JP2013231682A - 光学デバイス及び検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 局在表面プラズモンと伝搬表面プラズモンとの間の結合を利用せずに、十分に大きな増強電場が得られる光学デバイス及び検出装置等を提供すること。
【解決手段】 光学デバイス10は、基板12と、基板上に形成される金属層14と、金属層上に形成される誘電体層16と、誘電体層上に形成される複数の金属ナノ粒子18と
を有する。誘電体層の厚さをd、金属ナノ粒子の分極率をαとしたとき、d>α1/3/2を満足し、かつ、d>40nmを満足する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学デバイス及び検出装置等に関する。
医療診断や食物の検査等における需要がますます増大し、小型で高速なセンシング技術の開発が求められている。電気化学的な手法をはじめさまざまなタイプのセンサーが検討されているが、集積化が可能、低コスト、そして、測定環境を選ばないといった理由から、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)を応用したセンサーに対する関心が高まっている。例えば、全反射型プリズム表面に設けた金属薄膜に発生するSPRを用いて、抗原抗体反応における抗原の吸着の有無など、物質の吸着の有無を検出するものが知られている。
ここで、SPRを応用した高感度な表面プラズモン共鳴センサーを実現するには、近接電場の増強度ができるだけ大きいことが望まれている(非特許文献1)。
近年、高感度なセンシングを目的として、金属ナノ粒子や金属ナノ構造を用いたSPRセンサーが提案されている。例えば、特許文献1に提案されているSPRセンサーでは、金属ナノ粒子を2〜40nmの極薄い誘電体層を介して金属膜の上に周期的に配列させている(特許文献1の図1参照)。このセンサーへ光を照射すると、局在表面プラズモン(LSP:Localized Surface Plasmon)と伝搬表面プラズモン(PSP:Propagating Surface Plasmon)の間に結合が生じ、金属ナノ粒子の表面に現れる近接電場が大きく増強される。この増強された近接電場へ被検出分子が捕獲されると強いSERS表面増強ラマン散乱(SERS: Surface Enhanced Raman Scattering)信号が発生し、この信号を取得して分光解析することにより被検出分子を特定できる。
特表2007−538264号公報
J.Phys.Soc.Jpn.52,3853(1983)
しかし、特許文献1に開示されている金属ナノ構造においては、強い近接電場が現れる場所(ホットサイトと呼ぶ)の密度(単位面積あたりの数)が低いという課題があった。このために、センサーとしての感度が低く、SPRセンサーとして実用には至っていない。ホットサイトの密度を高めるには、金属ナノ粒子の配列周期を短くすればよい。しかし、間隔を狭くして金属ナノ粒子を並べると、局在表面プラズモンLSPと伝搬表面プラズモンPSPとの間の結合を利用できないため、十分に大きな増強電場が得られないというジレンマが生じる。
本発明のいくつかの態様は、局在表面プラズモンと伝搬表面プラズモンとの間の結合を利用せずに、十分に大きな増強電場が得られる光学デバイス及び検出装置等を提供することを目的とする。
本発明の他の幾つかの態様は、大きな増強電場と高いホットサイト密度を両立できる光学デバイス及び検出装置等を提供することを目的とする。
(1)基板と、
基板上に形成される金属層と、
前記金属層上に形成される誘電体層と、
前記誘電体層上に形成される複数の金属ナノ粒子と、
を有し、
前記誘電体層の厚さをd、前記金属ナノ粒子の分極率をαとしたとき、d>α1/3/2を満足し、かつ、d>40nmを満足する光学デバイスに関する。
本発明の一態様では、励起光の照射により金属ナノ粒子に分極が誘起され、金属層には逆方向の分極の双極子イメージ(虚像)が作用する(図3参照)。金属ナノ粒子の分極率αの三乗根α1/3の半値(α1/3/2)よりも誘電体層の厚さdを大きくすると、金属ナノ粒子に誘起される分極が大きくなり、金属ナノ粒子に加わる電場を増強できる。つまり、局在表面プラズモンと伝搬表面プラズモンとの間の結合を利用せずに、十分に大きな増強電場が得られる。d>α1/3/2を満足する誘電体層の厚さdは、特許文献1に開示された2〜40nmよりも厚くなり、従来構造と明確に区別できる。
(2)本発明の一態様では、d>100nmを満足することができる。つまり、特許文献1に開示された2〜40nmよりも厚く十分に厚くして、大きな増強電場が得られる。
(3)本発明の一態様では、励起波長をλとし、前記誘電体層の複素誘電率をε1とし、mを自然数としたとき、前記誘電体層の厚さdを、mλ/2√ε1と実用上等しくできる。
こうすると、図5(B)に示す電場のピークを与える誘電体層の厚さとすることができる。
(4)本発明の一態様では、前記複数の金属ナノ粒子のうち隣り合う金属ナノ粒子のピッチをPとし、ピッチ配列方向での前記金属ナノ粒子の長さを2rとし、励起波長をλとし、前記誘電体層の複素誘電率をε1とし、前記金属層の複素誘電率をε2としたとき、2r<P<λ(ε2+ε1/ε2)1/2を満足することができる。
金属ナノ粒子のピッチPの下限をピッチ配列方向での金属ナノ粒子の長さ2rよりも大きくしないと、粒子が互いにぶつかり合い配列させることができない。図2に示す分散曲線の領域Bでの波数Kbは領域Aでの波数Kaよりも大きい。波数は周期の逆数であるので、図2の領域Bを用いた本発明の一態様の金属ナノ粒子のピッチPは、図2の領域Aで一義的に求まる金属ナノ粒子のピッチPa=λ(ε2+ε1/ε2)1/2よりも短くすることができる。これにより、大きな増強電場と高いホットサイト密度を両立できる。
なお、金属ナノ粒子の長さを2rとは、平面視での代表的形状である円形であれば半径rとなる。ただし、金属粒子の平面視での形状は問わない。また、金属ナノ粒子の配列に周期性があればピッチPは周期となるが、周期性がなくてもよい。
(5)本発明の一態様では、係数cをc>1としたとき、2r<P<λ(ε2+ε1/ε2)1/2/cを満足することができる。
1より大きい係数cを選択すると、不等式中のピッチPの上限は小さくなり、金属ナノ粒子のピッチPを従来構造のピッチPaよりも十分に小さくして、ホットサイトの密度をより高めることができる。係数cは、例えば1.2〜15とすることもできる。ただし、係数cはc>1であればその上限の定義は不要である。なぜなら、係数cを過大とすると2r<Pが不成立となって、上述の項目(4)にて定義された不等式を満たさないことから、おのずと係数cには上限が内在している。
(6)本発明の一態様では、40nm<P<500nmを満足することができる。金属ナノ粒子のピッチPを短くすることを考慮すると、配列方向での金属ナノ粒子の長さを2rは、例えば30nm<2r<100nmとすることが好ましい。加えて、励起波長λが、500nm<λ<800nmであることを考慮すると、金属ナノ粒子のピッチPは上記数値範囲に収まる。なお、従来構造である図2の領域Aを用いた金属ナノ粒子のピッチPaは600nm程度である。項目(5)にて係数cを1.2〜15とすると、ほぼ40nm<P<500nmとなり、金属ナノ粒子のピッチPは従来構造よりも小さくなる。
(7)前記誘電体層は、互いに材質の異なる第1層誘電体層と第2層誘電体層を含むことができる。つまり、誘電体層は異なる材料を積層して形成してもよい。
(8)本発明の一態様では、前記金属層と接する前記第1層誘電体層は、10nm以下の厚さに形成することができる。
誘電体層を積層構造とする理由の一つは、単層で厚く形成すると、熱応力のために厚い誘電体層が剥離するからである。第1層誘電体層(を密着層または剥離防止層として機能させ、かつ、第2層誘電体層の厚さを低減して剥離を防止できる。
(9)本発明の他の態様は、
基板と、
基板上に形成される金属層と、
前記金属層上に形成される誘電体層と、
前記誘電体層上に形成される複数の金属ナノ粒子と、
を有し、
前記誘電体層の厚さをdとしたとき、d>100nmを満足し、かつ、
前記複数の金属ナノ粒子のうち隣り合う金属ナノ粒子のピッチをPとし、ピッチ配列方向での前記金属ナノ粒子の長さを2rとし、励起波長をλとし、前記誘電体層の複素誘電率をε1とし、前記金属層の複素誘電率をε2としたとき、2r<P<λ(ε2+ε1/ε2)1/2を満足する光学デバイスに関する。
本発明の他の態様では、誘電体層の厚さdは、特許文献1に開示された2〜40nmよりも十分に厚くなり、従来構造と明確に区別できる。しかも、誘電体層の厚さdを厚くすると、図3に示す双極子イメージの作用により、あるいは図4に示す多層干渉膜による反射と干渉により、増強電場を確保できる。加えて、図2の領域Bを用いた本発明の一態様の金属ナノ粒子のピッチPは、図2の領域Aで一義的に求まる金属ナノ粒子のピッチPa=λ(ε2+ε1/ε2)1/2よりも短くすることができる。これにより、大きな増強電場と高いホットサイト密度を両立できる。
(10)本発明のさらに他の態様では、
基板と、
基板上に形成される金属層と、
前記金属層上に形成される誘電体層と、
前記誘電体層上に形成される複数の金属ナノ粒子と、
を有し、
前記誘電体層の厚さをdとしたとき、d>100nmを満足し、かつ、前記複数の金属ナノ粒子のうち隣り合う金属ナノ粒子のピッチをPとしたとき、40nm<P<500nmである光学デバイスに関する。
本発明のさらに他の態様でも、誘電体層の厚さdは、特許文献1に開示された2〜40nmよりも十分に厚くなり、従来構造と明確に区別できる。しかも、誘電体層の厚さdを厚くすると、図3に示す双極子イメージの作用により、あるいは図4に示す多層干渉膜による反射と干渉により、増強電場を確保できる。加えて、金属ナノ粒子のピッチPを短くすることを考慮すると、配列方向での金属ナノ粒子の長さを2rは、例えば30nm<2r<100nmとすることが好ましい。加えて、励起波長λが、500nm<λ<800nmであることを考慮すると、金属ナノ粒子のピッチPは上記数値範囲に収まる。これにより、大きな増強電場と高いホットサイト密度を両立できる。
(11)本発明のさらに他の態様は、
光源と、
前記光源からの光が入射される、(1)乃至(10)のいずれかの光学デバイスと、
前記光学デバイスから出射された光を検出する光検出器と、
を有することを検出装置に関する。
この検出装置によれば、大きな増強電場及び/または高いホットサイト密度により検出感度を向上させることができる。
図1(A)は本発明の実施形態に係る光学デバイスの平面図であり、図1(B)は断面図である。 図1(A)(B)に示す光学デバイス構造の分散曲線を示す特性図である。 双極子イメージ(虚像)の作用による電場増強を説明するための図である。 多層膜干渉の作用による電場増強を説明するための図である。 図5(A)は光学デバイスの具体例を示し、図5(B)は図5(A)の構造で得られる増強電場のシミュレーション結果を示す図である。 図6(A)は図5(A)と同じ光学デバイスの具体例を示し、図6(B)はその構造により得られる電場強度Eを示している。 図7(A)は図6(A)とは異なる金属層を有する光学デバイスの具体例を示し、図7(B)はその構造により得られる電場強度Eを示している。 図8(A)は誘電体層を二層とした光学デバイスの具体例を示し、図8(B)はその構造により得られる電場強度Eを示している。 図9(A)〜図9(D)は図8(A)に示す光学デバイスの製造方法を示す図である。 図10(A)及び図10(B)は図9(C)に示すレジストパターン例を示す図である。 誘電体上に形成される金属ナノ粒子をアイランド状に形成した光学デバイスの断面図である。 図12(A)は本発明の実施形態である図11の構造により得られる信号増強度を示す図であり、図12(B)は従来構造で得られる信号増強度を示す図である。 本発明の実施形態に係る検出装置を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
1.光学デバイス
1.1.光学デバイスの構造
図1に、本実施形態の表面プラズモン共鳴センサーチップ(光学デバイス)10の構造を模式的に示す。図1(A)は断面図、図1(B)は平面図であり、どちらも構造の一部である。
センサーチップ10は、基板12上に金属層14を有し、金属層14上に厚さdの誘電体層16を有する。金属ナノ粒子18は、誘電体層16を介して金属層14の上に例えば周期Pで例えば二次元方向に配列されている。金属層14は励起光を透過しない程度に厚く設けてある。
このセンサーチップ10が従来技術と相違する特徴点として、第1に、誘電体層16の厚さdが、特許文献1に開示された従来の厚さである2〜40nmよりも十分に厚いことである。第2に、局在表面プラズモンLSPと伝搬表面プラズモンPSPの間の結合を利用せず、双極子イメージと多層膜の干渉の利用により増強電場を形成していることである。第3に金属ナノ粒子18の周期Pが、従来の金属ナノ粒子の周期(ピッチ)よりも十分に小さいことである。
ここで、第1〜第3特徴点は相互に関係を有する。つまり、第1特徴点または第2特徴点の構造が要因となって第3特徴点を結果として生みだし、逆に第3特徴点が要因となって、第2特徴点の原理によって第3特徴点の構造を結果として生み出す、相互の関係を有する。このことから、本発明は多面的に定義することができる。
1.2.金属ナノ粒子の配列方向の周期
先ず、第3特徴点について述べる。金属ナノ粒子18の配列方向(一次元方向または二次元方向)の周期(ピッチ)Pについて説明する。なお、金属ナノ粒子18の配列方向の周期(ピッチ)Pは一定である必要はなく、非周期性を呈していてもよい。後述する図11のアイランド形状の金属ナノ粒子31のように不定周期またはランダム配列である場合には、隣り合う金属ナノ粒子の最大ピッチPとして下記の要件を満たしていればよい。
図2は図1(A)(B)に示す光学デバイス構造の分散曲線であり、縦軸は角周波数ω、横軸は波数kである。図2に示すように、金属ナノ粒子18に励起される局在表面プラズモンLSPの分散曲線と、金属層14と誘電体層16との界面に励起される伝播表面プラズモンPSPの分散曲線がある。
従来はLSPの分散曲線とPSPの分散曲線が交差するAの領域に注目していた。LSPとPSPとの間に生じる結合を利用して、金属ナノ粒子表面の近接電場を増強していた。その場合、従来構造の周期Paの金属ナノ粒子が与える波数2π/Paと、PSPの分散曲線との交点が共鳴波長(縦軸、角周波数ω0)であり、これはセンサーチップへの入射光の励起波長λと等しい。
つまり、角周波数ω(波長λ)の光をセンサーチップ構造へ照射したときに励起される伝播表面プラズモンPSPの波数(エバネッセント波の波数)Kaは、Ka=2π/Paaとなる。使用される励起波長λとの関係で周期Paを求めると、励起波長λが633nmのとき、周期Paは600nmにもなる。
平面視でのサイズが例えば直径100nmの金属ナノ粒子であると、ホットサイトは金属ナノ粒子の近傍に生ずるので、周期Paが600nmではホットサイトの密度は疎となる。また、励起光のビーム径は数μm程度であるので、ビーム径内に位置するホットサイトは周期Paの数周期分と少ない。このように、従来構造にてLSPとPSPとの間に生じる結合を利用して、金属ナノ粒子表面の近接電場を増強しようとすると、金属ナノ粒子の周期Paが長くなるため、ホットサイトの密度を高めることができなかった。
そこで本実施形態では、図2の領域Aでなく領域Bに着目した。領域Bでの波数Kbは領域Aでの波数Kaよりも大きい。波数は周期の逆数であるので、領域Bを用いた本実施形態の金属ナノ粒子18の配列周期Pb(P)を短くすることができる。
ここで、配列方向での金属ナノ粒子18の長さを2rとする。金属ナノ粒子18が平面視で円形であれば、rは半径に相当する。ただし、金属ナノ粒子18の平面視での形状は問わず、後述のように楕円などであってもよい。また、λを励起波長、ε1を誘電体層16の複素誘電率、ε2を金属層14の複素誘電率とすると、P(Pb)<Paを満たすことから、本実施形態の金属ナノ粒子18の周期Pの上限として、P<Pa=λ(ε2+ε1/ε2)1/2が成立する。
本実施形態での金属ナノ粒子13の周期Pの下限は、配列方向で隣り合う2つの金属ナノ粒子18が接触しない長さとなる。よって、周期Pの下限としては、P>2rとなる。以上のことから、本実施形態の金属ナノ粒子18の周期Pとして、
2r<P<λ(ε2+ε1/ε2)1/2…(1)
が成立する。
また、本実施形態の金属ナノ粒子18の周期Pを従来構造の周期Paよりも十分に小さくして、ホットサイトの密度を高めるには、係数cがc>1として、
2r<P<λ(ε2+ε1/ε2)1/2/c…(2)
を満たすものとすることができる。なお、係数cの上限の定義は不要であり、なぜなら、cを過大とすると2r<Pが不成立となって式(2)を満たさないことから、おのずと係数cには上限が内在しているからである。
また、周期Pを短くすることを考慮すると、配列方向での金属ナノ粒子18の長さを2rは、例えば30nm<2r<100nmとすることが好ましい。加えて、励起波長λが、500nm<λ<800nmであることを考慮すると、
40nm<P<500nm…(3)
とすることができる。この数値範囲は、従来構造の周期Pa=λ(ε2+ε1/ε2)1/2/c=600nm程度のとき、式(2)の係数cを1.2〜15とした範囲とほぼ同じとなる。
1.3.誘電体層の厚さ
誘電体層16の厚さdは、特許文献1に開示された従来の厚さである2〜40nmよりも厚いことを条件とする。よって、
d>40nm、さらに好ましくはd>100nm…(4)
とすることができる。
なお、上述の通り、誘電体層16の厚さ(第1特徴点)は、第2特徴点と相関があり、誘電体層16の厚さdについては、式(4)のように絶対値で定義されることの他、LSPとPSPとの結合によらずに大きな増強電場を発生させること(第2特徴点)から定性的に求めることもできる。以下、その点について説明する。
1.4.LSPとPSPとの結合に頼らない増強電場の形成原理
本実施形態では、図2のB領域を利用することから、上述の通り金属ナノ粒子18の周期Pを小さくしており(第3特徴点)、その因果関係からLSPとPSPとの間に生じる結合を利用せず、LSPだけで大きな増強電場を発生させる必要がある(第2特徴点)。そのためには、金属ナノ粒子18に作用する電場を強くして、金属ナノ粒子18に大きな分極を発現させることが必要となる。本実施形態では、電場増強の起源として(1)双極子イメージ及び(2)多層膜干渉を利用している。この利用原理(1)(2)との因果関係から、以下に説明する通り、誘電体層16の厚さdは従来技術よりも厚くなる(第2特徴点)。
1.4.1.双極性イメージ
図3に示すように、励起光の照射により金属ナノ粒子18に誘起される分極をp1とすると、金属層14に現れる逆方向の分極p2の双極子イメージ(虚像)の作用により、金属ナノ粒子18に加わる電場E1は、誘電体層の厚さをd、誘電体層16の複素誘電率をε1は、金属層14の複素誘電率をε2とすると、
E1=βp1/(2d)…(5)
となる。ただし、双極子イメージの大きさを与える係数β=(ε2―ε1)/(ε2+ε1)である。
したがって、分極p1は、金属ナノ粒子18の分極率をαとし、励起光の電場をE2とすると、
p1=[α/(1−αβ/(2d))]・E2…(6)
となる。
式(6)からわかるように、係数1/(1−αβ/(2d)))の大小により、分極p1は増大あるいは減少する。一般的な誘電体や金属を用いる限り、ε1は正でε2は負であるから、β>1である。したがって、上記の係数である1/(1−αβ/(2d)))が正の大きな値をもつためには、α/(2d))<1であることから、
d>α1/3/2…(7)
が成立する。
双極子イメージの作用により金属ナノ粒子18に誘起される分極p1を大きくすること、つまり、金属ナノ粒子18に作用する電場E1を増強するには、誘電体層16の厚さdは、金属ナノ粒子18の分極率αの三乗根α1/3の半値α1/3/2よりも大きいことを意味する。
さらに、上記係数1/(1−αβ/(2d)))が正の大きな値をもつためには、誘電体層16の複素誘電率ε1と金属層14の複素誘電率ε2とは、Re[ ]が複素数の実部を表し、Im[ ]が複素数の虚部を表すものとすると、
Re[ε2]≧−ε1、Im[ε2]≒0…(8)
が成立することが望ましい。
式(8)を満足する金属ナノ粒子18の素材には、例えばAgとAuがある。AgとAuの分極率αはおよそ6×10(nm)であり、この値を式(7)に代入すると、d>200nmとなり、いずれも従来技術の誘電体層の厚さ40nmよりも厚くすることが必要となる。
つまり、LSPとPSPとの結合に頼らない構造として金属ナノ粒子18の周期Pを小さくしながら(第3特徴点)、双極性イメージを利用して金属ナノ粒子18に作用する電場を大きくし(第2特徴点)、そのために誘電体層16の厚さを従来よりも厚くする必要がある(第1特徴点)。換言すれば、誘電体層16の厚さを従来よりも厚くしたから(第1特徴点)、LSPとPSPとの結合に頼らずに双極性イメージを利用して金属ナノ粒子18に作用する電場を大きくすることができ(第2特徴点)、それにより金属ナノ粒子18の周期Pを小さくできた(第3特徴点)。
1.4.2.多層膜干渉
図1(A(B)に示す金属ナノ粒子18が密に並んだ層は、図4に示すように実効的には薄い金属層18Aとして作用し、誘電体層16を挟んで対向する厚い金属層14とで一対のミラーを形成して、一種の共振構造をつくる。この共振構造14,16,18Aに入射した光は、上下の金属層14,18Aの間で反射を繰り返し、多数の反射波の間で干渉が起こる。
そのため、金属層18Aの反射率と誘電体層16の厚さにより、金属ナノ粒子18に作用する電場の強さが左右される。励起波長λに対して反射率が高い金属素材を金属ナノ粒子18に用いると、金属ナノ粒子18に作用する電場の強さは、誘電体層16の厚さdに対して周期的に強弱を繰り返す(後述の図5(B)参照)。電場のピークを与える誘電体層16の厚さdは近似的に以下の条件で決まる。
d≒mλ/2√ε1 …(9)
つまり、誘電体層16の厚さdはmλ/2√ε1と実質的に等しくすると、図5(B)に示す電場のピークを生じさせることができる。ただし、mは自然数、λは励起波長である。
式(9)の条件に近い複素誘電率ε2を有する金属ナノ粒子18の素材には、例えばAgとAuがある
例えば、励起波長を633nmとしたときに、Agの誘電率はε2=−16.1+j1.1、Auの誘電率はε2=−9.4+j1.1である。
誘電体層16をSiO(ε1=2.1+j0)とすると、双極子イメージの大きさを与える係数βは、Agではβ=1.2となり、Auではβ=1.6となる。したがって、金属ナノ粒子18にAgとAuのどちらを用いても、金属ナノ粒子18には大きな分極p1、すなわち、大きな近接電場が現れることが期待できる。と同時に、AgとAuは可視域の波長で高い反射率を有するため、誘電体層16の材料であるSiOの厚さを式(9)で与えれば、金属ナノ粒子18の位置に大きな電場をつくることができる。
1.5.誘電体層の厚さまたは金属層の材質と増強電場の強さとの相関
図5(A)に、図1(a)(b)のセンサーチップ構造の具体例を示す。この構造では、円柱形状を有するAgナノ粒子18が縦横にP=140nmの周期Pで並んでいる。このAgナノ粒子18の直径(2r)は40−110nm、高さは20nmである。
図5(B)に、時間領域差分(FDTD:Finite Difference Time Domain method)法で求めた近接電場の強さEを示す。なお、近接電場の強さEに注目した理由は以下のとおりである。
SPRを応用した高感度な表面プラズモン共鳴センサーを実現するには、近接電場の増強度ができるだけ大きいことが望ましい。非特許文献1に記述されているように、増強度γは、
γ=(励起波長における増強度)×(ラマン散乱波長における増強度)…(10)
と定義することができる。
この式(10)からわかるように、ラマン散乱における増強度を高めるには、励起過程における増強度と散乱過程における増強度の両方を、同時に高める必要がある。したがって、センサーチップが励起波長および散乱波長の近傍に強い共鳴ピークをもてば、両過程の相乗効果により増強効果は飛躍的に高まることになる。すなわち、Eが増強度の目安となる。
図5(B)からわかるように、粒子表面での電場強度が最大となるAgナノ粒子の粒子径が存在する。
誘電体層16の厚さに対しては、図5(B)に示すように、電場強度はほぼ周期的に離散的なピークを有する。そのうち最大ピークは、特許文献1にて注目されていたように誘電体層の厚さが40nm以下で生ずる第一のピークではなく、それよりも厚い誘電体層で生ずる第二のピークであることが明らかである。
この実施例では、第二ピークの強度(E)は第一ピークの強度(E)のおよそ2倍である。Agナノ粒子18の大きさにより電場強度が左右される理由は、粒子サイズがLSPの共鳴波長域を決めるからである。他方、誘電体層16の厚さに対して電場強度が周期的に変化する理由は、図4に示す上下ふたつの界面での反射と干渉により、金属ナノ粒子18の位置における外部電場の強さが左右されるからである。
以上のことから、誘電体層16を従来よりも厚くすることで(第1特徴点)、その効果として、LSPとPSPとの結合に頼らずに金属ナノ粒子18に作用する電場を増強することができる(第2特徴点)。その第2特徴点により金属ナノ粒子18の周期Pを大きくしなければならないという制約が解除され、金属ナノ粒子18の周期Pを小さくすることができ(第3特徴点)、その効果としてホットサイトの密度を高めることができる。
図6(A)(B)及び図7(A)(B)には、金属層14の素材が異なる構造と、それにより得られる電場強度とを示した。図6(A)は、図5(A)と同じく金属層14にAuを用いた構造を示し、図6(B)に得られる増強電場が示されている(図5(B)の結果と同じ)。図7(A)は金属層14にAgを用いた構造を示し、図7(B)に得られる増強電場が示されている。図6(B)及び図7(B)にて第二ピークに注目すると、金属層14はAuよりもAgのほうが、電場の増強度Eは、およそ1.2倍大きいことがわかる。
1.6.複数種の誘電体層の積層
図7は、誘電体層を第1層誘電体層16Aと第2層誘電体層16Bの積層とした構造を示す。最表層の第2層誘電体層16Bを例えばSiOで形成し、金属層(Au)14と第2層誘電体層16Bとの間に、第1層誘電体層16Bとは材質の異なる第1層誘電体層16Aを形成した。第1層誘電体層16Aは材質が例えばAlでごく薄く(≦5nm)設けた。第1層誘電体層16AのAl層が5nmの場合でも、図8(B)にて示す電場ピークを与える第2層誘電体層(SiO)16Bの厚さは、第1層誘電体層(Al)16Aを設けない場合と比べて、10nmくらい薄くなる。なお、第1,第2層誘電体層16A,16Bのトータル厚さが、上述した誘電体層16の厚さdの要件を満足していればよい。
第1層誘電体層(Al)16Aを設ける理由は、スパッタ等でSiO層を形成するときに、熱応力のために厚いSiO2層が剥離するのを防止するためである。つまり、第1層誘電体層(Al)16Aを密着層または剥離防止層として機能させる。
2.製造方法
2.1.周期性のある金属ナノ粒子を有する光学デバイスの製造方法
図9(A)〜図9(D)に、図8(A)に示すセンサーチップの製作工程を示す。まず、蒸着やスパッタの真空製膜法で、図9(A)に示すように、石英ガラス基板12の上に金属層14(例えば、AgやAu)を150nm程度つける。金属層14の厚さは励起光である可視光は透過しない厚さであり、図4にて説明したミラー層の機能を担保する。
次に、図9(B)に示すように、スパッタで金属層14の表面へ熱伝導特性に優れた剥離防止層(例えば、Al2O3)16Aを5nm程度形成する。続いて、図9(C)に示すように、剥離防止層16Aの表面へスパッタで厚さ230nmのSiO層16Bを形成する。さらに、平らな表面へインプリント他の方法でレジストパターン20を形成する。ここで、レジストパターン20として、図10(A)にはドットパターンの例を、図10(B)には楕円パターンの例を示した。
最後に、図9(D)に示すように、レジストパターン20の上からAg20を真空蒸着し、その後でレジストパターン20を除去すればAgナノ粒子20の二次元周期配列が形成される。
2.2.金属ナノアイランドを有する光学デバイスの製造方法
図9(C)(D)工程に代えて、図11に示すように、真空蒸着によりAgアイランド30をSiO層16Bの表面に形成し、Agナノ粒子18の粒径とピッチが一定でないランダム配列としてもよい。
図11の例では、Agアイランド30中のAgナノ粒子31の大きさはおよそ40−80nm程度、SiO層16Bの厚さは230nm、Al層16Aの厚さは5nmである。
図11の構造で取得したラマンスペクトルを図12(A)に示す。図12(A)に示すカウント値に相当する信号増強度として1.3×10を得ている。比較のために、図12(B)には、SiO層16Bの厚さが従来技術である30nmのときのラマンスペクトルを示す。図12(B)のカウント値に相当する信号増強度は8.0×10である。図12(A)の条件での増強電場は第二ピ−クに、図12(B)の条件での増強電場は第一ピークに相当し、図12(A)の信号増強度は従来技術である図12(B)の信号増強度よりも1.6倍大きい。この値は、図5(B)に示した計算機シミュレーションの傾向とも一致する。
3.検出装置
次に、検出装置の全体構成について説明する。図13は、本実施形態の検出装置の具体的な構成例を示す。図13に示される検出装置100は、吸引口101A及び除塵フィルター101Bを有する試料供給流路101、排出口102Aを有する試料排出流路102、図1(A)(B)、図8、図11に示す構造を有する光学デバイス(センサーチップ)103等を備えた光学デバイスユニット110を有する。光学デバイス103には、光が入射される。検出装置100の筐体120は、ヒンジ部121により開閉可能なセンサーカバー122備える。光学デバイスユニット110は、センサーカバー122内にて、筐体120に対して着脱自在に配置される。光学デバイスユニット110が装着/非装着状態は、センサー検出器123により検出できる。
試料供給流路101及び試料排出流路102は、迂回して形成されることで、外光が入射し難い構造となっている。
なお、流体試料を吸引及び排出する経路形状については、外部からの光がセンサーに入らないように、かつ、流体試料に対する流体抵抗が小さくなるように、夫々考慮されたものなっている。外光が光学デバイス103に入らないようにすることで、ラマン散乱光以外の雑音となる光が入らず、信号のS/N比が向上する。流路形状と共に、流路を形成する材料も、光を反射し難いような材料、色、表面形状を選択することが必要となる。また、流体試料に対する流体抵抗が小さくなるようにすることで、この装置の近傍の流体試料を多く収集でき、高感度な検出が可能になる。流路の形状は、できるだけ角部をなくし滑らかな形状にすることで、角部での滞留がなくなる。また、流体排出流路102に設けられる負圧発生部103としては、流路抵抗に応じた静圧、風量のファンやポンプを選択することも必要である。
筐体120内には、光源130、光学系131と、光検出部132と、信号処理・制御部133と、電力供給部134とが設けられている。
図13において、光源130は例えばレーザーであり、小型化の観点から好ましくは垂直共振型面発光レーザーを用いることができるが、これに限定ざれない。
光源130からの光は、光学系131を構成するコリメーターレンズ131Aにより平行光にされる。コリメーターレンズ131Aの下流に偏光制御素子を設け、直線偏光に変換しても良い。ただし、光源130として例えば面発光レーザーを採用し、直線偏光を有する光を発光可能であれば、偏光制御素子を省略することができる。
コリメーターレンズ131Aにより平行光された光は、ハーフミラー(ダイクロイックミラー)131Bにより光学デバイス103の方向に導かれ、対物レンズ131Cで集光され、光学デバイス103に入射する。光学デバイス103からのレイリー散乱光及びラマン散乱光は、対物レンズ131Cを通過し、ハーフミラー131Bによって光検出部100の方向に導かれる。
光学デバイス103からのレイリー散乱光及びラマン散乱光は、集光レンズ131Dで集光されて、光検出部132に入力される。光検出部132では先ず、光フィルター132Aに到達する。光フィルター32A(例えばノッチフィルター)によりラマン散乱光が取り出される。このラマン散乱光は、さらに分光器132Bを介して受光素子132Cにて受光される。分光器132Bは、例えばファブリペロー共振を利用したエタロン等で形成されて通過波長帯域を可変とすることができる。分光器132Bを通過する光の波長は、信号処理・制御回路133により制御(選択)することができる。受光素子132Cによって、標的分子1に特有のラマンスペクトルが得られ、得られたラマンスペクトルと予め保持するデータと照合することで、標的分子1を特定することができる。
電力供給部134は、電源接続部135からの電力を、光源130、光検出部132、信号処理・制御部133及びファン104等に供給する。電力供給部134は、例えば2次電池で構成することができ、1次電池、ACアダプター等で構成してもよい。通信接続部136は信号処理・制御部133と接続され、信号処理・制御部133に対してデータや制御信号等を媒介する。
図13の例では、信号処理・制御部133は、図13に示される光源130以外の光検出部132、ファン104等への命令を送ることができる。さらに、信号処理・制御部1330は、ラマンスペクトルによる分光分析を実行することができ、信号処理・制御部133は、標的分子1を特定することができる。なお、信号処理・制御部133は、ラマン散乱光による検出結果、ラマンスペクトルによる分光分析結果等を例えば通信接続部136に接続される外部機器(図示せず)に送信することができる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また光学デバイス、検出装置等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 光学デバイス(センサーチップ)、12 基板、14 金属層、16 誘電体層、16A 第1層誘電体層、16B 第2層誘電体層、18,31 金属ナノ粒子、20 レジストパターン、30 金属アイランド、100 検出装置、130 光源、132 光検出器、d 誘電体層の厚さ、P 金属ナノ粒子のピッチ(周期)

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成される金属層と、
    前記金属層上に形成される誘電体層と、
    前記誘電体層上に形成される複数の金属ナノ粒子と、
    を有し、
    前記誘電体層の厚さをd、前記金属ナノ粒子の分極率をαとしたとき、d>α1/3/2を満足し、かつ、d>40nmを満足することを特徴とする光学デバイス。
  2. 請求項1において、
    d>100nmを満足することを特徴とする光学デバイス。
  3. 請求項1または2において、
    励起波長をλとし、前記誘電体層の複素誘電率をε1とし、mを自然数としたとき、前記誘電体層の厚さdは、mλ/2√ε1と実用上等しいことを特徴とする光学デバイス。
  4. 請求項3において、
    前記複数の金属ナノ粒子のうち隣り合う金属ナノ粒子のピッチをPとし、ピッチ配列方向での前記金属ナノ粒子の長さを2rとし、前記励起波長をλとし、前記誘電体層の複素誘電率をε1とし、前記金属層の複素誘電率をε2としたとき、2r<P<λ(ε2+ε1/ε2)1/2を満足することを特徴とする光学デバイス。
  5. 請求項4において、
    係数cをc>1としたとき、2r<P<λ(ε2+ε1/ε2)1/2/cを満足することを特徴とする光学デバイス。
  6. 請求項4または5において、
    40nm<P<500nmを満足することを特徴とする光学デバイス。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項において、
    前記誘電体層は、互いに材質の異なる第1層誘電体層と第2層誘電体層を含むことを特徴とする光学デバイス。
  8. 請求項7において、
    前記金属層と接する前記第1層誘電体層は、10nm以下の厚さに形成されることを特徴とする光学デバイス。
  9. 基板と、
    前記基板上に形成される金属層と、
    前記金属層上に形成される誘電体層と、
    前記誘電体層上に形成される複数の金属ナノ粒子と、
    を有し、
    前記誘電体層の厚さをdとしたとき、d>100nmを満足し、かつ、
    前記複数の金属ナノ粒子のうち隣り合う金属ナノ粒子のピッチをPとし、ピッチ配列方向での前記金属ナノ粒子の長さを2rとし、励起波長をλとし、前記誘電体層の複素誘電率をε1とし、前記金属層の複素誘電率をε2としたとき、2r<P<λ(ε2+ε1/ε2)1/2を満足することを特徴とする光学デバイス。
  10. 基板と、
    前記基板上に形成される金属層と、
    前記金属層上に形成される誘電体層と、
    前記誘電体層上に形成される複数の金属ナノ粒子と、
    を有し、
    前記誘電体層の厚さをdとしたとき、d>100nmを満足し、かつ、
    前記複数の金属ナノ粒子のうち隣り合う金属ナノ粒子のピッチをPとしたとき、40nm<P<500nmであることを特徴とする光学デバイス。
  11. 光源と、
    前記光源からの光が入射される、請求項1乃至10のいずれか1項記載の光学デバイスと、
    前記光学デバイスから出射された光を検出する光検出器と、
    を有することを特徴とする検出装置。
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