JP5145777B2 - 非接触型icカード - Google Patents

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Description

本発明は、非接触情報通信を行う非接触型(Integrated Circuit)ICカードに係り、特に、UHF(Ultra High Frequency)帯以上の電波を用いる非接触型ICカードに関する。
昨今、リーダライタと非接触で交信して、製品等の工場での工程管理や物流管理、情報表示に使用する非接触型ICカード並びICタグが広範囲な用途に利用されている。
非接触型ICカードは、ICチップとアンテナとが設けられており、該アンテナによって非接触でデータ通信を行うことができる。非接触型ICカードは、伝送方式として電磁誘導方式を用いて通信しているものが最も幅広く利用されているが、UHF帯以上の電波方式で通信するタイプの非接触型ICカードは、一般的にダイポール型のアンテナが用いられ、電磁誘導方式を用いて通信するタイプの非接触ICカードに比べて通信距離が長いという利点を利用して、各種用途に応じて使用されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、この通信距離が長いという利点を活かし、UHF帯以上の電波で通信するタイプの非接触ICカードを利用して、工場等の入場や通過許可を監視、管理するシステムが実用化されている。このようなシステムでは、トラック等の車両の運転手がICカード等を携帯し、施設、建物の部外者の出入りが制限されている区域にゲートやリーダが設け、入場時に、運転席から非接触ICカードをかざし、読み取ったIDに基づいて、通過許可を判断して管理する方法がある。
特開平05−290029号公報
しかしながら、従来のUHF帯以上の電波で通信するタイプの非接触型ICカードは、誘電体である水や油の影響を強く受け易く、通信性能が劣化していた。これは、アンテナ部分を触ることで、より顕著となるという問題があった。
例えば、通過許可を監視、管理するシステムを導入している工場において、積載トラック等の車両が入場ゲートで、運転手が乗車したままリーダに対してICカードをかざすと、通信距離内であっても、人が手でICカードを持つことにより、通信性能が劣化し通信不可となり、一旦、降りて直接リーダライタにかざさなければならない等の煩わしさがあった。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、誘電体の影響の少ない、通信性能の安定したUHF帯以上の周波数帯を用いる非接触型ICカードを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために本発明は、通信周波数にUHF帯域以上が用いられる非接触型ICカードであって、ベースフィルム基材上に配設されたアンテナコイルと、前記アンテナコイルに接続したICチップとで形成されるインレットを備え、前記非接触型ICカードの少なくとも1つの隅部の頂点近傍に前記アンテナコイルが配設されておらず、前記インレットの少なくとも一方の面に、第1のフィルム層を積層し、前記フィルム層の表面側に印字パターンが印字された印字層を設け、前記印字層の表面側に第2のフィルム層を積層し、前記印字パターンが、前記アンテナコイルが配設されていない非接触型ICカードの隅部に相当する領域に印字された目視可能な印字パターンであることを特徴とする非接触型ICカードである。
また、前記非接触型ICカードの少なくとも1つの隅部の頂点から15mmの範囲に前記アンテナコイルが配設されていないことが望ましい。
また、前記通信周波数は、800MHz以上、3GHz以下であることが望ましい
た、前記フィルム層は、接着層を介して設けることが望ましい
た、前記パターンは指の意匠であることが望ましい。
また、前記非接触型ICカードの4つの隅部の頂点近傍に前記アンテナコイルが配設されていないことが望ましい。
「ICチップ」は、制御部、情報記憶のためのメモリ部、非接触型IC無線通信部等を備えるものである。
「インレット」は、外装基材を配設する前の、一次加工部材である。
本発明による非接触型ICカードは、通信周波数にUHF帯域以上が用いられる、ベースフィルム基材上に配設されたアンテナコイルと、アンテナコイルに接続したICチップとで形成されるインレットを備え、非接触ICカードの少なくとも1つ、望ましくは4つの隅部の頂点近傍にアンテナコイルが配設されていない。
本発明では、アンテナ非配置エリアを設けことにより、人が手でカードを持つなどの誘電体の影響による通信性能の劣化を削減することができ、通信性能をより一層高めることができるという効果を奏する。このように構成された非接触型ICカードは、工場等の入場や通過許可を監視、管理するシステム等の運用の効率化を図ることを可能とする。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、誘電体の影響の少ない、通信性能の安定したUHF帯以上の周波数帯を用いる非接触型ICカードを提供することができる。
以下に、添付図面を参照しながら、本発明に係る非接触型ICカードの好適な実施形態について詳細に説明する。尚、以下の説明および添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
図1は、本実施の形態に係る非接触型ICカード1を示す図である。図1は、非接触型ICカード1の一例であり、図1に示すように、非接触型ICカード1は、略長方形(例えば86×54mm)に形成し、その中に、ベースフィルム2、アンテナコイル3、ICチップ4等を備える。
非接触型ICカード1は、ベースフィルム2の上に、アンテナコイル3を配設し、アンテナコイル3に電気的に接続したICチップ4とから非接触ICカード1のインレット20を形成する。非接触ICカード1の四隅の隅部の頂点から、指1つ分に相当する15mmの範囲にアンテナコイル3が配設されていないアンテナ非配置エリア5を設ける。
通信周波数としては、800MHz以上3GHz以下のUHF波帯以上の周波数帯から選択して使用される。例えば、860MHz〜960MHz帯(UHF帯):通信方式(電波方式)、ダイポール型アンテナや、2.45GHz帯(マイクロ波帯):通信方式(マイクロ波方式)、ダイポール型アンテナである。
図2は、非接触型ICカード1の断面図であり、層構成を示す。
図2に示すように、非接触型ICカード1は、プラスチックフィルム10、接着層11、インレット20、接着層11、プラスチックフィルム10の層構成となっている。形成されたイントレット20のベースフィルム2のアンテナコイル3、ICチップ4側の面、及び反対側の面に、接着剤を貼着し、表面基材としてプラスチックフィルム10をベースフィルム2に貼着し、プラスチックフィルム10を形成する。
インレット20の基材であるベースフィルム2としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PC(ポリカーボネート)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルフイド)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリウレタン等の素材を使用する。
また、プラスチックフィルム10としては、前述したベースフィルム2に挙げた素材を使用する。
また、接着層11を形成する接着剤は、ポリアクリル酸エステル、ゴム系粘着剤、シリコーン粘着剤等の各種材料を使用する。
尚、本実施形態では、接着剤を介して、ベースフィルム2に貼着してプラスチックフィルム10を形成したが、これに限らず、例えば、両面テープ等を用いてもよい。また、接着剤を用いず、インレット20の両面に、プラスチックフィルム10を順次積層し、外周縁部を圧着してもよい。
図3は、非接触型ICカード1の表面を示す図である。
図3に示すように、非接触型ICカード1上の表面であるプラスチックフィルム10の四隅のアンテナコイル3が配設されていないアンテナ非配置エリア5に相当する領域に、目視可能な、例えば指の意匠を表す印字パターン30を印字する。印字された印字パターン30(指の意匠)は、非接触型ICカード1をかざす際、非接触型ICカード1の手で持つ位置をアンテナ非配置エリア5へと導かせる。
図4は、印字パターン30を印字した非接触型ICカード1の断面図である。
図4に示すように、非接触型ICカード1のプラスチックフィルム10からなるフィルム層の表面側に印字パターン30が印字された印字層12を設け、更に、その表面側に、接着層11を介して、表面基材としてプラスチックフィルム10からなるフィルム層を積層する。このように、非接触型ICカード1の表面側に、プラスチックフィルム10からなるフィルム層に、1層だけでなく、表面側に印字層12、フィルム層等複数層設けてもよい。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、通信周波数として、800MHz以上3GHz以下のUHF波帯以上の周波数帯を用いる非接触型ICカード1は、略長方形に形成し、ベースフィルム2の上に、アンテナコイル3を配設し、アンテナコイル3に電気的に接続したICチップ4とから非接触ICカード1のインレット20を備え、非接触ICカード1の四隅の頂点から、指1つ分である15mmの範囲にアンテナコイル3が配設されていないアンテナ非配置エリア5を設ける。非接触型ICカード1表面であるプラスチックフィルム10の四隅に、目視可能な、例えば指の意匠を表す印字パターン30を印字する。
これにより、アンテナ非配置エリア5を設けことにより、人が手でカードを持つなどの誘電体の影響による通信性能の劣化を削減することができ、通信性能をより一層高めることができるという効果を奏する。
また、このように構成された非接触型ICカードを用いた、工場等の入場や通過許可を監視、管理するシステムにおいて、ICカードをかざす際の通信不可による従来の煩わしさから開放される。
また、アンテナ非配置エリア5の表面に指の意匠を印字することにより、非接触型ICカード1の手で持つ位置をアンテナ非配置エリア5へ導くという効果を奏する。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る非接触型ICカード1の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本実施の形態に係る非接触型ICカード1を示す図 非接触型ICカード1の断面図 非接触型ICカード1の表面を示す図 印字パターン30を印字した非接触型ICカード1の断面図
符号の説明
1………非接触型ICカード
2………ベースフィルム
3………アンテナコイル
4………ICチップ
5………アンテナ非配置エリア
10………プラスチックフィルム
11………接着層
12………印字層
20………インレット
30………印字パターン

Claims (6)

  1. 通信周波数にUHF帯域以上が用いられる非接触型ICカードであって、
    ベースフィルム基材上に配設されたアンテナコイルと、前記アンテナコイルに接続したICチップとで形成されるインレットを備え、
    前記非接触型ICカードの少なくとも1つの隅部の頂点近傍に前記アンテナコイルが配設されておらず、
    前記インレットの少なくとも一方の面に、第1のフィルム層を積層し、
    前記フィルム層の表面側に印字パターンが印字された印字層を設け、
    前記印字層の表面側に第2のフィルム層を積層し、
    前記印字パターンが、前記アンテナコイルが配設されていない非接触型ICカードの隅部に相当する領域に印字された目視可能な印字パターンである
    ことを特徴とする非接触型ICカード。
  2. 前記非接触型ICカードの少なくとも1つの隅部の頂点から15mmの範囲に前記アンテナコイルが配設されていないことを特徴とする請求項1記載の非接触型ICカード。
  3. 前記通信周波数は、800MHz以上、3GHz以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触型ICカード。
  4. 前記フィルム層は、接着層を介して設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非接触型ICカード。
  5. 前記印字パターンは指の意匠であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の非接触型ICカード。
  6. 前記非接触型ICカードの4つの隅部の頂点近傍に前記アンテナコイルが配設されていないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の非接触型ICカード。
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