似表面プラズモン共鳴と呼ばれる。また、同様に波長以下の構造により、特定の波長を操作するという意味で、メタマテリアル、プラズモニックメタマテリアル、アンテナなどと呼ばれることもある。但し、本質的には、既に述べたように、上層金属パターン3の表面における共鳴による吸収である。よって、本発明の明細書では、特にこれらの名称を区別せず、現象面からは同じとする。明細書中では、これらの共鳴を表面プラズモン共鳴、プラズモン共鳴、あるいは単に共鳴と呼ぶ。
このように、特定の波長におけるプラズモン共鳴によって、上層金属パターン3の周辺に光が強く局在することになる。このとき、局在した光は、電磁波検出器100中で主に熱として蓄積される。
図5は、電磁波検出器100に光(電磁波)が入射したときの光吸収スペクトルである。図5に示すように、図4に示す電磁波検出器100では、上層金属パターン3の正方形一辺の長さに対応した波長成分のみが吸収される。このとき、選択的に吸収される光の波長は、上層金属パターン3の配置周期Sによって大きく変化しないことが知られている。ただし、周期より小さい波長の入射電磁波では、回折されて反射される場合があるため、吸収が生じないかまたは弱くなる。よって、上層金属パターン3の配置周期Sを選択吸収波長λよりも小さく設定することで、吸収率を減少させることなく、特定波長の光吸収が可能となる。
また、図5に示した電磁波吸収スペクトルの鋭さは、上層金属パターン3の形状の作製精度や端面形状の均一性、膜厚の均一性、金属の種類、および絶縁層2の膜厚、を調整することにより変化する。これらを調整することで、ブロードな吸収スペクトルを持たせたり、鋭い吸収スペクトルを持たせたりすることができる。
電磁波検出器100で検出できる光の波長は、絶縁層2の膜厚dや材質、上層金属パターン3の膜厚hによっても影響を受ける。非特許文献1で示された結果では、絶縁層2の膜厚d=10nm、上層金属パターン3の膜厚h=40nm、上層金属パターン3の配置周期S=310nmのとき、一辺170nmの上層金属パターンで、吸収波長1.58μmの吸収ピークが得られており、実測吸収率は88%(理論値97%)という結果が報告されている。つまり、上層金属パターン3配置周期は1.58μmまで拡大させたとしても、目的とする波長の光吸収率は低下しないことが予想できる。
ここでは、上層金属パターン3はそれぞれ孤立して配置された例をあげたが、特定波長の光を吸収できるのであればこれに限らない。例えば、複数の上層金属パターン3が一部でつながった形状でも良いし、図6に示すように、上層金属パターン3の存在している箇所と部分とし存在していない部分が反転している(ドットパターンに対して、アンチドットパターン。つまり、金属板に貫通孔(図7の白抜き部分)が周期的に形成されているパターン)ような、一部分のみ上層金属層が除去されたパターンでも良い。その際、上層金属パターン3における吸収波長スペクトルは、除去パターンの周期や大きさ、形状などにより影響を受けることとなる。
次に、上層金属パターン3の膜厚:hについて述べる。上層金属パターン3の膜厚hが厚くなると、厚さ方向にも共鳴が生じるため、高さ方向にも共鳴が生じる。よって、検出効率の入射角度依存性が大きくなる。この結果、特定波長においては垂直入射以外の光を吸収しなくなり、検出出力が低下する傾向にある。つまり、少なくともh<L(上層金属パターン3の一辺の長さ)を満たし、膜厚hはできるだけ薄くすることが好ましい。
膜厚hの下限について説明する。膜厚hが、検出波長に対して、
δ=(2/μσω)1/2
μ、σはそれぞれ上層金属パターン3の透磁率および電気伝導率
ωは検出波長を有する電磁波の角振動数
で表される表皮効果の厚さδ(skin depth)の2倍程度の厚さ(波長によって変化するが、赤外域においては、数10nm程度から数100nm程度)以上であれば、一般に入射光の漏れ出しが充分に小さいといえる。よって、膜厚hの最低膜厚は、上記条件を満たさなければならない。以下の解析に示すように、赤外波長域に対しては、膜厚hが数10〜100nm程度以上であれば十分な吸収が生じ、200nm程度あれば十分である。このように、上層金属パターン3の膜厚が薄い場合、表面プラズモン共鳴は、主として、上層金属パターン3の面内方向において生じ、吸収する入射光の波長は、上層金属パターン3の大きさにより決まる。
これに対して、膜厚hが厚くなり、Lの1/4より大きくなった場合、膜厚方向(面内方向に垂直な方向)にも共鳴が発生し、吸収特性の入射角度依存性が大きくなる。また共鳴方向が一か所ではないことから、吸収波長が多波長化するという問題が生じる。
上述のように上層金属パターン3の膜厚が非常に薄い場合、吸収波長は主として面内方向の共鳴によって決定されるため、結果的に、吸収波長の入射角依存性が小さくなる。この結果、入射角が変化しても、吸収波長、吸収率などの吸収特性の変化は殆どおこらなくなる。
一方、下層金属層1の膜厚は、入射光の透過が起こらないことが望ましく、選択吸収を行う波長の2倍程度、もしくはそれ以上の膜厚であることが望ましい。
次に、本発明の実施の形態1にかかる電磁波検出器100の動作原理について説明する。図1に示すとおり、上層金属パターン3は上層金属パターンA51〜上層金属パターンI59の9種類を含んで周期的に構成されている。これら上層金属パターンA51〜上層金属パターンI59の少なくとも2種類以上の異なる形状または大きさで形成されており、先に述べたとおり、各パターンの正方形一辺の長さに対応した波長成分のみが吸収される。
このとき、上層金属パターンA51〜上層金属パターンD54を第1吸収ユニット14とし、それぞれのパターンにおける吸収スペクトル合算がフラットになり、広帯域で吸収がなされるよう、正方形一辺長Lと吸収ピーク波長λを設定する。同様に、上層金属パターンE55〜上層金属パターンI59を第2吸収ユニット15とし、吸収スペクトル合算がフラットになり、広帯域で吸収がなされるよう、正方形一辺長Lと吸収ピーク波長λを設定する。
図7は、このときの電磁波検出器3における光吸収スペクトルである。先に述べたとおり、各上層金属パターンの一辺の長さに対応した波長の光が選択的に吸収され、第1吸収ユニット14では第1広域吸収帯12、第2吸収ユニット15では第2広域吸収帯13が得られ、第1広域吸収帯12と第2広域吸収帯13はそれぞれオーバーラップしないような波長域をカバーするように設定する。これにより、非吸収波長帯5を有する電磁波検出器トータル吸収スペクトル4を得ることができる。
このとき、それぞれの上層金属パターン配置間隔が選択吸収波長以下に設置することで、吸収波長251〜254の4つの吸収率をそれぞれ低下させることなく維持できる。このため、広帯域で高い吸収率を持つ電磁波検出器の設計が可能であり、上層金属パターン3の設計により非吸収波長帯5を設置できる。
図7では、第1吸収ユニット14では第1広域吸収帯12、第2吸収ユニット15では第2広域吸収帯13を得ることで、1つの非吸収波長帯5を得たが、非吸収波長帯を複数得られるよう設計しても良い。図8に2つの吸収波長帯を得られる構造を示す。また、図9に、図8の構造により得られる吸収波長スペクトルを示す。
上層金属パターン3の設計により、第1吸収ユニット14、第2吸収ユニット15、第3吸収ユニット16を形成することで、第1広域吸収帯12、第2広域吸収帯13、第3広域吸収帯17が得られる。第1広域吸収帯12と第2広域吸収帯13の間で第1非吸収波長帯18と、第2広域吸収帯13と第3広域吸収帯17の間で第2非吸収波長帯19を有する、磁波検出器トータル吸収スペクトル4を得ることができる。
上層金属パターン3のパターン数は、本実施の形態では9つと記載したが、広帯域で高い吸収率が得られ、非吸収波長帯5を得られるパターン構成であれば良く、9つに限らない。例えば、9つより多くても良いし、1つのパターンで広帯域の波長が検知できるのであれば9つよりも少なくても良い。
上記金属パターン3のパターン配置方法は、周期的で、かつ同じパターンのものが選択吸収波長以下の間隔で配置されていれば良く、図3に示すようなパターン配置に限らない。例えば、図10のように配置パターンを変更しても良いし、図11のように各上層金属パターンの間隔が比較的均一になるように第1吸収ユニット12と第2吸収ユニット13を固めて配置しなくても良い。また、小さな面積の上層金属パターンは選択吸収波長λが小さくなるため、配置周期Sを小さく保つ必要がある。その場合は、図12のように配置個数を上層金属パターンごとに変化させても良い。
また、上記例では上層金属パターン3が周期的に配置された固まりを、2×2のアレイ状に配置した例を記載しているが、それに限らない。例えば、図13のように1周期のみを配置しても良い。検知面積を縮小し、微細なアレイセンサとして形成する際に有効である。また、3×3、4×4と、任意で配置することができる。これは、大面積で平均化した信号成分を取得する際に有効である。
上層金属パターン3の形状は、図14に示すように、円形、長方形、楕円形、三角形、同心円状、ブルズアイ(Bullseye)、十字型、H型、スプリットリング等の形状で形成されても良い。本実施の形態では、正方形を代表例として記載している。三角形、長方形、楕円形などの非対称形状では、吸収波長に偏向依存性が生じるため、この作用を利用して偏向検知素子としても良い。
また、同心円の形状を有している上層金属パターン3においても特定波長が得られるという特徴を利用して、図15に示すような複数の同心円状パターンを形成しても良い。図15のような同心円状パターンでは、図16に示すように、同心円外周パターン70で得られる吸収波長270と、同心円内部パターン71で得られる吸収波長271は異なっており、この特徴を生かして複数波長の吸収を行っても良い。このように、上層金属パターン3については複数の波長で共鳴を有する形状を用いても良い。
次に、信号検知構造9について述べる。図17は、本実施の形態にかかる信号検知構造9を示す断面図である。図17の構造では、下層金属層1の下部に感熱層10が配置される。感熱層10は、下層金属層1、絶縁層2、上層金属パターン3で特定波長の光が吸収されたことにより発生した温度変化により、電気信号を発生する。この電気信号を電気信号取り出し部8から取り出す。
このとき、感熱層10の例としては、抵抗体の抵抗値、ダイオードなどが挙げられるが、温度変化により特性が変化する構造体であればよく、それらに限らない。
また、信号検知構造10の配置は、下層金属層1の下部に限らず、側面、もしくは光の吸収を著しく低下させない範囲で上部に設置しても良い。
図18と図19に、他の信号検知構造9を示す。図18の構造では、絶縁層2と上部金属パターン3の間にグラフェン層7を設置し、その外部に電気信号取り出し部8を設置する。このとき、入射光により絶縁層2と上部金属パターン3の間で電磁場の局在が起こり、その電磁場をグラフェンにより吸収する。通常の光入射におけるグラフェン層の光吸収率は通常2.3%であるのに対して、共振器中に設置されたグラフェン層7では、共振器中ではグラフェン層7に対して電磁波が入射を繰り返すため、最終的に局在した光を全て(100%)吸収することができる。つまり、入射光を熱成分に変換することなく、電気信号に変換することができる。グラフェン層7は、絶縁層2の中間に配置しても同様の効果が得られる。
一方、図19の構造では、下層金属層1と絶縁層2と上層金属パターン3で吸収した熱成分を、熱伝達体21を通して感熱体22で電気信号に変換する。感熱体22は断熱支持脚23により中空状態に保たれている。そして、この断熱支持脚23における熱の伝達を弱める、即ち、断熱支持脚23を微細構造とすることで、感熱体22における感度向上が可能である。ここで、感熱体22としてはSOIダイオード構造、ボロメータなどを利用することができる。なお、電気信号の取り出し構造は、図17〜図19に示した3例に限らない。
次に、本発明の実施の形態にかかる電磁波検出器100の製造方法について、図20a〜図20eを参照しながら説明する。
まず、始めに、図20aに示すように、信号検知構造9を形成する。先に述べたように、信号検知構造9は、温度変化により抵抗値が変化する抵抗体や、温度変化により特性の変化するダイオードなどで形成されることが好ましいが、温度変化により特性が変化する構造であればこれらに限らない。また、信号検知構造9の下部に支持基板としてSiウエハ、金属膜等を使用しても良いが、その際、支持基板からの放熱が懸念され、光吸収による温度変化が小さくなってしまう。温度変化を顕著にするため、中空保持とすることが好ましい。
次に、図20bに示すように、信号検知構造9の上に下層金属層1を堆積する。先に述べたように、下層金属層1の材料としては、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Cr、Ti等の負の誘電率を有する材料が望ましい。膜厚は、上面からの入射光が透過しない膜厚であればよい。
次に、図20cに示すように、下層金属層1の上に、例えば酸化膜、窒化膜、有機溶剤などからなる絶縁層2を形成する。その際、絶縁層2の表面は、下層金属層1の表面と平行かつ平坦な形状で形成することが好ましく、CMP研磨や熱処理などの平坦化処理を実施してもよい。
次に、図20dに示すように、絶縁層2の上に、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Cr、Ti等の負の誘電率を有する材料からなる上層金属を堆積する。
次に、図20eに示すように、上部金属を加工して、上層金属パターン3を形成する。加工の際には、写真製版処理、エッチング、またはリフトオフ等の半導体プロセスを使用することができる。
以上の工程により、本実施の形態1にかかる電磁波検出器100が作製される。
実施の形態2.
図21は、本実施の形態2にかかる電磁波検出器の上面金属パターンである。図21の構造では、周期的に配置された上層金属パターンの一部の領域において、周期性を乱したパターン欠陥領域11が設けられている。これにより、広帯域波長帯の中に非吸収波長を導入することが可能となる。特に、フォトニック結晶などの周期構造を利用した光デバイスに対応できるように、周期構造において周期を乱す領域(特に、「欠陥領域」と呼ばれることが多い。)においては、欠陥領域に対応した結合あるいは非結合モードが発生し、広い波長域中に欠陥モードを高効率に導入することができる。
本実施の形態2にかかる構造においても、図22に示すように、広い波長域、例えば、中赤外〜長波長赤外をカバーするような波長域中に、非結合(吸収の生じない)欠陥モードを導入することが可能となる。このような非結合欠陥モードを利用することで、特定の波長のみを吸収しない、つまり特定の波長のみを検知しない検出器の実現が可能である。
次に、欠陥領域の構成について説明する。例えば、図21のように、構造物が周期的に配置されている場合、特定の構造物を除去することによって欠陥領域を導入することが可能である。欠陥領域の近傍では、配置周期がその他の領域と異なることになる。このため、周期性が乱された領域が形成される。
より具体的に述べると、上層金属パターンが、例えば3μm周期で配置されている場合、その中の一つの上層金属パターンを除去する。この除去された領域が欠陥領域に相当する。なぜなら、欠陥周囲の上層金属パターンの配置周期は6μmとなり、欠陥領域においては他の上層金属パターンと配置周期が異なる領域が形成されるからである。
次に、本実施の形態にかかる、欠陥領域を有する構造における非結合欠陥モードについて簡単に述べる。既に述べたように、上面金属パターンでは、パターンの配置周期以下の波長は全て回折されて、吸収されない。よって欠陥領域を導入することによって、6μmの波長において、吸収が生じなくなるか、弱くなる。このように、欠陥領域を導入することで、吸収されない波長を導入することが可能になる。
欠陥領域の導入については、図21に示すようなパターンの一部を除去する除去型の配置が可能である。また、例えば、図23に示すように、特定の2つの上層金属パターンのみ中心間の距離を近づけるか、あるいは遠ざけるなどの方法によって周期性を乱した構造、つまり欠陥領域を導入することも可能である。また、図21に示すような周期構造を含む単位ユニットが更に周期的に配置されているようなスーパラティス構造の場合、欠陥領域が周期的に構成される。図24に示すように、欠陥はこのような周期的な配置(左図)でも良いし、スーパラティス内に単一の領域(右図)としてもよい。欠陥の構成については、要求される検出器の仕様、目的とする波長によって適宜選択すればよい。
実施の形態3.
図25aおよび図25bは、本実施の形態3にかかる電磁波検出器100の断面図である。実施の形態1と異なる点は、絶縁層2の一部を加工工程により除去している点であり、他の構造は同じである。図25aは隣接する上層金属パターン3の間の下部に存在する絶縁層2を完全に除去しており、図25bは隣接する上層金属パターン3の間の下部に存在する絶縁層2を部分的に除去している。
ここで、電磁波検出器100の性能値の一つである熱時定数と、それを決定する熱容量について説明する。熱容量とは、系に対して熱の出入りがあったとき、系の温度がどの程度変化するかを表す状態量である。本発明における熱容量は、信号検知構造9と下層金属層1、絶縁層2、上層金属パターン3のそれぞれの密度ρと体積Vを掛け合わせたものの和である。つまり、各層の体積Vが大きい場合、熱容量は大きくなる。
一方、熱時定数とは、電磁波検出器100の性能値の一つであり、入力された熱成分に対しての電磁波検出器100自体の温度変化追従時間のことである。この熱時定数は、上述の熱容量に比例した値となる。つまり、熱容量が大きい構造では、入力された熱成分に対して追従する時間が遅くなり、熱容量が小さい構造では、逆に速くなる。
高速移動するもの、もしくは温度上昇や温度低下が速いものを観察する際に、熱時定数は重要な性能指標となる。熱時定数が小さいほど、検知対象の温度変化追従性が高いといえる。
ここで、図2に示す実施の形態1にかかる電磁波検出器100と、図25aおよび図25bに示す電磁波検出器100とを比べた場合、後者のほうが、絶縁層2を部分的に除去している分、熱容量は小さくなり、熱時定数が小さく、高性能な電磁波検出器となる。一方、表面プラズモン効果としては、本実施の形態の電磁波検出器100で除去した絶縁層2の部分は、電磁波閉じ込め効果に影響を与えないため、高効率な光閉じ込め効果は保たれる。
図26に示すように、下層金属層1と上層金属パターン3の間の絶縁層2の内、一部を除去しても良い。これにより、更に熱時定数が小さく、高性能の電磁波検出器100が得られる。また、絶縁層2が空気層に代わるため、空気層の方が絶縁層より屈折率が低く、絶縁層2に比較して空気層中の光学的な波長が大きくなる。よって、空気層の厚さ、つまり絶縁層2の高さhの変化に対する共鳴波長の変化が少なくなる。このため、図26のような構成とすることで、更に高性能化が可能となる。
実施の形態4.
図27aおよび図27bは、本実施の形態4にかかる電磁波検出器100の断面図である。実施の形態1の電磁波検出器100と異なる点は、下層電極層1の一部を除去している点であり、他の構造は同じである。図27aは隣接する上層金属パターン3の間の下部に存在する下層金属層1を完全に除去しており、図27bは隣接する上層金属パターン3の間の下部に存在する下層金属層1を部分的に除去している。
ここで、図2に示す実施の形態1にかかる電磁波検出器100と、図27aおよび図27bに示す電磁波検出器100とを比べた場合、後者のほうが、下層電極層1を部分的に除去している分、熱容量は小さく押さえることができ、熱時定数が小さく、高性能な電磁波検出器が得られる。一方、表面プラズモン効果としては、上層金属パターン3下部の下層金属層1が存在していれば、本実施の形態で除去した下層電極層1の部分は電磁波閉じ込め効果に影響を与えないため、高効率な光閉じ込め効果は保たれる。
なお、実施の形態3、4の構造は、同時に実施することでさらに高い効果が得られる。また、例えば、図28に示すように、絶縁層2の一部を除去しても良い。上層金属パターン3、絶縁層2、下層金属層1の形状が安定して保てるように、一部分のみを残すように形状加工してよい。
実施の形態5.
図29は、本実施の形態5にかかる電磁波検出器100の断面図である。実施の形態1の電磁波検出器100と異なる点は、上層金属パターン3の代わりに、上層非金属パターン20を設置している点であり、他の構造は同じである。
上層金属パターン3は、表面プラズモン共鳴を生じやすい材料であれば良く、金属に限られない。このため、本実施の形態では、金属でない上層非金属パターン20を用いる。例えば、グラフェンは、非金属でありながら電気伝導度が極めて小さく、プラズモン共鳴を生じさせることができるため、グラフェンからなる上層非金属パターン20を用いるとで、高効率な光閉じ込め効果が保たれる。また、上層非金属パターン20は、グラフェンとほぼ同等の2次元性を有する二硫化モリブデン(MoS)などの遷移金属ダイカルコゲナイド(MX)であってもよい。ここで、遷移金属ダイカルコゲナイド(MX)は、遷移金属(M=Nb、Ta、Ti、Moなど)とカルコゲン(X=S、Se、Te)からなる。
また、グラフェンは原子1層で成り立っているため、金属薄膜を用いる構造よりも熱容量は小さく抑えることができ、熱時定数が小さく、高性能な電磁波検出器100が得られる。
実施の形態6.
図30は、本実施の形態6にかかる電磁波検出器100の斜視図である。実施の形態1の電磁波検出器100と異なる点は、上層金属パターン3の内、一部を他の金属材料に置き換えている点であり、他の構造は同一である。
上層金属パターン3の金属材料として、Niなどの変換損失の大きな金属を用いた場合、吸収率特性の半値幅が広がるなど波長選択性、つまり単色性が劣化する。この特性を利用し、さらに広帯域な光吸収を可能とすることができる。例えば、上層金属パターン3のうち、最も長波長側の表面プラズモン吸収を行う上層金属パターンA51を、材料のみ異なる上層金属パターンA72とし、最も短波長側の表面プラズモン吸収を行う上層金属パターンI59を、材料のみ異なる上層金属パターンI73に変更する。
図31に、このときの光吸収スペクトルを示す。材料を変更することにより、上層金属パターンA72による吸収スペクトル272、上層金属パターンI73による吸収スペクトル273は、図7に示す上層金属パターンA51による吸収スペクトル251、上層金属パターンI59による吸収スペクトル259よりも、幅広い波長域に吸収スペクトルを持ち、結果として、更なる広帯域波長の光吸収が可能となる。
実施の形態7.
図32は、本実施の形態7にかかる電磁波検出器100の断面図である。実施の形態1の電磁波検出器100と異なる点は、上層金属パターンの下の絶縁層2の膜厚が互いに異なるようにした点で、他の構造は同じである。一例として、図32では、上層金属パターン3の大きさおよび形状が同じであるが、絶縁層2膜厚が互いに異なる絶縁膜A60〜絶縁膜D63の4種類を配置しており、絶縁膜A60の膜厚が最も厚く、絶縁膜D63の膜厚が最も薄い。
図33は、絶縁層2の膜厚と吸収スペクトルの波長ピーク値の関係を模式的に示したグラフである。絶縁層2の膜厚dが薄いほど、吸収スペクトルの波長ピーク値は長波長側にシフトする。この関係性を利用し、広域吸収帯および非吸収波長帯を設定できる。
図34は、本実施の形態にかかる電磁波検出器100で得られる吸収スペクトルを示す。絶縁膜A60による吸収スペクトル260から、絶縁膜D63による吸収スペクトル263までは、それぞれ異なった波長ピークを示しており、吸収スペクトル260と吸収スペクトル261で第1広域吸収帯12、吸収スペクトル263と吸収スペクトル264で第2広域吸収帯13を形成する。第1広域吸収帯12と第2広域吸収帯13はそれぞれオーバーラップしないように設定する。これにより、非吸収波長帯5を有する電磁波検出器トータル吸収スペクトル4を得ることができる。つまり、上層金属パターン3の大きさ、または形状を変更した場合と同様の効果を有した電磁波検出器100を得ることができる。
絶縁膜2の膜厚の調整だけでも、広域吸収帯と非吸収波長帯を得ることができるが、上層金属パターン3の大きさや形状を調整する実施の形態1の手段と組み合わせることで、さらに広帯域の光吸収が可能となる。
次に、本実施の形態にかかる電磁波検出器100の製造方法について、図35a〜図35iを用いて説明する。
まず、はじめに、図35a〜図35cに示す工程において、実施例1の図20a〜図20cと同じ工程を用いて、信号検知構造9、下層金属層1、絶縁層2を形成する。
次に、図35d〜図35fに示すように、絶縁層2の表面が部分的に露出するように写真製版その他の保護膜(例えばフォトレジスト)を形成した後、露出部をエッチングで部分的に除去する。この工程を繰り返すことにいり、絶縁膜2を階段状にエッチングし、階段状に膜厚の異なる絶縁層2を形成する。エッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでも良い。また、エッチングストップ層を絶縁層2にあらかじめ形成していても良い。
次に、図35gに示すように、保護膜(例えばフォトレジスト)を除去した後に、上層金属層を堆積する。
次に、図35hに示すように、上部金属層をパターニングして、上層金属パターン3を形成する。
最後に、図35iに示すように、上層金属パターン3の下部を残して絶縁層2を除去する。以上の工程で、図32に示す、絶縁層2の膜厚が互いに異なる電磁波検出器が得られる。
なお、図35iに示した、絶縁層2の一部を除去する工程を省略して、上層金属パターン3の下部以外の絶縁層2を除去しなくても、表面プラズモン共鳴は正常に行われる。一方で、図35iに示す除去工程を行うことで、実施の形態3に示したように、熱時定数の低減が可能となる。
また、実施の形態2に示すように、欠陥領域を配置することで広域吸収帯と非吸収波長帯を形成してもよい。具体的には、絶縁層2がある膜厚を有する領域において、上層金属パターン3をずらしたり、除去したりする。
また、実施の形態6に示すように、一部の上層金属パターン3を別金属に変更することで、広域吸収帯と非吸収波長帯を形成してもよい。
実施の形態8.
図36は、本実施の形態8にかかる電磁波検出器100の断面図である。実施の形態1の電磁波検出器100と異なる点は、上層金属パターン3の膜厚を、それぞれ変化させている点であり、他の構造は同じである。
本実施の形態では、上層金属パターン3として、それぞれの膜厚が異なる金属膜A64〜金属膜D67を配置し、それぞれの金属膜厚hは、正方形で形成されている上層金属パターン3の一辺長Lの1/4よりも大きく設定されている。
実施の形態1で述べたように、金属膜厚hが、正方形で形成されている上層金属パターン3の一辺長Lの1/4よりも大きく設定されている場合、上層金属パターン3の一辺長Lに依存した、横方向の共振モードだけでなく、金属膜厚hに依存した、縦方向の共振モードが発生し、吸収ピークが複数発生する。本実施の形態では、この効果を利用して、広域吸収帯および非吸収波長帯を設定している。
図37は、図36に示す金属膜A64の吸収スペクトルである。金属膜A64の正方形一辺長をa1、膜厚をa2としたとき、寸法a1に依存した金属膜A64の横方向表面プラズモンによる吸収スペクトル264と、寸法a2に依存した金属膜A64の縦方向表面プラズモンによる吸収スペクトル364の、2つのピーク波長を有する光吸収が発生する。
図38は、互いに膜厚の異なる金属膜A64〜金属膜D67の4種類の金属膜を配置したときの吸収スペクトルである。4種類の上層金属パターン3から、4種類の横方向表面プラズモンによる吸収スペクトル264〜267と、4種類の縦方向表面プラズモンによる吸収スペクトル364〜367の、合計8種類の吸収スペクトルが得られる。
図38に示すように、4種類の横方向表面プラズモンによる吸収スペクトル264〜267で第1広域吸収帯12を形成し、他の4種類の縦方向表面プラズモンによる吸収スペクトル364〜367で第2広域吸収帯13を形成し、第1広域吸収帯12と第2広域吸収帯13はそれぞれオーバーラップしないように設定する。これにより、非吸収波長帯5を有する電磁波検出器トータル吸収スペクトル4を得ることができる。つまり、上層金属パターン3の大きさ、または形状を変更した場合と同様の効果を得ることができる。
上層金属パターン3の膜厚調整だけでも、広域吸収帯と非吸収波長帯を得ることができるが、上層金属パターン3の大きさや形状を調整する実施の形態1の手段と組み合わせることで、さらに広帯域の光吸収が可能となる。
なお、上層金属パターン3は全体が金属でなくてもよい。例えば、図39に示すように、上層金属パターンの一部が絶縁物で形成されていてもよい。これにより、製造コストの低減や、熱容量低減による熱時定数の低減が可能となる。
次に、本実施の形態にかかる電磁波検出器100の製造方法について、図40a〜図40iを用いて説明する。
まず、はじめに、図40a〜図40cに示す工程において、実施の形態1の図20a〜図20cと同じ工程を用いて、信号検知構造9、下層金属層1、絶縁層2を形成する。
次に、図40dに示すように、上層金属層を堆積する。
次に、図40eに示すように、フォトレジスト等のマスク層で上方金属層3の一部を覆い、スパッタ等で更に上方金属層を全面に堆積する。この後、マスク層を除去して、マスク層の上の上方金属層もリフトオフで除去する。
次に、図40fに示すように、より広い部分をマスク層で覆った後、スパッタ等で上方金属層を全面に堆積する。この後、マスク層を除去して、マスク層上の上方金属層もリフトオフで除去する。
同様に、図40gに示すように、より広い部分をマスク層で覆った後、スパッタ等で上方金属層を全面に堆積した後、マスク層を除去して、マスク層上の上方金属層もリフトオフで除去する。
次に、図40hのようにマスク層を形成した後、図40iのように上部金属層をパターニングして上部金属パターンを形成する。最後にマスク層を除去することにより、図36に示すような、互いの膜厚が異なる上部金属パターンが形成できる。これにより、本実施の形態8にかかる電磁波検出器100が完成する。
また、実施の形態2に示すように、欠陥領域を配置することで広域吸収帯と非吸収波長帯を形成してもよい。具体的には、上層金属パターン3がある膜厚を有する領域において、上層金属パターン3をずらしたり、除去したりする。
また、実施の形態6に示すように、一部の上層金属パターン3を別金属に変更することで、広域吸収帯と非吸収波長帯を形成してもよい。
実施の形態9.
図41は、全体が101で表される、本実施の形態9にかかる電磁波検出器アレイの斜視図である。実施の形態1〜8のいずれかで述べた1種類の電磁波検出器100を2次元状(マトリックス状)に配置することで、全面均一な非吸収波長帯5を有する電磁波検出器トータル吸収スペクトル4を有する2次元イメージセンサを得ることができる。
例えば、非吸収波長帯5が1種類であり、かつ明確な場合において、本実施の形態にかかる電磁波検出器アレイ101が有効である。火災時の人検知センサの場合を例に挙げると、都市ガスやガソリンなどが引火した際の炎は、波長4.4μm付近でピークを持つCO共鳴放射と呼ばれる特徴的な放射スペクトルを有する。このため、非吸収波長帯5を4.4μm近傍に設定しておけば、炎の有無に関係なく、人の存在を感知することができる。
実施の形態10.
図42は、全体が101で表される、本実施の形態10にかかる電磁波検出器アレイの斜視図である。実施の形態9で示した電磁波検出器アレイ101と異なる点は、電磁波検出器102〜電磁波検出器105の4種類を2次元アレイ状に配置している点である。
図43は、図41で示す電磁波検出器アレイ101の吸収スペクトルある。電磁波検出器102〜電磁波検出器105は、それぞれ異なった非吸収波長帯5を有する電磁波検出器トータル吸収スペクトル402〜405を有するように設計されているため、一度の撮像で、複数種の画像取得が可能となる。
検出したい非吸収波長帯5が複数種存在する場合、本実施の形態にかかる電磁波検出器アレイ101は有効に作用する。例えば、さまざまな波長分析を必要とする天体観測において、一度の撮像で多くの波長情報を得ることができる。
実施の形態1〜10で述べたように、本発明にかかる電磁波検出器では、上層金属パターン−絶縁層−下層金属層の3層構造により、表面プラズモンモードが上層金属パターンの近傍に局在するキャビティが形成される。また、このプラズモン共鳴波長は、上層金属パターンの形状や大きさにより決定されるため、波長選択的な電磁波吸収が行われる。
つまり、上層金属パターンの平面上の大きさは、表面プラズモン共鳴により検知する電磁波の波長と対応しており、複数の上層金属パターンでは、それらに対応する複数の異なった電磁波吸収スペクトルを有し、それら吸収スペクトルの合算により複数の広域吸収帯を形成する。複数の広域光吸収帯がそれぞれ競合しない波長領域をカバーすることで、1つもしくは複数の非吸収波長帯を形成している。
このような効果により、所望の波長を除き、その他の広域波長帯に関しては高効率に吸収することができる電磁波検出器を提供できる。本発明にかかる電磁波検出器を用いることにより、異なった形状または大きさで形成される複数種の上層金属パターンにおいて、目的波長の電磁波のみを吸収しない、つまり非吸収波長帯を持つ光検知が可能となる。
1 下層金属層、2 絶縁層、3 上層金属パターン、4 電磁波検出器トータル吸収スペクトル、5 非吸収波長帯、6 電磁波吸収スペクトルピーク、7 グラフェン層、8 電気信号取り出し部、9 信号検知構造、10 感熱層、11 パターン欠陥、12 第1広域吸収帯、13 第2広域吸収帯、14 第1吸収ユニット、15 第2吸収ユニット、16 第3吸収ユニット、17 第3広域吸収帯、18 第1非吸収波長帯
19 第2非吸収波長帯、20 上層非金属パターン、21 熱伝達体、22 感熱体
23 断熱支持脚、100 電磁波検出器。

Claims (10)

  1. 電磁波を電気信号に変換して検出する電磁波検出器であって、
    下層金属層と、該下層金属層の上に形成された絶縁層と、該絶縁層の上に上層金属層が周期的に配置された上層金属パターンと、を含む構造体と、
    該構造体の温度変化を電気信号に変換して検出する信号検知部と、を含み、
    該上層金属パターンの下方の該絶縁層は、特定波長の電磁波と表面プラズモン共鳴して該特定波長の電磁波を吸収するようにその膜厚が決定された少なくとも2種類の膜厚の絶縁層を含み、
    該下層金属層と該絶縁層と該上層金属パターンで吸収された2つの電磁波の吸収波長の間に、吸収されない電磁波の非吸収波長帯を有することを特徴とする電磁波検出器。
  2. 電磁波を電気信号に変換して検出する電磁波検出器であって、
    下層金属層と、該下層金属層の上に形成された絶縁層と、該絶縁層の上に上層金属層が周期的に配置された上層金属パターンと、を含む構造体と、
    該構造体の温度変化を電気信号に変換して検出する信号検知部と、を含み、
    該上層金属パターンは、特定波長の電磁波と表面プラズモン共鳴して該特定波長の電磁波を吸収するようにその膜厚が決定された少なくとも2種類の膜厚の該上層金属層を含み、
    該上層金属層と該絶縁層と該上層金属パターンで吸収された2つの電磁波の吸収波長の間に、吸収されない電磁波の非吸収波長帯を有することを特徴とする電磁波検出器。
  3. 上記上層金属パターンは、一定の周期で配置された上記上層金属層と、その間に、異なる周期で配置された該上層金属層とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波検出器。
  4. 上記上層金属パターンは、互いに異なる金属材料からなる上記上層金属層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波検出器。
  5. 上記上層金属パターンは、グラフェンまたは遷移金属カルコゲナイドからなることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波検出器。
  6. 上記上層金属パターンの下方の上記絶縁層の膜厚は、それ以外の該絶縁層の膜厚より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波検出器。
  7. 上記上層金属パターンと上記下層金属層の間に配置されている上記絶縁層の、少なくとも一部が除去されていることを特徴とする請求項6に記載の電磁波検出器。
  8. 上記上層金属パターンの下方の上記下層金属層の膜厚は、それ以外の該下層金属層の膜厚より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波検出器。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の電磁波検出器がマトリックス状に配置されたことを特徴とする電磁波検出器アレイ。
  10. 互いに異なる非吸収波長帯を有する少なくとも2つの電磁波検出器を含むことを特徴とする請求項9に記載の電磁波検出器アレイ。
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