JP2014215291A - 標的物質捕捉装置及び標的物質検出装置 - Google Patents

標的物質捕捉装置及び標的物質検出装置 Download PDF

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Kunihiko Sasao
邦彦 笹尾
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寿明 小口
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Abstract

【課題】標的物質の測定精度の低下を抑制すること。
【解決手段】標的物質を捕捉する金属膜被覆構造体を載置して支持する支持部材と、前記支持部材との間に前記金属膜被覆構造体を挟み込み、かつ前記金属膜被覆構造体の前記標的物質を捕捉する部分と重なる複数の開口部を有する保持部材と、透光性を有し、前記保持部材の前記開口部を覆う被覆部材と、前記支持部材に設けられ、前記金属膜被覆構造体が前記保持部材と前記支持部材とに挟み込まれた状態で、1つの前記開口部に対して2つがそれぞれの前記開口部に対して開口する孔と、を含む。
【選択図】図33

Description

本発明は、標的物質を検出する標的物質捕捉装置及びこれを備えた標的物質検出装置に関する。
タンパク質、細胞等の標的物質を検出したり濃度を測定したりする手段として、フォトニック結晶を用いたバイオセンサーが知られている(例えば、非特許文献1)。非特許文献1に記載されているバイオセンサーは、金薄膜を形成したフォトニック結晶基板に光を照射し、フォトニック結晶基板で反射された反射光の波長のピークの変化を測定することにより、標的物質の検出又は標的物質の濃度の計測等を行っている。
「Investigation of Plasmon resonances in metal films with nanohole arrays for biosensing applications」:Takumi Sannomiya, Olivier Scholder, Konstantins Jefimovs, Christian Hafner, and Andreas B. Dahlin, Received 10th December 2010, Revised 1th February 2011
フォトニック結晶は微細構造を持つため、同一の製造プロセスであっても精密に形状を制御することが難しい。このため、センサ毎にばらつきが存在し、標的物質の測定精度が低下する可能性がある。
本発明は、標的物質の測定精度の低下を抑制することを目的とする。
本発明は、標的物質を捕捉する金属膜被覆構造体を載置して支持する支持部材と、前記支持部材との間に前記金属膜被覆構造体を挟み込み、かつ前記金属膜被覆構造体の前記標的物質を捕捉する部分と重なる複数の開口部を有する保持部材と、透光性を有し、前記保持部材の前記開口部を覆う被覆部材と、前記支持部材に設けられ、前記金属膜被覆構造体が前記保持部材と前記支持部材とに挟み込まれた状態で、1つの前記開口部に対して2つがそれぞれの前記開口部に対して開口する孔と、を含む、標的物質捕捉装置である。この標的物質捕捉装置は、支持部材が有するそれぞれの開口部に液体を導入することができるので、検査と同時に金属膜被覆構造体を校正することができる。その結果、この標的物質捕捉装置は、高精度な測定を実現できる。
1つの前記開口部には、前記孔として、前記標的物質を含む液体を前記開口部に供給する供給孔と、前記開口部から前記液体を排出する排出孔とが設けられることが好ましい。このようにすれば、それぞれの開口部に液体を供給し、それぞれの開口部から液体を排出させることができる。
前記保持部材は、前記金属膜被覆構造体と接する部分が少なくともシリコーンで形成されることが好ましく、ポリジメチルシロキサンで形成されることがより好ましい。このようにすれば、保持部材から金属膜被覆構造体を容易に取り外すことができる。
前記支持部材は、フッ素樹脂で形成されることが好ましい。このようにすれば、支持部材から金属膜被覆構造体を容易に取り外すことができる。
本発明は、前述した標的物質捕捉装置と、それぞれの前記開口部に対して設けられて、それぞれの前記開口部から前記標的物質を捕捉する部分に平行光を照射し、前記標的物質を捕捉する部分で反射された前記平行光の反射光を検出する光検出部と、前記光検出部が検出した前記反射光の極値の波長を求め、かつ求めた前記極値の波長のシフトに基づいて、少なくとも前記標的物質の有無を検出する処理部と、を含む、標的物質検出装置である。この標的物質検出装置は、前述した標的物質捕捉装置を備えるので、標的物質の検出精度の低下を抑制できる。
前記孔を介して前記空間に前記液体を供給し、前記孔を介して前記空間から前記液体を排出する液体送り装置を有することが好ましい。このようにすれば、保持部材が有するそれぞれの開口部へ液体を容易に供給でき、それぞれの開口部から液体を容易に排出することができる。
本発明は、標的物質の測定精度の低下を抑制することができる。
図1は、実施形態1に係る標的物質捕捉装置を備えた標的物質検出装置を示す図である。 図2は、実施形態1に係るフォトニック結晶バイオセンサーの側面図である。 図3は、実施形態1に係るフォトニック結晶バイオセンサーの斜視図である。 図4は、実施形態1に係るフォトニック結晶バイオセンサーの平面図である。 図5は、金属膜被覆フォトニック結晶の斜視図である。 図6は、金属膜被覆フォトニック結晶の平面図である。 図7は、フォトニック結晶の表面と直交する平面でフォトニック結晶を切ったときの断面を示す図である。 図8は、凹部の壁面の部分拡大図である。 図9は、フォトニック結晶の作製方法を説明する図である。 図10は、フォトニック結晶の作製方法を説明する図である。 図11は、フォトニック結晶の作製方法を説明する図である。 図12は、フォトニック結晶バイオセンサーの原理を説明する図である。 図13は、フォトニック結晶バイオセンサーの原理を説明する図である。 図14は、フォトニック結晶バイオセンサーの原理を説明する図である。 図15は、フォトニック結晶バイオセンサーの原理を説明する図である。 図16は、反射光の極値の強度と波長との関係を示す図である。 図17は、反射光の強度の極値における波長シフト量とフォトニック結晶の反射面にビオチンを用いて固定したアビジンの濃度との関係を示す図である。 図18は、図1に示す光検出部が有する測定プローブの構造を示す図である。 図19は、光検出装置が備える分光器のピクセルを示す図である。 図20は、光検出装置が備える分光器のピクセルを示す図である。 図21は、図19に示す分光器が検出した反射光のスペクトルの一例を示す図である。 図22は、図20に示す分光器が検出した反射光のスペクトルの一例を示す図である。 図23は、分光器が備える光検出素子を冷却しないときにおける反射光のスペクトルの一例を示す図である。 図24は、分光器が備える光検出素子を冷却したときにおける反射光のスペクトルの一例を示す図である。 図25は、液体取扱部の変形例を示す図である。 図26は、液体取扱部の変形例を示す図である。 図27は、フォトニック結晶バイオセンサーの第1変形例を示す図である。 図28は、フォトニック結晶バイオセンサーの第1変形例を示す図である。 図29は、フォトニック結晶バイオセンサーの第1変形例を示す図である。 図30は、フォトニック結晶バイオセンサーの第2変形例を示す図である。 図31は、フォトニック結晶バイオセンサーの第2変形例を示す図である。 図32は、実施形態2に係るフォトニック結晶バイオセンサーを示す図である。 図33は、実施形態2に係るフォトニック結晶バイオセンサーを示す図である。 図34は、実施形態2に係る光検出ユニットを示す斜視図である。 図35は、実施形態2に係る光検出ユニットの分解図である。 図36は、実施形態2に係る光検出ユニットの分解図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[実施形態1]
<標的物質検出装置>
図1は、実施形態1に係る標的物質捕捉装置を備えた標的物質検出装置を示す図である。標的物質検出装置10は、標的物質捕捉装置としてのフォトニック結晶バイオセンサー11と、光検出部12と、処理部13と、液体取扱部14と、を含む。まず、フォトニック結晶バイオセンサー11について説明する。
[フォトニック結晶バイオセンサー]
図2は、実施形態1に係るフォトニック結晶バイオセンサーの側面図である。図3は、実施形態1に係るフォトニック結晶バイオセンサーの斜視図である。図4は、実施形態1に係るフォトニック結晶バイオセンサーの平面図である。フォトニック結晶バイオセンサー11は、保持装置11Hと、金属膜被覆構造体としての金属膜被覆フォトニック結晶21とを含む。保持装置11Hは、金属膜被覆フォトニック結晶21を保持する。保持装置11Hは、被覆部材22と、保持部材23と、支持部材24とを含む。
フォトニック結晶バイオセンサー11は、保持装置11Hが金属膜被覆フォトニック結晶21を保持する。保持装置11Hは、支持部材24に載置された金属膜被覆フォトニック結晶21を、保持部材23が支持部材24との間に挟み込んで保持する。被覆部材22は、支持部材24とは反対側における保持部材23の表面を覆う。図1及び図3に示すように、支持部材24、保持部材23及び被覆部材22は、板状の部材である。本実施形態において、支持部材24、保持部材23及び被覆部材22の形状は、これらの表面と直交する方向から見た場合、すなわち平面視が長方形(正方形を含む)となっている。支持部材24、保持部材23及び被覆部材22の形状は長方形に限定されるものではなく、六角形等の多角形又は円形等であってもよい。支持部材24、保持部材23及び被覆部材22の形状を長方形とすることにより、製造がしやすい、図3に示す取付治具27、28に保持装置11Hを取り付けやすい等の利点がある。
支持部材24は、金属膜被覆フォトニック結晶21を載置して支持する。支持部材24は、図3に示すように、金属膜被覆フォトニック結晶21が載置される部分21Vとは異なる部分に開口する少なくとも2つの孔24HI、24HEを有する。保持部材23は、支持部材24との間に金属膜被覆フォトニック結晶21を挟み込んでいる。保持部材23は、開口部23Pを有している。開口部23Pは、図2に示すように、板状の部材である保持部材23の最も大きい対向する2つの平面23UP、23DP同士を貫通している。開口部23Pは、図1、図3及び図4に示すように、平面視が長方形形状あって、溝状の通路である。開口部23Pは、図4に示すように、支持部材24の孔24HI、24HE及び支持部材24に載置された金属膜被覆フォトニック結晶21の標的物質を捕捉する部分21Cと重なる。孔24HIは、開口部23P内に、標的物質捕捉物質を含んだ溶液等の液体を供給する。孔24HEは、開口部23Pから、標的物質捕捉物質を含んだ溶液等の液体を排出する。以下、孔24HIを適宜供給孔24HIと呼び、孔24HEを排出孔24HEと呼ぶ。
被覆部材22は、図1及び図2に示すように、保持部材23の開口部23Pを覆う。被覆部材22は、透光性を有している。これは、金属膜被覆フォトニック結晶21は、被覆部材22を介して光の照射を受け、金属膜被覆フォトニック結晶21が反射した反射光の波長のピークの変化が測定されることにより、標的物質が検出又は標的物質の濃度が計測されるためである。被覆部材22は、例えばガラス板、透明の樹脂の板又は透明の樹脂のフィルム等が用いられる。
被覆部材22と開口部23Pの内面と支持部材24とで囲まれる空間23SPには、標的物質捕捉物質を含んだ溶液等の液体が供給孔24HIから供給され、空間23SPに保持される。空間23SPに保持された液体は、金属膜被覆フォトニック結晶21の標的物質を捕捉する部分21Cに接触する。空間23SPに保持された液体は、標的物質検出装置10が標的物質を検出又は標的物質の濃度を計測する間、空間23SPに保持される。標的物質検出装置10が標的物質を検出等した後、空間23SPに保持された液体は、排出孔24HEから排出される。空間23SP内にフォトニック結晶バイオセンサー11の外部から液体を供給するため、フォトニック結晶バイオセンサー11には、液体供給管25が接続される。空間23SP内からフォトニック結晶バイオセンサー11の外部に液体を排出するため、フォトニック結晶バイオセンサー11には、液体排出管26が接続される。次に、液体供給管25及び液体排出管26が空間23SPに接続される構造の一例を説明する。液体供給管25及び液体排出管26は、例えば、シリコーンゴムの管等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
図2に示すように、供給孔24HIを有する支持部材24は、金属膜被覆フォトニック結晶21が載置される面とは反対側の面に、孔24Hsi及び孔24Hseを有している。孔24Hsiは、供給孔24HIと接続している。24Hseは、排出孔24HEと接続している。本実施形態において、孔24Hsi、孔24Hse、供給孔24HI及び排出孔24HEは、断面が円形である。孔24Hsiの直径は、供給孔24HIの直径よりも大きい。孔24Hseの直径は、排出孔24HEの直径よりも大きい。孔24Hsiには、供給孔24HIと液体供給管25とを接続する接続部材25Sが取り付けられる。孔24Hseには、排出孔24HEと液体排出管26とを接続する接続部材26Sが取り付けられる。接続部材25S、26Sは、例えば、ゴム、樹脂又は金属である。接続部材25S、26Sは、それぞれ取付孔25SH、26SHを有している。液体供給管25は、取付孔25SHに差し込まれて接続部材25Sに取り付けられる。液体排出管26は、取付孔26SHに差し込まれて接続部材26Sに取り付けられる。このような構造により、液体供給管25は、接続部材25Sを介して支持部材24の孔24Hsiに取り付けられる。また、液体排出管26は、接続部材26Sを介して支持部材24の孔24Hseに取り付けられる。液体供給管25が取り付けられる孔24Hsiは供給孔24HIに接続し、液体排出管26が取り付けられる孔24Hseは排出孔24HEに接続している。このため、液体供給管25は、接続部材25S及び供給孔24HIを介して空間23SPに接続される。液体排出管26は、接続部材26S及び排出孔24HEを介して空間23SPに接続される。
フォトニック結晶バイオセンサー11は、支持部材24と保持部材23とで金属膜被覆フォトニック結晶21を挟持する。取付治具27、28は、金属膜被覆フォトニック結晶21を挟持した支持部材24と保持部材23とを挟み込んだ状態で、図3に示すボルト29によって締結される。このような構造によって、フォトニック結晶バイオセンサー11は、保持部材23に被覆部材22を取り付けた状態で、図3に示す取付治具27、28に挟持されて支持される。取付治具27、28によって、支持部材24と保持部材23と金属膜被覆フォトニック結晶21とを一体とすることができるので、取り扱いが容易になる。また、取付治具27、28同士をボルト29によって締結することにより、フォトニック結晶バイオセンサー11の分解が容易になる。取付治具27、28同士の固定は、ボルト29による締結に限定されるものではない。
本実施形態において、保持部材23は、金属膜被覆フォトニック結晶21と接する部分が少なくともシリコーン、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)で形成される。ポリジメチルシロキサンは、撥液性(撥水性)が高いため、金属膜被覆フォトニック結晶21と保持部材23との吸着を抑制できる。このため、金属膜被覆フォトニック結晶21を取り替える際に金属膜被覆フォトニック結晶21を保持部材23から容易に取り外すことができる。保持部材23の厚みは、100μm以上2mm以下が好ましい。このようにすると、金属膜被覆フォトニック結晶21を支持部材24と保持部材23との間に固定する際の取り扱いが容易になる。
金属膜被覆フォトニック結晶21に液体を流すため、仮に、間隔保持部を設けてセンサ表面に液体が流れる空間を作ることが考えられる。間隔保持部の厚みはプラズモン共鳴の波長に依存するため、使用する波長帯によって厚みが限定される。このような構造とすると、間隔保持部の厚みは厳密な精度が必要となり、製作時に時間と製造コストとを要してしまう。本実施形態は、間隔保持部が不要になるので、フォトニック結晶バイオセンサー11の製造が簡単になり、時間及び製造コストを抑制できる。また、表面プラズモン(SPR)センサは、センサとプリズムとの固定が重要であり、わずかな隙間又は撓み等が生じるとセンサとして機能しなくなるという問題があるが、本実施形態の金属膜被覆フォトニック結晶21は、SPRセンサほどの厳密な固定は不要である。
本実施形態において、支持部材24は、フッ素樹脂で形成されている。支持部材24の材質は、フッ素樹脂に限定されるものではないが、フッ素樹脂は撥液性(撥水性)が高いため、金属膜被覆フォトニック結晶21と支持部材24との吸着を抑制できる。このため、金属膜被覆フォトニック結晶21を取り替える際に金属膜被覆フォトニック結晶21を保持部材23から容易に取り外すことができる。支持部材24が透光性を有していてもよい。このようにすることで、金属膜被覆フォトニック結晶21に照射された光の透過光を観測することもできる。支持部材24が透光性を有する場合、支持部材24は、例えば、ガラス又は透明な樹脂を用いて製造される。支持部材24にガラスを用いる場合、ガラスの支持部材24とポリジメチルシロキサンの保持部材23との自己吸着、支持部材24と保持部材23との接着又はポリジメチルシロキサンの保持部材23を熱で溶融させることによる熱融着等の接合技術等によって、支持部材24と保持部材23との間に金属膜被覆フォトニック結晶21が固定される。次に、金属膜被覆フォトニック結晶21について説明する。
[金属膜被覆フォトニック結晶]
図5は、金属膜被覆フォトニック結晶の斜視図である。図6は、金属膜被覆フォトニック結晶の平面図である。図7は、図6のA−A断面を示す図である。図7は、フォトニック結晶の表面と直交する平面でフォトニック結晶を切ったときの断面を示している。後述する図8も同様である。なお、図5から図8は、模式的に示した図であるため、金属膜被覆フォトニック結晶21の各要素の厚み及び大きさ等は実際とは異なる。以下、同様である。金属膜被覆フォトニック結晶21は、標的物質を捕捉する。図5から図7に示すように、金属膜被覆フォトニック結晶21は、フォトニック結晶65及び金属膜66を含んでいる。金属膜被覆フォトニック結晶21は、フォトニック結晶65の表面67に断面が円形の凹部(以下、単に凹部という)68Aが周期的に形成された反射面69を金属膜66が被覆している。
まず、フォトニック結晶65について説明する。フォトニック結晶は、表面に所定深さの凹部又は所定高さの凸部が周期的に形成された反射面を有し、前記反射面に特定波長の光(平行光)を照射すると、その反射光が得られる構造体である。表面に凹部又は凸部が周期的に形成された反射面に光を照射すると、特定波長の反射光が得られる構造体は、一般にフォトニック結晶と呼ばれる。
フォトニック結晶とは、サブ波長間隔の格子構造を有する構造体である。そして、それは構造体の表面(以後、反射面という)に広領域波長の光を照射すると、フォトニック結晶の表面状態に依存した特定の波長帯の光を、反射又は透過するものである。フォトニック結晶の表面状態は、例えばフォトニック結晶の形状及び材質に依存する。この反射光又は透過光の変化を読み取ることにより、フォトニック結晶の表面状態の変化を定量化することができる。フォトニック結晶の表面状態の変化としては、表面への物質の吸着、構造変化等が挙げられる。表面に金属薄膜が形成されたフォトニック結晶も、光が照射されると、光の反射率又は光の透過率に極値(極大値又は極小値)が現れる。この反射率又は透過率の極値は、金属の種類、金属の膜厚、フォトニック結晶の表面形状に依存するものである。この光の反射率又は光の透過率を読み取ることにより、フォトニック結晶の表面状態の変化を定量化することができる。金属薄膜については後述する。フォトニック結晶の表面状態の変化を反射光又は透過光の変化から定量化するには、次の方法を用いることができる。例えば、極値(極大値又は極小値)での反射率又は透過率の変化量、あるいは反射率又は透過率が極値となる波長のシフト量を求める等である。なお、反射率又は透過率の極値が複数ある場合には、任意の極値に着目する。そして、着目した極値について変化量を求めるか着目した極値となる波長のシフト量を求めることにより、フォトニック結晶の表面状態の変化を定量することができる。
図5から図7に示すように、フォトニック結晶65は、表面67に凹部68Aが周期的に形成された反射面69を有している。この反射面69に光を照射すると、フォトニック結晶65の形状と材質に依存した特定波長の光が反射される。本実施形態において、凹部68Aは、平面視において、三角形の格子状に配置されている。また、凹部68Aの直径Daは、50nm以上1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは、100nm以上500nm以下である。また、凹部68Aの中心間の距離C1は、100nm以上2000nm以下であることが好ましく、より好ましくは、200nm以上1000nm以下である。また、凹部68Aの深さをH1としたとき、凹部68Aのアスペクト比(H1/D1)は、0.1以上10以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5以上5.0以下である。なお、凹部68Aの寸法は、上記のものに限定されない。
フォトニック結晶65の形状及び寸法は、図5から図7に示した形状に限定されることはない。例えば、矩形又は多角形の格子状のパターンが表面に形成されたもの、又は平行線状パターンや波型形状パターン等が表面に形成されたもの(詳しくは周期的にパターン等が形成されたもの)又はこれらのパターンの組合せであってもよい。フォトニック結晶65の材質としては、合成樹脂等の有機材料、金属・セラミック等の無機材料を使用することができる。
合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリシクロオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、アクリル、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用することができる。
セラミックとしては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、イットリア等のセラミックを好適に使用することができる。金属としては、鉄鋼材料をはじめとして各種合金が使用可能である。具体的には、ステンレス鋼、チタン又はチタン合金等を好適に使用することができる。
上記した各種材料の中でも、光学特性、加工性、標的物質(ターゲットとなる物質)を含有する溶液に対する耐性、標的物質捕捉物質(特異的結合物質)の吸着性及び洗浄剤に対する耐性等を考慮すると、ポリシクロオレフィン系合成樹脂又はシリカ系のセラミックがより好ましい。この中でも、ポリシクロオレフィン系合成樹脂は、加工性に優れており最も好適である。
フォトニック結晶65は、前述した材料基板の表面に微細な加工を施すことにより作製される。加工方法としては、レーザー加工、熱ナノインプリント、光ナノインプリント、フォトマスクとエッチングの組合せ等が使用できる。特に、ポリシクロオレフィン系合成樹脂等の熱可塑性樹脂を材料とする場合には、熱ナノインプリントによる方法が好適である。
次に、金属膜66について説明する。本実施形態において、図7に示すように、フォトニック結晶65は、その反射面69が金属膜66で被覆されている。金属膜66は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)又はアルミニウム(Al)のうちのいずれか1種類以上を用いて形成されることが好ましい。本実施形態において、金属膜66はAuで形成されている。Auは、安定性に優れるため、反射面69として好ましい。金属膜66に銀(Ag)又はアルミニウム(Al)のうちのいずれか1種類以上を用いる場合、金で表面を被覆することが好ましい。このようにすることで、金の使用量を低減してフォトニック結晶65の製造コストを抑制することができる。また、Ag、Alの酸化による機能の低下を抑制することができる。
金属膜66の膜厚が小さいと、フォトニック結晶65への入射光の一部は金属膜66を透過することがある。その結果、反射光から得られる情報量の低下、回折光又はフォトニック結晶65の裏面からの反射光等、フォトニック結晶65からの反射光には不要な情報が多く含まれる可能性がある。金属膜66の膜厚を適度に大きくすることにより、フォトニック結晶65からの反射光に含まれる不要な情報を低減して、標的物質の検出精度及び濃度の計測精度を向上させることができる。また、金属膜66の膜厚が適度に小さいと、フォトニック結晶65の表面67に詳細なパターン形状を作製することが容易であるので好ましい。例えば、パターンの角がシャープになって、パターンの寸法を確保することが容易となる。このような観点から、本実施形態において、金属膜66の膜厚は、好ましくは30nm以上1000nm以下であり、より好ましくは150nm以上500nm以下であり、さらに好ましくは200nm以上400nm以下である。波長に対する反射率の変化は、金属膜66の膜厚が200nmを超えるとほぼ同様になるためである。
金属膜66は、スパッタリング又は蒸着装置等によってフォトニック結晶65の反射面69に形成することができる。金属膜66の最表面は、Auとすることが好ましい。金属膜66にAg、Pt、Alを用いた場合、それぞれの極値における反射光の波長は、Auを金属膜66として用いた場合に対して1.5倍となる。このように、Ag、Pt、Alは、Auよりも1.5倍の感度を有する。なお、Agは酸化されやすいので、フォトニック結晶65の反射面69にAgを形成した後、酸化されにくいAu又はSiO等の酸化物薄膜を形成することが好ましい。この場合、200nmの厚みを有するAgの膜の表面に、5nmの厚みを有するAuの膜を形成することができる。200nmの厚みを有するAgの膜の表面に5nmの厚みを有するAuの膜を形成した場合、200nmの厚みを有するAuの膜に比べて、感度が1.5倍になる。また、5nmのAuの膜の有無で、感度の変化は見られなかった。AlもAgと同様に酸化されやすいので、フォトニック結晶65の表面67にAlの膜を形成した後、酸化されにくいAu又はSiO等の酸化物薄膜を形成することが好ましい。抗体等で修飾するために、Ptも、Au又はSiO等の酸化物薄膜を形成することが好ましい。
また、フォトニック結晶65の反射面69は、3-triethoxysilylpropylamine(APTES)等を用いて改質されることが好ましい。フォトニック結晶65の反射面69に、Au又はAgの金属膜66を形成させた場合には、APTESではなく、一端にチオール基を有し、他端にアミノ基やカルボキシル基等の官能基を有する炭素鎖を用いてフォトニック結晶65の反射面69を改質することが好ましい。Au又はAg以外の金属膜66をフォトニック結晶65の反射面69に形成させた場合は、一端に官能基を有するシラン系カップリング剤、例えばAPTESを使用して、フォトニック結晶65の反射面69を改質することが好ましい。
金属膜被覆フォトニック結晶21は、フォトニック結晶65の反射面69を金属膜66で被覆したものであるため、フォトニック結晶65の凹部68Aに対応して反射面69に金属膜被覆フォトニック結晶21の凹部68Bが周期的に形成されている。凹部68Bは、凹部68Aと同様、三角形の格子状に配置されている。また、凹部68Bの直径Dbは、金属膜66の厚みにもよるが、50nm以上1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは、100nm以上500nm以下である。また、凹部68Bの中心間の距離C2は、凹部68Aの中心間の距離C1と同様、100nm以上2000nm以下であることが好ましく、より好ましくは、200nm以上1000nm以下である。また、凹部68Bの深さをH2としたとき、凹部68Bのアスペクト比(H2/D2)は、0.1以上10以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5以上5.0以下である。なお、凹部68Bの寸法は、上記のものに限定されない。
図8は、凹部の壁面の部分拡大図である。凹部68Bは、凹部68Bの壁面68aが凹部68Bの底面68bに所定の角度を有して形成されている。なお、図8では、説明の便宜上、フォトニック結晶65の表面67に設けられる金属膜66は省略する。図6に示すように、凹部68Bの壁面68aは、凹部68Bの平坦となる底面68bに所定の角度を有している。凹部68Bの底面68bの重心を通る断面において、凹部68Bの壁面68aと底面68bとの境界を第1境界部71とする。表面67と凹部68Bの壁面68aとの境界を第2境界部72とする。底面68bに対して垂直方向に第1境界部71を通る直線と、底面68bに対して水平方向に第2境界部72を通る直線との交点を交点Aとする。第1境界部71と第2境界部72とを直線で結ぶ距離をL1とする。第1境界部71と交点Aとを直線で結ぶ距離をL2とする。第2境界部72と交点Aとを直線で結ぶ距離をL3とする。L1とL2とが成す角度をθとする。このとき、凹部68Bは、下記の式(1)及び式(2)を満たすようにL1とL2とが成す角度θが形成されている。
tanθ=L3/L2・・・(1)
0≦tanθ≦1.0・・・(2)
凹状の穴(ホール)が周期的に配列して設けられた構造を有する金属の表面に光を照射したとき、反射光の波長スペクトルにピークが観察される。反射光の波長に対する反射率が最大となる波長(ピーク波長)は、一般的に下記の式(3)で求めることができる。式(3)中、λpeakは、ピーク波長であり、aは、ホールの周期であり、i、jは、回折次数であり、εは、金属の誘電率であり、εは、環境の誘電率である。
Figure 2014215291
前述した式(3)によれば、凹部68Bが配置される周期を与えられればピーク波長が求まる。ピーク波長のスペクトルを観察する場合、ピーク波長のスペクトルの幅が小さい方が容易にピーク波長の位置を特定することができる。よって、凹部68Bの配置される周期が明確に与えられることで、ピーク波長のスペクトルの幅は小さくなり、ピーク波長の位置が特定し易くなる。
金属膜被覆フォトニック結晶21は、凹部68Bが反射面69に周期的に形成された周期構造を有するものである。凹部68Bの壁面68aが、前述した式(1)及び式(2)を満たすように反射面69に形成されることにより、反射光の波長スペクトルの形状は幅が狭くなり、反射光のピーク波長を容易に特定することができる。すると、標的物質を精度よく検出することができる。この結果、フォトニック結晶バイオセンサー11のセンサ感度を向上させることができる。なお、反射光の波長スペクトルの形状の幅は、半値幅等である。
凹部68Bは、下記の式(2)’を満たすように形成されていることが好ましい。凹部68Bの壁面68aが、前述した式(1)及び下記の式(2)’を満たすように形成されることにより、反射光の波長スペクトルの形状はさらに幅が狭くなり、反射光のピーク波長をさらに容易に特定することができる。この結果、標的物質をさらに精度よく検出することができる。
0≦tanθ≦0.7・・・(2)’
式(2)及び(2)’から、θは0度以上となる。θ=0度である場合、金属膜被覆フォトニック結晶21の表面67と凹部68Bの壁面68aとの接続部分Kが略90度になる。接続部分Kが略90度になると、金属膜被覆フォトニック結晶21の形状の制御、特に凹部68Bの形状の制御が難しくなる。すなわち、凹部68Bの所期の形状を得ることが難しくなる。tanθ>0、すなわちθを0よりも大きくすることにより、特に凹部68Bの所期の形状を得やすくなるので好ましい。また、金属膜被覆フォトニック結晶21は、比較的圧力の高い水で洗浄されるが、接続部分Kの角度が略90度になると、角が取れやすくなる。その結果、凹部68Bは所期の形状を有さなくなる可能性がある。tanθ>0、すなわちθを0よりも大きくすることにより、接続部分Kの角が取れる可能性を低減できるので、凹部68Bは、洗浄後においても所期の形状を有するようになるので好ましい。さらに、tanθ>0、すなわちθを0よりも大きくすることにより、凹部68B内に水が入りやすくなるので、標的物質を確実に凹部68Bに捕捉することができる。
[フォトニック結晶の作製方法]
図9、図10及び図11は、フォトニック結晶の作製方法を説明する図である。これらの図を参照して、熱ナノインプリントにより金属膜被覆フォトニック結晶21を作製する工程の一例を説明する。図9に示すように、熱ナノインプリントでは、ナノメートルレベルの微細構造、又はナノメートルレベルの周期構造のパターンを有する金型DIを用いる。そして、図10に示すように、加熱した金型DIをシート状の樹脂Pに押し付けて、所定圧力で所定時間押圧し、金型DIの表面温度が所定温度になったところで離型し、微細構造及び周期構造をシート状の樹脂Pに転写する。これにより、フォトニック結晶65が得られる。
樹脂Pがシクロオレフィン系ポリマーの場合には、金型DIを160℃程度まで加熱し、約12MPaの圧力で所定時間押圧し、金型DIの表面温度が60℃程度になったところで離型することが好ましい。フォトニック結晶65が作製された後、図11に示すように、金型DIと接していた表面に、スパッタリング又は蒸着装置等によって金属膜66を形成して、金属膜被覆フォトニック結晶21が完成する。
[標的物質捕捉物質]
次に、標的物質を捕捉する標的物質捕捉物質について説明する。標的物質とは、標的物質検出装置10が検出する対象物であって、タンパク質等の高分子、オリゴマー、低分子のいずれであってもよい。標的物質は、単分子に限定されず、複数の分子からなる複合体であってもよい。標的物質として、例えば、大気中の汚染物質、水中の有害物質、人体内のバイオマーカー(Biomarker)等が挙げられる。中でも、コルチゾール等が好ましい。コルチゾールは、分子量362g/molの低分子物質である。コルチゾールは、人間がストレスを感じると唾液中のコルチゾール濃度が増加するため、人間が感じているストレスの度合いを評価する物質として注目されている。コルチゾールを標的物質としてその濃度を測定すれば、例えば、ヒトの唾液中に含まれるコルチゾールの濃度を測定することで、ストレスの度合いを評価することができる。ストレスの度合いを評価すれば、被測定者がうつ病等の精神疾患につながるレベルのストレス状態にあるか否かを判断することができる。
標的物質捕捉物質とは、標的物質と結合し、標的物質を捕捉する物質である。ここで、結合するとは、化学的に結合する場合の他、例えば物理吸着、ファンデルワールス力による結合のように、化学的結合によらない結合であってもよい。好ましくは、標的物質捕捉物質は、標的物質と特異的に反応して標的物質を捕捉するものであり、標的物質を抗原とした抗体であることが好ましい。特異的に反応するとは、選択的に標的物質と可逆的又は不可逆的な結合をして複合体を形成することを意味し、化学反応に限定されない。また、特異的に反応する物質が標的物質以外に存在していても構わない。試料中に標的物質の他に標的物質捕捉物質と反応する物質があっても、その親和性が標的物質と比較して非常に小さい場合は、標的物質を定量することができる。標的物質捕捉物質は、標的物質を抗原とした抗体、人工的に作製した抗体、アデニン、チミン、グアニン、シトシン等のDNAを構成する物質から構成される分子、ペプチド等を用いることができる。標的物質がコルチゾールである場合は、標的物質捕捉物質は、コルチゾール抗体であることが好ましい。
標的物質捕捉物質を作製するには公知の方法を採用することができる。例えば、抗体は、血清法、ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ法によって作製できる。DNAを構成する物質から構成される分子は、例えばSELEX法(Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment:試験管内人工進化法)により作製できる。ペプチドは、例えばファージディスプレイ法により作製できる。標的物質捕捉物質は、何らかの酵素・同位体により標識されている必要はない。しかし、酵素・同位体によって標識されていてもよい。
本実施形態において、標的物質捕捉物質は、図7に示す金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69に固定される。標的物質捕捉物質を金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69に固定する手段として、共有結合、化学吸着、物理吸着等の化学的結合、物理的結合方法が挙げられる。これらの手段を、標的物質捕捉物質の性質に応じて適宜選択することができる。例えば、固定する手段として吸着を選択した場合、吸着の操作は以下のようなものである。例えば、標的物質捕捉物質を含んだ溶液を、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69に滴下し、金属膜被覆フォトニック結晶21を、所定の時間、室温で、又は必要に応じて冷却・加温して、標的物質捕捉物質を反射面69に吸着させる。
フォトニック結晶バイオセンサー11は、特定の抗原(例えばコルチゾール)とのみ結合する抗体(例えばコルチゾール抗体)を金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69の表面に予め吸着(固定)させておく。これにより、フォトニック結晶バイオセンサー11は、特定の抗原を検出することができる。これは、フォトニック結晶65の光学的特性と、フォトニック結晶65の表面又は表面近傍で起こる各種の生体・化学反応、例えば特定の抗原は特定の抗体とのみ反応するという抗原抗体反応とを利用するものである。
フォトニック結晶バイオセンサー11は、標的物質捕捉物質である抗体が固定された反射面69に、ブロッキング剤(保護物質)が固定されたものであってもよい。ブロッキング剤は、標的物質がフォトニック結晶バイオセンサー11に接触させられる前に固定される。フォトニック結晶65の反射面69の表面は、一般的に超疎水性である。このため、疎水性相互作用によって標的物質捕捉物質である抗体以外の不純物が、反射面69に吸着してしまうおそれがある。さらに、フォトニック結晶65の光学特性は表面状態に大きく影響されるので、フォトニック結晶65の反射面69には、不純物が吸着されていないことが好ましい。フォトニック結晶65の反射面69にブロッキング剤が固定されることで、反射光の検出精度を向上させることができる。
したがって、標的物質捕捉物質である抗体がフォトニック結晶65の反射面69に吸着(固定)された部分以外の箇所には、不純物等が固定されないように、いわゆるブロッキング剤を予め固定させておくことが好ましい。ブロッキング剤を予め吸着させておくには、ブロッキング剤を、フォトニック結晶65の表面に接触させる。ブロッキング剤として、スキムミルク又はウシ血清アルブミン(BSA)等を使用することができる。
図12から図15は、フォトニック結晶バイオセンサーの原理を説明する図である。これらの図を参照して、フォトニック結晶バイオセンサー11が標的物質である抗原及びその濃度を検出する基本的な原理を説明する。一般的に、フォトニック結晶バイオセンサー11は、フォトニック結晶65の光学的特性と、フォトニック結晶65の表面又は表面近傍で起こる各種生体・化学反応、例えば、特定の抗原は特定の抗体とのみ反応するという抗原抗体反応とを利用して、微量のタンパク質又は低分子物質を検出するものである。そして、フォトニック結晶バイオセンサー11は、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69に特定波長の光を照射したときの表面プラズモン共鳴現象及び/又は局在表面プラズモン共鳴現象による反射光の波長の極値がシフトする現象を利用する。
図12に示すように、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69の表面には、抗体(標的物質捕捉物質)74が吸着により固定されている。次に、図13に示すように、反射面69の抗体74が吸着した部分以外の箇所、すなわち、抗体74が吸着した部分以外の反射面69に、ブロッキング剤(保護物質)75を予め吸着させる。これにより、反射面69の抗体74が吸着した部分以外の箇所に不純物等が吸着しないようにする。次に、図14に示すように、抗体74とブロッキング剤75とが吸着されているフォトニック結晶バイオセンサー11に抗原(標的物質)76を接触させ、抗原抗体反応を行う。抗体74に抗原76が捕捉された複合体77が、反射面69に固定される。
次に、図1に示す光検出部12は、図15に示すように、抗原76がフォトニック結晶65の反射面69に捕捉されている状態で特定波長の光(入射光)LIを平行光で金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69に照射する。そして、図1に示す光検出部12は、反射面69で反射された反射光LRを検出し、反射光LRの極値の波長を求める。そして、図1に示す処理部13は、反射光LRの強度の極値における波長及び強度の極値における波長のシフト量を求めて、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69に捕捉された抗原76の有無を検出したり、抗原76の濃度を求めたりする。フォトニック結晶バイオセンサー11は、このような原理に基づき、抗体74及び抗原76の組合せの種類を変えることにより、検出対象の物質であるタンパク質等の各種生体物質又は低分子量物質の種類を変えることができる。
フォトニック結晶バイオセンサー11では、反射面69に固定された抗体74に抗原76が捕捉されることにより、反射面69の状態が変化し、反射光LRに変化が生じる。フォトニック結晶バイオセンサー11は、光学的な物理量を出力する。この物理量は、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69における表面状態の変化に相関し、反射面69に固定された抗体74に抗原76が捕捉されて形成される複合体77の量と相関する。光学的な物理量は、例えば、反射光LRの強度が極値となる波長のシフト量、光の反射率の変化量、光の反射率が極値となる波長のシフト量、反射光LRの強度又は反射光LRの強度の極値の変化量等である。本実施形態では、反射光LRの強度又は光の反射率が極値となる波長のシフト量を用いる。
光学的な物理量を出力させるには、例えば次のようにして行う。金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69に対して垂直に光を入射し、反射光LRを検出する。金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69の垂線に対して角度をつけて光を入射し、反射光LRを検出することもできる。反射光LRを検出することにより、図1に示す標的物質検出装置10をコンパクトにすることができる。垂直に入射され、垂直に反射された光を検出する場合には、二股の光ファイバーを用いて光を入射し、反射光LRを検出することが好ましい。この構造については後述する。
図16は、反射光の極値の強度と波長との関係を示す図である。図16は、反射光の波長(スペクトル)に対する反射光強度を示している。図16のBは、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69が金属膜66に抗体74のみを吸着させた場合における反射光強度と波長との関係を示している。図16のAは、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69に固定された抗体74に抗原76が捕捉された場合における反射光強度と波長との関係を示している。いずれも、波長が500nmから550nmの間に反射光強度の極値(極小値)Pa、Pbをとる。そのときの波長は、λb、λa(λb<λa)である。図14に示すように、反射面69を形成する金属膜66の表面に固定された抗体74に抗原76が捕捉されると、金属膜66に抗体74のみを吸着させた場合よりも極値(極小値)Paの波長はより大きいλaにシフトする。本実施形態では、この波長のシフト量(波長シフト量)Δλ(λa−λb)を用いて、標的物質を検出する。
図17は、反射光の強度の極値における波長シフト量とフォトニック結晶の反射面にビオチンを用いて固定したアビジンの濃度との関係を示す図である。図17に示す結果は、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69にビオチンを標的物質捕捉物質として固定し、濃度の異なるアビジンを標的物質として滴下したときの反射光強度の極値(極小値)における波長シフト量Δλを求めた。波長シフト量Δλは、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69が金属膜66のみであるときの反射光強度の極値(極小値)における波長からの変化量(増加量)である。図17に示すように、標的物質としてのアビジンの濃度DNが増加するとともに、波長シフト量Δλも増加する。このように、波長シフト量Δλと、滴下する標的物質の濃度DNとは相関があることが分かる。両者の関係は、Δλ=a×DN+b(a、bは定数)の一次式で近似できる。本実施形態では、波長シフト量Δλを求めることにより、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69に捕捉された標的物質の濃度を求める。上述した例は、ビオチンを標的物質捕捉物質とし、アビジンを標的物質とした場合であるが、標的物質としてコルチゾールを用い、標的物質捕捉物質としてコルチゾール抗体を用いた場合も同様の結果である。
[光検出部]
次に、図1に示す光検出部12について説明する。図1に示す光検出部12は、光源51と、測定プローブ52と、光検出装置53と、第1光ファイバー54と、第2光ファイバー55と、コリメートレンズ56とを含む。光源51と測定プローブ52とは、第1光ファイバー54により光学的に接続されている。測定プローブ52と光検出装置53とは、第2光ファイバー55により光学的に接続されている。必要に応じて、光源51及び光検出装置53等に接続され、光源51の制御及び光検出装置53からの信号を処理する制御装置を設けてもよい。
図15に示すように、図1に示す第1光ファイバー54は、図1に示す光源51からの光を測定プローブ52に導き、測定プローブ52からフォトニック結晶バイオセンサー11が有する金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69へ照射する。コリメートレンズ56は、第1光ファイバー54から出射し、測定プローブ52から照射された光を平行光にしてから、フォトニック結晶65の反射面69へ入射光LIとして照射する。第2光ファイバー55は、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69で反射した光を反射光LRとして受光し、図1に示す光検出装置53へ導く。コリメートレンズ56の種類は特に限定されないが、例えば、ナノストラクチャーを持つ反射防止フィルムを用いることができる。光検出装置53は、例えば、フォトトランジスタ又はCCD(Charge Coupled Device)等の受光素子を備えた、光を検出するための装置である。
図18は、図1に示す光検出部が有する測定プローブの構造を示す図である。測定プローブ52は、第1光ファイバー54と第2光ファイバー55とが接合される。そして、測定プローブ52は、第1光ファイバー54の光の出射面54Pと、第2光ファイバー55の反射光LRの入射面55Pとが同一の面(入出射面)52P上に配置される。このように、測定プローブ52は、第1光ファイバー54と第2光ファイバー55とが、第1光ファイバー54の出射側(出射面54P側)と第2光ファイバー55の入射側(入射面55P側)とで一体となっている。そして、測定プローブ52は、第1光ファイバー54と第2光ファイバー55とを用いて光を入射し、反射光LRを検出する。
測定プローブ52は、このような構造としているため、フォトニック結晶65の反射面69に照射する入射光LIと、反射面69からの反射光LRとを略同一の位置から出射し、入射させることができる。測定プローブ52を前述したような構造にするとともに、コリメートレンズ56を用いて測定プローブ52からの光を平行光にすることで、光検出部12は、反射面69に平行光の入射光LIを垂直に入射することができる。それとともに、反射面69から垂直に反射した反射光LRを受光することができる。このようにすることで、測定プローブ52は、反射光強度の低下を最小限に抑えることができるとともに、主として反射光LRの0次光成分を検出することができる。その結果、処理部13は、金属膜被覆フォトニック結晶21の反射面69の正確な情報を得ることができるため、標的物質の検出精度及び濃度の計測精度が向上する。反射光LRを検出する手法は、上述したような測定プローブ52に限定されない。例えば、コリメートレンズ56と反射面69との間にハーフミラーを配置し、ハーフミラーによって反射光LRを分離して第2光ファイバー55から光検出装置53に導いてもよい。コリメートレンズ56は反射防止膜付きでもよい。このようにすることで、コリメートレンズ56からの反射光の影響が低減されるので、測定時に発生するノイズを低減することができる。
図1に示す光検出装置53は、反射光LRの光スペクトルを検出する分光器を備える。分光器は、モノクロメータ又はマルチチャンネル分光器等がある。本実施形態においては、検出速度が速いという観点からマルチチャンネル分光器を採用している。マルチチャンネル分光器とは、入射した光をプリズム、グレーティング等を用いて波長領域に分散させ、アレイ状に配列された光検出素子によってスペクトルを検出する装置である。マルチチャンネル分光器は、アレイ状に配列された光検出素子のピクセル毎に特定の波長幅のピッチをもって測定結果を得ることができる。測定レンジをピクセル数で除算したものをピクセル分解能というものとする。ピクセル分解能は、分光器が検出可能な光の波長の分解能である。
図19及び図20は、光検出装置が備える分光器のピクセルを示す図である。図19に示す分光器53SAは、5個のピクセルD1、D2、D3、D4、D5を有する。図20に示す分光器53SBも、5個のピクセルD11、D12、D13、D14、D114を有する。分光器53SAのピクセルD1、D2、D3、D4、D5は、それぞれ波長λ1、λ2、λ3、λ4、λ5(λ1<λ2<λ3<λ4<λ5)の光を検出する。分光器53SBのピクセルD1、D2、D3、D4、D5は、それぞれ波長λ11、λ12、λ13、λ14、λ15(λ11<λ12<λ13<λ14<λ15)の光を検出する。
波長λ1、λ2、λ3、λ4、λ5は、この順に1μmずつ大きくなっており、波長λ11、λ12、λ13、λ14、λ15この順に0.1μmずつ大きくなっている。したがって、分光器53SAのピクセル分解能P1は1nmであり、分光器53SAのピクセル分解能P2は0.1nmである。分光器53SAと分光器53SBとで、ピクセルの数(ピクセル数)が同一である場合(図19及び図20に示す例ではピクセル数はいずれも5個で同一)、スペクトルのピーク位置を算出するためにはピクセル分解能P1、P2が高い分光器53SBの方が、スペクトルピークの形状を正確により計測できるので好ましい。ピクセル分解能は小さい方が高いと定義する。
図21は、図19に示す分光器が検出した反射光のスペクトルの一例を示す図である。図22は、図20に示す分光器が検出した反射光のスペクトルの一例を示す図である。図21及び図22は、横軸が波長λであり、縦軸が反射光強度である。図1に示す光検出装置53は、異なるピクセル分解能の分光器53SA、53SBを備えるか又はピクセル分解能が可変の分光器を備えてもよい。このようにすることで、広い測定レンジ(ピクセル分解能が低い)によっておおよそのピーク位置を割り出し、狭い測定レンジ(ピクセル分解能が高い)によって正確なピーク位置を検出する。光検出装置53が分光器53SAと分光器53SBとを備える場合、広い測定レンジ、すなわち相対的に低いピクセル分解能P1の分光器53SAによって、図21に示すようなおおよそのピーク位置を割り出す。狭い測定レンジ、すなわち相対的に高いピクセル分解能P2の分光器53SBによって、図22に示すような正確なピーク位置を検出する。図1に示す標的物質検出装置10では、処理部13は、第1分光器としての分光器53SAを用いて反射光の極値の波長を求めた後、第2分光器としての分光器53SBを用いて分光器53SAによって求めた極値の波長の範囲内において、反射光の極値の波長を求める。このようにすることで、広い測定レンジと正確なピーク位置検出とを両立することができる。
図23は、分光器が備える光検出素子を冷却しないときにおける反射光のスペクトルの一例を示す図である。図24は、分光器が備える光検出素子を冷却したときにおける反射光のスペクトルの一例を示す図である。図23及び図24は、横軸が波長λであり、縦軸が反射光強度である。いずれの図も、点線STが実際の反射光のスペクトルであり、実線SGが分光器によって検出された反射光のスペクトルの検出結果である。分光器が備える光検出素子が発熱すると、図22の実線で示す検出結果SGのように、熱に起因するノイズが発生する。このノイズ除去するために、光検出素子を冷却することが好ましい。光検出素子を冷却することにより、図23の実線で示す検出結果SGのように、熱に起因するノイズを低減することができる。光検出素子を冷却するためには、例えば、ペルチェ素子等を用いることができる。
[液体取扱部]
次に、図1に示す液体取扱部14について説明する。図1に示す液体取扱部14は、標的物質捕捉物質を含んだ溶液等の液体Lを保持しておく第1容器30と、液体送り装置としてのポンプ31と、フォトニック結晶バイオセンサー11から排出された液体Lを溜めておく第2容器32とを含む。ポンプ31は、図1に示す処理部13によって制御される。第1容器30には、液体供給管25が差し込まれている。液体排出管26は、ポンプ31の入口に接続されている。ポンプ31の出口に接続された排出管33は、第2容器32に差し込まれている。ポンプ31は、液体排出管26から液体Lを吸引することにより、第1容器30内の液体Lをフォトニック結晶バイオセンサー11の開口部23P内に供給する。計測が終了したら、ポンプ31は、フォトニック結晶バイオセンサー11の開口部23P内の液体Lを吸引して、排出管33から第2容器32に排出する。このように、液体取扱部14は、ポンプ31によって、標的物質捕捉物質を含んだ溶液等の液体Lを、フォトニック結晶バイオセンサー11の開口部23P内に供給する。
図25及び図26は、液体取扱部の変形例を示す図である。図25に示す液体取扱部14aは、第1容器30Aと、ポンプ31と、第2容器32と、三方弁34と、第3容器31Bとを含む。三方弁34の2つの入口である第1入口34Iと第2入口34I2とには、それぞれ第1液体供給管25Aと第2液体供給管25Bとが接続されている。第1液体供給管25Aは第1容器30A内に、第2液体供給管25Bは第2容器30B内に差し込まれている。三方弁34の出口34Eには、液体供給管25が接続されている。三方弁34は、第1入口34I1と出口34Eとを接続する第1の状態と、第2入口34I2と出口34Eとを接続する第2の状態とを切り替えることができる。本実施形態においては、図1に示す処理部13が三方弁34を制御して、第1の状態と第2の状態とを切り替える。三方弁34が第1の状態でポンプ31が駆動されると、第1容器30A内の液体Lがフォトニック結晶バイオセンサー11の開口部23P内に供給される。三方弁34が第2の状態でポンプ31が駆動されると、第2容器30A内の液体Lがフォトニック結晶バイオセンサー11の開口部23P内に供給される。第1容器30Aと第3容器30Bとにそれぞれ異なる種類の液体Lを保持させておけば、三方弁34が切り替えられることにより、異なる液体Lをフォトニック結晶バイオセンサー11の開口部23P内に供給することができる。このように、液体取扱部14aは、複数の液体Lをフォトニック結晶バイオセンサー11の開口部23P内に供給する作業を簡単にすることができる。
図26に示す液体取扱部14bは、図1に示す液体取扱部14と同様であるが、液体取扱部14が負圧(陰圧)によって液体Lをフォトニック結晶バイオセンサー11の開口部23P内に供給しているのに対し、正圧(陽圧)によって供給する点が異なる。このため、ポンプ31の入口に接続されている吸引管35が第1容器30A内に差し込まれ、ポンプ31の出口に液体供給管25が接続されている。液体排出管26は、第2容器30B内に差し込まれている。ポンプ31が駆動されると、ポンプ31が第1容器30A内から吸引した液体Lは、ポンプ31の出口から吐出された後、液体供給管25を通ってフォトニック結晶バイオセンサー11の開口部23P内に供給される。
[フォトニック結晶バイオセンサーの変形例]
図27、図28及び図29は、フォトニック結晶バイオセンサーの第1変形例を示す図である。フォトニック結晶バイオセンサー11Aは、前述したフォトニック結晶バイオセンサー11と同様の構造であるが、支持部材24Aが、金属膜被覆フォトニック結晶21を載置する側に、支持部材24Aとの間に金属膜被覆フォトニック結晶21を挟み込んだ保持部材23と係り合う複数の爪41を有する点が異なる。他の構造は、前述したフォトニック結晶バイオセンサー11と同様である。図27及び図29に示すように、複数の爪41は、支持部材24Aの金属膜被覆フォトニック結晶21を載置する面、かつその外縁部に設けられた支持体40の先端部に設けられている。爪41は、図29に示すように、断面が三角形形状である。フォトニック結晶バイオセンサー11Aは、金属膜被覆フォトニック結晶21を支持部材24Aに載置した後、保持部材23及び被覆部材22をこの順で複数の爪41の間に嵌め込む。爪41は、被覆部材22の表面に係り合うことにより、被覆部材22及び保持部材23を介して、金属膜被覆フォトニック結晶21を保持部材23と支持部材24との間に挟み込む。フォトニック結晶バイオセンサー11Aは、図3に示す取付治具27、28を用いないで金属膜被覆フォトニック結晶21を固定できる。爪41は、図29に示すように、支持部材24Aから遠ざかるにしたがって、対向する爪41の間隔が大きくなっている。このようにすることで、金属膜被覆フォトニック結晶21が載置された支持部材24Aに、保持部材23及び被覆部材22を嵌め込みやすくなる。
図30及び図31は、フォトニック結晶バイオセンサーの第2変形例を示す図である。フォトニック結晶バイオセンサー11Bは、前述したフォトニック結晶バイオセンサー11と同様の構造であるが、支持部材24Bが、金属膜被覆フォトニック結晶21を載置する側に、保持部材23を保持し、かつ保持部材23を覆った被覆部材22とを嵌め込む部分を備える点が異なる。他の構造は、前述したフォトニック結晶バイオセンサー11と同様である。図30及び図31に示すように、支持部材24Aの金属膜被覆フォトニック結晶21を載置する面24P、かつその外縁部には、保持部材23を保持し、かつ被覆部材22が嵌め込まれる壁42が設けられる。壁42は、面24Pの外縁部から支持部材24の厚み方向に向かって立ち上がっている。壁42は、支持部材24Aの金属膜被覆フォトニック結晶21を載置する面24Pを取り囲んでいる。壁42によって囲まれる部分に、金属膜被覆フォトニック結晶21が載置される。壁42によって囲まれる部分に保持部材23が取り付けられることにより、保持部材23と支持部材24Bとの間に金属膜被覆フォトニック結晶21が挟み込まれる。この状態で、保持部材23の表面に被覆部材22を取り付ける。壁42によって囲まれる部分の寸法は、被覆部材22の外縁の寸法よりも小さくなっている。このため、被覆部材は、壁42に嵌め込まれることによって壁42に固定される。フォトニック結晶バイオセンサー11Bは、図3に示す取付治具27、28を用いないで金属膜被覆フォトニック結晶21を固定できる。
本実施形態及びその変形例は、フォトニック結晶バイオセンサー11等の保持部材23が有する開口部23Pに液体を導入する。このようにすることで、金属膜被覆フォトニック結晶21を支持部材24と保持部材23との間に挟持した状態で開口部23P内の液体を置換することができる。その結果、金属膜被覆フォトニック結晶21を取り付ける際の誤差に起因した測定ノイズを低減することができる。その結果、標的物質の検出感度が向上する。本実施形態及びその変形例の構成は、以下の実施形態においても適宜適用したり、組み合わせたりすることが可能である。
[実施形態2]
図32及び図33は、実施形態2に係るフォトニック結晶バイオセンサーを示す図である。実施形態2は、保持部材が複数の開口部を備える点が実施形態1及びその変形例とは異なる。他の構造は、実施形態1及びその変形例と同様であるので、同様の部分については必要に応じて説明を省略する。フォトニック結晶バイオセンサー11Cは、支持部材24Cと、保持部材23Cと、被覆部材22とを含む。保持部材23Cは、支持部材24Cに載置された金属膜被覆フォトニック結晶21の標的物質を捕捉する部分21Cと重なる複数の開口部23P1、23P2、23P3を有する。開口部23P1、23P2、23P3は、図33に示すように、板状の部材である保持部材23Cの最も大きい対向する2つの平面同士を貫通している。開口部23P1、23P2、23P3は、図33に示すように溝状となっており、金属膜被覆フォトニック結晶21の標的物質を捕捉する部分21Cに重なって開口している。複数の開口部23P1、23P2、23P3は、互いに交差していない。本実施形態において、それぞれの開口部23P1、23P2、23P3は、金属膜被覆フォトニック結晶21の標的物質を捕捉する部分21Cに並列して配置される。複数の開口部23P1、23P2、23P3は、互いに平行になっている必要はない。
金属膜被覆フォトニック結晶21を載置する支持部材24Cは、複数の孔24I1、24I2、24I3、24E1、24E2、24E3を有する。開口部23P1、23P2、23P3は、支持部材24Cの孔24I1、24I2、24I3、24E1、24E2、24E3とも重なっている。孔24I1、24I2、24I3、24E1、24E2、24E3は、金属膜被覆フォトニック結晶21が保持部材23と支持部材24とに挟み込まれた状態で、複数の開口部23P1、23P2、23P3のうちの1つに対して2つがそれぞれの開口部23P1、23P2、23P3に対して開口する。具体的には、孔24I1と孔24E1とが開口部23P1に開口し、孔24I2と孔24E2とが開口部23P2に開口し、孔24I3と孔24E3とが開口部23P3に開口する。孔24I1は開口部23P1内に、孔24I2は開口部23P2内に、孔24I3は開口部23P3内に、標的物質捕捉物質を含んだ溶液等の液体を供給する。孔24E1は開口部23P1内から、孔24E2は開口部23P2内から、孔24E3は開口部23P3内から、標的物質捕捉物質を含んだ溶液等の液体を排出する。以下、孔24I1、24I2、24I3を適宜供給孔24I1、24I2、24I3と呼び、孔24E1、24E2、24E3を排出孔24E1、24E2、24E3と呼ぶ。供給孔24I1、24I2、24I3と液体供給管とは、接続部材25S1、25S2、25S3を介して接続される。排出孔24E1、24E2、24E3と液体供給管とは、接続部材26S1、26S2、26S3を介して接続される。このような構造により、フォトニック結晶バイオセンサー11Cは、それぞれの開口部23P1、23P2、23P3に液体を導入することができるので、1つの金属膜被覆フォトニック結晶21で異なる種類の液体を評価することもできる。
それぞれの開口部23P1、23P2、23P3に液体を導入するにあたり、排出孔24E1、24E2、24E3をポンプの入口に接続し、陰圧を利用して開口部23P1、23P2、23P3に液体を導入してもよい。この場合、ポンプはそれぞれの開口部23P1、23P2、23P3に対応して設けられてもよいし、1台のポンプでそれぞれの開口部23P1、23P2、23P3に液体を供給し、それぞれの開口部23P1、23P2、23P3から液体を排出させてもよい。また、供給孔24I1、24I2、24I3にポンプの出口を接続し、陽圧を利用して開口部23P1、23P2、23P3に液体を導入してもよい。この場合、ポンプはそれぞれの開口部23P1、23P2、23P3に対応して設けられる。
金属膜被覆フォトニック結晶21は微細構造を有するため、同一の製造プロセスで製造しても、形状を精密に制御することが難しい。このため、金属膜被覆フォトニック結晶21毎にばらつきが存在する。フォトニック結晶バイオセンサー11Cは、それぞれの開口部23P1、23P2、23P3に液体を導入することができるので、検査と同時に金属膜被覆フォトニック結晶21を校正することができる。その結果、フォトニック結晶バイオセンサー11Cは、高精度な測定を実現できる。例えば、検査対象の溶液と性状(例えば濃度等)が既知の標準溶液とを同時に金属膜被覆フォトニック結晶21の標的物質を捕捉する部分21Cに導入する。標準溶液の濃度は予め分かっているため、標準溶液の検出結果と検査対象の溶液の検出結果とから検量線を求めることにより、検査と同時に金属膜被覆フォトニック結晶21を校正することができる。その結果、フォトニック結晶バイオセンサー11Cは、検査対象の溶液中に含まれる標的物質の濃度等を高精度に測定することができる。また、それぞれの開口部23P1、23P2、23P3と、支持部材24Cと被覆部材22とで囲まれる空間の体積は、実施形態1における開口部23Pと支持部材24と被覆部材22とで囲まれる空間の体積よりも小さいので、開口部23P1、23P2、23P3に供給する液体の量は少なくて済む。このため、高価な液体を用いる場合は特に好ましい。
保持部材23Cが2以上の開口部を有していれば、金属膜被覆フォトニック結晶21を校正することができる。このため、保持部材23Cは、2以上の開口部を有することが好ましい。また、金属膜被覆フォトニック結晶21をより正確に校正するためには、検査対象の溶液に加えて、標準溶液を複数導入することが好ましい。このため、保持部材23Cは、3以上の開口部を有するとより好ましい。
図34は、実施形態2に係る光検出ユニットを示す斜視図である。図35及び図36は、実施形態2に係る光検出ユニットの分解図である。光検出ユニット50は、フォトニック結晶バイオセンサー11Cの保持部材23Cが備える複数(本実施形態では3つ)の開口部23P1、23P2、23P3から金属膜被覆フォトニック結晶21の標的物質を捕捉する部分21Cに光を照射し、反射光を受光する。このため、光検出ユニット50は、図34及び図35に示すように、複数の測定プローブ52Cを備えている。
光検出ユニット50は、図34に示すように、筐体43内に、複数の測定プローブ52Cが格納される。筐体43は、第1筐体43Aと第2筐体43Bとに分割されている。図35に示すように、筐体43の内部には、複数の測定プローブ52Cを収納し、保持した保持ユニット44が取り付けられる。保持ユニット44は、第1部材44Aと第2部材44Bとに二分割されている。図35及び図36に示すように、第1部材44Aと第2部材44Bとの間に、複数の測定プローブ52Cが配置される。保持ユニット44の一端部には、金属膜被覆フォトニック結晶21の標的物質を捕捉する部分21Cに光を照射し、反射光を受光するための複数(本実施形態では3個)の開口46が設けられている。複数の開口46の間隔は、金属膜被覆フォトニック結晶21の標的物質を捕捉する部分21Cにおける複数の開口部23P1、23P2、23P3の間隔と同一である。測定プローブ52Cは、図14に示す測定プローブ52と同様に、第1光ファイバー54と第2光ファイバー55とが接合され、第1光ファイバー54の光の出射面と、第2光ファイバー55の入射面とが同一の入出射面52Pに配置される。
図36に示すように、測定プローブ52の入出射面52Pと開口46との間には、コリメートレンズ56Cが配置される。開口46は、第1部材44Aの一端部に形成された切り欠き46Aと第2部材44Bの一端部に形成された切り欠き46Bとが組み合わされたものである。図36に示すように、第2部材44Bは、測定プローブ52Cを保持するための複数の溝45を有している。第1部材44Aも、第2部材44Bと同様に複数の溝45を有している。測定プローブ52Cは、第1部材44A及び第2部材44Bの溝45に挟み込まれて保持される。
コリメートレンズ56Cは、球形のレンズである。図36に示すように、第2部材44Bは、コリメートレンズ56Cを保持するための複数の凹部47を有している。第1部材44Aも、第2部材44Bと同様に複数の凹部47を有している。測定プローブ52Cは、第1部材44A及び第2部材44Bの凹部47に挟み込まれて保持される。このような構造により、光検出ユニット50は、近接して隣り合った開口部23P1、23P2、23P3を介して、金属膜被覆フォトニック結晶21の標的物質を捕捉する部分21Cに光を照射し、反射光を受光することができる。
以上、本実施形態は、フォトニック結晶バイオセンサー11Cが備えるそれぞれの開口部23P1、23P2、23P3に液体を導入することができるので、検査と同時に金属膜被覆フォトニック結晶21を校正することができる。その結果、本実施形態は、高精度な測定を実現できる。また、それぞれの開口部23P1、23P2、23P3と、支持部材24Cと被覆部材22とで囲まれる空間の体積は小さいので、開口部23P1、23P2、23P3に供給する液体の量は少なくて済む。
前述した実施形態1及び実施形態の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更を行うことができる。
10 標的物質検出装置
11、11A、11B、11C フォトニック結晶バイオセンサー
11H 保持装置
12 光検出部
13 処理部
13 制御装置
14、14a、14b 液体取扱部
21 金属膜被覆フォトニック結晶
22 被覆部材
23、23C 保持部材
23P、23P1、23P2、23P3 開口部
23SP 空間
24HI、24I1、24I2、24I3 孔(供給孔)
24HE、24E1、24E2、24E3 孔(排出孔)
24、24A、24B、24C 支持部材
25、25A、25B 液体供給管
26 液体排出管
30、30A 第1容器
30B 第3容器
31 ポンプ
32 第2容器
34 三方弁
41 爪
42 壁
43 筐体
44 保持ユニット
45 溝
46 開口
47 凹部
50 光検出ユニット
51 光源
52、52C 測定プローブ
52P 入出射面
53 光検出装置
53SA 第1分光器(分光器)
53SB 第2分光器(分光器)
54 第1光ファイバー
54P 出射面
55 第2光ファイバー
55P 入射面
56、56C コリメートレンズ
65 フォトニック結晶
66 金属膜
69 反射面
74 抗体
75 ブロッキング剤
76 抗原
77 複合体

Claims (7)

  1. 標的物質を捕捉する金属膜被覆構造体を載置して支持する支持部材と、
    前記支持部材との間に前記金属膜被覆構造体を挟み込み、かつ前記金属膜被覆構造体の前記標的物質を捕捉する部分と重なる複数の開口部を有する保持部材と、
    透光性を有し、前記保持部材の前記開口部を覆う被覆部材と、
    前記支持部材に設けられ、前記金属膜被覆構造体が前記保持部材と前記支持部材とに挟み込まれた状態で、1つの前記開口部に対して2つがそれぞれの前記開口部に対して開口する孔と、
    を含む、標的物質捕捉装置。
  2. 1つの前記開口部には、前記孔として、前記標的物質を含む液体を前記開口部に供給する供給孔と、前記開口部から前記液体を排出する排出孔とが設けられる、請求項1に記載の標的物質捕捉装置。
  3. 前記保持部材は、前記金属膜被覆構造体と接する部分が少なくともシリコーンで形成される、請求項1又は請求項2に記載の標的物質捕捉装置。
  4. 前記保持部材は、前記金属膜被覆構造体と接する部分が少なくともポリジメチルシロキサンで形成される、請求項3に記載の標的物質捕捉装置。
  5. 前記支持部材は、フッ素樹脂で形成される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の標的物質捕捉装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の標的物質捕捉装置と、
    それぞれの前記開口部に対して設けられて、それぞれの前記開口部から前記標的物質を捕捉する部分に平行光を照射し、前記標的物質を捕捉する部分で反射された前記平行光の反射光を検出する光検出部と、
    前記光検出部が検出した前記反射光の極値の波長を求め、かつ求めた前記極値の波長のシフトに基づいて、少なくとも前記標的物質の有無を検出する処理部と、
    を含む、標的物質検出装置。
  7. 前記孔を介して前記空間に前記液体を供給し、前記孔を介して前記空間から前記液体を排出する液体送り装置を有する、請求項6に記載の標的物質検出装置。
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